また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成27年1月1日~平成27年9月30日)における世界経済は、米国の利上げ時期や中国の景気に関する不透明感が残る中、原油価格安の影響を大きく受け、主要先進国におけるインフレ率の低下が見られ、世界全体の輸出数量の伸び率が停滞するなど、全体として景気の減速感が強まりました。
わが国経済は、世界経済の悪化から輸出、生産が低調になり、また、天候不順の影響もあり、景気の減速感と消費の弱さが見られました。
キリングループは、2015年度を、長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:KV2021)実現に向けた最初のステージである「キリングループ2013年-2015年中期経営計画」の最終年度であると同時に、2016年から開始する次期中期経営計画のゼロ年度と位置付け、グループ本社であるキリンホールディングス㈱と各地域統括会社がそれぞれの事業の強化に一体的に取り組みました。特に、グループの最優先課題である日本綜合飲料事業の再成長に向け、中期的な視点で主力ブランドに経営資源を集中した活動を一貫して行い、競争環境の変化にスピード感を持って取り組みました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は、日本綜合飲料事業及び医薬・バイオケミカル事業の販売数量の増加等により、前年を上回りました。また、日本綜合飲料事業の営業利益は減少しましたが、海外綜合飲料事業の営業利益は「企業結合に関する会計基準」等の改正の早期適用により増加となり、医薬・バイオケミカル事業でも増加となったため、連結営業利益は増加し、連結経常利益も増加しました。連結四半期純利益については、固定資産売却益等もあり、前年同期に比べ、増加しました。
連結売上高 | 1兆6,309億円 | (前年同期比 | 1.4%増 ) |
連結営業利益 | 1,023億円 | (前年同期比 | 26.6%増 ) |
連結経常利益 | 1,018億円 | (前年同期比 | 38.4%増 ) |
連結第3四半期純利益 | 549億円 | (前年同期比 | 149.5%増 ) |
(参考) |
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平準化EBITDA ※ | 2,024億円 | (前年同期比 | 2.3%増 ) |
平準化EPS ※ | 88円 | (前年同期比 | 6.0%増 ) |
※ 平準化:特別損益等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額 + 持分法適用関連会社からの受取配当金
平準化EPS = 平準化四半期純利益 / 期中平均株式数
平準化四半期純利益 = 四半期純利益 + のれん等償却額 ± 税金等調整後特別損益
なお、平準化EBITDAは億円未満切捨てで表示しており、平準化EPSは円未満四捨五入により算出しております。
セグメント別の業績は次のとおりです。
<日本綜合飲料事業>
日本綜合飲料事業では、事業の再成長に向け、ブランド力の強化に一貫して取り組み、お客様や社会に、卓越した品質とおいしさで、驚きや感動につながる価値創造を進めました。
キリンビール㈱では、2010年から低下が続いているビール類のお客様支持率を上昇に転じさせることを最重要課題として、中期的な視点で主力ブランドに経営資源を集中した活動を一貫して行いました。ビール類の販売数量は最盛期での天候不順の影響を受け減少しましたが、ビール類市場平均を上回り、堅調に推移しました。最重点の「キリン一番搾り」ブランドは、上半期の好調なトレンドを継続しており、9月から開始したキャンペーンも奏功し、前年を上回る販売となりました。また、伸長する健康・機能性カテゴリーで、「淡麗グリーンラベル」、「淡麗プラチナダブル」、「キリン のどごし オールライト」は引き続き高いお客様支持率を得ました。RTD※では、「キリン 氷結」、「キリン 本搾りTMチューハイ」、「キリンチューハイ ビターズ」の主力3ブランドから新商品提案を行い、前年を上回る販売となりました。洋酒については、国産ウイスキー「富士山麓」が引き続き大変好調に推移し、洋酒全体で前年を上回る販売となりました。
メルシャン㈱では、フラッグシップブランドである「シャトー・メルシャン」が、国内最大級のワインコンクールである「Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2015」において、2品が金賞を受賞し、販売も好調に推移しました。しかし、競争環境が激化したことなどにより、販売数量はわずかに前年を下回りました。新商品「ギュギュッと搾ったサングリア」は、上方修正した年間販売予定数を8月に達成したため、さらに発売当初の2.5倍に再上方修正するなど好調に推移しました。また、伸長するチリワインの商品ラインアップを拡充し、引き続き輸入ワインのブランド育成に取り組みました。
キリンビバレッジ㈱では、主力ブランドの「キリン 午後の紅茶」から、定番商品に加え、こだわり素材シリーズとして「キリン 午後の紅茶 こだわり素材のアップルティー」を発売するなど、さらなる紅茶市場の活性化に努めました。また、注力している炭酸カテゴリーにおいては、「キリン メッツ」ブランドから機能性表示食品「キリン メッツ プラス スパークリングウォーター」等の新商品を発売し、さらなるブランド強化に努めました。これらにより、清涼飲料市場の伸びを大きく上回る販売数量増を達成しました。また、7月には自動販売機関連の商品企画、マーケティングから販売業務を担う会社として、キリンビバレッジバリューベンダー㈱を設立し、自動販売機にしかできない新しい価値の提案に向けて取組みを開始し、自動販売機専用の商品を拡充した「ファイア」ブランドは、前年を上回る販売数量を達成しました。
キリングループは、お客様の安全・安心、おいしさへのこだわりを身近に体感できる機会として、キリンビバレッジ湘南工場、キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所に新たな体験型の見学設備を導入し、お客様にとっての新しい価値提案を図りました。
これらの結果、キリンビール㈱においてビールカテゴリー、RTDカテゴリーの販売が堅調だったこと、キリンビバレッジ㈱において販売数量が前年を上回ったことにより、売上高は増加しましたが、販売費の増加などにより、全体の営業利益は減少しました。
※ RTD:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料で、Ready to Drinkの略です。
日本綜合飲料事業連結売上高 | 8,698億円 | (前年同期比 | 3.7%増 ) |
日本綜合飲料事業連結営業利益 | 324億円 | (前年同期比 | 10.9%減 ) |
<海外綜合飲料事業>
ライオン社酒類事業では、基盤ブランドの強化及び成長を続ける高付加価値カテゴリーの販売強化を進めました。縮小が続く豪州ビール市場の中で、景況感の悪化もあり、ライオン社酒類事業においても全体の販売数量は減少しましたが、「ジェームス・スクワイア」、「リトル・クリーチャーズ」などのクラフトビールの販売が引き続き好調に推移しました。一方、同社飲料事業では、引き続きサプライチェーン全般の抜本的見直しによるコスト削減を進め、収益性の改善を図りました。全体の販売数量は前年を下回りましたが、成長カテゴリーである乳飲料の主力ブランド「デア」の販売数量は引き続き前年を上回るなど、事業再生計画が順調に進みました。
ブラジルでは、ブラジルキリン社が、悪化するブラジル経済と引き続き厳しい競争環境の中、最優先課題である販売数量の下げ止めのため、主力ブランドである「スキン」のブランド力の再強化を図り、地域毎の特性に応じたきめの細かい販売戦略を実行するとともに、流通網の強化策を実行し、その結果、販売数量の減少幅は縮小しました。
これらの結果、オセアニア綜合飲料事業においては、販売数量の減少により全体の売上高は減少しましたが、飲料事業の収益性の改善が進み、また「企業結合に関する会計基準」等の改正の早期適用により、全体の営業利益は増加しました。海外その他綜合飲料事業においては、ブラジルキリン社での販売数量が減少したことに加え、ブラジルレアル安による原材料コストの増加のため売上高・営業利益ともに減少しました。
オセアニア綜合飲料事業連結売上高 | 3,393億円 | (前年同期比 | 5.6%減 ) |
オセアニア綜合飲料事業連結営業利益 | 363億円 | (前年同期比 | 53.8%増 ) |
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海外その他綜合飲料事業連結売上高 | 1,367億円 | (前年同期比 | 14.0%減 ) |
海外その他綜合飲料事業連結営業損失 | △78億円 | (前年同期比 | ― ) |
キリンホールディングスシンガポール社は、8月19日、ミャンマーでビール事業を展開するミャンマー・ブルワリー社の発行済株式総数の55%の株式を保有するフレイザー・アンド・ニーヴ社より同社保有分全株を取得しました。今回の取得は、ミャンマー・エコノミック・ホールディングス社とフレイザー・アンド・ニーヴ社との間のミャンマー・ブルワリー社株式の譲渡成立に伴い、ミャンマー・エコノミック・ホールディングス社の指名を受けたキリンホールディングスシンガポール社がフレイザー・アンド・ニーヴ社よりミャンマー・ブルワリー社の全株式を直接取得したことによるものです。ミャンマーは、昨今の民主化・経済制裁解除の動きの中で今後の高成長・消費拡大が期待される有望市場であり、ミャンマー・ブルワリー社の事業基盤をベースに、キリングループのブランド、技術力、商品開発力やリサーチ・マーケティング力を生かして、さらなる成長を目指します。
<医薬・バイオケミカル事業>
医薬事業では、協和発酵キリン㈱の国内販売において、主力製品である持続型赤血球造血刺激因子製剤「ネスプ」が堅調に推移したほか、持続型G-CSF製剤「ジーラスタ」等の新薬も順調に市場浸透するなど、国内医薬品の売上高は、前年を上回りました。海外では、プロストラカン社の主力製品などが順調に伸長したことや、昨年8月から連結したアルキメデス社の影響により売上高は前年を上回りました。また、技術収入では、英国アストラゼネカ社とのBenralizumab(KHK4563)に関するオプション契約締結に伴う契約一時金の売上高計上がありました。
バイオケミカル事業では、協和発酵バイオ㈱において、医薬用アミノ酸その他医薬品原薬等の国内販売は前年を下回りましたが、海外販売では為替影響に加え、欧米を中心にアミノ酸などが伸長し、売上高は前年を上回りました。
これらの結果、医薬・バイオケミカル事業全体としては、増収増益となりました。
医薬・バイオケミカル事業連結売上高 | 2,662億円 | (前年同期比 | 14.4%増 ) |
医薬・バイオケミカル事業連結営業利益 | 431億円 | (前年同期比 | 52.7%増 ) |
<その他事業>
小岩井乳業㈱では、物流費の値上げなどによるコストアップ要因がありましたが、主力商品である「小岩井 生乳100%ヨーグルト」への注力及び、生乳ブランド強化の為に新発売した「小岩井生乳ヨーグルト クリーミー脂肪ゼロ」が好調に推移し、増収増益を達成しました。
これらの結果、その他事業全体としては、売上高・営業利益とも増加しました。
その他事業連結売上高 | 188億円 | (前年同期比 | 4.6%増 ) |
その他事業連結営業利益 | 28億円 | (前年同期比 | 20.5%増 ) |
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金等が増加したものの、受取手形及び売掛金、有形固定資産、無形固定資産等の減少により、前連結会計年度末に比べ4,421億円減少して2兆5,236億円となりました。
負債は、有利子負債等が増加したものの、支払手形及び買掛金、未払酒税(流動負債「その他」)等の減少により、前連結会計年度末に比べ1,352億円減少して1兆4,948億円となりました。
純資産は、利益剰余金の減少等により、前連結会計年度末に比べ3,068億円減少して1兆288億円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、430億円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。