第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第95期
第3四半期
連結累計期間

第96期
第3四半期
連結累計期間

第95期

決算年月

自 2018年1月1日
至 2018年9月30日

自 2019年1月1日
至 2019年9月30日

自 2018年1月1日
至 2018年12月31日

売上収益

(百万円)

1,578,641

1,550,534

2,120,291

(第3四半期連結会計期間)

(573,577)

(566,701)

税引前四半期利益
又は税引前利益

(百万円)

162,047

157,615

207,308

親会社の所有者に帰属する
四半期(当期)利益

(百万円)

116,502

112,861

151,077

(第3四半期連結会計期間)

(56,124)

(51,323)

親会社の所有者に帰属する
四半期(当期)包括利益

(百万円)

90,734

5,497

42,327

親会社の所有者に帰属する持分

(百万円)

1,194,431

1,101,070

1,146,420

資産合計

(百万円)

3,113,907

2,935,011

3,079,315

基本的1株当たり
四半期(当期)利益

(円)

254.32

246.38

329.80

(第3四半期連結会計期間)

(122.52)

(112.04)

希薄化後1株当たり
四半期(当期)利益

(円)

254.31

246.36

329.79

親会社所有者帰属持分比率

(%)

38.4

37.5

37.2

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

203,413

177,075

252,441

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

45,258

80,864

22,505

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

242,327

116,154

270,564

現金及び現金同等物の
四半期(期末)残高

(百万円)

61,217

36,081

57,317

 

(注) 1 当社は要約四半期連結財務諸表を作成しておりますので、提出会社の主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2 売上収益には、消費税等は含まれておりません。

3 上記指標は、国際会計基準(IFRS)により作成した要約四半期連結財務諸表及び連結財務諸表に基づいております。

 

 

 

2 【事業の内容】

当第3四半期連結累計期間において、アサヒグループ(当社及び当社の関係会社)が営む事業の内容について、以下を除き、重要な変更はありません。
  当社グループは、第1四半期連結会計期間において、研究開発機能を独立した新組織とするため、アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社を設立致しました。
  また、主要な関係会社の異動については、以下のとおりであります。
 
 (国際事業)
 第2四半期連結会計期間において、ASAHI UK HOLDINGS LTD(2019年4月29日付で、The Fuller's Beer Company Limitedから商号変更)他3社につきましては株式を取得したため連結の範囲に含めております。
 
  なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」の(報告セグメントの変更に関する事項)をご参照ください。

 

第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに認識した事業等のリスクはありません。
 また、前年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績

当第3四半期連結累計期間(2019年1月1日~9月30日)における世界経済は、雇用者数の増加や個人消費の拡大を背景に米国の景気が堅調に推移したことなどにより全体としては回復基調が継続しましたが、アジアや欧州において景気に弱さが見られました。日本経済におきましては、企業収益が堅調に推移するとともに、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しなどにより、景気は緩やかに回復しました。
 こうした状況のなかアサヒグループは、新グループ理念“Asahi Group Philosophy(AGP)”のもと、「中期経営方針」に基づき“グローカルな価値創造経営”を推進しました。「中期経営方針」では『稼ぐ力の強化』、『経営資源の高度化』、『ESGへの取組み深化』の3つを重点課題に設定し、特に『稼ぐ力の強化』においては、国内外の各事業における高付加価値ブランドの育成や収益構造改革などに取り組みました。

その結果、主力ブランドの価値向上や新たな需要創出が進んだものの、為替変動の影響や最盛期の天候不順などにより、アサヒグループの当期の売上収益は1兆5,505億3千4百万円(前年同期比1.8%減)となりました。また、利益につきましては、事業利益※11,628億1百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益は1,598億4千4百万円(前年同期比3.5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,128億6千1百万円(前年同期比3.1%減)となりました。

なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比0.5%の増収、事業利益は前年同期比0.4%の減益となりました。※2

   ※1 事業利益(損失)とは、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、恒常的な事業の
 業績を測る当社独自の利益指標です。

   ※2 2019年の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しています。

 

[酒類事業]

酒類事業につきましては、「基幹ブランドの強化と新需要の創造」をテーマに、最高品質の提供と飲用機会の拡大による市場全体の活性化や新需要の創造に向けた商品提案に取り組みました。
 ビール類では、ビールにおいて、中長期のブランドスローガンを“THE JAPAN BRAND”と設定した『アサヒスーパードライ』の広告訴求を強化するとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催1年前を記念して特別限定醸造した『アサヒ ゴールドラベル』を発売しました※1。また、飲食店における新たな飲用シーンを提案する『アサヒスーパードライザ・クール』を拡大展開するなど、若年層の需要拡大に向けた取組みを強化しました。新ジャンルにおいては、麦の味わいと心地よい香りを高めた『クリアアサヒ』や冴えるシャープなキレと麦100%※2の飲みごたえを実現した『アサヒ 極上<キレ味>』の販売促進強化などにより、市場における存在感の向上に努めました。
 ビール類以外では、RTD※3において、強炭酸の爽快さが特長の『ウィルキンソン・ドライセブン』や『ウィルキンソン・ハイボール』を発売したほか、洋酒において、主力ブランド『ブラックニッカ』の期間限定バー『BLACK 3 STYLES BAR』を展開しテーマに合わせた飲用シーンの提案を強化しました。また、アルコールテイスト清涼飲料において、『アサヒドライゼロ』で新たな需要創出に向けた活動を行うなど、各カテゴリーにおける主力ブランドの強化・育成に取り組みました。

以上の結果、酒類事業の売上収益は、ビール類以外の売上は前年実績を上回ったものの、最盛期の天候不順の影響などによるビール類の販売数量の減少により、前年同期比1.4%減の6,570億2千万円となりました。

事業利益については、製造原価の低減などに取り組みましたが、売上収益の減少により、前年同期比0.4%減の780億3千1百万円となりました(営業利益は前年同期比0.1%増の769億8千6百万円)。

   ※1  アサヒビール株式会社は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会ゴールドパートナー(ビール

       &ワイン)です。

   ※2  麦芽、大麦、スピリッツ(大麦)を使用。ホップ使用量を除きます。

   ※3  RTD:Ready To Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。

 

 [飲料事業]

飲料事業につきましては、主力ブランドへの経営資源の集中に加え、健康機能領域での高付加価値商品の取組み強化など、新たな成長基盤の構築や最適生産物流体制の推進による収益構造改革に取り組みました。
 主力ブランドにおいては、『三ツ矢』ブランドで、1964年に発売されていた当時の味わいを現代風に再現した『「三ツ矢サイダー」 NIPPON』を発売したほか、『ウィルキンソン』ブランドで、商品ラインアップを拡充するなど、ブランド力の強化に努めました。また、今年発売100周年を迎えた『カルピス』ブランドでは、期間限定商品の発売に加え、様々な記念日を応援する「人を想う記念日ACTION!」や「発酵BLEND PROJECT」などの新しい取組みを積極的に展開し、ブランド価値の向上に努めました。
 健康機能領域においては、『カルピス』に由来する長年の乳酸菌研究から開発された『「はたらくアタマに」ラクトノナデカペプチドドリンク』や、葛の花由来イソフラボンと難消化性デキストリンを配合した『アサヒ からだ十六茶α』など、ブランド資産を活用した機能性表示食品を発売するなど、高付加価値商品への取組みを強化しました。

以上の結果、飲料事業の売上収益は、『ウィルキンソン』や健康機能領域の商品が堅調に推移したことなどにより、前年同期比0.5%増の2,837億8千2百万円となりました。
 事業利益については、最盛期の天候不順の影響を受けて、工場稼働率の低下による製造原価の上昇や市場活性化のために広告・販促費を積極的に投入したことなどにより、前年同期比18.3%減の256億6千5百万円となりました(営業利益は前年同期比20.6%減の239億4千5百万円)。

 

[食品事業]

食品事業につきましては、主力ブランド・カテゴリーへの経営資源の集中による市場競争力の強化や最適生産物流体制の構築による収益性の向上など、成長基盤の盤石化に取り組みました。
 タブレット菓子『ミンティア』においては、主力商品のリニューアルや新フレーバーの発売などにより、ユーザー層の拡大を図りました。
 サプリメントについては、『ディアナチュラ』において、主力商品を中心に販売促進活動を積極的に展開するとともに、美容に嬉しい成分が気軽に摂れる商品を発売するなど、ブランド力の向上を図りました。
 ベビーフードについては、離乳食期に30種の食材を体験することで、味覚を広げることをサポートする『WAKODO GLOBAL』ブランドを立ち上げ、新たな価値の提案を強化しました。
 フリーズドライ食品については、食事を彩る8種の食材と香り引き立つ2種の食材を使用した、おみそ汁の新シリーズ『10品目の一杯』を発売するなど、市場における地位の更なる向上に取り組みました。

以上の結果、食品事業の売上収益は、主力ブランドを中心に好調に推移し、前年同期比2.1%増856億9百万円となりました。
 事業利益については、増収効果に加えて、製造原価の低減などにより、前年同期比7.1%増の100億7千5百万円となりました(営業利益は前年同期比4.3%増97億5千9百万円)。

 
[国際事業]

国際事業につきましては、各事業における高付加価値商品を核としたブランド資産の強化や地域横断的な展開によるシナジー創出などにより、成長基盤の一層の拡大に取り組みました。
 欧州事業については、西欧において、『Peroni Nastro Azzurro』や4月に買収が完了した英国の『London Pride』などを中心とした高付加価値商品の展開に加えて、『アサヒスーパードライ』のブランド価値の訴求強化によりプレミアム化を推進し、成長基盤の強化を図りました。中東欧においては、チェコの『Pilsner Urquell』やポーランドの『Lech』など、主力のプレミアムブランドのマーケティング活動を強化するとともに、ポーランドの『Tyskie』などの中味や容器のリニューアルを実施し、ブランド価値の向上に努めました。また、ビールテイスト清涼飲料の展開を強化するなど、各国におけるプレミアム化の推進と新たな成長ドライバーの育成を図りました。
 オセアニア事業については、飲料において、炭酸カテゴリーを中心に積極的な販売促進活動に取り組むとともに、『Schweppes』ブランドのプレミアム商品の拡大に取り組むなど、付加価値商品の展開強化に努めました。酒類においては、現地製造を開始した『アサヒスーパードライ』や『Peroni Nastro Azzurro』を中心としたプレミアムビールのマーケティング活動を強化し、ブランド価値の向上に取り組みました。
 東南アジア事業については、マレーシアにおいて、加糖飲料課税の導入により健康志向が高まるなか、健康機能などの付加価値商品の展開を強化しました。
 中国事業については、『アサヒスーパードライ』や欧州のプレミアムブランド『Peroni Nastro Azzurro』『Pilsner Urquell』の販売強化により、プレミアムビール市場における存在感の向上に取り組みました。

以上の結果、国際事業の売上収益は、プレミアム化の推進や新たな成長ドライバーの育成を図った既存事業は順調に推移しましたが、前期に実施した中国事業子会社の持分法適用会社への一部移行や各地域での円高の影響などにより、前年同期比3.9%減の5,196億6千4百万円となりました。
 事業利益については、円高の影響があったものの、欧州事業や東南アジア事業の増益などにより、前年同期比2.9%増の796億7千9百万円となりました(営業利益は、前年同期比4.3%増の649億9千9百万円)。

なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比2.8%の増収、事業利益は前年同期比10.0%の増益となりました。

   ※  2019年の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しています。

 

[その他事業]

その他の事業につきましては、売上収益は、前年同期比0.1%増の812億4千6百万円となりました。
 事業利益については、前年同期比44.3%減の8億9千8百万円となりました(営業利益は前年同期比55.1%減6億6千7百万円)。

 

セグメントの業績は次の通りです。各セグメントの売上収益はセグメント間の内部売上収益を含んでおります。なお、第1四半期連結累計期間より酒類事業に含まれていた輸出ビールの販売分について、報告セグメントの区分を国際事業に変更しており、国際事業に含まれていた一部の会社の報告セグメント区分を飲料事業に変更しております。また、事業利益の「調整額計」に含まれていた「IFRS調整額」を、各事業に配賦する開示方法に変更しております。以下の前年同期比較は前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
   

    事業セグメント別の実績                                      (単位:百万円)

 

売上収益

前年同期比

事業利益

前年同期比

売上収益
事業利益率

営業利益

前年同期比

酒類

657,020

△1.4%

78,031

△0.4%

11.9%

76,986

0.1%

飲料

283,782

0.5%

25,665

△18.3%

9.0%

23,945

△20.6%

食品

85,609

2.1%

10,075

7.1%

11.8%

9,759

4.3%

国際

519,664

△3.9%

79,679

2.9%

15.3%

64,999

4.3%

その他

81,246

0.1%

898

△44.3%

1.1%

667

△55.1%

調整額計

△76,788

△16,076

△16,514

無形資産償却費

△15,472

合計

1,550,534

△1.8%

162,801

△3.1%

10.5%

159,844

△3.5%

 

    ※ 営業利益における無形資産償却費は各事業に配賦しています。

 

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間の連結総資産は、IFRS第16号「リース」の適用により有形固定資産が増加したものの、前期末比円高及び償却による無形資産の減少等により、総資産は前年度末と比較して1,443億3百万円減少し、2兆9,350億1千1百万円となりました。

負債は、IFRS第16号「リース」の適用によりその他の金融負債が増加したものの、社債及び借入金の減少等により、前年度末と比較して985億5千2百万円減少し、1兆8,311億1千5百万円となりました。

資本は、前年度末に比べ457億5千1百万円減少し、1兆1,038億9千5百万円となりました。これは、当第3四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上により利益剰余金が増加したものの、配当金支出により利益剰余金が減少したこと及び為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額が減少したこと等によるものです。

この結果、親会社所有者帰属持分比率は37.5%となりました。

 

  ※詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3 重要な会計 

   方針」をご参照下さい。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益が1,576億1千5百万円となりましたが、法人所得税等の支払による減少があった一方で、減価償却費等の非資金損益項目による増加があり、1,770億7千5百万円(前年同期比:263億3千7百万円の収入減)の収入となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、欧州事業における子会社株式の取得などにより、808億6千4百万円(前年同期比:1,261億2千2百万円の支出増)の支出となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による金融債務の減少があり、1,161億5千4百万円(前年同期比:1,261億7千3百万円の支出減)の支出となりました。
 以上の結果、当第3四半期連結累計期間末では、前第3四半期連結累計期間末と比較して現金及び現金同等物の残高は251億3千6百万円減少し、360億8千1百万円となりました。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、アサヒグループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、89億2千万円であります。

なお、当社は、新グループ理念“Asahi Group Philosophy (AGP)” に基づいた企業価値向上への取組みを推進するため、研究戦略の立案、研究開発、及び新規事業創出に取り組む新会社アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社を設立し、2019年4月より事業を開始しています。また、当該子会社の研究開発費は全社費用に含まれています。

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。