また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
当社は、平成29年2月13日開催の取締役会において、連結子会社であるBrasil Kirin Holding S.A.(以下「ブラジルキリン社」)の全株式を譲渡することについて決議し、同日付で株式譲渡契約をBavaria S.A.(Heineken International B.V.の子会社、以下「Bavaria社」)と締結しました。
1.株式譲渡の理由
平成28年2月15日発表の「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」に基づき、ブラジルキリン社は、自主再建を第一優先として収益性改善を進め、成果を上げてきました。一方、ブラジル経済に関連するさまざまなリスクや、ビール、清涼飲料市場の停滞と競争環境を鑑みると、単独で安定的な高収益事業へと転換していくには限界があるとの結論に至り、同じくブラジルでビール事業を展開しているBavaria社に譲渡することがブラジルキリン社の将来の繁栄のために有益であると判断し、株式を譲渡することとしました。
2.譲渡する相手会社の名称
Bavaria S.A.
3.当該子会社の名称、事業内容及び当社との取引内容
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名称 |
Brasil Kirin Holding S.A. |
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事業内容 |
ビール、清涼飲料の製造、販売 |
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当社との取引内容 |
経営指導の受託 |
4.譲渡する株式の数、譲渡価額及び譲渡後の所有株式の状況
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譲渡前の所有株式数 |
185,278,687,490株(所有割合100%) |
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譲渡株式数 |
185,278,687,490株(所有割合100%) |
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譲渡後の所有株式数 |
0株(所有割合0%) |
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譲渡価額 |
2,200百万レアル(約770億円) |
5.セグメント情報の開示において、当該子会社が含まれている区分の名称
海外その他綜合飲料事業
なお、本件株式譲渡は、関係当局による審査及び承認が取引成立条件となっているため、譲渡の時期及び譲渡損益は未定であります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年3月31日)における世界経済は、米国や欧州主要国をはじめとする各国での政治情勢と経済政策の行方に不透明感が漂う中で、国際金融市場における変動が懸念されましたが、世界各国で実体経済が持ち直し、緩やかな回復を見せました。
わが国経済は、個人消費の回復には依然として鈍さが見られたものの、世界経済の成長率の緩やかな高まりと資本市場の期待感向上を背景に、企業業績が改善の動きを見せ、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。
キリングループでは、2016年度よりスタートした長期経営構想「新キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:新KV2021)と、その実現に向けた前半の3か年計画である「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」(略称:2016年中計)を柱とし、2016年中計で掲げた3つの重点課題への取り組みを一段と進め、構造改革によるキリングループの再生を目指しました。さらに、新KV2021の実現に向けて、事業との関係が深い“健康”、“地域社会への貢献”、“環境”を、キリングループが長期的に取り組むCSV※重点課題として位置付け、具体的な取り組みの方針を定めたグループCSVコミットメントを発表しました。
当第1四半期連結累計期間での連結売上高は、ライオン社酒類事業での販売数量減少、キリンビバレッジ㈱において前年同期に費用として計上していた一部販売費を売上高から控除した影響等により、減少しました。連結営業利益は、日本綜合飲料事業と医薬・バイオケミカル事業における増益によって大幅に増加し、持分法による投資利益の増加により、連結経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益もそれぞれ増加しました。
※ CSV:Creating Shared Valueの略で、社会課題への取り組みによる“社会的価値の創造”及び“経済的価値の創造”の両立により、企業価値向上を実現することです。
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連結売上高 |
4,721億円 |
(前年同期比 |
2.4%減 ) |
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連結営業利益 |
368億円 |
(前年同期比 |
45.4%増 ) |
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連結経常利益 |
361億円 |
(前年同期比 |
53.3%増 ) |
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連結第1四半期純利益 ※1 |
181億円 |
(前年同期比 |
74.7%増 ) |
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(参考) |
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平準化EPS ※2 |
29円 |
(前年同期比 |
52.6%増 ) |
※1 「親会社株主に帰属する四半期純利益」を指しております。
※2 平準化:特別損益等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EPS = 平準化四半期純利益 / 期中平均株式数
平準化四半期純利益 = 四半期純利益 + のれん等償却額 ± 税金等調整後特別損益
なお、平準化EPSは円未満四捨五入により算出しております。
セグメント別の業績は次のとおりです。
キリンビール㈱は、2016年中計の期間を“V字回復を本物にする3年間”と位置付け、誰よりもお客様のことを一番考える会社を目指して、キリンならではの価値創造を進めました。より個性や感性に訴える商品が好まれる消費スタイルの変化が見られる中で、ビールカテゴリーの魅力化を進めました。主力商品「キリン一番搾り生ビール」では季節限定商品や期間限定デザイン商品による多彩な提案を行い、クラフトビール※1については「グランドキリン」の全面刷新や「ブルックリン ラガー」の発売開始等により市場の拡大を図り、ビールカテゴリーの販売数量は前年並みとなりました。発泡酒カテゴリーでは、機能面を訴求する「淡麗プラチナダブル」が特に好調で、販売数量は市場を上回る水準で推移しました。刷新した「キリン のどごし〈生〉」を中心に量販店での販売活動を強化した新ジャンルカテゴリーでの販売数量は堅調に推移し、結果として、ビール類全体の販売数量は前年並みとなりました。飲用人口が増加しているRTD※2カテゴリーでは、主力商品「キリン 氷結」に加えて、リニューアルを実施した「キリン 本搾りTMチューハイ」の販売数量が、前年から増加しました。さらに、若年層の支持獲得に向けた新商品「キリン 旅する氷結」を発売しました。洋酒カテゴリーでは、「ジョニーウォーカー」「ホワイトホース」等の輸入ウイスキーを中心に、売上が増加しました。
メルシャン㈱では、ワイン市場全体の持続的な拡大を目指し、カテゴリーごとに注力ブランドを絞ったマーケティング活動を進めました。日本ワインの価値啓発活動を強化したフラッグシップブランド「シャトー・メルシャン」は、前年より販売数量が増加しました。国内製造ワインでは、「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」の刷新と、健康ニーズの高まりに応えた「ボン・ルージュ オーガニック 赤」の発売を通じて、定番ブランドに対するお客様の満足度向上を目指しましたが、販売数量は前年をやや下回りました。輸入ワインの販売は、注力する中高価格帯のチリワイン「カッシェロ・デル・ディアブロ」や、ワイン市場の裾野拡大に向けた新商品「ワールドセレクション」を中心に、堅調に推移しました。
キリンビバレッジ㈱では、持続的な利益ある成長の実現に向けて、一段と強固なブランド体系の構築を進めました。特に、基盤ブランド「キリン 午後の紅茶」のホット商品や「キリン 生茶」がそれぞれ好調で、飲料全体の販売数量は市場を上回る水準で増加しました。「キリン ファイア」については、「キリン ファイア エクストリームブレンド」の100万本サンプリング活動を実施し、幅広い消費者に向けて缶コーヒーの魅力を訴求しました。さらに、機能性表示食品「キリン サプリ レモン」、RIZAP㈱との共同開発商品「キリン ライザップ プロテインボトル」を発売し、CSV重点課題である“健康”についての新しい価値を提案しました。引き続き事業構造の転換にも取り組み、缶・小型PET容器を中心とした販売目標管理やSCMコスト削減による、一層の収益性向上を目指しました。
これらの結果、日本綜合飲料事業では、キリンビバレッジ㈱において前年同期に費用として計上していた一部販売費を売上高から控除した影響により減収となったものの、キリンビール㈱における販売費の減少、キリンビバレッジ㈱での販売数量増加とコスト削減効果等により、増益となりました。
※1 クラフトビール:当社では、作り手の顔が見え、こだわりが感じられ、味の違いや個性が楽しめるビールのことと捉えています。
※2 RTD:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料で、Ready to Drinkの略です。
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日本綜合飲料事業連結売上高 |
2,314億円 |
(前年同期比 |
1.9%減 ) |
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日本綜合飲料事業連結営業利益 |
78億円 |
(前年同期比 |
570.2%増 ) |
<海外綜合飲料事業>
ライオン社酒類事業では、アンハイザー・ブッシュ・インベブ社とのビール販売ライセンス契約終了の影響によりビールの販売数量は前年よりも減少しましたが、中長期的な収益回復を目指して、基盤ブランドと成長カテゴリーの強化に取り組みました。成長するクラフトビールについては、主力商品「ジェームス・スクワイア」「リトル・クリーチャーズ」の販売が堅調に推移しました。ライオン社飲料事業では、果汁飲料の販売数量が減少したものの、注力カテゴリーである乳飲料の主力商品「デア」をはじめ、全体の売上は堅調でした。また、収益力の向上を目指して、コスト構造改革に引き続き取り組みました。
ブラジルキリン社では、市場環境の変化に柔軟に対応した販売戦略のもとで事業活動を展開しました。ビールについては、高価格帯商品「アイゼンバーン」や中高価格帯商品「デバッサ」の販売数量が前年よりも大幅に増加し、強固なブランドポートフォリオの構築が進みました。なお、2月にブラジルキリン社の全株式をハイネケン・インターナショナル社の子会社であるババリア社に譲渡する株式譲渡契約を締結し、ブラジルの競争当局である経済擁護行政委員会(CADE)に企業結合審査の届出を行いました。
ミャンマー・ブルワリー社では、ミャンマー市場首位のポジションをさらに盤石なものとするため、昨年構築したブランドポートフォリオに基づき、販売の強化を進めました。集中的に販売促進活動を行った主力商品「ミャンマービール」や、伸長する量販チャネル用に大容量缶容器を追加した低価格帯商品「アンダマン」の好調により、ビールの販売数量は前年よりも増加しました。さらに、拡大するミャンマー市場での製造と出荷の拠点獲得に向けて、ミャンマー北部に所在するマンダレー・ブルワリー社への過半数出資を決定しました。
これらの結果、オセアニア綜合飲料事業では、ライオン社酒類事業における販売数量の減少に加えて、飲料事業における棚卸資産評価減の影響もあり、減収減益となりました。海外その他綜合飲料事業では、ブラジルキリン社の収益改善の進展と、ミャンマー・ブルワリー社における販売数量の増加により、増収増益となりました。
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オセアニア綜合飲料事業連結売上高 |
973億円 |
(前年同期比 |
14.1%減 ) |
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オセアニア綜合飲料事業連結営業利益 |
129億円 |
(前年同期比 |
24.4%減 ) |
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海外その他綜合飲料事業連結売上高 |
489億円 |
(前年同期比 |
16.6%増 ) |
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海外その他綜合飲料事業連結営業利益 |
12億円 |
(前年同期比 |
― ) |
<医薬・バイオケミカル事業>
協和発酵キリン㈱の医薬事業においては、“グローバル・スペシャリティ・ファーマへの飛躍”をテーマに、戦略課題の達成に取り組みました。国内では、新製品群の持続型G-CSF製剤「ジーラスタ」※1等の売上が堅調でしたが、医療費抑制策に伴う後発医薬品の浸透や薬価基準引き下げの影響により、売上高は減少しました。なお、医療を取り巻く社会環境の変化やニーズの多様化に対応することを目的に新会社を設立し、オーソライズドバージョン※2の「ネスプ」の国内製造販売承認取得に向けた準備を進めました。海外では、アストラゼネカ社からの契約一時金収入等と、癌疼痛治療薬「Abstral」「PecFent」等の伸長により、売上は前年よりも増加しました。研究開発では、KRN23※3等のグローバル戦略品の開発が順調に進み、国内開発でもKHK7580※4の第Ⅲ相の臨床試験において良好な結果が得られました。
バイオケミカル事業では、ブランディング品目※5の一層の価値向上や、通信販売事業におけるお客様とのさらに深い関係づくり、医薬品原薬事業の強化等を進めました。また、適切な原価管理とコスト削減に取り組みました。
これらの結果、医薬・バイオケミカル事業全体では、国内医薬品の売上は減少しましたが、技術収入の増加と研究開発費の減少等により、増収増益となりました。
※1 ジーラスタ:がん化学療法時の重篤な副作用の1つである、発熱性好中球減少症の発症抑制に用いられる薬剤です。
※2 オーソライズドバージョン:先発医薬品の特許権を有している会社から特許実施許諾を受け製造販売される、原薬・添加物・製造方法が同じ後発医薬品を想定しています。
※3 KRN23:遺伝的な原因で骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患である、X染色体遺伝性低リン血症等の治療薬として開発を進めております。
※4 KHK7580:カルシウム受容体に作用する低分子化合物で、日本において、血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
※5 ブランディング品目:シチコリン等の成分を、独自のブランド名をつけて販売することにより、他社製品との差異化を図った製品を指します。
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医薬・バイオケミカル事業連結売上高 |
893億円 |
(前年同期比 |
2.8%増 ) |
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医薬・バイオケミカル事業連結営業利益 |
154億円 |
(前年同期比 |
66.5%増 ) |
<その他事業>
小岩井乳業㈱では、独自性の高い「小岩井 生乳(なまにゅう)100%ヨーグルト」と「小岩井 生乳(なまにゅう)ヨーグルトクリーミー脂肪0(ゼロ)」の販売に注力しましたが、発酵乳市場が伸び悩む中で売上高は昨年から減少し、その他事業全体としても減収減益となりました。
なお、㈱横浜アリーナの当社保有株式70,000株(発行済み株式の58.8%)のうち、60,000株(発行済み株式の50.4%)を西武鉄道㈱及び㈱アミューズに譲渡したために、当第1四半期より同社は連結対象から外れています。
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その他事業連結売上高 |
50億円 |
(前年同期比 |
10.2%減 ) |
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その他事業連結営業利益 |
6億円 |
(前年同期比 |
1.9%減 ) |
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金、有形固定資産、投資有価証券等が増加したものの、受取手形及び売掛金等の減少により、前連結会計年度末に比べ473億円減少して2兆3,007億円となりました。
負債は、有利子負債等が増加したものの、支払手形及び買掛金、未払酒税(流動負債「その他」)等の減少により、前連結会計年度末に比べ869億円減少して1兆3,151億円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ395億円増加して9,856億円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、139億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。