※ 当社グループは当年度(2017年1月1日から2017年12月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
当年度における世界経済は、不安定な海外政治情勢を背景とする地政学的リスクが懸念されたものの、主要各国の景気が回復する中で国際金融市場は安定を保ち、緩やかな回復基調で推移しました。
わが国では、個人消費の停滞傾向は一部で見られたものの、上向いた世界経済と安定した国内政治を背景に堅調な収益を見込む企業が多く、雇用・所得環境は改善し、国内経済は緩やかな回復の動きを見せました。
キリングループでは、「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」(略称:2016年中計)で掲げた3つの重点課題に引き続き取り組み、構造改革によるキリングループの再生を目指しました。当年度は、2016年中計の重点課題のうち、特に“低収益事業の再生・再編”について一段と成果を上げました。キリンビバレッジ㈱の大幅増益をはじめ各事業会社で計画が順調に進捗した結果、事業利益が過去最高※1となりました。加えて、ブラジルキリン社の売却により、親会社の所有者に帰属する当期利益が過去最高※1となるとともに、2016年中計のフリーキャッシュ・フロー創出目標を前倒しで達成し、有利子負債返済の進展により財務の健全性が向上しました。ブラジルキリン社については、グループ本社と一体となり構造改革を進めた結果、2016年に業績が回復の兆しを見せ、複数の企業から買収の提案を受けました。検討を重ねた末、単独でブラジル事業を継続するよりも提案を受け入れることが株主価値に資すると判断し、2017年5月に全株式を譲渡しました。
また、社会とともに成長する企業グループを目指す「新キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:新KV2021)実現に向けて、「グループCSVコミットメント」を策定しました。同コミットメントでは、事業との関係が深い“健康”、“地域社会への貢献”、“環境”をキリングループが長期的に取り組むCSV※2重点課題とし、各事業会社での事業を通じて取り組みを進めました。特に“健康”については、キリングループの独自素材「プラズマ乳酸菌」※3を活用し、グループ横断で展開する新ブランド「iMUSE(イミューズ)」を立ち上げました。
なお当年度より、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的として、当社グループの連結財務諸表について、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を開始しました。
これらの結果、当年度の連結売上収益について、キリンビール㈱及びライオン社酒類事業での販売数量が減少しましたが、医薬バイオケミカル事業で技術収入が増加したこと等により、ほぼ前年並みとなりました。連結事業利益は、国内綜合飲料事業と医薬バイオケミカル事業の増益により増加し、固定資産売却益と持分法による投資損益の貢献により、連結税引前利益も増加しました。さらに、ブラジルキリン社の株式譲渡に伴う非継続事業からの当期利益の増加により、親会社の所有者に帰属する当期利益も増加しました。
※1 当期実績を日本基準に置換し、経年実績と比較分析した結果によります。
※2 CSV:Creating Shared Valueの略で、社会課題への取り組みによる“社会的価値の創造”と“経済的価値の創造”の両立により、企業価値向上を実現することです。
※3 プラズマ乳酸菌:キリングループが学会や学術論文の発表を通して研究を進めている乳酸菌で、体に重要な役割を果たすプラズマサイトイド樹状細胞から名づけました。
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連結売上収益 |
1兆8,637億円 |
(前年同期比 |
0.5%増) |
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連結事業利益 ※1 |
1,943億円 |
(前年同期比 |
6.8%増) |
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連結税引前利益 |
2,338億円 |
(前年同期比 |
12.3%増) |
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親会社の所有者に帰属する当期利益 |
2,421億円 |
(前年同期比 |
62.5%増) |
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(参考) |
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ROE |
29.1% |
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平準化EPS ※2 |
151円 |
(前年同期比 |
8.6%増) |
※1 事業利益:事業の経常的な業績を測る利益指標で、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除して計算
※2 平準化:その他の営業収益・費用等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EPS = 平準化当期利益 / 期中平均株式数
平準化当期利益 = 当期利益±税金等調整後その他の営業収益・費用等
セグメント別の業績は次のとおりです。
<日本綜合飲料事業>
キリンビール㈱は、誰よりもお客様のことを一番考える会社を目指して、キリンならではの価値創造を進めました。ビール類については、6月からの酒類の公正な取引に関する基準の施行や天候不順の影響で市場全体が縮小しました。その上、1月から先行して取引条件を見直し、上半期に店頭価格が上昇したこと等により販売数量が前年から減少し、中でも新ジャンルカテゴリーの販売が苦戦しました。他方で、“日本のビールの本流とする”ことを目指して下半期に全面刷新した主力商品「キリン一番搾り生ビール」は、刷新以降、市場平均を上回るペースで販売数量が増加しました。RTD※1カテゴリーでは、お客様の幅広いニーズに応えて多様な商品を揃えた「キリン 氷結」シリーズの年間販売数量が過去最高を記録する等、カテゴリー全体の販売が伸長しました。酒類メーカーとしての責任の観点から、キリンビール㈱が新たに市場を創造したノンアルコール・ビールテイスト飲料では、新商品「キリン 零ICHI(ゼロイチ)」の販売が大変好調で、カテゴリー全体の販売数量は前年比約6割増となりました。
メルシャン㈱では、ワイン市場全体の持続的な拡大を目指し、カテゴリーごとに注力ブランドを絞ったマーケティング活動を進めました。フラッグシップブランド「シャトー・メルシャン」は、日本ワイン140年を機とした情報発信を強化したことに加え、国内外で多数の賞を受けたことにより、評価を一層高めました。国内製造ワインの主力商品「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」の好調に加え、輸入ワインの「カッシェロ・デル・ディアブロ」、ワイン市場の裾野拡大を目指した「ワールドセレクション」等の注力商品が着実に伸長し、ワイン全体の販売数量は前年から増加しました。
キリンビバレッジ㈱では、持続的な利益ある成長の実現に向けて、強固なブランド体系の構築と収益性の高い事業構造への転換をさらに進めました。基盤ブランド「キリン 午後の紅茶」は定番商品のストレート、ミルク、レモン、おいしい無糖を中心に好調に推移し、過去最高の販売数量を達成しました。「キリン 生茶」は緑茶カテゴリーでの競争が激しくなる中で、2016年の全面刷新以降の好調により販売数量が前年から増加しました。健康領域での価値創造に挑戦した健康・スポーツ飲料カテゴリーでは、「キリン サプリ」シリーズが大変好調で、カテゴリー全体の販売数量が増加しました。コーヒーの主力商品「キリン ファイア」の低調な販売や、前年度に需要が増加した大型PET容器の水について反動が出た影響等により、清涼飲料全体の販売数量は前年からやや減少しましたが、SCM※2コスト削減の取り組み等により、収益性の向上を図りました。
これらの結果、日本綜合飲料事業では、キリンビール㈱でのビール類の販売数量の減少等により、売上収益は減少しました。一方で、キリンビール㈱でのRTD及びノンアルコール・ビールテイスト飲料の販売数量の増加に加え、キリンビバレッジ㈱をはじめ各事業会社で収益性改善の取り組みが進行したため、事業利益は増加しました。
※1 RTD:栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料で、Ready to Drinkの略です。
※2 SCM:Supply Chain Managementの略で、原材料の調達、工場での生産、商品の需給・物流の供給連鎖を、効率よく構築し管理することを指します。
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日本綜合飲料事業連結売上収益 |
1兆 510億円 |
(前年同期比 |
1.0%減) |
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日本綜合飲料事業連結事業利益 |
725億円 |
(前年同期比 |
6.9%増) |
<海外綜合飲料事業>
ライオン社酒類事業では、2016年9月のアンハイザー・ブッシュ・インベブ社とのビール販売ライセンス契約終了により販売数量が減少する中、中長期的な利益回復を目指しブランドポートフォリオ戦略を見直しました。新たな戦略商品「アイアン・ジャック」が好調に推移するなど、成長カテゴリーのブランド強化が順調に進み、ビールの販売数量の回復は計画通りに進捗しました。ライオン社飲料事業では、オレンジ果汁の不足に伴う原料価格高騰による影響を受けたものの、注力する乳飲料カテゴリーでは主力商品「デア」を中心に販売数量が増加し、ヨーグルト、高価格帯チーズの販売もそれぞれ伸長しました。さらに、飲料事業における生産拠点集約等のコスト構造改革の継続に加え、全社的にも業務プロセス改革を進め、収益力の向上を図りました。
ミャンマー・ブルワリー社では、ミャンマー市場首位のポジションをより盤石なものとするため、前年に構築したブランドポートフォリオを最大限に活用した販売活動を展開しました。家庭用市場が拡大する中、主力商品「ミャンマービール」は缶を中心に販売数量が増加しました。また、現在のミャンマーの消費環境に即した低価格商品「アンダマン ゴールド」が、大幅に販売数量を伸ばしました。加えて、最盛期の需要に確実に応えるために、設備増強工事をさらに進め生産基盤の強化を図りました。
なお、米国の清涼飲料事業の子会社であるCCNNE社※は、コカ・コーラグループによる北米のボトラー事業の再編に伴い、米国北東部における近接テリトリーでの製造販売事業をコカ・コーラ リフレッシュメント社から譲り受け、事業範囲が広がりました。
これらの結果、オセアニア綜合飲料事業については、ライオン社酒類事業での販売数量の減少に加え、飲料事業でのオレンジ果汁価格高騰の影響により、売上収益、事業利益はともに減少しました。海外その他綜合飲料事業では、ミャンマー・ブルワリー社の増収と米国での事業譲受の影響で売上収益は増加しましたが、事業譲受に伴う初期費用が増加したこと等により、事業利益は減少しました。
※ CCNNE社:米国北東部で清涼飲料の製造販売事業を展開する完全子会社である、コカ・コーラ ボトリングカンパニー オブ ノーザン ニューイングランド社の略称です。
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オセアニア綜合飲料事業連結売上収益 |
3,486億円 |
(前年同期比 |
2.5%減) |
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オセアニア綜合飲料事業連結事業利益 |
526億円 |
(前年同期比 |
0.3%減) |
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海外その他綜合飲料事業連結売上収益 |
999億円 |
(前年同期比 |
40.8%増) |
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海外その他綜合飲料事業連結事業利益 |
134億円 |
(前年同期比 |
1.4%減) |
<医薬・バイオケミカル事業>
協和発酵キリン㈱の医薬事業では、「グローバル・スペシャリティファーマ」への飛躍をテーマに、戦略課題の達成に取り組みました。国内では、「ジーラスタ」※1等の新製品群の売上が引き続き堅調でしたが、医療費抑制策に伴う後発医薬品の浸透により売上は減少しました。海外では、各国での順調な売上に加えて、アストラゼネカ社からの契約一時金・マイルストン収入等により、売上は前年よりも増加しました。研究開発では、グローバル戦略品の開発が順調に進み、KRN23※2が欧州で条件付き承認を勧告する肯定的な見解を得たことに加え、米国でも販売承認申請が受理され、優先審査品目に指定されました。さらに、KW-0761※3についても皮膚T細胞性リンパ腫※4を対象とした第Ⅲ相臨床試験(フェーズ3)での成績を受け、欧州と米国へ販売承認申請をし、特に米国では優先審査品目指定を獲得しました。
バイオケミカル事業において、国内では、通信販売事業で2016年に発売した「アルギニンEX」や医薬・健食用原料が堅調に推移し、売上は前年並みとなりました。また、米州と欧州でも医薬・健食用原料が堅調でしたが、アジアでの一部製品の競争激化による影響により、海外の売上についても前年並みとなりました。
これらの結果、医薬・バイオケミカル事業では、国内医薬品の売上が減少したものの、技術収入の増加と研究開発費の減少等により、売上収益、事業利益はともに増加しました。
※1 ジーラスタ:白血球の一種である好中球を増加させる薬剤です。
※2 KRN23(一般名ブロスマブ):主に遺伝的な原因で骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患である、X染色体遺伝性低リン血症の治療薬として開発が進められております。X染色体遺伝性低リン血症は、くる病又は骨軟化症の症状を呈する希少な疾患です。
※3 KW-0761(一般名モガムリズマブ):特定の血液がんの治療薬として、国内では製品名「ポテリジオ」として販売されており、現在欧米でも開発が進められております。
※4 皮膚T細胞性リンパ腫:皮膚に生じる悪性リンパ腫の一種で比較的まれなタイプですが、悪性のTリンパ球が皮膚に局在化し、皮膚や血液、リンパ節、内臓、その他の組織に病変が現れます。
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医薬・バイオケミカル事業連結売上収益 |
3,467億円 |
(前年同期比 |
1.5%増) |
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医薬・バイオケミカル事業連結事業利益 |
622億円 |
(前年同期比 |
20.9%増) |
当年度における現金及び現金同等物の残高は、前年度比955億円増加の1,620億円となりました。活動毎のキャッ
シュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は前年度比106億円減少の2,217億円となりました。法人所得税の支払額は179億円増
加、運転資金の流出が140億円増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の収入は前年度比1,459億円増加の632億円となりました。有形固定資産及び無形資産の取
得については、前年度比106億円減少の888億円を支出しました。また、事業の取得により226億円、投資の取得に
より122億円の支出がありました。一方、子会社株式の売却により930億円、有形固定資産及び無形資産の売却に
より479億円、貸付金の回収により376億円、投資の売却により76億円の収入がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は前年度比249億円増加の1,822億円となりました。デリバティブの決済により176億
円の収入がありました。一方、長期借入金の返済により866億円、配当金の支払により459億円、コマーシャル・
ペーパーの減少により450億円、短期借入金の減少により157億円の支出がありました。
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を四捨五入して記載しております。
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(単位:百万円) |
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前年度 |
当年度 |
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資産の部 |
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流動資産 |
748,148 |
812,104 |
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固定資産 |
|
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有形固定資産 |
705,204 |
633,675 |
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無形固定資産 |
401,910 |
371,366 |
|
投資その他の資産 |
492,904 |
528,700 |
|
固定資産合計 |
1,600,019 |
1,533,742 |
|
資産合計 |
2,348,167 |
2,345,846 |
|
負債の部 |
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流動負債 |
650,382 |
592,412 |
|
固定負債 |
751,701 |
554,809 |
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負債合計 |
1,402,083 |
1,147,221 |
|
純資産の部 |
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株主資本 |
728,945 |
822,903 |
|
その他の包括利益累計額 |
△48,283 |
98,038 |
|
新株予約権 |
563 |
698 |
|
非支配株主持分 |
264,859 |
276,986 |
|
純資産合計 |
946,084 |
1,198,625 |
|
負債純資産合計 |
2,348,167 |
2,345,846 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) |
当年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
|
売上高 |
2,075,070 |
1,970,830 |
|
売上原価 |
1,157,692 |
1,072,505 |
|
売上総利益 |
917,378 |
898,325 |
|
販売費及び一般管理費 |
775,488 |
743,370 |
|
営業利益 |
141,889 |
154,955 |
|
営業外収益 |
20,889 |
25,608 |
|
営業外費用 |
22,102 |
19,583 |
|
経常利益 |
140,677 |
160,980 |
|
特別利益 |
67,322 |
47,418 |
|
特別損失 |
27,235 |
67,361 |
|
税金等調整前当期純利益 |
180,764 |
141,037 |
|
法人税等合計 |
47,097 |
△7,530 |
|
当期純利益 |
133,667 |
148,567 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
15,509 |
19,940 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
118,158 |
128,627 |
|
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|
(単位:百万円) |
|
|
前年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) |
当年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
|
当期純利益 |
133,667 |
148,567 |
|
その他の包括利益合計 |
△79,288 |
150,717 |
|
包括利益 |
54,379 |
299,284 |
|
(内訳) |
|
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親会社株主に係る包括利益 |
51,686 |
274,984 |
|
非支配株主に係る包括利益 |
2,693 |
24,300 |
前年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
|
|
(単位:百万円) |
||||
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|
株主資本合計 |
その他の包括利益累計額合計 |
新株予約権 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
645,654 |
18,189 |
431 |
273,810 |
938,084 |
|
当期変動額 |
83,291 |
△66,472 |
132 |
△8,951 |
8,000 |
|
当期末残高 |
728,945 |
△48,283 |
563 |
264,859 |
946,084 |
当年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
|
|
(単位:百万円) |
||||
|
|
株主資本合計 |
その他の包括利益累計額合計 |
新株予約権 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
728,945 |
△48,283 |
563 |
264,859 |
946,084 |
|
当期変動額 |
93,958 |
146,321 |
135 |
12,127 |
252,541 |
|
当期末残高 |
822,903 |
98,038 |
698 |
276,986 |
1,198,625 |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) |
当年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
226,468 |
200,969 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△77,521 |
75,855 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△145,184 |
△174,648 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△6,364 |
△4,698 |
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現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
△2,600 |
97,477 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
60,336 |
57,725 |
|
連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
△11 |
△478 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
57,725 |
154,724 |
前年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加7社、減少30社であります。
持分法適用会社の異動は増加4社、減少1社であります。
(有形固定資産の減価償却方法の変更及び耐用年数の見直し)
従来、当社及び日本綜合飲料事業に属する会社の有形固定資産の減価償却方法は定率法(ただし、1998年4月1日以降取得した建物(建物附属設備を除く)については定額法)によっておりましたが、当年度より定額法に変更いたしました。
日本綜合飲料事業に属する会社において、生産拠点の集約等により生産能力の最適化を進め、需要に見合った適正な製造能力による安定的な稼動ができる状況となってきたため、「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」の策定を契機に、減価償却の方法を検討いたしました。
その結果、今後、国内現有設備の稼働が安定的に推移していくことが見込まれるため、使用期間にわたる均等償却による費用配分を行うことが、当社グループにとってより適切であると判断しております。
また、この変更により、海外拠点を含むグループ会社の会計方針の統一が図られ、グループ会社間の比較可能性が向上されます。
同時に、一部の有形固定資産について耐用年数を変更しております。
これにより当年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ10,153百万円増加しております。
(「企業結合に関する会計基準」等の適用に伴う変更)
「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 2013年9月13日)第39項に掲げられた定め等を適用し、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。
当年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加7社、減少25社であります。
持分法適用会社の異動は増加3社、減少2社であります。
(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の適用)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 2016年3月28日)を当年度から適用しております。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が前年度において22,317百万円、当年度において22,443百万円減少しております。
(子会社株式の売却損益の調整)
日本基準では当年度にBrasil Kirin Holding S.A.株式を売却したことに伴い、同社の取得時から売却時までの為替換算調整勘定累計額を連結損益計算書に組替調整しております。
IFRSでは、当社グループはIFRS第1号の免除規定により、IFRS移行日における在外営業活動体の累積換算差額をゼロとみなしており、同社の移行日から売却時までに係る為替換算調整勘定累計額(IFRSでは「在外営業活動体の換算差額」累計額)を連結損益計算書に組替調整しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「税引前利益」が当年度において75,848百万円増加しております。
2 【生産、受注及び販売の状況】
当年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本綜合飲料 |
837,536 |
△1.1 |
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オセアニア綜合飲料 |
347,499 |
0.0 |
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海外その他綜合飲料 |
76,082 |
34.0 |
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医薬・バイオケミカル |
186,955 |
0.8 |
|
その他 |
10,288 |
0.1 |
|
合計 |
1,458,360 |
0.8 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しています。
当年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本綜合飲料 |
1,050,975 |
△1.0 |
|
オセアニア綜合飲料 |
348,637 |
△2.5 |
|
海外その他綜合飲料 |
99,948 |
40.8 |
|
医薬・バイオケミカル |
346,708 |
1.5 |
|
その他 |
17,462 |
△22.1 |
|
合計 |
1,863,730 |
0.5 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前年度 |
当年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
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三菱食品㈱ |
200,505 |
10.8 |
205,972 |
11.1 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は2016年度に、2021年に向けた新たなキリングループ長期経営構想である「新キリン・グループ・ビジョン2021」(略称:新KV2021)と、ビジョン実現に向けた前半の3か年計画である「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」(略称:2016年中計)を策定しました。
「新キリン・グループ・ビジョン2021」
酒類、飲料、医薬・バイオケミカルを中核とした事業を通して、グループの強みである技術力を活かし、社会課題の解決とお客様への価値提供を両立し、社会とともに持続的な成長を目指します※。
また、グローバル共通の価値観(“One Kirin”Values:「熱意と誠意」“Passion and Integrity”)に基づき、多様性を生かして事業・地域の垣根を越えて連携し、グローバル企業としての成長を目指します。
※ 社会課題への取り組みについては、酒類メーカーとしての責任であるアルコール関連問題の解決等に取り組むことを前提に、事業との関係が深い“健康”、“地域社会への貢献”、“環境”を、キリングループとして長期的に取り組むCSV重点課題として位置付けました。これら重点課題においてグループが目指す社会への貢献と取り組みの方針をグループCSVコミットメントとして定め、主要会社がそれぞれの事業において、社会的価値と経済的価値の創造を具現化していきます。
(2)中長期的な経営戦略と目標とする経営指標
「キリングループ2016年-2018年中期経営計画」
2016年からの中期経営計画は、収益力の向上を最優先課題とし、優先度を明確にした投資による既存事業の競争力強化と低収益事業の収益構造の抜本的改革を実行します。
(基本方針)
構造改革による、キリングループの再生
(重点課題)
①ビール事業の収益基盤強化
②低収益事業の再生・再編
③医薬・バイオケミカル事業の飛躍的成長
(定量目標)
当期より、当社グループの連結財務諸表について、従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を開始しました。当該移行に伴い、IFRSでの会計処理を鑑みて、2016年中計の定量目標における指標を“ROE”と“平準化EPS”に置換しております。
・ROE:15%以上
・平準化EPS※年平均成長率:6%以上
※平準化:その他の営業収益・費用等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EPS = 平準化当期利益 / 期中平均株式数
平準化当期利益 = 当期利益± 税金等調整後その他の営業収益・費用等
※参考:2018年キリングループ連結事業利益目標 1,960億円
(3)会社の対処すべき課題
2017年度は、キリンビバレッジ㈱の利益伸長等によりキリングループ全体の収益構造改革は一段と進みましたが、国内ビール類市場全体が縮小する中でキリンビール㈱のビール類販売数量が減少するなど、2016年中計の重点課題のうち“ビール事業の収益基盤強化”に課題が残りました。2016年中計の最終年度となる2018年度は、“構造改革によるキリングループの再生”の実現に向けて、キリンビール㈱の収益基盤強化を最優先課題として取り組み、成熟が進む国内酒類市場の活性化を図ります。さらに、ミャンマー・ブルワリー社を中心に東南アジア市場の成長を取り込み、医薬・バイオケミカル事業を一層成長させることで、2016年中計の確実な達成を目指します。
構造改革により創出したキャッシュは、あるべき資本構成を維持する前提のもと、将来に向けた成長投資に優先的に振り向けるとともに、配当を基本とした株主還元の充実も検討します。
さらに、新KV2021で掲げたグループビジョンに立脚し、確かな価値を実現する技術力と、多様なお客様を理解し提案するマーケティング力を活かし、酒類、飲料、医薬・バイオケミカルの各事業で、社会課題の解決とお客様への価値提供を両立し、社会とともに持続的な成長を目指します。社会課題については「グループCSVコミットメント」に基づき、CSV重点課題である“健康”、“地域社会への貢献”、“環境”の解決に一層高いレベルで取り組み、社会的価値と経済的価値を同時に創出します。特に“健康”については、将来の成長ドライバーとするべく酒類・飲料事業と医薬・バイオケミカル事業の協業をさらに深化させます。「プラズマ乳酸菌」の浸透に向けて、「iMUSE(イミューズ)」ブランドの販売を拡大しつつ新規の販路開拓や他企業とのパートナーシップ拡大を図ると同時に、食から医にわたる領域での新規事業機会を探索し具体的な事業化を促進します。
また、“ブランド”、“研究開発”、“製造・IT”、“人材”を持続的な成長を支える重要資本と考え、中長期的に投資します。人材戦略の最重要課題としてリーダーシップの開発に取り組み、イノベーション創出の推進力となる多様性に富んだ組織風土を醸成します。
キリンビール㈱では、一貫した戦略としてビールカテゴリーの魅力化に注力するとともに、再成長に向けて、投資するべきブランド・活動を絞り込んだ投資効率の高いマーケティング戦略を実行します。ビールカテゴリーでは、地域密着型営業を通じて「キリン一番搾り生ビール」のお客様接点を拡大し、ブランドを一層成長させます。4月の酒税法改正によるビールの定義の変更が追い風となるクラフトビールについて、日本産ホップの使用をはじめ特徴あるビールづくりを継続するほか、「Tap Marché(タップ・マルシェ)」を全国展開し市場の活性化を加速します。喫緊の課題である新ジャンルカテゴリーについては、お客様の共感を呼ぶブランドとして「キリン のどごし〈生〉」を強化し、お客様の期待に応える商品を提案します。市場が拡大するRTDカテゴリーでは、「キリン 氷結」を中心とした幅広い商品展開により、お客様の支持拡大を図ります。びんや樽詰容器のビール類等の価格改定やコスト削減による、収益構造の改革にも取り組みます。
メルシャン㈱では、果敢なチャレンジでさらにワインの魅力を伝達し、お客様のニーズに迅速に対応することで、ワイン市場の拡大を牽引します。カテゴリーごとに注力ブランドの選択と集中を進め、ワイン飲用層の裾野拡大を目指した提案や商品開発に取り組みます。「シャトー・メルシャン」はブランド強化を継続するとともに、長野県でのワイナリー新設等を通じてブドウ産地との連携をさらに深め、日本ワインの価値啓発を図ります。これら計画の実現のために必要な組織能力の強化や、ワイン事業の収益力強化も実行します。
キリンビバレッジ㈱では、収益構造改革のステージから成長による利益創出のステージへと踏み出し、一層強固なブランド体系の構築に取り組みます。紅茶、緑茶、コーヒーを中心としたブランド体系のもとで売上と利益の伸長を図ると同時に、成長機会の創造に挑戦します。また、持続可能な仕組みづくりに向けて、CSV視点からの取り組みの強化や、同業他社との協業を含めたあらゆるSCMコスト削減策の追求等により、事業基盤を強化します。
ライオン社酒類事業では、前年に再構築したブランドポートフォリオ戦略に基づいた活動を継続し、成長カテゴリーでのブランド強化を図ります。また、地域社会に根差したクラフトビールの展開も進めます。ライオン社飲料事業では、ブランド強化、販売網の再構築等により注力する乳飲料カテゴリーや成長するヨーグルトカテゴリーでの販売数量を伸ばすとともに、本社・工場部門の合理化推進によるコスト削減や、酪農家の経営支援を通じて安定的かつ持続的な原料調達を実現する活動に引き続き取り組みます。
ミャンマー・ブルワリー社では、ミャンマー市場で圧倒的首位の地位を維持するため、キリングループの知見を活かした効果的な市場リサーチ活動を実施し、市場やお客様への理解を深めていきます。競合環境や市場環境の変化を踏まえ、「ミャンマービール」を国民の誇りを喚起するブランドとして強化します。また、最新設備の導入により、環境負荷低減と生産能力増強を両立させる生産基盤強化を計画通りに完了させ、伸長していくビール需要の獲得を図ります。
4 【事業等のリスク】
キリングループは事業の遂行にあたって、国内においては、酒税法、食品衛生法、薬機法、独占禁止法、環境諸法令等の法的規制の適用を受けています。また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けています。例えば、酒税や消費税の増税が実施された場合、価格の上昇により酒類、飲料等の消費が減少する可能性があります。薬機法及び関連政省令等の法令の改定が、医薬品開発の進捗に遅延を招くなど、医薬事業に影響を及ぼすことや、公定薬価制度による薬価引下げが、医薬事業の業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。その他、予測できない法令の改正が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、キリングループは、酒類を製造・販売する企業グループとして、社会的責任を果たすために、広告・宣伝活動にあたっても厳しい自主基準に基づき自ら規制を行っています。一方で、WHOにおいては、世界的な規模での酒類販売に関する規制が検討されており、当社グループの予想を大きく上回る規制強化が行われた場合、酒類の消費が減少し、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループは、原材料及び商品の一部を海外から調達しており、また、海外への事業展開も行っています。予測の範囲を超える急激な為替変動や、国内外の資金調達等における金利の変動があった場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループの使用する主要な原材料(PETボトル、段ボール、麦芽、コーン、果汁等)や原油、電気といったエネルギー等には、その価格が市場の状況により変動するものがある他、配送ドライバー不足など物流を取り巻く環境が厳しさを増しており、調達、製造、輸送コスト等が上昇し、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループは事業遂行にあたって、天候不順や冷夏、干ばつ、集中豪雨等の異常気象、その他の地球温暖化等の影響を受ける可能性があります。さらに地震等の大規模な自然災害や新型インフルエンザ等の感染症の流行や事故が発生した場合、当社グループの事業活動が制限され、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 資金調達について
キリングループは、事業資金を主に金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債の発行等により調達しています。このため、金融市場の不安定化・金利上昇、また格付機関による当社グループの信用格付けの引下げの事態が生じた場合等には、資金調達の制約を受け、資金調達コストが増加する可能性、あるいは全くできない状況に直面する可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループの保有する株式等の資産価値が急激な株価変動等によって下落することにより、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループは事業の遂行にあたって、景気等の経済状態による消費動向や人口動態の変化に大きく影響を受ける可能性があります。世界同時不況による消費不振や需要減退等が起きた場合、また、日本国内の少子・高齢化等により、市場全体の縮小等の変化が起こる場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループは、国内外で事業を展開していますが、主に海外において、以下のような事象が発生し、予測を超える影響を受けた場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ア) テロ・戦争やその他の要因による政治・経済・社会的混乱
(イ) 文化や慣習の違いに起因するトラブル
[B. 事業遂行に関するリスク]
キリングループは中長期の経営計画に沿い、成長に向けた競争力強化の一環として国内外他社との事業・資本提携を進めています。しかしながら、事業・資本提携においては、当社グループが提携先の経営、事業、資産に対して十分なコントロールができない可能性があり、また、提携先企業の事情等によっても事業遂行上の影響を受ける可能性があります。また、出資先企業の業績不振等により出資に伴うのれん等の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループでは、国内外で事業活動を行っており、様々な人種・国籍や文化を持つ従業員が働いています。その多様性を尊重し、価値創造を実現するための組織能力向上を目指しておりますが、事業活動に必要な高い専門性を持った人材を十分に確保・育成できないリスクがあります。また、労働安全衛生面において、関連法令の遵守はもとより、労働災害や事故等の未然防止を図っています。しかしながら、万が一これらの事態が発生した場合、事業活動に重大な影響を与え、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループでは、グループの自社工場で製造する製品や、製造委託工場・輸入品等の他社製造品について、品質保証マネジメントシステムにより、グループ全体での品質監査を実施する等、「食の安全」をお客様に提供するための品質保証に最大限の努力を払っています。しかしながら、品質保証の取り組みの範囲を超えて、予期し得ない品質問題等が発生した場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、医薬事業においては、グループの自社工場で製造する製品や他社から購入して販売する商品についても、厳しい品質管理基準や規格に適合するよう最大限の努力を払い、品質保証に取り組んでおります。しかしながら、品質保証の取り組みの範囲を超えて、大規模な製商品の回収や製造物責任賠償につながるような予期し得ない製品の欠陥等が生じた場合は、当社グループとしての社会的な信頼性に重大な影響を与え、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、医薬品は開発段階において厳しい安全性の評価を行い、所轄官庁の審査を経て承認されますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、新たに副作用が見つかることも少なくありません。市販後に予期していなかった副作用が発生した場合には、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループは、グループ経営に関する重要情報を有しているほか、多数の法人・個人に関する機密情報を保持しています。これらの情報管理については、規定等を整備し、従業員に対する教育・研修等を通じた情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策等を行う体制を整えています。また、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築しており、システムの安定的な運営確保のための対策を講じています。しかしながら、コンピュータウィルスによる感染や不正アクセス、自然災害の発生等により、情報の消失、漏洩、改ざん、情報システムの停止又は一時的な混乱が起こる可能性があります。また、これらの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループは、リスクマネジメントサイクルの定着や従業員啓発のための研修を通じたコンプライアンスの推進により、従業員の法令違反等の低減努力を実施しています。しかしながら、国内外の事業活動の遂行にあたって、当社グループ各社及びその従業員の法令等に対する違反の有無に関わらず、製造物責任・知的財産権・税務等の問題で訴訟を提起される、又は罰金等を科される可能性があります。訴訟が提起されること自体、あるいは訴訟の結果によっては、当社グループがお客様からの信頼を失い、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の他、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、設備投資・システム投資・研究開発投資に関するリスク、市場での競合に関するリスク等が考えられます。
5 【経営上の重要な契約等】
(Brasil Kirin Holding S.A.株式の譲渡)
当社はBrasil Kirin Holding S.A.の全株式をBavaria S.A.(Heineken International B.V.の子会社)に譲渡する株式譲渡契約を2017年2月13日に締結し、2017年5月31日に株式譲渡を完了いたしました。
詳細につきましては、「第5[経理の状況](1)[連結財務諸表]連結財務諸表注記 38.非継続事業」に記載のとおりであります。
(KIRIN-AMGEN, INC.株式の譲渡)
当社はAmgen Inc.と締結している医薬品の研究開発費等に関する合弁契約の終了について、2017年10月31日に同社と合意し、2018年1月29日に同社との共同支配企業であるKIRIN-AMGEN, INC.の全株式を譲渡しました。
詳細につきましては、「第5[経理の状況](1)[連結財務諸表]連結財務諸表注記 40.後発事象」に記載のとおりであります。
6 【研究開発活動】
当社グループでは、社会課題への取組みとお客様への期待に応える価値創造を実現するために、発酵・バイオをはじめとする多様な技術と、お客様のニーズを商品やサービスに反映させるリサーチ・マーケティング力を融合させ、技術力の強化を図っています。当社グループの研究開発活動は、キリン㈱R&D本部の6研究所及び各事業会社の研究所で行っています。これらが連携し、「食と健康」の領域で独自の価値と最上の品質を持つ商品やサービスの開発、及びそのベースとなる技術の研究・開発を推進しています。また、有望な技術の開発・応用・実用化を可能にするためにグループ内外のオープンイノベーションを積極的に推進しています。
2017年度の主な研究開発成果は以下の通りです。飲料の開発に関しては、緑茶や紅茶の味や香りなどを維持しながら茶中のカフェインを選択的に吸着除去する当社独自の「カフェインクリア製法」について、8月28日の日本食品科学工学会第64回大会において「日本食品科学工学会 技術賞」を受賞しました。また、環境に配慮したパッケージ開発の一環として、ユニバーサル製缶㈱と共同で国産最軽量※1となるアルミ缶を開発し、公益社団法人日本包装技術協会が主催する「第41回木下賞」の改善合理化部門にて受賞しました。昨年の「国内最軽量ペットボトル」に続き、2年連続の同賞受賞となります。また、アジア包装連盟主催の「アジアスター2016コンテスト」において、「キリン生茶」525mlペットボトルと「キリンウイスキー富士山麓ブレンデッド18年」ボトルびんが「アジアスター賞」を受賞しました。「キリンウイスキー富士山麓ブレンデッド18年」ボトルびんについては、「ワールドスター2017コンテスト」において、「ワールドスター賞」も受賞しました。
当年度におけるグループ全体の研究開発費は590億円です。セグメントごとの状況は、次のとおりです。
※1 350ml缶では14.6gから13.8gへ約5%軽量化、500ml缶も18.1gから16.8gへ約7%軽量化した。
(1) 国内酒類事業
キリンビール㈱は、2016年に引き続き、“地元の誇りを美味しさに変えて”をスローガンに、地域で暮らすお客様と一緒になって、地域の魅力を発掘しながらつくりだした特別な一番搾り『47都道府県の一番搾り』を発売しました。47都道府県別ごとの特性を生かした商品開発やお客様の郷土愛を効果的にマーケティングに活かし多くの支持を獲得した点や、開発・販売・プロモーションが一体となってダイナミックに地域活動を展開した点などを評価いただき、日本マーケティング協会が主催する「第9回日本マーケティング大賞」において、大賞を受賞しました。
「ビールの魅力化」の取り組みの一環として「キリン一番搾り生ビール」の味覚とパッケージデザインを7月にリニューアルしました。「一番搾り製法」で引き出した麦本来のうまみをアップさせ、日本のお客様の繊細な味覚を満足させる、さらに“おいしいビール”に進化しました。当社は、2026年の酒税一本化を見据え、2020年を中期ゴール、2017年を再成長元年と位置づけ、「キリン一番搾り生ビール」の“おいしさ”を徹底的に追求し、中長期的な再成長を図っていきます。
新しいクラフトビールの楽しみ方を提案する「Tap Marché (タップ・マルシェ)」を4月より地域限定で展開しました。「Tap Marché」は「Marché (市場)」のように、個性豊かで多様なクラフトビールと多くのお客様が出会い、気軽に楽しんでいただく「場」を実現することで、新たな文化の創造を目指します。複数のクラフトビールの提供に適したサイズの3L小型ペットボトルの容器と、取扱いが簡便で1台で4種類のクラフトビールの提供が可能な小型ディスペンサーを新たに開発しました。
“ビール工場つくりたての鮮度とおいしさをそのままの状態でお届けする”をテーマに、工場から直接ご家庭に商品をお届けして専用のビールサーバーを楽しんでいただくサービスとして、「KIRIN Home Tap」を6月より展開しました。当社独自技術により、ビール工場でしか味わうことができなかったつくりたてのビールを、鮮度を保ったままペットボトルに詰めてご家庭までお届けします。食卓と食卓を囲む時間を特別なものにしていくとともに、ビールカテゴリーの魅力化を図っていきます。
ノンアルコール・ビールテイスト飲料カテゴリーにおいて、「一番搾り製法」を採用し、麦のうまみを丁寧に引き出した美味しさを実現した、当社初のノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン零ICHI (ゼロイチ)」を4月に発売しました。2009年に当社が世界で初めてアルコール0.00%のノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリンフリー」を発売以来、多くのお客様にノンアルコール飲料をご支持いただいています。一方で当社調査によると同飲料ユーザーの4人に1人は現状のノンアルコール飲料の商品に不満をもっており、特に味覚への不満が多いことが分かりました。また、「ビールに近い味」、「本格感」、「麦の味や香り」が感じられる商品への期待が高いこともうかがえます。当社は、そのような期待に着目し、麦汁ろ過工程において「キリン一番搾り生ビール」で採用している「一番搾り製法」を今回新たにノンアルコール飲料に持ち込むことで、よりビールに近い味わいを目指しました。
RTD市場においては、世界で愛され、親しまれているお酒を「氷結®」流にアレンジした新商品として「キリン旅する氷結®」シリーズを3月に発売しました。世界各地の人々がその土地で飲んでいるお酒やスタイルを氷結®ストレート果汁でおいしく飲みやすくアレンジしたライト感覚で楽しめる「キリン旅する氷結® マンマレモチーノ/アップルオレンジサングリア/カリビアンモヒート」を同時発売しました。「キリン旅する氷結®」シリーズ投入に加え、「ストロング」シリーズの好調、「氷結®」ブランドのイメージ向上を受け、出荷数7年連続増加、年間販売数量過去最高を達成しました。
洋酒市場では、「キリンウイスキー富士山麓 Signature Blend(シグニチャーブレンド)」を新発売しました。ウィスキー業界の国際的アワード「アイコンズ・オブ・ウィスキー2017」において、「マスターディスティラー/マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、本年の“世界最優秀”のブレンダーに輝いた、当社マスターブレンダーの田中城太が手がけ、複層的で奥深く、円熟した味わいに仕上げました。
メルシャン㈱はキリン㈱ワイン技術研究所と連携しながら、ワインの研究・技術開発並びに商品開発を実施しています。山梨県勝沼市に位置するワイナリー「シャトー・メルシャン」とワイン技術研究所が協働することでワインの品質向上に努めた結果、「シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルロー2012」が、レベルの高い国際ワインコンクールである「チャレンジ・インターナショナル・デュ・ヴァン(フランス・ボルドー)」にて金賞を受賞、また、「シャトー・メルシャン北信シャルドネ千曲川右岸収穫2015」が、「レ・シタデル・デュ・ヴァン(フランス・ボルドー)」にて金賞及び日本ワイン特別賞を受賞しました。お客様と一緒に日本のワインの魅力を発見し、魅力を広げていくことを目的に、「Tasting Nippon」プロジェクトを始動し、その最初の取り組みとして、「シャトー・メルシャン・クラブ」を9月に開設しました。「Tasting Nippon」プロジェクトは、日本ワインが、生産国である日本において、もっと愛され、もっと親しまれることを目指し、ワイン単体でなく、日本ならではの伝統や洗練された食と文化と共に楽しんでいただくことをテーマとして、「シャトー・メルシャン」を通じて、日本の素晴らしさを体験していただく取り組みです。これからの日本ワインの発展にむけて、お客様と一緒に、歩んでいきます。
健康と美容を気遣うお客様にお楽しみいただく「ボン・ルージュベリーリッチ赤」を9月に発売しました。一般に年齢を重ねるにつれ、自分や家族の健康への関心が高まる傾向があります。また、当社調べによると、ワインは健康に関心がある方に興味が持たれやすい傾向にあり、「健康に良い」というイメージからワインを購入・飲用される方が一定数存在します。中でも、40代の女性は、健康だけでなく、美容に関する関心が高く、赤ワインに対して、「果実感のある味わい」、「まろやかな味わい」を好むことも分かりました。さらに、ベリー類は他の果汁に比べて健康や美容に良さそうなイメージがあることも分かりました。これら背景から、天然ポリフェノール1.5倍(当社比)を含み、ポリフェノールの一種であるエラグ酸※2を含む3つのベリー(ラズベリー、クランベリー、ブラックベリー)をブレンドした「ボン・ルージュベリーリッチ赤」を開発しました。
国産梅を100%使用し、「豊潤たね熟製法※3」で生み出された原酒を用いた「まっこい梅酒」のパッケージと中身を刷新し、2月下旬より順次発売しました。フルーティーな香味をそのままに、熟した梅の風味を強化しコクを高めました。今後も“素材の香味特徴を最大限に引き出す”という思想のもと、オリジナリティに溢れ、お客様にとって魅力のある研究・技術開発並びに商品開発を引き続き推進していきます。
※2 ザクロ、イチゴ、ラズベリーなどの果実やナッツ類など、植物中に広く存在するポリフェノールの一種。
※3 梅酒の美味しさの秘密である「梅のたね」だけを浸漬し、たね由来のうまみを引き出し、甘い香りと豊潤な味わいを産み出す製法のこと。
(2) 国内飲料事業
国内飲料事業では、キリンビバレッジ㈱が中心となり原料の選定から最終商品まで開発を一貫して行っています。
紅茶飲料No.1ブランド「キリン午後の紅茶」の年間販売数量が昨年に続き、2年連続で5,000万ケースを突破し、過去最高を更新しました。「午後の紅茶」は1986年に日本初のペットボトル入り紅茶として発売以来30年間以上、日本の紅茶飲料市場をけん引しています。基盤商品である「午後の紅茶ストレートティー/ミルクティー/レモンティー」の好調に加え、「午後の紅茶おいしい無糖」が新たな基盤商品として定着し、大人層を中心とした新たな顧客を獲得しました。さらにホット専用商品も大幅に増加しています。8月にはディンブラ茶葉の華やかな香りが楽しめる、カフェインゼロ※4のストレートティーとして、「キリン午後の紅茶ストレートティーデカフェ」を発売しました。本商品の発売により、“紅茶は飲みたいけれど、カフェインを控えたい”と日常的に思っている方はもちろん、お客様が紅茶飲料を選ぶ際の選択肢を広げることで飲用シーンの拡大に貢献していきます。
スタイリッシュなパッケージと、コクと余韻がしっかりと味わえる味覚が高い評価をいただいている「キリン生茶」について、3月に味覚をブラッシュアップし、微粉砕した“かぶせ茶”をより丁寧に仕上げることで、さらにまろやかでコクのある味わいを実現しました。3月には300mlペットボトルを新たにラインアップに加え、5月にはペットボトル入り緑茶飲料として唯一※5のカフェインゼロの「キリン生茶デカフェ」を発売しました。
新たに「キリンサプリ」シリーズを発売し、日常の数値で表しにくい健康の様々な悩みにこたえる商品ラインナップを揃え、機能性表示食品だからこそ実現できる分かりやすい機能性訴求と毎日飲みたいおいしさで、手軽に取り入れやすい健康習慣を提案しました。ストレスを軽減する機能性表示食品「キリンサプリレモン」を2月、疲労を軽減する「キリンサプリブラッドオレンジ」を7月、快眠をサポートする「キリンサプリヨーグルトテイスト」を7月、プラズマ乳酸菌を配合した「キリンまもるチカラのサプリすっきりヨーグルトテイスト」を11月に発売しました。
また、キリン独自素材“プラズマ乳酸菌”を配合した新ブランド「iMUSE(イミューズ)」をスタートすることを9月に発表しました。キリングループ一体で推進しているCSVにおいて、重点課題の一つである「健康」への取り組みを強化します。「iMUSE(イミューズ)」とは、「i(私)」の中にあるチカラを「MUSE(女神)」が呼び覚まし、いつまでも強く輝いた人生をサポートする、キリングループ共同で立ち上げた新ブランドです。2018年1月発売の「iMUSE レモンと乳酸菌」は、仕事中の水分補給の際にプラズマ乳酸菌を摂れる「乳酸菌ニアウォーター」です。
今後も、キリンの強みである“ていねいなものづくり”や“品質へのこだわり”を強化し、お客様にとって、うれしい驚きをもった魅力的な商品開発を行っていきます。
※4 0.001g(100ml当たり)未満を0gと表記。
※5 100ml当たりカフェイン含有量0.001g未満のPET容器詰め緑茶飲料として唯一、2014年2月SVPジャパン調べ。
当事業に係る研究開発費は97億円です。
オセアニア綜合飲料事業では、LION PTY LTDで、オーストラリア及びニュージーランドの市場環境の変化に応じた商品開発を、キリン㈱の持つ技術を活用しながら取り組みました。
当事業に係る研究開発費は3億円です。
(1) 医薬事業
協和発酵キリン㈱では、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使し、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の各カテゴリーを研究開発の中心に据え、資源を効率的に投入することにより、新たな医療価値の創造と創薬の更なるスピードアップを目指しています。
当年度における主な後期開発品の開発状況は次のとおりです。
腎カテゴリー
・ 日本においてカルシウム受容体作動薬KHK7580(一般名:エボカルセト)の維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症を効能・効果とする承認申請を4月に行いました。また、副甲状腺癌及び副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を10月に開始しました。
・ 日本においてRTA402(一般名:バルドキソロンメチル)の2型糖尿病を合併する慢性腎臓病を対象とした第Ⅱ相臨床試験を9月に終了しました。
・ 中国において持続型赤血球造血刺激因子製剤KRN321(日本製品名「ネスプ」)の透析施行中の腎性貧血を効能・効果とする承認再申請の準備中です。
がんカテゴリー
・ 日本においてソラフェニブ治療歴を有するc-Met高発現の切除不能肝細胞癌を対象として開発を進めていたc-Met阻害剤ARQ197(一般名:チバンチニブ)の開発を中止しました。
・ 抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)は、全身治療歴を有する成人の皮膚T細胞性リンパ腫を適応症とする承認申請が欧州において10月に、全身治療歴を有する皮膚T細胞性リンパ腫を適応症とする承認申請が米国において11月にそれぞれ受理されました。また、日本において、再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫を対象とした効能効果及び用法用量に関する承認事項一部変更承認申請を11月に行いました。
免疫・アレルギーカテゴリー
・ 抗IL-5受容体ヒト化抗体KHK4563(一般名:ベンラリズマブ)は、日本において気管支喘息を適応症とした承認申請を、本剤の権利の導出先であるアストラゼネカ社が2月に行いました。また、同社が実施している国際共同試験計画の一環として、気管支喘息を対象とした第Ⅲ相臨床試験を日本及び韓国において、慢性閉塞性肺疾患を対象とした第Ⅲ相臨床試験を日本において、それぞれ実施中です。
・ 抗IL-17受容体A完全ヒト抗体KHK4827(日本製品名「ルミセフ」)は、体軸性脊椎関節炎を対象とした第Ⅲ相臨床試験を日本、韓国等において4月に開始しました。また、乾癬を対象とした第Ⅲ相臨床試験を韓国において実施中です。さらに、日本において在宅自己注射の対象薬剤として9月に適用されました。
・ 日本においてゼリア新薬工業㈱との共同開発である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」の用法・用量追加の承認を5月に取得しました。
中枢神経カテゴリー
・ アデノシンA2A受容体拮抗剤KW-6002(日本製品名「ノウリアスト」)の米国におけるパーキンソン病を対象とした再申請について、2018年中の実施に向けて準備中です。
・ 日本において、抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)の、HTLV-1関連脊髄症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を6月に開始しました。
その他
・ 抗線維芽細胞増殖因子23完全ヒト抗体KRN23(一般名:ブロスマブ)は、欧州において小児X染色体遺伝性低リン血症を適応症とした承認を申請中です(2016年12月申請受理)。また、米国において成人・小児X染色体遺伝性低リン血症を適応症とした承認申請が10月に受理されました。さらに、成人X染色体遺伝性低リン血症を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を北米、欧州、日本及び韓国において、小児X染色体遺伝性低リン血症を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を北米、欧州、オーストラリア、日本及び韓国において、それぞれ実施中です。加えて、腫瘍性骨軟化症又は表皮母斑症候群を対象とした第Ⅱ相臨床試験を米国、日本及び韓国において実施中です。
・ 中国においてトロンボポエチン受容体作動薬AMG531(日本製品名「ロミプレート」)の慢性特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。また、日本及び韓国において再生不良性貧血を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を実施中です。
・ 日本において遺伝子組換えアンチトロンビン製剤(日本製品名「アコアラン」)の新規含量規格である「アコアラン静注用1800」の製造販売承認を9月に取得しました。
(2) バイオケミカル事業
・ 各種アミノ酸に加え、核酸やペプチドといった高付加価値製品の省資源・高効率な発酵生産プロセスの研究開発に引き続き注力しています。
・ 国内外の大学研究機関との共同研究を通して得られた機能性や安全性データに基づき、アミノ酸等、発酵生産物の栄養生理機能探索や用途開発を行い、製品の付加価値を高めています。
・ 素材開発に関する知見を活かし、キリングループ共同で立ち上げた新ブランド「iMUSE(イミューズ)」に使われているプラズマ乳酸菌の素材としての新たな開発研究を開始しました。
・ 高品質アミノ酸と培養技術に関する知見を活かし、再生医療向けの細胞培養培地に関する研究を行っています。
当事業に係る研究開発費は489億円です。
7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況](1)[連結財務諸表]連結財務諸表注記」に記載のとおりであります。
売上収益は、前年度から98億円増加(前年同期比0.5%増)して1兆8,637億円となりました。キリンビール㈱、メルシャン㈱、キリンビバレッジ㈱を中心とした日本綜合飲料事業は、キリンビール㈱でのビール類の販売数量の減少等などにより、前年度から106億円減少(前年同期比1.0%減)して1兆510億円となりました。ライオン社を中心としたオセアニア綜合飲料事業は、前年度から89億円減少(前年同期比2.5%減)して3,486億円となりました。ミャンマー・ブルワリー社を中心とした海外その他綜合飲料事業は、ミャンマー・ブルワリー社の主力商品「ミャンマービール」や現在のミャンマーの消費環境に即した低価格商品「アンダマン ゴールド」が大幅に販売数量を伸ばし、また、米国の清涼飲料事業の子会社であるCCNNE社※は、コカ・コーラグループによる北米のボトラー事業の再編に伴い、米国北東部における近郊テリトリーでの製造販売事業をコカ・コーラ リフレッシュメント社から譲り受け、事業範囲を広げたこと等により、前年度から290億円増加(前年同期比40.8%増)して999億円となりました。協和発酵キリン㈱を中心とした医薬・バイオケミカル事業は、医薬事業の海外各国での順調な売上に加え、アストラゼネカ社の契約一時金、マイルストン収入等により、前年度から53億円増加(前年同期比1.5%増)して3,467億円となりました。
※ CCNNE社:米国北東部で清涼飲料の製造販売事業を展開する完全子会社である、コカ・コーラ ボトリングカンパニー オブ ノーザン ニューイングランド社の略称です。
事業利益は、国内綜合飲料事業では、キリンビール㈱でのRTD及びノンアルコール・ビールテイスト飲料の販売数量の増加に加え、キリンビバレッジ㈱をはじめ各事業会社で収益性改善の取り組みが進行したこと、また、医薬・バイオケミカル事業の増益等により、前年度から123億円増加(前年同期比6.8%増)して1,943億円となり、過去最高となりました。
営業利益は、資産の流動化等により前年度から145億円増加(前年同期比7.4%増)して2,111億円となりました。
④ 税引前利益
税引前利益は、持分法による投資利益の貢献等により前年度から256億円増加し2,338億円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、ブラジルキリン社の株式譲渡に伴う非継続事業からの当期利益の増加等により、前年度から931億円増加して2,421億円と、過去最高となりました。
当年度末の資産合計は、現金及び現金同等物の増加、営業債権及びその他の債権、有形固定資産の減少等により前年度末に比べ237億円減少して2兆3,991億円となりました。
資本は、利益剰余金の増加等により、前年度末に比べ2,700億円増加して1兆2,292億円となりました。
負債は、営業債務及びその他の債務、社債及び借入金の減少等により前年度末に比べ2,938億円減少して1兆1,699億円となりました。
上記変動の主な要因は、ブラジル連結子会社売却によるものです。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
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2016年12月期 |
2017年12月期 |
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親会社所有者帰属持分比率(%) |
29.1 |
39.9 |
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時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) |
71.6 |
108.1 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
316.6 |
247.7 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
24.8 |
31.7 |
(注) 1 親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
2 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
調達コストとリスク分散の観点から、直接金融と間接金融を組合わせ、長期と短期のバランスを見ながら、低コストかつ安定的な資金を確保するよう努めております。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
「4[事業等のリスク]」に記載のとおりです。