第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「利害相反する人を含め、集団の生存性を高める」を経営理念としております。これは、自集団のみの生存性を高めれば良いということではなく、当社グループを取り巻く七媒体(株主、消費者、流通、国・県・市町村、取引先、金融機関、従業員)の全てとともに響き合って生存性を高めることを基本としております。

消費者が望む革新的商品やサービスを継続的に提供することを使命とし、地方にありながら世界につながるグローバル企業であり続けることを目指してまいります。また、心と体の健康づくりをテーマに文化・芸術、スポーツ支援などを通じて社会に貢献する活動も推進してまいります。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目標に、収益力、生産性向上、資本効率等の改善を図るために投資効率を重視した経営を行っております。それぞれの部署における業務の効率化を目指した施策を講ずるとともに管理の強化を進めてまいります。

また、連結ROE(株主資本当期純利益率)を重要指標と捉えております。財務政策など経営の諸施策を推進し、連結ROEを高めることにより、株主価値の向上と安定的な成長を目指してまいります。

 

(3) 経営環境

経営環境につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(4) 対処すべき課題および経営戦略等

当社グループは、食品製造企業として品質保証第一主義に徹するとともに、安定した原材料調達と商品供給体制の確立、原材料のトレーサビリティ、フードセーフティーへの取り組み強化による品質保証体制のレベルアップを図ってまいります。また、消費者の皆様の「心と体の健康づくり」に寄与する健康増進総合支援企業を目指し、ビスケットやチョコレートをはじめとする多様なカテゴリーでバラエティ豊かな商品や、未病対策として生活習慣病予防のための機能性食品、健康食品の開発を進めてまいります。

将来に向けては、持続的な発展のためESG(環境・社会・ガバナンス)を経営戦略と捉えSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標に準拠した活動を明確にしてまいりますそして商品の品質向上や顧客満足度の向上コンプライアンスに注力しつつ環境貢献投資健康寿命の延長防災・減災などの社会的な課題の解決にも取り組んでまいります

その他、新型コロナウイルス感染症の流行、および原材料価格や原油価格の高騰、さらには地政学的リスクに端を発する原料の安定調達に関する課題など、経営を取り巻く環境は日々変化し、また、先行きの不透明さも増しておりますが、顧客第一主義の下、生産体制の維持と商品の安定供給に努めてまいります。

 

① 新製品開発体制の強化

・ ビスケット市場のシェア拡大に向けた既存ブランドの新規形態品やシリーズ品の開発

・ 新しい価値を創造・提案するチョコレート商品の開発

・ 菓子製造技術を活かした付加価値の高い冷菓商品の開発

・ 次世代を担う主力商品の開発、新たなブランドの構築および新カテゴリー群の創出と育成

・ 優位性・新奇性に富み、差別化された商品の開発やそのための新設備の導入

・ 先端・先進的領域の研究を通じた新製品の開発

 

② 新たな需要を創造する営業体制の強化

・ 企画提案型営業による楽しい売り場演出・サービスの提供

・ 流通チャネル・得意先別要望への適時対応と積極的な企画提案による関係強化

・ 自動販売機事業、業務用商品販売事業およびeコマース事業の品揃え強化による採算性向上のほか、新たな付加価値を提供するスマートリテールの開発

・ キャッシュレス化の進行による消費チャネル多様化への対応

 

 

③ グローバル展開の推進

・ 中国市場における当社商品や現地グループ会社の商品の販売拡大

・ 米国市場に適した商品の開発と現地法人を拠点とした販売推進

・ 東南アジア、その他目覚ましい経済成長がみられる地域への販売網の構築や販売強化

 

④ 経営基盤の強化

・ 安全、安心な商品を安定して供給できる生産体制の構築・維持・推進

・ 新規原材料開発や購買経路の開拓、製品仕様の見直し等によりコスト競争力を高める体制の強化

・ AI、IoTを活用した最新の生産システムの構築による生産性や品質の向上、省人化によるコスト低減の推進

・ DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進と社員のITリテラシーの向上

・ 食品安全マネジメントシステムの国際規格等を基に当社独自に策定したブルボン品質保証マネジメントシステム(BQAMS)の運用と教育の実施

・ ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進のため、従業員の多様な働き方や、女性の活躍を可能とする制度の拡充

・ 健康を重視した経営方針のもと明るく活き活きと働くことのできる職場環境の構築

・ 後継者群育成計画の策定による経営幹部の養成

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済情勢および人口動態の変化

国内の個人消費が回復基調にあるものの、当社グループの主力であるビスケット・チョコレート商品で一部の関税率が段階的に削減や撤廃されることが事業活動に大きく影響を及ぼす可能性があります。さらに、国内人口減少や少子高齢化による消費需要の低迷が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 食品の安全性

当社グループは、安全・安心・安定および健康を基にした品質保証第一主義の徹底を図るため、食品安全基本

法、消費者安全法、食品衛生法、食品表示法、その他関係法令を遵守することはもとより、原材料に係る有害物質(残留農薬、遺伝子組換え、放射能汚染など)の検査体制の強化、トレーサビリティの構築、意図的な異物混入を防止するフードディフェンスの取り組み等を行っておりますが、当社の取り組みの範囲を超える事態が発生した場合は、社会的な信用低下による売上・生産低下や商品回収による費用発生により、当社グループの収益性を低下させ、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 商品開発および競合性

当社グループは、消費者の嗜好変化に対応した魅力的な新商品開発や、健康志向等を踏まえた特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品などの研究や新製品開発にも取り組んでおりますが、設備投資した新製品が消費者ニーズに適合せず販売計画未達の場合や、マーケットに国内外より新たなメーカーが参入した場合、競合他社による強力な新製品投入、商品価格の値下げ、販促費の追加投入、広告宣伝の強化等により、優位に立てない場合には当社グループの収益性を低下させ、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 固定資産の減損

当社グループは、新製品開発や品質向上、生産性向上のための設備投資を継続的に行っております。その結果、有形固定資産を多額に有しております。

経営環境の変化等により当該資産から得られる将来キャッシュ・フローが著しく低下した場合には、帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上することとなるため、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) コンプライアンス

当社グループは、事業活動を遂行するにあたり、会社法、金融商品取引法、食品衛生法、食品表示法、景品表示法、製造物責任法、不正競争防止法、環境・リサイクル関連法規等、様々な法的規制を受けております。当社グループとしては、各業務担当部門が法務担当部門と連携しながら、すべての法的規制を遵守するように取り組んでおりますが、その取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、研究開発、製品開発等その事業活動において第三者の知的財産権を侵害することのないように細心の注意を払っておりますが、第三者から知的財産権侵害に係る不測の訴訟を提起された場合、その結果によっては当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 天変地異、災害

当社グループは、大規模災害を想定し、従業員とその家族を対象とした安否確認システムを導入するとともに、地震や台風、風水害による自然災害、火災などが発生し、重大な被害を受け工場が操業停止となった場合、他工場からの製品供給を可能とする事業継続計画(BCP)を策定しております。しかしながら、当社グループの生産工場が集中している新潟県を中心とした広範囲で大規模な自然災害が発生し複数の工場被災や火災発生などによる死亡者が発生するなど、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた事態の場合には、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 新型感染症

当社グループは、新型コロナウイルスなどの感染症に対して感染症対策委員会を設置し、食品製造企業として厳格な管理基準に則り、従業員に対する衛生管理に十分留意した生産活動および間接部門ではテレワークの取り組みや出張の制限など、社内外の感染防止に最大限努めて事業活動を継続しております。しかしながら、人の移動の制限によるインバウンド需要や行楽需要の減退、物流・流通システムの混乱に起因する生産活動に必要な原材料・諸資材の調達困難などにより一部生産活動の停止や販売活動に支障をきたす恐れがあり、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 原材料の調達および価格の変動

当社グループの原材料の多くは海外調達であり、世界的な異常気象、天変地異の発生などによる収穫量の減少や人口増加による逼迫、感染性疾病の流行等を原因とする輸出制限、地政学的リスクなどによる調達困難、穀物相場への投機資金の流入による国際相場の混乱、急激な為替レートの変動、世界経済が不況に陥る影響による仕入価格の高騰などにより当社グループの収益性を低下させ業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 販売先の与信管理および構造変化

当社グループでは債権保全に万全を期すべく、調査機関や業界情報の活用により日常的な情報収集や与信管理を徹底し、債権回収不能の未然防止体制をとっておりますが、その取り組みの範囲を超えた事象が突発的に発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、新業態店舗やCVS店舗の増減、小売業の合併・統合などにより取引業態の構造変化や取引条件の変更などが当社グループの収益性を低下させ、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報システム障害等

当社グループは、経営に関する重要情報や個人に関する機密情報を保持しております。これらの情報システムの運用については、コンピュータウイルス感染によるシステム障害やハッキングによる被害および外部への社内情報の漏洩が生じないよう万全の対策を講じておりますが、当社や社員を狙った標的型攻撃メールや想定を超えた技術による情報システムへの不正アクセス、コンピュータウイルスの感染などにより、情報システムに障害が発生するリスクや、社内情報等が外部に漏洩するリスクがあり、こうした事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 海外での事業展開

当社グループは、海外への事業展開を図っておりますが、現地の政治的・経済的要因の変動、予期しえない法律・規制などの改廃、感染性疾病の流行、地震等の自然災害の発生などにより生産工場の閉鎖や収益性が低下した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」といいます。)等を適用しております。

これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少しております。

そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高および連結段階利益については前連結会計年度と比較しての増減額および前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続したことに加え、新たな変異株の出現により感染者数が急増し、緊急事態宣言の再発出ならびに、まん延防止等重点措置が適用されるなど先行き不透明な状況が続きました。各種の感染防止策を講じ個人消費に持ち直しの動きがみられたものの、世界経済の回復に伴う各種価格の上昇や東欧での地政学的リスクの高まりなど、景気下振れリスクが増大する局面を迎えました。

 菓子・飲料・食品業界は、行動の制約が求められる中で内食需要が続き堅調に推移しました。一方で、原材料・エネルギー価格の上昇や円安進行の影響が日常生活に現れ始め、消費者の節約志向が高まりました。

 このような状況下で、当社グループは一貫して食品製造企業として品質保証第一主義に徹し、感染防止対策の徹底を図りながら、安全で安心な実質価値の高い商品の安定した供給と、消費者ニーズにお応えしたサービスの提供など、顧客満足度の向上に向けた活動を推進してまいりました。具体的には、感染症禍において一層高まった家庭内消費に対応した商品展開や健康志向への取り組み、ECチャネル需要の増加等による消費者の購買行動多様化への対応など、求められる価値の実現に機敏かつ柔軟に取り組みました。加えて、商品ブランドの強化と付加価値を高めた魅力的な商品開発に取り組むとともに、営業拠点を活かし可能な範囲で最大限の店頭フォローを続け、企画提案型営業によるお客様の満足につながる活動を推進してまいりました。

 その結果、パーソナルユース商品が回復傾向にあったことや、ビスケット品目が家庭内消費傾向の継続を受けご支持をいただいたことなどから売上高は順調に推移しました。利益面では、生産性の向上とコストの削減、経費の効率的な使用に努めましたが、原材料・エネルギー価格の急激な上昇により営業利益が伸び悩みました。一方、為替差益を計上したことから経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は底堅い推移となりました。

 

(営業品目別の概況)

 菓子の合計売上高は、89,989百万円となりました。

 菓子では、ビスケット品目を中心として、豆菓子、キャンデー、デザート、米菓、スナック、チョコレートなどの品目を展開しています。

 ビスケット品目は、1本の満足感を高めた「贅沢ルマンド」を発売したことに加え、シリーズ品として宇治抹茶カカオなどの期間限定商品を展開しご好評をいただきました。また、長年培ってきた菓子製造技術を活かし、チョコレートが手につかない新しいクッキー「ショコロラ」と「フォンティア」を発売しました。マイベネフィット商品群は、発酵バターを使用した濃厚な味わいの商品「バタースコッチサンド」や、ホワイトチョコレートでコーティングしたパウダーケーキ「ミルネージュ」を発売し、品ぞろえの強化を図りました。さらには、季節に合わせた展開として抹茶、バナナ、夏塩、いも・栗、ホワイト、いちごのフェアを実施したほか、パッケージにキャラクターをデザインした限定商品を発売し、充実の品ぞろえで売場に彩りを加える提案を行いました。一方で、おいしさと糖質のバランスを考えた「カーボバランス」シリーズや、ノンフライのおつまみ商品「えびつま君」、「たらつま君」を発売し、健康志向のニーズにお応えする商品展開を行いました。品目全体では、ファミリーサイズ商品群やバータイプスイーツ商品群、「ロアンヌ」シリーズもご好評をいただきました。

 キャンデー品目は、「フェットチーネグミ」シリーズで、期間限定商品の発売やルート限定の商品展開を行い、品ぞろえの充実を図りました。また、過去の販売商品の中から投票によって選ばれた3種の味を掛け合わせた「フェットチーネグミみんなの青春の味」や、さわやかな酸味のラムネ菓子「フェットチーネグミのきゅんとすっぱいヒミツ」の発売に加え、TVCMや消費者キャンペーンなどのプロモーション展開を行いブランドの強化に取り組みました。新たな食感を持たせた新規性のある商品として、「プルプグミ」や「しゃりもにグミ」、「まるごろグミ」などを展開し品目全体の底上げを図りました。

 

 チョコレート品目は、「アルフォートミニチョコレート」シリーズに、期間限定のバナナやゴールドキウイを展開したほか、「アルフォートミニチョコレートストロベリー」を発売し品ぞろえの強化を図りました。併せて、新CMや消費者キャンペーンを行いブランドの活性化を図りました。また、ピスタチオを使用した「アルフォートミニチョコレートプレミアムピスタチオ」や、「ラッシュ」シリーズの「ピスタチオラッシュ」を発売し、お客様のニーズに応える商品展開を行いご好評をいただきました。品目全体では、マイベネフィット商品群やチョコスナック商品群、「じゃがチョコ」シリーズなどにもご好評をいただきました。

 菓子全体では需要が落ち着いた商品群があったものの、家庭内消費傾向が依然として続いたことから順調に推移しました。

 

 飲料・食品・冷菓・その他の合計売上高は、4,461百万円となりました。

 飲料品目は、ミネラルウォーター商品群において、キャラクターデザイン商品のリニューアルに加え、環境負荷低減の取り組みとしてプラスチックラベルを除いた商品を発売しました。一方、「牛乳でおいしくつめたいココア缶190」の取り扱い拡大に努め、さらに「牛乳でおいしくピスタチオPET270」を発売しブランド認知の向上を図りました。

 食品品目は、「240gミルクココア」が家庭内需要の継続によりご好評をいただきました。また、「冷たい牛乳で飲むココア1日分の鉄・Ca」を発売し品ぞろえの充実を図りました。さらには、災害の発生による防災意識の高まりから保存缶商品にもご支持をいただきました。機能性食品では、「セノビックバーミニソフトクッキーココア味」を発売しご好評をいただいたほか、体内でエネルギーになりやすい中鎖脂肪酸油(MCT)を配合したバータイプケーキ「MCTプラスベイクドショコラ」を発売しました。「スローバー」シリーズや、従来品よりたんぱく質を増量させた商品を発売した「プロテインバー」シリーズにも継続してご好評をいただきました。

 冷菓品目は、ミルクの優しい味わいを持つモナカアイス「ホワイトロリータアイス」を発売し、Webプロモーションでの商品認知向上を図りました。「ルマンドアイス」や「ロアンヌアイス」においても、期間限定商品の発売やリニューアルを行い商品認知向上に取り組み、当社独自の“お菓子アイス”シリーズの品ぞろえ強化を図りました。併せて「久米島の紅いもアイス」を発売し、ご当地ならではの素材を使用した商品展開により品目全体の底上げを図りました。

 その他では、通信販売事業は、当社オンラインショップ限定の新製品詰め合わせセットや季節、催事に合わせた企画展開を実施し、付加価値を高めた魅力のある商品提案を行いました。また、日本産業規格の適合審査で「JIS T9001」に適合した「50枚入不織布マスク」にも、引き続きご支持をいただきました。

 自動販売機事業は、多様な商品を取り扱うプチモールの設置台数の増加と、設置環境の選択等による収益性の向上、効率化に取り組み、対面接触を避けた食品販売ツールとしての環境整備を図りました。個包装の「8枚入不織布マスク」の展開を開始したほか、人流の回復に伴い需要も回復傾向で推移しました。

 酒類販売事業は、ナショナルブランド商品群で、季節ごとに限定醸造商品を発売し継続的な認知向上に取り組んだほか、家庭内消費の増加を背景にご好評をいただきました。さらには、輸出商品の需要も回復基調にあったことから、全体でも順調に推移しました。

 

 以上の営業活動により業績の向上に努めてまいりました結果、当連結会計年度の売上高は94,451百万円、営業利益は4,117百万円、経常利益は4,745百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3,374百万円となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は38,871百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,188百万円増加となりました。これは主に、現金及び預金と売掛金ならびに原材料及び貯蔵品の増加があったことによるものです。固定資産は44,390百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,201百万円増加となりました。これは主に、有形固定資産の取得があったことによるものです。

 この結果、総資産は83,262百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,390百万円増加となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は23,382百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,352百万円増加となりました。これは主に、支払手形及び買掛金と未払費用の増加があったことによるものです。固定負債は7,094百万円となり、前連結会計年度末に比べ186百万円減少となりました。

 この結果、負債合計は30,476百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,165百万円増加となりました。

 

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は52,786百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,224百万円増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と剰余金の配当があったことによるものです。

 この結果、自己資本比率は63.4%(前連結会計年度末64.1%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は16,793百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,014百万円増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は8,090百万円(前期8,055百万円の収入、対前期比100.4%)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,721百万円、減価償却費4,404百万円および棚卸資産の増加額653百万円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は5,121百万円(前期5,635百万円の支出、対前期比90.9%)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,908百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は1,085百万円(前期932百万円の支出、対前期比116.5%)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出210百万円、リース債務の返済による支出274百万円および配当金の支払額600百万円があったことによるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は、食品製造企業として同一セグメントに属する、ビスケット類、米菓類等の菓子および飲料食品等の食料品の製造・販売ならびにこれらの付随業務であり、単一セグメントであるため、生産、受注および販売の実績につきましては、区分別に記載しております。

a.生産実績

区分別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

対前期比(%)

菓子(百万円)

116,273

101.3

飲料・食品・その他(百万円)

4,138

112.3

合計(百万円)

120,411

101.7

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

c.販売実績

区分別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

対前期比(%)

菓子(百万円)

89,989

飲料・食品・その他(百万円)

4,461

合計(百万円)

94,451

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱食品株式会社

22,659

19.1

16,769

17.8

コンフェックス株式会社

14,952

12.6

11,285

12.0

株式会社高山

11,354

9.6

9,590

10.2

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2022年3月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前期増減率は記載しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態及び経営成績の状況

 当社グループでは連結ROEを重要指標と捉えており、中長期的に10.0%を目標にしております。

当期の連結ROEは6.5%であり、今後も財務政策など経営の諸施策を推進し、連結ROE向上に努めてまいります。なお、当社の持続的成長に向けた資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するためにコミットメントライン設定契約を締結し、財務基盤の一段の強化に取り組みました。

 また、「心と体の健康づくり」をテーマに、食を通じた健康づくりの提供のほか、文化・芸術活動やスポーツ、次世代育成の支援活動にも取り組んでまいります。さらに、社会的にニーズが高まっている「健康」というテーマを新しいビジネス・飛躍へのチャンスとして、持続可能な将来社会をデザインしていく健康増進総合支援企業として社会への貢献を目指してまいります。

 当連結会計年度の売上高は94,451百万円となりました。収益認識会計基準の適用による減少要因を除いた売上高は前年同期を上回りました。なお、売上高の詳細につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 営業利益は4,117百万円となりました。収益認識会計基準の適用による影響に加え、原材料・エネルギー価格の急激な上昇により営業利益は伸び悩みました。

 経常利益は4,745百万円となりました。これは主に為替相場の変動による差益の計上によるものです。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

 菓子・飲料・食品業界は、行動の制約が求められる中で内食需要が続き堅調に推移しました。一方で、原材料・エネルギー価格の上昇や円安進行の影響が日常生活に現れ始め、消費者の節約志向が高まりました。

 このような状況下で、当社グループは一貫して食品製造企業として品質保証第一主義に徹し、感染防止対策の徹底を図りながら、安全で安心な実質価値の高い商品の安定した供給と、消費者ニーズにお応えしたサービスの提供など、顧客満足度の向上に向けた活動を推進してまいりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。また、運転資金および設備資金につきましては、内部資金または借入および社債により資金調達することとしております。

 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

キャッシュ・フロー指標のトレンド

 

第142期

2018年3月

第143期

2019年3月

第144期

2020年3月

第145期

2021年3月

第146期

2022年3月

自己資本比率(%)

55.3

57.9

61.1

64.1

63.4

時価ベースの自己資本比率(%)

91.7

56.4

53.0

67.1

64.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍)

0.2

0.3

0.2

0.1

0.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

1,088.1

1,349.5

381.6

1,554.0

1,669.7

自己資本比率           :自己資本 ÷ 総資産

時価ベースの自己資本比率     :株式時価総額 ÷ 総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債 ÷ キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー ÷ 利払い

(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4.キャッシュ・フローおよび利払いは連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」および「利息の支払額」を使用しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成で採用する重要な会計方針等に掲げる項目には、過去の実績または最も合理的と判断される前提に基づき見積る部分もあり、将来の前提条件の変動などにより財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があるものと考えております。

 

a.固定資産の減損

 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを商品部門別に行い、将来キャッシュ・フローが著しく減少した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしています。

 固定資産の回収可能価額の算定において使用される将来キャッシュ・フローは、各商品部門における事業計画にもとづいており、当該事業計画の作成にあたって使用した主要な仮定は、販売価格や商品構成といった販売戦略の見直しによる売上高の成長と、生産方法の見直しによる製造原価の低減であります。これらの主要な仮定は、消費者ニーズの変化や、競合他社による強力な新商品の投入といった経営環境の変化によって影響を受けることから、将来キャッシュ・フローの見積りには高い不確実性があり、実際の結果は異なる場合があります。

 

b.販売促進費の計上

 当社の販売促進費は確定した販売実績に基づいて計上しておりますが、決算日をまたぐ場合や決算日時点で卸売業者から小売業者への未販売の製品がある場合には、当期の進捗状況および過去の実績から合理的に算出した見込額を計上しております。見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

c.退職給付に係る負債

 当社グループは退職一時金制度および確定拠出年金を採用しております。退職一時金制度の退職給付に係る負債および退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づき算出されています。これらの仮定には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等が含まれています。当社グループは、使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により、退職給付に係る負債および退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

 その他、会計上の見積りを必要とする繰延税金資産、貸倒引当金、棚卸資産の評価などについては、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

4【経営上の重要な契約等】

(北日本羽黒食品株式会社との合併)

当社は、2021年11月30日開催の取締役会において、当社の連結子会社である北日本羽黒食品株式会社を吸収合併することを決議し、2021年12月10日付で合併契約を締結し、2022年4月1日付で吸収合併しました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

(1) 研究開発の目的

当社グループは「安全・安心・安定および健康」をお客様にお届けすることを目指し「品質保証第一主義」に徹した活動を行っております。

新しい時代のニーズや少子高齢化への対応、生活習慣病予防のための商品開発、新素材開発の研究、おいしさと楽しさの追求、消費者ニーズや流通からの要請への迅速な対応、独創機械開発、新カテゴリーの創造、エリアの拡大、新チャネルの流通開拓を目的としております。

 

(2) 研究開発の課題と成果

〇 基盤研究分野

先端研究所では、健康科学分野における食品領域研究と先端医療領域研究の2つを大きな柱として、新たな健康関連事業の基盤につながる研究開発に取り組みました。

食品領域研究では、順天堂大学に新たに設置した共同研究講座「先進老化制御学講座」でボイセンベリーポリフェノールの褐色脂肪組織への有用性に関する研究を行い、成果の一部を日本循環器学会学術集会において発表しました。また、スポーツ栄養研究として糖質等の成分組み合わせによる水分補給への影響について検証実験に取り組みました。

先端医療領域研究では、再生医療研究をサポートする技術開発の一環として、信州大学医学部との共同研究で得た「細胞の増殖制御技術」を基とした応用研究に継続して取り組み、その結果、臨床利用の多いヒト間葉系幹細胞の増殖制御培養方法への応用可能性を見出し、日本再生医療学会において発表しました。

○ 新製品開発分野

製品開発部では「品質保証第一主義」を掲げ、“食”に対する安全、安心、安定を基に、お客様の健康へ寄与することのできる商品の開発を目指しています。社会環境やライフスタイルの変化に伴い、多様化するお客様のニーズにいち早く対応し、市場から求められる実質価値観の高い製品の開発に取り組みました。

新たな製造技術開発としては、チョコレートと焼菓子の製造技術を組み合わせた、チョコレートが手につきにくい新しいクッキー「ショコロラ」と「フォンティア」を開発しました。これまでにない食感を持たせた新規性のあるグミとして「しゃりもにグミヨーグルト味」、グミにドライフルーツを加える製造技術開発により「まるごろグミマンゴー」を開発しました。また、配合技術を活用した新食感デザート「くだものみたいなゼロ」3品を開発しました。スナックにおいては、新たに導入した成型技術機械を用いた新食感スナック「ジャネット」2品を開発しました。

技術の組み合わせの開発としては、アイスクリーム内での焼菓子の吸湿を抑制する技術を活用した「ホワイトロリータアイス」を開発しました。

当社主力商品の「ルマンド」の製造技術を活かし、原料を贅沢に使用して仕上げた「贅沢ルマンド」、さらに原料仕込みに新工程をプラスした「贅沢ルマンドロイヤルミルクティー」を開発しました。また、以前から再販要望の多かった「ミルネージュ」について、大きさを見直し新しい設備を導入して再発売しました。

素材開発の研究では、ピスタチオナッツに着目し、食感を活かした「ピスタチオラッシュ」、豊かな風味を活かした「アルフォートミニチョコレートプレミアムピスタチオ」や「牛乳でおいしくピスタチオPET270」を開発しました。

新分野への取り組みでは、おつまみ市場への商品展開として、焼菓子技術を活かしたノンフライの新おつまみスナック「たらつま君」と「えびつま君」、衣掛け技術を活かした新食感豆菓子「クリスピーナッツ」を発売しました。

健康食品の研究開発では、近年低糖質への注目度が高まっていることを鑑みて、配合、製造技術を応用し糖質を60%オフしながらおいしさを保持した「カーボバランス」シリーズ3品を発売しました。さらに、食のエネルギーバランスから脂質に着目し、中鎖脂肪酸油(MCT)を配合した「MCTプラスベイクドショコラ」を開発しました。今後も健康素材に注目し開発を進めてまいります。

新規取り組みとしては、菓子飲料食品以外の分野において開発し、JIS T9001に適合した衛生用品「50枚入り不織布マスク」を発売しました。

○ その他

設備開発管理部では、新製品のための新しい機械及び装置の研究・開発とその軌道化、基幹設備更新時の新しい機構・機能の導入研究および機械開発とその軌道化、品質向上のための設備の根本的な見直しと研究・検証活動や設備改善、安全・安心のための各種検査装置等の開発および導入検証、省人化・収益性改善のための設備開発などに取り組みました。

業務直販営業部では、直接販売を通して消費者との接点の拡大につながる新しい小売の形態について研究開発に取り組んでおります。複合食品自動販売機「プチモール」の設置活動に合わせて、コロナ禍における消費者のニーズの変化に対応しマスクや衛生用品を販売する雑貨自動販売機および環境対策機能やエンターテイメント性など付帯機能を付けた自動販売機の実現に向け、継続的に試作検証を行っております。新しい小売業態の研究開発については、ニュースマートリテール課において、「無人決済システムによる無人店舗」の研究開発に取り組んでおります。

先端工学技術研究室では、IoT・ビッグデータ・AI等を活用した生産システムの構築による品質の安定・向上、生産性の向上、原材料のトレーサビリティ、フードセーフティーへの取り組み強化など、より一層の品質保証体制のレベルアップに取り組みました。

 

以上の結果、当連結会計年度の研究開発費は1,207百万円(対前期比101.0%)となりました。

 

(3) 研究開発の体制

当社グループでは、以下の部署において取り組んでおります。

0102010_001.png