当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、前事業年度(2022年1月1日~2022年12月31日)において、営業損失905百万円、経常損失544百万円、当期純損失1,047百万円を計上しました。また、連結業績においても前連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)において、営業損失669百万円、経常損失554百万円、親会社株主に帰属する当期純損失1,145百万円を計上しました。
この結果、連結財務諸表及び個別財務諸表ともに、継続して営業損失を計上しております。また、前連結会計年度末における短期借入金及び1年内償還予定の社債の合計金額は3,443百万円であり、流動負債が流動資産を超過しております。
このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
しかしながら、以下の対策を講じており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性はないものと判断しております。
当社は、従来から売上面、生産面及び販売管理費の管理面での各施策を実施してまいりましたが、前事業年度において、更なる生産性の向上と競争力の強化を図るため、事業構造再構築の一環として横浜工場(神奈川県横浜市)を閉鎖し跡地を有効活用するために事業用定期借地権設定契約を締結いたしました。これによる関東の生産拠点の集約効果は当事業年度から発現されています。
資金面では、前事業年度に保有株式の売却を行いました結果、1,144百万円の手許資金を調達するとともに、2023年2月7日に主力行である株式会社みずほ銀行と総貸付極度額15億円のコミットメントライン契約(コミットメント期間:2023年2月7日から2024年2月7日)を締結し、短期の運転資金枠を確保いたしました。
また、取引金融機関に対しては当事業年度の基本方針と改善案を説明し良好な関係と支援体制を継続しております。既存の当座貸越限度額及び証書貸付も継続しており、加えて不測の事態を想定し保有資産の流動化等の検討も進めております。
また、従来から実施している以下の売上面、生産面及び販売管理費の管理面の施策についても継続して取り組むことにより、早期の通期黒字化を目指してまいります。
① 売上の拡大
売上面につきましては、本年1月に実施した組織改編により、マーケティング部門と開発部門の連携をより強化し、NB商品の開発を磨きます。また、当社の強みであるキャラクター商品にさらに注力し、売上の増大を図ってまいります。
販売価格については、原材料価格やエネルギーコストの高騰、市況等を慎重に判断した結果、2023年7月1日納品分より価格改定を行っております。今後も引き続き企業努力では吸収しきれない原材料費及び製造経費の上昇等に対しては、価格改定を行い収益性の改善に努めてまいります。
更に、グループ内のリソースを活かし、ロングライフ商品・冷凍品のジャンル、具体的には焼き菓子や冷凍ケーキ、冷凍生地等の非日配商品群の開発に注力し、新たな売上の上乗せを図ってまいります。
② 生産性の向上
生産面につきましては、DPS(Daiichi-pan Production System:第一パン生産方式)活動の継続による品質の安定化と生産効率の改善並びに新規投資を行うことで生産性を上げ、労務費等の削減を図ってまいります。
③ 販売管理費の管理面のコスト削減
広告宣伝費、出張費、会議費及び交際費の削減、支払手数料などの見直しについては、継続的に実施してまいります。
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当グループが判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間の期首より、不動産事業に係る収益及び費用等の処理方法に係る会計方針の変更を行っており、遡及処理の内容を反映させた数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。
詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照下さい。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ538百万円増加し、17,615百万円となりました。負債につきましては、短期借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ304百万円増加し、11,539百万円となりました。また、純資産は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ233百万円増加し、6,075百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが感染法上の5類へ移行、入国者の水際対策の解除など、社会経済活動の正常化が進み、緩やかながら回復基調となりました。
製パン業界におきましては、為替変動や、エネルギーコスト及び原材料価格の高騰などに伴う物価上昇が実績賃金の伸びを上回る中、消費者の節約志向が強まり販売競争が激化することで、厳しい経営環境でありました。
このような環境下にありまして、当社は「新しい価値、新しい第一パンを創る」を全社基本方針として掲げ、その実行のため製販部門など部門間の連携強化を図りました。中でもマーケティング部門と商品開発部門の連携を特に強化し、これまで以上に当社製品をお召し上がりいただけるお客様の目線に立った商品開発に取り組んでまいりました。
当社は本年7月1日より各コストの上昇に対処するため一部商品の価格改定を実施しました。また、主力のロングセラー商品のリニューアルやキャンペーン等の販促を実施、継続的に各年代・世帯構成に合わせた商品を開発・発売し商品力の強化を図りました。2022年12月末をもって横浜工場(神奈川県横浜市)を閉鎖したことによる生産拠点の集約効果も現れてきております。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は19,480百万円と前年同四半期比1,776百万円の増収(同比10.0%増)、営業損益は、原材料価格の高騰や人件費が増加する状況下において、DPS(Daiichi-pan Production System:第一パン生産方式)活動の継続による生産効率の向上、物流コストを中心とした販売管理費の低減に努めた結果、267百万円の利益(前年同四半期は406百万円の損失)、経常損益は285百万円の利益(前年同四半期は414百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損益は251百万円の利益(前年同四半期は891百万円の損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
第1四半期連結会計期間より、2022年12月末をもって横浜工場(神奈川県横浜市)を閉鎖した跡地を有効活用することを契機に、従来の単一セグメントから、「食品事業」、「不動産事業」の2区分に変更しております。
なお、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
〈食品事業〉
本年4月に主力品の「大きなデニッシュ」シリーズ、6月に「ひとくちつつみ」シリーズのリニューアルを実施し、それぞれのシリーズがリニューアル以降、前年比を大幅に上回る伸長となっており、当社全体の売上を牽引しました。ハンバーガーチェーン、コーヒーショップチェーン向けなど業務用商品は、新型コロナウイルスの感染法上の位置づけ変更に伴う人流の回復やチェーンの販促に合わせた商品提案により、前年を上回る実績となりました。また本年6月で発売25周年を迎えたテレビアニメキャラクター商品は、テレビアニメの新シリーズスタートに伴う商品リニューアルや、発売25周年に伴う記念キャンペーン等により売上伸長を継続しました。
以上の結果、売上高は、19,358百万円(前年同期比10.1%増)、セグメント営業利益は1,093百万円(前年同期比139.8%増)となりました。
〈不動産事業〉
千葉県松戸市に賃貸物件を保有しており、売上高は、121百万円(前年同期比-%)、セグメント営業利益は74百万円(前年同期比19.1%減)となりました。
(2) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①主要な資金需要
当グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入及び、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業経費によるものであります。営業経費の主なものは、委託運送費、広告宣伝費などであります。
また、当グループは、生産設備の合理化・更新など継続的に設備投資を実施しております。
②重要な資本的支出の予定
重要な資本的支出の予定はありませんが、空調設備及び生産設備などの更新396百万円の設備投資を計画しております。
これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて充当する予定であります。
また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、114百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。