(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、年初から上期にかけて中国経済の減速や円高の進行もあり、企業収益に足踏みがみられました。年末に向けて米国の大統領選及びその後の金融政策を受け、円安・株高に転じたものの、景気の先行きに対する不透明感が増していることもあり、個人消費は年間を通じて伸び悩むこととなりました。
米菓業界におきましては、消費者の低価格志向が一段と強まり価格競争の激化が続きました。さらに、主原料である国産米の価格高騰により経営環境は一層厳しいものとなりました。
このような環境のもと当社グループは、「新たな成長への挑戦」を基本方針とした新3ヵ年計画として中期経営計画「岩塚Stage-Up70」を策定し、将来の持続的成長の実現に向けた基盤づくりを進めてまいりました。
製造部門におきましては、生産性の向上や品質保証の強化を目的とした設備投資を行ったほか、効率的な配送を目的にロジスティックスの強化を図りました。
営業部門におきましては、国産米100%の優位性を打ち出し、主力商品のシェア拡大と商品ブランドの強化を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における連結売上高は230億25百万円(前連結会計年度比2.9%増)、営業利益は3億74百万円(前連結会計年度比4.4%減)、経常利益は16億82百万円(前連結会計年度比0.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億32百万円(前連結会計年度比318.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、期首残高より98百万円減少し、7億19百万円(前年同期比12.1%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
「営業キャッシュ・フロー」は14億76百万円の収入(前年同期比2億98百万円の収入減少)となりました。これは主に、前年同期と比べて減価償却費が94百万円増加した一方で仕入債務の増減額が2億4百万円減少したこと及び利息及び配当金の受取額が1億76百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は13億28百万円の支出(前年同期比5億98百万円の支出増加)となりました。これは主に、前年同期と比べて投資有価証券の売却による収入が6億20百万円減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は2億47百万円の支出(前年同期比6億3百万円の支出減少)となりました。これは主に、当期において自己株式の取得による支出3億53百万円を計上した一方で、長期借入金の返済による支出がなかったこと及び前年同期と比べて短期借入金の純増減額が5億50百万円増加したこと等によるものであります。
(1)生産実績
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区分 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
構成比(%) |
|
|
うるち米菓 |
12,302,470 |
104.1 |
52.4 |
|
もち米菓 |
9,558,895 |
98.5 |
40.7 |
|
その他米菓 |
1,629,438 |
104.9 |
6.9 |
|
合計 |
23,490,804 |
101.8 |
100.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当社グループは販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産を行っているため、受注生産は行っておりません。
(3)販売実績
|
区分 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
構成比(%) |
|
|
米菓 |
22,219,124 |
100.8 |
96.5 |
|
その他 |
806,431 |
239.0 |
3.5 |
|
合計 |
23,025,555 |
102.9 |
100.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
三菱食品株式会社 |
3,838,884 |
17.2 |
4,661,452 |
20.2 |
|
株式会社山星屋 |
2,825,017 |
12.6 |
3,230,958 |
14.0 |
|
株式会社高山 |
3,045,322 |
13.6 |
2,697,040 |
11.7 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてグループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、経営理念に「我々は会社の事業を通じて、社会の人々に喜びと豊かさを提供し、その見返りとして、この事業に携わる者とその関係者の豊かな生活と社会的地位の向上を図り、併せて地域社会の経済的発展に貢献せんとするものである」を掲げ、お客様に安全で安心できる価値ある商品とサービスを提供するとともに、「日本の伝統ある食文化を世界に広め、人々に喜びと豊かさを提供すること」を使命として、かかる使命の追求を通じた企業価値の向上を目指しております。
(2)経営戦略等
当社グループは、「『お米』のおいしさ創造企業」を目指し、「おいしさでNo.1でありたい」「新鮮さでNo.1でありたい」「おいしさにこだわる私たち自身がNo.1でありたい」という夢のもと、世界中の人々においしさの笑顔をお届けすべく、平成28年4月から始まる3ヶ年の中期経営計画『岩塚Stage-Up70』を策定しております。
ブランド集中による構造改革を柱に、生産性の向上や品質保証のための設備投資、企業認知率拡大のための広告宣伝、フルチャネルに対応するための人的資源の再配置により、「新たな成長への挑戦」の基本方針のもと、次に掲げる経営課題に取組み、経営計画を達成するとともに、将来の持続的成長の実現に向けた基盤づくりを進めてまいります。
Ⅰ.生産体制のStage-Up
消費者の安全・安心に対するニーズに合わせた品質基準を満たすための品質保証設備への投資や多様なニーズに対応するための多品種少量生産ラインの設置などに取組んでまいります。
Ⅱ.岩塚ブランドのStage-Up
発信力強化による企業認知率の向上や、新規チャネルへの挑戦、「たなべのかりん糖」やブランド米「ゆきみのり」等を活用したおいしいものづくりネットワークの構築に取組んでまいります。
Ⅲ.岩塚ロジスティックスのStage-Up
国内ロジスティックスの再構築と委託生産による物流費の削減や、輸出戦略の構築による成長に取組んでまいります。
Ⅳ.新商品開発のStage-Up
伝統米菓の深掘だけでなく、健康・機能米菓の開発やかりんとう製品の開発、海外向け米菓の開発に取組んでまいります。
Ⅴ.コーポレート・ガバナンス体制のStage-Up
コーポレート・ガバナンスのさらなる充実を図り、あらゆるステークホルダーに信頼される体制を構築してまいります。
Ⅵ.海外事業のStage-Up
北米やアジア圏で事業展開に向けた情報収集を継続し、旺旺集団との共同出資事業を視野に入れた情報収集や連携強化を図ってまいります。
Ⅶ.人財育成のStage-Up
上記の経営課題を実行していくための土台として、人財育成に取組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、安定的な収益の確保を重視し、売上高営業利益率3%を目標としております。また、CSR(企業の社会的責任)を向上させ、お客様の信頼に応え、おいしさの感動をお届けし続ける企業を目指してまいります。
(4)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループを取り巻く経済環境につきましては、雇用や所得環境の改善等による消費者マインドの持ち直しが期待されるものの、一般消費者の生活防衛意識は依然として根強く不透明な状況が続いております。
菓子業界においては、カカオ豆や乳酸菌等の健康効果などからチョコレート市場がシニア客層を主体に伸長する一方、米菓市場では話題性に乏しく競合トップ商品の値上げもあって市場全体の低迷が続いております。
また、少子化・高齢化により、消費スタイルが「モノからコトへ」「価格から価値へ」「店舗からネットへ」などと変ってきており、市場の変化に対応する柔軟性が求められております。
こうした経営環境のもと、「新たな成長への挑戦~創新と協働~」を基本方針として、次の経営課題を掲げております。
・国産米100%岩塚ブランドの発信強化
創業70周年の心の具現化として、国産米100%使用の岩塚ブランドを全社員でお客様に発信してまいります。また、SNS等を利用した発信の強化を図ってまいります。
・TOP5基幹商品の売上シェア強化
「黒豆せんべい」「味しらべ」「田舎のおかき」「大人のおつまみ」に「大袖振豆もち」を加えたTOP5基幹商品の販売強化を図ってまいります。各カテゴリー№1に押し上げるとともに、全体でももち商品シェア№1を目指してまいります。
・トータル原価低減に向けての創新と協働の強化
安全・安心の体制と不良品の低減活動の強化について新しい発想も取り入れ展開してまいります。併せて、製造・物流・販売の全社連携による品質向上を図ってまいります。
・「真の21世紀型消費社会」に対応した新商品開発強化
新たな機能強化により商品価値を高め、お客様から支持をいただくことにより、収益性の向上を図ってまいります。
・旺旺集団との連携強化・海外事業の展開強化
東南アジア市場への進出と中国市場での米菓の多様化に対応するため、新商品開発プロジェクトなど旺旺集団との連携を強化いたします。また、北米での販売に向けた活動をさらに進めてまいります。
・CSRの向上とCGCの強化
「できることから始めよう!」をスローガンに掲げ、創業70周年を機に全社員で一層のCSRの向上に努めてまいります。また、あらゆるステークホルダーに信頼される体制の構築のため、CGCの強化を推進してまいります。
・人財育成の強化
人は財(タカラ)です。社員一人ひとりを最大の経営資源と捉え、OJT、Off-JTを通じて人財育成を強化してまいります。
(5)株式会社の支配に関する基本方針について
Ⅰ.基本方針の内容
当社は上場会社である以上、当社株式の取引は株主の皆様のご判断に委ねるのが原則であり、当社に対する大規模買付行為がなされた場合にこれに応ずるか否かの判断についても、最終的には株主の皆様の自由意思に委ねられるべきであると考えます。
しかしながら、当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。大規模買付行為の中には、①その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、②株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、③対象会社の取締役会や株主が大規模買付行為について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、④買付者の提案した条件よりもさらに有利な条件を株主にもたらすために、対象会社による買付者との交渉を必要とするもの等、企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。当社は、このような大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当ではないと考えます。
Ⅱ.不適切な支配の防止のための取組み
当社は、日本の伝統ある食文化を世界に広め、人々に喜びと豊かさを提供することが使命であると考え、かかる使命の追求を通じた企業価値の向上を目指しております。
当社は、中期経営計画「岩塚Re-Bornプラン」(第61期~第63期)を策定し、平成25年度から平成27年度までの3年間、新たな成長に向けた経営基盤づくりに力点をおいて、個々の戦略課題にグループ会社一丸となって取組んでまいりました。当社は、この経営基盤をさらに盤石なものにし、これから本格化する21世紀型消費社会に対応できるよう、新たなる中期経営計画「岩塚Stage-Up70」(第64期~第66期)を策定しました。平成28年度から平成30年度までの3年間を対象とするこの新・中期経営計画は、「社員一人ひとりの成長」が企業力として結集されていくマネジメントを実践し、企業価値の一層の向上を目指すものです。当社グループは、個々の戦略課題に取組むことで、一丸となって新たなる成長への挑戦を続けてまいります。
当社は、この中期経営計画を着実に実行していくことが、当社グループとステークホルダーとの信頼関係を一層強固に築き上げ、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものと確信しております。
Ⅲ.不適切な支配の防止のための取組みについての取締役会の判断
当社は、中期経営計画「岩塚Stage-Up70」(第64期~第66期)の下、株主の皆様、お客様、取引先様、従業員、地域社会その他、多様なステークホルダーの皆様にとって価値ある企業として支持されることを常に目指し、企業価値・株主共同の利益の最大化に全力で取組んでまいります。当社株式の大規模買付行為を行おうとする者が、当社を取り巻く経営環境を正しく認識し、当社の企業価値の源泉を理解した上でこれを中長期的に保有し、当社の価値を向上させる意図を持つものでなければ、中期経営計画「岩塚Stage-Up70」(第64期~第66期)の達成が困難となるのはもちろんのこと、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれがあります。さらに、外部者である買付者から買付提案を受けた際には、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、事業分野・人的ネットワークの有機的結合により実現され得るシナジー効果、その他当社の企業価値を構成する事項等について株主の皆様から適切に把握していただくとともに、当該買付者による当社株式等の大規模買付行為が企業価値に及ぼす影響について判断していただく必要があります。
したがって、外部者である買付者によって当社株式に対する大規模買付行為が行われた場合に、株主の皆様が当該大規模買付行為に応じるべきか否かを適切に判断していただくための時間、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案させていただくための情報を収集する時間の確保が必要であります。また、不当な条件による買付けについては、当社取締役会が株主の皆様のために交渉を行うことを可能としたりすること等が必要になってまいります。このような状況を踏まえ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するための枠組みとして、本対応方針の更新が必要であると判断いたしました。
なお、本対応方針において旧対応方針から関連する引用箇所の記載の修正など、所要の修正を行いました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)食品の安全性について
近年、食品業界におきましては、産地偽装問題、残留農薬問題及び遺伝子組み換え問題など食品に関する問題が発生しております。
当社グループでは、必要に応じ随時各種検査を実施するなど、品質管理には万全な体制をとっておりますが、今後におきまして、当社グループの品質問題のみならず、社会全般におよぼす品質問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)売上債権について
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額については、貸倒引当金を計上しております。
しかし、顧客の財務状態の悪化などにより支払能力が低下した場合、追加での費用支出が起こる可能性があります。
(3)自然災害について
地震、風水害、火災、雪害による災害等が発生した場合、工場の設備等が大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、営業所等の施設や情報システムに損害が生じ、営業活動や仕入、物流に支障が生じた場合、業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、創業者がこだわりつづけた「原材料へのこだわり」「優れた技術」「つくり手の真心」を米菓づくりの根底として、『お客様においしい笑顔をお届けする』を念頭に、米菓の生命であるお米の風味を十分に生かした安心・安全な「おいしい米菓」の研究開発に取り組んでまいりました。
当連結会計年度におきましては、健康志向の高まりと共にミネラル、食物繊維を豊富に含む「雑穀」が注目されるなか、「もち麦」を使用した商品開発を進めてまいりました。
一方で、小麦、大麦、ライ麦、オート麦などの麦類に含まれるたんぱく質の一種グルテンを使わないグルテンフリー商品や、主原料のお米に「おから」「玄米」「ごま」などをブレンドした商品の開発に注力してまいりました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は242,170千円となっております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社経営陣は、過去の実績や状況に応じた合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、資産・負債の簿価や収益・費用の報告数値についての基礎としております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、230億25百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。
利益面につきましては、生産性の向上や品質保証の強化を目的とした設備投資を行ったほか、効率的な配送を目的にロジスティックスの強化を図ってまいりました。
また、国産米100%の優位性を打ち出し、主力商品のシェア拡大と商品ブランドの強化を図ったことにより、営業利益は3億74百万円(前連結会計年度比4.4%減)、経常利益は16億82百万円(前連結会計年度比0.1%減)親会社株主に帰属する当期純利益は12億32百万円(前連結会計年度比318.3%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、米菓の製造販売を事業としております。主原料である米をはじめとする原材料は、天候その他の要因により仕入価格が大きく変動するリスクを負っており、その変動により経営成績に影響を与える可能性があります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、「1業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。