文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、経営理念としている「いつも安心できるおいしさと信頼感で人と環境にやさしい企業」というミッション(果たすべき使命・役割)のもと、「良質なパン・菓子を中心とした食関連事業」を通じて「北海道の活性化に貢献する“真の北海道企業”への成長」をめざすことをビジョンに据えております。食に関するお客様のニーズや市場環境の変化を適切に捉え、「おいしく、北海道らしく。」の方針のもと、おいしさと価値のある製品を継続的に提供することが最大の責務であると認識しております。当社は、食の安全・安心を追求し、品質の安定と向上に努め、環境に配慮した効率的な経営をめざし、食品企業に求められる役割や使命を果たしていく所存でございます。
今後の見通しといたしましては、雇用・所得環境の改善により景気は回復基調が続くものと期待されますが、先行きは不透明な状況が予想されます。当業界におきましては、お客様の節約志向は根強く販売競争が激化する市場環境のもと、人件費やエネルギー・物流コスト、原材料費のさらなる上昇が懸念され、経営環境は厳しい状況が継続すると予測されます。
このような情勢下におきまして、当社は、「日糧ベスト70」を一品ずつ丁寧に見直し、さらなる品質の向上を進めるとともに、多様化するお客様のニーズを捉えた価値ある新製品開発を業態別、チェーン別に積極的に推し進め、パン、菓子部門の売上回復に全力で取り組んでまいります。また、北海道ブランドを活かしたロングライフ製品・チルド製品を活用し、未取引の販売先や新たな販路開拓に注力してまいります。
本年7月には、北海道札幌市の本社・月寒工場敷地内にデリカ新工場が竣工稼働いたします。デリカ新工場では、最新鋭の炊飯設備をはじめ効率の良い加工・調理設備を導入し、米飯類および調理パンの品質向上と生産性の向上をはかり、競争力のある新製品開発に努めてまいります。
食パンは、「絹艶」を中心に品質訴求を積極的に行い、店頭シェアアップをはかるとともに、「イギリス食パン」、「プレミアデニッシュ」などの付加価値を高めた製品の品揃え強化により売上の伸長をめざしてまいります。菓子パンは、主力ブランド「北の国のベーカリー」、「ラブラブサンド」等の各シリーズの品質向上をはかり取扱拡大に注力するとともに、簡便性や健康増進などのさまざまなニーズや季節の素材を取り入れた製品の開発・育成に取り組み、売上の回復をはかってまいります。和洋菓子においては、北海道産原料を活用した製品開発を強化するとともに、ロングライフ製品およびチルド製品を開発・拡充し、新たなチャネル・市場開拓を進めてまいります。調理パン・米飯類は、多様化する市場環境において見込まれる需要拡大に応えるべくデリカ新工場を活用して高品質な製品を開発・提供し、デリカ部門のさらなる売上拡大・収益確保に努めてまいります。
さらに、生産・販売一体となり市場動向に即応した製品施策と営業戦略の展開と迅速な製品開発体制により新しい価値と新しい需要の創造に取り組んで売上拡大をはかるとともに、全社を挙げて一層の業務効率化を推し進めてコスト削減に努め目標達成に向けて努力する所存でございます。
当社は、平成31年3月期の経営指標を売上高18,000百万円、経常利益200百万円としております。また、経営指標として、売上高経常利益率2%以上を継続して達成できるよう努めてまいりたいと存じます。
有価証券報告書に記載した「事業の状況」、「経理の状況」等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 「食」の安全性について
近年、食品業界におきましては、消費者の食品の品質、安全性に対する関心が一層高まっております。
当社は、製品の安全性確保と食品事故の未然防止をはかるため、食品安全衛生管理本部を設置し、日々の管理に万全を期しております。定期的に各工場の管理状況の点検を行う一方、AIB(American Institute of Baking)の国際検査統合基準による指導に基づいた管理を実践しており、今後もHACCP導入を含め、さらなる食品安全衛生管理の向上に取り組んでまいります。
しかしながら、社会全般にわたる品質問題等、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料の価格変動について
当社においては、小麦粉、米、砂糖、油脂、鶏卵等の原材料、包装資材、容器等の副材料を使用しておりますが、これら材料費は売上原価において高い割合を占めております。生産地域の異常気象、海外からの輸入品については紛争発生や感染性疾病の流行等による輸入停止等に伴う価格上昇が発生した場合、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他
当社としては、大規模地震の被害に象徴的な自然災害、生産設備の火災による重大事故、国外、国内を問わず広範囲に及ぶ感染症・疾病などの発生時における事業継続への対応、及び法的規制の改廃への対処、従業員の高齢化に伴う技術の継承、年齢構成のバランス・少子高齢化等雇用環境の変化を踏まえた従業員の採用などが、当面及び中長期的に重要な課題であると認識をしております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当事業年度末における資産合計は13,457百万円で、前事業年度末に対し675百万円増加いたしました。流動資産は4,167百万円で主に現金及び預金が437百万円減少、売掛金が318百万円増加した結果、前事業年度末に対し101百万円減少いたしました。固定資産は9,290百万円で主に建設仮勘定が870百万円増加した結果、前事業年度末に対し776百万円の増加となりました。
負債合計は8,900百万円で、主に長期借入金(1年内返済予定含む)が606百万円増加した結果、前事業年度末に対し605百万円増加いたしました。純資産合計は4,557百万円で利益剰余金が56百万円、その他有価証券評価差額金が15百万円増加したこと等により、前事業年度末に対し70百万円増加いたしました。
この結果、当事業年度末における自己資本比率は33.9%、1株当たりの純資産額は2,176円33銭となりました。
① 事業全体及び事業部門等別ごとの状況
当期におけるわが国の経済環境は、企業収益の改善が進み設備投資が増加するなど緩やかな回復基調が続いたものの、賃金の伸び悩みから個人消費は力強さに欠けました。当業界におきましては、お客様の生活防衛意識が依然として根強い市場環境で激しい販売競争が続くなか、人手不足に伴う人件費やエネルギーコスト・物流コストの上昇に加えて下期以降は原材料価格上昇の影響もあり厳しい経営環境となりました。
このような情勢下におきまして、当社は、「おいしく、北海道らしく。」の方針のもと、品質向上と新製品開発に継続して取り組みました。「日糧ベスト70」を中心に「絹艶」、「北の国のベーカリー」、「ラブラブサンド」など主力製品のさらなる品質向上を継続し、積極的な取扱拡大をはかりました。また、生産、販売、管理の各部門における業務の見直しや効率化を推し進め、継続して経営基盤の強化に取り組んでまいりました。食品安全衛生面におきましては、引き続き安全・安心でお客様に喜ばれる高品質な製品を提供するため、AIBフードセーフティに基づく継続的な工場運営の管理強化に取り組みました。
当期の業績につきましては、売上高は17,403百万円(対前期比98.7%)と伸び悩みました。さらに、人件費・物流費などのコスト上昇を吸収できず営業利益は187百万円(対前期比48.6%)、経常利益は215百万円(対前期比53.9%)となりました。当期純利益は老朽化した建物の解体・撤去などの費用を特別損失に計上したことにより、98百万円(対前期比40.5%)となりました。
事業部門等別の売上状況は次のとおりであります。
○食パン(売上高2,550百万円、対前期比102.5%)
“しっとり、やわらか”な食感を訴求して取扱拡大に努めた主力の「絹艶」、「絹艶北海道」が好調に推移するとともに、新製品の「イギリス食パン」およびバラエティ食パン「あんブレッド」、「牛乳ブレッド」の寄与により売上は順調に推移しました。
○菓子パン(売上高6,373百万円、対前期比96.2%)
「北の国のベーカリー」シリーズの拡販に努めるとともに、新製品を積極的に発売いたしましたが競争激化の影響を受け売上は伸び悩み、前期実績を下回りました。下期より「ずっしり」シリーズの投入や値ごろ感のあるコンビニエンスストア向け製品の提案強化により、売上は回復傾向となりました。
○和菓子(売上高3,418百万円、対前期比96.5%)
ロングライフの和生菓子や北海道産原料を使用した製品は堅調に推移しましたが、前期まで好調であった季節商品が低迷したほか、饅頭類や串団子類が伸び悩み前期実績を下回りました。
○洋菓子(売上高934百万円、対前期比92.6%)
チルドデザート「きょうのドルチェ」シリーズや「中札内産たまごのロールケーキ」シリーズの新製品強化などにより売上の回復に努めましたが、コンビニエンスストア向けの製品の売上減少の影響が大きく、前期実績を下回る結果となりました。
○調理パン・米飯類(売上高3,565百万円、対前期比106.6%)
米飯は、量販店向け製品を積極的に拡大した一方で、コンビニエンスストア向け製品の売上が縮小し前期の売上を下回りました。調理パンは、コンビニエンスストアおよび量販店向け製品が順調に推移するとともに、「絹艶サンド」の品揃え強化の効果もあり、売上は大幅に伸長し、調理パン・米飯類合計では、前期の売上を上回りました。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績は、17,407,679千円(前期比99.1%)であります。
(注) 1.金額は、販売基準価格(販売店に対する実質卸価格)によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当社の製品は、特に鮮度が重要視されますので、製品ストックは持たず、販売店からの日々の注文に基づいて生産しております。また生産開始は見込数で行い、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、受注残はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門等別に示すと、次のとおりであります。
|
事業部門等の名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
食パン |
2,550,333 |
102.5 |
|
菓子パン |
6,373,244 |
96.2 |
|
和菓子 |
3,418,667 |
96.5 |
|
洋菓子 |
934,259 |
92.6 |
|
調理パン・米飯類 |
3,565,474 |
106.6 |
|
その他(仕入商品) |
561,769 |
88.5 |
|
合計 |
17,403,750 |
98.7 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
生活協同組合コープさっぽろ |
2,343,011 |
13.3 |
2,179,655 |
12.5 |
|
㈱セイコーフレッシュフーズ |
1,895,780 |
10.7 |
1,815,494 |
10.4 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、1,458百万円(前事業年度末1,895百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益157百万円に減価償却費437百万円、売掛金の増加額318百万円、法人税等の支払額141百万円などを加減算した結果、296百万円の増加(前事業年度659百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,297百万円の減少(前事業年度525百万円の減少)となりました。主に設備投資(月寒工場敷地内に建設中のデリカ新工場870百万円含む)による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、564百万円の増加(前事業年度65百万円の減少)となりました。主に借入金の借入及び返済(デリカ新工場建設に伴う借入600百万円含む)によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原料費、労務費、経費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備新設、改修等によるものであります。
当社は事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は2,769百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,458百万円となっております。
当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
|
|
平成26年 3月期 |
平成27年 3月期 |
平成28年 3月期 |
平成29年 3月期 |
平成30年 3月期 |
|
自己資本比率 |
28.8% |
30.8% |
33.1% |
35.1% |
33.9% |
|
時価ベースの自己資本比率 |
22.4% |
31.4% |
28.1% |
31.6% |
32.2% |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
314.0% |
250.1% |
425.6% |
327.9% |
933.6% |
|
インタレスト・カバレッジ・ |
20.1倍 |
26.5倍 |
15.9倍 |
24.8倍 |
12.0倍 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
※有利子負債は金融機関等からの借入金を対象としております。
当社は、平成21年7月31日開催の取締役会において、山崎製パン株式会社と両社のブランド価値を維持・向上させるとともに、両社の企業価値を向上させることを目的とした業務資本提携を行うことを決議し、同8月3日に契約を締結いたしました。これに伴い、山崎製パン株式会社は当社の発行済株式総数の28.44%を保有する筆頭株主となりました。また業務資本提携の目的を実現するために、山崎製パン株式会社から代表取締役1名を含む取締役3名及び社外監査役1名の役員派遣を受け入れたほか、同社からの出向者の受け入れ等を含め、両社の人的関係の強化を具体的に進めております。
業務資本提携契約の内容は下記のとおりであります。
契約内容
製品の品質・売上向上、物流の効率化、原材料の共同購入、生産設備の改善、改良、更新および効率化の推進、食品安全衛生管理体制の整備・強化、新素材・新技術の共同研究、生産管理システムの導入等。
当社は、常に消費者ニーズに合致した新製品の開発、既存品の品質改善に力を注ぎ、それを支える研究開発活動を行ってまいりました。
当事業年度の研究開発活動は、新製品開発を含めた市場活動に関わる業務を担当する部門として商品開発本部が、著しく変化する市場や消費者ニーズを幅広く的確にリサーチし、消費者を取り巻く市場や、地域に密着した製品等にテーマを絞り新製品開発活動を行ってまいりました。新製品開発活動を支える研究開発部門として、食品安全衛生管理本部が製品・商品について安全安心の観点から、品質改善等に関する基礎的な検査・研究を担当してまいりました。また、製造本部の技術顧問と技監が、工程管理高度化や製造基本技術の改善・技術教育等でサポートする中で、商品開発本部が製造、営業の各部署と連携を図りながら新製品・新規商品の企画・試作等を担当し開発に当たってまいりました。
当事業年度における当社の研究開発費は、食品関連事業で160百万円であります。