第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、経営理念に「我々は会社の事業を通じて、社会の人々に喜びと豊かさを提供し、その見返りとして、この事業に携わる者とその関係者の豊かな生活と社会的地位の向上を図り、併せて地域社会の経済的発展に貢献せんとするものである」を掲げ、お客様に安全で安心できる価値ある商品とサービスを提供するとともに、「日本の伝統ある食文化を世界に広め、人々に喜びと豊かさを提供すること」を使命として、かかる使命の追求を通じた企業価値の向上を目指しております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、「『お米』のおいしさ創造企業」を目指し、「おいしさでNo.1でありたい」「新鮮さでNo.1でありたい」「おいしさにこだわる私たち自身がNo.1でありたい」という夢のもと、世界中の人々においしさの笑顔をお届けすべく、2022年4月から始まる3ヶ年の中期経営計画「『新しい岩塚価値の創造』~Create New Iwatsuka Value~」を策定いたしました。

 構造改革を進めながら経営基盤の強化を図り、当社グループ固有の戦略的ポジションを確保することを目指し取り組んでまいります。

〔成長戦略…戦略的ポジションを確保する〕

A.既存主力ブランドの収益性強化

製販集約による収益性強化・生産性向上

 製販ともにカテゴリー集約を図り、生産技術の高さ、機敏性を活かします。

「BEIKA Lab」を活用した安全安心かつ製造効率化

 安全安心安定の品質を確保し、工程の自動化により生産能力の向上を図ります。

B.新機軸商品の強化

「BEIKA Lab」を活用した商品開発力の強化

 「楽しく美味しい」商品・新ジャンル商品を開発します。

C.「岩塚」ブランドの再定義

「岩塚」認知向上

 広報PR活動を目的とした新セクションを創設し認知拡大を目指します。

D.グループシナジーの発揮

グループシナジーの発揮・生産性向上

 長岡・中沢工場統合後の生産性向上を図ります。

〔構造改革…適切な利益を得る〕

E.生産性の追求

製造原価の低減

 主力ブランドの自動化推進、少人化ラインの構築、あらゆるムダの排除を図ります。

安全安心体制の整備強化

 安全安心な職場環境を整備するとともに製造技術の進化に努めます。

DXの推進

 デジタル変革による業務・管理の効率化とコスト削減を実現します。

〔持続経営…経営基盤の強化を図る〕

F.経営基盤の強化

経営人財の育成

 育成プログラム、教育支援の充実を図り次世代リーダーを育成します。

マネジメント体制の再構築

 業務プロセスの改善、情報の一元管理、ダイバーシティの推進などの体制を整備します。

ESGの取組み強化

 SDGsへの貢献を目指します。

 

(3)経営環境

 米菓業界におきましては、業界大手企業の火災事故による生産停止の影響が残り、各社、増産体制を続け供給維持に努めております。当社においても、米菓売り場の維持を図るべく生産体制の増強と効率化を進めております。特に主力ブランドの底上げと新たな売り場展開による売上拡大とそれに連動した生産体制の整備を行い、新しい中期経営計画のスタート年度として業績の回復を図ってまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは新たな中期経営計画の初年度となる第70期経営計画においては、「もっと美味しく・もっと楽しく・もっと笑顔に!」をスローガンに掲げ、「新中期経営計画『新しい岩塚価値の創造』のスタート」を基本方針としており、次の経営課題に取り組んでまいります。

・安全・安心・防災体制の再構築

 安全安心な職場環境の一層の整備を進めるため、防火体制の見直しと強化に継続して努めます。また、DX化や自動ライン化等の新技術と継承してきた技術の相互作用により更なる品質向上を図り、お客様に安全安心な商品をお届けいたします。

・TOP6+2のシェアアップ(もちシェア30%)

 TOP6+2のシェアアップを図り、収益力強化や岩塚価値の創造、集中化による生産性と品質の向上を図るとともに、当社の強みであるもち商品の更なるシェア拡大を目指します。

※ TOP6+2:黒豆せんべい、味しらべ、田舎のおかき、大人のおつまみ、大袖振豆もち、ふわっと、きなこ餅、バンザイ山椒

・わくわく米菓売場の展開(新しい岩塚価値商品)

 お客様に新しい感動と驚きをお届けしたいと考え、「楽しく美味しい」商品開発、米菓の可能性を追求した新ジャンル商品の開発を行います。新機軸米菓で新しい顧客層を開拓するとともに、新設したソーシャルコミュニケーション室を通じて「新しい岩塚」ブランドの認知拡大を図ります。

・旺旺集団ベトナム工場との協働

 旺旺集団のベトナム工場が完成し3月から稼働を開始しました。同社から要請を受け技術指導員を派遣するなど技術支援を行う予定であり、「米菓からBEIKAへ」の歩みに向けアジアへの販路拡大を目指します。

・新人事制度による人財育成

 新人事制度の本格稼働にあたり、人事プロジェクト活動を続け、適材適所による生産性向上、相互信頼によるエンゲージメントの向上などの人事課題に取り組むとともに、経営に寄与する人事施策を進めます。

・SDGs経営のステップ・アップ

 ESG(環境・社会・ガバナンス)への取組み強化の一環として、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組みます。再生エネルギー、リサイクルなど推進項目と目標を定めて進めるとともに、「サステナビリティ委員会」を設置する等により目標の達成に努めます。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、「売上高営業利益率」を本業での利益体質確保の指標とし安定的な利益確保を目標としております。

 また、資産効率の向上及び株主資本の有効利用がすべてのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。

 直近の状況を示すと、次のとおりであります。

回次

第65期

第66期

第67期

第68期

第69期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高営業利益率(%)

0.3

0.0

0.8

0.8

△1.8

自己資本利益率(%)

2.0

2.4

3.3

3.7

1.3

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループ(以下「当社」という)においては、全社的リスクマネジメント規程を制定のうえ、リスクの所在、リスクの種類・特性、リスクの識別・評価・モニタリング・リスク対応の手法等を十分に理解し、適正な全社的リスクマネジメント体制の整備・確立に向けて、方針および具体策を策定することとしております。

 リスクの識別に当たっては、各事業部門の意見を尊重のうえ、全社横断的に網羅し、影響度と発生可能性をベースに重大度を評価、リスクマップとして一覧表に纏め、定期的に更新することとしております。また、リスク対応を行うため、重大度の評価に加え、内外の重大な環境変化や内部監査の検証、費用対効果等を考慮し、リスクの優先順位付けを行うとともに、必要に応じて戦略等の見直しを行い、資源配分や業務の効率化等を促進することとしております。

 以下に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在、当社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)に重要な影響を与える可能性があると判断したものであります。併せて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。

 また、当連結会計年度末現在において、以下に記載したリスクが顕在化する可能性はいずれも低いと判断しておりますが、リスクが顕在化する可能性が生じた場合には、早期に経営成績等への影響の検討および分析を行い、必要な対応を図る方針としております。

 なお、記載内容のうち将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経済活動に関するリスク

①競合他社

 当社においては、国産原料米を100%使用し、安全安心と品質をアピールする商品政策をとっております。

 しかし、競合他社によるシェア争い、それに伴う廉価販売等の価格競争に巻き込まれる等により、当社が劣勢に立たされた場合には、売上高の伸び悩みなど、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、品質と美味しさを追求するなかで、お客様や卸・小売等取引先のニーズを把握し、いかにしたらお客様に寄り添えるかを真剣に考え、商品設計、販売方法、価格設定等を検討しております。

 

②経済情勢

 当社においては、米菓製造業として国内市場が大宗を占めておりますが、我が国の景況は内外の経済の動きに敏感に反応するため、経済情勢の変化は当社の経営成績等に影響を及ぼす重要な要因であると考えております。

 変化の要因としては、コロナ禍に伴う需要動向(インバウンドや観光消費の減退、巣ごもり消費の増進・反動など)、労働需給の動向、中国や米国等の海外経済の動向等が想定され、中長期的な視点でそれらに的確に対応できない場合には、売上高の伸び悩みなどにより、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、グループ全体で低価格品や量販品から高級進物品まで幅広いニーズに応え得る体制を整備しているなかで、工場設備の増設・集約等により生産・販売体制を再構築、グループシナジーを高め環境変化に対応していく方針でおります。

 

③市場動向

 当社においては、米菓製造業として、国産原料米100%に拘り品質重視の姿勢を貫いております。しかし、米菓業界におきましては、総合スーパーやコンビニエンスストアに比べ廉価なドラッグストアやディスカウントストアが伸長するといった流通構造の変化が見られ、また、これらの業者が合併または統合することにより大規模な業者が誕生し、これ迄以上に価格競争が激しさを増しております。

 当社としては、できる限り生産品目の選別や販売価格の見直し等の企業努力を行ってまいりますが、それらが逆に売上高の伸び悩みや利幅の縮小に繋がる場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、これ迄どおり美味しさと品質を追求する姿勢を貫きながら、主力商品の集中販売や機械化等による生産効率の向上を図り、品質および価格の両面で競争力を高めていく方針でおります。

④原材料・商品の安全性

 当社においては、米菓製造業として食品の製造販売を行っており、高い品質で安全安心な商品を提供するための体制強化に取り組んでおります。品質クレームを極力削減するよう注力し、クレームを受けた際には誠実な対応を心掛けるとともに、商品事故等が生じた場合には躊躇せずにお客様の安全を優先する方針でおります。

 このように、商品の安全安心に最大限の注意を払っているものの、美味しさを含む品質面で不備が生じた場合には、お客様の信頼の低下からマイナスの風評に繋がり、それへの対応を余儀なくされることも想定しておく必要があり、当該対応のための費用の発生や売上高の低迷等を通じて、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、国産原料米に拘り一定の品質が保てるように努めているほか、極力無添加の副材料を使用するよう商品設計しております。また、厳格な原材料表示やISO22000およびFSSC22000の認証取得を進め、製造工程における異物混入チェック対応をブラッシュアップしていく方針でおります。

 

⑤生産能力(在庫)

 当社においては、米菓の製造販売を行うにあたって、遅滞なく商品を供給する使命があり、原材料や商品を在庫として保有しております。また、生産能力、稼働率、生産工程の隘路等を常に把握・管理するとともに、生産拡大や生産性向上のための改善に注力しております。

 しかし、販売の予期せぬ変動により在庫が過剰となった場合、その削減が進まなければ廃棄処分や評価損に繋がりかねず、また、生産工程の一部に能力不足があっても受注増や効率化に対応できないなど、生産能力および在庫については常に留意すべきであり、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、仕入・販売・在庫計画の精緻化を図るとともに、受注量と生産能力および在庫の適正化が図られるようコントロール強化に努めております。

 

⑥人的資源・資質

 当社においては、常においしさを追求しお客様に安全安心な商品をお届けすることを使命としており、係る経営方針を理解し実現できる人材の確保に努めるとともに、職能・職制に応じた人材教育を行っております。

 しかし、このような人的資源・資質の確保および人材育成が効果的に行えない場合には、有効な経営戦略の立案や計画どおりの事業活動遂行に支障が出ることも考えられ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、採用活動を通じて安定的な人材確保に努めており、そのためにも堅調な業績に基づく処遇の安定性が重要であると考え、人事制度改革や社内研修制度を充実させ、従業員が働きやすい職場環境を整えるよう努めております。

 

⑦サプライチェーン

 当社においては、米菓製造業としてサプライチェーンの確保は非常に重要であり、特に国産原料米の必要量を廉価に安定的に確保することは天候や作柄に左右され簡単ではないほか、調味料や包装フィルム等の資材、物流費などもコストアップ要因となり易く、全般的に値上がり傾向にあります。

 また、原材料費は製造原価の中で大きなウェイトを占めるため、原料米をはじめとする価格の高騰は原価の上昇に繋がるほか、仕入れの巧拙を含めサプライチェーンの確保いかんによっては必要量の不足または過剰在庫を招きやすく、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、原産地の人権問題等の情報管理を含めサプライチェーン全体の最適化を目指すとともに、契約栽培の拡充等による原料米仕入れの安定化や、生産効率向上によるコストアップ要因の吸収に努める方針でおります。

 

⑧健康・安全管理

 当社においては、労働災害の防止や従業員の安全と健康管理のため、労働安全衛生法に則った体制の整備、強化を図っております。

 従業員の安全については、作業上の怪我や交通事故等の労働災害対応のほか、病気やメンタルヘルス等の健康問題への取組も重要であり、万一重大な労働災害等が発生した場合には、直接従業員を失う損失のほか、補償等による費用の発生や風評被害も想定され、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、安全衛生委員会を設置し労働基準監督署等の指導を得ながら作業環境の改善に努めているほか、労働時間管理の徹底による長時間労働の予防など、事故等の未然防止のための安全管理を徹底しております。

 

(2)大規模自然災害・重篤な感染症の流行について

①重篤な感染症の流行

 当社においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、その流行の度合や規制の制定・変更・内容等に関し情報収集し、事態への対応等についてコンプライアンス・リスク管理委員会等で継続的に検討し、全社で共有を図っております。

 しかし、新型コロナウイルス感染症など重篤な感染症の流行により従業員が集団で感染した場合には、一部または全部の操業が中断し生産および出荷が遅延するなど、事業活動が制約される懸念が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、事業継続計画の見直しやワクチンの職域接種を行う等により、従業員の生活や取引先の事業活動に影響を及ぼさないよう、当社事業の継続・早期復旧に繋がるよう取り組む方針でおります。なお、新型コロナウイルス感染症については、その収束が見通せない状況ですが、これによる製造・販売活動への影響は子会社の一部に見られる程度であり、当社の経営成績等に与える影響は限定的であると判断しております。

 

②大規模自然災害

 当社においては、本社や工場および物流拠点が新潟県長岡市に集中しており、効率的な生産活動を可能としておりますが、係る地元地域に地震、風水害、雪害および火災等による大規模な災害が発生した場合、工場施設等の甚大な被害に繋がる懸念があります。

 実際に被害が生じた場合には、一部または全部の操業が中断し生産および出荷が遅延する可能性があるほか、情報システムの損傷により営業活動や仕入、物流に支障が生じることも考えられ、売上高の落込みや臨時的な費用の発生等から、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、火災を含めた事業継続計画の見直しを行う等により、人命や生産設備、サプライチェーンの確保に留意し訓練・予防に努めるなど、従業員の生活や取引先の事業活動に影響を及ぼさないよう、当社事業の継続・早期復旧に繋がるよう取り組む方針でおります。

 

(3)その他のリスク

①関連法規

 当社においては、米菓の製造販売を行っており、製造物責任や知的所有権の侵害など様々な法的手続きの当事者となり得る立場にあります。昨今の気候変動問題もありCO2削減に対する規制見通し等、法や規制の制定・変更等により製造や販売活動に制約を受ける可能性も否定できません。

 これらの懸念が現実となり、法的手続きで不利な判断がなされた場合には、その手続きや補償等による費用の発生、マイナスイメージ払拭のためのコスト等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、法や規制の制定・変更・内容等に関し継続して情報収集するとともに、内部統制システムを有効に整備・運用し、コンプライアンス・リスク管理委員会を活用する等により法令遵守に努めております。

 

②情報セキュリティ

 当社においては、情報の機密性、完全性、可用性といった情報セキュリティの確保・対策を進め、役職員に対し保有する個人情報や重要情報の保護・管理を義務付けるなど、厳正な情報管理に努めております。

 しかし、大規模自然災害、長期間の停電、ハードウエア・ソフトウエアの重大な欠陥、コンピューターウィルス感染や不正アクセス等による情報の漏洩・改ざん・消失、情報システムの長期停止や混乱等が発生した場合には、売上高の落ち込みや補償、マイナスイメージの払拭による費用の発生等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、個人情報保護規程など各種規程を整備した上で、不適切な情報の取扱いや重大情報の外部流出等が起こらないよう未然防止に努めており、ウィルス感染対応等のセキュリティ対策を講じるとともに、担当部署が繰り返し注意喚起しております。

 特にサイバー攻撃がセキュリティ上の脅威となってきているなかで、個人データ流出、顧客の機密情報流出、第三者へのマルウェア感染等に繋がった場合には損害賠償等の法的責任が生じるなど社会的リスクが高まっているものと認識、セキュリティ対策をマネジメントやガバナンスにまで高めていく必要があると考えております。

 

③ITインフラ

 当社においては、インターネットにより商品の販売を行っており、社内においてもコンピューターシステムを利用、ITインフラは業務上欠かせないものとなっております。

 しかし、ウィルス感染やサイバー攻撃等の事件・事故による被災、アクセスの急増、ソフトウエアの不備など、何らかの理由によってインターネットサービスの中断やシステム障害が発生した場合には、売上高の落ち込みや信用失墜、損害賠償請求等に基づく費用の発生などにより、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、業務効率向上のためITインフラの強化に取り組むなかで、安全性、快適性、耐障害性に配慮し、ネットワーク規程の明文化、セキュリティシステムの導入、クラウドサービスの活用等により、システムトラブルのないよう適切に整備し、デジタル化の進展に対応していく方針でおります。

 

④取引拡大対応能力

 当社においては、設備投資として最近では、もち商品(あられ・おかき)の生産増強、スピーディーな商品開発、老朽化工場の移転集約による製造コスト低減などを目的とした工場設備の新設・増強を行っております。

 これらは、当社にとって大規模な業容拡大のための投資でありますが、投下資金や償却負担等を吸収し得ない場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、生産能力増強とともに製造コスト低減を併せ進めた上で販売の伸長を図り、業容拡大に繋げていく方針にあります。特に得意分野であるもち商品のシェアアップを目指し、当社ブランドの確立に努めております。

 

⑤経営資源への依存

 当社においては、取引関係の円滑化等を目的としてWANT WANT CHINA HOLDINGS LIMITED.(以下「同社」という)の株式を保有しており、その配当は、当社キャッシュフローに貢献し財務面の安定に寄与、大きな経営資源となっております。

 これまで同社の株価および配当は安定的に推移しておりますが、何らかの理由により株価下落または配当が減少する事態が発生した場合には、当社の資産や損益面にマイナスの影響が生じるとともに、同社の事業戦略の変更も懸念され、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、同社商品の品質維持と継続的改善を目的にこれまで当社社員が常駐して技術指導を行ってきており、品質保証や開発についてもサポートするなど、同社の業容拡大に一定の貢献をしております。このように同社とは強い絆を有しておりますが、同社株式や配当については当社の裁量においてコントロールし使用しております。

 

⑥敵対的企業買収

 当社においては、不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配され、株主の皆様の利益を棄損することを防止するための取組として、2007年6月27日開催の定時株主総会の承認を得て、買収防衛策を導入し現在まで継続しております。

 実際に敵対的買収が行われた場合には、当社事業戦略の変更を余儀なくされる懸念が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、IR活動等を通じて株主の皆様のご理解をいただきながら、安定した業績を示し持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。また、当該リスクが顕在化した場合には、取締役会などで慎重に議論し適切な対応に努める方針でおります。

 

⑦固定資産の減損

 当社においては、米菓の製造販売を行っており、工場設備等の事業用固定資産を多く保有しております。

 このため、事業収益が悪化した場合や係る固定資産の時価が著しく下落した場合には、減損会計の適用により減損損失が発生する場合があり、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、安定した業績を示し持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るなかで減損の発生事由を抑えるほか、設備投資については計画段階において収支見込など将来の収益性を十分検討したうえで実行するよう努めております。

 

⑧予算・計画統制

 当社においては、年度予算を策定し予算に従って事業運営を行っております。予算案は現場部署からの積上げを基本としており、実績については、現場で差異分析のうえ乖離幅を縮める努力を行い、取り纏め部署に報告しております。取り纏め部署では、それらを総合的に分析して取締役会に報告し、現場の改善策実行等について承認を得ております。

 予算計画達成のためには、予算管理の仕組みづくりを行い計画達成の実効を上げる必要がありますが、係る体制が整わずPDCAサイクルが回らないこと等により予算計画が達成できない場合には、業績の低下に繋がるだけでなく、株主等の信頼が損なわれるなど、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、上場企業として、これまで以上に予算と実績の差異を確認し進捗や達成度を把握、適宜必要な対策を講じて、予算計画達成の実効を上げるよう努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少しております。

 そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、年度を通じて新型コロナウイルス感染症の動向に左右されるなか、年末にかけ消費者マインドが改善するなど景況感の回復傾向が窺われたものの、その後の変異株ウイルスの蔓延を受け持続的な回復には至っておりません。年度末にはウクライナ情勢が緊迫化、原油や原材料価格の高騰が顕著となっており、多くの企業で十分に価格転嫁できるか不透明な状況下、先行き厳しさを増すものと見込まれております。

 米菓業界におきましては、年度の初めに昨年の巣ごもり特需の反動が見られ、その影響は徐々に薄まったものの、変異株の蔓延が収まらず一部の消費者に慎重さが残るなか、業界大手の2月の火災による出荷自粛の影響は大きく、足元にきて販売高の前年割れが懸念される状況にあります。さらに、原材料や燃料の高騰がこれ迄にない大きなコストアップ要因となってきており、競争激化のなか価格改正も容易でなく、極めて厳しい事業環境となっております。

 このような経営環境にあって、当社グループは、中期経営計画「プライド・BEIKAプラン」の最終年度にあたり、持続的成長の実現に向けた基盤整備に努めてまいりました。新工場の最新設備を活用して商品価値を極め「美味しさと品質」を追求する姿勢を磨くとともに、生産体制の合理化を進め生産性向上に注力してまいりました。

 開発部門におきましては、お客様に感動していただける商品づくりを使命と考え、バンザイ山椒、バター餅等の新商品を上市し好評を得たほか、米菓の範疇を拡大した新機軸商品の開発に着手しており、ぬれおかきをチョコレートでコーティングした「チョコロモ」や米粉のクッキー「スノーカ」を「㈱新潟味のれん本舗」において試験販売、お客様から好感触を得て自信を深めております。

 製造部門では、引き続き主力商品を主体とする集中生産や品質の安定化に注力し、製造原価の低減に努めてまいりました。新工場の稼働に合わせ省力化投資を進め、省人と人員の流動化を図り生産の平準化に力を入れております。新工場「BEIKA Lab」の稼働により、新たな開発商品の製造や「もち商品」の生産能力増強を目論見どおりに進めております。また、「新長岡工場」に子会社向け商品の生産を集中するとともに、子会社3社を集約し、情報共有や業務効率の向上による岩塚グループシナジーの強化を優先課題として実効を上げるよう努めております。

 営業部門では、国産米100%使用を強みとした当社グループ全体でのブランド力の発信を強め、「日本のお米100%使用」として品質をアピールするとともに、主力商品、特にもち商品に集中して販売強化を図ってまいりました。また、「㈱田辺菓子舗」の営業力強化に当社主導で取り組み成果を上げているほか、地元の交流施設「ここらて」のオープンに際し直売店を「里山元気ファーム㈱」で出店するなど、グループ全体での販売力強化に努めております。

 なお、従業員とその家族および一部取引先従業員を対象に新型コロナウイルスワクチンの職域接種を実施、今後も安全安心のため必要に応じて取り組んでまいります。また、工場火災について、事業リスクが高いとしてBCPに追加し予防に努めておりましたが、実際に業界大手企業で火災事故が発生したことから、改めて管轄消防署に立合いを要請のうえ点検・整備を行っております。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ199億5百万円増加し962億77百万円となりました。

 当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ62億70百万円増加し265億87百万円となりました。

 当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ136億34百万円増加し696億89百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度における連結売上高は180億43百万円、営業損失は3億26百万円(前年同期は営業利益1億81百万円)、経常利益は14億12百万円(前年比51.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億28百万円(同58.7%減)となりました。

 なお、当社グループは米菓事業の単一セグメントであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、期首残高より5億7百万円増加し、17億73百万円(前年同期比40.1%増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 「営業キャッシュ・フロー」は23億78百万円の収入(前年同期比11億94百万円の収入減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益11億85百万円減価償却費12億88百万円を計上したこと等によるものであり、収入減少要因は、前年同期と比べて利息及び配当金の受取額が10億68百万円減少したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 「投資活動によるキャッシュ・フロー」は17億62百万円の支出(前年同期比40億68百万円の支出減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出16億94百万円を計上したこと等によるものであり、支出減少要因は、前年同期と比べて新たな工場の建設など有形固定資産の取得による支出が42億84百万円減少したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 「財務活動によるキャッシュ・フロー」は1億8百万円の支出(前年同期は17億67百万円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額1億68百万円を計上したこと等によるものであり、収入減少要因は、前年同期と比べて長期借入れによる収入が減少したこと等によるものであります。

 

 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

73.1

73.6

74.5

73.4

72.4

時価ベースの自己資本比率(%)

41.5

31.0

25.8

31.7

22.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.3

0.1

0.0

0.6

0.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

645.1

1,221.3

1,714.2

1,067.4

222.3

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

(注3)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

(注4)営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

構成比(%)

うるち米菓

11,283,348

100.3

50.1

もち米菓

9,785,923

100.2

43.4

その他

1,459,785

96.7

6.5

合計

22,529,056

100.0

100.0

 (注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

 当社グループは販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産を行っているため、受注生産は行っておりません。

c.販売実績

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

構成比(%)

米菓

17,590,169

97.5

その他

453,797

2.5

合計

18,043,966

100.0

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱食品株式会社

5,055,560

22.8

3,919,134

21.7

丸紅株式会社

5,358,588

24.2

3,651,512

20.2

コンフェックス株式会社

2,496,492

11.3

2,126,424

11.8

株式会社高山

2,606,228

11.8

1,937,865

10.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

 当連結会計年度末における総資産は962億77百万円となり、前連結会計年度末と比較して199億5百万円の増加となりました。

 流動資産は82億9百万円で前連結会計年度末と比較して1億2百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が5億7百万円、受取手形及び売掛金が7億98百万円、原材料及び貯蔵品が2億89百万円増加した一方で、1年内回収予定の長期貸付金が8億65百万円、前連結会計年度末のその他に含めております未収消費税等が5億92百万円減少したこと等によるものであります。

 固定資産は880億67百万円となり前連結会計年度末と比較して198億3百万円の増加となりました。これは主に、投資有価証券が時価評価等により188億62百万円増加したこと等によるものであります。

 当連結会計年度末における負債は265億87百万円となり、前連結会計年度末と比較して62億70百万円の増加となりました。

 流動負債は40億6百万円で前連結会計年度末と比較して5億62百万円の増加となりました。これは主に、買掛金が1億57百万円、未払消費税等が2億15百万円増加したこと等によるものであります。

 固定負債は225億81百万円となり前連結会計年度末と比較して57億8百万円の増加となりました。これは主に、繰延税金負債が56億39百万円増加したこと等によるものであります。

 当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が6億56百万円、その他有価証券評価差額金が129億61百万円増加したこと等により、696億89百万円(前連結会計年度末は560億54百万円)となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、180億43百万円となりました。商品ブランド別に見ると、TOP6商品においては、「田舎のおかき」が前年比106.1%を示すなど工場設備の増強が奏功し当社の強みである『もち商品』は伸長したものの、「黒豆せんべい」などの『うるち商品』が総じて伸び悩んだ結果、TOP6商品全体では前年比98.0%、売上構成比50.8%(前年52.7%)と前年に届きませんでした。

 しかし、2021年春に発売した「バンザイ山椒」は既存顧客のほか若年層の支持を受け好調裡に推移、同年11月の山梨県の老舗である「桔梗屋」様とのコラボ商品「きなこ餅 桔梗信玄餅味」が期間限定ながら高い実績を残すなど、新商品が「新たな岩塚ブランド」として好評を得ました。

 以上の結果、子会社各社の復調もあって、売上高は実質的に前年を上回りました(前年同期間を収益認識会計基準に引き直して比較した場合、前年比101.5%)。

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は、42億63百万円となり(前年同期間85億39百万円)、収益認識会計基準適用の影響のほか、電力・燃料費の高騰(前年同期間比2億34百万円増加)、工場設備増設に係る減価償却費の計上(同3億88百万円増加)などが大きく響き、実質的に製造原価を押し上げました。

(営業利益)

 当連結会計年度における営業利益は、前年同期間と比較し5億8百万円減少、3億26百万円の営業損失となりました(前年同期間は営業利益1億81百万円)。販売費及び一般管理費は、45億90百万円となり、配送効率の向上に努め物流費の削減を図るなど、収益認識会計基準の影響を除きほぼ前年並みに抑えたものの、製造原価の増加をカバーするまでには至りませんでした。

(経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における経常利益は、前年同期間と比較して15億26百万円減少し、14億12百万円(前年比51.9%減)となりました。これは主に、当社が株式を保有するWANT WANT CHINA HOLDINGS LIMITED.からの株式配当金15億20百万円(前年同期間比10億74百万円減少)を営業外収益の受取配当金に計上したこと等によるものであり、前年比減少要因は同社からの記念配当がなくなった反動であります。

 同様に、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期間と比較して11億77百万円減少し、8億28百万円(前年比58.7%減)となりました。

c.経営成績等に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営に影響を及ぼす大きな要因としては、経済情勢、市場動向、原材料動向および事故・災害等があり、それらへの適切な対応が重要となります。

 経済情勢としては、新型コロナウイルス感染症の動向に左右され社会経済活動が大きく制約されるなど、厳しい事業環境が続きました。世界経済においても、ウクライナ情勢が緊迫化し原油や原材料価格が高騰するなど、予断を許さない状況にあります。

 米菓市場においては、緊急事態宣言等の解除により一時的に需要の回復傾向が見られましたが、その後の変異株の蔓延もあって、引き続き厳しい事業環境にあります。さらに、業界大手の火災事故を受け米菓市場の縮小が懸念されるなか、業界を挙げて増産体制を敷き商品供給に対応しております。

 原材料動向では、原料米価格こそ落ち着いておりますが、円安・原油高に加え農産物需給もひっ迫してきており原材料資材が高騰、係るコストアップ要因への対応が大きな課題となっております。このため、主力商品への集中販売や生産効率の向上に改めて取り組むほか、調達手段・方法等を検証しコスト削減に取り組むことが急務となっております。

 このような環境のなか、当社グループは安全安心体制の構築を前提としたうえで生産性向上と品質安定への取組みを強化するとともに、労働災害等の未然防止や働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

1)資本政策

 当社グループの資本政策は、中長期的な株主価値の向上に資するべきでありそのためには持続的成長が前提になるとの考えの下、投下資本と許容リスクを勘案のうえ収益力と財務基盤を強固にし、株主資本を維持・充実するものとしております。また、支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策については、慎重に検討し、実施する場合は、適切な手続きを確保し、投資家・株主に十分な説明を行ってまいります。

 当社グループの最大の課題は売上高営業利益率の向上であり、営業利益の安定確保を当面の目標として株主価値の向上を目指すとともに、1株当たり当期純利益と配当性向を高め、株主還元に留意した配当政策を検討することとしております。

 

2)資金需要

 当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要の2つであります。

 運転資金需要のうち主なものは、製品を製造するための製造費用及び販売するための販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要としましては、主に工場の建設や機械装置等の購入によるものであります。

 

3)財務政策

 当社グループは現在、運転資金につきましては内部資金により充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備計画に基づき資金調達計画を作成し、内部資金で不足する場合には、長期借入金等により調達を行っております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社経営陣は、過去の実績や状況に応じた合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、資産・負債の簿価や収益・費用の報告数値についての基礎としております。

 この連結財務諸表の作成にあたり重要な会計上の見積りは以下のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 a.繰延税金資産

 当社グループは、将来の課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。

 将来の課税所得の見積りの変更等により繰延税金資産が減額され税金費用が計上される場合があります。

 b.退職給付費用

 当社グループの退職給付費用及び退職給付債務の計算には、割引率、予想昇給率、発生した給付額、利息費用などの要素が含まれております。割引率については、安全性の高い債券の利回り(国債金利)を基礎として算定しております。

 これら要素の変動等により退職給付費用の計上額が増額になる場合があります。

 c.投資有価証券の減損

 当社グループは取引関係等の円滑化のために株式を保有しております。これらの株式には、市場価格のない株式等以外の株式と、市場価格のない株式等が含まれております。市場価格のない株式等以外の株式は、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て評価損の認識を行い、30~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について評価損の認識を行っております。また、市場価格のない株式等は、実質価額又は純資産価額が取得原価に比べ50%以上下落した場合において、回復可能性等があると認められないものは、評価損の認識を行っております。

 将来の市場状況の悪化又は投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる場合があります。

 d.固定資産の減損損失

 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、当社グループ全体を1つの資産グループとしてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した場合に固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上することとしております。

 将来の当社グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動等により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、中期経営計画『プライド・BEIKAプラン~「米菓」から「BEIKA」へ』の最終年度にあたり、これまでの「米菓」という殻を破り、新しい発想による商品の開発に努めてまいりました。

 当連結会計年度におきましては、お米を使った新しい食感と風味のクッキーの「スノーカ」、チョコレートとぬれおかきを融合させた「チョコロモ」など、これまでの米菓にとらわれない商品開発を新たな開発拠点である「BEIKA Lab」で進めてまいりました。

 また、ロングセラー商品の「お子様せんべい」を、時代に合ったベビーせんべいにすべくプロジェクトを進め、大胆なリニューアルを行いました。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は282,390千円となっております。