当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「利害相反する人を含めて、集団の生存性を高める」を経営理念としております。これは、自集団のみの生存性を高めれば良いということではなく、当社グループを取り巻く七媒体(消費者、流通、国・県・市町村、株主、金融機関、取引先、従業員)の全てとともに響き合って生存性を高めることを基本としております。
消費者が望む革新的商品やサービスを継続的に提供することを使命とし、地方にありながら世界につながるグローバル企業であり続けることを目指してまいります。また、心と体の健康づくりをテーマに文化・芸術、スポーツ支援などを通じて社会に貢献する活動も推進してまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目標に、収益力、生産性向上、資本効率等の改善を図るために投資効率を重視した経営を行っております。それぞれの部署における業務の効率化を目指した施策を講ずるとともに管理の強化を進めてまいります。
また、連結ROE(株主資本当期純利益率)を重要指標と捉えております。財務政策など経営の諸施策を推進し、連結ROEを高めることにより、株主価値の向上と安定的な成長を目指してまいります。
(3) 経営環境
経営環境につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(4) 対処すべき課題および経営戦略等
当社グループは、食品製造企業として品質保証第一主義に徹するとともに、安定した原材料調達と商品供給体制の確立、原材料のトレーサビリティ、フードセーフティーへの取り組み強化による品質保証体制のレベルアップを図ってまいります。また、消費者の皆様の「心と体の健康づくり」に寄与する健康増進総合支援企業を目指し、ビスケットやチョコレートをはじめとする多様なカテゴリーでバラエティ豊かな商品や、未病対策として生活習慣病予防のための機能性食品、健康食品の開発を進めてまいります。
将来に向けては、サステナビリティを経営理念「利害相反する人を含めて、集団の生存性を高める」に重ね合わせて理解し、ESG(環境・社会・ガバナンス)を経営戦略と捉え、SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標に準拠した活動を明確にしてまいります。そして商品の品質向上や顧客満足度の向上、コンプライアンスに注力しつつ、環境貢献投資、健康寿命の延長、防災・減災などの社会的な課題の解決にも取り組んでまいります。
その他、原材料価格やエネルギー価格の高騰、地政学的リスクに端を発する原材料の安定調達に関する課題など、経営を取り巻く環境は日々変化し、また、先行きの不透明さも増しておりますが、引き続き生産体制の維持と商品の安定供給に努めてまいります。
① 新製品開発体制の強化
・ ビスケット市場のシェア拡大に向けた既存ブランドの新規形態品やシリーズ品の開発
・ 新しい価値を創造・提案するチョコレート商品の開発
・ 菓子製造技術を生かした付加価値の高い冷菓商品の開発
・ 次世代を担う主力商品の開発、新たなブランドの構築および新カテゴリー群の創出と育成
・ 優位性・新奇性に富み、差別化された商品の開発やそのための新設備の導入
・ 先端・先進的領域の研究を通じた新製品の開発
② 新たな需要を創造する営業体制の強化
・ 企画提案型営業による楽しい売り場演出・サービスの提供
・ 流通チャネル・得意先別要望への適時対応と積極的な企画提案による関係強化
・ 自動販売機事業、業務用商品販売事業およびeコマース事業の品ぞろえ強化による採算性向上のほか、新たな付加価値を提供する直販事業の開発
・ キャッシュレス化の進行による消費チャネル多様化への対応
③ グローバル展開の推進
・ 中国市場における当社商品や現地グループ会社の商品の販売拡大
・ 米国市場に適した商品の開発と現地法人を拠点とした販売推進
・ 東南アジア、その他目覚ましい経済成長がみられる地域への販売網の構築や販売強化
④ 経営基盤の強化
・ 安全、安心な商品を安定して供給できる生産体制の構築・維持・推進
・ 新規原材料開発や購買経路の開拓、製品仕様の見直し等によりコスト競争力を高める体制の強化
・ 食品安全マネジメントシステムの国際規格等を基に独自に策定したブルボン品質保証マネジメントシステム(BQAMS)の運用と教育の実施
・ AI、IoTを活用した最新の生産システムの構築による生産性や品質の向上、省人化によるコスト低減の推進
・ DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進と社員のITリテラシーの向上
・ 情報システムのサイバーセキュリティ強化
・ ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進のため、従業員の多様な働き方や、女性の活躍を可能とする制度の拡充
・ 健康を重視した経営方針のもと明るく活き活きと働くことのできる職場環境の構築
・ 後継者群育成計画の策定による経営幹部の養成
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス
当社は、関東大震災の影響により地方への菓子供給が全面的にストップした窮状を見て、地方での量産工場による菓子作りを決意し1924年に新潟県柏崎市で創業しました。
現在は、菓子・飲料・食品の開発・製造・販売を通じて、豊かな生活と健康への寄与など皆様の幸せな生活に深く関わるとともに、持続可能な未来社会をデザインしていく健康増進総合支援企業を目指した活動に取り組んでいます。
また、社会の一員として役割と責務を果たすよう正しく行動し、社会への貢献活動を推進しています。法的責任と倫理的責任のある企業行動に努め、業務遂行に際しては人間としての尊厳と価値が認められる高い志と心の健全性をバランスさせた自己形成に取り組める職場環境の構築と、社員が心身ともに健康で生きがいを持って働くことのできる健康経営に取り組んでいます。
(2) 重要なサステナビリティ項目
上記、ガバナンスおよびリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
・環境負荷軽減への対応
・人材の多様性の確保を含む人材育成及び社内環境整備への対応
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
①環境負荷軽減への対応
当社グループは、サステナビリティに関わる基本方針や重要事項等を検討・決定することを目的とした専門の社内組織は設置しておりませんが、経営企画研究本部を推進本部、製造保証本部を中心的実施本部としてSDGsの17目標を中心に据えたアプローチおよびバリューチェーンマップを策定し、取締役会など社内会議へ定期的に報告しております。同アプローチを基に全部門において中長期および年度目標が決定され、主に環境マネジメントシステム(ISO14001)推進体制に組み込むことで実行およびモニタリングしております。詳細は、
・戦略
当社グループは、「利害相反する人を含めて、集団の生存性を高める」を経営理念に、当社を取り巻く七媒体の全てとの生存性を高めることを経営の重要課題として捉えております。「生存性を高めること」は「持続可能であること」であり、創業から一貫して企業市民としての社会・環境貢献活動と、企業としての持続的な発展の両立を目指した取り組みを推進しております。当社の七媒体の大きな関心事であり、ブルボンの事業活動に最も重要な課題8項目を挙げ、持続可能な未来社会の実現に向けて優先的に取り組んでおります。

・リスク管理
当社グループが製造に使用する原料、包装材料、製造・加工および輸送に必要なエネルギーは、全て環境からの恩恵を消費しているため、気候変動リスクについては主に以下の内容を想定しております。
a.気候変動による原材料となる農作物収穫量・価格変動
b.気候変動による台風・豪雨など自然災害発生による工場等の物理的破損
c.気候パターン変動による消費者の食シーンの変化
d. 異常気象によるエネルギー調達不足
・指標及び目標
当社グループは、サステナビリティに関する目標としてCO2排出削減、脱プラスチック、サステナブル原料使用推進を重要項目として設定しております。同目標の遂行状況は取締役会など社内会議にて報告されモニタリングしております。提出会社における当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
|
項目 |
目標年度 |
目標数値 |
第147期実績 2022年度 |
|
CO2排出削減 |
2030年 |
2013年比46%削減 |
15.3% |
|
脱プラスチック |
2025年 |
2018年比20%削減 |
4.6% |
|
サステナブル原料使用 |
2027年 2030年 |
カカオ豆100% パーム油100% |
18.1% 8.8% |
②人材の多様性の確保を含む人材育成及び社内環境整備への対応
・戦略
当社グループは「人財育成方針」および「社内環境整備方針」のもと、当社グループ全体で取り組みを進めており、同目標の遂行状況は取締役会など社内会議へ定期的に報告しております。
〔人財育成方針〕
|
経営理念を実現し、集団の永続的な成長・発展のために、社員一人ひとりを「人財」と捉え、大切な経営資源として、戦略的・継続的な育成を行います。 |
a.仕事が自己形成の場となるように、各個人の能力を最大限に発揮させる職務設計を行い、個々の強みを成果につなげます。
b.高い教育効果を生み出すため、教育者、被教育者、時期、環境、内容、方法を考え、継続的に改善します。併せて、各個人の主体的な学びを支援し、必要な知識や技術の向上を図ります。
c.様々な部署や職務を経験し、各個人の能力の幅を広げることができるように、利益機会に焦点を当て、個々の強みを踏まえて人財の配置を行います。
d.個々の強みを組み合わせて、社外比較での専門水準の優位性により非凡な成果を上げる組織づくりのため、正しい人間関係(コミュニケーション、チームワーク、自己形成、後継者育成)の構築を行います。
〔社内環境整備方針〕
|
経営理念を実現し、集団の永続的な成長・発展のために、安全で健康的な働きやすい職場環境を確保するとともに、人権の尊重と公平な処遇を行い、社員のゆとりと豊かさを実現し、社員の個性、自主性を尊重した活力ある企業を築きます。 |
a.ブルボングループ健康宣言に則り、社員が心身ともに健康で生きがいを持って働き続けられ、多様な人財が活き活きとその能力を発揮することで、働く意欲を高め、企業の活力や生産性の向上、家庭生活の充実など、人々の健康と豊かな社会づくりに取り組みます。
b.ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進し、社員一人ひとりの多様な背景、持ち味、個性を認め合い、能力を最大限活かし合う工夫や取り組みを続けていくことで、業務の効率化や生産性の向上ならびに新たな商品やサービス・付加価値の創造、組織と個人の成果の最大化を図ります。
c.地位や経験にかかわらず、誰もが率直な意見・素朴な疑問を言い合うことができる「心理的安全性」が確保され、社員相互の報告、連絡及び相談が支障なく正確に行われ、円滑で効率的な対話により相手の意見を尊重しながら最善の結論が得られるように、お互いが信頼し協力しあえる雰囲気作りに努めます。
d.不当な差別やハラスメントなどを根絶し、処遇においては個人の適性、能力を尊重し公平な取り扱いがなされるように努めます。
e.社員の会社や組織に対するエンゲージメントを高め、食品製造企業の一員として質の高い安全な製品やサービスを消費者に供給する仕事に誇りと責任を持ち、業務に関する能力のレベルアップを図り、積極的業務改善、効率化に努めることで、同僚や関係部署が働きやすく成果が上がるような環境づくりに努めます。
f.職場内の整理、整頓、清掃、洗浄、殺菌(制菌)、清潔に配慮するとともに、安全衛生に関する研修の定期的実施、日常業務に関するマニュアルの整備・励行等、事故、災害の予防、対策に適切に対処できる仕組みを整備することにより、一人ひとりが安心して働ける職場の環境づくりを行います。
・指標及び目標
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いており、提出会社における当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。なお、
|
大項目 |
人的資本に 関する領域 |
項目 |
目標 2030年度 |
第147期実績 2022年度 |
|
人件費 |
給与と報酬 の平均額 |
男女の賃金差異(全労働者) |
75.0% |
70.3% |
|
男女の賃金差異(正社員) |
80.0% |
74.1% |
||
|
男女の賃金差異(パート有期社員) |
70.0% |
61.1% |
||
|
多様性 |
年齢 |
平均年齢(正社員・全体) |
38.0歳 |
38.3歳 |
|
勤続 |
平均勤続(正社員・全体) |
16.0年 |
15.9年 |
|
|
性別 |
女性管理職比率 |
15.0% |
6.7% |
|
|
女性役員比率 |
20.0% |
9.5% |
||
|
男性の育児休業取得率 |
100.0% |
95.5% |
||
|
女性の育児休業取得率 |
100.0% |
100.0% |
||
|
組織風土 |
有給休暇取得 |
有給休暇取得率 |
100.0% |
81.3% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢および人口動態の変化
国内の個人消費が回復基調にあるものの、当社グループの主力であるビスケット・チョコレート商品で一部の関税率が段階的に削減や撤廃されることが事業活動に大きく影響を及ぼす可能性があります。さらに、国内人口減少や少子高齢化による消費需要の低迷が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 食品の安全性
当社グループは、安全・安心・安定および健康を基にした品質保証第一主義の徹底を図るため、食品安全基本
法、消費者安全法、食品衛生法、食品表示法、その他関係法令を遵守することはもとより、原材料に係る有害物質(残留農薬、有害化学物質、放射能汚染など)の検査体制の強化、トレーサビリティの構築、意図的な異物混入を防止するフードディフェンスの取り組み等を行っておりますが、当社の取り組みの範囲を超える事態が発生した場合は、社会的な信用低下による売上・生産低下や商品回収による費用発生により、当社グループの収益性を低下させ、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 商品開発および競合性
当社グループは、消費者の嗜好変化に対応した魅力的な新商品開発や、健康志向等を踏まえた特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品などの研究や新製品開発にも取り組んでおりますが、設備投資した新製品が消費者ニーズに適合せず販売計画未達の場合や、マーケットに国内外より新たなメーカーが参入した場合、競合他社による強力な新製品投入、商品価格の値下げ、販促費の追加投入、広告宣伝の強化等により、優位に立てない場合には当社グループの収益性を低下させ、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 固定資産の減損
当社グループは、新製品開発や品質向上、生産性向上のための設備投資を継続的に行っております。その結果、有形固定資産を多額に有しております。
経営環境の変化等により当該資産から得られる将来キャッシュ・フローが著しく低下した場合には、帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上することとなるため、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) コンプライアンス
当社グループは、事業活動を遂行するにあたり、会社法、金融商品取引法、食品衛生法、食品表示法、景品表示法、製造物責任法、不正競争防止法、環境・リサイクル関連法規等、様々な法的規制を受けております。当社グループとしては、各業務担当部門が法務担当部門と連携しながら、すべての法的規制を遵守するように取り組んでおりますが、その取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、研究開発、製品開発等その事業活動において第三者の知的財産権を侵害することのないように細心の注意を払っておりますが、第三者から知的財産権侵害に係る不測の訴訟を提起された場合、その結果によっては当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 天変地異、災害
当社グループは、大規模災害を想定し、構築物の耐震強化、営業所の立地見直し、従業員とその家族を対象とした安否確認システムを導入するとともに、地震や台風、風水害による自然災害、火災などが発生し、重大な被害を受け工場が操業停止となった場合、他工場からの製品供給を可能とする事業継続計画(BCP)を策定しております。しかしながら、当社グループの生産工場が集中している新潟県を中心とした広範囲で大規模な自然災害が発生し複数の工場被災や火災発生などによる死亡者が発生するなど、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた事態となった場合には、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 新型感染症
当社グループは、新型感染症に対して感染症対策委員会を設置し、食品製造企業として厳格な管理基準に則り、従業員に対する衛生管理に十分留意した生産活動を実施し、また、間接部門ではテレワークの取り組みや出張の制限など、社内外の感染防止に最大限努めて事業活動を継続できる体制を整備しております。しかしながら、人の移動の制限によるインバウンド需要や行楽需要の減退、物流・流通システムの混乱に起因する生産活動に必要な原材料・諸資材の調達困難などにより一部生産活動の停止や販売活動に支障をきたす恐れがあり、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 原材料の調達および価格の変動
当社グループの原材料の多くは海外調達であり、サプライヤー様との協力体制により安定調達、安定価格維持に取り組んでおります。しかしながら、世界的な異常気象、天変地異の発生などによる収穫量の減少や人口増加による逼迫、感染性疾病の流行等を原因とする輸出制限、地政学的リスクなどによる調達困難、穀物相場への投機資金の流入による国際相場の混乱、急激な為替レートの変動、世界経済が不況に陥る影響による想定を超える仕入価格の高騰などにより当社グループの収益性を低下させ業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 販売先の与信管理および構造変化
当社グループでは債権保全に万全を期すべく、調査機関や業界情報の活用により日常的な情報収集や与信管理を徹底し、債権回収不能の未然防止体制をとっておりますが、その取り組みの範囲を超えた事象が突発的に発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、新業態店舗やCVS店舗の増減、小売業の合併・統合などにより取引業態の構造変化や取引条件の変更などが当社グループの収益性を低下させ、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報システム障害等
当社グループは、経営に関する重要情報や個人に関する機密情報を保持しております。これらの情報システムの運用については、コンピュータウイルス感染によるシステム障害やハッキングによる被害および外部への社内情報の漏洩が生じないよう万全の対策を講じておりますが、当社や社員を狙った標的型攻撃メールや想定を超えた技術による情報システムへの不正アクセス、コンピュータウイルスの感染などにより、情報システムに障害が発生するリスクや、社内情報等が外部に漏洩するリスクがあり、こうした事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 海外での事業展開
当社グループは、海外への事業展開を図っておりますが、現地の政治的・経済的要因の変動、予期しえない法律・規制などの改廃、感染性疾病の流行、地震等の自然災害の発生などにより生産工場の閉鎖や収益性が低下した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型感染症対策の規制緩和により緩やかな回復基調で推移しましたが、ウクライナ情勢の長期化とそれに伴う原材料・エネルギー価格の高騰に加え、欧米との金利差拡大による急激な為替変動等、先の見通せない不安定な状況で推移しました。
菓子・飲料・食品業界は、各種調達価格上昇の影響から商品価格の値上げが相次いだ一方、実質賃金が伸び悩む中で消費者の低価格志向への対応も求められる難しい状況が続きました。
このような状況下で当社グループは、食品製造企業として一貫して品質保証第一主義に徹し、感染防止対策の徹底に努めながら安全で安心な実質価値の高い商品の安定した供給と、消費の多様化にお応えしたサービスの提供など、顧客満足度の向上に向けた活動を推進してまいりました。具体的には、消費者の節約志向が高まる中、当社製造技術の応用による品質と価格が調和した商品の開発と、既存ブランドの活用による安心感の高い商品展開を行い、お客様の笑顔と満足につながる活動を推進してまいりました。また、健康志向のニーズや環境負荷低減に対応した課題解決型商品の展開や、企画提案型の営業活動と店頭フォローを積極的に行い、求められる価値の実現に向け機敏かつ柔軟に取り組みました。
2023年3月には、当社従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に取り組んでいる法人として、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2023~ホワイト500~」の認定をいただきました。
その結果、社会経済活動の回復につれて需要が落ち着いた品目や価格改定を実施し伸び悩んだ商品群があったものの、値ごろ感の高いファミリーサイズ商品群にご支持をいただいたことや、チョコレート品目、キャンデー品目などが順調に推移したことから売上高は前期を上回りました。
利益面では、経費の効率的な使用ならびに生産性の向上と原料の大量調達による調達コスト低減や省力化設備の導入によるエネルギーコスト削減などに継続して取り組んだことに加え、一部商品の価格改定や規格変更等の収益性改善を実施したものの、原材料価格等の上昇分を吸収するまでには至らず、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は前期を大きく下回りました。
(営業品目別の概況)
菓子の合計売上高は、93,193百万円(対前期比103.6%)となりました。
菓子では、ビスケット品目を中心として、豆菓子、キャンデー、デザート、米菓、スナック、チョコレートなどの品目を展開しています。
ビスケット品目は、発売40周年を迎えた「シルベーヌ」に、フランス発祥のチョコレートケーキであるオペラの味わいを表現した「シルベーヌオペラ」を発売し、大変ご好評をいただきました。また、「贅沢」シリーズに「贅沢ルマンド宇治抹茶ラテ」と「贅沢ルマンドバタースコッチキャラメル」を発売し、「ルマンド」ブランド強化を図ったことに加えて、北海道産バターをたっぷり練り込んだラングドシャクッキー「贅沢ラングロール」を発売し、原料にこだわった新たな展開を図りました。さらには、品ぞろえの強化と市場活性化を狙い、季節に合わせた抹茶、バナナ、レモン、いも・栗、ホワイト、いちごの各フェアを実施し、店頭での販売促進に注力しました。パウダーケーキの「ミルネージュ」や発酵バターを使用した「バタースコッチサンド」がご支持をいただき順調に推移したほか、健康志向ブランドの「80kcal」シリーズと「カーボバランス」シリーズでは、新商品の発売やリニューアルによる活性化、「チョコあ~んぱん」シリーズにおいてもキャラメルミルクやソフトクリーム風味の商品を展開し商品力の強化を図りました。
キャンデー品目は、「フェットチーネグミ」シリーズで積極的な商品展開とプロモーションを実施し、ブランド強化を図りました。あわせて、「しゃりもにグミ」シリーズではルート限定商品等を展開し、品ぞろえ強化による商品認知の向上を図り、取り扱いが増加しました。
チョコレート品目は、「アルフォートミニチョコレート」シリーズに、栗やバナナを使用した商品や、ヘーゼルナッツ、ピスタチオを贅沢に使用した商品などを発売し、継続したプロモーションとともにブランドの強化を図りました。「ひとくちルマンド」シリーズでは、「ひとくちルマンドたっぷりショコラ」などを発売し品ぞろえの強化に取り組みました。また、2022年に竣工した魚沼工場の雪室設備で熟成させたカカオ豆を原料に使用した「雪室ショコラ」を発売し、付加価値を高めた商品開発にも取り組みました。一方、節約志向への対応として、値ごろ感を高めた「108gトリュフミルクガナッシュ」などを発売しお客様の購買の選択肢を広げる取り組みも行いました。
菓子全体では、ファミリーサイズ商品群も順調に推移したことから、前期を上回りました。
飲料・食品・冷菓・その他の合計売上高は、4,190百万円(対前期比93.9%)となりました。
飲料品目は、蓄光インクを使用したラベルが暗所でやわらかく発光するミネラルウォーター「天然水sonaLno500ml」を発売し、防災向けのローリングストックの提案を行いました。また、「牛乳でおいしくまろやかなココアボトル缶280」の取り扱いが拡大したことに加え、当社初のスープ缶飲料「牛乳でおいしくスープなシチュー缶185」を発売し、「牛乳でおいしく」シリーズが順調に推移しました。
食品品目は、シート状の新感覚食材「かんたんクッキング」シリーズに、「のせて焼くメロンパンシート」「のせて焼くフレンチトースト風シート」を発売しご好評をいただきました。機能性食品群は、中鎖脂肪酸油(MCT)を配合した「MCTプラス」シリーズに、「MCTプラスソフトクッキーミルク」を発売し、“ベイクドショコラ”と共に機能性表示食品として展開しました。また、「プロテインバー」シリーズに3種の必須アミノ酸を配合した「プロテインバーBCAA+」を発売し、「スローバー」シリーズとともに商品認知の向上を図りました。
冷菓品目は、当社で独自開発した凍らせても柔らかいグミをモナカアイスと組み合わせた「グミーツ」を発売し、シリーズ商品の期間限定展開とあわせて商品認知の向上を図りました。また、カップタイプのアイス「ルマンドクランチアイス」を地域先行発売し、ブランド展開による品目全体の底上げを図りました。一方で、既存の「ルマンドアイス」「ロアンヌアイス」においても、季節商品の発売によるブランド認知向上にも取り組みました。
飲料・食品・冷菓全体では、競争激化や需要が落ち着いた品目があったことから、前期を下回りました。
その他では、通信販売事業は、季節、催事に合わせた商品展開やECチャネル限定の企画展開を実施し、リピーターの増加と販路拡大に取り組みました。
自動販売機事業は、新規開拓によるプチモールの設置台数の増加と既設自販機の収益性改善や効率化を図り、多様な商品を取り扱う対面接触を避けた食品販売ツールとしての環境整備を図りました。
酒類販売事業は、ナショナルブランド商品群で季節に合わせた限定醸造商品を展開したことに加え、行動制限の緩和から飲食店ルート向け商品や土産用受託商品の需要が回復したことにより、順調に推移しました。
以上の営業活動により業績の向上に努めてまいりました結果、当連結会計年度の売上高は97,383百万円(対前期比103.1%)、営業利益は1,613百万円(対前期比39.2%)、経常利益は1,838百万円(対前期比38.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,096百万円(対前期比32.5%)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は40,416百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,544百万円増加となりました。これは主に、売掛金の増加とコスト低減のための大量調達による原材料及び貯蔵品の増加があったことによるものです。固定資産は47,214百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,823百万円増加となりました。これは主に、設備投資に伴う有形固定資産の取得と投資有価証券の取得があったことによるものです。
この結果、総資産は87,630百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,368百万円増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は24,555百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,173百万円増加となりました。これは主に、人材確保のための短期借入金の増加と仕入サイト短縮による仕入債務(支払手形及び買掛金)の減少と利益減少に伴う未払法人税等の減少があったことによるものです。固定負債は9,534百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,440百万円増加となりました。これは主に、設備投資のための長期借入金の増加があったことによるものです。
この結果、負債合計は34,090百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,613百万円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は53,540百万円となり、前連結会計年度末に比べ754百万円増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と剰余金の配当ならびにその他有価証券評価差額金の増加があったことによるものです。
この結果、自己資本比率は61.1%(前連結会計年度末63.4%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は16,183百万円となり、前連結会計年度末に比べ609百万円減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,117百万円(前期8,090百万円の収入、対前期比26.2%)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,778百万円と減価償却費4,545百万円、棚卸資産の増加額1,463百万円および仕入債務の減少額577百万円ならびに法人税等の支払額968百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6,739百万円(前期5,121百万円の支出、対前期比131.6%)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,721百万円および投資有価証券の取得による支出1,038百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は3,970百万円(前期1,085百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増額2,000百万円および長期借入れによる収入3,000百万円があったことによるものです。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、食品製造企業として同一セグメントに属する、ビスケット類、米菓類等の菓子および飲料食品等の食料品の製造・販売ならびにこれらの付随業務であり、単一セグメントであるため、生産、受注および販売の実績につきましては、区分別に記載しております。
a.生産実績
|
区分別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
対前期比(%) |
|
菓子(百万円) |
114,391 |
98.4 |
|
飲料・食品・その他(百万円) |
4,179 |
99.2 |
|
合計(百万円) |
118,571 |
98.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
|
区分別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
対前期比(%) |
|
菓子(百万円) |
93,193 |
103.6 |
|
飲料・食品・その他(百万円) |
4,190 |
93.9 |
|
合計(百万円) |
97,383 |
103.1 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
三菱食品株式会社 |
16,769 |
17.8 |
15,981 |
16.4 |
|
コンフェックス株式会社 |
11,285 |
12.0 |
11,420 |
11.7 |
|
株式会社高山 |
9,590 |
10.2 |
9,707 |
10.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは連結ROEを重要指標と捉えており、中長期的に10.0%を目標にしております。
当期の連結ROEは2.1%であり、今後も財務制策など経営の諸施策を推進し、連結ROE向上に努めてまいります。なお、当社の持続的成長に向けた資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するためにコミットメントライン設定契約を締結し、財務基盤の強化に継続して取り組んでおります。
また、「心と体の健康づくり」をテーマに、食を通じた健康づくりの提供のほか、文化・芸術活動やスポーツ、次世代育成の支援活動にも取り組んでまいります。さらに、社会的にニーズが高まっている「健康」というテーマを新しいビジネス・飛躍へのチャンスとして、持続可能な将来社会をデザインしていく健康増進総合支援企業として社会への貢献を目指してまいります。
当連結会計年度の売上高は97,383百万円、対前期比2,932百万円の増加となりました。なお、売上高の詳細につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
売上総利益は21,963百万円、対前期比2,039百万円の減少となりました。これは主に、一部商品の価格改定や規格変更等の収益性改善を実施したものの、原材料価格等の上昇分を吸収するまでには至らなかったことによるものです。
営業利益は1,613百万円、対前期比2,504百万円の減少となりました。これは主に、売上総利益の減少および運送コストの増加によるものです。
経常利益は1,838百万円、対前期比2,907百万円の減少となりました。これは主に、営業利益の減少および為替差益の減少によるものです。
税金等調整前当期純利益は1,778百万円、対前期比2,942百万円の減少となりました。これは主に、経常利益の減少によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は1,096百万円、対前期比2,278百万円の減少となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益と法人税、住民税及び事業税の減少によるものです。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
菓子・飲料・食品業界は、各種調達価格上昇の影響から商品価格の値上げが相次いだ一方、実質賃金が伸び悩む中で消費者の低価格志向への対応も求められる難しい状況が続きました。
このような状況下で当社グループは、食品製造企業として一貫して品質保証第一主義に徹し、感染防止対策の徹底に努めながら、安全で安心な実質価値の高い商品の安定した供給や、消費の多様化にお応えしたサービスの提供など、顧客満足度の向上に努めました。具体的には、消費者の節約志向が高まる中、当社製造技術の応用による品質と価格が調和した商品の開発と、既存ブランドの活用による安心感の高い商品展開を行い、お客様の笑顔と満足につながる活動を推進してまいりました。また、健康志向のニーズや環境負荷低減に対応した課題解決型商品の展開や、企画提案型の営業活動と店頭フォローを積極的に行い、求められる価値の実現に向け機敏かつ柔軟に取り組みました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。また、運転資金および設備資金につきましては、内部資金または借入および社債により資金調達することとしております。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
|
|
第143期 2019年3月 |
第144期 2020年3月 |
第145期 2021年3月 |
第146期 2022年3月 |
第147期 2023年3月 |
|
自己資本比率(%) |
57.9 |
61.1 |
64.1 |
63.4 |
61.1 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
56.4 |
53.0 |
67.1 |
64.9 |
58.6 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍) |
0.3 |
0.2 |
0.1 |
0.0 |
2.4 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
1,349.5 |
381.6 |
1,554.0 |
1,669.7 |
249.0 |
自己資本比率 :自己資本 ÷ 総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額 ÷ 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債 ÷ キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー ÷ 利払い
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.キャッシュ・フローおよび利払いは連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」および「利息の支払額」を使用しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成で採用する重要な会計方針等に掲げる項目には、過去の実績または最も合理的と判断される前提に基づき見積る部分もあり、将来の前提条件の変動などにより財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があるものと考えております。
a.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを商品部門別に行っております。各商品部門の営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなった場合、投資決定時の事業計画と実績数値に著しい乖離があった場合、工場閉鎖や設備除却の意思決定など回収可能価額を著しく低下させる変化がある場合、経営環境が著しく悪化した場合に、減損の兆候を把握しております。
減損の兆候が把握された商品部門については、各商品部門における事業計画に基づき将来キャッシュ・フローを見積り、割引前将来キャッシュ・フローの合計が、当該商品部門の固定資産の帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い金額によっております。
割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる事業計画において採用した主要な仮定は、売上高成長率と売上原価率であります。しかしながら、これらの仮定は市場環境の変化及び原材料、エネルギーコストの価格変動や為替相場の変動などによって影響を受け、仮定の見直しが必要となる可能性があります。このような場合には、翌連結会計年度の減損損失の認識の判定および測定される減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
b.販売促進費の計上
当社の販売促進費は確定した販売実績に基づいて計上しております。販売促進費等の支払額は、会社から卸売業者への販売実績および卸売業者から小売業者への販売実績に基づき確定しますが、計算対象期間が決算日をまたぐ場合や決算日時点で卸売業者から小売業者へ未販売の製品がある場合には、支払見込額を計上しております。見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
c.退職給付に係る負債
当社グループは退職一時金制度および確定拠出年金を採用しております。退職一時金制度の退職給付に係る負債および退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づき算出されています。これらの仮定には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等が含まれています。当社グループは、使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により、退職給付に係る負債および退職給付費用に影響を与える可能性があります。
その他、会計上の見積りを必要とする繰延税金資産、貸倒引当金、棚卸資産の評価などについては、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
該当事項はありません。
(1) 研究開発の目的
当社グループは「安全・安心・安定および健康」をお客様にお届けすることを目指し「品質保証第一主義」に徹した活動を行っております。新しい時代のニーズや少子高齢化への対応、生活習慣病予防のための商品開発、新素材開発の研究、おいしさと楽しさの追求、消費者ニーズや流通からの要請への迅速な対応、独創機械開発、新カテゴリーの創造、エリアの拡大、新チャネルの流通開拓を目的としております。
(2) 研究開発の課題と成果
〇 基盤研究分野
先端研究所では、健康科学分野における食品領域研究と再生医療周辺領域研究の2つを大きな柱として、新たな健康関連事業の基盤につながる研究開発に取り組んでいます。
食品領域研究では、順天堂大学との共同研究講座「先進老化制御学講座」でボイセンベリーの有効性に関する研究を継続し、褐色脂肪細胞(善玉脂肪)の機能不全をボイセンベリーが抑えること、その効果は褐色脂肪中の毛細血管網を正常に保つことによるものであることを明らかにしました。これらの成果については学術論文や加入学会において発表を行いました。また、スポーツ栄養研究として糖質配合菓子の運動パフォーマンスへの影響についての検証に取り組みました。
再生医療周辺領域研究では、再生医療研究をサポートする技術開発の一環として、信州大学医学部との共同研究で得た「細胞の増殖制御技術」を基とした応用研究に取り組みました。その成果から、増殖制御培養液を用いたヒト線維芽細胞の生細胞輸送への応用可能性を見出し、加入学会において発表を行いました。
○ 新製品開発分野
製品開発部では「品質保証第一主義」を掲げ、“食”に対する安全、安心、安定を基に、お客様の健康と環境に配慮した商品設計を行うよう開発を進めております。社会環境やライフスタイルの変化に伴い、多様化するお客様のニーズにいち早く対応し、市場から求められる実質価値観の高い製品の開発に取り組みました。
新たな製造技術開発としては、雪国である新潟県の風土を活かした天然の冷蔵庫“雪室”を魚沼工場に建設し、雪室熟成することで豊潤な風味を付加したカカオ豆を使った「雪室ショコラ熟成カカオ73」「雪室ショコラまろみミルク」を開発しました。
また、配合技術を活用して低温下でも硬くなりにくいグミを開発しアイスクリームと組み合わせた、お菓子アイス「グミーツイタリアングレープ味」を開発しました。
焼菓子とフィリングを組み合わせることで新たなもっちりとした新食感を付与した「もっちりわらびもちクッキー」を開発しました。
機械化製造技術を活かしてラングドシャを巻き上げ成型した「ラングロールショコラ」、さらに原料を贅沢に使用して仕上げた「贅沢ラングロール」を開発しました。
素材開発の研究では、環境負荷低減からの脱プラスチックとして、紙に生分解性ポリマーを塗布した包装材を紙器メーカー共同開発した「4種のひとくちスイーツ」を発売しました。
新分野への取り組みとしては、パンにのせて焼き上げるだけでメロンパンの味と食感が楽しめる食品シート「のせて焼くメロンパンシート」を開発しました。また、飲むシチューを缶飲料として展開した「牛乳でおいしくスープなシチュー缶185」を開発しました。
健康食品の研究開発では、食のエネルギーバランスから脂質に着目し、中鎖脂肪酸油(MCT)を配合した「MCTプラスソフトクッキーミルク」を開発しました。昨期発売した「MCTプラスベイクドショコラ」とともに機能性表示食品として発売しました。今後も健康素材に注目し開発を進めてまいります。
○ その他
設備開発管理部では、新製品のための新しい機械及び装置の研究・開発とその軌道化、基幹設備更新時の新しい機構・機能の導入研究および機械開発とその軌道化、品質向上のための設備の根本的な見直しと研究・検証活動や設備改善、安全・安心のための各種検査装置等の開発および導入検証、省人化・収益性改善のための設備開発などに取り組みました。
マーケティング部では、営業活動を最適化・効率化できるツールや手法の構築を行うセールステック、得られた販売情報を解析しお客様のニーズの分析や販売戦略の検討を行うマーケティング、営業管理手法や作業効率の改善など、営業活動における攻めおよび守りのDXを研究実践しております。
チャネル営業部では、直接販売を通して消費者との接点の拡大につながる新しい小売の形態について研究開発に取り組んでおります。複合食品自動販売機「プチモール」の設置活動に併せて、消費者のニーズに対応しマスクや衛生用品を販売する雑貨自動販売機、流通企業様のオリジナル商品を販売するコラボレーション自動販売機をそれぞれ新たに開発し、試験販売を開始しました。また輸入商品の自動販売機での試験販売も開始しました。新しい小売業態の研究開発については、「無人決済システムによる無人店舗」の研究開発に取り組んでおります。
先端研究所では、IoT・ビッグデータ・AI等を活用した生産システムの構築による品質の安定・向上、生産性の向上に継続して努め、より一層の品質保証体制のレベルアップに取り組みました。
以上の結果、当連結会計年度の研究開発費は
(3) 研究開発の体制
当社グループでは、以下の部署において取り組んでおります。