文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、経営理念としている「いつも安心できるおいしさと信頼感で人と環境にやさしい企業」というミッション(果たすべき使命・役割)のもと、「良質なパン・菓子を中心とした食関連事業」を通じて「北海道の活性化に貢献する“真の北海道企業”への成長」をめざすことをビジョンに据えております。食に関するお客様のニーズや市場環境の変化を適切に捉え、「おいしく、北海道らしく。」の方針のもと、おいしさと価値のある製品を継続的に提供することが最大の責務であると認識しております。当社は、食の安全・安心を追求し、品質の安定と向上に努め、環境に配慮した効率的な経営をめざし、食品企業に求められる役割や使命を果たしていく所存でございます。
今後の見通しといたしましては、北海道経済はインバウンド需要の増加、雇用・所得環境の改善が進み、景気は緩やかに回復していくことが期待されますが、物価高の継続や不安定な国際情勢による影響により先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。当業界におきましては、お客様の節約志向が続くなかで、原材料価格、エネルギーコストおよび物流費の上昇に加え人件費の高騰も予測され、また深刻な労働力不足への対応もあり、厳しい経営環境になるものと思われます。
このような情勢下におきまして、当社は「おいしく、北海道らしく。」の方針のもと、日々お客様へ安全・安心な製品を安定して供給するという使命に基づき、お客様の潜在需要やライフスタイルに合ったニーズを的確に捉えるべく、新しい価値と新しい需要の創造に取り組み、売上向上に努めてまいります。
食パンは、発売20周年を迎える主力ブランド「絹艶」は、より深いコクと豊かな味わいに品質を向上させ、「イギリス食パン」は、Webプロモーション活動でのメニュー提案を積極的に行い拡販してまいります。また、低価格帯食パンやバラエティ食パンなど市場動向やお客様のニーズを捉えた製品を開発、育成し、売上拡大をはかってまいります。
菓子パンは、主力ブランド「北の国のベーカリー」を中心に品質向上と取扱拡大をはかるとともに、北海道産原料を使用した高付加価値製品、値ごろ感のある製品やロングライフ製品など品揃えを強化するとともに、重点製品の集中販売を推進し、売上拡大をはかってまいります。
和菓子、洋菓子においては、北海道産原料を使用した製品、チルド製品やロングライフ製品を積極的に展開し、新たなチャネル・市場の開拓、売場提案を進めるとともに、価格帯毎の新製品開発に取り組み、売上拡大をはかってまいります。
調理パン・米飯類は、市場動向やお客様のニーズに即した製品群の開発を推進するとともに、売上好調な常温ロール製品・バーガー製品の品揃え強化や、主力製品の取扱店数の拡大に取り組み、売上拡大をはかってまいります。また、量販店やコンビニエンスストアとの取引拡大と適正利益の確保に努めてまいります。
今後とも、生産・販売が一体となり各部門の小委員会活動を活用して製品施策・営業戦略を着実かつ迅速に実践・実行・実証するとともに、安全・安心な製品の提供と安全・安心な職場づくりを企業の基盤として内部管理の充実に努め、経営課題に着実に対処し、業績向上をめざしてまいる所存でございます。
なお、2023年5月に発覚した棚卸不正事案の再発防止策につきましては、具体的な改善策を講じ対応をいたしました。今後も信頼回復に向けて緩むことなく、更なる改善のための種蒔きと育成を継続して行い、適時かつ法的に妥当な対応に努めてまいります。
また中長期的に目指すべき経営指標として、売上高経常利益率2%以上を継続して達成できるよう努めてまいりたいと存じます。本指標は、当社が入手した各種企業統計等を踏まえ、企業価値を高め、安定的な経営状況を継続的に確保するため、当面の目標とするのが適当と判断したものであります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は「いつも安心できるおいしさと信頼感で人と環境にやさしい企業」のミッションのもと、ビジョンを「北海道の活性化に貢献する“真の北海道企業”への成長」と捉え、様々な施策に取り組んでおります。これらミッションやビジョンは、企業・地域のサステナビリティ(持続的可能な発展)そのものと考えております。
当事業年度におきましては、大きく進展させるには至りませんでしたが、引き続き、環境対策としては、エネルギー使用量の削減に取り組むとともに、焼却廃棄物の削減・リサイクル化等を推し進めております。また、全従業員が企業の社会的使命と業績向上に対するモチベーションを高く保ち、活力あふれる企業となるため、ワークライフバランスの取組みを進め、男性を含めた育児・介護休暇などの制度を拡充するなど、より働きがいのある職場づくりに取り組んでおります。
当社は国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、持続可能な社会の実現に向けた取組みを開始しております。まずは、社内全体へSDGsへの取組みを浸透させるため、2022年度から「事業活動とSDGsの関わり」についてステークホルダー別に取り纏め、社内報等でも社内への発信をし、2023年度からは、SDGsへの取組みを社外へも発信してまいるべく、外部機関の協力をいただき、社内各部門の意見も取り入れ「日糧製パンSDGsの達成に向けた取組み」を策定、当社ホームページで公開しております。
「日糧製パンSDGsの達成に向けた取組み」
①「安全・安心」の継続的な追及と、市場環境の変化に対応した製品づくりに取り組む。
②北海道に根ざした企業として、北海道産原料の活用と企業連携で地域社会の発展に貢献する。
③エネルギー使用量の削減に取り組むとともに、プラスチック使用量の削減、食品ロスの更なる削減を推し進める。
④ワークライフバランスを尊重する風土を育て、次世代を担う人材の育成と、より働きがいのある職場環境づくりに取り組む。
また、当社は、2023年2月に報告書が公表された、北海道庁による「カーボンニュートラル加速化先導モデル構築事業」において、カーボンニュートラル達成に向けた先導モデルとなるプランを作成・公開する企業に選定されております。
当社は現状においては、食品リサイクル法や省エネ法、温対法等の各種規制に個別に対応する組織体制になっており、各種対策は実施しておりますが、カーボンニュートラルやSDGsという切り口から管理を行う組織体制にはなっておりません。よって、サステナビリティへの取組みについて全体を統括し、部門横断的にプランを計画・実行・推進する組織体制が必要と考え、取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会(仮称)」の設置を検討しております。本委員会の設置や活動を進めるにあたっては、外部の知見・人材の活用も必要に応じて検討してまいります。
当社において、カーボンニュートラル達成に向けたCO2の測定や行動計画の策定など、定量的目標を含む具体的な取組みは検討中であります。
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
従業員が仕事と子育てを両立し、女性がより活躍できる雇用環境の整備を行うため、次のように行動計画を策定する。
①計画期間:2024年4月1日~2028年3月31日(4年間)
②当社の課題
・女性社員比率や女性管理職比率が低い。
・採用者に占める女性の応募人数や採用人数が少ない。
・恒常的に残業がある。
・男性の育児休業等・育児目的休暇取得人数が少ない。
③対策
・会社で活躍する女性管理職の増加により、社内には管理職を目指す女性への、社外には女性応募者への動機付けとする。
・職場環境と業務内容の改善をすすめるとともに、女性の職務内容の変更や適正配置を実行して職域の拡大をすすめる。
・全員参加での仕事の見直し活動の推進により、作業工程の見直しや自動化などによる作業軽減をすすめ、定着を促進し長く勤務してもらう。
・年間休日を2日増加する。
・事例紹介も交えながら育児休業等の制度を定期的(6か月に1度)に周知し、制度への理解や取得促進に努める。
・育児休業等、育児目的休暇のうち一部を有給化する。
当社において、全社的なリスク管理は、リスク管理ガイドラインに基づき行っております。今後はカーボンニュートラルやSDGsといった切り口も含めて対応していく必要があると考えております。その上で、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みなどについて、設置を検討している「サステナビリティ委員会(仮称)」の中でより詳細な検討を行い、経営会議の協議を経て、取締役会に報告されることにより対応してまいりたいと考えております。
当社では、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
(注) 「年間休日」「残業時間」の目標及び実績(当事業年度)については、2023年度実績に対するものであります。
有価証券報告書に記載した「事業の状況」、「経理の状況」等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。但し、これらは当社に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また各リスクに関する具体的な対応については、当該リスクに関わる部署において、社外専門家等の指導・助言も踏まえた対策等を策定し、適時適切に実施しております。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 「食」の安全性について
食品業界におきましては、消費者の食品の品質、安全性に対する関心が一層高まっております。
当社は、製品の安全性確保と食品事故の未然防止をはかるため、食品安全衛生管理本部を設置し、日々の管理に万全を期しております。各工場ではAIB(American Institute of Baking)国際検査統合基準に基づく食品安全プログラムを導入し、自主点検と改善活動に取り組んでまいりました。並行して、全工場で第三者認証であるJFS-B規格適合証明を受け、HACCPに基づく恒常的な食品衛生管理体制の維持、向上に努めております。
食品表示については、小さな誤りでもお客様の健康危害に直結することを踏まえ、食品表示法及び景品表示法等の法令遵守の下、当社の製品及び原材料の規格情報をデータベース化して一元管理し、食品安全衛生管理本部が製造部門、購買部門を始め社内の関連する各部門と密に連動しながら、管理を徹底しております。必要に応じて関係機関にも照会を行っております。
しかしながら、社会全般にわたる品質問題等、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合は、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料・エネルギー価格上昇について
当社においては、小麦粉、米、砂糖、油脂、鶏卵等の原材料、包装資材、容器等の副材料を使用しております。これらは生産地域の異常気象や自然災害の影響、世界的な需給状況の変化、投機資金の流入や為替の急激な変化によって、価格の高騰や安定的な調達が困難になることがあります。また、原油価格の上昇等により、天然ガス等の燃料や石油製品である包装材料、容器類の価格上昇、エネルギー価格の上昇が生じる可能性があります。これらの突発的事情により原材料の安定的調達ができなくなった場合、または仕入価格やエネルギー価格が高騰した場合、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、上記リスクに対して常に情報収集を行い、調達先や産地の分散化、代替原材料の検討、生産ラインの効率化等の対応策を進めております。
(3) 自然・社会環境の変化について
当社が提供している製品の中には、その特性上、過度な気温上昇によって消費者の購買動向が影響を受け、売上の減少につながる可能性があります。また、想定した水準をはるかに超えた大規模地震や、感染症(インフルエンザ・ノロウイルス・コロナウイルスなど)によって、消費及び生産活動に関して多大な打撃を被った場合、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお新型コロナウイルス感染症に対しては5類への移行となりましたが、うがい、手洗い、アルコール消毒など日常的な対策に加え、Web会議等を活用して移動出張を抑制するとともに在宅勤務の促進をはかるなど、有益と思われる対応を継続しております。
(4) その他
当社としては、生産設備の火災による重大事故、法的規制の改廃への対処、従業員の高齢化に伴う技術の継承、年齢構成のバランス・少子高齢化等雇用環境の変化を踏まえた従業員の採用、情報セキュリティへの対応などが、当面及び中長期的に重要な課題であると認識をしております。当該リスクの顕在状況等により、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当事業年度末における資産合計は14,023百万円で、前事業年度末に対し191百万円減少いたしました。流動資産は4,283百万円で主に現金及び預金が87百万円増加し、売掛金が343百万円減少した結果、前事業年度末に対し238百万円減少いたしました。固定資産は9,739百万円で主に有形固定資産が33百万円、繰延税金資産が33百万円増加し、無形固定資産が9百万円、投資有価証券が7百万円減少した結果、前事業年度末に対し47百万円の増加となりました。
負債合計は8,702百万円で主に支払手形(電子記録債務含む)が235百万円、長期借入金(1年内返済予定含む)が137百万円減少し、再評価に係る繰延税金負債が35百万円増加した結果、前事業年度末に対し321百万円減少いたしました。純資産合計は5,320百万円で主に利益剰余金が171百万円増加し、その他有価証券評価差額金が5百万円、土地再評価差額金が35百万円減少したことにより、前事業年度末に対し130百万円増加いたしました。
この結果、当事業年度末における自己資本比率は37.9%、1株当たりの純資産額は2,542円52銭となりました。
① 事業全体及び事業部門等別ごとの状況
当期における北海道の経済環境は、人流の活発化に伴うインバウンド需要の回復や、雇用・所得環境の改善が進み、景気は緩やかな回復基調で推移した一方で、物価高や為替相場の変動の影響もあり、先行き不透明な状況で推移しました。当業界におきましては、物価高や実質賃金の伸び悩みを受けてお客様の節約志向が強まる市場環境のなか、原材料価格の上昇やエネルギーコストの高止まりに加え、物流コストや人件費の上昇もあり、厳しい経営環境となりました。
このような情勢下におきまして、当社は「おいしく、北海道らしく。」の方針と、日々お客様へ安全・安心な製品を安定して供給するという使命に基づき、科学的根拠に基づく感染防止対策に全社を挙げて取り組みつつ、日常業務の着実な遂行に努めてまいりました。また、生産、販売、管理の各部門における業務の見直しや諸経費の抑制に努め、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。
当期の業績につきましては、売上高は18,444百万円(対前期比102.5%)、営業利益は264百万円(対前期比96.3%)、経常利益は274百万円(対前期比94.8%)、当期純利益は213百万円(対前期比102.9%)となりました。
事業部門等別の売上状況は次のとおりであります。
○食パン(売上高2,847百万円、対前期比99.4%)
主力の「絹艶」、「イギリス食パン」はリニューアルを実施し拡販をはかったことにより堅調に推移しましたが、バラエティ食パンが伸び悩み、前期の売上をやや下回りました。
○菓子パン(売上高6,347百万円、対前期比103.9%)
主力の「北の国のベーカリー」、「ずっしりデニッシュ」、「ふんわりこっぺW」、「もっちり道産米粉」の各シリーズが好調に推移するとともに、「クロワッサンバゲット」等の新製品やお買い得製品を積極的に投入した寄与もあり、前期の売上を上回りました。
○和菓子(売上高3,269百万円、対前期比98.7%)
北海道産原料を使用したロングライフ製品「福かまど」シリーズなど個包装の和菓子を積極的に拡販するなどして売上の確保に努めましたが、蒸しパンや季節商品が伸び悩み、前期の売上を下回りました。
○洋菓子(売上高1,230百万円、対前期比106.2%)
チルドデザートの「北海道のあふれるシュークリーム・エクレア」シリーズが大きく寄与し、前期の売上を上回りました。
○調理パン・米飯類(売上高4,296百万円、対前期比105.2%)
常温のロール製品およびバーガー製品の伸長が寄与したことに加え、おにぎり、弁当製品が好調に推移し、前期の売上を上回りました。
当社は中長期的に目指すべき経営指標として、売上高経常利益率2%以上を継続して達成できるよう努めてまいりたいと考えております。当期においては、期初より、原材料価格、人件費、物流費、エネルギーコストなどの大幅なコスト上昇が見込まれ、適時に、製品価格の一部改定、製品規格のリニューアル、廃棄ロスの低減、全社各部門における業務の見直しなど収益改善施策を実施いたしましたが、十分なコスト吸収には至らず、前期に比べ経常利益率では0.1%のマイナスとなり、実績は1.5%にとどまりました。
主力ブランド製品の継続的な品質向上と取扱拡大をはかるとともに、お客様の様々なニーズに対応し、かつ北海道企業としての特色を生かした製品開発に注力し、部門ごとにバランスのよい売上伸長を図る一方、適切な人員配置などによる人件費のコントロールと、諸経費の効率的な使用・管理を実施し、収益改善につなげてまいります。また引き続き海外情勢の影響等による、原材料価格、エネルギーコスト等の上昇が予想されるため、更なる業務の効率化に加え、安全・安心な製品の提供と安全・安心な職場づくりを企業の基盤として内部管理の充実に努め、状況に応じて、お客様、お取引先のご理解ご協力をいただきながら適切な対応を検討、実施してまいります。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績は、18,989,328千円(前期比102.6%)であります。
(注) 金額は、販売基準価格(販売店に対する実質卸価格)によっております。
b.受注実績
当社の製品は、特に鮮度が重要視されますので、製品ストックは持たず、販売店からの日々の注文に基づいて生産しております。また生産開始は見込数で行い、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、受注残はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門等別に示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
当事業年度末における現金及び現金同等物は、1,626百万円(前事業年度末1,539百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益250百万円に減価償却費575百万円、売上債権の減少額343百万円、仕入債務の減少額167百万円などを加減算した結果、758百万円の増加(前事業年度437百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、492百万円の減少(前事業年度561百万円の減少)となりました。主に設備投資による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、178百万円の減少(前事業年度372百万円の減少)となりました。主に借入金の借入及び返済、配当金の支払によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原料費、労務費、経費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備新設、改修等によるものであります。
当社は事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は2,374百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,626百万円となっております。
当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は金融機関等からの借入金を対象としております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、2009年7月31日開催の取締役会において、山崎製パン株式会社と両社のブランド価値を維持・向上させるとともに、両社の企業価値を向上させることを目的とした業務資本提携を行うことを決議し、同8月3日に契約を締結いたしました。これに伴い、山崎製パン株式会社は当社の発行済株式総数の28.44%(2025年3月31日現在、29.86%)を保有する筆頭株主となりました。また業務資本提携の目的を実現するために、山崎製パン株式会社から代表取締役1名を含む取締役3名及び社外監査役1名(2025年3月31日現在、代表取締役1名を含む取締役4名及び社外監査役1名)の役員派遣を受け入れたほか、同社からの出向者の受け入れ等を含め、両社の人的関係の強化を具体的に進めております。
業務資本提携契約の内容は下記のとおりであります。
契約内容
製品の品質・売上向上、物流の効率化、原材料の共同購入、生産設備の改善、改良、更新および効率化の推進、食品安全衛生管理体制の整備・強化、新素材・新技術の共同研究、生産管理システムの導入等。
当社は、常に消費者ニーズに合致した新製品の開発、既存品の品質改善に力を注ぎ、それを支える研究開発活動を行ってまいりました。
当事業年度の研究開発活動は、食パン・菓子パン・和洋菓子については新製品開発を含めた市場活動に関わる業務を担当する部門として製造本部生産管理部(製品企画課)が、著しく変化する市場や消費者ニーズを幅広く的確にリサーチし、消費者を取り巻く市場や、地域に密着した製品等にテーマを絞り、各工場による製品開発業務を支援・調整するとともに、新製品開発活動を行ってまいりました。調理パン・米飯類については月寒デリカ工場の中のデリカ製品企画課がそれぞれの製品特性に応じた研究開発を行ってまいりました。新製品開発活動を支える研究開発部門として、食品安全衛生管理本部が製品・商品について安全安心の観点から、品質改善等に関する基礎的な検査・研究を担当してまいりました。また、製造本部の顧問が、工程管理高度化や製造基本技術の改善・技術教育等でサポートする中で、製造本部生産管理部(製品企画課)が製造、営業の各部署と連携を図りながら新製品・新規商品の企画・試作等を担当し開発に当たってまいりました。
当事業年度における当社の研究開発費は、食品関連事業で