第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間(平成28年1月1日~平成28年3月31日)における世界経済は、不安定な金融市場や昨年から続く原油価格の低迷の中、先進国のファンダメンタルズは底堅く推移したものの、中国を中心とした新興国の成長ペース鈍化等、不透明感を抱えながら推移しました。

こうした中、わが国経済は、企業収益に対して新興国経済の減速や円高の影響の懸念が高まったものの、消費の前提となる雇用・所得環境も底堅く推移しており、緩やかな回復基調で推移しました。

キリングループは、2016年度より、新たな長期経営構想、新「キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:新KV2021)実現に向けた前半の3か年計画である「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」(略称:2016年中計)をスタートしました。2016年中計では、収益力の向上を最優先課題とし、優先度を明確にした投資による既存事業の競争力強化と低収益事業の収益構造の抜本的改革に向け、取り組みを開始しました。成長に向けた投資は、キリンビール㈱の成長を最優先とし、グループ本社であるキリンホールディングス㈱と日本綜合飲料事業統括会社であるキリン㈱が一体となって取り組みを進めました。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は、日本綜合飲料事業及び海外綜合飲料事業で販売数量が減少した影響等により減収となり、各社収益構造改革の取り組みを進めましたが、連結営業利益も減益となりました。加えて、持分法による投資利益の減少により、連結経常利益及び親会社株主に帰属する連結四半期純利益も減少しました。

 

連結売上高

4,838億円

(前年同期比

6.1%減  )

連結営業利益

253億円

(前年同期比

3.5%減  )

連結経常利益

235億円

(前年同期比

8.0%減  )

連結第1四半期純利益 ※1

104億円

(前年同期比

22.1%減  )

(参考)

 

 

 

平準化EPS ※2

19円

(前年同期比

24.0%減  )

 

 

※1 「親会社株主に帰属する四半期純利益」を指しております。

※2  平準化:特別損益等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整

 平準化EPS    = 平準化四半期純利益 / 期中平均株式数

 平準化四半期純利益 = 四半期純利益 + のれん等償却額 ± 税金等調整後特別損益

 なお、平準化EPSは円未満四捨五入により算出しております。

 

セグメント別の業績は次のとおりです。

 

<日本綜合飲料事業>

日本綜合飲料事業では、キリンの強みである、ていねいなものづくりや品質へのこだわりが生み出す商品やサービスを通じて、お客様に驚きや感動を提供することを “Quality with Surprise”というメッセージに込めて、ブランド育成や企業活動を行いました。

キリンビール㈱は、2016年中計期間を、V字回復を本物にする3年間と位置付け、誰よりも「お客様のことを一番考える会社」を目指し、キリンならではの価値創造を図りました。お客様の消費スタイルが、より個性を楽しむスタイルへ変化する中、当社は「キリン一番搾り生ビール」、クラフトビール※1を中心に、ビールカテゴリーをさらに魅力的なものにするため、「一番搾り 春爛漫デザインパッケージ」、「グランドキリン うららかをる」を発売するなど、お客様の多様なニーズに応えました。また、伸長する機能系カテゴリーでは、「淡麗グリーンラベル」をリニューアルし、さらなる活性化を目指しました。今後も市場拡大が見込めるRTD※2では、「キリン 氷結」を中心に積極的な販売を行いました。また、昨年の販売数量が対前年約3割増となった「キリンウイスキー 富士山麓 樽熟50°」をフルリニューアルし、「キリンウイスキー 富士山麓 樽熟原酒50°」として発売しました。

メルシャン㈱では、ワイン市場全体の中長期的な拡大に向けた取り組みと日本ワインの啓発活動を推進し、魅力あるカテゴリー・ブランドポートフォリオの構築に取り組むことで、ワイン事業の拡大と多様化を進めました。フラッグシップブランド「シャトー・メルシャン」に引き続き最注力するとともに、伸長するチリワインでは、更に中高価格帯を強化すべく、「カッシェロ・デル・ディアブロ」から新たな「レセルバ・プリバダ」シリーズの販売を開始するなど、ラインナップを強化しました。また、世界の様々なワインの飲み方を提案する「ワールドワインスタイル」を発売し、お客様の選択の幅を広げる提案を行いました。

キリンビバレッジ㈱では、利益ある成長を目指し、継続的なブランド価値向上と抜本的な収益構造改革に取り組みました。重点課題である市場規模の大きい無糖茶市場でのブランド価値向上に向け、「キリン 生茶」の中身とパッケージを大幅にリニューアルし、大変好調なスタートを切りました。また、発売から30周年を迎える基盤ブランド「キリン 午後の紅茶」では、「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」をリニューアルするとともに、「キリン 午後の紅茶 ビターショコラミルクティー」、「キリン 午後の紅茶 恋のティーグルト」を発売するなど、新たな魅力やおいしさ、飲用シーンを提案しました。さらに、昨年向上させた炭酸市場でのポジションを確固たるものにするために、「キリン メッツ」ブランドから、「キリン メッツ レモン」を新発売し、「キリン メッツ グレープフルーツ/グレープ」をリニューアルしました。

当第1四半期連結会計期間より、減価償却費の償却方法の変更を行い、定率法から定額法に変更しました。

これらの結果、キリンビバレッジ㈱において、重点ブランドに加え、自動販売機での販売も好調だったため、清涼飲料の販売数量は増加しました。また、メルシャン㈱において、ワインの販売数量が増加しました。しかし、キリンビール㈱で前年の新商品発売の反動等によりビール類の販売数量が減少したため、日本綜合飲料事業全体の売上高は減少しました。全体の営業利益は、キリンビバレッジ㈱において収益性が改善したこと等により、増益となりました。
※1 クラフトビール:当社では、作り手の顔が見え、こだわりが感じられ、味の違いや個性が楽しめるビールのことと捉えています。
※2 RTD:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料で、Ready to Drinkの略です。

 

日本綜合飲料事業連結売上高

2,359億円

(前年同期比

1.6%減 )

日本綜合飲料事業連結営業利益

11億円

(前年同期比

― )

 

 

<海外綜合飲料事業>

ライオン社では、酒類事業において、豪州ビール市場縮小に歯止めをかけるべく、ビール市場の活性化に取り組み、持続的な成長を目指しました。ビールの主原料、成分、製造方法等について、表示内容の改善、広告等を行い、ビールが本来持っている価値の伝達を進めながら、引き続き、主力ブランド「フォーエックス・ゴールド」の販売に注力するとともに、成長を続けるクラフトビールカテゴリーにおいて、「ジェームス・スクワイア」、「リトル・クリーチャーズ」の販売強化を進めました。飲料事業では、引き続き、収益力向上に向けた事業構造改革を進めました。乳飲料「デア」を中心に、クリスマス等の繁忙期の需要獲得に向け、注力カテゴリーの販売を強化しました。また、サプライチェーン全般の抜本的見直しによるコスト削減を進めました。

ブラジルキリン社は、地域戦略に基づいた商品ブランドの販売強化に取り組むとともに、経営の効率化を進め収益構造の改善を図りました。北部・北東部では、ビール主力ブランド「スキン」、清涼飲料の主力ブランド「ビバ スキン」のブランド露出を高めるとともに、南部では「アイゼンバーン」、「キリン一番搾り(KIRIN ICHIBAN)」等の高価格帯ビールの販売を強化しました。また、経営効率化のプロジェクトにより、物流拠点の統廃合による最適化等、間接費の削減等による、コスト構造改革を進めました。

 

ミャンマー・ブルワリー社では、資本参加成立後の統合プロセスである、ポスト・マージャー・インテグレーション(PMI)を開始し、同社が持つ強みや価値観を維持しつつ、キリングループの企業理念の浸透を図り、現在の市場リーダーのポジションの維持・強化を図りました。また、成長する市場需要に対応した生産設備、販売チャネルの構築に取り組むなど、改善に向けた施策を策定しました。さらに、ブランドポートフォリオの拡充に向け、「ブラックシールドスタウト」を発売しました。

これらの結果、オセアニア綜合飲料において、酒類事業で全体の販売数量は減少しましたが、クラフトビール等注力したブランドの販売数量は増加しました。飲料事業では、低価格帯チーズ事業を売却したこと等により全体の販売数量は減少し、コスト削減による収益性の改善を進めたものの、オセアニア綜合飲料全体では為替の影響もあり、減収減益となりました。海外その他綜合飲料事業においては、ブラジルキリン社では収益性改善の取り組みを進めたものの、為替の影響により原材料費が増加し、減益となりました。新規に連結したミャンマー・ブルワリー社では、引き続き主力ブランド「ミャンマービール」の販売数量が増加しましたが、海外その他綜合飲料においては、減収減益となりました。

 

オセアニア綜合飲料事業連結売上高

1,133億円

(前年同期比

14.7%減 )

オセアニア綜合飲料事業連結営業利益

170億円

(前年同期比

2.7%減 )

 

 

 

 

海外その他綜合飲料事業連結売上高

419億円

(前年同期比

15.0%減 )

海外その他綜合飲料事業連結営業損失

△17億円

(前年同期比

― )

 

 

<医薬・バイオケミカル事業>

協和発酵キリン㈱が展開する医薬事業では、独自のバイオ技術を駆使し、革新的な抗体医薬品の新薬開発を進め、強みのある領域で、世界の人々の健康と豊かさに貢献できる、新たな価値の創造を目指しました。国内では、主力製品の持続型赤血球造血刺激因子製剤「ネスプ」は堅調に推移し、持続型G-CSF製剤「ジーラスタ」等の新製品も順調に伸長しました。抗アレルギー剤「アレロック」等の長期収載品は、後発医薬品の浸透等の影響を受けて売上高が減少しました。欧州及び米州では、癌疼痛治療剤「Abstral」及び「PecFent」等の売上が伸長したものの、技術収入の減少等により売上高は前年同期を下回りました。

バイオケミカル事業では、医薬、医療、ヘルスケア領域のスペシャリティ分野での高いシェアを活かし、「ブランド力と収益性の向上」を重要課題として取り組みました。国内では、輸液用アミノ酸や医薬品原薬が前年同期を上回る売上高となり、また「オルニチン」をはじめとする通信販売事業も堅調に推移しました。海外では、為替の円高進行や、一部事業の譲渡による影響により前年同期を下回りました。

これらの結果、全体の売上高及び営業利益は、新製品の伸長があったものの、為替の影響や研究開発費の増加等により減収減益となりました。

 

医薬・バイオケミカル事業連結売上高

869億円

(前年同期比

0.6%減 )

医薬・バイオケミカル事業連結営業利益

92億円

(前年同期比

8.0%減 )

 

 

<その他事業>

小岩井乳業㈱では、「小岩井らしさ」を持った商品である「小岩井 生乳100%ヨーグルト」等の販売に注力した結果、売上高が前年を上回りました。加えて、収益性の高い商品構成への改善が進んだことにより、増益となりました。

その他事業全体としては、横浜アリーナの大規模改修工事実施に伴い、稼働率が大幅に減少したこと等により売上高、営業利益ともに減少しました。

 

その他事業連結売上高

56億円

(前年同期比

3.3%減 )

その他事業連結営業利益

6億円

(前年同期比

24.2%減 )

 

 

(2) 財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金、有形固定資産等が増加したものの、受取手形及び売掛金、投資有価証券等の減少により、前連結会計年度末に比べ506億円減少して2兆3,931億円となりました。

負債は、有利子負債等が増加したものの、支払手形及び買掛金、未払酒税(流動負債「その他」)等の減少により、前連結会計年度末に比べ300億円減少して1兆4,756億円となりました。

純資産は、その他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度末に比べ205億円減少して9,175億円となりました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、156億円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。