当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の回復や雇用・所得環境の改善等により緩やかな回復基調が見られるものの、一方で中国経済の減速懸念や米国の今後の政策動向に加え地政学リスクの高まりなど先行きは依然として不透明な状況が続いております。
食品業界におきましては、個人消費の回復が期待されるものの、本格的な回復には未だ力強さに欠け、伸び悩みました。
パン業界におきましては、消費者の安全への関心が高い状況の中、低価格志向の継続や人手不足による労務費・人件費・物流費の上昇、及び下期からの原料価格やエネルギーコストの上昇等により引き続き厳しい事業環境となりました。
このような環境下において、当グループでは基本方針に「ルールの確認と徹底」、「垣根を越えたチームプレイ」、「オンリーワンを目指す挑戦」を掲げ、黒字を継続すべく取り組んでまいりました。
当社のオンリーワン商品の一つである「スイートポテト蒸し」が国内最大級の市販食品の口コミサイト「もぐナビ」が主催する「2017年 もぐナビおやつ大賞~菓子パン部門~」において、全6,090商品の中で第1位の大賞を受賞いたしました。
また、当社の売上の柱である「キャラクター商品」は、新作映画やゲームと連動した企画によりゲームユーザーも購買層に取り込むことで売上を押し上げ、PB商品も増加いたしましたが、NB商品の主力定番品、新製品、菓子のOEM生産等が減少し、売上高は微減となりました。
コスト面では、原材料値上げ抑制、改善活動による生産効率の向上、原価管理の強化、物流費の改善等に努めてまいりましたが、価格競争激化による値引や原価率の上昇、エネルギーコスト・原料費の増加、労務費・人件費の上昇、大手流通との新規取引開始に伴う物流費の増加等の要因によるコストアップが大きく、減益を余儀なくされました。
以上の結果、当連結会計年度のパン部門の売上高は20,088百万円(前連結会計年度比302百万円の増加)、和洋菓子部門の売上高は3,604百万円(同144百万円の増加)、その他の売上高は2,909百万円(同537百万円の減少)となりました。よって売上高は26,602百万円(同90百万円の減少)となりました。営業損失は41百万円(同505百万円の減少)、経常利益は84百万円(同468百万円の減少)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、57百万円(同353百万円の減少)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ33百万円増加し、2,924百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の資金収支は、減価償却費650百万円などにより246百万円の資金を得ることができました。
なお、前連結会計年度に比べ961百万円の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の資金収支は、有形固定資産の取得による支出586百万円及び投資有価証券の売却による収入386百万円などにより255百万円の支出となりました。
なお、前連結会計年度に比べ323百万円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の資金収支は、社債発行による収入150百万円、社債の償還及びファイナンス・リース債務の返済による支出の153百万円などにより42百万円の収入となりました。
なお、前連結会計年度に比べ177百万円の収入の増加となりました。
当連結会計年度における生産実績を単一セグメント内の部門別に示すと、次のとおりであります。
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部門名 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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食品事業 |
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パン部門 |
18,258 |
103.9 |
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和洋菓子部門 |
3,276 |
106.6 |
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その他 |
2,651 |
82.9 |
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合計 |
24,186 |
101.4 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度において受注実績は、金額に重要性がないため記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を単一セグメント内の部門別に示すと、次のとおりであります。
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部門名 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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食品事業 |
|
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パン部門 |
20,088 |
101.5 |
|
和洋菓子部門 |
3,604 |
104.2 |
|
その他 |
2,909 |
84.4 |
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合計 |
26,602 |
99.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年12月31日)現在において当グループが判断したものであります。
当グループは、「おいしさに まごころこめて」をモットーとし、お客様の期待を超える感動をお届けすることを目指しております。
1947 年創業の歴史の中で培われたパン及び菓子分野における技術力と商品力をベースにしながら、改善活動による品質向上と原価低減を図り、食を通じたお客様への価値提供に努めてまいりました。
今後とも、マーケティング力を強化し、独自技術で差別化した商品群を創造し、安全で高品質な商品作りに努め、食を通じて社会の発展に貢献してまいります。
当グループは、株主への利益還元と企業価値の向上のため、グループ全体の業績向上と一段の財務体質の安定強化に努めております。
当グループは、黒字の継続を最優先課題として、グループの経営資源を最大限に有効活用し、既存マーケットの深耕と生産効率の向上を行うと共に、新たなマーケットへ積極的に展開を図り、お客様の期待を超える感動をお届けすることができる独自性のあるオンリーワン企業となることを目指してまいります。
①商品面では、既存定番品のブラッシュアップに加え、技術で差別化した競争力のある商品を創造すると共に、付加価値ブランドの立ち上げを目指します。そのために、独自技術の開発によるオンリーワン商品群の確立、R&D(Research and Development:研究開発)機能・マーケティング機能の強化を図ってまいります。併せて、焼菓子、米粉パン、業務用商品など市場が拡大している周辺領域に注力してまいります。
②営業面では、お客様にとって無くてはならないオンリーワンメーカーとしての関係を構築してまいります。そのために、提案力の強化を図り、お取引先様の売上と利益の向上に貢献してまいります。また、物流コストを含めたお取引先様毎の利益管理を徹底することで質の良い売上の確保を目指してまいります。
③供給面では、生産性の高い商品とオンリーワン商品群を両立して提供できるメーカーを目指してまいります。そのために、省人化・効率化の推進と、高品質商品製造技術を確立してまいります。また、共同物流推進などによる物流コスト抑制を加速すると共に、SCM(Supply Chain Management:供給コントロール)機能・体制を確立してまいります。
④組織・人材面では、オンリーワンメーカーとしての価値を支える人材づくりに注力するとともに、働く環境の改善を確実に進めてまいります。そのために、DPS(Daiichi-pan Production System:第一パン生産方式)の改善活動のレベルをオンリーワンの強みにまで高めてまいります。また、ゆとりある働き方への環境整備、ガバナンス体制の整備等コーポレート機能の強化に努力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年12月31日)現在において当グループが判断したものであります。
(1)食の安全性と品質管理について
お客様に安心して食べていただける商品を提供すべき企業として、食品の安全性と品質管理についてはAIB(American Institute of Baking)が全米の食品企業に対して実施している「フードセーフティーシステム」を導入し、GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造規範)の遵守に努め、食品安全管理体制の強化を徹底させ、万全の体制で臨んでおります。しかし、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)原材料の価格及び運送コストの変動について
当グループにおける売上原価に占める原材料等の割合は高く、小麦粉・砂糖・油脂・鶏卵等の安定的な調達や価格の維持に極力努めておりますが、市場動向や異常気象等によりもたらされる価格高騰が、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当グループにおける販売費に占める運送コストの割合も高く、ドライバー不足による人件費高騰や原油高など運送コストの増大、或いは得意先主導による配送システムの大幅な変更などにより、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)競合するパン市場について
パン業界の状況については、人口減少による需要減など市場の大きな成長が期待できない中、消費者の節約志向・低価格志向を受け、同業他社との価格競争や販売シェア獲得競争により大変厳しい状況となっております。
当グループといたしましては、業務用商品やコンビニエンスストア等の販路開拓を進めると共に、魅力ある商品をお客様に提供できるよう競争力強化に取り組んでおりますが、他社商品との厳しい競合の結果、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)自然災害について
地震や台風等の自然災害が発生し、生産設備の破損、物流機能の麻痺等により生産拠点の操業に支障が生じた時は、他の生産拠点からの商品供給等を受ける対応をいたしますが、当グループの工場が集中している関東地区で危機管理対策の想定を超える災害が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)保有資産の価値変動
当グループが保有する様々な資産について、土地や有価証券などの資産価値が下落することにより減損処理が必要となる場合があり、減損した場合、当グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)労働安全衛生上の問題について
当グループは人員採用・多能工化推進・労働法令遵守に努めておりますが、労働安全衛生上の問題が発生した場合、当グループの業績・信用に影響を及ぼす可能性があります。
(7)その他の主なリスクについて
当グループは日本国内で事業を展開しておりますが、以下のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
①取引先の経営破綻
②生産設備の火災等の事故
③各種の法的規制の改廃
④必要物資の品不足の発生
⑤過度な人材獲得難
⑥労働安全衛生上の事故
(8)継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、当事業年度において、549百万円の営業損失を計上しました。このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
しかしながら、「7(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)(5)事業等のリスクに記載した重要事象等を改善するための対応策」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施してまいります。また資金面での手当が確保できておりますので、継続企業の前提に関する不確実性は認められません。
特記すべき事項はありません。
当グループは、お客様の食生活の多様化、目まぐるしい嗜好の変化に迅速かつ的確に対応し、よりお客様のニーズに応えた商品の発売を目指して、研究開発活動を行っております。また、新商品開発や既存商品の改良の取り組みと並行して、中長期的な展望に立った企業の基盤となるようなパン生地製法の開発や食品分析等の基礎研究にも取り組んでおります。
第一パンブランドを高めるために、売り場でお客様に手を伸ばしてもらえる魅力的で説得力のある商品のパッケージデザイン・ネーミングの開発を行っております。
研究開発部門として、専従スタッフの強化と設備の充実を図り、お客様が求める・認める価値を備えた商品創りを追求し、品質の一層の向上に努め、独自性のあるこだわりを持った商品開発に取り組んでおります。
当連結会計年度中に支出した研究開発費は166百万円であります。
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。また、連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要なものについては、合理的な基準に基づいて行っております。
当連結会計年度末の資産合計は20,015百万円となり前連結会計年度末より1百万円増加しました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ未収入金が65百万円増加したことなどにより、残高7,464百万円と前連結会計年度末より94百万円増加しました。
有形固定資産は、586百万円の設備投資などにより、残高7,935百万円と前連結会計年度末より175百万円増加しました。
投資その他の資産は、保有株式の売却などによる投資有価証券の減少242百万円、賃貸固定資産の減価償却費27百万円などにより、残高4,457百万円と前連結会計年度末より275百万円減少しました。
当連結会計年度末の負債合計は10,630百万円となり前連結会計年度末より68百万円減少しました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ短期借入金73百万円増加したことなどにより、残高4,227百万円と前連結会計年度末より47百万円増加しました。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ退職給付に係る負債165百万円減少したことなどにより、残高6,402百万円と前連結会計年度末より116百万円減少しました。
当連結会計年度末の純資産合計は9,385百万円となり前連結会計年度末より70百万円増加しました。前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が57百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度の売上高は26,602百万円(前連結会計年度26,693百万円)と前連結会計年度に比べ0.3%の減収となりました。営業損失は原材料値上げ抑制、改善活動による生産効率の向上、原価管理の強化、物流費の改善等に努めてまいりましたが、価格競争激化による値引や原価率の上昇、エネルギーコスト・原料費の増加、労務費・人件費の上昇、大手流通との新規取引開始に伴う物流費の増加等の要因によるコストアップが大きく、前連結会計年度に比べ505百万円減少し41百万円の損失となりました。経常利益は前連結会計年度に比べ468百万円減少し84百万円の利益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ353百万円減少し57百万円の利益となりました。
資金状況については、業績の非常に厳しい中で、事業活動による資金調達によって充当しております。
なお、借入金及びリース債務については約定に基づき返済しております。
また、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5) 事業等のリスクに記載した重要事象等を改善するための対応策
当社は、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク 」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
しかしながら、以下の資金面を中心とした手当及び改善策の実施により、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性はないものと判断しております。
連結での営業キャッシュ・フローはプラスであり、資金面においては、平成29年5月18日に主力行の株式会社みずほ銀行と他の参加行の合意を得て総貸付極度額20億円のコミットメントライン契約を締結いたしました(コミットメント期間:平成29年5月18日から平成32年5月18日)。これらにより主要取引銀行の支援体制も十分に確保できております。
また、生産面につきましては、DPS活動のレベルを高めることで品質の安定化と生産効率の改善を進め、課題である原価率の低減を図ってまいります。営業面につきましては、配送システムの見直しを積極的に進め、物流コストの圧縮を図ってまいります。原材料の調達価格や労務費・人件費の上昇等、厳しい環境が見込まれますが、これらの施策により、早期の黒字化を図ってまいります。