第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、平成31年3月期の経営方針として、①独自の商品力で需要開拓し、計画的な営業推進と収益力アップ、②業務プロセスの効率化と徹底的なコスト削減、③全員参加で現場力を向上、という目標を掲げ、経営基盤強化に向けた活動を展開してまいります。

 製造部門におきましては、生産ラインの安定稼動、安全対策による事故防止の徹底、生産性向上に努めてまいります。開発部門におきましては、当社製品の根幹であるパネトーネ種の特長を活かし、長寿社会や健康志向等に対応した付加価値の高い製品開発に注力してまいります。品質管理部門におきましても、食の安全・安心を第一と考え、品質管理のレベル向上に注力しながら、法令等に則った安全対策を確実に行い、お客様からの信頼に応えられるよう努めてまいります。

 営業部門におきましては、収益性の向上による体質強化をめざし、海外を含めた新たな販路の開拓を積極的に推進するとともに、配送方法の見直しも行いながら取引採算の改善に注力してまいります。通信販売部門におきましては、通信販売限定製品の企画や時宜に適したキャンペーン等の充実により、利用増加を図ってまいります。

 以上によりまして、次期の見通しにつきましては、売上高58億8千万円、営業利益1億5千万円、経常利益1億4千5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益8千万円を見込んでおります。

 また、上記の業績予想は本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のものであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

  (1) 食品の安全性について

 近年、食品業界におきましては、製品の規格や産地の偽装問題、賞味期限についての虚偽表示や誤表示など、食の安全・安心を揺るがす事件がたびたび発生しております。消費者の食品の安全性に対する関心はますます高まっており、この対応を誤れば企業の存続に関わる大きなダメージにつながります。

 こうしたリスク回避のために当社グループではISO9001に基づき、各種品質関連マニュアルの徹底による事前防止システムを確立し、食の安全・安心について万全の体制で臨むとともに、万一発生した場合の対応マニュアルの整備や、生産物賠償責任保険の付保を行っております。

 しかし、予期せぬ製品の欠陥の発生や、仕入原料に不適切な物質の使用・混入あるいはその他の原因により、大規模な製品回収や製造物責任が発生した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 製品の供給体制について

当社グループの製品は、ロングライフである特性を活かして、本社工場のみで製造し、全国に販売しております。そのため、事故や地震、台風等の自然災害が発生し、本社工場が重大な被害を受け操業停止となった場合、関東における一部の在庫製品を除き、製品の供給が全面的に停止することが想定されます。従って、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた自然災害等が発生した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 原材料の調達及び価格変動について

当社製品の主要原材料は、小麦粉、砂糖、油脂等農産物の一次加工品であり、卵、レーズン等の農産物も原料として多量に使用しております。これらの生産地域の異常気象等による収穫量の減少や消費量の急激な増加のために需給が逼迫する可能性があります。また、原油価格の上昇等により、重油等の燃料や石油製品である包装材料、容器類の価格上昇が生じる可能性があります。

また、当社グループでは、原材料を安定的に確保するため、仕入先について、調査機関や業界からの情報収集に基づく経営状況の見極め、調達先の分散によるリスク回避等に努めておりますが、ロングライフパンという当社グループ製品の特性から、使用する原材料にも特殊性が求められ、突発的な事情による経営破綻等により、原材料の安定的な調達ができなくなる可能性があります。

上記理由により、原材料の調達が不可能となった場合、または仕入価格が高騰した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  (4) 法的規制について

 当社グループは、食品衛生法、PL法(製造物責任法)、不当景品類及び不当表示防止法や環境・リサイクル関連法規など、各種の法的規制を受けております。これらの規制を遵守できない場合には、当社の活動が制限される可能性や、コストの増加を招く可能性があります。こうしたことから、各種社内規定の整備を行うとともに、主管部門及び関連する部署が連携してすべての法的規制を遵守するように取り組んでおります。

 しかし、予測外の法的規制の強化や新たな規制が発生し、当社の事業活動の制限やコスト増加が発生した場合には、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善が見られ、緩やかながらも長期にわたって景気の拡大が継続しましたが、世界経済に大きな影響力を持つ米国や中国等の政策動向に加え、一部地域での地政学リスクの高まり等から、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当業界におきましては、原料価格の上昇に加え、人手不足を背景とした物流費等の増加が収益圧迫要因となる一方、根強い家計の節約志向から個人消費が低迷するなかで激しい価格競争が続き、厳しい経営環境となりました。

 このような環境下、当社グループは、パネトーネ種の特長を活かした新製品の開発等に積極的に取り組むとともに、新たな販路の開拓に努めてまいりました。新製品としましては、夏季限定製品の「デニッシュピーチヨーグルト」、食物繊維を手軽に摂取できる健康志向のパンとして「ブランデニッシュプレーン」、「ブランデニッシュチョコ」、チョコレートを贅沢にコーティングした「チョコレートワッフル」に加え、PB製品3品を発売したほか、デニッシュ等16品を賞味期限60日へロングライフ化してリニューアル発売しました。また、海外販路の開拓について本格的な取組を開始し、香港、シンガポール等で開催された国際食品見本市に出展し、積極的なマーケティング活動を展開した結果、国内の輸出業者を通してアジア、オセアニア地域での販売を徐々に広げることができました。

 売上高につきましては、生活協同組合、自販機オペレーター、宅配等の販売チャネルにおいて堅調に推移し、前連結会計年度実績を上回る結果となりました。

 利益面につきましては、経費全般の圧縮削減に注力いたしましたが、運送業界に広がった配送料金の大幅な値上げに加え、主原料価格やエネルギーコストの上昇等の影響から前連結会計年度実績を下回る結果となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は56億5千2百万円(前連結会計年度比0.9%増)、経常利益2億6百万円(前連結会計年度比19.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億3千万円(前連結会計年度比40.0%減)となりました。

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3億6千6百万円増加し、46億8千3百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ3億4千2百万円増加し、16億6千8百万円となりました。これは、主に現金及び預金の増加(3億1千6百万円)、受取手形及び売掛金の増加(3千6百万円)、電子記録債権の増加(1千2百万円)等によるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ2千3百万円増加し、30億1千4百万円となりました。これは、主に機械装置及び運搬具の増加(5千2百万円)、リース資産の増加(1千2百万円)、建物及び構築物の減少(3千万円)、投資有価証券の減少(1千3百万円)等によるものであります。

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億6千9百万円増加し、34億4千4百万となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ7千7百万円増加し、26億4千1百万円となりました。これは、主に買掛金の増加(1億6千3百万円)、未払金の増加(5千2百万円)、1年内返済予定の長期借入金の減少(1億4千1百万円)等によるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億9千2百万円増加し、8億3百万円となりました。これは、主に社債の増加(1億円)、長期借入金の増加(8千2百万円)、役員退職慰労引当金の増加(1千1百万円)等によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ9千6百万円増加し、12億3千9百万円となりました。これは、主に利益剰余金の増加(1億6百万円)等によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億1千6百万円増加(前年同期比131.3%増)し、当連結会計年度末には5億5千7百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は6億3千6百万円(前年同期比34.3%増)となりました。

  これは主に税金等調整前当期純利益(2億4百万円)、減価償却費(2億9千1百万円)、たな卸資産の減少(2千8百万円)、仕入債務の増加(1億6千3百万円)、売上債権の増加(4千9百万円)等によるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は2億6千6百万円(前年同期比29.5%増)となりました。

  これは主に有形固定資産の取得による支出(2億3千9百万円)等によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は5千3百万円(前年同期比80.3%減)となりました。

  これは主に長期借入金の返済による支出(3億5千9百万円)、長期借入金の借入による収入(3億円)等に

 よるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループはロングライフパンの製造及び販売事業の単一セグメントであるため、以下の記載については品目別に記載しております。

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと次のとおりであります。

品目別

金額(千円)

前年同期比(%)

デニッシュ

2,543,882

101.3

クロワッサン

1,838,207

100.8

ワッフル

536,055

90.4

パネトーネ

25,086

72.8

その他

783,077

105.4

合計

5,726,308

100.4

 (注)1.上記の金額は、販売価格を基礎として算定しております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと次のとおりであります。

品目別

金額(千円)

前年同期比(%)

デニッシュ

2,516,241

101.6

クロワッサン

1,838,717

102.0

ワッフル

537,701

91.0

パネトーネ

23,081

71.9

その他

736,996

105.4

合計

5,652,737

100.9

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本生活協同組合連合会

577,234

10.3

640,612

11.3

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5(経理の状況)の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。

 

繰延税金資産の回収可能性の評価

当社は繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その実現可能性について毎期検討し、内容の見直しを行っておりますが、将来の課税所得の見込みの変化やその他要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりです。売上高は、品目別では、「デニッシュ群」は25億1千6百万円、「クロワッサン群」は18億3千8百万円、「ワッフル群」は5億3千7百万円、「パネトーネ群」は2千3百万円、セット製品などが含まれる「その他」は7億3千6百万円となりました。

また、業態別では、「生活協同組合」が21億6千5百万円、「自動販売機オペレーター」が13億4千3百万円、「卸問屋」が4億8千1百万円、その他が16億6千3百万円となりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は、56億5千2百万円となりました。

売上原価は37億7百万円で売上原価率は65.6%となりました。その内、原材料費が21億3百万円、労務費が9億1千1百万円、経費が7億2千3百万円となりました。また、売上総利益は19億4千5百万円で売上高総利益率は34.4%となりました。

販売費及び一般管理費は、17億4千3百万円で売上高比30.8%となりました。その内、人件費が6億7千2百万円、配送費が5億2千3百万円、賃借料が4千5百万円、諸手数料が1億1百万円となりました。

経常利益は2億6百万円で売上高経常利益率は3.7%となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は1億3千万円で売上高比2.3%となりました。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は22億7千9百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5億5千7百万円となっております。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については次のとおりです。当社グループは、中長期的に資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の向上を目指す価値創造企業でありたいと考えております。このため、ROEを重要な指標として位置付けており、中期経営計画として4年後の平成33年度にROE10.0%以上の達成を目指しております。

当連結会計年度におけるROEは10.9%であり、引き続き当該指標の達成に邁進していく所存でございます。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

    該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループの経営理念「パネトーネ種の素材を生かし、おいしさを通じて人々により多くのコミュニケーションを提供する」に則り、嗜好の多様化が進展するなか、市場ニーズの変化に迅速に対応するべく、新製品の研究・開発を行っております。

基礎研究として当社は、東京農業大学岡田早苗名誉教授、田中尚人教授と共同で、イタリア北部コモ湖周辺にのみ生息し、他の地域において維持管理が困難とされるパネトーネ種の品質保持のための微生物学的研究を継続しております。また、パネトーネ種中の微生物が及ぼすパンへの影響を明らかにするため、岐阜大学岩本悟志教授と共同研究を行っております。

既存製品の見直し、新規素材のテストも進めており、品質を落とさず保存期間の延長をする為の研究も行っております。また、大手コンビニエンスストア様との商品の共同開発も継続して行っております。

これらの研究開発に要した当連結会計年度における研究開発費は44,841千円であります。