また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当第1四半期連結累計期間(平成28年1月1日~3月31日)における世界経済は、中国を始めとした新興国経済の動向に懸念が残りましたが、米国において雇用者数と個人消費が増加したことや、欧州において景気が緩やかに回復したことなどにより、全体としては緩やかな回復が続きました。
日本経済におきましては、非製造業を中心とした企業収益や雇用・所得環境が改善したことなどにより、景気は緩やかな回復が続きました。
こうした状況のなかアサヒグループは、新たに策定した『中期経営方針』のもとで、「『稼ぐ力』の強化」、「資産・資本効率の向上」、「ESGへの取組強化」の3つを重点課題として、これまで推進してきた「企業価値向上経営」の更なる深化に取り組みました。
特に「『稼ぐ力』の強化」においては、国内では、高付加価値化、差別化を基軸とした収益基盤の盤石化を図るとともに、海外では、既存事業のブランド強化・育成を軸とした成長戦略の推進や日本発の「強み」を活かす新たな成長基盤の獲得などに取り組みました。
その結果、アサヒグループの当第1四半期連結累計期間の売上高は3,802億4千1百万円(前年同期比1.6%増)となりました。また、利益につきましては、営業利益は114億8千3百万円(前年同期比6.3%増)、経常利益は23億9千万円(前年同期比81.6%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は6億1千4百万円(前年同期比95.4%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しておりますので、以下の前年同期比較は前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
事業セグメント別の実績 (単位:百万円)
| 売上高 | 前年同期比 | のれん等償却前営業利益 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
酒類 | 189,941 | 4.7% | 14,948 | 3.5% | 14,626 | 1.5% |
飲料 | 95,448 | 2.1% | 364 | - | △390 | - |
食品 | 26,939 | 2.0% | 1,727 | 68.7% | 1,635 | 75.5% |
国際 | 57,775 | △9.1% | 2,948 | △9.1% | 495 | 83.2% |
その他 | 10,136 | 8.5% | △478 | - | △520 | - |
調整額 | - | - | △4,362 | - | △4,362 | - |
合計 | 380,241 | 1.6% | 15,148 | 3.0% | 11,483 | 6.3% |
※のれん等償却前営業利益=営業利益+のれん償却額と買収に伴う無形固定資産の償却額
酒類事業
酒類事業につきましては、「No.1ブランドの育成、創出を通じて“総合酒類提案のリーディングカンパニー”を目指す!」をスローガンに、既存ブランドの価値向上とイノベーションによる新価値・新需要の創造に取り組みました。
ビール類につきましては、『アサヒスーパードライ』において、東京2020オリンピック・パラリンピック限定記念缶や季節に合わせたパッケージデザインの商品を発売しました。また、“究極のコクキレ※1”に加え“糖質50%オフ※2”を実現したビール『アサヒ ザ・ドリーム』を発売し、ビール市場の活性化に努めました。新ジャンル『クリアアサヒ』においては、『クリアアサヒ プライムリッチ』など既存商品のリニューアルや期間限定商品『クリアアサヒ 桜の宴』の発売により、ブランド価値の向上を図りました。
ビール類以外の酒類につきましては、チリワイン『サンタ・ヘレナ・アルパカ』や『ウィルキンソン』ブランドを活用したRTD※3の商品の販売促進活動を強化するなど、各カテゴリーの成長に向けて取り組みました。
アルコールテイスト清涼飲料につきましては、ビールテイスト清涼飲料『アサヒドライゼロ』において、飲みごたえをアップさせたリニューアルを実施し、ブランド力を強化しました。また、特定保健用食品の『アサヒ ヘルシースタイル』を発売し、新たな価値の提案に取り組みました。
以上の結果、酒類事業の売上高は、ビール類の販売数量が増加したことやビール類以外の酒類とアルコールテイスト清涼飲料の売上がそれぞれ前年を上回ったことに加え、「エノテカ株式会社」の上乗せ効果などにより、前年同期比4.7%増の1,899億4千1百万円となりました。
のれん等償却前営業利益では、広告販促費が増加しましたが、増収効果に加えて製造原価低減などの取組により、前年同期比3.5%増の149億4千8百万円となりました(営業利益(のれん等償却後)は前年同期比1.5%増の146億2千6百万円)。
※1 コクキレとは、当社が目指すコクとキレの最適なバランスのことです。
※2 日本食品標準成分表2015年版(七訂)によります。
※3 RTD:Ready to Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。
飲料事業
飲料事業につきましては、重点ブランドに集中したマーケティング投資や健康を軸とした商品開発に加えて、物流インフラの再整備や工場における生産効率の最大化と操業度の向上に取り組むことで、「確固たるブランドの育成」と「強靭な収益構造の確立」を目指しました。
『三ツ矢』ブランドにおいて、『三ツ矢サイダー』をリニューアルするとともに、透明果汁※を使用した『三ツ矢 澄みきるサイダー』を発売し、『十六茶』ブランドにおいては、『アサヒ 十六茶』の原料素材を変更するリニューアルを行うなど、新たな提案を通じてブランド価値の向上を図りました。『ワンダ』ブランドにおいては、『ワンダ モーニングショット』や『ワンダ 金の微糖』の積極的な販売促進活動を展開しました。
また、“目や鼻の調子を整える”『アサヒ めめはな茶』の販売強化や、“肌の潤いを保つ”清涼飲料水『アサヒ 素肌URURU(うるる)』の発売など、機能性表示食品の商品を積極的に展開しました。
さらに、チルド飲料においては、カロリーゼロのフレーバーティー『大人の紅茶』シリーズが好調に推移したほか、市場ニーズに対応し小容量の商品の販路を拡大しました。
以上の結果、飲料事業の売上高は、「アサヒ飲料株式会社」においてコーヒーやお茶の販売数量が前年実績を上 回ったことなどにより、前年同期比2.1%増の954億4千8百万円となりました。
のれん等償却前営業利益については、増収効果のほか、品種・容器構成比の改善や最適生産物流体制の構築に向けた取組を推進したことにより、前年同期比4億6千9百万円改善の3億6千4百万円となりました(営業損失(のれん等償却後)は、前年同期比4億6千9百万円改善の3億9千万円)。
※透明果汁とは、搾汁後の、固形分が残って濁った状態の果汁(混濁果汁)から、液中の固形分を分解しさらにろ過した、固形分がない果汁のことです。
食品事業
食品事業につきましては、事業会社3社を「アサヒグループ食品株式会社」に集約し、事業やブランドの「選択と集中」と統合シナジーの創出に取り組みました。
食品菓子においては、主力のタブレット菓子『ミンティア』の発売20周年を記念し、期間限定のパッケージデザインの商品の発売や消費者キャンペーンなどを行い、ブランド力の更なる強化を図りました。
ベビーフードにおいては、レトルトパウチの『グーグーキッチン』をリニューアルしたほか、粉末タイプの『手作り応援』の商品ラインアップを拡充しました。また、フリーズドライにおいては、『いつものおみそ汁』の取扱店舗数の増加を促進したほか、新商品『畑のカレー』を発売するなど、各カテゴリーにおいて積極的な商品展開を推進しました。
さらに、『ディアナチュラゴールド』の店頭での販売促進活動の強化を行うとともに、“記憶力の維持に役立つ”『シュワーベギンコ イチョウ葉エキス』を発売するなど、機能性表示食品のサプリメントの展開を強化しました。
以上の結果、食品事業の売上高は、事業ポートフォリオの見直しによる減収影響はありましたが、主力ブランドを中心に既存事業が好調に推移したことにより前年同期比2.0%増の269億3千9百万円となりました。
のれん等償却前営業利益については、広告販促費が増加しましたが、増収効果に加えて、事業統合に伴う原材料の調達コストの低減などにより、前年同期比68.7%増の17億2千7百万円となりました(営業利益(のれん等償却後)は、前年同期比75.5%増の16億3千5百万円)。
国際事業
国際事業につきましては、各事業の成長ポートフォリオの強化・拡充や統合シナジーの最大化などにより、オセアニアの安定成長に向けた事業構造の確立と中国・東南アジアにおける成長基盤の拡大に取り組みました。
オセアニア事業につきましては、飲料において主力の炭酸飲料カテゴリーのブランド力を強化するとともに、市場が拡大しているミネラルウォーターカテゴリーにおいて『Cool Ridge』『Frantelle』などの販売促進活動を強化しました。また、酒類においては、『アサヒスーパードライ』やオーストラリア限定の『アサヒ爽快』などのビールに加え、サイダー(りんご酒)など成長カテゴリーにおいて、積極的な商品展開に注力しました。
東南アジア事業につきましては、マレーシアの『Mountain Dew』や『ワンダ』、インドネシアの『ICHI OCHA』といった各国の主力ブランドが好調に推移したことに加え、マレーシアの『カルピス』やミャンマーの『ウィルキンソン』などを新たに発売し、市場における存在感の向上に努めました。
中国事業につきましては、飲食店における樽生ビールの取扱店舗数の増加を推進したほか、コンビニエンスストアやスーパーマーケットといった量販店への提案型営業を強化したことなどにより、『アサヒスーパードライ』の販売数量の拡大に努めました。
以上の結果、国際事業の売上高は、各地域の事業が堅調に推移したことにより、前年同期比9.1%減の577億7千5百万円となりました。
のれん等償却前営業利益については、増収効果に加え、ペットボトル容器の内製化や物流費の効率化などに努めたものの、豪州やマレーシアにおける通貨安の影響で原材料調達コストが大幅に上昇したことなどにより、前年同期比9.1% 減の29億4千8百万円となりました(営業利益(のれん等償却後)は、前年同期比83.2%増の4億9千5百万円)。
その他事業
その他の事業につきましては、売上高は、前年同期比8.5%増の101億3千6百万円となりました。
のれん等償却前営業損失は、前年同期比3億3千2百万円悪化の4億7千8百万円となりました(営業損失(のれん等償却後)は、前年同期比3億3千2百万円悪化の5億2千万円)。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,089億5千8百万円減少しております。これは、アサヒグループの売上高が季節により変動するため、売上債権が最も多い会計年度末に比べ減少したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて799億4百万円減少しております。これも主に季節要因にかかるもので、金融債務(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計)は増加したものの、第1四半期の売上高規模により買掛金や未払酒税などが大きく減少したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ290億5千3百万円減少しております。これは、その他有価証券評価差額金の減少及び為替相場の変動による為替換算調整勘定の減少や、配当金支出により利益剰余金が減少したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の46.2%から47.4%に増加しました。
当第1四半期連結累計期間において、アサヒグループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号本文に規定される事項)を定めており、その内容等は次の通りであります。
①基本方針の内容
当社では、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者とは、アサヒグループの企業価値の源泉である“魅力ある商品づくり”“品質・ものづくりへのこだわり”“お客様へ感動をお届けする活動”や有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、その他アサヒグループの企業価値を構成する事項等、さまざまな事項を適切に把握したうえで、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えています。
当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかしながら、株式の大量買付のなかには、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするものなど、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
このように当社株式の大量買付を行う者が、アサヒグループの企業価値の源泉を理解し、中長期的に確保し、向上させられる者でなければ、アサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
そこで当社は、このような大量買付に対しては、アサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益を守る必要があると考えます。
②基本方針実現のための取組み
(a) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、平成25年に「『食の感動(おいしさ・喜び・新しさ)』を通じて、世界で信頼される企業グループを目指す」ことを掲げた「長期ビジョン2020」を策定するとともに、その実現に向け “バリュー&ネットワーク経営” を推進することによる企業価値の向上を目指した3か年計画として「中期経営計画2015」の取組をグループ全体で行ってまいりました。
この「中期経営計画2015」の総括と経営環境の変化を踏まえ、「長期ビジョン2020」を本年2月に、基本方針を踏襲しつつ10年程度先を見据えた事業の将来像を付加した「長期ビジョン」として更新しました。また、「中期経営計画」については「中期経営方針」として改め、従来のアクションプラン型の内容から、ビジョンの実現に向けた中期的な方向性に重点を置いた形式に移行しました。
こうした経営方針を設定し実行していくことが、経営戦略の柔軟性を担保するとともに、「エンゲージメント・アジェンダ(建設的な対話の議題)」としてステークホルダーとの対話を深め、持続的な企業価値の向上ひいては株主共同の利益の確保につながるものであると考えております。
なお、当社は、前記の諸施策のため、コーポレート・ガバナンスの更なる強化を図っています。
当社においては、平成12年3月30日に執行役員制度を導入したことにより、経営の意思決定と業務執行機能を分離し、業務の迅速な執行を図るとともに、当社取締役会における監督機能の強化に努めてまいりました。これに加え、3名の社外取締役と3名の社外監査役を、東京証券取引所の定める独立役員として指定し、同取引所に届け出ております。
また、当社取締役会の諮問機関であり社外取締役も委員となっている指名委員会及び報酬委員会の設置により、社外役員によるチェックが機能しやすい体制としております。
さらに、株主の皆様に対する経営陣の責任をより一層明確にするため、平成19年3月27日開催の第83回定時株主総会において、取締役の任期を2年から1年に短縮いたしました。
平成23年7月1日には純粋持株会社制へ移行することで、各事業部門の権限と責任の明確化や専門性の追求により事業基盤の強化を図るとともに、企業価値の向上を目指した国内外の事業ネットワークの拡大を推進いたしました。
(b) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
③具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
② (a)に記載した各取組みは、①に記載した基本方針に従い、当社を始めとするアサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、22億9千2百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、アサヒグループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。