文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、経営理念としている「いつも安心できるおいしさと信頼感で人と環境にやさしい企業」というミッション(果たすべき使命・役割)のもと、「良質なパン・菓子を中心とした食関連事業」を通じて「北海道の活性化に貢献する“真の北海道企業”への成長」をめざすことをビジョンに据えております。食に関するお客様のニーズや市場環境の変化を適切に捉え、「おいしく、北海道らしく。」の方針のもと、おいしさと価値のある製品を継続的に提供することが最大の責務であると認識しております。当社は、食の安全・安心を追求し、品質の安定と向上に努め、環境に配慮した効率的な経営をめざし、食品企業に求められる役割や使命を果たしていく所存でございます。
今後の見通しといたしましては、新型コロナウイルスワクチン接種等による感染症対策と経済活動の活性化が進み、個人消費の回復が期待されるものの、変異株流行の懸念を含めてなお収束の時期が見通せず、厳しい状況が続くものと予想されます。当業界におきましては、お客様の節約志向が強まり販売競争が激化する市場環境のもと、海外情勢の影響等による原材料費やエネルギーコストの大幅な上昇が予想されます。
このような情勢下におきまして、当社は、「おいしく、北海道らしく。」の方針のもと、引き続き感染症防止対策の徹底に努めるとともに、日々お客様へ安全・安心な製品を安定して供給するという使命に基づき、お客様の潜在需要やニーズを的確に捉えるべく、新しい生活様式に対応した新しい価値と新しい需要の創造に取り組み、売上向上に努めてまいります。
食パンは、主力の「絹艶」、「イギリス食パン」を中心に拡販をはかりつつ、バラエティブレッドや健康志向などのニーズを捉えた高付加価値製品の開発を積極的に推進し、売上拡大をはかってまいります。
菓子パンは、主力ブランド「北の国のベーカリー」の品質向上をはかるとともに、北海道産原料を活用した高付加価値製品、値ごろ感のある製品やロングライフ製品など品揃えを強化して、売上拡大をはかってまいります。
和菓子、洋菓子においては、北海道産原料を活用した製品、チルド製品やロングライフ製品を積極的に活用して売上拡大をはかるとともに、新設したチルド設備を活かし、原料や製法に拘った新製品の開発も積極的に取り組んでまいります。
調理パン・米飯類は、お客様のニーズに対応した製品開発を積極的に取り組み、量販店やコンビニエンスストアとの取引強化をはかってまいります。
今後とも、生産・販売が一体となり各部門の小委員会活動を活用して製品施策・営業戦略を着実かつ迅速に実践・実行・実証するとともに、全社を挙げて5S活動を推進して業務の効率化と安全安心な職場づくりの両立といった内部管理の充実に努め、経営課題に着実に対処し、業績向上をめざしてまいる所存でございます。
また中長期的に目指すべき経営指標として、売上高経常利益率2%以上を継続して達成できるよう努めてまいりたいと存じます。なお本指標は、当社が入手した各種企業統計等を踏まえ、企業価値を高め、安定的な経営状況を継続的に確保するため、当面の目標とするのが適当と判断したものであります。
有価証券報告書に記載した「事業の状況」、「経理の状況」等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。但し、これらは当社に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また各リスクに関する具体的な対応については、当該リスクに関わる部署において、社外専門家等の指導・助言も踏まえた対策等を策定し、適時適切に実施しております。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 「食」の安全性について
近年、食品業界におきましては、消費者の食品の品質、安全性に対する関心が一層高まっております。
当社は、製品の安全性確保と食品事故の未然防止をはかるため、食品安全衛生管理本部を設置し、日々の管理に万全を期しております。各工場ではAIB(American Institute of Baking)の国際検査統合基準に基づく食品安全プログラムを導入して生産を管理し、その状況を定期的に自主点検を行う一方、AIB指導機関による指導、監査を受審して、第三者的な見地からの改善にも取り組んでおります。またHACCPにつきましては、食品衛生法の改正により制度化がなされましたが、当社の各工場においても、AIB食品安全プログラムと並行して、HACCPの考え方に基づく管理手法を導入しております。全工場での認証取得に向けて、恒常的な食品衛生管理の整備向上に努めております。
さらに、食品表示法及び景品表示法等に係る食品表示につきましては、小さな誤りでもお客様の健康危害に直結することを踏まえ、当社の製品及びその原材料の規格に関してデータベース化して一元管理するとともに、食品安全衛生管理本部が製造部門を始め社内の関連する各部門と密に連動しながら、管理、検証を徹底しております。必要に応じ関係機関にも照会を行っております。
しかしながら、社会全般にわたる品質問題等、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合は、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料の価格変動について
当社においては、小麦粉、米、砂糖、油脂、鶏卵等の原材料、包装資材、容器等の副材料を使用しております。これらは生産地域の異常気象や自然災害の影響、世界的な需給状況の変化、投機資金の流入や為替の急激な変化によって、価格の高騰や安定的な調達が困難になることがあります。また、原油価格の上昇等により、天然ガス等の燃料や石油製品である包装材料、容器類の価格上昇が生じる可能性があります。これらの突発的事情により原材料の安定的調達ができなくなった場合、または仕入価格が高騰した場合、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、上記リスクに対して常に情報収集を行い、調達先や産地の分散化、代替原材料の検討等の対応策を進めております。
(3) 自然・社会環境の変化について
当社が提供している製品の中には、その特性上、過度な気温上昇によって消費者の購買動向が影響を受け、売上の減少につながる可能性があります。また、想定した水準をはるかに超えた大規模地震や、感染症(インフルエンザ・ノロウイルス・コロナウイルスなど)によって、消費及び生産活動に関して多大な打撃を被った場合、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症の影響が拡大・長期化した場合、個人消費の冷え込みにつながることが懸念され、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、従業員の健康管理(毎日の検温、手洗い、うがい、アルコール消毒の徹底)、施設内の定期的な換気、設備・器具の定期的な消毒・洗浄、人と人との接触機会を減らすなど、感染予防のための習慣化に取り組み、安全安心な製品を安定して供給する食品企業としての使命に基づき、日常業務の着実な実行に努めてまいります。(北海道の企業として、「新北海道スタイル」安心宣言の取り組みに積極的に参加しております)
(5) その他
当社としては、生産設備の火災による重大事故、法的規制の改廃への対処、従業員の高齢化に伴う技術の継承、年齢構成のバランス・少子高齢化等雇用環境の変化を踏まえた従業員の採用などが、当面及び中長期的に重要な課題であると認識をしております。当該リスクの顕在状況等により、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
また、後述の「第5 経理の状況」についても、当該会計基準等を遡って適用した後の数値となっております。
当事業年度末における資産合計は14,306百万円で、前事業年度末に対し177百万円減少いたしました。流動資産は4,716百万円で主に現金及び預金が106百万円減少し、売掛金が46百万円増加した結果、前事業年度末に対し23百万円減少いたしました。固定資産は9,590百万円で主に有形固定資産が86百万円、投資有価証券が59百万円減少した結果、前事業年度末に対し153百万円の減少となりました。
負債合計は9,427百万円で主に短期借入金が100百万円、長期借入金(1年内返済予定含む)が276百万円減少し、未払金が43百万円、未払法人税等が46百万円増加した結果、前事業年度末に対し258百万円減少いたしました。純資産合計は4,878百万円で主に利益剰余金が130百万円増加し、その他有価証券評価差額金が49百万円減少したことにより、前事業年度末に対し80百万円増加いたしました。
この結果、当事業年度末における自己資本比率は34.1%、1株当たりの純資産額は2,330円77銭となりました。
① 事業全体及び事業部門等別ごとの状況
当期における北海道の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、物価上昇の影響もあり、個人消費は持ち直しの動きに弱さが見られました。当業界におきましては、主原料の小麦粉をはじめ、油脂や糖類など原材料価格の高騰に加えエネルギーコスト上昇の影響もあり、厳しい経営環境となりました。
このような情勢下におきまして、当社は、「おいしく、北海道らしく。」の方針と、日々お客様へ安全・安心な製品を安定して供給するという使命に基づき、科学的根拠に基づく感染防止対策に全社を挙げて取り組みつつ、日常業務の着実な遂行に努めてまいりました。また、生産、販売、管理の各部門における業務の見直しや効率化を推し進め、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。
当期の業績につきましては、売上高は17,167百万円(対前期比101.1%)、営業利益は267百万円(対前期比147.6%)、経常利益は275百万円(対前期比146.9%)、当期純利益は162百万円(対前期比132.6%)となりました。
事業部門等別の売上状況は次のとおりであります。
○食パン(売上高2,721百万円、対前期比98.2%)
主力の「絹艶」は、品質訴求と積極的な拡販に取り組み大きく伸長しましたが、前期の在宅需要増加の反動と低価格帯食パンの伸び悩みもあり、前期の売上を下回りました。
○菓子パン(売上高5,761百万円、対前期比99.2%)
主力の「北の国のベーカリー」シリーズと「ずっしりこっぺ」シリーズが堅調に推移しましたが、ぺストリー類の伸び悩みもあり、前期実績をやや下回りました。
○和菓子(売上高3,311百万円、対前期比102.3%)
主力の蒸しパン、大福、串団子の伸長と、新製品の単品ふかしシリーズやロングライフ蒸しパンの寄与もあり、前期実績を上回りました。
○洋菓子(売上高1,191百万円、対前期比103.8%)
「ホイップサンドドーナツ」等のチルド製品が伸長するとともに、「シフォンケーキ」やスナックケーキ類の「クラフトベイク」シリーズが好調に推移し、前期実績を上回りました。
○調理パン・米飯類(売上高3,710百万円、対前期比101.9%)
主力の「絹艶サンド」を積極的に拡販したほか、「具だくさんおにぎり」等のおにぎり類や寿司類が順調に推移し、前期の売上を上回りました。
当社は中長期的に目指すべき経営指標として、売上高経常利益率2%以上を継続して達成できるよう努めてまいりたいと考えております。当期においては、小麦粉・油脂等の原材料価格、燃料費・電力費等のエネルギーコスト、ガソリン・軽油代等を含む物流費、採用難に伴う委託人件費などの上昇がありましたが、製品価格の一部改定(和洋菓子は下期、パン関係は第4四半期)、製品の規格の見直し、廃棄ロスの低減、全社各部門における業務の見直しなど、主として内部管理の充実に努めた結果、前期に比べ経常利益率では0.5%の改善につながったものの、実績は1.6%にとどまりました。
主力ブランド製品の継続的な品質向上に加え、お客様の様々なニーズに対応し、かつ北海道企業としての特色を生かした製品開発に注力し、部門ごとにバランスのよい売上伸長を図る一方、適切な人員配置などによる人件費のコントロールと、諸経費の効率的な使用・管理を実施し、収益改善につなげてまいります。また今後、海外情勢の影響等による、更なる原材料価格、エネルギーコスト等の上昇が予想されるため、引き続き内部管理の拡充をはかるとともに、状況に応じて、お客様、お取引先のご理解ご協力をいただきながら適切な対応を検討・実施してまいります。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績は、17,590,906千円(前期比100.5%)であります。
(注) 金額は、販売基準価格(販売店に対する実質卸価格)によっております。
b.受注実績
当社の製品は、特に鮮度が重要視されますので、製品ストックは持たず、販売店からの日々の注文に基づいて生産しております。また生産開始は見込数で行い、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、受注残はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門等別に示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
当事業年度末における現金及び現金同等物は、2,189百万円(前事業年度末2,296百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益257百万円に減価償却費515百万円、売掛金の増加額46百万円などを加減算した結果、683百万円の増加(前事業年度623百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、382百万円の減少(前事業年度262百万円の減少)となりました。主に設備投資による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、407百万円の減少(前事業年度282百万円の減少)となりました。主に借入金の借入及び返済、配当金の支払によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原料費、労務費、経費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備新設、改修等によるものであります。
当社は事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は3,185百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,189百万円となっております。
当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
※有利子負債は金融機関等からの借入金を対象としております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、2009年7月31日開催の取締役会において、山崎製パン株式会社と両社のブランド価値を維持・向上させるとともに、両社の企業価値を向上させることを目的とした業務資本提携を行うことを決議し、同8月3日に契約を締結いたしました。これに伴い、山崎製パン株式会社は当社の発行済株式総数の28.44%(2022年3月31日現在、29.86%)を保有する筆頭株主となりました。また業務資本提携の目的を実現するために、山崎製パン株式会社から代表取締役1名を含む取締役3名及び社外監査役1名(2022年3月31日現在、代表取締役1名を含む取締役4名及び社外監査役1名)の役員派遣を受け入れたほか、同社からの出向者の受け入れ等を含め、両社の人的関係の強化を具体的に進めております。
業務資本提携契約の内容は下記のとおりであります。
契約内容
製品の品質・売上向上、物流の効率化、原材料の共同購入、生産設備の改善、改良、更新および効率化の推進、食品安全衛生管理体制の整備・強化、新素材・新技術の共同研究、生産管理システムの導入等。
当社は、常に消費者ニーズに合致した新製品の開発、既存品の品質改善に力を注ぎ、それを支える研究開発活動を行ってまいりました。
当事業年度の研究開発活動は、食パン・菓子パン・和洋菓子は新製品開発を含めた市場活動に関わる業務を担当する部門として製造本部製品開発部が、著しく変化する市場や消費者ニーズを幅広く的確にリサーチし、消費者を取り巻く市場や、地域に密着した製品等にテーマを絞り新製品開発活動を行ってまいりました。調理パン・米飯類は月寒デリカ工場の中のデリカ製品開発課がそれぞれの製品特性に応じた研究開発を行ってまいりました。新製品開発活動を支える研究開発部門として、食品安全衛生管理本部が製品・商品について安全安心の観点から、品質改善等に関する基礎的な検査・研究を担当してまいりました。また、製造本部の顧問が、工程管理高度化や製造基本技術の改善・技術教育等でサポートする中で、製造本部製品開発部が製造、営業の各部署と連携を図りながら新製品・新規商品の企画・試作等を担当し開発に当たってまいりました。
当事業年度における当社の研究開発費は、食品関連事業で