文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
サッポログループは、「潤いを創造し豊かさに貢献する」を経営理念に掲げ、「ステークホルダーの信頼を高める誠実な企業活動を実践し、持続的な企業価値の向上を目指す」ことを経営の基本方針として、企業活動を実践しています。
当社は経営理念に基づく企業活動を通じて、あらゆるステークホルダーとのコミュニケーションを深め、情報発信力を強化することで、当社の存在感を高めながら、満足度向上を目指していきます。
(2)中長期的な経営戦略ならびに目標とする経営指標
当社は2016年11月、グループ創業150周年となる2026年までの10年間に、当社が進むべき方向性と、2017年から2020年までの4年間で取り組む基本戦略をまとめた「サッポログループ長期経営ビジョン『SPEED150』」及び「第一次中期経営計画2020」を策定しました。
2019年は、「第一次中期経営計画2020」の3年目に当たります。
サッポログループ長期経営ビジョン「SPEED150」
経営理念及び経営の基本方針は踏襲しながら、スピードを持って経営改革と事業成長に取り組むことで実現させる「2026グループビジョン」と「行動指針」を定めました。
グループの成長の源泉は、創業以来140年の歴史の中で培われた「ブランド資産」であると改めて認識した上で、グループのコア事業を『酒』『食』『飲』の3分野と位置づけ、不動産事業とともにグループ保有のブランドを育成・強化していきます。国内にあまたある食品企業の中でも、『酒』『食』『飲』の3分野を展開するユニークな強みを活かし、特長ある商品・サービスをグローバルに展開し、お客様との接点拡大を図ることで、力強い成長を目指します。
○2026グループビジョン
サッポログループは
世界に広がる『酒』『食』『飲』で
個性かがやくブランドカンパニーを目指します
○行動指針
1.イノベーションと品質の追求による新たな価値の創造で、世界のお客様のより豊かな生活に貢献します
2.お客様同士のコミュニケーション活性化に役立つ商品・サービスの提供とブランド育成に努めます
3.環境変化に対応し、効率的な経営の実践に努めます
第一次中期経営計画 2020
1.基本方針
「異次元スピードの変革」をテーマに、成長ステージへの早期移行を目指します。
1)事業活動
各事業の競争領域を見定め、「継続成長」「成果創出」を実現して、キャッシュ創出力を高めます。
①既存事業の継続的成長 既存5事業での競争領域を見定めた確実な成長
②投資事業の成果創出 ベトナム事業、北米飲料事業、食品・飲料事業での収益性向上
③成長機会の獲得 『食』分野の拡大とグローバル展開に経営資源を投入し成長機会を獲得
2)グループ経営
「経営資源の戦略的シフト」「セグメント経営の事業構造変革と推進」による基盤強化を主導します。
①成長実態に適したグループ体制と本社機能の最適化の実行
②基盤機能の強化
-R&D 『食』分野の成長に向けたリソース(人財、研究開発費)の増強
-人事・人財 成長領域への人財シフトと健康増進への取り組み
-財務 資産効率の向上とモニタリング強化による財務基盤強化
2.経営目標
(1)2020年定量目標
売上高 :2010年以降連続している「売上高成長」を継続
営業利益:第一次中期経営計画期間中にグループ史上最高益を更新
2016年11月に発表した、2020年定量目標(日本基準)は以下のとおりです。
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2020年目標 |
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売上高 |
営業利益(※1) |
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全社合計 |
6,400億円 |
340億円 |
※1 営業利益はのれん償却前
その後、2018年2月に、当社は、2018年12月期決算から従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を任意適用することとしました。これに伴い、IFRSを任意適用した際の2020年目標の数値は以下のとおりとなります。なお、IFRSの任意適用に伴う会計処理の変更の影響が少ない指標として、「EBITDA」を記載しております。
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2020年目標(IFRS) |
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売上収益 |
EBITDA(※2) |
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全社合計 |
6,250億円 |
580億円 |
※2 IFRS適用後EBITDA=事業利益(売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除)+減価償却費
<参考>日本基準EBITDA 590億円(日本基準EBITDA=営業利益+のれん償却費+減価償却費)
(2)財務指標
成長ステージでの環境変化や投資機会に即応できる財務基盤構築に向け、以下の指標を設定します。
<2017年~2020年の4年間で実現させる財務指標>
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営業活動による キャッシュ・フロー |
1,800億円 |
「基盤機能強化」及び「既存事業の継続的成長」と「投資事業の成果創出」によりキャッシュ・フローを創出する。 |
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投資活動による キャッシュ・フロー |
1,300億円 |
『酒』『食』『飲』分野へ積極的にキャッシュ配分する。 |
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有利子負債 |
D/Eレシオ1倍程度を目安とする。 |
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配当性向 |
配当性向30%を目安とする。 |
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(3)経営環境
各事業の経営環境は、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ④事業戦略と見通し」に記載しております。
依然として不透明な経営環境が続く中、「SPEED150」及び「第一次中期経営計画2020」に基づき、環境変化への対応力を一層高める取り組みを進めてまいります。
(4)会社の対処すべき課題
各事業における対処すべき課題への取り組みは、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ④事業戦略と見通し」に記載しております。
(5)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「会社の支配に関する基本方針」)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
Ⅰ 会社の支配に関する基本方針
当社は、持株会社として、国内酒類事業、国際事業、食品・飲料事業、外食事業及び不動産事業を主体とする当社グループの事業の全体にわたる経営を統括しており、その経営に当たっては、幅広いノウハウと豊富な経験、並びに国内外の顧客・従業員及び取引先等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への理解が不可欠です。したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者に、これらに関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を毀損してしまう可能性があり、明らかに当社株主の共同の利益を著しく損なうと判断される当社株券等の大規模な買付行為(以下「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を以下「大規模買付者」といいます。)に対して当社取締役会が適切と考える措置を取ることも、当社株主の共同の利益を守るために必要であると考えます。
Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取り組み
2016年11月に策定、発表しました「サッポログループ長期経営ビジョン『SPEED150』」では、グループ成長の源泉を、創業以来140年の歴史の中で培われた「ブランド資産」であると改めて認識した上で、グループのコア事業を『酒』『食』『飲』の3分野と位置づけ、既存事業の成長に加え、「『食』領域の拡大」と「グローバル展開の推進」を戦略テーマに掲げながら、不動産とともにグループ保有のブランドの育成・強化を図っております。
また当社は、純粋持株会社体制に移行する以前の1999年3月から執行役員制を導入し、2002年3月から取締役任期を1年に短縮するなど、積極的にガバナンス体制の強化に取り組んでまいりました。2003年7月に純粋持株会社体制に移行して以後、段階的に独立社外取締役の増員を図っており、2009年より3名の独立社外取締役を選任しております。今後も、当社では、「基本方針」に基づき、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け、ガバナンスの強化充実に取り組んでいく所存です。
Ⅲ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、Ⅰで述べた会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため、大規模買付行為が行われる場合、大規模買付者には一定の合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)にしたがっていただくこととし、これを遵守した場合及び遵守しなかった場合につき一定の対応方針を定め、これらを取りまとめて当社株券等の大規模買付行為への対応方針(以下「本対応方針」といいます。)として定めています。
当社の定める大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、当社取締役会の意見を提供し、更には当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会の提供を保証することを目的として、大規模買付者に対して、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供することを求めており、大規模買付行為は、その後に設定される当社取締役会のための一定の評価期間が経過した後にのみ開始されるものとしています。大規模買付者がかかる大規模買付ルールを遵守した場合、当社取締役会は、当該大規模買付行為が明らかに当社株主の共同の利益を著しく損なうと判断される場合を除き、大規模買付行為に対する対抗措置は取りません。他方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、当社取締役会は、当社株主の共同の利益を守ることを目的として、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。
本対応方針の詳細につきましては、当社ホームページ
(アドレスhttp://www.sapporoholdings.jp/news_release/0000020342/pdf/20170213Notice4.pdf)に掲載しています。
本対応方針は、2017年3月30日に開催された当社第93回定時株主総会において株主の皆様の承認を得た上で発効しており、有効期間は2020年3月31日までに開催される当社第96回定時株主総会の終結の時までとなっています。但し、当社株主総会の決議をもって本対応方針の廃止を決定した場合には、上述の有効期間中であっても本対応方針を廃止することができますし、株主総会の決議を経ずに当社取締役会が廃止を決定することによっても、本対応方針はその決定の日をもって失効します。本対応方針の廃止を決定した場合、当社取締役会はその旨を速やかにお知らせします。
Ⅳ 本対応方針が会社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由
(1)本対応方針が会社の支配に関する基本方針に沿うものであること
本対応方針は、大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に対して当社取締役会が対抗措置を講じることがあることを明記しています。また、本対応方針は、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、大規模買付行為が明らかに当社株主の共同の利益を著しく損なうものと当社取締役会が判断した場合には、かかる大規模買付者に対して当社取締役会は当社株主の共同の利益を守るために適切と考える対抗措置を講じることがあることを明記しています。このように、本対応方針は、会社の支配に関する基本方針に沿って設計されたものといえます。
(2)本対応方針が当社株主の共同の利益を損なうものではないこと
Ⅰで述べたとおり、会社の支配に関する基本方針は、当社株主の共同の利益を尊重することを前提としています。また、本対応方針は、かかる会社の支配に関する基本方針の考え方に沿って設計され、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会の提供を保証することを目的としており、本対応方針によって、株主の皆様は適切な投資判断を行うことができます。このように、本対応方針は、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。
(3)本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
本対応方針は、当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動はかかる本対応方針の規定に従って行われます。当社取締役会は単独で本対応方針の発効・継続を行うことはできず、当社株主の皆様の承認を要します。
また、大規模買付ルール上、当社取締役会は、大規模買付行為に関して評価・検討を行い、取締役会としての意見を取りまとめるなどの際には、必要に応じて外部専門家等の助言を得るとともに、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、本対応方針には、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続も盛り込まれています。
以上から、本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかと考えます。
当社グループの経営成績及び財務状況など(株価などを含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、2018年12月31日現在において当社グループが判断したものです。
①経済情勢及び人口動態の変化について
当社グループの売上収益は主に国内の景気動向による影響を受けるため、経済情勢の変化による景気悪化に伴い、主要製品の出荷変動、デフレ傾向による主要製品の単価下落の可能性や保有資産の価値の低下につながる可能性があります。また、日本国内の少子高齢化現象による市場全体の縮小やそれに伴う従業員の雇用に関する競争激化、退職率の上昇等により、事業活動に必要な専門性をもった人材を十分に確保、育成できない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②特定事業分野への依存度について
当社グループの主要な報告セグメントは国内酒類事業であり、2018年12月期における連結売上収益の48%を占めております。
この国内酒類事業への高依存体質を脱却し、さらなる収益性の拡大を目指すため、海外市場での事業活動の拡充を図っております。
しかしながら、依然、国内酒類事業への依存は高く、国内市場での需要が減少する中での競合他社との価格競争、消費者の嗜好の変化、商品値上げ、冷夏や長期間にわたる梅雨などの要因によって売上が減少した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③海外における事業活動について
当社グループは、海外市場での事業活動を拡充することにより利益の拡大を図っており、特に国際事業においては米国・カナダを中心に拡充しております。
アジアにおいては、シンガポールを中心に飲料・外食の事業活動を行っております。また、ベトナムにおいては、ロンアン工場にて現地産ビールの製造・販売をしております。
これらの当社グループの海外における事業活動においては、経済の動向、競争環境の変化や為替相場の変動に加えて、投資、貿易、税及び為替等に関する法的規制の変更、商慣習の相違、労使関係、テロリズム、伝染病並びにその他の政治的・社会的・経済的混乱等の要因により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④食品の安全性について
当社グループは品質保証体制の確立に向けて取り組みを強化しておりますが、当社グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な製品及び原料に係る品質問題などが発生した場合、製品回収、出荷不良品発生などの可能性があります。外食事業においては、食中毒が発生した場合、一定期間の営業停止などを命ぜられ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤製造委託品及び仕入商品について
当社グループは一部の商品について外部に製造委託を行っております。また、仕入商品も取り扱っております。製造委託商品や仕入商品についても品質については万全を期しておりますが、当社グループの取り組みの範囲を超えた品質問題などが発生した場合、販売休止、製品回収などの可能性があり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥原料・資材価格について
当社グループの使用する主要な原料・資材には、その価格が商品相場や為替市場等の状況により変動するものがあります。それら原料・資材の価格が高騰することにより、売上原価が上昇し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦設備投資計画等について
当社グループでは、設備投資、システム開発を継続的に行っておりますが、当初計画からのスケジュールの遅れ、投資予定額の増加などにより業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧顧客情報流出について
当社グループでは個人情報の管理の徹底に向けた体制作りを強化しておりますが、今後、予測不能のウィルスの侵入や情報への不正アクセスなどにより、個人情報の流出などの問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下などにより費用の増加や収益の減少が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨得意先への信用リスクについて
当社グループは得意先や投資先の信用リスクに備えておりますが、予期せぬ倒産などの事態により債権回収に支障が発生した場合など、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩法的規制などの影響
当社グループは、酒税法や食品衛生法、環境・リサイクル関連法規、景品表示法などの様々な法的規制の適用を受けております。また、事業を展開する各国の法的規制の適用を受けております。このような中、法的手続きによる権利の保全にも万全を期しておりますが、将来において新たな法的規制などが設けられる可能性があり、これらの法的規制などの適用を受けることとなった場合、事業活動が制限されたり、新たな費用が発生したりすることで業績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、酒税の増税や消費税の増税などが実施されることでの需要の減少、ビール・発泡酒を始めとする酒類の広告に対する規制や、酒販店店頭での販売時間に対する規制、酒類販売場所の規制が広がっていく場合、需要の減少や新たな規制に対応するための費用などの要因について、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪訴訟や罰金等の発生するリスクについて
当社グループでは、事業の遂行にあたり従業員啓発のための研修を通じたコンプライアンスの推進により、各種法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、国内外の事業活動の推進にあたって、当社グループ各社及びその従業員の法令等に対する違反の有無にかかわらず、製造物責任法、知的財産法、税務等の問題で訴訟を提起される、または罰金等を科される可能性があります。また、訴訟が提起される事態、また訴訟の結果によっては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫自然災害等によるリスクについて
当社グループは保有するオフィス、商業、住宅などの施設及び工場などの設備安全について火災などの事故発生防止の体制作りを強化するとともに、地震などの自然災害の発生時に、人的被害・工場などの設備破損が生じないように管理体制の確立を行っております。しかし、大規模な自然災害及び二次災害の影響により、損害が発生する可能性があり、物流網の混乱や物流コストの高騰等に伴い商品供給に支障をきたすなど、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬金融負債について
当社グループでは、各事業の必要資金の多くを、社債や金融機関からの借入により調達しており、金融負債は総資産に比して高い水準にあります(2018年12月31日現在2,283億円(連結ベース)、総資産の36%)。当社グループでは成長戦略の遂行に伴い大規模な投資等を行うことにより、さらに金融負債が増加する場合もあります。また、今後、市場金利が上昇した場合や、格付機関が当社の格付を引き下げた場合には、金利負担が重くなったり資金調達の条件が悪化することにより、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭退職給付債務について
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。
制度資産の公正価変動、金利の変動、年金資産の変更等、前提条件に大きな変動があった場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑮固定資産の減損について
当社グループでは、減損会計を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産及び企業結合により取得したのれん等について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑯事業・資本提携について
当社グループでは、中期経営計画に沿って成長に向けた競争力強化の一環として国内外他社との事業・資本提携を推進しております。しかし、市場環境や事業環境の変化などによっては、当初想定していた成果を得られず、場合によっては、提携先及び出資先の事業、経営及び資産の悪化等が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑰持株会社のリスクについて
当社グループを代表して上場しているサッポロホールディングス㈱(以下「当社」といいます。)は、当社が直接保有している事業会社が当社に対して支払うブランド使用料、グループ経営分担金及び受取利息を主な収益源とし、さらに各事業会社が業績や財政状態に応じて支払う配当金を収入としております。このため、各事業会社の財政状態が悪化し、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)業績等の概要
①業績
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売上収益 |
営業利益 |
税引前利益 |
親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
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百万円 |
百万円 |
百万円 |
百万円 |
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2018年12月期 |
521,856 |
10,828 |
9,492 |
8,521 |
|
2017年12月期 |
536,585 |
12,806 |
11,538 |
7,187 |
|
増減率(%) |
△2.7 |
△15.4 |
△17.7 |
18.6 |
当期の日本経済は、輸出の回復や雇用所得環境の改善により、緩やかな回復基調となりましたが、「平成30年7月豪雨」や「北海道胆振東部地震」等の自然災害が大きな影響を与えました。世界経済においては、米中貿易摩擦や利上げ動向、各国の政情不安などが投資に影響を及ぼし、先行き不透明な経済環境となりました。
国内酒類業界では、消費者の根強い節約志向から低価格商品への需要シフトが顕著となりました。海外では、北米のビール市場は前期を下回ったものと推定されます。アジアのビール市場は各国で状況が異なりますが、ベトナムについては引き続き成長しています。国内飲料業界は、前期をやや上回ったものと考えられます。不動産業界では、首都圏オフィス賃貸市場において空室率が改善するとともに賃料水準も緩やかに上昇しています。
このような状況の下、当社グループでは、「サッポログループ長期経営ビジョン『SPEED150』」及び「第一次中期経営計画2020」に基づく成長戦略を加速させ、「世界に広がる『酒』『食』『飲』で個性かがやくブランドカンパニー」になることを目指し、2018年度の財務目標達成に向かい歩んできました。
国内酒類事業では、「続・ビール強化」を掲げ、基軸ブランドの強化に注力しました。特にビールの主力ブランド「サッポロ生ビール黒ラベル」では一貫したマーケティング戦略が功を奏し、ビールの総需要が減少する中で4年連続の売上アップを達成しました。ビール類以外の伸長分野では、ワイン、スピリッツ類において高付加価値の商品に注力し、多層化を推進しました。
国際事業では、北米のプレミアムビール市場において、カナダの「スリーマン社」が積極的な販売活動を実施しました。アメリカの「サッポロUSA社」及び「アンカー社」は、北米における成長を実現するため、シナジー創出に向けた体制づくりを進めました。アメリカの飲料市場においては、「カントリー ピュア フーズ社」及び「シルバー スプリングス シトラス社」の経営統合を実施し、経営改善に向けた取り組みを実施しました。ベトナムにおいては、様々な構造改革を推進したことで、黒字化を達成しました。
食品・飲料事業では、国内において、強みである素材にこだわった飲料や、レモン関連商品、スープを中心とした主力ブランドへ投資を集中しました。
外食事業では、国内において、基幹業態の「銀座ライオン」「ヱビスバー」を中心に出店や改装を行う一方、収益力改善に向けて不採算店舗の閉鎖・業態転換を進めました。
不動産事業では、「恵比寿ガーデンプレイス」をはじめ、保有する賃貸不動産物件が高稼働率で推移しました。物件ポートフォリオの戦略的な組替えを行い、恵比寿の街の魅力向上のためにまちづくりを推進しました。「発信と交流の拠点」をコンセプトにした複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」も業績向上に寄与しました。
以上の結果、当期における当社グループの連結業績は、以下のとおりです。
売上収益
国内酒類事業では、ブランド強化を図っている「サッポロ生ビール黒ラベル」や、積極投資を行った「サッポロチューハイ99.99<フォーナイン>」などが好調に推移しましたが、発泡酒や新ジャンルの売上数量が前期を下回ったことから、減収となりました。一方で、国際事業では、「スリーマン社」や「サッポロベトナム社」の売上が前期を上回った結果、増収となりました。食品・飲料事業では、国内のレモン飲料や食品などの売上数量が前期を上回りましたが、缶コーヒーの市場停滞による影響や、輸出の売上数量が減少したことなどから、減収となりました。外食事業では、国内の和食業態などが低調に推移し、減収となりました。
以上の結果、連結売上収益は5,219億円(前期比147億円、3%減)となりました。
営業利益
国内酒類事業では、売上収益の減少に伴い、営業利益は減益となりました。国際事業では、構造改革により「サッポロベトナム社」が増益となりましたが、「アンカー社」の主要顧客エリアである西海岸(特にサンフランシスコ)での需要の低迷から売上数量が減少し、同社の減損を計上した結果、減益となりました。食品・飲料事業では、缶コーヒーの売上減少などにより、減益となりました。不動産事業では、主力物件の賃料収入増加や稼働率の向上により、増益となりました。
以上の結果、連結営業利益は108億円(前期比20億円、15%減)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は85億円(前期比13億円、19%増)となりました。
以下、事業セグメント別の概況は記載のとおりです。
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|
売上収益(百万円) |
営業利益(百万円) |
||||
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2017年 12月期 |
2018年 12月期 |
増減率(%) |
2017年 12月期 |
2018年 12月期 |
増減率(%) |
|
|
国内酒類事業 |
261,489 |
250,867 |
△4.1 |
10,038 |
6,711 |
△33.1 |
|
国際事業 |
78,626 |
79,521 |
1.1 |
△2,728 |
△3,397 |
- |
|
食品・飲料事業 |
132,092 |
127,219 |
△3.7 |
2,430 |
2,027 |
△16.6 |
|
外食事業 |
28,639 |
27,569 |
△3.7 |
△515 |
△169 |
- |
|
不動産事業 |
23,893 |
24,483 |
2.5 |
10,271 |
12,047 |
17.3 |
以下、事業セグメント別の概況は記載のとおりです。また、当期より、前年同期に「国際事業」に区分していた「サッポロインターナショナル社」の輸出事業を、「国内酒類事業」に区分される「サッポロビール社」に移管しております。
これに伴い、前期比較につきましては、前年数値を変更後セグメント区分に組替えた数値で比較しています。
[国内酒類事業]
国内におけるビール類総需要は、ビールテイスト市場からRTD(※1)市場への流出や、業務用市場におけるリターナブル容器商品の価格改定、夏以降に各地で発生した自然災害などによる消費冷え込みの影響が大きく、前期比98%程度と推定されます。
このような中で、国内酒類事業は、経営ビジョン「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を継続し、当社グループならではの価値の提供を積み重ねるとともに、「続・ビール強化」を事業方針に掲げ、積極的な投資をすることで、更なる成長を目指しました。
ビールでは、「サッポロ生ビール黒ラベル」は好調に推移し、4年連続で売上成長を達成しました。一方で、発泡酒及び新ジャンルは、市場の競争激化やRTDへの需要のシフト等の影響を受けて苦戦し、ビール類合計の売上数量は前期比92%となりました。
RTDでは、8月に発売したストロング系の「サッポロチューハイ99.99<フォーナイン>」が年間販売目標の200万ケースを11月末に達成し、「男梅サワー」「愛のスコールホワイトサワー」「キレートレモンサワー」等のコラボRTDの主軸商品も順調に推移したことで、売上は前期を大幅に上回りました。
ワインでは、日本ワイン「グランポレール」、シャンパーニュ「テタンジェ」、輸入ワイン「ペンフォールズ」等のファインワイン(※2)の販売を強化しました。一方で、デイリーワイン(※2)が伸び悩んだこと等から、売上は前期を下回りました。
洋酒では、「バカルディ」「デュワーズ」等の主力ブランドが好調に推移したことで、売上は前期を上回りました。
和酒では、甲乙混和芋焼酎売上No.1(※3)の「こくいも」が堅調に推移したものの、売上は前期を下回りました。
以上の結果、国内酒類事業の売上収益は2,509億円(前期比106億円、4%減)となり、営業利益は67億円(前期比33億円、33%減)となりました。
※1 RTD : Ready To Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
※2 ファインワイン:中高級価格(1本1,500円以上のワイン)、デイリーワイン:低価格(1本1,500円未満のワイン)
※3 インテージSRI甲乙混和芋焼酎市場2017年4月~2018年11月累計販売金額全国SM/CVS/酒DSの合計
[国際事業]
北米におけるビール市場の総需要は、アメリカ、カナダともに前期を下回ったと推定されます。アジア経済は成長率が鈍化し、各国で物品課税を実施・検討する動きがより顕著となりました。
このような中で、国際事業は、北米及び東南アジアにおけるプレミアムビール市場を中心にブランド力の強化に取り組みました。
北米では、カナダにおいて、「スリーマン社」が主力のプレミアムブランドへのマーケティング投資を継続した結果、ビール売上数量(「サッポロ」ブランドを除く)は前期を上回り堅調に推移しました。アメリカでは、「サッポロUSA社」がアメリカ一般市場やアジア系市場への展開を進めましたが、同社の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前期を下回りました。2017年9月から連結子会社化した「アンカー社」は「サッポロUSA社」とのセールスシナジー強化に取り組みましたが、主戦場であるサンフランシスコにおける総需要の大幅な落ち込みにより、前期を大きく下回りました。アメリカの飲料市場においては、厳しい経営環境を背景に「カントリー ピュア フーズ社」「シルバー スプリングス シトラス社」両社合計の売上収益は前期を下回りましたが、業績改善に向け両社の経営統合を行いました。
東南アジアでは、ベトナムにおいて、「サッポロベトナム社」が高コスト体質脱却への改革、輸出の強化に取り組んだ結果、ビール売上数量は前期を大幅に上回り、単年度で営業利益は黒字となりました。
これらの結果として、国際事業全体の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前期比98%となりました。
以上の結果、国際事業の売上収益は795億円(前期比9億円、1%増)となり、営業損失は34億円(前期は27億円の損失)となりました。
[食品・飲料事業]
国内飲料の総需要は、前期比102%と推定されます。
このような中で、食品・飲料事業は各商品ブランドのラインナップ強化に注力し当社グループならではの価値提案を行ってきました。
国内飲料では、レモン飲料や「加賀棒ほうじ茶」などの国産素材無糖茶(※1)が好調に推移しました。一方で缶コーヒー市場の低迷を背景にコーヒー飲料の売上が減少し、加えて西日本の豪雨災害の影響により物流網に混乱が生じた影響もあり、国内飲料合計の売上数量は前期を下回りました。
レモン食品では、基幹商品「ポッカレモン100」や「レモン果汁を発酵させて作ったレモンの酢」が健康志向を捉え好調に推移し、売上数量は前期比113%となりました。また、12月には名古屋市の「東谷山フルーツパーク」内にて「ふるさとナゴヤレモン園」の共同運営を開始する等、レモンに関心を高める体験の場の創出に取り組みました。
スープ食品では、基幹商品「じっくりコトコトシリーズ」に加えて、「リゾランテ」や「辛王シリーズ」などの独自性のある商品においても話題喚起を図りましたが、暖冬の影響もあり売上数量は前期を下回りました。大豆・チルド事業では、豆乳ヨーグルトの新商品「SOYBIO(ソイビオ)」などが寄与し、前期比110%と成長しています。
国内外食では、カフェチェーン「カフェ・ド・クリエ」を展開する「ポッカクリエイト社」が、季節やトレンドに合わせた新メニューの発売等を行いましたが、売上は前期並みとなりました。
海外飲料では、緑茶で約70%のシェアを占め、お茶カテゴリーでNo.1のシェア(※2)を有するシンガポールでのポジションは維持しつつも、一部の国での新たな税制導入による影響もあり、シンガポールからの輸出については低調に推移しました。
以上の結果、食品・飲料事業の売上収益は1,272億円(前期比49億円、4%減)となり、営業利益は20億円(前期比4億円、17%減)となりました。
※1 当社実績:「加賀棒ほうじ茶」シリーズ4品合計・2018年1月1日~11月26日累計販売函数
※2 Nielsen Singapore MarketTrack October 2018 (Copyright c 2018, The Nielsen Company)
[外食事業]
国内外食市場は、業界全体として売上収益では前期を上回る回復基調が続いているものの、人手不足に伴う採用コスト増や原材料の仕入価格上昇に伴い、依然として厳しい経営環境にありました。
このような中、外食事業は、企業理念である「JOY OF LIVING~生きている喜び~」のもと、安全・安心な商品の提供を心がけ「お客様へ100%満足の提供」を目指す店舗づくりを進めました。
国内においては、相次ぐ台風の上陸・長雨や北海道の震災などの影響を大きく受け、非常に厳しい経営環境となりました。その中でも新規出店として「ヱビスバー」を3月に九州初となる博多、11月には兵庫・西宮に、「銀座ライオンビヤガーデン」を5月に千葉・柏に出店するとともに、基幹業態である「銀座ライオン」を8月に川崎、9月には広島に出店しました。店舗改装としては4月に東京・青山の「銀座ライオン」を全面改装・リニューアルオープンするとともに、和食業態「そばえもん」を新業態として開発し、4月に東京・大崎に、11月には東京・青山にオープンしました。いずれもお客様から高評価を得て順調に推移しています。一方で、不採算店など6店舗を閉鎖しました。また、関係会社の「マルシンカワムラ社」においては、8月に新業態「大衆天ぷら まねき屋」を、9月には「大衆居酒屋 まねき屋」をそれぞれ札幌に出店したことにより、12月末の国内店舗数は195店舗となりました。今後も店舗数の拡大を図るとともに、既存店の店舗改装・業態変更を積極的に行っていきます。
シンガポールにおいては、相次ぐ競合企業の参入により競争が激化する市場環境の中で、7月に和食レストラン等の事業を現地の飲食企業に譲渡しました。これによりシンガポールの店舗は「銀座ライオン」1店舗のみとなりましたが、ビヤホール業態に集中することで、ビヤホール文化を世界に発信すべく、取り組みを進めていきます。
以上の結果、外食事業の売上収益は276億円(前期比11億円、4%減)となり、営業損失は2億円(前期は5億円の損失)となりました。
[不動産事業]
不動産業界は、首都圏オフィス賃貸市場において、大量供給の影響による市況の悪化が懸念されていましたが、好調な企業業績などを背景に引き続きオフィス需要が堅調なことから、依然として空室率は低い水準で推移しています。それを受けて賃料水準も緩やかな上昇傾向が継続しています。
このような中で、不動産賃貸では、収益の柱となっている「恵比寿ガーデンプレイスタワー」をはじめ、首都圏を中心に保有する各物件で高稼働率を維持しています。また、既存テナントの賃料水準引き上げについても積極的に取り組みを進めています。
複合商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」では、お洒落で洗練された街・恵比寿のランドマークとして、これまで以上にお客様に「豊かな時間」「豊かな空間」を感じていただける「大人の街」となるべく、ブランド力強化と利便性向上による資産価値向上に向けた取り組みを推進しています。
複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」は、施設コンセプトである「発信と交流の拠点」として更に情報発信力を高め、ブランド価値向上に取り組んでいくとともに、街の賑わい創出や集客向上に貢献していきます。
また、札幌市が都心まちづくり重点地区と位置付けて進めている「創成川以東地区」の再整備計画に合わせ、複合商業施設「サッポロファクトリー」の改装を引き続き進めており、その第一弾として、11月に3条館の一部がオープンしました。「サッポロファクトリー」では、今後も魅力ある都市空間づくりに努めていきます。
一方、不動産事業全体の価値向上を図るために、長期的な視点から、引き続き物件ポートフォリオの戦略的な組み替えを行っており、11月に「新宿スクエア」と「ストーリア白金台」を売却するとともに、恵比寿で建築中のビルを含むオフィスビル等3物件の取得を決定し、「まちづくり事業」を推進しています。
以上の結果、不動産事業の売上収益は245億円(前期比6億円、2%増)、営業利益は120億円(前期比18億円、17%増)となりました。
②財政状態の状況
当期末の資産合計は、その他の流動資産、有形固定資産の増加等があった一方、その他の金融資産(非流動)、営業債権及びその他の債権の減少等によって、前連結会計年度末と比較して250億円減少し、6,397億円となりました。
負債は、退職給付に係る負債、社債及び借入金(非流動)の増加等があった一方、社債及び借入金(流動)の減少等によって、前連結会計年度末と比較して141億円減少し、4,750億円となりました。
資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の増加があった一方、期末配当の実施、その他の包括利益を通して公正価値で測定する金融資産の減少等によって、前連結会計年度末と比較して110億円減少し、1,647億円となりました。
流動比率は、流動資産が112億円減少し、社債及び借入金(流動)の減少等の要因により、流動負債が142億円減少したことにより、前連結会計年度の72.0%から71.5%に0.5ポイント減少しました。
親会社所有者帰属持分比率は、親会社の所有者に帰属する当期利益の増加があった一方、期末配当の実施、その他の包括利益を通して公正価値で測定する金融資産の減少等によって親会社の所有者に帰属する持分が減少したことにより、前連結会計年度の25.9%から25.2%に減少しております。
親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は、「①業績」に記載のとおり親会社の所有者に帰属する当期利益が前年同期比で増益となったことにより、前連結会計年度の4.4%から5.1%に増加しております。
D/Eレシオ(金融負債÷資本合計)は、資本合計が減少したことにより1.4倍となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ25億円(20%)減少し、当連結会計年度末には100億円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、308億円(前期比30億円、9%減)となりました。これは主に、法人所得税等の支払額107億円があった一方、減価償却費及び償却費285億円、減損損失54億円、営業債権及びその他の債権の減少額42億円による増加要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、187億円(前期比9億円、5%増)となりました。これは主に、信託受益権(投資不動産)の売却による収入72億円があった一方、有形固定資産の取得による支出136億円、投資有価証券の取得による支出63億円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、145億円(前期比6億円、4%増)となりました。これは主に、社債の発行による収入200億円があった一方、長期借入金の返済による支出225億円、社債の償還による支出101億円があったことによるものです。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来に関する事項には不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、ならびに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループは、過去の実績又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しています。
重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。
②当連結会計年度の経営成績の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ① 業績」に記載のとおりです。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、概ね「2.事業等のリスク」に記載のとおりです。
中でも、当社グループでは海外での事業展開を進めており、日本国内の景気動向のみではなく、事業活動を行っている国・地域の経済動向及びその他の要因により影響を受ける可能性があり、リスク管理体制を一層強化する取り組みを進めます。
経営環境が依然として不透明な状況が続く中、環境変化への対応力を一層高める取り組みを進めます。
④事業戦略と見通し
次期は、「サッポログループ長期経営ビジョン『SPEED150』」及び「第一次中期経営計画2020」の3年目として、引き続きコア事業と位置付けた『酒』『食』『飲』分野で特長ある商品・サービスをグローバルに展開し、お客様との接点拡大を図ることで、力強い成長を目指します。
なお、グループの持つブランドを育成・強化しながら、確実な成長を目指して、事業軸による国際事業の推進と事業の組替えを実行することにより、これまでの5報告セグメントを3報告セグメントヘ変更し、マネジメントアプローチによる管理を一層強化していきます。
〔酒類事業〕
(日本・アジア)
日本では、飲酒人口の減少とRTD(※1)などへの流出に加え、2019年10月に予定されている消費増税も個人消費に影響を与える可能性があり、総需要が当期を下回る厳しい市場環境が続くと予想されます。
このような中で、「サッポロビール社」はビジョンとして「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を継続し、独自の新価値の提供を積み重ねることで、成長を目指します。
ビール類では、「ビール再強化宣言」を事業方針に掲げ、ビールブランド強化を継続します。4年連続で売上増を達成した「サッポロ生ビール黒ラベル」は、家庭用、業務用ともに、「大人の★生」の独自な世界観訴求を強化し、お客様に「完璧な生ビールを実感・体験」していただくことで、継続的な売上増を目指します。「ヱビス」は、「ヱビス プレミアムエール」を発売し、「ヱビスビール」と並ぶ新しい味わいを提案するなど、2020年の発売130周年に向け、日本を代表するビールとして、ブランドプレゼンスの向上を図ります。
また、当期増強したミニブルワリー等も活用して、「高付加価値」を基本とし、ビール文化創造へと結びつくような個性的な商品提案を行っていきます。
RTDでは、「驚きをカタチに」をスローガンに、新たな切り口の商品を展開し、新鮮で驚きのあるオンリーワン商品を創出します。「男梅サワー」などのコラボレーションによる独自価値商品と主力ブランドの「サッポロチューハイ99.99<フォーナイン>」をさらに強化し、成長を加速させます。
ワインでは、引き続きファインワイン(※2)の提案強化を行います。日本ワイン「グランポレール」、シャンパーニュ「テタンジェ」、輸入ワイン「ペンフォールズ」を中心に、ブランドイメージの構築と販売拡大を行います。また、デイリーワインは、業務用限定商品の発売などを通じて、認知とユーザーの裾野拡大を図ります。
洋酒では、世界販売量・販売金額No.1ラム「バカルディ」(※3)をはじめとして、「デュワーズ」「ボンベイサファイア」「マルティーニ」に注力します。
和酒では、好調な甲乙混和芋焼酎「こくいも」の拡販に注力し、本格焼酎では香りを活かした新たな飲み方を提案し、情報発信を継続して話題喚起を図ります。
アジアでは、ビール市場は引き続き成長すると見込まれますが、一部の国では経済成長の鈍化やアルコールに対する規制強化を背景に、成長の鈍化が見られます。
このような中で、「サッポロベトナム社」は引き続き利益が創出できる販売体制の確立を目指します。
(北米)
カナダでは、個人消費、設備投資が経済成長率を押し上げることが想定されますが、ビール市場の総需要は酒類における嗜好の多様化を背景に、ほぼ横ばい圏に留まるものと見込まれます。
このような中で、「スリーマン社」は継続的な成長を可能とする戦略ブランドの強化やポートフォリオの最適化を行い、プレミアムブランドへの経営資源投入を継続するとともに、RTDへの取り組みを強化します。
アメリカでは、通商政策の不確実性の高まり、大型減税の効果が薄れることなどが、消費者や企業マインドに影響を及ぼすと考えられますが、カナダ同様、ビール市場の総需要は前期並みと見込まれます。
このような中で、「サッポロUSA社」と「アンカー社」は、製造・販売両面においてシナジー効果を最大限発揮するため、2019年4月1日に経営統合する予定です。今回の統合により飛躍的成長を実現するためのプラットフォームを構築します。両社の重点エリアを明確にして経営リソースの最大化を図るとともに、収益性の低いコスト構造の改善を図ります。
(外食)
国内外食業界では、労働力不足に伴う採用コストや原材料仕入価格等の継続的な上昇に加え、業界を超えた競争の激化により、今後も厳しい経営環境が継続するものと想定されます。
このような中で、「サッポロライオン社」は引き続き「お客様へ100%満足の提供」を軸に、基本となる商品・サービス・店舗環境等の「営業品質」の向上を図るとともに、安全・安心な商品の提供に向けた取り組みを進めます。
次期の新規出店においては、基幹業態である「銀座ライオン」や「ヱビスバー」の他、新たに開発した「そばえもん」等の展開エリアの拡大を図るとともに、新たな業態開発にも注力し、将来に亘る収益力の維持・向上に向けて既存店舗の改装・業態変更に積極的に取り組みます。
海外においては、ビヤホール文化を世界に発信すべく、シンガポール国内での「銀座ライオン」ブランドの再構築に向けた取り組みを進めるとともに、収益向上に向けたコスト構造改革を推進していきます。
※1 RTD : Ready To Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
※2 ファインワイン:1本1,500円以上の中高級価格ワイン(デイリーワイン:1本1,500円未満のワイン)
※3 2017年 インターナショナル・ワイン&スピリッツ・リサーチ調べ
〔食品飲料事業〕
(日本・アジア)
日本では、お客様の嗜好の多様化、飲料メーカー各社との競争激化に加え、物流費や人件費の高騰などによるコスト増加が見込まれ、依然として厳しい経営環境が予想されます。
このような中で、「ポッカサッポロ社」は、「毎日の生活に彩りと輝きをくわえる、新しい『おいしい』を次々と生み出し続けます」というビジョンの下、お客様視点を徹底し、お客様に喜ばれるようなものづくりで新たな価値を提案していきます。
国内飲料では、「キレートレモン」・「素材系」・「食感系」など強みにさらに磨きをかけ、独自のポジションを確立していきます。
国内食品のスープにおいては、「サッポロビール社」仙台工場内に、「ポッカサッポロ社」仙台工場を新設し、カップ入りスープの製造設備及び粉末スープ顆粒原料の造粒設備を新たに設置することで、堅調に成長するインスタントスープにおけるさらなる積極展開を図ります。レモン食品においては、レモンそのものの健康価値発信を行うなど、「ポッカレモン100」やレモン酢商品の需要を広げる活動をしていきます。業務用ルートでは、当社グループのシナジーを活かしながら、レモン原料、粉末スープ、粉末茶等の売上拡大を図ります。「食」分野のさらなる拡大加速に欠かせない豆乳事業においては、強みである豆乳ヨーグルトの新たな商品展開を図るため、群馬工場内に原料豆乳の搾汁設備を含む、豆乳ヨーグルトの製造設備を2019年3月に竣工予定です。
国内外食では、「カフェ・ド・クリエ」においてきめ細かいマーケティングを行い、既存店の活性化を図ります。また、新規出店を加速させ、クリエブランドの価値向上を進めていきます。
海外飲料では、主力のシンガポール市場での茶系飲料や果汁飲料での優位性を維持しつつ、売上拡大と効率化を進めていきます。また、各国の市場ニーズに合わせた商品を展開しプレゼンスを高めていきます。
(北米)
「カントリー ピュア フーズ社」及び「シルバー スプリングス シトラス社」の経営統合完了により、経営資源を迅速に最大限活用します。
〔不動産事業〕
不動産業界は、首都圏オフィス賃貸市場において、前期に比べ大型ビルの供給面積は減少するものの、過去10年の平均は上回る予定です。しかし、人材確保や働き方改革の流れによるオフィス環境整備など、旺盛な需要を背景に空室率は引き続き低い水準で推移するものと予測しています。また、賃料水準も、それを受けて緩やかな上昇傾向が継続するものと予測しています。一方で、経済環境の変化や、新築ビルと既存ビルとの競争激化による二次空室が顕在化するなど、市況が変わる可能性もあると予測しています。
このような中で、不動産賃貸は、ハード・ソフト両面における競争力強化に引き続き努め、保有物件の稼働率及び賃料水準の維持向上に取り組んでいきます。
中核施設である「恵比寿ガーデンプレイス」では、商業区画をはじめとする各エリアにおいて、利便性向上を図るとともに、新たな付加価値を提供することで街全体のブランド価値向上を目指します。
複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」は施設コンセプトである「発信と交流の拠点」として更に情報発信力を高め、ブランド価値向上に取り組んでいくとともに、街の賑わい創出や集客向上に貢献していきます。
また、札幌市が都心まちづくり重点地区と位置付けて進める「創成川以東地区」の再整備計画に合わせ、複合商業施設「サッポロファクトリー」の改装を引き続き進め、魅力ある都市空間づくりに努めていきます。
今後も不動産事業全体の価値向上を図るために、保有物件ポートフォリオの戦略的な組替えを進めるとともに、不動産証券化による資金調達手段の多様化や事業機能の拡大、新規事業開発等に取り組み、恵比寿・札幌での「まちづくり事業」を推進していきます。
⑤当連結会計年度末の連結財政状態の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ)キャッシュ・フローの分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりです。
|
|
2017年12月期 |
2018年12月期 |
|
親会社所有者帰属持分比率(%) |
25.9 |
25.2 |
|
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) |
40.4 |
27.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
8.8 |
9.4 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
14.6 |
14.0 |
親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれもIFRS基準での連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
ⅱ)資金の流動性及び資金の調達について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、生産・販売活動のための製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資として酒類事業及び食品飲料事業における工場整備への投資、不動産事業による投資不動産への投資、また海外事業や新規事業等の成長分野に対するM&Aへの投資等によるものであります。
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を当社が一元管理しています。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っています。
現在そして将来の営業活動及び債務の返済などの資金需要に備え十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めています。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フロー、金融機関などからの借り入れによって調達しています。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、概ね「3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
特に今後の方針につきましては、「サッポログループ長期ビジョン『SPEED150』」のもと、取り組みを推進します。
(3)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(kl) |
|
|
前期比(%) |
||
|
国内酒類事業(ビール・発泡酒・新ジャンル等) |
645,552 |
△5.2 |
|
国内酒類事業(ワイン・焼酎等) |
43,973 |
△12.3 |
|
国際事業(ビール等) |
226,849 |
10.6 |
|
国際事業(飲料水等) |
356,825 |
△14.7 |
|
食品・飲料事業(飲料水等) |
361,382 |
△2.7 |
②受注実績
当社グループでは、ほとんど受注生産を行っておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
|
|
前期比(%) |
||
|
国内酒類事業 |
250,867 |
△4.1 |
|
国際事業 |
79,521 |
1.1 |
|
食品・飲料事業 |
127,219 |
△3.7 |
|
外食事業 |
27,569 |
△3.7 |
|
不動産事業 |
24,483 |
2.5 |
|
報告セグメント計 |
509,658 |
△2.9 |
|
その他 |
12,198 |
3.0 |
|
合計 |
521,856 |
△2.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
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国分グループ本社㈱ |
72,127 |
13.4 |
61,682 |
11.8 |
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2017年12月31日) |
当連結会計年度 (2018年12月31日) |
|
資産の部 |
|
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|
流動資産 |
168,852 |
155,968 |
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
343,763 |
337,125 |
|
無形固定資産 |
40,523 |
35,632 |
|
投資その他の資産 |
77,492 |
66,655 |
|
固定資産合計 |
461,779 |
439,411 |
|
資産合計 |
630,631 |
595,380 |
|
|
|
|
|
負債の部 |
|
|
|
流動負債 |
220,173 |
205,006 |
|
固定負債 |
232,795 |
221,069 |
|
負債合計 |
452,968 |
426,075 |
|
|
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
148,193 |
151,791 |
|
その他の包括利益累計額 |
25,274 |
14,636 |
|
非支配株主持分 |
4,195 |
2,877 |
|
純資産合計 |
177,663 |
169,305 |
|
負債純資産合計 |
630,631 |
595,380 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
|
売上高 |
551,549 |
510,569 |
|
売上原価 |
358,573 |
349,837 |
|
売上総利益 |
192,976 |
160,732 |
|
販売費及び一般管理費 |
175,944 |
148,322 |
|
営業利益 |
17,033 |
12,410 |
|
営業外収益 |
2,093 |
1,906 |
|
営業外費用 |
2,715 |
2,780 |
|
経常利益 |
16,411 |
11,536 |
|
特別利益 |
6,814 |
3,221 |
|
特別損失 |
5,423 |
8,520 |
|
税金等調整前当期純利益 |
17,802 |
6,236 |
|
法人税等合計 |
8,182 |
1,981 |
|
当期純利益 |
9,619 |
4,255 |
|
非支配株主に帰属する当期純損失 |
△1,359 |
△1,094 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
10,978 |
5,349 |
要約連結包括利益計算書
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
|
当期純利益 |
9,619 |
4,255 |
|
その他の包括利益合計 |
4,565 |
△10,854 |
|
包括利益 |
14,184 |
△6,598 |
|
(内訳) |
|
|
|
親会社株主に係る包括利益 |
15,678 |
△5,289 |
|
非支配株主に係る包括利益 |
△1,494 |
△1,309 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
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(単位:百万円) |
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株主資本 |
その他の包括利益累計額 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
140,113 |
20,574 |
5,694 |
166,381 |
|
当期変動額合計 |
8,080 |
4,700 |
△1,499 |
11,282 |
|
当期末残高 |
148,193 |
25,274 |
4,195 |
177,663 |
当連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
株主資本 |
その他の包括利益累計額 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
148,193 |
25,274 |
4,195 |
177,663 |
|
当期変動額合計 |
3,598 |
△10,638 |
△1,318 |
△8,357 |
|
当期末残高 |
151,791 |
14,636 |
2,877 |
169,305 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
|
(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
30,005 |
26,383 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△17,823 |
△18,699 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△10,172 |
△10,102 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
51 |
△130 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
2,061 |
△2,548 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
10,476 |
12,537 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
12,537 |
9,989 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
(収益認識に関する会計基準の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日。以下「収益認識会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2018年3月30日)が2018年12月31日に終了する連結会計年度から2019年3月30日に終了する連結会計年度までにおける年度末に係る連結財務諸表から適用できることになったことに伴い、当連結会計年度末に係る連結財務諸表から収益認識会計基準等を適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することといたしました。
これにより、顧客に対して支払う対価である販売促進費などの一部について販売費及び一般管理費の区分に費用計上する方法から売上高から控除する方法へ変更しております。
この結果、当連結会計年度における連結損益計算書は、売上高が25,661百万円減少し、販売費及び一般管理費が25,661百万円減少しております。また、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微であります。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 43.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
のれんに対する調整
日本基準ではのれんはその効果の及ぶ期間で定額償却し、のれん償却費4,090百万円を販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、IFRSでは償却を行っておりません。
(業務提携)
バカルディ ジャパン株式会社との業務提携
当社の子会社であるサッポロビール㈱は、2011年5月19日付で、ラムブランド「バカルディ」など多くの有力ブランドを所有するバカルディ ジャパン㈱と同社が日本国内で販売権を有するスピリッツをはじめとする各ブランドの、日本国内における独占販売に関する業務提携契約を締結しました。
グループ横断型研究開発体制「サッポロイノベーションラボ」ではグループR&Dのコア技術として、「お客様を知る」、「おいしさを探す」、「おいしさを造る」、「おいしさを保証する」の4つを設定しております。「長期経営ビジョンSPEED150」に示された「異次元のスピード」を研究開発分野でも具体化するため、グループ内外を問わずに企業、大学、研究機関等との協働を進めております。
この研究開発体制の下、「お客様に食を通じた幸せをお届けするために、『創り』、『造り』続けます」という研究開発ビジョン、さらにはその先にあるお客様の笑顔を実現するため、サッポログループは挑戦を続けて参ります。
グループ基盤研究の中心である価値創造フロンティア研究所では、コア技術に基づき次の研究を進めております。
「お客様を知る」感性・情報科学研究では、お客様の嗜好を綿密に調査し、データを解析することによって、新商品の企画、中味開発、パッケージ選定に役立つ知見を提供しました。また、最先端のAI(人工知能)技術を活用し、いくつかの質問に答えるだけで、お客様個々の嗜好に合った商品を推奨するシステムを開発中です。さらには、工場熟練者の視線の動きを分析し、技術の見える化と伝承に関する研究に取り組んでおります。
「おいしさを探す」素材・機能研究では、大麦、ホップ、レモン、大豆、乳酸菌等の素材の健康機能についての研究開発を行っております。レモンからのクエン酸摂取による骨密度増加についての研究成果を発表し、レモンの健康機能に関する認知度を高めてきました。また、腸内細菌研究では、これまで着目されてこなかった斬新な発想での腸管ラジカル研究成果に対して2018年11月に日本食品免疫学会からポスター賞を授与されました。
「おいしさを造る」発酵・微生物研究では、創業以来酒類の研究開発で培ってきたサッポログループのコア技術のひとつである「発酵」をさらに深化させ、酒類のほか食品・飲料の価値創造を目的に研究開発を進めております。また、グループ独自の「SBL88®乳酸菌」についても、睡眠の質の改善作用を明らかにしました。
「おいしさを保証する」品質保証研究では、これまで以上にお客様の安全・安心志向や健康意識に応えるため、原料・製品の安全性分析及びそれを支える分析新技術の研究に継続して取り組んでおります。
おいしさ技術研究所では、「おいしさを造る」のコア技術を深化、発展させることを目的に、レモン、大豆等が本来持つ良さを引き出した素材の開発や、安全・安心でおいしい食品を製造できる加工技術の開発、様々な「酒」「食」「飲」のおいしさを機器分析等によって明らかにする取組みを進めております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は29億円です。
セグメントの状況は次のとおりです。
[国内酒類事業]
1.商品開発について
酒類の商品開発については、変化をチャンスと捉え、現状の殻を破って「突き抜ける」存在となるべく、新たな価値創造に取り組んできました。
ビールテイスト酒類の商品開発については、変化をチャンスと捉え、現状の殻を破って「突き抜ける」存在となるべく、新たな価値創造に取り組んできました。
ビールテイストでは、通年新商品を上半期に3商品<①糖質、プリン体、人工甘味料の3つのゼロに加え、低カロリーNo.1(※1)を実現した機能系商品「極ZERO 爽快ゼロ」、②ノンアルユーザーの不満を「香りの良さ」で解決する自然な美味しさのノンアル「麦のくつろぎ」、③新ジャンル史上初(※2)アルコール9%「LEVEL9 贅沢ストロング」>を発売しました。基軸ブランドでは、3月に「麦とホップ The gold」を「麦とホップ」としてリニューアルを実施しました。発売以来こだわり続けた麦原料100%とホップだけでつくる品質に更にこだわり、一口目の満足感と後味の良さを追求しました。2019年発売商品として、ヱビスブランドから、新たなお客様の獲得を目指し、上面発酵による「濃密な香り、コク、余韻」が特長の「ヱビス プレミアムエール」を開発、新ジャンルでも、高発酵・強炭酸を実現した「サッポロ 本格辛口」を新ジャンル本格競争に向け準備、また、Innovative Brewerブランドより、当社開発登録ホップであり、世界に誇れる「ソラチエース」を100%使用したエールビール「SORACHI 1984」を開発しました。
伸長するRTD市場に対しては、8月に「サッポロチューハイ99.99<フォーナイン>」を発売しました。本商品は、純度99.99%の高純度ウォッカ(※3)を使用した透明感のあるクリアな味わいで、飲み飽きないスムースな飲み口が特長の本格チューハイです。販売は好調に推移し、年間で239万ケース(250ml×24本換算)を達成し、販売目標の200万ケースを大きく上回りました。基軸ブランドの「男梅サワー」においては、10月にしょっぱい旨さをさらに進化させたリニューアルを行い、7月には「辛口男梅サワー」を限定発売しました。また、南日本酪農協同(株)とのコラボレーション商品「愛のスコールサワー」では、積極的なフレーバー展開を図ることで、販売数量は前年比204%と大きく伸長しました。「キレートレモンサワー」では、ヒアルロン酸やマルチビタミンなど、新たな機能価値を有する商品を発売することで、キレートサワーブランドの魅力を高めました。ワイン市場には、ポリフェノールを175mg/100ml含み、オークチップによる豊かで深みのある香りが特長の「ポリフェノールでおいしさアップの薫る赤ワイン」を限定発売しました。
※1 国産大手メーカーより発売されている糖質0の商品において(当社調べ2017年10月現在)18kcal/100ml当たり
※2 日本国内で発売されているビールテイストの「リキュール(発泡性)①」または「その他の醸造酒(発泡性)①」において。当社調べ2018年1月現在。
※3 エタノール以外の有機物割合が0.01%未満のウォッカを純度99.99%と当社として規定
2.研究開発について
「酒」分野の研究開発を担う、サッポロビール社酒類技術研究所では、「おいしさを造る」と「おいしさを保証する」の一環として、ビールの泡の色の定量化に世界で初めて成功し、泡の白さとビールの液色との相関関係、さらには麦芽の種類やビールの鮮度によって泡の色が変化することを明らかにしました。
同じくバイオ研究開発部では、酒類の「おいしさを造る」大麦・ホップの育種・開発を行っており、同部が開発した旨さ長持ち麦芽の原料であるLOXレス大麦は、カナダ、オーストラリア、欧州及び北海道で商業栽培され、2018年8月には、カナダのサスカチュワン大学と共同で開発したCDC Goldstarが新たに品種登録されました。国産初のLOXレス品種「札育2号」は、北海道産ビール大麦の主力として生産量を拡大しております。一方、クラフトビールの伸長で注目されるホップでは、開発した新品種「フラノマジカル」の商業栽培が北海道で開始され、2018年9月には柑橘果実様の特有香を持つ「フラノ1501U号」を品種登録出願する等、ユニークな原料開発を行っております。
これまでの「ホップの栽培安定化へのグローバルな貢献」、「優良ホップ品種の継続的な育種開発」、「ホップ特有の成分に関する多角的解析」の3点からなる『ホップ品質の多角的な解析とその応用』に関する研究成果については、育種・栽培技術から商品開発までの一気通貫した取組みとして評価され、2018年度日本農芸化学会技術賞を受賞いたしました。
国内酒類事業の研究開発費の金額は12億円です。
[食品・飲料事業]
「食」・「飲」分野においては、「おいしさを探す」一環として、当社とポッカサッポロフード&ビバレッジ社が協働し、レモンの摂取による健康状態への効果を長期にわたって調査する観察研究を、国産レモンの産地である広島県の大崎上島町にて地元自治体や大学と協働して進めております。また、国産レモンの省力化栽培・供給拡大を念頭に、IoTを活用したレモン栽培の研究を開始しました。
さらに「食」分野の拡大加速のため、「おいしさを造る」例として、大豆と「発酵」技術の組合せによる「とろ~りまろやか」食感の実現や、「発酵」により豆乳に含まれるイソフラボンを吸収しやすく変化させ、「SOYBIO(ソイビオ)豆乳ヨーグルト」の開発に結び付けました。
食品・飲料事業の研究開発費の金額は10億円です。