第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

 

[季節性要因による影響について]

 当社グループの業績は、国内酒類、国際、食品・飲料、外食の各事業の需要に大きな季節変動があります。このため、当第1四半期連結累計期間においては、売上高が他の四半期と比較して低くなる傾向があります。

 

(1)業績の状況

 当第1四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年3月31日)の日本経済は、緩やかな回復基調で推移しましたが、個人消費は力強さに欠ける状況が続いています。また、地政学リスクも高まってきており、先行きの不透明感が増す情勢となりました。

 このような経済環境のもと、当社グループの売上高は、国内酒類事業でビールや多層化商品の売上数量が前年同期を上回り、また、国際事業で北米における酒類や飲料の売上数量が伸長したことや、食品・飲料事業でも売上数量が食品、飲料ともに前年同期を上回ったことなどから、増収となりました。

 営業損益は、各事業セグメントが増収となった一方、国内酒類事業において積極的なブランド投資を行った影響等により、前年同期並みの水準となりました。

 その結果、連結売上高1,177億円(前年同期比63億円、6%増)、営業損失14億円(前年同期は14億円の損失)、経常損失19億円(前年同期は22億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失23億円(前年同期は20億円の損失)となりました。

 

 以下、事業セグメント別の概況は記載のとおりです。

 

〔国内酒類事業〕

 国内におけるビール類総需要は、前年同期を若干下回ったと推定されます。

 このような中で、国内酒類事業は、経営ビジョン「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を継続し、当社グループならではの価値の提供を積み重ねるとともに、「ビール復権宣言」を事業方針に掲げ、ビールに積極的な投資をすることで、さらなる成長を目指しています。

 ビールでは、好調な売上を維持し続けている「サッポロ生ビール黒ラベル」の缶製品が牽引しました。また、「ヱビス」ブランドも、3月新発売の「ヱビス華みやび」がお客様の支持を得て売上を伸ばし、ビール合計の売上数量は前年同期比で105%となりました。発泡酒では、「極ZERO(ゴクゼロ)」の売上は前年同期を下回りましたが、新ジャンルでは、「麦とホップ」ブランドが前年並みの売上と堅調に推移しています。結果、ビール類合計の売上数量は前年同期並みとなりました。

 RTD(※1)では、高付加価値のコラボ新商品である西日本限定「愛のスコールホワイトサワー」が好評を博しています。「男梅サワー」「キレートレモンサワー」などの主軸商品も順調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。

 ワインでは、輸入ワインの「ペンフォールズ」、シャンパーニュ「テタンジェ」や、日本ワイン「グランポレール」などのファインワイン(※2)の販売強化を図り、売上高は前年同期を上回りました。

 洋酒では、「バカルディ」「デュワーズ」などの主力ブランドが好調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。

 和酒では、甲乙混和芋焼酎売上No.1(※3)の「こくいも」が引き続き好調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。

 以上の結果、国内酒類事業の売上高は544億円(前年同期比13億円、3%増)となり、営業損失は19億円(前年同期は18億円の損失)となりました。

※1 RTD : Ready To Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料

※2 ファインワイン:中高級価格(1本1,500円以上)ワイン

※3 インテージSRI甲乙混和芋焼酎市場2015年1月~2016年12月累計販売金額全国SM/CVS/酒DSの合計

 

〔国際事業〕

 北米におけるビール市場の総需要は、アメリカ、カナダともに前年同期を下回ったと推定されます。アジア経済は依然底堅いものの、成長率が鈍化し、各国・地域ごとの景気動向にもばらつきが見られました。

 このような中で、国際事業は、北米及び東南アジアにおけるプレミアムビール市場を中心にブランド力の強化に取り組み、アメリカでは果汁飲料の販路拡大を行いました。

 北米では、カナダにおいて、「スリーマン社」が主力のプレミアムブランドへのマーケティング投資を継続した結果、「スリーマン社」のビール売上数量(「サッポロ」ブランドを除く)は前年同期比103%となりました。アメリカのビール市場において、「サッポロUSA社」がアメリカ一般市場やアジア系市場への展開を進めた結果、同社の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前年同期比110%となりました。アメリカの飲料市場においては、「シルバー スプリングス シトラス社」及び「カントリー ピュア フーズ社」の業務用飲料や果汁シャーベットが好調に推移しており、売上高は前年同期を上回りました。

 東南アジアでは、ベトナムにおいて、1月からの酒税増税や旧正月商戦が前年に比べ短期化した影響により、ビール売上数量は前年同期を下回りました。シンガポールでは、家庭用及び業務用市場への販路拡大に継続して取り組みました。

 その他のエリアでは、韓国において、家庭用及び業務用市場で「Sapporo Premium Beer」の取扱店が増えた結果、ビール売上数量が前年同期を上回りました。オセアニアでは、現地でのライセンス生産を核として同市場での販売強化に取り組んでおり、ビール売上数量は前年同期を上回りました。

 これらの取り組みを通じて、国際事業全体の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前年同期比111%となりました。

 以上の結果、国際事業の売上高は166億円(前年同期比12億円、8%増)となり、営業損失は2億円(前年同期は3億円の損失)となりました。

 

〔食品・飲料事業〕

 国内における飲料の総需要は、前年同期比101%と推定されます。

 このような中で、食品・飲料事業は、「食感系」・「素材系」・「がぶ飲み」ブランドのラインナップ強化を図り、当社グループ独自の価値提案を行っています。

 国内飲料では、レモン飲料において、世界の素材を組み合わせた「ワールドレモネード パクチー&レモネード」や、レモンの味わいにこだわった「レモンの雫」を新発売し、お客様の多様な嗜好に対応して競合他社との差別化を図りました。国産希少素材を活かした国産無糖茶のラインナップにおいては、「知覧にっぽん紅茶 無糖 京桜の香り」を期間限定で発売しました。

 国内食品では、もちもちで食感の良い独自の米具材を開発し、カップ入りリゾットの「リゾランテ」ブランドを立ち上げました。レモン食品においては、基幹商品の「ポッカレモン100」の売上が堅調に推移し、売上高は前年同期比106%となりました。その他、豆乳飲料・豆乳ヨーグルトにおいては、当社グループ独自の植物性乳酸菌「SBL88」を配合した「プラス乳酸菌豆乳飲料」を発売しました。

 国内外食では、カフェチェーン「カフェ・ド・クリエ」を展開する「ポッカクリエイト社」が、書店・病院への積極的な店舗展開を行うとともに、新たな業態である「メゾン・ド・ヴェール」ブランドの確立を図りました。このような取り組みの結果、直営店の売上が堅調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。

 海外飲料では、緑茶で約70%のシェアを占め、お茶カテゴリーでNo.1のシェア(※)を有するシンガポールでのポジションを維持しながら、マレーシアなど、他エリアへの輸出拡大を図りました。また、インドネシアの「ポッカ ディーマ インターナショナル社」において、現地工場の商業生産に向けた準備が整いました。

 以上の結果、食品・飲料事業の売上高は315億円(前年同期比13億円、4%増)となり、営業損失は6億円(前年同期は6億円の損失)となりました。

※ Nielsen Singapore MarketTrack March 2016(Copyright c 2016, The Nielsen Company)

 

〔外食事業〕

 国内外食市場は、業界全体としては回復傾向にあるものの、人員不足に伴う採用コストや食材の仕入価格は上昇基調にあり、依然として厳しい経営環境にありました。

 このような中で、外食事業は、企業理念である「JOY OF LIVING~生きている喜び~」のもと、安全・安心な商品の提供を心がけ「お客様へ100%満足の提供」を目指す店舗づくりを進めました。

 国内では、「ヱビスバー」を2月に中四国エリア初となる広島に、3月には新横浜に出店しました。また、基幹店舗である「ビヤホール ライオン銀座七丁目店」のリフレッシュ改装を実施しました。一方で、不採算店等3店舗を閉鎖したことにより、3月末の国内店舗数は199店舗となりました。

 シンガポールにおいても、地域に愛される店舗づくりを進めています。市内中心部にある「とん吉 オーチャードセントラル店」の全面改装を行い、新たなブランド「とん吉 北海道」として業態転換を行ったほか、3店舗の改装を実施しました。一方で、ケーキの販売店「RIVE GAUCHE(リヴゴーシュ)」を1店舗閉鎖したことにより、3月末のシンガポール店舗数は13店舗となりました。

 以上の結果、外食事業の売上高は64億円(前年同期比6億円、11%増)となり、営業損失は2億円(前年同期は1億円の損失)となりました。

 

〔不動産事業〕

 不動産業界は、首都圏オフィス賃貸市場において、オフィス需要が堅調なことから引き続き空室率は低い水準で推移しており、賃料水準も緩やかな上昇傾向が継続しています。

 このような中で、不動産事業では、収益の柱となっている「恵比寿ガーデンプレイスタワー」をはじめ、首都圏を中心に保有する各物件で高稼働率を維持しています。また、既存テナントの賃料水準引き上げについても積極的に取り組みを進めています。

 複合商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」では、施設の新たな付加価値創出やブランド価値向上を目指して、渋谷区民も利用可能な「コンソーシアム型」(複数企業向け)の事業所内保育所を4月の開所に向けて整備するとともに、展望レストラン街39階の改修工事などリニューアルを推進しています。
 平成28年9月に開業した複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」は、通年稼働による収益貢献を見込んでいます。施設コンセプトである「発信と交流の拠点」としてさらに情報発信力を高め、ブランド価値向上に取り組んでいくとともに、街の賑わい創出や集客向上に貢献していきます。また、札幌市が都心まちづくりの重点地区と位置付けて進めている「創成川以東地区」の再整備計画に合わせ、複合商業施設「サッポロファクトリー」の改装を進めるとともに、隣地駐車場跡地の再開発を着実に推進しています。

 以上の結果、不動産事業の売上高は59億円(前年同期比5億円、10%増)、営業利益は29億円(前年同期比3億円、12%増)となりました。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 なお、当社は株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「会社の支配に関する基本方針」といいます。)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

I 会社の支配に関する基本方針

 当社は、持株会社として、国内酒類事業、国際事業、食品・飲料事業、外食事業及び不動産事業を主体とする当社グループの事業の全体にわたる経営を統括しており、その経営に当たっては、幅広いノウハウと豊富な経験、並びに国内外の顧客・従業員及び取引先等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への理解が不可欠です。したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者に、これらに関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を毀損してしまう可能性があり、明らかに当社株主の共同の利益を著しく損なうと判断される当社株券等の大規模な買付行為(以下「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を以下「大規模買付者」といいます。)に対して当社取締役会が適切と考える措置を取ることも、当社株主の共同の利益を守るために必要であると考えます。

 

Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取り組み

 当社は平成28年11月に、平成29年(2017年)からグループ創業150周年に当たる平成38年(2026年)までの10年間に進むべき方向性を定めた「サッポログループ長期経営ビジョン『SPEED150』」を策定し、発表しました。『SPEED150』では、グループ成長の源泉を、創業以来140年の歴史の中で培われた「ブランド資産」であると改めて認識した上で、グループのコア事業を『酒』『食』『飲』の3分野と位置づけます。既存事業の成長に加え、「『食』領域の拡大」と「グローバル展開の推進」を戦略テーマに掲げながら、不動産とともにグループ保有のブランドを育成・強化していきます。

 また当社は、純粋持株会社体制に移行する以前の平成11年3月から執行役員制を導入し、平成14年3月から取締役任期を1年に短縮するなど、積極的にガバナンス体制の強化に取り組んでまいりました。平成15年7月に純粋持株会社体制に移行して以降、段階的に独立社外取締役の増員を図っており、平成21年より3名の独立社外取締役を選任しております。今後も、当社では、「基本方針」に基づき、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け、ガバナンスの強化充実に取り組んでいく所存です。

 

Ⅲ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

 当社は、Ⅰで述べた会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため、大規模買付行為が行われる場合、大規模買付者には一定の合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)にしたがっていただくこととし、これを遵守した場合及び遵守しなかった場合につき一定の対応方針を定め、これらを取りまとめて当社株券等の大規模買付行為への対応方針(以下「本対応方針」といいます。)として定めています。

 当社の定める大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、当社取締役会の意見を提供し、更には当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会の提供を保証することを目的として、大規模買付者に対して、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供することを求めており、大規模買付行為は、その後に設定される当社取締役会のための一定の評価期間が経過した後にのみ開始されるものとしています。大規模買付者がかかる大規模買付ルールを遵守した場合、当社取締役会は、当該大規模買付行為が明らかに当社株主の共同の利益を著しく損なうと判断される場合を除き、大規模買付行為に対する対抗措置は取りません。他方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、当社取締役会は、当社株主の共同の利益を守ることを目的として、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。

 本対応方針の詳細につきましては、当社ウェブサイト

(アドレスhttp://www.sapporoholdings.jp/news_release/0000020342/pdf/20170213Notice4.pdf)に掲載しています。

 本対応方針は、平成29年3月30日に開催された当社第93回定時株主総会において株主の皆様の承認を得た上で発効しており、有効期間は平成32年3月31日までに開催される当社第96回定時株主総会の終結の時までとなっています。但し、当社株主総会の決議をもって本対応方針の廃止を決定した場合には、上述の有効期間中であっても本対応方針を廃止することができますし、株主総会の決議を経ずに当社取締役会が廃止を決定することによっても、本対応方針はその決定の日をもって失効します。本対応方針の廃止を決定した場合、当社取締役会はその旨を速やかにお知らせします。

 

Ⅳ 本対応方針が会社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由

(1)本対応方針が会社の支配に関する基本方針に沿うものであること

 本対応方針は、大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に対して当社取締役会が対抗措置を講じることがあることを明記しています。また、本対応方針は、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、大規模買付行為が明らかに当社株主の共同の利益を著しく損なうものと当社取締役会が判断した場合には、かかる大規模買付者に対して当社取締役会は当社株主の共同の利益を守るために適切と考える対抗措置を講じることがあることを明記しています。このように、本対応方針は、会社の支配に関する基本方針に沿って設計されたものといえます。

(2)本対応方針が当社株主の共同の利益を損なうものではないこと

 Ⅰで述べたとおり、会社の支配に関する基本方針は、当社株主の共同の利益を尊重することを前提としています。また、本対応方針は、かかる会社の支配に関する基本方針の考え方に沿って設計され、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会の提供を保証することを目的としており、本対応方針によって、株主の皆様は適切な投資判断を行うことができます。このように、本対応方針は、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。

(3)本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

 本対応方針は、当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動はかかる本対応方針の規定に従って行われます。当社取締役会は単独で本対応方針の発効・継続を行うことはできず、当社株主の皆様の承認を要します。

 また、大規模買付ルール上、当社取締役会は、大規模買付行為に関して評価・検討を行い、取締役会としての意見を取りまとめるなどの際には、必要に応じて外部専門家等の助言を得るとともに、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、本対応方針には、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続も盛り込まれています。

 以上から、本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかと考えます。

 

 

(3)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は、5億円です。当社グループの研究開発活動状況に重要な変更はありません。

 

(4)主要な設備

 当第1四半期連結累計期間において、新設、休止、大規模改修、除却、売却等による重要な変動及び変更はありません。