文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであります。
<経営方針>
当社は、1957年の会社設立以来、企業理念にもとづき、米菓の製造技術を探求し、より高品質な商品をお客様に提供することを通じて、社会へ貢献することを目指してまいりました。
また、グローバル展開の実現に取り組むにあたり、当社の果たすべき使命と目指す姿を「亀田製菓グループ“ビジョン・ミッション”」として、グループの共有すべき基軸として掲げております。
当社の設立以来の企業理念とグローバル展開の実現に向けた“ビジョン・ミッション”との関係は次のとおりです。
<中期経営計画等>
当グループは長期ビジョン「グローバル・フード・カンパニー」の実現を通じた持続的な成長を目指し、2023年度までの中期経営計画「Changing gears 2023」の実行に取り組んでおります。
<中期事業戦略の方向性>
※1.Mary's Gone Crackers, Inc.(連結子会社)
2.TH FOODS, INC.(持分法適用関連会社)
3.総事業規模ベース(持分法適用関連会社含む)
4.売上高は、「収益認識に関する会計基準」等の適用後の売上高
総売上は、「収益認識に関する会計基準」等を適用する前の売上高
<中期経営計画の骨子>
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■ 事業領域の拡大 |
「食品事業」 ・食品事業の本格展開 ・非常食領域の拡大 ・アレルギー対応食品領域の拡大 「海外事業」 ・米国版Better For You市場の拡大 ・クロスボーダービジネスの拡大 |
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■ コスト・収益構造の転換 |
「生産改革」 ・米菓製造工程の抜本的見直し(AI活用等の技術革新を含む) ・包装工程等の無人化、省人化 「商品ポートフォリオ再構築」 ・選択と集中による成長ブランドの強化と育成 ・商品絞込みによる生産・販売の効率化 「営業改革」 ・企画機能、エリアマーケティング機能の強化 ・EC市場の強化、SNS活用によるブランド活性化 |
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■ 経営基盤の強化 |
・グローバルガバナンス体制の強化、グローバル人材育成の加速 ・コーポレートラボによるイノベーション創出力の向上と技術応用の加速 ・ESGへの取り組み強化 E(環境) :環境に配慮したエコパッケージの展開、フードロスの削減 S(社会) :海外新興国経済への貢献(カンボジア・インド・ベトナムでの雇用創出) G(ガバナンス):透明性の高いガバナンス、過半数が社外取締役、多様性を確保(女性・外国人)、グローバルガバナンスの強化 |
上記の施策を通じた数値目標は以下のとおりとなります。
また、2022年度は以下の目標方針、重点戦略を実行してまいります。
<サステナビリティへの取り組み>
当グループは長期ビジョン“Better For You(美味しく からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルへの貢献)の食品業”への進化を通じて、持続可能な社会の実現に資する企業グループとしての成長に向けて取り組んでいきます。
※将来に関する留意事項
将来の経営環境や業績予想に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などに基づくものであります。実際の業績は様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。
(1) 当社のリスクマネジメント体制
リスク管理の対応については、当社のリスク管理委員会が中心となってリスクの把握・対応を行っております。同委員会は原則として四半期に1回以上開催し、「亀田製菓グループリスク管理規程」にもとづき、当社およびグループ各社の事業活動を継続するにあたって、経営に対し重大な影響を及ぼすと想定されるリスクの予見と未然防止策の検討を行うとともに、外部専門家を講師とする「危機管理セミナー」を開催し、役職員の危機対応への意識向上にも努めております。万一、係るリスクが現実のものとして顕在化した場合には、直ちに危機対策本部を設置し、「危機管理マニュアル」に定められた手順に沿って迅速に適切な対応と情報開示を行うこととしております。
また、当グループは、グローバル化等に伴うリスクの高まりに対し健全に牽制する経営体制の構築・社外取締役による高度なモニタリングモデルの実現を図るため、自主判断により、取締役会について取締役の過半数を独立性の高い社外取締役で構成しております。さらに、監査役会設置会社として、監査役の機能を有効に活用しながら経営に対する監査・監視機能の強化を図っております。
(2) 主要な事業等のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、◎印を付したリスクについては、特に重要なリスクとして認識しております。
また、以下に記載したリスクは当グループの全てのリスクを網羅したものではなく、これ以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の記載内容および将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
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リスク |
対応策 |
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基幹プロセスリスク |
原材料及び商品の安全(◎) |
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・原材料や製造工程のトラブルによる生産活動の停止 ・上記に起因した製品の回収や販売の中止など |
・品質保証委員会を中心とした品質保証体制の強化 ・グループ品質保証担当者会議の開催 ・食品安全管理体制構築のための「FSSC22000」(食品安全マネジメントシステムの国際規格)の取得 |
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資金調達 |
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・金融市場の不安定化、金利上昇による資金調達コストの増加 |
・国内金融機関において100億円のコミットメントラインの設定 ・一部の海外子会社が利用できる総額25億円のグローバルコミットラインの設定 |
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有形固定資産、無形固定資産 |
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・事業環境の変化及び業績低迷による減損損失の発生の可能性 |
・社内基準に基づく経済合理性の検討 ・投資時における厳格なリスク管理 ・投資実行後の投資効果について継続的モニタリング |
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退職給付債務等 |
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・計算基礎率の変動による貸借対照表計上額の変動 ・退職給付制度の変更による追加負担の発生 |
・経済、金融動向のモニタリング ・外部研修への参加 |
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新会計基準の適用、会計基準の変更および税制改正等 |
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・新会計基準の適用、会計基準の変更および税制改正等による、既存会計処理からの変更 |
・外部研修への参加 |
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買収(M&A)等の投資 |
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・買収後における偶発債務や未認識債務の発生 ・のれん発生による償却費用負担増加 ・買収後の業績低迷による減損損失の発生の可能性 |
・詳細なデューデリジェンスの実施 ・当社からの基幹人材の派遣 ・当社による、管理・統括・運営面でのサポート ・当社監査部による監査体制強化 |
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リスク |
対応策 |
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災害事故リスク |
情報セキュリティ |
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・災害等によるシステムの作動不能や内部データの消失 ・想定外のサイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルスの感染等による、社内情報の漏洩、改ざん等 |
・情報の適切な保存・管理に向けた「文書保存規程」「個人情報保護管理規則」「亀田製菓グループ情報管理規程」「亀田製菓グループ情報システム規程」など各種規程を整備 ・情報管理に関する啓発活動の実施 |
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地震・津波・異常気象、大規模な事故(◎) |
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・経営インフラが新潟県下越地方に集中することによる以下事象の発生 -生産拠点、販売拠点の喪失 -生産設備、物流設備、従業員等の安全等の被害 -サプライチェーンの寸断 ・当グループが火災等の大規模事故を起こした場合には、上記の影響に加え信用が低下 |
・「危機管理マニュアル」の導入 ・リスク別対応フロー、BCP(事業継続計画)の策定および随時見直し ・従業員安否確認システムの導入および定期的な訓練の実施 ・優先度に応じた生産拠点の主要施設の耐震補強の実施 ・火災・自然災害等を想定した防災訓練の実施 これらの対策を超えた被害が発生するリスクについても継続して研究を行い、可能な限り被害を最小化し、当グループの業績および財政状態への影響を低減することに努めております。 |
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環境(◎) |
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・移行リスク |
「(3)気候変動への対応とTCFD提言に沿った情報開示」をご参照ください。 |
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外的リスク |
原材料の調達(◎) |
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・主な原料は農産物であり、気候、作柄、相場などによって、調達量や調達価格に影響 ・原材料全般における、需給動向や原油価格、海上コンテナの変動などが調達価格に影響 |
・原材料の品種や産地などの分散調達による安定した数量の確保と特定の調達先への集中回避 ・品種や産地が特定される原材料等については、複数年契約の締結 ・副原料の外部調達および内製化 |
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流通の変化と競合等(◎) |
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・業界や特定企業の経営状態や販売政策などの変化による販売機会の減少、販売価格の低下 ・競合企業による新商品の投入や販売促進活動による商品の陳腐化、販売機会の減少 |
・提案型営業によるお客様目線での売り場づくりとサポート ・新商品開発体制の強化 ・フィールドスタッフを配置することで小売店へのきめ細かなフォロー |
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海外事業の状況(◎) |
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・国又は地域において、経済状況、政治、社会情勢等の著しい変化、食品の安全性、気候変動、自然災害の発生による需要の減少、操業の中断、供給不足など ・為替レート変動に伴う業績変動 |
・当社からの基幹人材の派遣 ・当社海外事業本部による、海外グループ会社の管理・統括・運営面でのサポート ・当社監査部による海外グループ会社の監査体制強化 |
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リスク |
対応策 |
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外 的 リ ス ク |
人材確保・育成(◎) |
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・雇用情勢の変化や国内の少子高齢化による労働人口の減少 ・事業活動に必要となる優秀な人材の十分な確保難や育成計画の遅れ |
・外部人材や外国人の活用、性別・年齢にとらわれない組織体制の構築 ・女性リーダー育成に向けた社内研修 ・社外研修(異業種交流)の受講促進 ・退職した従業員に復職する機会を優先的に設ける「ハッピーリターン制度(退職者復職登録制度)」の導入 ・男性の育児支援「ハイハイン休暇」の導入 ・ものづくりを牽引するリーダー養成を目的とした「技術学校」の開校 |
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天候の変化や消費動向 |
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・天候の変化や個人消費動向の変化による販売機会、販売数量や販売価格などへの影響 |
「(3)気候変動への対応とTCFD提言に沿った情報開示」をご参照ください。 |
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コンプライアンスリスク |
法的規制等 |
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・海外進出先の現地法令を含む法的規制の強化、新たな規制の施行などにより事業活動が制限 |
・当社監査部による監査体制強化 ・外部研修への参加
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(新型コロナウイルス感染症)
上表に記載したリスクの他、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期については、世界的なワクチン接種の普及により徐々に収束するものと見込んでおりますが、一定程度は世界的な感染状況は続き、世界経済および国内経済に影響を及ぼすものと予想されます。
当グループの事業活動において、主に国内商業施設の臨時休業、営業時間短縮等に伴う外出自粛により、土産物等の販売の落ち込みに影響があるものの、販路開拓も推し進めたこと等から、新型コロナウイルス感染症発生前の水準までには回復に至らないまでも、当該商品は着実に受注回復で推移しております。また、生活様式の変化に伴う家庭内消費は、ECサイトにおける販売が増加傾向にあり、今後も一定程度の水準で販売できるものと見込んでおることから、新型コロナウイルス感染症が当グループの販売及び生産に与える影響は限定的であるとの仮定のもとに、固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性の評価等の会計上の見積りを行っております。
なお、連結財務諸表作成時点において入手可能な情報に基づいた最善の見積りを行っているものの、想定しえない事象が発生した場合には、当グループの翌連結会計年度以降の固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性等の評価に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 気候変動への対応とTCFD提言に沿った情報開示
① TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同
当社は、2018年度に開始した中期経営計画において、サステナビリティ対応の強化を掲げ、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいます。
農産物を主原料とする当社にとって、サプライチェーンに重大な影響を与える可能性のある気候変動への適切な対応は、優先度の高い重要課題であると考え、2021年11月にTCFD※1(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、賛同企業や金融機関が議論する場であるTCFDコンソーシアム※2に加入しています。
※1TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース):Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略。G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)が2015年に設立。
※2TCFDコンソーシアム:TCFDに関する企業の効果的な情報開示や適切な取り組みについて議論を行う目的で2019年に設立。
② TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言にもとづく開示
〈ガバナンス〉
気候変動課題を含む、サステナビリティに対する取り組みについては、2021年度に策定したサステナビリティ基本方針のもと、代表取締役会長CEOを責任者とするサステナビリティ推進タスクフォースにおいて、サステナビリティに関する方針や各種課題の解決に向けた詳細な目標の設定、それらを実践するための体制および具体的な実行方法の立案、各種施策の運用状況のモニタリングなどを行っています。
なお、サステナビリティ推進タスクフォースの活動内容については、定期的に取締役会に付議・報告することで、その重要課題への対応状況を取締役会が監督しています。
〈戦略〉
a.シナリオ分析
気候変動によるリスクおよび機会の特定にあたり、当グループにおける製品およびサービスの調達・生産・供給までのバリューチェーン全体を対象として、国際機関等が公表するシナリオをもとに4℃シナリオと2℃シナリオの2つの将来世界観を整理し、2030年時点における当グループへの影響を考察するとともに、それぞれの世界観におけるリスクと機会を特定しています。
4℃シナリオ、2℃シナリオにもとづく将来世界観
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4℃シナリオ |
2℃シナリオ |
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気候変動対策への取り組みは現行の政策や規制以上の進展がなく、化石燃料由来のエネルギーが継続的に使用されることによって温室効果ガス排出量が増大し、産業革命期頃と比較して、2100年頃までに地球平均気温が4℃以上上昇する将来予測。台風や豪雨をはじめとする異常気象の激甚化や、慢性的な気温上昇に伴う作物生育への悪影響といった、気候変動による直接的な被害が増加するのに対し、法規制や税制という形での市場への締め付けは強化されないため、移行リスクとしての影響度は小さい。 |
世界規模でのカーボンニュートラルの達成に向けて低炭素化が推進され、世界の平均気温が2℃程度の上昇に抑えられる将来予測。脱炭素化に向けた厳しい法規制や税制が施行され、温室効果ガスの排出量が抑制されることにより、気温上昇が抑制され異常気象等物理的リスクの規模や頻度は4℃シナリオに比べ縮小するものの、脱炭素化に向けた社会構造の変化に伴い、移行リスクは高まる。 |
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(参考シナリオ) IPCC(気候変動に関する政府間パネル):RCP8.5 IEA(国際エネルギー機関):STEPS |
(参考シナリオ) IPCC(気候変動に関する政府間パネル):RCP2.6 IEA(国際エネルギー機関):SDS/NZE2050 |
重要課題となり得るリスク項目の中で定量的な分析が可能な項目については、2030年時点における財務インパクトを推定し、4℃シナリオにおける「生産工場に対する物理的被害の拡大」および「プラスチック製包装資材の価格上昇」、2℃シナリオにおける「カーボンプライシングの導入によるコスト増加」が特に大きな影響を及ぼす可能性があることを確認しています。
なお、当グループの主原料である「米の収穫量および価格」の分析にあたり、外部機関が開示する将来予測パラメータでは、空気中の二酸化炭素濃度の上昇が米の生育に寄与するほか、気温上昇による生産地拡大などにより収穫量の増加および販売価格が低下すると予測されており、各将来予測シナリオにおける米価格予想、平均収量の推移、消費生産バランス等の要素から試算した結果、仕入れコスト減少の可能性を確認しています。
一方で、水田の水温上昇などに伴い品質低下が見込まれていることから、こうした米を原料にしながらもおいしい米菓を引き続きお客様にお届けできるよう、製品開発や社会貢献の可能性を模索するのが当グループの役割であり、既存の取り組みを継続・加速するとともに、新たな対応策の検討も推進していきます。
また、リスクのみならず、当グループで展開するプラントベースドフード(植物性代替肉)やECOパッケージ化の推進は、気候変動が進む世界観においてもエシカル消費をはじめとするお客様の新たなニーズに応える製品群として事業機会の可能性を確認しています。リスクへの対応策をはじめとする具体的な既存の取り組みについては、統合報告書や当社ホームページで開示しているほか、今回のシナリオ分析を踏まえ、さらなる具体的な対応策を各事業で検討・立案し、不確実な将来世界に対するあらゆる可能性について備えていきます。
b.具体的な取り組み
・プラスチック使用量の削減
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当グループが持続的に事業活動を行う上で、プラスチック使用量の削減は優先的に取り組むべき重要課題として認識しています。具体的には、包装技術の向上に取り組むことで、製品の破損を防止するために使用していたプラスチックトレーを廃止するとともに、製品パッケージをスリムにすることで、従来に比べ約3割プラスチック使用量を抑制するECOパッケージ化を推進しています。 加えて、ECOパッケージ化の推進により、配送時の積載効率の改善にもつながっています。 |
ECOパッケージ化前 ECOパッケージ化後 |
・お客様の嗜好変化への対応
食生活が生み出す環境負荷に対するお客様の意識は確実に変化しています。更には、自然災害の増加や新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、お客様の防災意識・健康意識の高まりに対して、当グループが扱う長期保存食やプラントベースドフード、アレルゲン28品目不使用の米粉パン、植物性乳酸菌などは、そうしたお客様のニーズに対応する製品であり、社会課題の解決に寄与するものと考えています。
2030年度には“あられ、おせんべいの製菓業”から“Better For Youの食品業”への進化を目指し、食品事業を国内米菓事業、海外事業と並ぶ3本目の柱とするべく、長期視点でシーズの獲得や育成を進め、早期の事業拡大に取り組んでいます。
〈リスク管理〉
気候変動に関連するリスクの管理については、全社的なリスク管理体制に統合され、当社のリスク管理委員会が中心となって行っています。同委員会は、原則として四半期に1回以上開催し、審議内容や検討状況を取締役会へ報告することで、リスク管理全般の統制管理を行っています。
〈指標と目標〉
当社は、気候変動課題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、温室効果ガス(CO2)総排出量を指標とし、当社における2030年度の温室効果ガスの総排出量を40%削減(2017年度比)する目標を設定しています。
また、当グループで進めるプラスチック使用量の削減はScope3における温室効果ガス排出量の削減のみならず、消費財を扱うメーカーとして優先的に取り組むべき重要課題として認識しており、製品のプラスチックトレーの廃止、およびパッケージをスリムにするECOパッケージ化を図ることでプラスチック使用量の削減を進めています。2030年度までには当社の全製品をECOパッケージ化するとともに、プラスチック使用量を30%削減(2017年度比)することを目標に掲げています。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は27,383百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,806百万円の増加となりました。これは主に「現金及び預金」が363百万円、「受取手形、売掛金及び契約資産」が1,302百万円、「原材料及び貯蔵品」が201百万円、「その他」が272百万円それぞれ増加した一方、「商品及び製品」が288百万円減少したことによるものであります。固定資産は75,572百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,260百万円の増加となりました。これは主に「建物及び構築物」が393百万円、「建設仮勘定」が3,450百万円、「のれん」が1,689百万円、「投資有価証券」が386百万円、「退職給付に係る資産」が2,448百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、総資産は102,955百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,066百万円増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は28,102百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,456百万円増加となりました。これは主に「短期借入金」が5,219百万円増加したことによるものであります。固定負債は9,131百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,215百万円の減少となりました。これは主に「リース債務」が122百万円、「繰延税金負債」が602百万円それぞれ増加した一方、「長期借入金」が1,951百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は37,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,240百万円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は65,722百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,826百万円の増加となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」4,428百万円及び「剰余金の配当」1,117百万円、また、収益認識会計基準等を適用したことに伴う累積的影響額の期首調整額407百万円の発生による減少により、「利益剰余金」が2,903百万円増加したことや、「為替換算調整勘定」が1,504百万円、「退職給付に係る調整累計額」が814百万円、「非支配株主持分」が619百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は61.6%(前連結会計年度末は62.7%)となりました。
b.経営成績
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日、以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、経営成績に関する説明の当連結会計年度に係る各数値ついては、当該会計基準等を適用した後の数値となっていることから、売上高の前連結会計年度比(%)及び前期増減率(%)は記載していません。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
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前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前連結会計年度比 (%) |
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(百万円) |
(百万円) |
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売上高 |
103,305 |
85,163 |
- |
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営業利益 |
5,620 |
4,863 |
86.5 |
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経常利益 |
6,889 |
6,099 |
88.5 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
4,757 |
4,428 |
93.1 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の変異株の広がりにより経済活動が繰り返し制約を受けたことで消費回復の足取りは重く、また相次ぐ消費財の値上がりなどによって消費者心理が冷え込むなど、総じて厳しい状況で推移しました。
世界経済は、新型コロナウイルス感染症との共存を模索する動きのなかで、ウクライナ情勢に端を発する地政学リスクの高まりによって、世界規模でエネルギーや食料品等の供給体制に懸念が生じ、先行き不透明感が強まっています。
食品業界は、底堅い需要に支えられているものの、原油価格の高騰による輸送コストの上昇や、各種原材料価格の上昇圧力によって、厳しい経営環境が続きました。
このような環境下、当グループは、中期経営計画において、食品業界を取り巻く環境変化を踏まえ、 “美味しく からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルへの貢献”を示す“Better For You”の観点からお客様価値を提供し、長期ビジョン「グローバル・フード・カンパニー」の実現を通じて持続的な成長と企業価値向上に向けた取り組みを進めております。2030年度には“あられ、おせんべいの製菓業”から“Better For Youの食品業”へと進化することを目指しております。
2023年度までの中期経営計画期間において、国内米菓事業、海外事業、食品事業の3本柱でしっかりと立ち、特長あるグローバル企業としてビジョンの実現を目指すとともに、新型コロナウイルス感染症を契機としたお客様の行動様式の変化など、環境変化に対して中長期視点での構造改革を実行し、持続的な成長と企業価値の向上をより確かなものとするために取り組んでいます。
2021年度は、次の成長に向けた基盤固めの1年と位置づけ構造改革を中心に各種施策を実行してきました。国内米菓事業は圧倒的№1の地位を盤石にするために収益基盤をより強固にすること、海外事業は北米市場の更なる成長、アジアの収益事業化と積極投資による一段の成長基盤形成、食品事業は長期保存食と食物アレルゲンフリー商品の拡充、プラントベースドフードの取り組み強化を重点施策として取り組みました。
国内米菓事業については、お客様の環境意識の高まりを背景に環境配慮型商品の拡充に取り組むとともに、販売面では成長チャネルへ経営資源を集中し、SFAやモーションボードなど営業活動のデジタル化を通じて販売生産性の向上を推進しました。また、コロナ禍において巣ごもり需要が一服するなかでも、「つまみ種」や「無限エビ」等、お客様から高い支持を頂いている製品も多く、旺盛な需要に応えるために継続的な生産能力の増強に取り組んでいます。一方で、人手不足により主力製品の供給力が一時的に不足したことや、原材料価格の高騰による製品の規格変更及び価格改定などにより、第3四半期までは総じて厳しい事業環境となりましたが、年明け以降は徐々に回復の兆しが見えてきました。加えて、当第4四半期に発生した同業他社の工場火災に伴う操業停止の影響により、国内米菓市場の様相は一変し、当社を含む米菓企業に対する代替需要が急速に高まっています。当グループは、米菓業界のリーディングカンパニーとして、製品の供給力不足が短期及び中期的にお客様の米菓離れを招き市場が縮小するリスクを抑制するために、生産人員を増強し、残業や休日出勤対応により増産に取り組むとともに、外部生産委託の拡充などにより供給優先の体制に舵を切り、現在もその対応を継続しています。
これらの取り組みの結果、収益認識会計基準による減収影響を除いた主力ブランドの売上高は「ハッピーターン」「つまみ種」「うす焼」「技のこだ割り」「ぽたぽた焼」「ハイハイン」が前年同期を上回った一方で、「亀田の柿の種」「亀田のまがりせんべい」「ソフトサラダ」「手塩屋」「揚一番」「堅ぶつ」は前年同期を下回りました。
海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.が前年の新型コロナウイルス感染拡大による特需の反動を受けた一方で、前年の期中より連結子会社化したSingha Kameda (Thailand) Co., Ltd.の売上高が通年で寄与したほか、ベトナム国内の販路拡大、クロスボーダーの生産拠点として高い将来性を有するTHIEN HA KAMEDA, JSC.を第3四半期から連結損益に取り込んだ結果、収益認識会計基準による減収影響を除いた売上高は前年同期を上回りました。
食品事業については、防災意識の高まりを背景とした長期保存食の安定的な需要に加え、2022年3月に発生した福島県沖地震の影響により、年度末にかけて一段と需要が高まりました。加えて、連結子会社化した株式会社タイナイのアレルゲン28品目不使用の米粉パンへの引き合いは急速に高まっており、その需要に応えるべく、生産機能の移転集約など生産能力の増強にも取り組んでいます。その結果、収益認識会計基準による減収影響を除いた売上高は前年同期を上回りました。
以上の結果、売上高は85,163百万円となりました。
営業利益については、新型コロナウイルス感染症による行動制約の影響により、百貨店向けや土産物を扱う子会社は緩やかな回復にとどまったものの、予てより取り組んできた販売チャネルの多様化、効率的なオペレーション体制の構築、各種コストの抑制の結果、前年の赤字から脱却し黒字を確保しました。単体米菓事業においては、原材料の配合変更や現場改善、更には製品の規格変更及び価格改定など環境変化に対応すべく矢継ぎ早に対策を講じましたが、それら増益効果を打ち消す想定以上の原材料価格の高騰やエネルギー価格の上昇により、国内米菓事業は減益となりました。
海外事業については、Mary’s Gone Crackers, Inc.の減収影響はあるものの、タイ子会社の再編完了によるダブルオペレーションの解消やSingha Kameda (Thailand) Co., Ltd.の安定した事業運営、更には高い収益性を有するTHIEN HA KAMEDA, JSC.の連結子会社化により営業利益の赤字幅は抑制され、改善傾向にあります。
食品事業については、長期保存食の需要拡大や植物性乳酸菌の販路拡大などに取り組んだものの、今後の事業成長に向けた各種シーズの獲得及び研究開発機能の強化により、減益となりました。
これらの取り組みの結果、営業利益は4,863百万円(前期比13.5%減)となりました。
また、持分法適用関連会社であるTH FOODS, INC.の持分法による投資利益が減少した結果、経常利益は6,099百万円(前期比11.5%減)、THIEN HA KAMEDA, JSC.の連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,428百万円(前期比6.9%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
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前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 |
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(百万円) |
(百万円) |
(百万円) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
8,671 |
8,305 |
△365 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△6,337 |
△9,841 |
△3,503 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△257 |
1,198 |
1,455 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△151 |
△223 |
△72 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
6,505 |
5,944 |
△560 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ560百万円減少し、5,944百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8,305百万円(前期比365百万円の減少)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費による資金の増加の一方、法人税等の支払額による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は9,841百万円(前期比3,503百万円の支出増加)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,198百万円(前期比1,455百万円の収入増加)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額や長期借入金の返済による支出、配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△1,535百万円となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
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2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
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自己資本比率(%) |
62.0 |
61.3 |
61.6 |
62.7 |
61.6 |
|
時価ベースの 自己資本比率(%) |
140.6 |
134.5 |
121.5 |
109.4 |
81.4 |
|
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) |
1.4 |
1.9 |
1.8 |
1.8 |
2.3 |
|
インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) |
71.8 |
56.2 |
59.8 |
91.6 |
191.4 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
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数量(屯) |
金額(百万円) |
||
|
国内米菓 |
75,003 |
61,175 |
- |
|
海外 |
12,525 |
7,447 |
- |
|
食品 |
3,878 |
5,335 |
- |
|
報告セグメント計 |
91,408 |
73,957 |
- |
|
その他 |
- |
- |
- |
|
合計 |
91,408 |
73,957 |
- |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。
2.記載金額は販売価格で表示しております。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日、以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る金額については、当該会計基準等を適用した後の金額となっていることから、前年同期比(%)は記載していません。
b.受注実績
当グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
金額(百万円) |
||
|
国内米菓 |
62,971 |
- |
|
海外 |
9,183 |
- |
|
食品 |
6,309 |
- |
|
報告セグメント計 |
78,464 |
- |
|
その他 |
6,699 |
- |
|
合計 |
85,163 |
- |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.「収益認識会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る金額については、当該会計基準等を適用した後の金額となっていることから、前年同期比(%)は記載していません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社髙山 |
11,496 |
11.1 |
8,665 |
10.2 |
|
株式会社山星屋 |
10,950 |
10.6 |
8,404 |
9.9 |
|
三菱食品株式会社 |
12,066 |
11.7 |
8,342 |
9.8 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
財政状態の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載しております。
② 経営成績の分析
経営成績の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当グループは、盤石な財務基盤を維持しつつ、「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向け国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
盤石な財務基盤の維持に関しては、自己資本比率の水準を60%程度に保っているほか、国内金融機関におけるコミットメントライン等の資金枠を確保しており、機動的な資金調達ができる体制を構築しております。
同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めるとともに、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、資金調達には負債の活用も進めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めてまいります。
設備投資に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。2020年度から2023年度の4年間累計では総額300億円の投資枠を設定しております。なお、各年度の設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とし、盤石な財務基盤を維持し、十分な水準の手元流動性を確保してまいります。
また、上記投資枠とは別に、海外事業における欧米版Better For Youの候補探索、アジア出資検討、食品事業における国内食品分野の開拓に向けた成長投資として、300億円の成長投資枠を設定しております。
b.経営資源の配分に関する考え方
当グループは、「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向け、国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
投資については、各年度の営業キャッシュ・フローの範囲を原則とし、菓子の製造販売事業で創出した資金を、事業領域の拡大を目指す海外事業、食品事業へ配分し、M&A等の機動的投資を除き、D/Eレシオ30%程度を目安としております。
株主に対する利益還元については、中期経営計画を実行し収益の拡大を図ることで、株主還元の安定的拡大を目指し、配当性向は、当面20%程度を目安としながら将来的に30%の水準を目指しております。
c.資金需要の主な内容
当グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、主に米菓の製造に関わる原材料費、運賃、製造費用(生産に関わる償却費、賃借料、保険料など)、販売費(販売業者へ支払うリベートや、販売促進費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、食品の安全、安心のために不可欠な設備や施設への投資、製造原価低減のための構造改革投資などの設備投資のほか、海外における事業領域の拡大に向けた生産能力の増強や新規製販拠点の設立などがあります。
d.資金調達
当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。
資金需要の主な内容に記載している運転資金および投資資金などの調達に当たっては、主に国内金融機関からの借入を活用しております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。加えて盤石な財務基盤を有していることから、当グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
機動的な資金枠を確保するため、国内金融機関において100億円のコミットメントラインを設定しているほか、一部の海外子会社が利用できる総額25億円のグローバルコミットメントラインを設定し、機動的な資金調達ができる仕組みを確保しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、2[事業等のリスク]に記載しております。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
2023年度までの中期経営計画期間において、国内米菓事業、海外事業、食品事業の3本柱でしっかりと立ち、特長あるグローバル企業としてビジョンの実現を目指すとともに、新型コロナウイルス感染症を契機としたお客様の行動様式の変化など、環境変化に対して中長期視点での構造改革を実行し、持続的な成長と企業価値の向上をより確かなものとするために取り組んでいます。
当グループは中期経営計画を実現するために国内米菓事業、海外事業、食品事業の3本柱による自律的事業運営を目指し、“特長あるグローバル企業”の実現に向けて取り組んでいきます。2022年度は、単年度施策にとどまらず、環境変化を踏まえた構造的な課題に着手することで、中期経営計画の最終年度にあたる2023年度に繋げる1年とし、環境変化に対応できる筋肉質な経営基盤を構築することで、お客様目線でBetter For Youを実現する新価値商品と新市場を創造し新たな成長へ挑戦を通じて成果に結びつけていきます。
※将来に関する留意事項
将来の経営環境や業績予想に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などに基づくものであります。実際の業績は様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。
⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.固定資産の減損
当グループが減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえて見積っております。
当グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(446百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額又は使用価値により算定しております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
なお、Singha Kameda (Thailand) Co., Ltd.グループに帰属するのれんの評価方法に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当グループは、繰延税金資産の回収可能性については、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性および将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するに当たっては、一時差異等の解消見込年度および繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c.退職給付債務および費用の算定
当グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務および関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率および年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社および国内子会社の年金制度においては、割引率は国債の利回りに基づき、長期期待運用収益率は、現在および予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在および将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産(負債)および退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
d.返金負債および変動対価の算定
当グループは、変動対価の算定に際して、販売額に対する値引き、割戻し、返品等を含む変動対価の割合は過去の実績と概ね整合するとの仮定のもと、過去の実績率に基づき、将来発生見込額を見積っております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する返金負債および変動対価の金額に重要な影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期については、世界的なワクチン接種の普及により徐々に収束するものと見込んでおりますが、一定程度は世界的な感染状況は続き、世界経済および国内経済に影響を及ぼすものと予想されます。
当グループの事業活動において、主に国内商業施設の臨時休業、営業時間短縮等に伴う外出自粛により、土産物等の販売の落ち込みに影響があるものの、販路開拓も推し進めたこと等から、新型コロナウイルス感染症発生前の水準までには回復に至らないまでも、当該商品は着実に受注回復で推移しております。また、生活様式の変化に伴う家庭内消費は、ECサイトにおける販売が増加傾向にあり、今後も一定程度の水準で販売できるものと見込んでおることから、新型コロナウイルス感染症が当グループの販売及び生産に与える影響は限定的であるとの仮定のもとに、固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性の評価等の会計上の見積りを行っております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は次のとおりです。
THIEN HA KAMEDA, JSC.の株式取得
当社は、2021年5月13日開催の取締役会において、当社の持分法適用関連会社であるTHIEN HA KAMEDA,JSC.の株式の一部を追加取得し子会社化を目指すことを決議し、2021年9月27日に、同社の既存株主と株式譲渡契約を締結いたしました。
また、当該契約に基づき、2021年10月12日に同社の株式を取得し、子会社化いたしました。
なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
当グループは、お米を主たる原料として事業を展開しており、その美味しさ、機能性、さらには新素材、生産技術などにおける様々な研究から米菓商品やBetter For You商品の開発に至るまで、幅広い研究開発を行っております。
米菓では、従来の米菓とは異なる製法や設備の導入、組み合わせにより、製造工程の一部を短縮することでエネルギー使用量の抑制、必要人員の効率化など革新工程の要素技術を開発し、2021年度下期よりテスト稼働を開始しております。併せて、米菓製造における上流工程の集約など、既存ラインの効率化も進めております。
お米総合研究所では、現在、植物性乳酸菌や米タンパク質、米ペプチドなどの各種機能性素材およびプラントベースドフード、米粉パンに関する基礎研究から応用研究までを幅広く対応することで、製造技術の確立及び商品開発に向けた取り組みを中心に行っております。
現在は大豆を原料としたプラントベーストフードを製造販売しておりますが、今後はお米のタンパク質を用いた研究開発を進めていく予定です。
アレルギー表示対象品目でないお米から抽出した米タンパク質を原料とした植物性代替肉は、大豆を原料としたものよりも付加価値が高く、競争が激化する植物性代替肉市場においても競争優位性を見出せるものと考えています。また、米タンパク質を酵素分解して得られる米ペプチドについても、その機能性に着目し、大学などの外部機関と連携し研究を進めております。
大豆ベースの植物性代替肉の食感改良研究や、米粉パンの保存性向上研究など、既存商品についても、より付加価値を向上させるための研究を通じて、グループシナジーの創出に寄与しています。
お米由来の植物性乳酸菌は、整腸作用と肌の保湿効果のある「K-1」、アトピー性皮膚炎や花粉症への抗アレルギー作用と抗インフルエンザ作用のある「K-2」の2つの植物性乳酸菌を保有しております。これは長年にわたるお米の研究成果であり、死菌のため耐熱性が高く、さまざまな食品への配合が可能です。現在、日本国内において青汁やサプリメントメーカー向けの原料供給を中心となっておりますが、さらなる事業拡大に向け海外展開を進めています。
以上の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
なお、当グループの行っている研究開発活動は各セグメントに共通するものであり、各セグメントに関連づけて記載しておりません。