(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融緩和策の継続により雇用・所得環境の改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかし、新興国経済の成長鈍化や欧州、中東における地政学的リスクの高まりに加えて、米国新政権による政策動向等の海外情勢の変化が及ぼす影響も拡大していることから、先行き不透明な状況が続いております。
当業界におきましては、消費者の節約志向は依然として根強く、個人消費が低迷するなかで、激しい価格競争は続いており、引き続き厳しい経営環境となりました。
こうしたなかで、当社グループはパネトーネ種の特長を活かした新製品の開発並びに品質の改良に積極的に取り組むとともに、新たな販路の開拓に努めました。新製品としましては、食べやすい小ぶりサイズのシリーズとなる「デニッシュチョコミニ」「デニッシュミルクミニ」「デニッシュメープルミニ」、食物繊維が手軽に摂取できる健康志向のパンとして「ブランデニッシュミルク」、初の缶詰製品として「缶詰チョコパネトーネ」等7品を発売したほか、PB製品として5品を発売しました。また、新たな販路として、テレビ通販による販売にも取り組みました。
売上高につきましては、平成28年4月の熊本地震に対する大規模な救援活動に伴う食糧需要の発生や、生活協同組合、自販機オペレーター、通信販売等の販売チャネルにおいて堅調に推移し、前連結会計年度実績を上回る結果となりました。
利益面につきましては、特に主原料価格やエネルギーコストの低下、一部製品の値上げ効果が寄与したほか、前連結会計年度では給与計算期間の変更に伴う調整費用を計上していたこと等により、前連結会計年度実績を上回る経常利益を確保することができました。加えて、繰延税金資産の回収可能性の検討をふまえ、繰延税金資産の計上を行い、法人税等調整額△47百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、前連結会計年度実績を上回る結果となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は56億円(前連結会計年度比1.9%増)、経常利益2億5千5百万円(前連結会計年度比68.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2億1千7百万円(前連結会計年度比119.0%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4百万円減少(前年同期比1.9%減)し、当連結会計年度末には2億4千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4億7千4百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益(2億5千万円)、減価償却費(2億8千5百万円)、売上債権の増加(3千6百万円)、法人税等の支払額(7千7百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2億5百万円(前年同期比20.2%増)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出(1億6千6百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2億7千3百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
これは主に長期借入金の返済による支出(2億3千4百万円)、社債の償還による支出(1億円)、リース債務の返済による支出(6千3百万円)、長期借入金の借入による収入(1億円)、短期借入金の純増加額(5千万円)等によるものであります。
当社グループはロングライフパンの製造及び販売事業の単一セグメントであるため、以下の記載については品目別に記載しております。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと次のとおりであります。
|
品目別 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
デニッシュ |
2,511,501 |
106.6 |
|
クロワッサン |
1,823,519 |
97.1 |
|
ワッフル |
593,066 |
89.0 |
|
パネトーネ |
34,437 |
112.0 |
|
その他 |
742,937 |
108.7 |
|
合計 |
5,705,462 |
101.6 |
(注)1.上記の金額は、販売価格を基礎として算定しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと次のとおりであります。
|
品目別 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
デニッシュ |
2,475,927 |
106.5 |
|
クロワッサン |
1,802,537 |
97.8 |
|
ワッフル |
590,880 |
89.4 |
|
パネトーネ |
32,115 |
109.5 |
|
その他 |
699,152 |
109.9 |
|
合計 |
5,600,614 |
101.9 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
日本生活協同組合連合会 |
524,355 |
9.5 |
577,234 |
10.3 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の見通しにつきましては、消費者の節約志向、低価格志向が根強いなか、原料価格の上昇やエネルギーコストの増加、さらに長期的には少子高齢化といった影響等から、経営環境は引き続き厳しいものとなることが見込まれます。
こうしたなかで、当社は、平成30年3月期から平成34年3月期までの5ヵ年を対象期間とする中期経営計画をスタートさせました。この中期経営計画の達成を目指して、初年度となる平成30年3月期の経営方針として、①独自の商品力で需要開拓し、計画的な営業推進と収益力アップ、②業務プロセスの効率化と徹底的なコスト削減、③全員参加で現場力を向上、という目標を掲げ、ロングライフパンのトップメーカーとしてのブランド力を高めながら、企業価値の向上と持続的な成長に努めてまいります。
製造部門におきましては、生産ラインの安定稼動、購買・調達コストの見直し、安全対策による事故防止の徹底等を推進し、一層の原価低減を目指してまいります。
開発部門におきましては、当社製品の根幹であるパネトーネ種の特長を活かしつつ、長寿社会や健康志向の高まり等に対応した付加価値の高い製品の開発に注力してまいります。品質管理部門におきましても、食の安全・安心を第一と考え、品質管理のレベル向上に注力しながら、法令等に則った安全対策を確実に行い、お客様からの信頼に応えられるよう努めてまいります。
営業部門におきましては、安定的な売上高の増加と収益の確保を目指して、海外を含めた新たな販売チャネル及び中核的な新規取引先の開拓を積極的に推進していくとともに、販売ロスの削減を図り、販売先毎の取引採算の改善に注力してまいります。通信販売部門におきましては、通信販売限定製品の企画や時宜に合ったキャンペーン展開等を充実させ、さらなる売上高の増加を図ってまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のものであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 食品の安全性について
近年、食品業界におきましては、製品の規格や産地の偽装問題、賞味期限についての虚偽表示や誤表示など、食の安全・安心を揺るがす事件がたびたび発生しております。消費者の食品の安全性に対する関心はますます高まっており、この対応を誤れば企業の存続に関わる大きなダメージにつながります。
こうしたリスク回避のために当社グループではISO9001に基づき、各種品質関連マニュアルの徹底による事前防止システムを確立し、食の安全・安心について万全の体制で臨むとともに、万一発生した場合の対応マニュアルの整備や、生産物賠償責任保険の付保を行っております。
しかし、予期せぬ製品の欠陥の発生や、仕入原料に不適切な物質の使用・混入あるいはその他の原因により、大規模な製品回収や製造物責任が発生した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 製品の供給体制について
当社グループの製品は、ロングライフである特性を活かして、本社工場のみで製造し、全国に販売しております。そのため、事故や地震、台風等の自然災害が発生し、本社工場が重大な被害を受け操業停止となった場合、関東における一部の在庫製品を除き、製品の供給が全面的に停止することが想定されます。従って、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた自然災害等が発生した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料の調達及び価格変動について
当社製品の主要原材料は、小麦粉、砂糖、油脂等農産物の一次加工品であり、卵、レーズン等の農産物も原料として多量に使用しております。これらの生産地域の異常気象等による収穫量の減少や消費量の急激な増加のために需給が逼迫する可能性があります。また、原油価格の上昇等により、重油等の燃料や石油製品である包装材料、容器類の価格上昇が生じる可能性があります。
また、当社グループでは、原材料を安定的に確保するため、仕入先について、調査機関や業界からの情報収集に基づく経営状況の見極め、調達先の分散によるリスク回避等に努めておりますが、ロングライフパンという当社グループ製品の特性から、使用する原材料にも特殊性が求められ、突発的な事情による経営破綻等により、原材料の安定的な調達ができなくなる可能性があります。
上記理由により、原材料の調達が不可能となった場合、または仕入価格が高騰した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制について
当社グループは、食品衛生法、PL法(製造物責任法)、不当景品類及び不当表示防止法や環境・リサイクル関連法規など、各種の法的規制を受けております。これらの規制を遵守できない場合には、当社の活動が制限される可能性や、コストの増加を招く可能性があります。こうしたことから、各種社内規定の整備を行うとともに、主管部門及び関連する部署が連携してすべての法的規制を遵守するように取り組んでおります。
しかし、予測外の法的規制の強化や新たな規制が発生し、当社の事業活動の制限やコスト増加が発生した場合には、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの経営理念「パネトーネ種の素材を生かし、おいしさを通じて人々により多くのコミュニケーションを提供する」に則り、嗜好の多様化が進展するなか、市場ニーズの変化に迅速に対応するべく、新製品の研究・開発を行っております。
基礎研究として当社は、東京農業大学岡田早苗名誉教授、田中尚人教授と共同で、イタリア北部コモ湖周辺にのみ生息し、他の地域において維持管理が困難とされるパネトーネ種の品質保持のための微生物学的研究を継続しております。また、パネトーネ種中の微生物が及ぼすパンへの影響を明らかにするため、岐阜大学岩本悟志教授と共同研究を行っております。
既存製品の見直し、新規素材のテストも進めており、品質を落とさず保存期間の延長をする為の研究も行っております。また、大手コンビニエンスストア様との商品の共同開発も継続して行っております。
これらの研究開発に要した当連結会計年度における研究開発費は45,691千円であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5(経理の状況)の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
繰延税金資産の回収可能性の評価
当社は繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その実現可能性について毎期検討し、内容の見直しを行っておりますが、将来の課税所得の見込みの変化やその他要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1億6百万円増加し、43億1千7百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ4千4百万円増加し、13億2千5百万円となりました。これは、主に受取手形及び売掛金の増加(2千2百万円)、電子記録債権の増加(1千4百万円)、商品及び製品の増加(7百万円)等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ6千1百万円増加し、29億9千1百万円となりました。これは、主に繰延税金資産の増加(4千4百万円)、リース資産の増加(3千万円)、無形固定資産の増加(2千9百万円)、機械装置及び運搬具の減少(3千3百万円)等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ8千8百万円減少し、31億7千5百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1億6千9百万円増加し、25億6千4百万円となりました。これは、主に1年内返済予定の長期借入金の増加(1億2千4百万円)、未払金の増加(5千3百万円)、短期借入金の増加(5千万円)、買掛金の増加(1千7百万円)、1年内償還予定の社債の減少(1億円)等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ2億5千8百万円減少し、6億1千1百万円となりました。これは、主に長期借入金の減少(2億5千9百万円)等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ1億9千5百万円増加し、11億4千2百万円となりました。これは、主に利益剰余金の増加(1億9千3百万円)等によるものであります。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
品目別では、「デニッシュ群」は24億7千5百万円、「クロワッサン群」は18億2百万円、「ワッフル群」は5億9千万円、「パネトーネ群」は3千2百万円、セット製品などが含まれる「その他」は6億9千9百万円となりました。
また、業態別では、「生活協同組合」が21億2千9百万円、「自動販売機オペレーター」が12億9千2百万円、「卸問屋」が4億6千6百万円、その他が17億1千2百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、56億円となりました。
(売上原価および売上総利益)
売上原価は36億7千万円で売上原価率は65.5%となりました。その内、原材料費が21億4百万円、労務費が8億7千3百万円、経費が7億5千2百万円となりました。また、売上総利益は19億3千万円で売上高総利益率は34.5%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、16億7千3百万円で売上高比29.9%となりました。その内、人件費が6億5千7百万円、配送費が4億7千4百万円、賃借料が4千6百万円、諸手数料が9千8百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は2億5千5百万円で売上高経常利益率は4.6%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は2億1千7百万円で売上高比3.9%となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性について
第2〔事業の状況〕1〔業績等の概要〕(2) キャッシュ・フローの項目をご参照ください。