第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

経営理念『Be Prime,Be Sweet.』は、すべてはお客様の笑顔のために、最高のおいしさを追求し、安心・安全な品質を確保し、最良のサービスを提供するため、一流をめざして日々進化することで、常に感動をお届けすることを約束したメッセージです。

企業スローガン『こころつなぐ。笑顔かがやく。』は、スイーツを通して「こころ」と「こころ」をつなぐ架け橋となり、かがやく笑顔を広げたいという想いを表しました。スイーツには疲れた心を癒し、心を結び、感動や歓びを記憶に刻む力があります。そのようなスイーツでお客様に笑顔をお届けしたい、それこそがモロゾフの原点です。モロゾフのスイーツは、わくわくする感動、ドキドキする感動をお届けするものでなければなりません。この企業スローガンを通して、当社の想いをお客様へしっかりと伝えてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、売上高は維持しつつも、変革を続けることで、安定した利益水準を確保していく方針としており、売上高および、事業本来の収益力を示す営業利益率を目標数値としております。

当社グループを取り巻く環境は、少子高齢化による人口減少に加え、原材料価格の大幅な上昇や、人手不足の顕在化など、引き続き予断を許さない状況にあります。

このような環境を踏まえ、2024年1月期から新たな中期経営計画「つなぐ ~next stage 2031~」をスタートいたします。当社は2031年8月に100周年を迎えますが、この新中期経営計画は100周年を最終年度とし、2024年1月期~2032年1月期の9年間を「Step1」「Step2」「Step3」の3段階に区切って実行してまいります。「Step1」(2024年1月期~2026年1月期)の最終年度の目標数値は、売上高33,200百万円、営業利益率6.0%(営業利益2,000百万円)としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

今後の当社グループを取り巻く環境は、売上面におきましては、少子高齢化による人口減少、地方や郊外百貨店の店舗閉鎖、バレンタインや中元、歳暮の市場縮小などが想定されます。また、原材料価格の高騰が続くとともに、電気・ガス等のエネルギーや物流コストも上昇しており、製造原価の上昇が予想されます。人員面では、人手不足が顕在化しており、人件費の上昇も予想されます。一方、生産設備面でも、工場や物流施設の老朽化対策や生産性向上のための投資が必要となるなど、多くの課題を抱えています。

このような課題を踏まえて、中長期ビジョン「企業価値の向上」「ブランド価値の向上」「社会的価値の向上」を達成すべく、2024年1月期から新たな中期経営計画「つなぐ ~next stage 2031~」をスタートいたしました。

このビジョンを達成するために、①新たなる「成長戦略」の実現、②コスト抑制とさらなる生産性向上、③人材確保と従業員満足度向上、を中長期戦略テーマとして取り組んでまいります。

 

まず、最初のテーマである「新たなる『成長戦略』の実現」を図るために、焼菓子によって新たな価値と市場を創造し、成長基盤をつくってまいります。焼菓子はパーソナルやカジュアルギフトに適しており、気候や季節に左右されず年間を通じて販売可能です。また、既存の設備や技術により商品開発や生産が可能であり、当社グループの強みを活かすことができます。

この新たなる「成長戦略」を実現していくために、「商品・ブランド戦略」「市場戦略」「生産・物流戦略」の3つの戦略を連係させて推進いたします。

① 商品・ブランド戦略

新しい焼菓子の定番商品や希少性の高い新プロダクトブランドを開発するとともに、新たなマーケットを創造し、ブランド価値の向上と成長基盤の強化を図ります。

② 市場戦略

商品・ブランド戦略で開発された新たな商品・ブランドにより新プロダクト店舗を拡大するとともに、ご当地名物商品の希少性を活かして新たな市場を開拓いたします。また、相手先企業保有コンテンツの活用によるOEM、ODM、アライアンス等により、BtoBビジネスを進めることで販売機会と利益の創出を図ります。

③ 生産・物流戦略

商品・ブランド戦略および市場戦略に柔軟に対応できるよう、工場の新棟建設や移転を進めるとともに、焼菓子製造ラインの新設や設備の強化による増産体制の確立を図り、安定した焼菓子の供給体制を確立いたします。また物流戦略では、新たな物流センターを設けるなど機能を再構築し、安定した物流体制の確立を目指します。

 

2つ目のテーマである「コスト抑制とさらなる生産性の向上」を図るため、直営・準直営店運営の効率化推進と、工場での焼菓子の増産とともに設備の自動化や省人化を図ってまいります。

直営・準直営店運営の効率化推進においては、既存店舗の運営方法を見直すことで、店舗のローコストオペレーション化を図るとともに、お客様にとっても、見やすく、選びやすく、買いやすい店舗スタイルに転換してまいります。

また、生産面では、工場の新棟建設にあわせて生産ラインを見直し、自動化設備を強化することにより、生産能力の増強と省人化を図り、さらなる生産性の向上に繋げてまいります。

 

3つ目のテーマは「人材確保と従業員満足度向上」です。人事面での課題としては、管理職年代層の定年退職と中堅層の社員不足、生産や販売の現場での従業員の採用難、女性社員の活躍推進などがあります。これらの課題の解決のために、人事制度の見直しや処遇などの改善、社員登用制度や定年再雇用制度の強化、などの対策を講じてまいります。

 

時代に即したお客様接点を創造し、お客様に提供する新たな価値を創造することで、未来につながる経営基盤を築くとともに、新たな成長戦略を講じて、景気変動や環境変化に左右されない、安定した収益の確保とサステナビリティの実現を目指してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財務状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に対する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループの事業に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

 

(1)食の安心、安全について

 近年、食品の安心、安全に関する消費者の関心はますます高まっております。また、食品業界におきましては、食品表示についての偽装や、消費または賞味期限についての虚偽表示や誤表示など、食の安心、安全を揺るがす問題が発生しております。

 このリスク回避のために当社グループではHACCPシステムを取り入れた全社品質保証制度に基づき、各種品質関連マニュアルの徹底による事前防止システムを確立し、食の安心、安全について万全の体制で臨むとともに、問題が発生した場合に備え原因をトレースできる体制を構築しております。問題発生時の対応マニュアルの整備や、損失が発生した場合に備えて生産物賠償責任保険の付保も行っております。

 しかし、原材料や製造工程などに想定の範囲を超えた問題が発生して、大規模な製品回収や製造物責任が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)原材料の調達および価格の変動について

 当社グループの使用する原料は、主に農産物であり、天候不順、自然災害による収穫量の増減、需給状況などにより仕入価格が変動する可能性があります。輸入原料の場合には、為替変動によっても仕入価格が変動する可能性があります。また、原油価格の変動により、石油製品である容器類、包装材料の仕入価格が変動する可能性があります。こうしたリスクに対しては、安定供給先の確保、調達先の多様化、事前の価格交渉、適切なタイミングでの価格決定等によりリスクを回避する努力を行っております。

 しかし、予期せぬ突発的事情により原材料の安定的調達ができなくなった場合や仕入価格が高騰した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)得意先の経営破綻等による影響について

 当社グループは、直営店、全国主要百貨店等を中心とした直接販売の方法をとっております。販売先の経営破綻により、債権が回収不能となる可能性があります。当社グループでは、専属の部署が調査機関や業界情報の活用により継続的な情報収集や与信管理を行っております。

 しかし、予期せぬ取引先の経営破綻が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制について

 当社グループは、食品衛生法、食品表示法、PL法(製造物責任法)、不当景品類及び不当表示防止法や環境・リサイクル関連法規など、各種の法的規制を受けております。これらの規制を遵守できない場合には、当社グループの活動が制限される可能性や、コストの増加、ブランドの毀損などを招く可能性があります。当社グループとしては、各種規定の整備によるほか、各主管部門と法務部門が連携しすべての法的規制を遵守するように取り組んでおります。

 しかし、法令違反等によりこれらの許認可が取消された場合や、業務の停止命令を受けた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)自然災害について

 当社グループは、全国の店舗において販売しており、また各工場で生産活動を行っております。これらの地域において地震や台風などの自然災害が発生した場合に備えて、危機管理マニュアルを整備しており、その中に地震や風水害等が発生した場合の対応を定めております。特に地震についてはBCP(事業継続計画)を整備するとともに、従業員に「震災ハンドブック」も配布しております。また、防災訓練の実施、緊急情報連絡システムなどの連絡体制を整備し、緊急時に備えております。

 しかし、これらの危機管理対策の想定を超えた大規模自然災害が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6)新型感染症について

 新型コロナウイルスなどの新しい感染症の世界的な拡大により、人の移動の制限や店舗の閉店、工場の閉鎖などが発生する可能性があります。当社グループとしては、全社品質保証制度に基づき厳格な衛生管理をおこなうとともに、新型感染症を想定したBCP(事業継続計画)を整備しており、これらに基づき感染拡大の防止に努めてまいります。

 しかし、新型の重大な感染症が拡大した場合には、移動の制限や店舗の閉鎖など、様々な活動の自粛により消費活動が急激に縮小する場合があります。また、従業員に感染症が拡大した場合には、一時的に工場の操業や店舗での販売を停止することもあり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)情報セキュリティについて

 当社グループは、経営に関する重要情報や個人に関する機密情報を保持しております。これらの情報システムの運用につきましては、コンピューターウイルス感染によるシステム障害やハッキングによる被害、および外部への社内情報の漏洩が生じないように万全の体策を講じております。

 しかし、標的型攻撃メールや想定を超えた技術による情報システムへの不正アクセス、コンピューターウイルスの感染などにより、情報システムに障害が発生するリスクや、社内情報が外部に漏洩するリスクがあり、こうした事態が発生した場合は、事業活動に支障をきたすとともに、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)固定資産の減損について

 当社グループは、工場の老朽化や生産性向上を図るために工場や製造機械への設備投資や、売上増強のために店舗の新設や改装への投資をおこなっております。投資にあたっては、その目的や意義について十分に検討し、キャッシュ・フローや投資採算を精査したうえで、投資の決定を行っております。

 しかし、経営環境の変化等で、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上することとなるため、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)キャッシュ・フローの変動について

 当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローによりほぼ投資および財務に係る資金を賄い得ており、自己資金比率も高い水準で推移しております。

 しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大による営業の自粛や消費の急激な落ち込みにより、収支状況が悪化したような場合には、営業活動によるキャッシュ・フローにも大きな影響がでる場合があります。

 

(10)海外での事業展開について

 当社グループは、海外でも事業展開を図っておりますが、現地の政治経済的な要因の変動、予期しない法律や規制などの改廃、地震等の自然災害、急激な為替変動などの不測の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、各国での早期の情報収集に努めることで、戦略の見直しを適宜・適切におこなうとともに、現地に適切に指導できる体制構築に努めております。

 

(11)気候変動の影響について

 地球温暖化に伴う気候変動の影響が、自然災害の増加や自然生態系の変化といった形で顕在化し、社会にも多大な影響を及ぼしつつあります。当社グループの商品の主原料は、カカオ類、チーズなどの乳製品類、ナッツ類等の農畜産物であり、生産地での気候変動の影響による不作が生じた場合、原料調達価格の上昇および必要量の不足に伴う販売機会の損失などが想定されます。また、気候変動に伴う自然災害などの悪影響が想定範囲を超えた場合、生産、物流、販売体制に支障をきたすことが想定され、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、環境負荷低減のため、事業活動における省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの活用により温室効果ガス排出量の削減を図るとともに、食品廃棄物の削減、再資源化の促進に努めております。

 今後も継続的に気候変動が事業に及ぼす影響を把握し、適切に対応できる体制を整備してまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度は連結財務諸表作成初年度であるため、前期との比較分析は行っておりません。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大と収束が繰り返されたものの、行動制限の緩和により人流は総じて回復基調となり、持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症に対する潜在的な不安に加え、原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安の影響による物価上昇により、消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループが属する洋菓子業界におきましては、食料品価格の値上げの動きが強まる中での節約志向は一段と高まっており、限られたパイを巡っての企業間競争は厳しさを増しております。

当社グループはこのような環境下にあっても、企業スローガン『こころつなぐ。笑顔かがやく。』のもと、スイーツを通して心豊かな生活をお届けすることを基本姿勢として、安心、安全かつ高品質な商品をお客様に提供させていただくことに注力いたしました。また長引くコロナ禍の中で、引き続きお客様や従業員に対する感染防止対策を徹底しながら、生産性の改善、人員体制の最適化、コストの削減、適正在庫の確保に努めました。

売上面につきましては、2月に新型コロナウイルス感染症の第6波がピークを迎えたことで、当社グループにとって最大の商戦であるバレンタインデーが影響を受けましたが、4月以降は回復傾向となりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、8月の感染第7波、年末年始の第8波はあったものの、10月からの全国旅行支援の再開や、感染症対策に基づく行動制限が順次緩和されたことで、人流は回復基調となって、下半期の個人消費が好調であったこともあり、当連結会計年度の売上高は32,505百万円となりました。

損益面につきましては、増収効果や、効率的な生産体制による生産性の向上、店舗の人員体制の最適化に加えて、原材料やエネルギー価格の急上昇により売上原価率は上昇しつつあるものの、まだその影響は限定的に止まったこともあり、営業利益は2,423百万円、経常利益は2,615百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,703百万円となりました。

また、当社グループは2023年1月期の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。個別決算の業績につきましては、売上高31,677百万円(前期比7.2%増)、営業利益2,485百万円(前期比23.5%増)、経常利益2,666百万円(前期比25.4%増)、当期純利益1,674百万円(前期比62.7%増)となりました。なお、前期比は、2022年1月期に係る各数値について当該会計基準等を遡って適用した後の数値との対比を記載しております。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

[洋菓子製造販売事業]

干菓子につきましては、4月以降はまん延防止等重点措置が解除されて個人消費が回復に転じたこともあり、バターにこだわった焼菓子ブランド「ガレット オ ブール」、「ファヤージュ」などの焼菓子に加え、中元を含む夏ギフト商品や土産商品なども堅調に推移いたしました。10月以降は行動制限の緩和などの効果もあり、クリスマス商品やバレンタイン商品の先行出荷も好調に推移いたしました。また、実店舗での販売以外にも、インターネットやカタログ販売に注力し売上獲得に努めました。

洋生菓子につきましても、カスタードプリン誕生60周年を記念した「濃たまごのカスタードプリン」など、プリンの売上は好調に推移いたしました。また瀬戸内レモンケーキやブロードランドなどの半生菓子も順調な売上を維持したのに加え、カスタードの奥深い魅力を楽しむ新ブランド「CUSTA(カスタ)」の新規出店などもあり、売上高は順調に推移いたしました。

その結果、当事業の売上高は30,875百万円となりました。

 

[喫茶・レストラン事業]

喫茶・レストラン事業につきましては、行動制限の緩和による人流の増加に加え、昨年12月にリニューアルオープンした阪神梅田本店カフェモロゾフの売上貢献などもあり、売上高は順調に回復いたしました。

その結果、売上高は1,629百万円となりました。

 

 

(参考)モロゾフ株式会社単体における経営成績は、以下のとおりです。2022年1月期に係る各数値については「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を遡って適用しております。

(%表示は対前期増減率)

 

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

2023年1月期

31,677

7.2

2,485

23.5

2,666

25.4

1,674

62.7

2022年1月期

29,562

6.0

2,012

167.9

2,126

146.7

1,028

192.1

 

②財政状態の概況

当連結会計年度末における資産は、26,595百万円となりました。主な内訳は、売掛金6,512百万円、現金及び預金6,137百万円、土地3,644百万円、建物及び構築物(純額)2,523百万円、商品及び製品1,917百万円、投資有価証券1,607百万円、機械装置及び運搬具(純額)1,201百万円であります。負債は、8,015百万円となりました。主な内訳は、電子記録債務1,993百万円、短期借入金1,670百万円、未払費用1,063百万円、支払手形及び買掛金884百万円、未払法人税等608百万円、賞与引当金227百万円であります。純資産は、18,580百万円となりました。主な内訳は、利益剰余金10,688百万円、資本剰余金3,918百万円、資本金3,737百万円であります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、5,647百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,200百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,594百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,540百万円の支出となりました。これは主に、定期預金の預入による支出980百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出611百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、440百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額315百万円、短期借入金の純減額110百万円等によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 セグメントのうち、洋菓子製造販売事業において生産活動を行っており、当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

  至 2023年1月31日)

洋菓子製造販売事業計(千円)

35,244,870

(内訳)

 

干菓子群(千円)

26,554,308

洋生菓子群(千円)

8,690,562

 (注)1.生産実績は小売価額によっております。

2.干菓子群、洋生菓子群にはその他菓子群製品及び半製品が含まれております。

3.他に他社製品仕入実績が仕入金額で767,077千円あります。

 

b.受注実績

 当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメント別商品群別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

  至 2023年1月31日)

洋菓子製造販売事業計(千円)

30,875,974

(内訳)

 

干菓子群(千円)

21,815,353

洋生菓子群(千円)

8,317,311

その他菓子群(千円)

743,309

喫茶・レストラン事業計(千円)

1,629,859

合計(千円)

32,505,834

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。

これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

中期経営計画「Re morozoff 2022 ~変革~ 」の『2nd Step』の最終年度にあたる当連結会計年度は、以下に記載の通りとなりました。

 

(売上高)

売上高は32,505百万円となりました。

洋菓子製造販売事業においては、4月以降はまん延防止等重点措置が解除されて個人消費が回復に転じたこともあり、バターにこだわった焼菓子ブランド「ガレット オ ブール」や「ファヤージュ」などの焼菓子に加え、中元を含む夏ギフト商品や土産商品なども堅調に推移いたしました。10月以降は行動制限の緩和などの効果もあり、クリスマス商品やバレンタイン商品の先行出荷も好調に推移しました。

また、カスタードプリン誕生60周年を記念した「濃たまごのカスタードプリン」などの発売に加え、カスタードの奥深い魅力を楽しむ新ブランド「CUSTA(カスタ)」の新規出店や、実店舗での販売以外にも、インターネットやカタログ販売に注力し売上獲得に努めました。

喫茶・レストラン事業につきましては、行動制限の緩和による人流の増加に加え、昨年12月にリニューアルオープンした阪神梅田本店カフェモロゾフの売上貢献などもあり、売上高は順調に回復いたしました。

(売上原価)

売上原価は、増収効果に加え、効率的な生産体制による生産性の向上、コストの削減などに努めた結果、原材料やエネルギー価格は急上昇したものの、まだその影響は限定的に止まったこともあり、対売上高比率は47.8%となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、店舗の人員体制の最適化、経費の削減に努めた結果、対売上高比率は44.7%となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損益)

特別損益は、投資有価証券売却益23百万円を特別利益に、固定資産除売却損27百万円、投資有価証券売却損16百万円を特別損失に計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は1,703百万円となりました。

 

 

b.財政状態の分析

 (流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、15,919百万円となりました。この主な内訳は、売掛金6,512百万円、現金及び預金6,137百万円、商品及び製品1,917百万円であります。

 (固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、10,676百万円となりました。この主な内訳は、土地3,644百万円、建物及び構築物(純額)2,523百万円、投資有価証券1,607百万円、機械装置及び運搬具(純額)1,201百万円であります。

 (流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、7,350百万円となりました。この主な内訳は、電子記録債務1,993百万円、短期借入金1,670百万円、未払費用1,063百万円、支払手形及び買掛金884百万円、未払法人税等608百万円、賞与引当金227百万円であります。

 (固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、664百万円となりました。この主な内訳は、再評価に係る繰延税金負債202百万円、退職給付に係る負債81百万円、繰延税金負債80百万円であります。

 (純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、18,580百万円となりました。この主な内訳は、利益剰余金10,688百万円、資本剰余金3,918百万円、資本金3,737百万円であります。

 

(キャッシュ・フロー)

 キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標のトレンドは次のとおりであります。

 

 

2023年1月期

 自己資本比率(%)

69.9

 時価ベース自己資本比率(%)

89.2

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

0.8

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

85.0

(注)自己資本比率=自己資本/総資産

時価ベース自己資本比率=株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ=営業キャッシュ・フロー/利払い

1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

2.営業キャッシュ・フロー及び利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー及び利息の支払額を使用しております。

3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。

 詳細は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは顧客第一を基本方針とし、激動する市場環境に対応するため消費者ニーズを適切に予測し、より付加価値の高い商品の開発、品質の向上に取り組んでおります。

当連結会計年度における「洋菓子製造販売事業」の主な研究開発活動は、以下のとおりです。

新ブランド開発として、素材と製法にこだわったカスタードスイーツ専門店「CUSTA(カスタ)」の1号店を4月に阪神百貨店梅田本店にオープンいたしました。素材や技術がダイレクトに反映されるカスタードクリーム。厳選したたまごを使用することで、濃厚な黄身の美味しさがカスタードの新たな魅力を引き出します。とろけるようなカスタードクリームを楽しむ新食感スイーツ「CUSTA(とろけるカスタードクリームのケーキ)」や別添キャラメリゼ付きの「クレームブリュレ」、焼菓子では「カスタードクーヘン」や「キャラメルガレット」などデイリー需要からギフトまで幅広いラインナップを取り揃えました。

モロゾフは2022年にカスタードプリン誕生60周年を迎えました。これを記念してたまごの美味しさを凝縮したコク深い味わいの「濃たまごのカスタードプリン」を発売いたしました。その他「濃いちごのプリン」「桃と紅茶のプリン」「ピスタチオのプリン」を順次投入しました。首都圏を中心にカスタードプリン60周年記念催事を行い、店頭仕立ての「プリンとソフトクリーム」「いちごのプリンパフェ」「モンブランプリン」等を発売いたしました。また新規の取り組みとして大丸松坂屋とのスペシャルコラボプリン「カスタードプリンと青空ゼリー」「カスタードプリンと夕空ゼリー」を限定発売いたしました。あわせて7月に夏のプリンキャンペーンを実施、①アタリ付きプリン、②お皿出しチャレンジ、③プリンキャッププレゼントを行い店頭の活性化を図りました。

2020年にデビューした「ガレット オ ブール」(フランス語で「バターの焼菓子」という意味)では新たにギフト缶(3,000円)を投入しギフト需要に対応するとともに、季節限定商品のリニューアルを行いました。また、店頭で焼きあげるタイプの「ガレット オ フリュイ(フィグ)」を投入し、活性化を図りました。

干菓子群におきましては、夏季の主力商品である「ファンシーデザート」に新品種「せとか」「マスクメロン」を投入いたしました。中元期には缶入りの焼菓子詰合せ「ティーブレイク」#3000,#5000を投入し好調に推移いたしました。

また、カスタードプリン60周年を記念し、「カスタードプリンセレクション」#3000をいたしました。歳暮ギフトへの投入に向けて開発した新単位製品「サブレオショコラ」は、今後夏ギフトや通年展開も想定して活用してまいります。

オンラインショップ限定の「みみずく洋菓子店」に向け、薄く焼き上げた手のひらサイズのタルト生地にクルミ、いちじく、キャラメルを合わせたフィリングを詰め込み焼きあげた「マ・タルト・ファヴォリット」を投入いたしました。

オンラインショップでは他にも、北海道産「くりりんかぼちゃ」をたっぷりと使用した限定タルト「くりりんかぼちゃのタルト」#2200を開発、北海道スイーツ工場よりお届けいたしました。

イベント商品におきましては、バレンタインデー、ホワイトデー、ハロウィーン、クリスマスに、それぞれ新商品を投入いたしました。特に最大のイベントであるバレンタインデーでは、各ブランドをブラッシュアップするとともに、新規ブランドとして「花と酒とチョコレート」、「ショコラな猫」を開発。店舗限定商品として「中津川栗きんとんショコラ」のブラッシュアップ、新たに「リントンズ紅茶トリュフ」、「ショコラマダガスカルチョコレートプリン」を開発、ファッション性、希少性をアピールし、ブランド価値向上に努め、2023年のバレンタイン市場のシェア拡大をいたしました。また一部店舗でセルフ販売コーナーを設けました。その他「ポケモンセンター」、「ロンハーマン」、「パンとエスプレッソと」、「フォルクスワーゲン」、生協等新市場にも対応いたしました。

子会社の株式会社鎌倉ニュージャーマン(以下KNG)につきましては新商品の導入、中元、歳暮への対応をするとともに、モロゾフからKNGへの商品、仕掛品供給、KNGからモロゾフへの商品、仕掛品供給等関係強化を図りました。バレンタインについては新たに専用商品を投入し、市場拡大いたしました。

食の企業として最も大切な安心・安全につきましては、商品情報管理システムを継続運用し、原材料の仕入から製造、流通、販売まで、品質管理体制の強化をめざした改善活動を日々続けております。

なお、当連結会計年度における「洋菓子製造販売事業」の研究開発費は、358,711千円です。