第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
  また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

当第2四半期連結累計期間(平成28年1月1日~平成28年6月30日)における世界経済は、全体としては緩やかな成長をみせつつも、資源国の景気下振れや、中国をはじめとする新興国経済に弱さがみられることに加え、英国の欧州連合(EU)離脱問題により動揺する国際金融市場の影響を受け、不透明感を抱えながら推移しました。

わが国経済は、各国の政治情勢と政策ミックスが不安材料となり、円高・株安の傾向がさらに強まりました。また、雇用環境は良好であったものの、賃金の伸びが限られ、4月の熊本地震後には消費の自粛ムードもあり、個人消費には足踏みがみられました。

キリングループは、2016年度より、新たな長期経営構想、新「キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:新KV2021)実現に向けた前半の3か年計画である「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」(略称:2016年中計)をスタートさせました。2016年中計では、収益力の向上を最優先課題とし、優先度を明確にした投資による既存事業の競争力強化と低収益事業の収益構造の抜本的改革に向け、取り組みを開始しました。成長に向けた投資は、キリンビール㈱の成長を最優先とし、グループ本社であるキリンホールディングス㈱と日本綜合飲料事業統括会社であるキリン㈱が一体となって取り組みを進めました。

当第2四半期の連結売上高は、日本綜合飲料事業におけるビール類の販売数量の減少及びキリンビバレッジ㈱での販売促進費の一部を売上高控除とする変更、また、オセアニア綜合飲料事業における飲料事業の販売数量の減少により、減収となりました。連結営業利益は、各社で収益性の改善が進んだことに加え、日本綜合飲料事業で第1四半期から実施した定額法への減価償却費の償却方法変更の影響もあり、増益となりました。さらに、持分法による投資利益と投資有価証券売却益が増加し、連結経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益がそれぞれ増加しました。

 

連結売上高

1兆81億円

(前年同期比

5.8%減 )

連結営業利益

588億円

(前年同期比

1.5%増 )

連結経常利益

581億円

(前年同期比

1.5%増 )

連結第2四半期純利益 ※1

338億円

(前年同期比

2.1%増 )

(参考)

 

 

 

平準化EPS ※2

53円

(前年同期比

7.0%減 )

 

 

※1 「親会社株主に帰属する四半期純利益」を指しております。

※2  平準化:特別損益等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整

   平準化EPS    = 平準化四半期純利益 / 期中平均株式数

 平準化四半期純利益 = 四半期純利益 + のれん等償却額 ± 税金等調整後特別損益

 なお、平準化EPSは円未満四捨五入により算出しております。

 

 

セグメント別の業績は次のとおりです。

 

<日本綜合飲料事業>

日本綜合飲料事業では、キリンの強みである、ていねいなものづくりや品質へのこだわりが生み出す商品やサービスを通じて、お客様に驚きや感動を提供することを “Quality with Surprise”というメッセージに込めて、ブランド育成や企業活動を行いました。

キリンビール㈱は、中計の初年度である2016年を、V字回復を本物にする年と位置付け、誰よりも「お客様のことを一番考える会社」を目指して価値創造を図りました。「キリン一番搾り生ビール」とクラフトビール※1の育成によるビール市場の活性化に引き続き注力する中、全国の47都道府県ごとに味の違いや個性を楽しめる「47都道府県の一番搾り」を発売しました。地域で暮らすお客様と一緒に地域の魅力を発掘しながら開発を進めた結果、5月、6月発売分の受注が年間販売予定の約2倍となり、大変好調に推移しました。発泡酒では、パッケージを刷新した「淡麗 極上〈生〉」を展開し、新ジャンルでは、季節ごとのお客様の飲用シーンに合わせた商品として「キリン 晴のどごし」、「キリン のどごし サマースペシャル」を発売しましたが、個人消費の低迷等で市場全体が伸び悩み、ビール類の販売数量は前年を下回りました。嗜好の多様化により拡大の続くRTD※2カテゴリーでは、主力商品「キリン 氷結®」について、果汁の"質"にこだわった「キリン 氷結® プレミアム」シリーズの新発売や、「キリン 氷結® ストロング」シリーズのリニューアルを通し、幅広いラインアップによる基盤強化を進めました。飲用シーンが広がっている洋酒カテゴリーの売上は、「キリンウィスキー 富士山麓 樽熟原酒50°」等の販売が大変好調に推移し、年間販売予定を上回りました。

メルシャン㈱では、ワイン市場全体の中長期的な拡大と日本ワインの啓発活動を推進し、魅力あるカテゴリー・ブランドポートフォリオの構築に取り組みました。日本ワインに対する関心が高まる中で、フラッグシップブランド「シャトー・メルシャン」は、G7伊勢志摩サミット2016で提供される等、注目を集めました。また、若年層の支持を集めるバラエティカテゴリーのワインについて、「ギュギュッと搾ったサングリア」シリーズの販売数量が伸長しました。輸入ワインでは、第1四半期連結会計期間でもワイン国別輸入量第1位※3となったチリワインについて、中高価格帯の「カッシェロ・デル・ディアブロ」に注力した結果、販売数量が前年を大きく上回りました。

キリンビバレッジ㈱では、利益ある成長を目指し、継続的なブランド価値向上と抜本的な収益構造改革に取り組みました。無糖茶市場でのブランド育成を目指して3月にリニューアル発売した「キリン 生茶」は、販売数量が大変好調に推移し、年間販売目標を上方修正しました。発売から30周年を迎える基盤ブランド「キリン 午後の紅茶」については、ストレート、ミルク、レモン、おいしい無糖の主力4アイテムが好調でした。4月から製品相互販売を開始したダイドードリンコ株式会社の自動販売機におけるミルク、レモンの販売も加わり、これら主力4アイテムの販売数量は、前年を大きく上回りました。また、「キリン 午後の紅茶 プレミアムストレート」、「キリン メッツ ブラック」等の自動販売機専用商品の展開や、オンライン自動販売機の導入による製品補充の効率化など、自動販売機事業の収益性改善に取り組みました。お客様の需要の変化にも対応し、小型容器を中心とした目標管理方法に変更した結果、小型容器の販売数量は前年と比べ大きく増加しました。並行して、販売促進費の管理強化や、原材料等のコスト削減にも取り組み、収益構造改革を精力的に進めました。

なお、日本綜合飲料事業につきましては、第1四半期連結会計期間より、減価償却費の償却方法の変更を行い、定率法から定額法に変更しております。

これらの結果、日本綜合飲料事業の売上高について、メルシャン㈱のワイン類とキリンビバレッジ㈱の清涼飲料の販売数量は増加しましたが、キリンビール㈱ではビール類の販売数量が減少し、キリンビバレッジ㈱では当第2四半期連結会計期間より従来販売費及び一般管理費として計上していた販売促進費の一部を売上高から控除することとしたため、減収となりました。営業利益は、各社のコスト削減と収益性改善の取り組みが進行し、第1四半期連結会計期間から減価償却費の償却方法を変更した影響もあり、増益となりました。

※1  クラフトビール:当社では、作り手の顔が見え、こだわりが感じられ、味の違いや個性が楽しめるビールのことと捉えています。

※2 RTD:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料で、Ready to Drinkの略です。

※3 財務省関税局調べによる「ぶどう酒(2L以下)」と「ぶどう酒(2L超150L以下)」の合計。

 

日本綜合飲料事業連結売上高

5,330億円

(前年同期比

2.7%減 )

日本綜合飲料事業連結営業利益

207億円

(前年同期比

116.1%増 )

 

 

 

 

<海外綜合飲料事業>

ライオン社は、酒類事業において、持続的な成長を目指してビール市場の活性化に取り組みました。具体的には、“ビールには糖分や保存料が多い”等と誤解してビールを敬遠する消費者に向けて、糖類・炭水化物・保存料・エネルギーといった成分表示などの充実を図り、かつ、ビールが本来持つ価値を正しく伝達するために、積極的に広告宣伝や啓発活動を実施しました。主力ブランド「フォーエックス・ゴールド」についてはブランド強化に注力し、また、キリンの技術を活用してアルコール度数を抑えた商品「ハーン ウルトラ」を発売しました。成長を続けるクラフトビールでは、主力商品「ジェームス・スクワイア」、「リトル・クリーチャーズ」の販売に注力しました。飲料事業では、引き続き収益力向上に向けた事業構造改革や、サプライチェーン全般の見直しによるコスト削減策を進めました。乳飲料カテゴリーでは「デア」、ヨーグルトカテゴリーでは「ヨープレート」ブランドの販売を強化しました。

 ブラジルキリン社は、地域戦略に基づいた商品ブランドの販売を強化しつつ、経営の効率化と収益構造の改善に引き続き取り組みました。北部・北東部では、ビール主力ブランド「スキン」に注力し、販売回復を狙いました。南部・南東部では、「アイゼンバーン」、「キリン一番搾り(KIRIN ICHIBAN)」等の高価格帯ビールの販売に注力するとともに、相対的にブランド認知率の高い「デバッサ」を中価格帯カテゴリーの商品としてリニューアルし、ブランド力の強化を図りました。また、昨年のリニューアル以降、堅調に推移している清涼飲料の主力ブランド「ビバ スキン」については、販売数量が前年を大幅に上回りました。さらに、着実にコスト削減計画を実行するとともに、製造拠点の最適化に向けた工場の売却協議を開始しました。

ミャンマー・ブルワリー社については、資本参加後の統合プロセスである、ポスト・マージャー・インテグレーション(PMI)をさらに進め、同社が持つ強みや価値観を維持しながら、キリングループの企業理念を反映した新しい経営理念の浸透と、ミャンマービール市場首位というポジションの維持・強化を図りました。また、伸長する市場需要に対応するために、キリンの技術支援による生産設備増強に着手しました。主力商品「ミャンマービール」の販売は堅調に推移し、今後の伸びが期待される高価格帯商品として「ミャンマー プレミアム」、「キリン一番搾り(KIRIN ICHIBAN)」の販売を開始しました。

これらの結果、オセアニア綜合飲料事業について、酒類事業ではクラフトビールをはじめ注力したブランドの販売数量は増加したものの、豪州ビール市場縮小の影響により全体の販売数量は減少しました。飲料事業では販売数量が減少したものの、コスト削減が進み営業利益は増加しましたが、為替の影響もあり、オセアニア綜合飲料事業全体では減収減益となりました。海外その他綜合飲料事業について、ブラジルキリン社では、全体の販売数量は増加しましたが、円高の影響等により売上高は減少しました。また、着実なコスト削減を進めましたが、為替の影響による原材料費の増加もあり、営業利益は減少しました。第1四半期から連結したミャンマー・ブルワリー社では、引き続き主力ブランド「ミャンマービール」等の販売数量が増加しましたが、海外その他綜合飲料事業全体は減収となりました。しかしながら、為替の影響もあり、全体の営業損失は減少しました。

 

オセアニア綜合飲料事業連結売上高

2,062億円

(前年同期比

14.0%減  )

オセアニア綜合飲料事業連結営業利益

252億円

(前年同期比

11.9%減 )

 

 

 

 

海外その他綜合飲料事業連結売上高

865億円

(前年同期比

9.9%減  )

海外その他綜合飲料事業連結営業損失

△20億円

(前年同期比

―  )

 

 

 

 

<医薬・バイオケミカル事業>

協和発酵キリン㈱が展開する医薬事業では、独自のバイオ技術を駆使し、革新的な抗体医薬品の新薬開発を進め、強みのある領域で、世界の人々の健康と豊かさに貢献できる、新たな価値の創造を目指しました。

国内では、4月に実施された薬価基準引き下げの影響がありましたが、持続型G-CSF製剤「ジーラスタ」等の新製品の伸長等により、売上高は前年を上回りました。主力製品の持続型赤血球造血刺激因子製剤「ネスプ」等も堅調に推移しました。一方で、抗アレルギー剤「アレロック」等の長期収載品は、後発医薬品の浸透等の影響を受けて売上高が減少しました。米国では、米国食品医薬品局が、現在開発中の抗FGF23完全ヒト抗体(KRN23)を、小児X染色体遺伝性低リン血症に対するBreakthrough Therapy(画期的治療薬)に指定しました。また、欧州及び米州では、癌疼痛治療剤「Abstral」等が伸長したものの、為替の影響や技術収入の減少等により売上高は前年を下回りました。

バイオケミカル事業では、医薬、医療、ヘルスケア領域のスペシャリティ分野での高いシェアを活かし、「ブランド力と収益性の向上」を重要課題として取り組みました。国内では、通信販売事業において「オルニチン」のほか、新製品「アルギニンEX」が堅調に推移し、売上高は前年同期並みとなりました。海外の売上高は、為替の円高進行の影響等により前年を下回りました。

これらの結果、医薬・バイオケミカル事業全体では、新製品の伸長はあったものの、為替の影響や研究開発費の増加等により、減収減益となりました。

 

医薬・バイオケミカル事業連結売上高

1,706億円

(前年同期比

2.1%減  )

医薬・バイオケミカル事業連結営業利益

168億円

(前年同期比

29.7%減  )

 

 

 

<その他事業>

小岩井乳業㈱では、“小岩井らしさ”を持った商品である「小岩井 生乳(なまにゅう)100%ヨーグルト」や、3月に販売エリアを拡大した「小岩井 生乳(なまにゅう)ヨーグルトクリーミー脂肪0(ゼロ)」等に注力した結果、売上高が前年を上回りました。加えて、収益性の高い商品構成への改善が進んだことにより、増益となりました。

しかしながら、その他事業全体としては、㈱横浜アリーナでの大規模改修工事による施設の稼働率の大幅減少の影響で、減収減益となりました。

 

その他事業連結売上高

116億円

(前年同期比

5.1%減  )

その他事業連結営業利益

11億円

(前年同期比

37.7%減  )

 

 

 

 

(2) 財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形及び売掛金、投資有価証券の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,655億円減少して2兆2,782億円となりました。

負債は、有利子負債、未払酒税(流動負債「その他」)の減少等により前連結会計年度末に比べ1,194億円減少して1兆3,862億円となりました。

純資産は、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の減少等により、前連結会計年度末に比べ461億円減少して8,919億円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、対前連結会計年度末比32億円減少の571億円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

法人税等の支払額が110億円増加、減価償却費が73億円減少、投資有価証券売却益が69億円増加などの減少要因があったものの、売上債権・たな卸資産・仕入債務・未払酒税・未払消費税等の増減による運転資金の流出が353億円減少、固定資産売却益が46億円減少したことなどにより、営業活動による資金の収入は対前年同期比185億円増加の674億円となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形及び無形固定資産の取得については、前年同期より120億円多い471億円を支出しました。また、有価証券及び投資有価証券の取得により55億円の支出がありました。一方、有形及び無形固定資産の売却により168億円、有価証券及び投資有価証券の売却により142億円の収入がありました。これらの結果、投資活動による資金の支出は対前年同期比40億円増加の208億円となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

長期借入れによる収入が235億円あった一方、長期借入金の返済が604億円、配当金の支払が173億円ありました。これらの結果、財務活動による資金の支出は対前年同期比28億円減少の468億円となりました。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。


(5) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、311億円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。