第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであります。

 

中長期的な経営戦略及び対処すべき課題

 当グループは長期ビジョン「グローバル・フード・カンパニー」の実現を通じた持続的な成長を目指し、2018年5月に2023年度までの中期経営計画を策定し、その実行に取り組んでおります。

 

中期経営計画「Changing gears 2023」

 食品業界を取り巻く環境変化を踏まえ、“美味しく からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルへの貢献”を示す“Better For You”の観点からお客様価値を提供し、「グローバル・フード・カンパニー」の実現を追求してまいります。

 2030年度には“あられ、おせんべいの製菓業”から“Better For Youの食品業”へと進化すべく、2023年度までの長期視点で構造改革を実行し、スピードをあげて持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

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今後の見通し

 今後の見通しにつきましては、国内経済は予定されている消費増税と政府の景気対策の影響が注目されるものの、総じて、緩やかな改善が見込まれますが、海外における政治経済の不確実性がリスクとなり、先行き不透明感が残るものと予想されます。

 このような環境の中、当グループは“収益構造の転換と成長分野への投資”を継続することにより、持続的な成長をより確かなものとするため、2019年度は以下の基本政策を実行してまいります。

■ 国内米菓事業:主力ブランドの継続的な成長と新商品の育成、中長期を見据えた原価水準の引き下げ

■ 海外事業  :北米ビジネスの立て直しと販路拡大、クロスボーダービジネスの拡大と基盤確立

■ 国内食品事業:非常食領域の拡大とアレルギー対応食品の立上げ、食品事業の本格展開

 

 これらの取り組みにより、2019年度の連結業績見通しにつきましては、売上高103,000百万円(前期比3.0%増)、営業利益6,700百万円(前期比25.5%増)、経常利益7,800百万円(前期比18.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,000百万円(前期比13.6%増)を予想しております。

 なお、業績見通しの前提となる為替レートにつきましては、1US$=113.0円、1RMB=16.7円、1THB=3.5円を想定しております。

 

※今後の見通しに関する留意事項

 将来の経営環境や業績予想に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などに基づくものであります。実際の業績は様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。

 

株式会社の支配に関する基本方針

1.基本方針

 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として、当社の株主の皆様、お客様、お得意先様、従業員、地域社会などとの共存・共栄を図り、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保と向上に資する者が望ましいと考えております。一方で、当社の株主の在り方については、株主は資本市場での自由な取引を通じて決まるものであり、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思に基づき判断されるべきものと考えております。

 しかしながら、実際に資本市場で発生する株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、買収の目的等が、企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が当該買付の内容を検討・判断し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための必要な時間や情報を与えることなく行われるもの、買付の対価の価額、買付の手法等が対象会社の企業価値および株主に対して不適当なもの、対象会社と対象会社を巡るステークホルダーとの関係の悪化をもたらすおそれのあるものなど、企業価値ひいては株主共同の利益に資さないと考えられるものもあると認識しております。

 当社は、このような当社の企業価値およびブランド価値ひいては株主共同の利益に反するおそれのある大規模の買付行為や買付提案等を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当ではないと考えます。

 

2.基本方針の実現に資する取り組み

 当社は、多数の投資家の皆様に長期的に当社に投資を継続していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、グループ中期経営計画の策定およびコーポレート・ガバナンスの整備を実施しております。

① 企業価値の源泉について

 当社は、1957年の会社設立以来、企業理念にもとづき、米菓の製造技術を探求し、より高品質な商品をお客様に提供することを通じて、社会へ貢献することを目指してまいりました。その中で、ステークホルダー(利害関係者)の皆様から高い信頼とご支持をいただいてまいりました。

 企業理念は次のとおりです。

(創業の心)

 戦後間もない食糧難の時代に「男性はどぶろくで気晴らしが出来るが、女性や子供には楽しみといえるものがない。なにか生活に喜びと潤いを届けたい」という想いから未経験の水飴づくりに挑戦しました。それが創業の心となり、亀田製菓は生まれました。

(社是)

0102010_004.jpg  (せいかてんどうりっき)

(経営理念)

1.会社にまつわるすべての者の要望に応える

1.会社の永劫の存続をはかる

(経営基本方針)

1.民主経営で行く

1.会社を私物化しない

1.計画経営に徹する

 また、グローバル展開の実現に取り組むにあたり、当社の果たすべき使命と目指す姿を「亀田製菓グループ“ビジョン・ミッション”」として、グループの共有すべき基軸として掲げております。

(亀田製菓グループ:“ビジョン・ミッション”

グローバル・フード・カンパニーの具体像:ビジョン

米菓で培った伝統の技を革新し、各地の食文化と調和することを通じて、世界の人々に愛されるブランドを目指します

グローバル・フード・カンパニーとしての果たすべき使命:ミッション

私たちは、自然の恵みを活かし、「健康」「おいしさ」「感動」を創造します

私たちは、世界の人々の生活に喜びと潤いをお届けし、より豊かな社会に貢献します

 これらの考え方にもとづき、当社は創業以来一貫して企業経営のあるべき姿を志向し、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を図ることにより、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等のステークホルダーとの良好な関係を築き、社会の要請に応えることで、事業の発展と企業価値の向上を目指します。

 

② 中期経営計画にもとづく企業価値向上への取り組み

 当社は、長期ビジョン「グローバル・フード・カンパニー」の実現を通じた持続的な成長を目指し、2018年5月に2023年度までの「中期経営計画」を策定し、その実行に取り組んでおります。

 食品業界を取り巻く環境変化を踏まえ、“美味しく からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルへの貢献”を示す“Better For You”の観点からお客様価値を提供し、「グローバル・フード・カンパニー」の実現を追求してまいります。

 2030年度には、“あられ、おせんべいの製菓業”から“Better For You の食品業”へと進化すべく、2023年度までの長期視点で構造改革を実行し、スピードをあげて持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

“中期経営計画 Changing gears 2023”戦略骨子

 2023年度までの中期経営計画期間では、海外事業および国内食品事業を中心とした「事業領域の拡大」と、国内米菓事業のブランド集約、ポートフォリオ強化および製造原価改善を中心とした「コスト・収益構造の転換」、そしてそれらの取り組みを支える「経営基盤の強化」の3つを戦略の柱としております。

 

【中期経営計画の骨子】

■ 事業領域の拡大

「国内食品事業」

 ・食品事業の本格展開

 ・非常食領域の拡大

 ・アレルギー対応食品領域の拡大

「海外事業」

 ・米国版Better For You市場の拡大

 ・クロスボーダービジネスの拡大

■ コスト・収益構造の転換

「生産改革」

 ・米菓製造工程の抜本的見直し(AI活用等の技術革新を含む)

 ・包装工程等の無人化、省人化

「商品ポートフォリオ再構築」

 ・選択と集中による成長ブランドの強化と育成

 ・商品絞込みによる生産・販売の効率化

「営業改革」

 ・企画機能、エリアマーケティング機能の強化

 ・EC市場の強化、SNS活用によるブランド活性化

■ 経営基盤の強化

 ・グローバルガバナンス体制の強化、グローバル人材育成の加速

 ・コーポレートラボによるイノベーション総出力の向上と技術応用の加速

 ・ESGへの取り組み強化

  E(環境)   :環境に配慮したエコパッケージの展開、フードロスの削減

  S(社会)   :海外新興国経済への貢献(カンボジア・インド・ベトナムでの雇用創出)

  G(ガバナンス):透明性の高いガバナンス、過半数が社外取締役、多様性を確保(女性・外国人)、グローバルガバナンスの強化

 

上記の施策を通じた数値目標は以下のとおりとなります。

(数値目標)

 

 

2018年度

(当期実績)

2019年度

(予想)

2020年度

(目標)

2023年度

(目標)

売上高

1,000億円

1,030億円

1,130億円

1,300億円

営業利益

53億円

67億円

90億円

130億円

 売上高営業利益率

5.3%

6.5%

8.0%

10.0%

EBITDA

94億円

115億円

144億円

192億円

 EBITDAマージン

9.4%

11.2%

12.7%

14.8%

ROE

8.9%

9.4%

11.5%

12.0%

海外売上高比率*

26.5%

28.9%

29.2%

31.4%

*海外売上高比率は、持分法適用会社を含む海外の総事業規模ベースであります。

※数値目標に関する留意事項

 数値目標に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などにもとづくものであります。実際の業績は様々な要因によって数値目標と異なる可能性があります。

 

③ コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組み

 当社は、グローバル化等に伴うリスクの高まりに対し健全に牽制する経営体制の構築・社外取締役による高度なモニタリングモデルの実現を図るため、自主判断により、取締役会について取締役の過半数を独立性の高い社外取締役で構成するとともに、経営監督と執行機能の役割分担を明確にし、業務執行の迅速化を図るために、執行役員制度を導入しております。さらに、監査役会設置会社として、監査役の機能を有効に活用しながら経営に対する監査・監視機能の強化を図っております。

 また、社外の有識者によるアドバイザリー・ボードを定期的に開催し、事業戦略やグループ経営全般に対して、代表取締役は有意義な提言・助言を受けております。

これらの取り組みを通じて、当社は企業価値およびブランド価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を図っております。

(注)コーポレート・ガバナンス体制の模式図については、31ページをご参照ください

 

3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。

本プランでは、当社株式に対し20%以上の大規模買付行為を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)が大規模買付行為実施前に遵守すべき、大規模買付行為に関する合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を定めております。大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、当社取締役会の意見を提供し、さらには当社株主の皆様が当社取締役会の代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としております。

また、本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性を担保するため、社外取締役および社外監査役で構成される独立委員会を設置しております。

当社取締役会は、大規模買付者に対し、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に提供することを要請し、当該情報の提供完了後、大規模買付行為の評価検討のための期間を設定し、当社取締役会としての意見形成や必要に応じ代替案の策定を行い、公表することとします。

大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守した場合は、当社取締役会は、原則として対抗措置を講じません。ただし、大規模買付ルールを遵守しない場合や、遵守している場合であっても、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断した場合には、例外的に、独立委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性を十分検討した上で、また、必要に応じて株主総会を開催し、株主の皆様の承認を得た上で、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることがあります。

本プランは2019年6月21日開催の定時株主総会において継続の承認を得ており、その有効期限は3年間(2022年6月に開催される定時株主総会終結の時まで)としておりましす。ただし、本プランは、有効期間中であっても、株主総会又は取締役会の決議により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。

なお、上記内容の詳細につきましては、当社のホームページからご覧いただくことができます。

(https://www.kamedaseika.co.jp/)

 

4.本プランが、基本方針に沿うものであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

当社取締役会は、以下の理由から、本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、かつ当社経営陣の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

① 買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」および東京証券取引所が2015年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえたものとなっております。

② 株主共同の利益の確保・向上の目的をもって継続されていること

本プランは、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって継続したものです。

③ 株主意思を重視するものであること

本プランは、2019年6月21日開催の定時株主総会での株主の皆様のご承認により発効しており、株主の皆様のご意向が反映されたものとなっております。また、本プラン継続後、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。

④ 独立性の高い社外者の判断の重視

本プランにおける対抗措置の発動等の判断に際しては、当社の業務執行から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するべく本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

⑤ 合理的な客観的要件の設定

本プランは、あらかじめ定められた合理的な客観的要件が充足されなければ、対抗措置が発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されています。

⑥ 独立した外部専門家の意見の取得

独立委員会は、当社の費用で、独立した第三者である外部専門家(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)の助言を得ることができることとしています。これにより、独立委員会による判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっております。

⑦ デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされており、当社の株式を大量に買付けようとする者が、自己の指名する取締役を当社株主総会で選任し、係る取締役で構成される取締役会により、本プランを廃止することが可能です。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は取締役の任期を2年としておりますが、当該任期につきましては期差任期制を採用していないため、スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

 

(1) 原材料の調達について

 当グループの商品は米などの農産物を主な原料としており、様々な品種や産地などを分散調達することによって、安定した数量の確保と特定の調達先への集中の回避を図っております。しかし、これらの原料は、作柄、相場の変動、調達先の経済状況などによって、調達価格や調達量に影響を受ける可能性があります。また、副原料、包装資材など原材料全般に渡って、需給動向や原油価格、為替等の変動によって調達価格が変動し、当グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2) 原材料及び商品の安全について

 当グループは、原材料や製造工程の各段階で、社内基準に従った検査を行うとともに商品・原材料のトレーサビリティの仕組みを構築しており、安全を確保しております。しかし、原材料や製造工程に想定外の問題が発生した場合には、当グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3) 流通の変化と競合等について

 当グループの商品は主として卸売業、小売業との継続的な取引に基づいて流通し、お客様のもとへ届けられております。しかし、これらの業界や特定企業の経営状態や販売政策などの変化によって、販売機会や販売価格に影響を受ける可能性があります。
 また、競合企業による新商品の投入や販売促進活動により、当社商品の陳腐化や販売機会の減少などの影響を受ける可能性があります。

(4) 天候の変化や消費動向について

 当グループの商品は食品であるとともに嗜好品であり、天候の変化や個人消費動向の変化によって販売機会、販売数量や販売価格などに影響を受ける可能性があります。

(5) 経営インフラの集中によるリスクについて

 当グループの本社機能及び主要な生産拠点・物流拠点は新潟県下越地方に集中しており、当該地方全域に渡る自然災害あるいは大規模停電などによってライフラインが断たれる状況が発生した場合、当社の業務全般に重大な支障が発生する可能性があります。

(6) 法的規制等について

 当グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、環境・リサイクル関連法規などの各種規制や、海外進出先における現地法令などの適用を受けております。当グループは、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、法的規制の強化、新たな規制の施行などによって事業活動が制限された場合、当グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 海外事業の状況について

 当グループは、北米、アジアなどにおいても、生産、販売など事業活動を展開しております。これらの国又は地域で、経済状況、政治、社会体制等の著しい変化や、食品の安全性を脅かす事態の発生、また地震など自然災害の発生による影響を受けた場合は、需要の減少や、生産施設における操業の中断などを引き起こし、当グループの事業計画や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 ①財政状態及び経営成績の状況

 a.財政状態

  (資産)

当連結会計年度末における流動資産は23,482百万円となり、前連結会計年度末に比べ84百万円の増加となりました。これは主に「現金及び預金」が383百万円増加した一方、「商品及び製品」が345百万円減少したことによるものであります。固定資産は59,769百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,115百万円の増加となりました。これは主に「建物及び構築物」が1,271百万円、「機械装置及び運搬具」が4,731百万円それぞれ増加したことによるものであります。

この結果、総資産は、83,251百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,199百万円増加となりました。

  (負債)

当連結会計年度末における流動負債は24,760百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,746百万円の増加となりました。これは主に「短期借入金」が4,202百万円増加した一方、「支払手形及び買掛金」が433百万円減少したことによるものであります。固定負債は6,434百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,598百万円の減少となりました。これは主に「長期借入金」が減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は、31,194百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,147百万円増加となりました。

  (純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は52,056百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,051百万円の増加となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」4,402百万円及び「剰余金の配当」1,054百万円などにより「利益剰余金」が3,347百万円、「非支配株主持分」が859百万円それぞれ増加した一方、「その他有価証券評価差額金」が174百万円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は61.3%(前連結会計年度末は62.0%)となりました。

 

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

 b.経営成績

 

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前連結会計年度比

(%)

(百万円)

(百万円)

売上高

99,522

100,041

100.5

営業利益

5,007

5,338

106.6

経常利益

6,451

6,573

101.9

親会社株主に帰属する当期純利益

4,110

4,402

107.1

 

 

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益に足踏みの兆しが見られるものの依然として高水準であり、その波及効果の中で個人消費は堅調に推移するなど、緩やかな回復基調が続いています。一方で、通商問題の深刻化や海外経済の動向と不確実性が及ぼす影響が懸念される状況にあります。

 食品業界は、底堅い需要に支えられているものの、国内における人材確保難や、あらゆるコストの高騰が恒常化してきており、厳しい収益環境が続いています。

 

 このような経済状況のもとで、当グループは食品業界を取り巻く環境変化を踏まえ、“美味しく からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルへの貢献”を示す“Better For You”の観点からお客様価値を提供し、「グローバル・フード・カンパニー」の実現を通じて持続的な成長と企業価値向上に向けた取り組みをすすめております。

 

 2023年度までの中期経営計画期間においては、海外事業および国内食品事業を中心とした「事業領域の拡大」と、国内米菓事業のブランド集約、ポートフォリオ強化および製造原価改善を中心とした「コスト・収益構造の転換」、そして、それらの取り組みを支える「経営基盤強化」の3つを戦略の柱としております。2030年度には、“あられ、おせんべいの製菓業”から“Better For Youの食品業”へと進化すべく、2023年度までの長期視点での構造改革を実行し、スピードを上げて持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。

 中期経営計画の初年度である2018年度は、「ブランドを軸とした需要創造、生産・販売部門一体となった原価低減」、「北米事業の生産基盤構築と成長戦略の推進」、「クロスボーダー取引拡大に向けた基盤整備とアジア現地市場開拓の継続」、「Better For You食品等新事業への経営資源投入」を重点施策として取り組みました。

 

 国内米菓事業については、中長期視点からのブランド育成に取り組んでおります。各ブランドの成長ポテンシャルに応じて経営資源を配分するとともに、効率性の観点から製品アイテム数を削減、適正化し、定番商品の販売活動に注力することで工場稼働率の安定化を図り、収益性の向上に努めました。

 原材料価格の上昇に対しては、一部製品において、内容量の見直しなどの対策を講じております。また、トレンドや季節に合わせた味の展開、購買層や米菓食シーンの拡大を図る目的から、食べやすさ等の利便性を高めた商品の発売を通じて需要喚起を図るとともに、近年の家飲み需要の拡大に伴うつまみ系商品の拡充や素材にこだわった商品等の発売を通じて新商品の育成に取り組みました。

 プロモーション強化の観点では、「亀田の柿の種」を料理や調味料として楽しんでいただくためのツールとして「FURIKAKIX(フリカキックス)」の販売や、SNSの活用、eコマース専用商品の発売などに取り組みました。

 これらの取り組みの結果、主力ブランドの売上高は「つまみ種」、「うす焼」、「ソフトサラダ」、「ぽたぽた焼」、「技のこだ割り」、「揚一番」、「堅ぶつ」、「ハイハイン」が前年同期を上回った一方で、継続的な製品アイテム数の抑制や、前期のメディア露出の反動、期間限定コラボレーション商品の減少等により、「亀田の柿の種」、「ハッピーターン」、「亀田のまがりせんべい」、「手塩屋」は前年同期を下回る結果となりました。

 海外事業については、米国連結子会社であるMary’s Gone Crackers, Inc.において、今後の事業拡大に備え、かねてよりすすめてきた生産機能の新工場への移転集約が2018年7月に完了しております。また、THAI KAMEDA CO., LTD.において、2018年8月よりPepsiCo向けOEM供給を開始するとともに、2019年2月からはLYLY KAMEDA CO., LTD.(カンボジア)を加えた2社体制で商品供給を行っております。一方で、主力市場である北米において競合企業の攻勢による競争激化の影響もあり、売上高は前年同期を下回りました。

 国内食品事業については、長期保存食の買替需要サイクルが裏期に入るなか、相次ぐ自然災害の発生に伴う食糧備蓄需要の高まりに加え、新商品アイテムの投入や販路拡大に取り組んだ結果、売上高は前年同期を上回りました。また、“Better For You”の観点からお客様価値を提供する商品に関し、新しい提案にも着手しました。

 2019年2月には、大豆以外のアレルギー特定原材料等を使用しない工場を保有し、健康と美味しさを両立する玄米パンやベジタリアンミート等のグルテンフリー食品を手掛ける株式会社マイセンおよびその子会社である株式会社マイセンファインフードを子会社化することで、国内食品事業の拡大に向けた基盤づくりをすすめています。

 以上の結果、売上高は100,041百万円(前期比0.5%増)となりました。

 

 利益については、原材料価格や物流費が上昇する一方で、キャッシュ・フロー重視の観点から、棚卸資産の抑制に取り組んだ結果、第1四半期においては、一時的な生産効率低下となりました。

 第2四半期以降については、主力ブランドの販売強化策により販売促進費は増加したものの、増収による工場稼働率向上の結果、収益は安定軌道に回復しています。加えて、棚卸資産の抑制によるトータルコストの削減効果、海外事業においては、米国連結子会社の新工場統合効果が発現しております。

 これらの取り組みの結果、営業利益は5,338百万円(前期比6.6%増)となりました。

 また、持分法適用関連会社であるTH FOODS, INC.において今後の事業展開を見据え現地企業を買収した結果、持分法による投資利益が減少したものの、経常利益は6,573百万円(前期比1.9%増)となりました。更には、米国連結子会社の工場統合に伴う一時的な費用等が発生した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,402百万円(前期比7.1%増)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

増減

(百万円)

(百万円)

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

7,351

6,964

△386

投資活動によるキャッシュ・フロー

△8,324

△7,283

1,041

財務活動によるキャッシュ・フロー

1,376

755

△620

現金及び現金同等物に係る換算差額

6

△53

△59

現金及び現金同等物の期末残高

3,945

4,328

383

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ383百万円増加し、4,328百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は6,964百万円(前期比386百万円の減少)となりました。

 これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費による資金の増加の一方、法人税等の支払額による資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は7,283百万円(前期比1,041百万円の支出減少)となりました。

 これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。その主な内訳は次のとおりであります。

 ・当社(亀田製菓株式会社)の亀田、水原、白根の各工場における増産及び生産性向上のための合理化並びに安心安全な生産環境構築のための工場の改修工事等を目的とした設備投資による支出4,843百万円。

 ・連結子会社であるMary's Gone Crackers, Inc.の新工場移転、増産及び生産性向上のための合理化並びに安心安全な生産環境構築のための工場の改修工事等を目的とした設備投資による支出に向けた設備投資による支出504百万円。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は755百万円(前期比620百万円の減少)となりました。

 これは主に、短期借入れによる収入の一方、長期借入金の返済による支出、配当金の支払額によるものであります。

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリ

ー・キャッシュ・フローは△318百万円となりました。

 

 キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。

 

2015年3月期

2016年3月期

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

自己資本比率(%)

63.2

59.4

60.8

62.0

61.3

時価ベースの

自己資本比率(%)

153.4

130.1

141.7

140.6

134.5

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

0.7

1.2

1.1

1.4

1.9

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

186.0

146.0

175.6

71.8

56.2

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

  当グループは、菓子の製造販売事業とその他の事業を展開しておりますが、菓子の製造販売事業以外のセグメン

 トはいずれも重要性が乏しいことから、菓子の製造販売事業の単一セグメントとみなしております。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

数量(屯)

金額(百万円)

菓子の製造販売

85,187

87,277

99.5

合計

85,187

87,277

99.5

(注) 記載金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 b.受注実績

  当グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 c.販売実績

  当グループは、菓子の製造販売事業とその他の事業を展開しておりますが、菓子の製造販売事業以外のセグメン

 トはいずれも重要性が乏しいことから、菓子の製造販売事業の単一セグメントとみなしております。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

菓子の製造販売

100,041

100.5

合計

100,041

100.5

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱食品株式会社

10,675

10.7

11,405

11.4

株式会社髙山

11,252

11.3

10,210

10.2

2.記載金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてが判断したものであります。

 

 ①重要な会計方針及び見積り

  当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 ②財政状態の分析

財政状態の分析については、3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]に記載しております。

 

 ③経営成績の分析

経営成績の分析については、3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]に記載しております。

 

 ④キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]に記載しております。

 

 ⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、2[事業等のリスク]に記載しております。

 

 ⑥経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]に記載しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

株式会社マイセンの株式取得

 当社は、2018年12月19日開催の取締役会において、株式会社マイセンの株式を取得し子会社化することを決議し、2019年1月11日に、同社の既存株主と株式譲渡契約を締結いたしました。

 また、当該契約に基づき、2019年2月18日に同社の株式の90%を取得し、子会社化いたしました。

 なお、詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] 注記事項(企業結合等関係)」に 記載しております。

 

 

5【研究開発活動】

 当グループにおいては、お米を主たる原料として事業を推進しており、その美味しさ、機能性、更には新素材、生産技術などにおける様々な研究から米菓商品やBetter For You商品の開発に至るまで、幅広い研究開発をおこなっております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は1,003百万円であります。

 米菓では生地重量や水分を安定化させる技術を開発し、この技術を米菓の基幹設備に活用し、商品の品質向上に貢献しております。

 また、健康志向の高まりを受け、減塩、雑穀等の要素をキーワードとした商品開発にも取り組んでおります。お米研究所の米菓の基礎研究を行うチームでは、官能評価や物性・構造解析など、味や食感の向上につながる研究開発に取り組んでおります。

 お米由来の植物性乳酸菌については、機能性表示食品制度等への対応による需要創造を図るため、新領域での研究開発を継続的に行っております。また、高齢化社会や健康志向の高まりへの対応として、腎臓病患者様向けの低たんぱく質米飯「ゆめごはん」の食事療法の科学的有効性検証や新商品開発をおこなっております。さらに、玄米やお米に含まれる成分の機能性について、外部機関と連携しながら研究を進めております。