1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営の基本方針
当社は2019年度に、2027年に向けた新たなキリングループ長期経営構想である「キリングループ・ビジョン2027」(略称:KV2027)と、KV2027の実現に向けた最初の3カ年計画として「キリングループ2019年-2021年中期経営計画」(略称:2019年中計)を策定しました。また、KV2027の実現に向けた長期非財務目標として、社会と価値を共創し持続的に成長するための指針「キリングループCSVパーパス」(略称:CSVパーパス)を策定しました。
長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」
キリングループは、グループ経営理念及びグループ共通の価値観である“One Kirin”Values のもと、食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となることを目指します。

食から医にわたる領域における価値創造に向けては、既存事業領域である「食領域」(酒類・飲料事業)と「医領域」(医薬事業)に加え、キリングループならではの強みを生かした「ヘルスサイエンス領域」を立ち上げました。「ヘルスサイエンス領域」では、キリングループ創業以来の基幹技術である発酵・バイオ技術に磨きをかけ、これまで培ってきた組織能力や資産を生かし、キリングループの次世代の成長の柱となる事業を育成していきます。また、社会課題をグループの成長機会に変えるために、イノベーションを実現する組織能力をより強化し、持続的な成長を可能にする事業ポートフォリオを構築していきます。

長期非財務目標「キリングループCSVパーパス」
社会課題については、「酒類メーカーとしての責任」に取り組むことを前提に、CSV重点課題「健康」「地域社会・コミュニティ」「環境」に一層高いレベルで取り組みます。
CSVパーパスは、CSV重点課題の取り組みを進めた後の「2027年目指す姿」を明らかにするために策定しています。さらに、CSVパーパスを実現するために、各事業での中長期アクションプランを定めた「キリングループCSVコミットメント」における成果指標を定量化し、目標値を設定しています。

(参考)キリングループCSVコミットメント
URL https://www.kirinholdings.co.jp/csv/commitment/

(2)中長期的な経営戦略と目標とする経営指標
キリングループ2019年-2021年中期経営計画
2019年からの中期経営計画では、資産効率に応じた資源配分を徹底し、既存事業のキャッシュ創出力をさらに高めます。創出したキャッシュは、既存事業成長のための投資に優先的に振り向けると共に、株主還元の一層の充実を図り、企業価値を最大化します。
また、食領域・医領域の既存事業領域に加え、既存事業の強みを生かした「ヘルスサイエンス領域」を立ち上げ、育成を進め、キリングループの持続的な成長につなげます。
(基本方針)
「再生」からステージを上げ、「新たな成長を目指した、キリングループの基盤づくり」を行う。
株主還元の更なる充実を図り、企業価値を最大化する。
(重点課題)
長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」実現に向けた第1ステージの3ヵ年として、成長に向けた3つの戦略を実行します。
①成長の基盤 既存事業の利益成長
食領域:収益力の更なる強化 医領域:飛躍的成長の実現
②将来の成長機会 「ヘルスサイエンス領域」の立ち上げ・育成
③成長の原動力 イノベーションを実現する組織能力の強化

(重要成果指標)
2019年中計の財務指標について、平準化EPS成長による株主価値向上を目指すと共に、成長投資を優先的に実施する3ヵ年の財務指標として新たにROICを採用しています。また、社会・環境、お客様、従業員との共有価値実現に向けて、非財務目標を設定しました。
1.財務目標※1
※1 財務指標の達成度評価にあたっては、在外子会社等の財務諸表項目の換算における各年度の為替変動による影響等を除く。
※2 平準化EPS=平準化当期利益/期中平均株式数
平準化当期利益=親会社の所有者に帰属する当期利益±税金等調整後その他の営業収益・費用等
※3 ROIC=利払前税引後利益/(有利子負債の期首期末平均+資本合計の期首期末平均)
2.非財務目標
※4 企業価値ブランド評価にあたっては、インターブランドジャパン社「ブランドランキング」におけるKIRINブランド価値評価を使用。
(財務方針)
既存事業の成長により創出した営業キャッシュフローは、安定的な配当と規律ある成長投資を実施した上で、追加的株主還元への機動的なアロケーションも検討し、企業価値の最大化を図ります。
・メリハリのある設備投資
維持・更新目的の投資は抑制し、資産効率と市場魅力度の高い案件に積極的かつ優先的に投資
・株主還元の充実
平準化EPSに対する連結配当性向の引き上げ(2019年より30%以上から40%以上に)及び追加的株主還元の機動的な実施検討
・規律ある成長投資
資本コストを踏まえたNPVとROICを基準とする投資判断
・無形資産投資
イノベーションを実現する組織能力強化に向けた「ブランド」「研究開発」「情報化」及び「人材・組織」への継続投資
(コーポレートガバナンス)
重要成果指標(財務目標・非財務目標)及び単年度連結事業利益目標の達成度を役員報酬に連動させることにより、株主・投資家との中長期的な価値共有を促進しています。
[業績評価指標]
※5 売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、事業の経常的な業績を測る利益指標です。
※6 個人業績評価は、取締役会長及び取締役社長以外の取締役に適用されます。
※7 業績評価期間の翌年に業績目標の達成に応じたポイントを付与し、原則として、業績評価期間の開始から3年が経過した後の一定の時期に付与されたポイントに相当する数の株式が交付されます。
※8 非財務評価は、CSVコミットメントの進捗及び達成状況の評価とし、4つの重点課題(「酒類メーカーとしての責任」、「健康」、「地域社会・コミュニティ」、「環境」)に応じた取組みを総合的に評価したものです。
(3)会社の対処すべき課題
キリングループを取り巻く環境をグローバルで見ると、「食領域」では嗜好の多様化や価格の二極化が進み、「医領域」では薬価引き下げや後発品の浸透が進んでいます。また、少子化や高齢化に起因する人口構成の構造的問題に始まり、WHO(世界保健機関)によるアルコール規制に向けた動き、肥満防止のための砂糖税の導入、超高齢社会における医療費負担の増加抑制に向けた薬価低減傾向等、キリングループの各事業を取り巻く環境は、年々厳しくなっています。気候変動や海洋プラスチック等の地球規模での環境問題や人権尊重に対する取り組み等、社会が抱える課題も山積しています。
キリングループは、これらの課題解決を事業の成長機会として捉え、社会とともに歩むことで、持続的な成長を実現したいと考えています。そして、2019年中計の達成とKV2027の実現に向けて、2020年も既存事業の収益力を強化し、新規事業の立ち上げと育成に注力します。
また、各事業が持続的に成長し競争力を強化していくために、実効性のあるCSV戦略を推進します。“酒類メーカーとしての責任”への対応や、CSV重点課題のうち“健康”に対する取り組みを前進させるために、「ヘルスサイエンス領域」を育成します。“環境”については、自然と社会全体に対して今まで以上に貢献するために、生物資源、水資源、容器包装、気候変動を4つのテーマとする「長期環境ビジョン」を改定し、ポジティブインパクト※1を創出します。社内外のステークホルダーとのCSVに関するコミュニケーションを強化し、価値を共創するとともに、CSV経営への共感を高めていきます。
※1 自社で完結する取り組みの枠を超え、取り組みそのものとその波及範囲を社会全体へと拡大し、これからの世代を担う若者をはじめとする社会とともに未来を築いていくという考え方です。
① 既存事業の利益成長
既存事業である「食領域」と「医領域」では、強みを活かせる領域や主要ブランドへの集中戦略等により、持続的な成長を目指します。同時に、外部環境変化に耐え得る収益基盤も構築していきます。さらに、キリングループ独自の研究開発力やマーケティング力、戦略的な投資を組み合わせて、お客様の潜在的なニーズにお応えする新たな価値を提供し、事業領域の拡大を図ります。
「食領域」:収益力の更なる強化
国内酒類市場を見ると、ビール類市場が縮小する一方でRTD市場の拡大が進み、2020年10月には酒税改正※2が予定されています。キリンビール㈱は、市場環境変化に対応し同質化競争から抜け出すため、“10年後も残るブランド”づくりを進めます。具体的には、主力ブランドに投資を集中したマーケティング活動と、営業現場と本社部門の協働により、「キリン一番搾り生ビール」や「本麒麟」等の主力ブランドを育成します。将来の成長に向けた種まきとして、クラフトビール拡大に向けた活動の強化や、お客様のニーズを先取りしたイノベーティブな商品やサービスの開発も進めます。原材料費や物流費の上昇も予想されるため、全社最適の視点で生産・物流体制を構築し、SCMコストの低減を目指します。
メルシャン㈱では、間口拡大によるワイン市場の活性化と収益構造改革を進めます。「シャトー・メルシャン」は日本でもまれな3つのワイナリーにおけるお客様との接点を生かして、日本ワインの代表ブランドとしての地位を確立します。
※2 ビール類(ビール・発泡酒・新ジャンル)の酒税一本化、日本酒・ワイン・RTDの酒税一本化を目的に、2020年・2023年・2026年の3回にわけて、段階的に酒税改正が行われる予定です。
国内飲料市場の成長は横ばいとなり、健康や環境への配慮が求められています。こうした中でキリンビバレッジ㈱は、“CSVの実践を軸とした成長による利益創出”を目指しています。基盤ブランドの「キリン 午後の紅茶」と「キリン 生茶」に投資を集中し、より強固なブランド体系を構築します。さらに、成長を続ける健康領域の強化を継続します。無糖・低糖飲料や、キリングループの独自素材「プラズマ乳酸菌※3」等の素材を配合した商品や機能性表示食品の拡大に注力します。また、事業が長期にわたり持続的に成長するには、SCM体制の再構築とプラスチック廃棄物問題への取り組みを中心とする環境対策の強化が継続的な課題です。生産拠点と連携した物流新拠点の立ち上げや、ペットボトルのリサイクル体制づくりを進め、課題に機敏に対処します。
※3 キリングループが学会や学術論文の発表を通して研究を進めている乳酸菌です。体の免疫の仕組みにおいて司令塔の役割を果たすプラズマサイトイド樹状細胞を直接活性化させることから名づけました。
オセアニア市場では、お客様の嗜好の変化や近年の競争激化、容器保証金制度等の規制強化によるコストアップへの対応が課題です。ライオン社では、お客様が求める商品をより徹底して見つめ直し、ブランド成長の実現を目指します。業務の効率化やデジタル技術の活用等によるコスト構造改革を進め、ブランド育成に向けた投資や豪州でのERP※4システム導入等に伴う費用増加の影響を最小化します。さらに、ライオン社が中核となりキリングループ全体でクラフトビール戦略をグローバルに推進することで新たな成長軸を確立し、持続的な成長を目指します。
※4 Enterprise Resources Planning(企業資源計画)の略です。販売、生産、人事、経理等の基幹情報を統合することで経営の効率化を図る概念及びそのシステムを指します。
ミャンマー市場では、新たなプレーヤーの市場参入により競争環境が厳しさを増しています。ミャンマー・ブルワリー社では、主力商品「ミャンマービール」と成長著しいエコノミーカテゴリーの「アンダマン ゴールド」を軸に、強みであるSCM機能の活用や先進のマーケティング手法の導入等により、変化に柔軟に対応し急成長する需要を取り込みます。
米国北東部を拠点とするコーク・ノースイースト社では、炭酸飲料を中心とした単価改善、業務効率化やコスト削減を推し進め、収益性を高めていきます。事業エリア統合後の一体感醸成に向けた取り組みも継続します。
「医領域」:飛躍的な成長の実現
国内での薬価改定や後発品上市によるリスクが課題です。これらを低減するため、協和キリン㈱では、グローバル戦略3品である「Crysvita」、「Poteligeo」、「Nourianz」を成長の柱として販売を拡大します。これらの製品に続く次期グローバル製品候補やパイプラインの開発も推進します。医薬品のグローバル安定供給体制をより強化して運用します。「One Kyowa Kirin」体制の定着と、「グローバル・スペシャリティファーマ」にふさわしい企業文化の醸成を進めていきます。
②「ヘルスサイエンス事業」の立ち上げと育成
日本では、既に少子高齢化が進み長寿社会が到来していますが、将来的にはこうした社会変動に伴う医療費の抑制と健康寿命の延伸が、日本のみならず多くの国において大きな社会課題になると考えています。キリングループは、創業以来の基幹技術である発酵・バイオテクノロジーに磨きをかけ、既存の「食領域」と「医領域」で培った有形・無形の経営資源を活用し、キリンならではの方法で社会課題の解決に取り組むことで、このような社会課題に対応するソリューションを提供できると考えています。特に、CSV重点課題の“健康”に関する社会課題は、「食から医にわたる領域」での重要な事業機会となります。この分野を新たな成長軸として育成することは、キリングループの持続的な成長に大きく貢献すると考えています。
まず、既存事業モデルの成長と拡大に向けて、キリングループ各社と㈱ファンケルとの商品開発やインフラの相互活用等を具体的に進めます。お客様の不安や課題を解消することで、キリングループと㈱ファンケル双方の企業価値を高めます。キリングループの資産である高機能アミノ酸、免疫、脳の働き、腸内環境に関する機能性素材を活用し、“健康”を軸に“お客様の未充足ニーズ”に応える商品やサービスも展開していきます。
新規事業の創出に向けては、個別化ヘルスケア※5領域への事業展開を開始します。㈱ファンケルは2020年2月から開始したオーダーメイドサプリメント「パーソナルワン」の事業を軌道に乗せます。さらに、腸内環境と生活習慣病の分野で、米国の持分法適用会社であるソーン社を基軸としたプラットフォーム事業の確立に挑戦します。
※5 個々人の悩みに合わせたオーダーメイドによる商品やサービスを提供することで、健康課題を解決する方法を個別に提供することです。
③イノベーションを実現する組織能力の強化
2020年は、グループ横断で取り組む重点テーマを定め、各事業を支える組織能力を獲得するために重点的に投資します。特に、イノベーションを実現する経営基盤の一層の強化に向けて、デジタルトランスフォーメーション(DX)※6の推進と、多様な価値観と専門性を持つ人材の確保・人材が活躍できる組織風土づくりを並行して進めます。長期的かつ持続的な成長のカギとなる組織能力の課題に対しては、グループ横断で取り組む重点テーマを設定し取り組みます。
急速に進展するICT※7を駆使し経営の効率化と競争力の強化を図るために、既存事業と新規事業を問わず全事業領域でDXを活用することで、コスト削減やバリューアップを実現し、ビジネスモデルの変革を進めます。また、ERPシステムを国内酒類・飲料事業に導入することにより、業務の標準化や労働生産性の向上を実現するとともに、積極的に情報を活用して攻めの経営を加速します。
さらに、価値創造やイノベーションの実現には多様性が欠かせないとの考えから、多様な人材や価値観を受容する組織風土の醸成に注力します。グループ経営人材を輩出する仕組みを構築し、人材育成を強化する人材マネジメントにも取り組みます。豊富な知見や専門性を持つ社外人材の登用を進めることにより、組織能力を強化します。
※6 進化したデジタル技術を浸透させることで、人々の生活をより良く変革することです。
※7 Information and Communication Technology(情報通信技術)の略です。情報・通信に関する技術の総称で、従来から使われている「IT(Information Technology)」に代わる言葉として使われています。
最後に、キリングループでは、協和発酵バイオ㈱防府工場の不適切な製造体制の判明を真摯に受け止めています。2020年1月に行われたグループ調査委員会の報告に基づき、協和キリン㈱と協和発酵バイオ㈱における品質保証体制の再構築にグループをあげて取り組み、組織風土も抜本的に改善し、透明性と健全性の向上を図っていきます。
2 【事業等のリスク】
キリングループでは、戦略・事業遂行上でのリスクや重大なクライシスに転ずる可能性のあるリスクを「グループリスク・コンプライアンス委員会」にて把握・検討し、グループ重要リスクとして整理しています。さらに、戦略リスクを適切に管理・統制すると共に、クライシスに転ずるリスクの顕在化を可能な限り防止し、クライシスに転化した場合はその影響を最小限に留めるなど、各種のリスクマネジメント体制を整備し、リスクの低減や適切な管理に努めております。しかしながら、リスクが顕在化した場合には、キリングループの経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、本文中における将来に関する事項は2019年12月31日現在において当社が判断した内容に基づきます。
(1) 各事業領域におけるリスク
食領域では、主に、人口動態・市場・嗜好の変化など事業環境変化への対応のリスク、競争環境激化のリスク、法令等の改正による影響などのリスクがあります。
今後の酒類事業・飲料事業は、国内では人口減少により長期的に総需要の縮小が見込まれる中、嗜好の多様化や価格の二極化が進んでおり、RTDを含む低価格帯カテゴリーが伸長する一方、クラフトビール等の高価格帯カテゴリーや無糖飲料・機能性飲料等の健康志向の商品の需要が拡大していくことが予測されます。海外では、国や地域によって事業環境は異なり、人口増加による総需要拡大や新たな飲用人口の拡大に伴う低価格帯カテゴリーの成長が今後も見込まれる新興国市場がある一方、先進国市場や発展段階の進んだ新興国市場においては、日本と同様に、高価格帯カテゴリーの伸長や健康志向の商品への需要が見込まれます。こうした市場環境やお客様の嗜好の変化への対応が遅れ、競争優位な商品やサービスの提供ができずに売上や利益が減少する可能性があります。
国内の酒類事業(キリンビール㈱)においては、2020年の酒税改定に伴い、販売価格の変動や競合他社の動向等により、予想を超えて酒類市場のカテゴリーの構成の変化が起きたり、RTDの競争激化により、販売計画を達成できない可能性があります。
海外の酒類事業(ライオン社)は、当該地域におけるビール需要の継続的な減少や競合との競争激化による利益の減少、またライオン社が戦略的に展開する海外クラフトビールにおいて、グローバル大手酒類メーカーを中心に、高価格帯市場での競争力を高めようとする動きが加速しており、戦略に沿った展開が進まない可能性があります。
国内の飲料事業(キリンビバレッジ㈱)においては、競争環境における基盤ブランド商品の販売量の減少により、売上や損益への影響が発生する可能性があります。
医薬事業(協和キリン㈱)では、主に研究開発に関するリスク、副作用に関するリスク、知的財産権に関するリスク、特許権満了に関するリスク、海外事業展開に関するリスク、安定供給に関するリスク、製品品質に関するリスク等があります。
研究開発では、大学や医療機関、ベンチャー企業と一体となったオープンイノベーションによる新薬の研究開発を行うなど、新薬創出型の製薬企業として魅力ある開発パイプラインの構築を目指していますが、長期間にわたる新薬の開発過程において、期待通りの有効性が認められない場合や安全性等の理由により研究開発を断念する場合があります。開発段階においては厳しい安全性の評価を行っておりますが、市販後に新たに予期していない副作用が見つかった場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
知的財産権については厳しく管理しておりますが、知的財産権が侵害された場合や第三者の知的財産権を侵害し訴訟を提起された場合には、製品の売上収益又は技術収入の減少、製品の製造・販売等の差し止めや損害賠償金や和解金の支払い等が発生する可能性があります。新薬の発明は特許権で一定期間保護されますが、特許権が満了し他社の後発品が参入した場合、自社製品の売上収益が減少する可能性があります。医薬事業における主力製品の一つである腎性貧血治療剤ネスプの物質特許が満了し、新製品の売り上げでカバーできない場合には、売上収益が減少する可能性があります。
グローバルマネジメント体制による事業のグローバル展開を進めていますが、グローバル体制の構築が計画通りに進まない場合、新規上市国での薬価が想定より大幅に下回る場合、上市準備が遅延し事業エリア拡大が遅れる場合、予定通り市場に浸透しない場合には、経営目標の達成が困難になる可能性があります。グローバル展開のために、強固な生産体制の構築を進めていますが、製造施設・物流施設において技術上又は法規制上の問題、原材料及び燃料の供給停止、予想を上回る製品の需要増等により、製品の安定供給に影響を及ぼす可能性があります。また、医薬品製造には厳格な製造・品質管理基準(GMP基準)が求められており、GMP上の重大な問題や製品の安全性や品質に懸念が生じた場合は製造停止や製品回収が発生する可能性があります。
ヘルスサイエンス事業では、社会課題の解決に独自の商品やサービスを提供できないリスク、新しい領域での組織能力が不足し付加価値を高められないリスク、新規投資先とのシナジーが創出できないリスク等があります。
この領域では、疾患の発病予防や進行抑制による健康の維持や生活の質の向上、社会保障費抑制などの課題に対し、医と食の両面で強みを持ち、発酵・バイオの基盤技術を活用したキリンならではの取り組みを行ってまいりますが、新規性のある素材等の研究開発の遅れや効果的な商品・サービスが提供できない場合には、期待される社会課題解決への貢献が充分に行えない可能性があります。
「ヘルスサイエンス事業」は新規の事業領域であり、優位性のあるビジネスモデルや適切な組織・ガバナンス体制を構築できない場合、技術開発が想定通りに進まない場合、想定を超えて法令・規制等の影響を受ける場合などには、事業推進が計画通りに進まない可能性があります。
また、「ヘルスサイエンス事業」の立ち上げと育成に向けては事業・資本提携、オープンイノベーションを意識したベンチャー企業への投資なども想定していますが、事前調査や評価プロセスにおいて潜在的なリスクを発見できない場合、キリングループが提携先の経営・事業・資産等に対して十分なコントロールが行えない場合には、想定したシナジーを創出できない可能性があります。
これらのリスクが顕在化した場合には、ヘルスサイエンス事業が計画通り成長しない可能性があります。
(2) 各事業領域共通のリスク
キリングループでは、マネジメントシステムでの定期的な事業モニタリングなど市場や事業環境の変化への対応を行っておりますが、適切な経営資源の投入や配分が行われなかったり遅れたりした場合、最適なサプライチェーンを維持できない場合などには、ビジネスモデルの陳腐化や事業の競争優位性が低下し、キリングループの事業領域の維持又は拡大が困難になる可能性があります。
商品やサービスの需要の変化、情報技術の発達やサプライチェーンの変化等を背景に、異分野・異業種の事業者がキリングループの事業領域に参入し、新たな競争事業者となる可能性があります。競争事業者が画期的なビジネスモデルや商品・サービスに基づき事業を展開した場合やサプライヤーや取引先等も含めサプライチェーン全体で適切な対応ができない場合などには、事業遂行上の影響を受けたり競争優位性が低下する可能性があり、また、当該事業領域のグループ会社や出資先企業の収益性の悪化等により、資産やのれん等の減損損失が生じる可能性があります。
② 「情報技術」に関するリスク
キリングループでは、経営基盤の再構築と高度化、グループ会社間での業務の効率化による生産性向上を目指し、標準化された情報システム(ERP)の導入を進めていますが、想定通りに進まない場合は、運用開始時期の遅延や開発費用の増加などが発生する可能性があります。
また、デジタルトランスフォーメーションを推進し、これまで以上に深いお客様理解から得られるインサイトを具現化した商品・サービスの提供、業務プロセス課題の改善・解決や業務品質向上を目指していますが、計画通りに進捗しない場合には競争力のある価値創造を実現できない可能性があります。
情報システムについては、コンピュータウィルスの感染や不正アクセスによる情報の消失、データの改ざん、個人情報や会社の重要機密情報の漏洩、さらには地震等自然災害の発生により、情報システムの停止又は一時的な混乱、事業への影響が発生する可能性があります。
キリングループは、事業の遂行やイノベーションを実現するには人材が重要であるとして、グループ経営を推進する人材の確保・育成に向けて、組織風土の変革や人材マネジメントの仕組み化に取り組んでおります。また、多様な価値観・専門性を持った人材が集い、多様性を尊重し価値創造を実現するための組織能力向上を目指しています。しかしながら、雇用情勢の変化などによりグループ経営を推進する人材や事業活動に必要な高い専門性を持った人材、環境変化に対応し業務を遂行できる人材などを十分に確保・育成できない場合は、競争優位性のある組織能力が実現しない可能性があります。
キリングループでは、品質方針に基づきお客様への安全・安心な商品・サービスの提供を何よりも優先し、グループの自社工場で製造する製品や製造委託工場・輸入品等について品質保証システムを整備し、品質保証システムの有効性の監査を実施する等、品質保証に最大限の努力を払っています。しかしながら、品質保証の取り組みの範囲を超えて、予期し得ない品質問題等が発生した場合には、製品の製造中止や市場からの回収又は損害賠償請求などにより、多額の費用の発生や事業活動の制限がなされる可能性があります。
キリングループは事業の遂行にあたって、国内においては、酒税法、食品衛生法、薬機法、独占禁止法、労働安全衛生法、環境諸法令等の法的規制の適用を受けています。また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けています。
これらに対し、キリングループでは、コンプライアンスを「法令、社内外の諸規則・ルール及び社会規範を遵守し、法的責任と社会が求める倫理的な責任を果たすことにより、予期せぬ損失や信用の失墜を防止し、ステークホルダーのキリングループに対する信頼を維持向上させること」と定義し、リスクのマネジメントサイクルや従業員啓発の研修を通じたコンプライアンスの推進により、従業員の法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めています。また、贈収賄防止をはかり、不当な金銭・贈答・接待及びその他の利益の提供又は受領を禁じています。しかしながら、これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受けたりお客様からの信頼を失ったりする可能性があります。
なお、医薬品は法令等により医薬品製造業者は厳格な製造・品質保証が課されておりますが、昨年、当社子会社において医薬品製造方法等に関する法令違反が発生し、当局から業務停止命令・業務改善命令を受ける事案が発生いたしました。その概要は「対処すべき課題」に記載いたしました。現在、業務改善命令に沿って法令や手順を遵守する取り組みを進めておりますが、製造・出荷体制が遅れる場合には、製品の供給に影響を及ぼす可能性があります。
地震・天候不順・冷夏・干ばつ・台風・集中豪雨・森林火災などの大規模自然災害、新型インフルエンザなどの感染症によるパンデミック、大規模停電やその他の災害・事故等の影響により、事業所等の閉鎖や事業活動を停止する可能性があります。
サプライチェーンにおいては、災害・事故等による影響の他、国内ではトラックのドライバーが不足する等、サプライチェーン全般を通じて人材確保が困難になっており、サプライチェーンの分断が起きる可能性があります。キリングループでは、需給予測精度の向上や物流能力を強化しリスクの低減を進めていますが、想定よりも大きな影響を受ける場合には、調達・製造・輸送コスト等の上昇や販売の機会損失等が発生する可能性があります。
また、今年度は東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、期間中のサプライチェーンや業務に混乱が生じないよう対策を行ってまいります。
環境課題については、今年「長期環境ビジョン」を改定し、気候変動に起因する災害や海洋プラスチック問題など、自然環境に対する社会からの懸念や企業に対する期待の高まりに応えるべく、より高い目標を設定し取り組みを進めています。
海洋プラスチックによる海洋汚染に関する国際的な関心の高まりや廃プラスチックの流通構造変化等により、PETボトルをはじめとするプラスチック容器の問題がクローズアップされています。キリングループでこれらの問題に適切な対応をすべく取り進めておりますが、対処が遅れたり解決できない場合には、飲料事業を中心にグループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、地球温暖化に対する世界の関心や気候変動のリスク情報を企業の財務情報として開示する要請が高まっています。キリングループは、温室効果ガス排出量を2030年までに2015年比で30%削減する中期削減目標を掲げ、「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」の承認の取得や「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同の表明を行うと共に、削減に向けた様々な活動を行っています。今後、キリングループが事業展開する各国において大型炭素税などのカーボンプライシングが導入された場合、温室効果ガス削減の進捗度合いによっては事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。
さらに、キリングループが事業を行う国内外における活動拠点の各種汚染等、渇水などによる水資源の不足、森林破壊等の環境破壊を伴う調達の影響などにより、商品の製造の停止や企業ブランド価値が棄損する可能性があります。
キリングループでは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した「キリングループ人権方針」を2018年に策定し、人権尊重を推進する取り組みを強化しています。人身取引を含む奴隷労働や強制労働、児童労働を認めない他、人種、民族、国籍、社会的身分、門地、性別、障害の有無、健康状態、思想・信条、性的指向・性自認及び職種や雇用形態の違い等に基づくあらゆる差別の禁止等を求めています。一方、ミャンマーをはじめとする新興国市場での事業運営は非常に複雑な課題であるため、キリングループ自身の理解を深めつつ、透明性やガバナンスの向上といった仕組みの改善に向けた不断の努力が必要であると認識しており、それこそが新興国でキリングループが事業を行う上での重要な役割だと考えています。また同時に、ミャンマーでの人権影響評価実施等、事業を行う上でのリスク管理強化も進めています。しかしながら万一、キリングループが人権問題を発生させた場合や人権上の問題のある調達を行った場合には、当該国又はグローバルでの事業活動に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
キリングループは、全てのビジネスパートナーに対して「キリングループ人権方針」の支持を期待し、サプライヤーに対してはこの方針を遵守いただけるよう努めてまいります。
キリングループが事業活動を行う国・地域は広範であり、特に新興国における法令・規制等の変化、テロ・戦争やその他の要因による政治・経済・社会的混乱、文化や慣習の違いに起因するトラブル発生等が予想されますが、こうしたカントリーリスクが顕在化する場合、キリングループの事業活動が制限されたり一時的な業務停止などの悪影響を及ぼす可能性があります。
アルコールの負の影響に関して、WHOは世界的な規模での酒類販売に関する将来的な規制に向けた議論をしています。キリングループは、酒類を製造・販売する企業グループとして、社会的責任を果たすために、広告・宣伝活動にあたっては厳しい自主基準に基づき自ら規制を行っている他、全ての酒類事業展開国においてアルコールの有害摂取の根絶に向けた取り組みを進展させています。しかしながら、キリングループの予想を大きく上回る規制強化が行われた場合、アルコールへの社会的受容が急激に縮小し酒類の消費が減少する可能性や企業ブランドの価値が低下するおそれがあります。
また、酒類事業では、海外での法規制の緩和に伴い、キリングループの事業活動を展開する国や地域で嗜好用大麻が解禁され、アルコール飲料の代替となる場合には、酒類事業の事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
飲料事業では、肥満や生活習慣病の低減のため、WHOは各国に糖類の利用低減と加糖飲料への課税を要請しており、砂糖税の導入又は導入を検討している国があります。各国での糖類規制や税制による影響、また消費者の意識の変化などにより、加糖飲料の社会的受容が急激に縮小し消費が減少する可能性があります。
医薬事業では、国内では、超高齢社会を迎え公定薬価制度による薬価の引き下げに加え、ジェネリック医薬品の使用促進等による医療制度改革が進められています。海外においても、医療費抑制への圧力は高まっています。このような各国の薬事行政の規制により様々な影響を受ける可能性があります。また、各国での医療財政の大幅な悪化に伴い、想定外の薬価改定や社会保障制度の変更等が発生する場合には、医薬品市場の縮小や医薬品開発の進捗の遅延、製品の上市が困難になる場合などがあります。
キリングループの事業資金は、主に金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債の発行等により調達しています。このため、金融市場の不安定化・金利上昇、また格付機関によるキリングループの信用格付けの引き下げの事態が生じた場合等には、資金調達の制約を受け、資金調達コストが増加する可能性、あるいは全くできない状況に直面する可能性があります。
キリングループの原材料及び商品の一部は、海外から調達していることから、予測の範囲を超える急激な市況変動や為替変動があった場合、また海外の子会社及び持分法適用会社の経営成績は外貨ベースで作成されており、円換算時の為替レートにより円換算後の価値が変動するため、キリングループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
税務においては、キリングループは、世界各国で適用される税法を遵守する方針に沿って事業活動を行っていますが、各国における租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違等により、追加での税負担が生じたり、社会的信用が低下する可能性があります。
上記以外にも、キリングループや商品・サービスに関するレピュテーションに関するリスク、退職給付債務等に関するリスクなど様々なリスクがあります。これらのリスクの存在を認識した上で、発生の回避・速やかな対応に努めてまいります。
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況](1)[連結財務諸表]連結財務諸表注記」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の状況
①事業全体の状況
キリングループは、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを目指しています。2019年は「キリングループ2019年-2021年中期経営計画(略称:2019年中計)」に基づき事業活動に取り組んできました。
国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業、オセアニア綜合飲料事業では、主力ブランドへの集中戦略を図りました。日本は冷夏や自然災害の多発、消費税増税という厳しい環境のもとにありましたが、国内ビール・スピリッツ事業ではキリンビール㈱が、国内飲料事業ではキリンビバレッジ㈱が市場を上回る成長を実現しました。さらに、オセアニア綜合飲料事業では酒類事業・飲料事業双方における将来の成長に向けて、飲料事業の売却先を決定しました。医薬事業ではグローバル戦略3品の価値最大化を通じて、キャッシュ創出力の向上を図りました。さらに、事業環境の不確実性が高い時代に社会課題を成長機会に変えていくため、キリングループならではの強みを活かしたヘルスサイエンス領域の具体化を進めました。4月に協和キリン㈱の傘下にあった協和発酵バイオ㈱を当社の直接の子会社とし、8月には㈱ファンケルと資本業務提携契約を締結しました。政策保有株式の見直しも進め、追加的株主還元として11月に上限1,000億円の自己株式取得を決定し、株主還元の充実を図りました。
(重要成果指標)
※会計方針の変更に伴い、2018年実績のROICを遡及修正しております。
(2019年中計 重要成果指標目標※)
※ 財務指標の達成度評価にあたっては、在外子会社等の財務諸表項目の換算における各年度の為替変動による影響等を除くこととしております。従って、実績値は為替影響等控除後に置き換えております。
これらの結果、当年度の売上収益は、国内飲料事業及び医薬事業の増収により増加しました。事業利益は、国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業の利益成長やグローバル戦略品が成長している医薬事業の増益が貢献しましたが、競争環境の厳しいオセアニア綜合飲料事業は為替の影響もあり利益が減少し、全体としては減益となりました。営業利益は、オセアニア綜合飲料事業の飲料事業の譲渡の検討を進めていく中で事業資産の公正価値評価を行った結果、減損損失を計上したため大幅な減益となりました。税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減少に加え、前年同期にキリン・アムジェン社の全株式譲渡に伴う売却益等を計上した反動で、大幅な減益となりました。
重要成果指標について、ROICは前年度から大幅に減少しましたが、これは当年度に計上したオセアニア綜合飲料事業での減損損失及び前年度におけるキリン・アムジェン社株式の売却益等の一時的な要因が大きく影響しております。この影響を除いた実力値としてみると2019年中計目標である10%以上を目指すことは可能と考えております。また、当社グループのWACCは6%程度と算定しており、ROIC10%を最低としてそれ以上の水準を目指し、長期的に継続して投下資本効率を高めていきます。平準化EPSについては、前年度に対しては減少していますが、各事業で進捗に差はあるものの全体としては計画通りに利益を創出していることに加え、自己株式の取得も寄与し、中計初年度の計画値に対しては予定通り進捗しました。引き続き2019年中計の財務目標達成に向け、企業価値向上を果たしていきます。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
セグメント別の業績は次のとおりです。
連結売上収益 対前年分析 連結事業利益 対前年分析
<国内ビール・スピリッツ事業>
キリンビール㈱は、従業員一人一人がお客様の徹底的な理解に努め、広告から店頭まで一貫したマーケティング活動を展開しました。主力ブランドに投資を集中し、10年先を見据えた強固なブランド体系の構築を進めました。
フラッグシップブランドの「キリン一番搾り生ビール」の活動に引き続き注力し、缶商品の販売数量は3年続けて前年増(+3%)となりました。新ジャンルカテゴリーでは「本麒麟」が前年比6割増と大きく伸長しました。その結果、ビール類市場全体が15年連続で減少を続ける中、キリンビール㈱のビール類全体の販売数量は2年連続で前年増を達成しました。また、新たなビール文化の創造を目指しクラフトビール市場の拡大をさらに進めました。「Tap Marché(タップ・マルシェ)」の展開店舗数は前年比約2倍の13,000店まで増加しました。CSV重点課題である“地域社会・コミュニティ”への貢献に向けて、各地のクラフトブルワリーと協働しながら、日本産ホップの価値向上とクラフトビール市場の活性化を図りました。RTDカテゴリーでは、主力商品の「キリン 氷結」、注力する「キリン・ザ・ストロング」、「キリン 本搾りTMチューハイ」の3本柱がそれぞれ好調で、カテゴリー全体の販売数量は6.3%増加しました。
これらの結果、国内ビール・スピリッツ事業のビール類の販売数量は増加(+0.3%)しましたが、需要が高まった新ジャンルやRTDカテゴリーの構成比が拡大したために、売上収益は0.5%減少し6,819億円となりました。また、ビールカテゴリーの比率低下や物流費高騰に伴って変動費が増加し限界利益は減少しましたが、販売数量を増加させながら販売費の削減及び固定費の抑制を行ったことにより、事業利益は3.0%増加し852億円となりました。
<国内飲料事業>
キリンビバレッジ㈱は “成長による利益創出”を目指し、強固なブランド体系の構築と、物流体制の整備等による事業基盤の強化を進めました。基盤ブランドの「キリン 午後の紅茶」は、3月発売の「ザ・マイスターズ ミルクティー」や6月にリニューアルした「おいしい無糖」が大変好調で、年間販売数量が過去最高(5,540万ケース、+9%)となりました。コーヒーの「キリン ファイア」も、4月発売の「ワンデイ ブラック」が牽引し販売数量が増加(+4%)しました。一方「キリン 生茶」は、5月に行った大型ペットボトル容器の価格改定の影響等により販売数量が減少(△3%)しました。また、将来への種まきとして、健康領域の新たなビジネスモデルである「KIRIN naturals(キリン ナチュラルズ)」の全国展開を開始しました。
これらの結果、売上収益は販売数量の増加等により、1.4%増加し2,868億円となりました。また、事業利益については、物流費高騰によるマイナス影響はありましたが、売上収益の増加、広告費の効率化等により、13.0%増加し264億円となりました。
<オセアニア綜合飲料事業>
ライオン社酒類事業は、注力ブランドに集中投資し、成長カテゴリーにおけるブランド強化を図りました。その結果、注力ブランドの「ファーフィー」、「アイアン・ジャック」の販売数量が増加しました。しかしながら、上期に競合他社が営業攻勢を強めた影響や、ブランド投資を含む販促費やSCMコストの増加等により、事業利益が大きく減少(現地通貨ベース△58百万豪ドル)しました。一方で、新たな成長軸の確立に向けて、クラフトビールやプレミアムクラフト飲料への投資を進めました。クラフトビールについては、英国で2018年に株式取得したフォーピュア社に加え、マジックロック社を完全子会社化しました。米国でもニュー・ベルジャン・ブルーイング社の株式取得を決定し、クラフトビール事業の海外展開を進めました。
ライオン社飲料事業は、主力商品の乳飲料「デア」の販売が堅調でした。しかしながら、干ばつ等の異常気象が原料乳の価格や安定供給に影響を及ぼしたため、事業利益が大きく減少(現地通貨ベース△42百万豪ドル)しました。
なお当社とライオン社は、2018年度においてライオン社飲料事業の将来の成長に向けた戦略的な選択肢を検討した結果、同社飲料事業の譲渡が最善策と判断し、株式譲渡の検討を進めてきました。チーズ事業については、2019年10月にカナダの乳業大手サプート社の子会社へ譲渡が完了しております。さらに、11月には牛乳・乳飲料・ヨーグルト・果汁飲料等の事業について、中国蒙牛乳業有限公司の子会社に譲渡する契約を締結しました。
これらの結果、オセアニア綜合飲料事業全体では、現地通貨ベースで酒類事業と飲料事業が共に減収減益となったことに加え、前年同期よりも豪ドル安・円高が進行したため、円ベースでの売上収益は9.0%減少し2,997億円、事業利益は20.2%減少し414億円となりました。
<医薬事業>
協和キリン㈱は、「グローバル・スペシャリティファーマ」への飛躍フェーズを迎えました。事業のグローバル化に対応するために、日本、EMEA、北米、アジア/オセアニアの地域軸と、地域を越えた機能軸のマトリックスによるグローバルマネジメント体制「One Kyowa Kirin」の構築を進めました。欧米では「Crysvita」、「Poteligeo」が大幅に伸長し、売上が大きく増加しました。また、2019年10月から米国で「Nourianz」の販売を開始したことで、欧米におけるグローバル戦略3品の上市が実現しました。国内では、長期収載品や「ネスプ」の特許切れに伴う売上の減少はありましたが、「ジーラスタ」、「オルケディア」等の新製品群が好調に推移しました。パイプラインの開発も引き続き推進しています。
これらの結果、海外医薬品売上が大幅に増加したため、売上収益は12.7%増加し3,049億円となりました。海外での販売体制構築に伴う販管費の増加やパイプライン強化に伴う研究開発費の増加がありましたが、売上収益の増加がこれらを上回ったため、事業利益も9.9%増加し554億円となりました。
また、その他の主な各事業の業績は以下の通りです。
(メルシャン㈱)
メルシャン㈱は、ワイン各カテゴリーにおいて注力ブランドへの集中戦略を実行し、収益性の改善を目指しました。日本ワインの「シャトー・メルシャン」の販売数量は前年比2割増となり、大変好調でした。9月には長野県上田市に椀子ワイナリーをオープンし、“地域社会・コミュニティ”との結び付きを一段と強化しました。間口拡大に向けた新商品「おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル」も好調でした。注力ブランドの販売は概ね堅調でしたが、日欧EPA発効の影響でチリワインの販売数量が減少したこと等により、ワイン全体の販売数量は減少(△5%)しました。これらの結果、売上収益は1.4%減少し639億円、事業利益は15.5%減少し22億円となりました。
(ミャンマー・ブルワリー社)
ミャンマーは、経済成長に伴うアルコール飲用人口や飲用頻度の増加により、ビール市場が急拡大しています。ミャンマー・ブルワリー社は「CSV」、「マーケティング」、「マネジメントシステム」の三つをキードライバーとした各種の取り組みを進めました。特に投資を集中した主力商品「ミャンマービール」とエコノミーカテゴリーの「アンダマン ゴールド」の貢献で、販売数量が前年比2割増と大幅に増加しました。これらの結果、売上収益は24.4%増加し326億円、事業利益は27.8%増加し129億円となりました。
(コーク・ノースイースト社)
事業エリア拡大後に2018年から進めてきた工場再編を完了し、組織の一体化に向けて社名と理念体系を変更しました。販売面では炭酸水等が好調で、販売数量が増加しました。加えて業務プロセスを再構築し、徹底的な構造改革を進めたことがコスト削減につながり、利益率が向上しました。これらの結果、売上収益は0.6%増加し1,326億円、事業利益は86.0%増加し53億円となりました。
(協和発酵バイオ㈱)
当社は、協和発酵バイオ㈱の価値最大化と協和キリン㈱の医薬事業への経営資源集中を目的に、4月に協和キリン㈱から協和発酵バイオ㈱株式の95%を譲り受けました。ファインケミカル事業では水産飼料用アミノ酸が、通信販売事業では「シトルリンZn」の販売が好調でした。また、機能性表示食品であるサプリメントの上市や、キリングループで開発した新商品「iMUSE(イミューズ) eye KW乳酸菌」の取り扱いを開始し、商品ラインアップを拡充しました。一方、2018年にアメリカ食品医薬品局(FDA)から品質マネジメント及びデータインテグリティへの対応が不十分である等の指摘を受け、協和発酵バイオ㈱の防府工場における品質保証体制の見直しと改善に取り組んできました。その過程において、承認時の製造手順とは異なる製造が行われていた事実を発見したため、2019年9月に製造と出荷を自主的に停止し、安全性の確認に努めました。12月には、山口県から業務停止ならびに業務改善命令の行政処分を受けました。これらの結果、売上収益は4.2%減少し749億円、事業利益は71.4%減少し23億円となりました。
かかる事態の発生を真摯に受け止め、キリングループでは、客観性と独立性を担保した第三者が主導するグループ調査委員会を立ち上げて事実関係を精査し、2020年1月には、同委員会から原因と再発防止策等が報告されました。この報告に基づき、品質保証体制の再構築にグループをあげて取り組み、組織風土も抜本的に改善し、今後、グループの成長を担う事業の一つとして再成長の軌道に戻していきます。
③生産、受注及び販売の状況
当年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しています。
当年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態
①事業全体の状況
当年度末の資産合計は、オセアニア綜合飲料事業におけるオセアニア飲料事業に係る固定資産(のれん、その他無形資産等)の帳簿価額の評価減やチーズ事業の売却、その他の金融資産(非流動)の減少等があったものの、持分法で会計処理されている投資の増加及び有形固定資産の増加等により、前年度末に比べ1,092億円増加して2兆4,129億円となりました。その他の金融資産(非流動)は、保有株式の時価減少、政策保有株式の売却等に伴い388億円減少しました。㈱ファンケルの株式の取得や、業績が好調に推移したサンミゲル・ビール社の持分法投資利益の増加等により、持分法で会計処理されている投資が1,442億円増加しました。有形固定資産の342億円の増加は、628億円のIFRS第16号適用による使用権資産の増加等によるものです。
資本は、利益剰余金は増加したものの、231億円の自己株式の増加及び446億円の非支配持分の減少、250億円のその他の資本の構成要素の減少等により、前年度末に比べ446億円減少して1兆1,468億円となりました。自己株式の増加は、株主還元のさらなる充実を図るため2019年11月に上限1,000億円の自己株式取得を発表し、当年度その一部を実施したことによるものです。非支配持分の減少は、協和キリン㈱による159億円の自己株式の取得及び消却等によるものです。その他の資本の構成要素の減少は、主に保有株式の時価減少に伴いその他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動が減少したこと等によるものです。
負債は、社債及び借入金の増加及びその他の金融負債の増加等により、前年度末に比べ1,538億円増加して1兆2,660億円となりました。社債及び借入金は、適正な資本構成を維持しながら調達と返済を行っており、2019年9月に700億円の普通社債を発行した一方、2019年11月には約500億円の社債を償還した他、長期借入金の返済及び新規借入、1,270億円のコマーシャル・ペーパーの発行により、1,159億円増加しました。その他の金融負債は、664億円のIFRS第16号適用によるリース負債の増加等により、639億円増加しました。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は37.6%、グロスDEレシオは0.59倍となりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
<国内ビール・スピリッツ>
当期末のセグメント資産は、繰延税金資産の減少等により、前年度末に比べ44億円減少して4,375億円となりました。繰延税金資産の減少は、主に将来減算一時差異の減少によるものです。
<国内飲料>
当期末のセグメント資産は、有形固定資産の増加等により、前年度末に比べ2億円増加して1,745億円となりました。有形固定資産の増加は、IFRS第16号適用による使用権資産の増加等によるものです。
<オセアニア綜合飲料>
当期末のセグメント資産は、現金及び現金同等物の増加等により、前年度末に比べ13億円増加して4,910億円となりました。現金及び現金同等物の増加は、セグメント間の借入によるものです。
<医薬>
当期末のセグメント資産は、その他の金融資産(流動)の増加等により、前年度末に比べ1,005億円増加して7,251億円となりました。その他の金融資産(流動)の増加は、協和キリン㈱が協和発酵バイオ㈱の株式を譲渡したことで増加した現金及び現金同等物を、セグメント間で貸付したことによるものです。
(4) キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フロー及び流動性の状況
当年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前年度末に比べ74億円減少の1,657億円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は前年同期に比べ192億円減少の1,788億円となりました。主な要因は事業構造改善費用やソフトウェア開発関連費用等その他の営業費用が一時的に増加したためであり、減損損失等非資金損益項目も含めた税引前利益は1,300億円減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は前年同期に比べ2,230億円増加の1,756億円となりました。主な要因は㈱ファンケルの株式取得であり、持分法で会計処理されている投資の取得は前年同期に比べ1,190億円増加の1,345億円の支出となりました。また、有形固定資産及び無形資産の取得については、ソフトウェア関連の投資強化により前年同期に比べ85億円増加の964億円を支出、子会社株式の取得により45億円の支出がありました。一方、政策保有株式の縮減に向けた取組みを推進し投資の売却により373億円、ライオン社チーズ事業の売却により211億円、有形固定資産及び無形資産の売却により59億円の収入がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は前年同期に比べ2,167億円減少の100億円となりました。当年度より平準化EPSに対する連結配当性向を40%以上に引上げた配当を実施し、非支配持分を含めた配当金の支払いは652億円となりました。また、株主還元のさらなる充実を図るため2019年11月に上限1,000億円の自己株式取得を発表し、当年度は子会社実施分を含め459億円の支出がありました。また、適正な資本構成を維持しながら資金の調達と返済を行っており、その内訳はコマーシャル・ペーパーにより1,270億円、社債により700億円、長期借入により407億円の収入、長期借入金の返済により696億円、社債の償還により500億円の支出となりました。
上記の結果、財務戦略に則り、既存事業の成長とヘルスサイエンス領域の立ち上げを実現するとともに、株主還元のさらなる充実を図ることができました。
2020年度につきましても事業から創出したキャッシュを原資に生産能力の増強や米国ニュー・ベルジャン・ブルーイング社の株式取得等、引き続き事業の収益性強化に向けた投資を行う予定です。また、創出したフリーキャッシュ・フローについては安定的な配当を行った上で、第一優先的に食領域の成長投資に振り向け、ヘルスサイエンス領域の立ち上げ・育成にも使用していきます。なお、株主還元については、次年度も平準化EPSに対する連結配当性向40%以上を目処とし、前年度に発表した自己株式取得を着実に実施いたします。引き続き、利益成長によるキャッシュの創出力を高めながら、資本コストと財務柔軟性のバランスを考慮した適切な資本構成を維持していく方針です。
②資本政策の基本的な方針
当社は、2019年中計にて策定した資本政策に基づき、事業への資源配分及び株主還元について以下の通り考えております。
事業への資源配分については、酒類・飲料などの収益力の高い既存事業のさらなる強化・成長に資する投資(設備投資・事業投資)を最優先としながら、将来のキャッシュ・フロー成長を支える無形資産(ブランド・研究開発・ICT・人材など)及びヘルスサイエンス事業の立ち上げ・育成のための資源配分を安定的かつ継続的に実施します。なお、投資に際しては、グループ全体の資本効率を維持・向上させる観点からの規律を働かせます。
株主還元についても、経営における最重要課題の一つと考えており、1907年の創立以来、毎期欠かさず配当を継続しております。2019年中計より連結配当性向を引き上げ、「平準化EPSに対する連結配当性向40%以上」による配当を継続的に実施するとともに、最適資本構成や市場環境及び投資後の資金余力等を総合的に鑑み、機動的な追加的株主還元として自己株式取得の実施等を検討していきます。
資金調達については、経済環境等の急激な変化に備え、金融情勢に左右されない高格付けを維持しつつ、負債による資金調達を優先します。支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資金調達については、当社グループ長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」(略称:KV2027)や2019年中計の目標の達成やステークホルダーへの影響等を十分に考慮し、取締役会にて検証及び検討を行った上で、株主に対する説明責任を果たします。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。
そのため、日本基準では、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」において、のれんの償却額が前年度において21,976百万円、当年度において19,234百万円発生することとなりますが、IFRSでは発生しておりません。
4 【経営上の重要な契約等】
当社及び当社の連結子会社であるLion Pty Ltd(以下「ライオン」)は、ライオンの100%子会社であるKirin Foods Australia Holdings Pty Ltd(以下「Kirin Foods Australia」)が、ライオンの飲料事業部門であるLion-Dairy & Drinks(以下「ライオン飲料事業」)の全株式を中国蒙牛乳業有限公司(以下「蒙牛」)の子会社であるMonday Smoothie Pty Ltd(以下「Monday Smoothie」)に譲渡することを蒙牛と合意し、2019年11月24日付で株式譲渡契約を締結しました。
(1) 株式譲渡の理由
当社及びライオンは、今後の成長に向けてライオン飲料事業の投資・保有の継続から売却まであらゆる選択肢を検討した後、同事業の成長ポテンシャルを最大化することができる第三者への譲渡が最善であると判断し、株式譲渡の検討を進めてきました。
当社及びライオンによる慎重な検討を重ねた結果、このたびKirin Foods Australiaは蒙牛との間で、ライオン飲料事業の全株式をMonday Smoothieに譲渡する契約の締結に合意しました。
当該株式譲渡の成立には、豪州競争・消費者委員会(Australian Competition & Consumer Commission)及び外国投資審査委員会(Foreign Investment Review Board)の承認その他標準的な手続き終了に係る条件を満たす必要があるため、譲渡の時期及び譲渡損益は未定です。
Monday Smoothieに対する譲渡価額は約444億円(1豪ドル=74.00円の場合、約600百万豪ドル)です。
(2) 譲渡する相手会社の名称
Monday Smoothie Pty Ltd
(3) 当該子会社の名称、事業内容及び当社との取引内容
(4) セグメント情報の開示において、当該子会社が含まれている区分の名称
オセアニア綜合飲料事業
5 【研究開発活動】
当社グループでは、食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となることを目指しています。食から医にわたる領域での価値創造に向けては、既存事業の「食領域」(酒類・飲料事業)と「医領域」(医薬事業)に加え、2つの中間領域にあたる「ヘルスサイエンス事業」の立ち上げにつながるイノベーションの創造に取り組んでいます。当社グループの研究開発活動は、キリンホールディングス㈱R&D本部の6研究所及び各事業会社の研究所で行っています。また、㈱ファンケルとのシナジー創出に向けた取り組みや、慶應義塾大学と共同で、乳由来の認知機能改善ペプチドであるβラクトリンが健常中高年を対象としたランダム化比較試験で記憶力を改善することを世界で初めて確認するなど、有望な技術の開発・応用・実用化を可能にするためにグループ内外のオープンイノベーションを積極的に推進しています。
当年度におけるグループ全体の研究開発費は
キリンビール㈱は、2019年で発売30年目を迎え大きな支持をいただいているフラッグシップブランド「キリン一番搾り生ビール」を4月上旬からリニューアルしました。麦のおいしいところだけを搾る「一番搾り製法」※1をベースに、ホップの配合を工夫することで、澄んだ麦のうまみとホップの風味が調和し、さらに“飲み飽きないおいしさ”へと進化しました。当リニューアルをきっかけとして多くの方にビールの魅力を再認識いただくとともに、「キリン一番搾り生ビール」のお客様支持をさらに拡大し、中長期的なブランド成長を図っていきます。
発泡酒カテゴリーでは、“糖質70%オフ”※2の発泡酒「淡麗グリーンラベル」を2月下旬からリニューアルしました。今回のリニューアルでは、キリン独自の“ホップアロマ”製法※3を新たに採用することで、爽やかなホップの香りを引き出しました。また、原材料配合の最適化により、ビールに近いおいしさと飲みやすさが調和した味わいを実現しました。
新ジャンルカテゴリーでは、「本麒麟」を1月中旬からリニューアルし、「ビールに近い卓越したうまさと品質」を一層強化しました。長期低温熟成※4とアルコール分6%による力強いコクと飲みごたえはそのままに、当社伝統のドイツ産ヘルスブルッカーホップ(一部使用)を増量することで、ビールに近い力強いコクを向上させました。また、「本麒麟」はビールコンペティションでの金賞三冠受賞※5を達成しました。1つの商品がこれらのビールコンペティションにおいて金賞三冠を達成したのは当社史上初の快挙となります。
プリン体0※6×糖質0※7の新ジャンル商品「キリン のどごし ZERO」を、8月下旬からリニューアルしました。今回のリニューアルでは、キリン独自の“ホップアロマ製法”を新たに採用することで、これまで以上に自然な飲み口とビールに近い飲みごたえを実現し、自社のプリン体0×糖質0商品で、初めて香料不使用に成功しました。人工感やクセを減少させ、ゴクゴクのどを流れるうまさを向上させました。
ノンアルコールカテゴリーでは、史上初となる熟成ホップ由来苦味酸を使用した、お腹まわりの脂肪を減らすノンアルコール・ビールテイスト飲料の機能性表示食品「キリン カラダFREE(キリン カラダフリー)」を10月15日から全国で新発売しました。当商品には、10年以上かけてキリンが独自開発した、ビールの原材料でもあるホップから生まれた「熟成ホップエキス」を使用しています。健康技術研究所が発見したのは、熟成させたホップの苦味成分である「熟成ホップ由来苦味酸」の存在と機能性です。苦みが少ないため、食品での展開がしやすく、また体脂肪を低減させる効果があることを発見しました。さらに、「熟成ホップエキス」の量産化にあたり「加熱熟成技術」という効率的にホップを熟成させる新技術も開発し、機能性はそのままに、ホップの苦味を低減することに成功しました。この技術により、熟成期間は従来の約100分の1(数日間)に短縮されました。「キリン カラダFREE」は、お腹まわりの脂肪を減らすという機能性と、継続的に飲み続けられるようなすっきりとした味わいが評価され、大変好調に推移しております。今後も、当商品を通じてノンアルコール・ビールテイスト飲料市場へ新たな価値を提案するとともに、カテゴリー全体のさらなる活性化を図ります。
新しいクラフトビールの楽しみ方を提案する「Tap Marché(タップ・マルシェ)」は、「Marché(市場)」のように、個性豊かで多様なクラフトビールと多くのお客様が出会い、気軽に楽しんでいただく「場」を実現することで、新たなビール文化の創造を目指す取り組みです。パッケージング技術研究所が開発した1台で4種類のビールの提供が可能な小型のディスペンサーを設置することで、多様なクラフトビールをお楽しみいただけます。前年実績の約2倍となる全国13,000店以上に拡大し、参画ブルワリーも12ブルワリー、26液種に拡大しました。「Tap Marché」によるクラフトビールの裾野拡大を高く評価いただき、2019年度の「外食アワード」を受賞しました。
スプリングバレーブルワリー㈱では、希少な日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」を使用した「MURAKAMI SEVEN IPA」を、7月から新発売しました。「MURAKAMI SEVEN IPA」は、キリンの“ホップ博士”こと酒類技術研究所の村上敦司主幹研究員が育種した希少な日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」を使用したIPAタイプのビールです。「MURAKAMI SEVEN」由来のイチジクやみかんを感じさせる香りと質のよい苦みが、しっかりとした心地良い飲みごたえにつながり、上質感のある味わいを楽しめます。
RTDカテゴリーでは、アルコール度数9%で“グッとくる飲みごたえと突き抜ける爽快感”が特長の「キリン・ザ・ストロング」シリーズを2月からリニューアルしました。酒類技術研究所で開発した「ハードエキス」で実現した“飲みごたえ”と“飲みやすさ”を両立させた「うまさ」をさらに強化し、飲みやすい後味に仕上げました。
当事業に係る研究開発費は
※1 麦汁ろ過工程において最初に流れ出る一番搾り麦汁を使う製法
※2 日本食品標準成分表2015年版(七訂)による
※3 ホップを発酵中に漬け込む製法。ホップを冷却した麦汁に添加するため、香気成分の揮発が少なく、過度な苦み を抑えながらホップの香りを付与できる。
※4 キリンビール㈱伝統である低温熟成の期間を1.5倍にした製法/同社主要新ジャンル比
※5 インターナショナル・ビアカップ2018年「フリースタイルライトラガー部門」金賞、モンドセレクション2019年「ビール、水&ノンアルコール飲料部門」金賞、メルボルンインターナショナルビアコンベティション2019年「インターナショナルスタイルラガー部門」金賞 を受賞 (インターナショナル・ビアカップ2018年はリニューアル前の商品にて受賞)
※6 100ml当たりプリン体0.5mg未満のものをプリン体0と表示
※7 100ml当たり糖質0.5g未満のものに表示可能(栄養表示基準による)
国内飲料事業では、キリンビバレッジ㈱が中心となり原料の選定から最終商品まで開発を一貫して行っています。
キリンビバレッジ㈱は、キリンホールディングス㈱が策定した「キリングループ プラスチックポリシー」のもと、プラスチックの持続可能な使用及び資源の循環を推進しています。その取り組みとなる「ペットボトル原料の持続性向上」に向けて、2Lペットボトルにおいて現在国内最軽量※1である28.9gを、口部軽量化によって28.3gへと削減し、国内最軽量を更新しました。このペットボトルは、2019年4月より「キリン アルカリイオンの水」で使用を開始しています。今回新たに導入する28.3gの国内最軽量2Lペットボトルは、口部のネジ山をより細くし、ネジの長さを削減するなど、ネジ部の改良により軽量化に成功しました。当ペットボトルを導入することで、年間約107トン※2のペット樹脂と約375トン※2のCO2削減が可能となります。今後も、お客様の利便性を考慮しながら、より一層の軽量化を目指していきます。
「キリン 生茶」は、味覚・パッケージデザインをブラッシュアップし、3月5日(火)に全国でリニューアル発売しました。2018年の「生茶」ブランドは、年間販売数量2,940万ケース(前年比107%)を達成し、フルリニューアルをして緑茶市場を牽引した2016年以降、3年連続で販売数量が増加しています。今年はさらに「生茶」のうまみの訴求を強化し、「苦味を抑えた、うまみの緑茶」をより体感しやすい味覚にブラッシュアップしました。パッケージについては、現行商品のデザインが大変好評をいただいているため、基本的なデザインは踏襲し、「生茶」のロゴがより目立つようにバランスを改良しました。また2019年2月に策定した「環境」への取り組みの一つである「キリングループ プラスチックポリシー」にのっとり、再生ペット樹脂を100%使用した“R100ペットボトル”を6月中旬より順次「キリン 生茶デカフェ」に採用しました。「生茶デカフェ」に再生ペット樹脂を100%使用した“R100ペットボトル”を採用し、パッケージ正面に大きくわかりやすく「R100」の文字を配して訴求することで、目標達成に向けた具体策の第一歩としていきます。
“しみこむサプリメントウォーター”「キリン サプリ」の機能性表示食品シリーズ「キリン サプリ ブラッドオレンジ」「同 レモン」「同 ヨーグルトテイスト」パッケージをリニューアルして、全国で4月2日(火)より発売しました。今回、好評な味覚はそのままに、「キリン サプリ」ならではのしみこむ「おいしさ」を体感的にお伝えするため、グラデーションカラーを用いてパッケージデザインを進化させました。また、疲労感を軽減するクエン酸を配合した「ブラッドオレンジ」、一時的なストレスを軽減するテアニンを配合した「レモン」、快眠をサポートするオルニチンを配合した「ヨーグルトテイスト」の各機能を分かりやすくシンプルに表記しています。近年の“働き方改革”により一層の生産性向上が求められる中、働く人の日常の健康課題に着目した当商品の機能とおいしさで、さらなる支持獲得を目指します。
今年発売40周年を迎え、強炭酸が好評の「キリン メッツ」ブランドから、特保コーラのパイオニア「キリン メッツ コーラ」を、3月19日(火)に全国でリニューアル発売しました。「キリン メッツ コーラ」は、健康を気にする30~40代男性のコーラユーザーをターゲットに、2012年4月に史上初の特定保健用食品のコーラ系飲料として「食事から摂取した脂肪の吸収を抑え、血中中性脂肪の上昇を穏やかにする」という機能性で発売しました。以来、主に食事の際の脂肪の摂取を気にするなど、健康意識のあるユーザーに支持を得て、特保コーラ市場を開拓、リードしてきました。今回のリニューアルでは、“超刺激”をキーワードに掲げ、新たに刺激フレーバーを採用し、刺激、炭酸感、キレをさらにアップしています。パッケージについても、まるでグラスに入っているコーラのようなデザインをベースに、特保マークを正面に配し、特保商品であることを分かりやすく訴求しました。今回の「キリン メッツ コーラ」のリニューアルにより、圧倒的な飲みごたえとともに、リフレッシュし、満足できる味を提案することで、特保コーラ市場全体を活性化します。
当事業に係る研究開発費は
※1 2019年3月20日(水)時点
※2 2018年販売実績に基づく当社試算
オセアニア綜合飲料事業では、LION PTY LTDで、オーストラリア及びニュージーランドの市場環境の変化に応じた商品中味や容器開発を、キリンホールディングス㈱の持つ技術を活用しながら取り組みました。2019年2月には共同開発したライスビール(商品名Hahn Ultra Crisp)を当地にて発売し、好評いただきました。
当事業に係る研究開発費は
協和キリン㈱では、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使し、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の各カテゴリーを研究開発の中心に据え、資源を効率的に投入することにより、新たな医療価値の創造と創薬の更なるスピードアップを目指しています。
当年度における主な後期開発品の開発状況は次のとおりです。
腎カテゴリー
・ 日本においてカルシウム受容体作動薬KHK7580(日本製品名:オルケディア)の副甲状腺癌及び副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症を対象とした効能効果及び用法用量に関する一部変更承認を12月に取得しました。また、中国及び韓国等において二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を5月に開始しました。
・ 日本においてRTA402(一般名:バルドキソロンメチル)の糖尿病性腎臓病を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
・ 中国において持続型赤血球造血刺激因子製剤KRN321(日本製品名:ネスプ)の維持透析下の腎性貧血を効能・効果とする承認再申請を2月に実施しました。
・ 日本においてNHE3阻害剤KHK7791(一般名:Tenapanor)の維持透析下の高リン血症を対象とした第Ⅱ相臨床試験を2月に開始しました。
・ 日本においてKW-3357(一般名:アンチトロンビン ガンマ(遺伝子組換え)、日本製品名:アコアラン)の妊娠高血圧腎症を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を11月に開始しました。
がんカテゴリー
・ 日本において持続型顆粒球コロニー形成刺激因子製剤KRN125(日本製品名:ジーラスタ)の造血幹細胞の末梢血中への動員を対象とした第Ⅱ相臨床試験を6月に開始しました。
免疫・アレルギーカテゴリー
・ 抗IL-17受容体A完全ヒト抗体KHK4827(日本製品名:ルミセフ)は、韓国において乾癬を適応症とした承認を申請中です(2018年7月申請)。また、中国において乾癬を適応症とした承認申請を4月に行いました。さらに、日本において全身性強皮症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を5月に、掌蹠膿疱症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を8月に開始し、体軸性脊椎関節炎を適応症とした一部変更承認申請を12月に行いました。
・ 日本、北米及び欧州において抗OX40完全ヒト抗体KHK4083のアトピー性皮膚炎を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中です。
中枢神経カテゴリー
・ 米国においてアデノシンA2A受容体拮抗剤KW-6002(米国製品名:Nourianz、日本製品名:ノウリアスト)のウェアリングオフ現象を有する成人パーキンソン病患者におけるレボドパ/カルビドパとの併用療法を適応症とした承認を8月に取得しました。また、欧州において、ウェアリングオフ現象を有する成人パーキンソン病患者におけるレボドパ/カルビドパとの併用療法を適応症とした承認申請を11月に行いました。
・ 日本において、抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名:ポテリジオ)の、HTLV-1関連脊髄症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
・ 日本において、アデノシンA2A受容体拮抗剤KW-6356のパーキンソン病を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中です。
その他
・ ヒト型抗線維芽細胞増殖因子23(FGF23)抗体KRN23(日本製品名:クリースビータ、欧米製品名:Crysvita)は、日本においてFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症を適応症とした承認を9月に取得しました。また、欧州において成人X染色体連鎖性低リン血症を適応症とした追加の承認申請を11月に行いました。さらに、韓国においてFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症を適応症とした承認申請を5月に、中国においてX染色体連鎖性低リン血症を適応症とした承認申請を6月に行いました。加えて、米国、日本及び韓国において腫瘍性骨軟化症又は表皮母斑症候群を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中で、米国において、腫瘍性骨軟化症を適応症とした生物学的製剤承認一部変更申請を12月に行いました。
・ トロンボポエチン受容体作動薬AMG531(日本製品名:ロミプレート)は、日本において既存治療で効果不十分な再生不良性貧血を適応症とする承認を6月に取得しました。また、中国において慢性特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病を対象とした承認申請を12月に行いました。さらに、免疫抑制療法未治療の再生不良性貧血を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を、日本を含む国際共同治験として6月に開始しました。加えて、韓国において既存治療で効果不十分な再生不良性貧血を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を実施中です。
当事業に係る研究開発費は
メルシャン㈱は、キリンホールディングス㈱ワイン技術研究所と連携しながらワインの研究・技術開発並びに商品開発を実施しています。山梨県勝沼市に位置するワイナリー「シャトー・メルシャン」とワイン技術研究所が協働することでワインの品質向上に努めた結果、歴史と権威ある世界最大級のワインや日本酒のコンクールである「インターナショナル・ワイン・チャレンジ 2019」にて「シャトー・メルシャン 北信左岸シャルドネ リヴァリス 2017」が金賞及び日本ワインで唯一のトロフィーとなる「日本白ワイントロフィー」を受賞、「シャトー・メルシャン 城の平 オルトゥス 2013」が金賞を受賞しました。また、フランスのボルドーで開催された国際ワインコンクール「シタデル・デュ・ヴァン 2019」にて、「シャトー・メルシャン 北信左岸シャルドネ リヴァリス 2017」、「同 北信右岸シャルドネ リヴァリス 2017」、「同 北信シャルドネ 2017」、「同 新鶴シャルドネ 2017」の4品が金賞を受賞しました。同コンクールで、過去最多の4個、かつ5年連続の金賞受賞となります。
「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」ブランドから、りんご果汁を100%使用し、酸化防止剤を添加せずに造るスパークリングワイン「おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル」を、3月より全国で発売しました。りんごそのままの自然な甘さと酸味、微発泡による心地良い爽快感が口中で広がるアルコール控えめ(5%)の飲みやすい味わいに仕上げました。20代~40代のお客様を中心に「飲みやすい味わい」「手に取りやすい気軽さ」「多様な飲用シーン」等の理由から好評いただき、発売から3カ月で年間販売目標を達成し、当初予定の2倍となる8万ケースに上方修正した目標も突破しました。
「ビストロ」シリーズから、「ビストロ スパークリング(白・ロゼ)」を6月、「ビストロ スパークリング 赤」を8月より全国で発売しました。心地良い発泡感が楽しめる中味、2人でシェアして気軽に楽しめる500 mlの飲みきりサイズのパッケージに仕上げ、お求めやすく、手軽に楽しめる容量の“デイリースパークリングワイン”として好評いただきました。
新しい酵母や発酵技術の開発により、甘みを付与することで、やわらかくまろやかな味わいに仕上げた「八代不知火蔵こめ焼酎白水」がアジア最大級の国際酒類コンクール「香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション 2019」の焼酎部門で、金賞及びベスト焼酎トロフィーを受賞、また、熊本国税局が開催している本格焼酎の鑑評会である平成31年酒類鑑評会で優等賞を受賞しました。
協和発酵バイオ㈱は、各種アミノ酸に加え、核酸やペプチドといった高付加価値製品の省資源・高効率な発酵生産プロセスの研究開発に引き続き注力しています。国内外の大学研究機関との共同研究を通して得られた機能性や安全性データに基づき、アミノ酸等、発酵生産物の栄養生理機能探索や用途開発を行い、製品の付加価値を高めています。キリングループ内での連携のもと、素材開発の知見を生かし、熟成ホップエキス粉末等の新素材の開発に取り組んでいます。また、独自素材の中で事業化に近いものとして、ヒトミルクオリゴ糖の研究開発に取り組んでいます。
その他の事業及び全社(共通)に係る研究開発費は