文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、経営理念としている「いつも安心できるおいしさと信頼感で人と環境にやさしい企業」というミッション(果たすべき使命・役割)のもと、「良質なパン・菓子を中心とした食関連事業」を通じて「北海道の活性化に貢献する“真の北海道企業”への成長」をめざすことをビジョンに据えております。食に関するお客様のニーズや市場環境の変化を適切に捉え、「おいしく、北海道らしく。」の方針のもと、おいしさと価値のある製品を継続的に提供することが最大の責務であると認識しております。当社は、食の安全・安心を追求し、品質の安定と向上に努め、環境に配慮した効率的な経営をめざし、食品企業に求められる役割や使命を果たしていく所存でございます。
今後の見通しといたしましては、わが国の経済は雇用・所得の改善傾向が続き、景気は緩やかに回復するものと期待されますが、本年10月には消費税率の引上げが予定されており、お客様の生活防衛意識はさらに高まるものと予想されます。当業界におきましては、人手不足に伴う人件費の増加やエネルギー・物流コスト、原材料費の高止まりにより厳しい状況が継続すると予測されます。
このような情勢下におきまして、当社は、「日糧ベスト70」をはじめとする主力製品を一品ずつ丁寧に見直し、品質の向上を進めるとともに、多様化しているお客様のニーズを捉えた価値ある新製品開発を業態別、チェーン別に積極的に推し進め、パン、菓子部門の売上回復に全力で取り組んでまいります。
食パンは、主力の「絹艶」シリーズを中心に品質向上を推し進め積極的な拡販を行うとともに、新技術を活用して付加価値を高めた製品の投入により売上の伸長をめざしてまいります。菓子パンは、発売20周年を迎える主力ブランド「北の国のベーカリー」の拡販に努め、また「ラブラブサンド」等の各シリーズの品質向上をはかり、より魅力的な情報発信を継続して取扱拡大に注力するとともに、簡便性や健康増進などのさまざまなニーズに対応した製品の開発・育成に取り組み、売上の回復をはかってまいります。和洋菓子においては、北海道産原料を活用した製品やロングライフ製品およびチルド製品の開発・拡充、各種イベントに関連した製品の提案により、未取引の販売先や新たなチャネル・市場開拓を進めてまいります。調理パン・米飯類は、新設したデリカ新工場の生産設備を活用して、ライフスタイルが多様化する市場環境において拡大が見込まれる需要に応える製品群を開発・提供し、デリカ部門のさらなる売上拡大をめざし収益確保に努めてまいります。
さらに、生産・販売が一体となって各部門の小委員会を開催し、市場動向に即応した製品施策と営業戦略の展開、迅速な製品開発体制により、新しい価値と新しい需要の創造に取り組み、売上回復・拡大と収益改善をはかってまいります。また、山積する経営課題に着実に対処し、全社を挙げて内部管理の充実と一層の業務効率化に努め、収益体質の抜本的な改善をはかってまいる所存でございます。
当社は、令和2年3月期の経営指標を売上高18,000百万円、経常利益200百万円としております。また、経営指標として、売上高経常利益率2%以上を継続して達成できるよう努めてまいりたいと存じます。
有価証券報告書に記載した「事業の状況」、「経理の状況」等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 「食」の安全性について
近年、食品業界におきましては、消費者の食品の品質、安全性に対する関心が一層高まっております。
当社は、製品の安全性確保と食品事故の未然防止をはかるため、食品安全衛生管理本部を設置し、日々の管理に万全を期しております。定期的に各工場の管理状況の点検を行う一方、AIB(American Institute of Baking)の国際検査統合基準による指導に基づいた管理を実践しております。またHACCPにつきましては、厚生労働省により食品衛生法の改正による制度化がされていますが、当社は各工場において、HACCPの考え方に基づき、事業内容及び規模に応じた管理手法の導入に取り組んでおり、さらなる食品衛生管理の向上につとめてまいります。
しかしながら、社会全般にわたる品質問題等、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料の価格変動について
当社においては、小麦粉、米、砂糖、油脂、鶏卵等の原材料、包装資材、容器等の副材料を使用しておりますが、これら材料費は売上原価において高い割合を占めております。生産地域の異常気象、海外からの輸入品については紛争発生や感染性疾病の流行等による輸入停止等に伴う価格上昇が発生した場合、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他
当社としては、大規模地震の被害に象徴的な自然災害、生産設備の火災による重大事故、国外、国内を問わず広範囲に及ぶ感染症・疾病などの発生時における事業継続への対応、及び法的規制の改廃への対処、従業員の高齢化に伴う技術の継承、年齢構成のバランス・少子高齢化等雇用環境の変化を踏まえた従業員の採用などが、当面及び中長期的に重要な課題であると認識をしております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
当事業年度末における資産合計は14,557百万円で、前事業年度末に対し1,100百万円増加いたしました。流動資産は4,508百万円で主に現金及び預金が264百万円、売掛金が93百万円増加した結果、前事業年度末に対し411百万円増加いたしました。固定資産は10,049百万円で主にデリカ新工場の竣工稼働により有形固定資産が749百万円増加し、投資その他の資産のうち投資有価証券が43百万円減少した結果、前事業年度末に対し688百万円の増加となりました。
負債合計は10,055百万円で、主に長期借入金(1年内返済予定含む)が1,154百万円増加した結果、前事業年度末に対し1,155百万円増加いたしました。純資産合計は4,502百万円で主に利益剰余金が13百万円、その他有価証券評価差額金が41百万円それぞれ減少したことにより、前事業年度末に対し55百万円減少いたしました。
この結果、当事業年度末における自己資本比率は30.9%、1株当たりの純資産額は2,150円11銭となりました。
① 事業全体及び事業部門等別ごとの状況
当期におけるわが国の経済環境は、景気の緩やかな回復基調が続きましたが、先行きの不透明感から個人消費は力強さを欠くものとなりました。北海道内の経済環境は、平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響により観光業を中心に一時的に悪化しましたが、個人消費や民間設備投資の増加など持ち直しの動きがみられました。当業界におきましては、お客様の節約志向が根強い市場環境のもと、販売競争の激化に加え、人手不足に伴う人件費やエネルギーコストおよび原材料価格上昇の影響により厳しい経営環境となりました。
このような情勢下におきまして、当社は、「おいしく、北海道らしく。」の方針のもと、「日糧ベスト70」を中心に主力製品の品質向上を継続し、多様化するお客様のニーズを捉えた新製品開発に積極的に取り組み、安全・安心でお客様に喜ばれる高品質な製品の提供に努めました。また、生産、販売、管理の各部門における業務の見直しや効率化を推し進め、継続して経営基盤の強化に取り組んでまいりました。
当社は、7月にデリカ新工場を竣工稼働し、最新鋭の炊飯設備と効率化された加工調理設備を活用して、高品質でフレッシュな調理パン・米飯類の提供を強化して積極的に売上向上をはかってまいりました。また、輸入小麦の政府売渡価格の3回連続の引上げに伴う業務用小麦粉の値上げ、さらに人件費、物流費およびエネルギーコストの上昇を受けて、引き続き安全・安心で高品質な製品を提供するため、8月1日出荷分から、一部のパン製品の価格改定を実施しました。
9月6日に発生した北海道胆振東部地震に際しまして、直後の大規模停電により、当社工場は2日間の操業停止を余儀なくされましたが、緊急事態に対処するため品種数を絞って生産を再開するとともに、被災地に緊急食糧を供給しました。
当期の業績につきましては、売上高は17,403百万円(対前期比100.0%)と前期並みとなりましたが、主力の菓子パンや和菓子の伸び悩みに加え、季節商品も低迷する中で、人件費やエネルギーコストの増加、デリカ新工場竣工稼働による減価償却費の負担増および就労環境改善対策費用の発生などの影響もあり、営業利益は101百万円(対前期比54.0%)、経常利益は105百万円(対前期比49.0%)となりました。また、北海道胆振東部地震による原材料や半製品の廃棄ロスおよび設備修理等費用を特別損失に計上したことにより、当期純利益は17百万円(対前期比17.9%)となりました。
事業部門等別の売上状況は次のとおりであります。
○食パン(売上高2,702百万円、対前期比106.0%)
北海道産小麦を使用した「絹艶北海道」の寄与により主力の「絹艶」シリーズが順調に推移するとともに、バターの風味豊かな「プレミアデニッシュ」シリーズおよびシンプルな配合でトースト専用の「イギリス食パン」の伸長により好調な売上となりました。
○菓子パン(売上高6,220百万円、対前期比97.6%)
フィリングをたっぷり使用し重量感のある「ずっしり」シリーズが品揃えを充実強化し大きく伸長しましたが、「ラブラブサンド」、コッペパンタイプのロール類の伸び悩みもあり、前期実績を下回りました。9月には「しっとりあんぱん」等の「北の国のベーカリー」シリーズを生地の風味と口どけの良さを向上させリニューアルし、積極的に取扱い拡大をはかったほか、コンビニエンスストア向け製品の提案強化により、売上の回復に努めました。
○和菓子(売上高3,254百万円、対前期比95.2%)
「チーズ蒸しパン」などの蒸しパン類、ロングライフ製品や北海道産原料を使用した製品は堅調に推移しましたが、焼き菓子類や和生菓子が伸び悩み、季節商品の不振も続いたため前期実績を下回りました。
○洋菓子(売上高990百万円、対前期比106.0%)
コンビニエンスストア向け製品が積極的な提案により好調に推移するとともに、「黒のチョコロール」などのロールケーキが回復し、前期実績を上回りました。
○調理パン・米飯類(売上高3,654百万円、対前期比102.5%)
7月に竣工稼働したデリカ新工場の最新鋭の炊飯設備や効率化した生産ラインを活用して、量販店向けのおにぎりや寿司、業務用の舎利玉や酢飯、コンビニエンスストア向けのバーガー類を積極的に提案・拡販したことにより、前期の売上を上回りました。
当社は経営指標として、売上高経常利益率2%以上を継続して達成することを目指しておりますが、当期においては、相対的に利益率の高い、菓子パン・和菓子の売上減少と、エネルギーコストの想定以上の上昇から、経常利益率の実績は0.6%にとどまったものであります。
主力ブランドの継続的な品質向上に加え、お客様のさまざまなニーズに対応し、かつ北海道企業としての特色を生かした製品開発に注力し、菓子パン・和菓子の売上回復を図ってまいります。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績は、17,372,076千円(前期比99.8%)であります。
(注) 1.金額は、販売基準価格(販売店に対する実質卸価格)によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社の製品は、特に鮮度が重要視されますので、製品ストックは持たず、販売店からの日々の注文に基づいて生産しております。また生産開始は見込数で行い、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、受注残はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門等別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、1,723百万円(前事業年度末1,458百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益54百万円に減価償却費527百万円などを加減算した結果、439百万円の増加(前事業年度296百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,297百万円の減少(前事業年度1,297百万円の減少)となりました。主にデリカ新工場の竣工稼働に伴う設備投資による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,122百万円の増加(前事業年度564百万円の増加)となりました。主に借入金の借入及び返済(デリカ新工場建設に伴う借入1,200百万円含む)によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原料費、労務費、経費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備新設、改修等によるものであります。
当社は事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は3,923百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,723百万円となっております。
当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
※有利子負債は金融機関等からの借入金を対象としております。
当社は、平成21年7月31日開催の取締役会において、山崎製パン株式会社と両社のブランド価値を維持・向上させるとともに、両社の企業価値を向上させることを目的とした業務資本提携を行うことを決議し、同8月3日に契約を締結いたしました。これに伴い、山崎製パン株式会社は当社の発行済株式総数の28.44%を保有する筆頭株主となりました。また業務資本提携の目的を実現するために、山崎製パン株式会社から代表取締役1名を含む取締役3名及び社外監査役1名の役員派遣を受け入れたほか、同社からの出向者の受け入れ等を含め、両社の人的関係の強化を具体的に進めております。
業務資本提携契約の内容は下記のとおりであります。
契約内容
製品の品質・売上向上、物流の効率化、原材料の共同購入、生産設備の改善、改良、更新および効率化の推進、食品安全衛生管理体制の整備・強化、新素材・新技術の共同研究、生産管理システムの導入等。
当社は、常に消費者ニーズに合致した新製品の開発、既存品の品質改善に力を注ぎ、それを支える研究開発活動を行ってまいりました。
当事業年度の研究開発活動は、食パン・菓子パン・和洋菓子は新製品開発を含めた市場活動に関わる業務を担当する部門として商品開発本部が、著しく変化する市場や消費者ニーズを幅広く的確にリサーチし、消費者を取り巻く市場や、地域に密着した製品等にテーマを絞り新製品開発活動を行ってまいりました。調理パン・米飯類は月寒デリカ工場の中のデリカ製品開発課がそれぞれの製品特性に応じた研究開発を行ってまいりました。新製品開発活動を支える研究開発部門として、食品安全衛生管理本部が製品・商品について安全安心の観点から、品質改善等に関する基礎的な検査・研究を担当してまいりました。また、製造本部の技術顧問と技監が、工程管理高度化や製造基本技術の改善・技術教育等でサポートする中で、商品開発本部が製造、営業の各部署と連携を図りながら新製品・新規商品の企画・試作等を担当し開発に当たってまいりました。
当事業年度における当社の研究開発費は、食品関連事業で