第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは『自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します。』という企業理念のもと、技術に裏付けられた安心・安全な商品やサービスを世界中にお届けするとともに、医療の進歩に貢献し、世界の人々の暮らしを豊かなものにしていくことを通じて、企業価値の向上を目指しております。

 

(2)経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2011年4月よりスタートした10ヵ年の長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」で目標に掲げた「国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立する」ことを目指し、その達成のための最終ステップとなる「宝グループ中期経営計画2019」に取り組んでおります。

 「宝グループ中期経営計画2019」の概要は以下のとおりであります。なお、2020年3月期の定量目標につきましては、直近の業績等を踏まえ、売上高、営業利益、海外売上高比率のいずれにつきましても上方修正しております。

 

基本方針

 海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を

多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長

させることができるバランスのとれた事業基盤を確立する。

 

定量目標

2020年3月期 宝グループ連結

・売上高    2,950億円以上   (当初計画2,900億円以上)

・営業利益      187億円以上   (当初計画 155億円以上)

・海外売上高比率 35%以上       (当初計画  33%以上)

 

事業戦略

<宝酒造>

清酒を中心に各カテゴリーの売上高を拡大するとともに、利益率を向上させ、

国内の酒類・調味料市場で和酒No.1メーカーとしての確固たるポジションを確立する。

<宝酒造インターナショナルグループ>

日本食材卸網の拡充により事業規模を飛躍的に拡大するとともに、事業基盤の整備を進め、

世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニーに向けて地歩を固める。

<タカラバイオグループ>

「バイオ産業支援」、「遺伝子医療」、「医食品バイオ」の各事業部門戦略の推進とこれを支える

経営基盤を強化し、グローバル企業かつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、

飛躍的な成長を目指す。

 

財務方針

 健全な財務体質を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元を実施することによって

ROEを向上させ、適正な株価水準を実現する。

 

 記載の数値目標は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を保証するものではありません。

 

(3)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループを取り巻く環境は、国内においては個人消費に力強さが欠けるものの、国内外の底堅い需要を背景に企業収益や雇用環境は改善し、緩やかな回復基調が続いております。一方、海外においては今後も引き続き緩やかな回復傾向が続くものと見込まれますが、貿易摩擦への不安の高まりや、東アジアや中東情勢の緊迫などもあり、世界経済は依然として先行き不透明な状況です。

 宝酒造の国内事業は、高齢化や人口減少による酒類総消費数量の減少や消費の多様化によるメーカー間での競争の激化、また、世界経済の先行き不透明感を背景とする為替の変動リスクや資源価格上昇のリスクなど、今後も厳しさを増してくることが予想されます。しかし一方で、国内景気は緩やかな回復基調が続いており、2020年の東京オリンピック開催に向けたインバウンド需要の高まりは、一層の経済効果が期待されます。

 宝酒造インターナショナルグループの海外事業は、世界的な健康志向の高まりや「和食」のユネスコ無形文化遺産への登録などを契機に和酒・和食の人気が高まっており、今後も一層の市場拡大が見込まれますが、競争も激化してくるものと考えられます。

 タカラバイオグループのバイオ事業は、近年、新技術が相次いで開発され、目覚ましい進歩を遂げる中、新技術の事業化の加速に向けた企業間競争が激化してきております。特に、当グループが注力している再生・細胞医療分野では、政府や規制当局による法整備等が日本を皮切りに米国や欧州でも行われつつあり、競争は企業間のみならず、各国の成長戦略の一部として扱われ、グローバル化の様相を呈しております。

 当社グループは、上記経営方針のもと、宝グループ中期経営計画2019の達成に向け、事業戦略等に基づく諸施策を実行してまいります。

 

(4)株式会社の支配に関する基本方針について

 当社は、平成19年6月28日開催の当社第96回定時株主総会における株主の皆様のご承認により、当社及び当社グループの企業価値、ひいては、株主の皆様の共同の利益を確保し、又は向上させることを目的として、当社取締役会の事前の賛同を得ずに行われる当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(買収防衛策)を導入いたしました。

 その後、平成22年6月29日開催の当社第99回定時株主総会及び平成25年6月27日開催の当社第102回定時株主総会において、買収防衛策の一部変更及び継続についてそれぞれ株主の皆様のご承認をいただきましたが、買収防衛策の有効期間は、平成28年6月29日開催の当社第105回定時株主総会の終結の時までとなっているため、平成28年5月9日開催の当社取締役会において、買収防衛策の一部変更及び継続を決議いたしました。

 そして、平成28年6月29日開催の当社第105回定時株主総会において、大規模買付者が買収防衛策に定める大規模買付ルールを遵守しなかった場合の対抗措置としての新株予約権の無償割当てに関する事項の決定を、当社取締役会に委任する旨の議案が承認され、一部変更後の買収防衛策の効力が発生いたしました。

 下記は買収防衛策の概要であり、その全文(日本語版のみ)につきましては、当社ウェブサイト(http://www.takara.co.jp/)掲載の平成28年5月9日付「当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(買収防衛策)の一部変更及び継続に関するお知らせ」を、買収防衛策全体の概略につきましては、「(参考1)本プランの概要とポイント」をご参照願います。

 

 

当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(買収防衛策)の概要

 

1.当社の株主共同の利益の確保・向上に関する取り組み

(1)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)

 当社は、上場会社として、当社株式の売買は原則として市場における株主及び投資家の皆様の自由な判断に委ねるべきものであると考えており、当社株式を取得することにより当社の経営支配権を獲得しようとする者に対して、株主の皆様が、当社株式の売却を行うか否かについても、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断によるものと考えております。

 また、当社は、特定の株主グループが当社の経営支配権を取得することになったとしても、そのこと自体により直ちに企業価値、ひいては、株主の皆様の共同の利益(以下、単に「株主共同の利益」といいます。)が害されるということはなく、反対に、それが結果的に当社の株主共同の利益の最大化に資することもあり得るため、そのような場合であれば、特定の株主グループが当社の経営支配権を取得することを拒むものではありません。

 一方で、当社及び当社グループ(以下、総称して「当社グループ」といいます。)は、「自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します」という企業理念の下、日本伝統の酒造りの発酵技術と最先端のバイオ技術の革新を通じて、食生活や生活文化、ライフサイエンスにおける新たな可能性を探求し、新たな価値を創造し続けることによって、社会への貢献を果たしてまいりました。

 また、グループとしての企業価値の向上を一層追求するため、平成14年には、酒類・食品事業(現:酒類・調味料事業)を主たる事業領域とする宝酒造グループと、バイオ事業を主たる事業領域とするタカラバイオグループを傘下に置く持株会社体制に移行しました。その後、平成18年には、宝酒造グループの機能性食品事業とタカラバイオグループの健康志向食品事業とのシナジーを最大化するため、グループ内の事業を再編し、健康食品事業を推進する宝ヘルスケア株式会社を設立しました。このように、当社は持株会社として、それぞれの事業会社グループの独自性と自立性を確保しながら、グループ全体の経営を調整、統括することにより、最大限の事業成果を追求してまいりました。このような取り組みを通じて、当社グループは、酒類・調味料事業を安定的な収益基盤とし、バイオ事業と健康食品事業という有望な将来性のある成長事業を有する独自の強固な事業ポートフォリオを築いてきましたが、この事業ポートフォリオをベースに、国内はもとより海外においても事業を伸ばし、さらに環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立するため、平成23年には、10年間の長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」を策定しました。「宝グループ・ビジョン2020」では、「国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立する」ことを経営目標に、技術に裏付けられた安心・安全な商品やサービスを世界中にお届けするとともに、医療の進歩に貢献し、世界の人々の暮らしを豊かなものにしていくことを通じて、当社グループの企業価値の向上を目指しております。

 以上のような状況において、当社は、当社グループの経営にあたっては、事業会社グループの主たる事業である酒類・調味料事業とバイオ事業、健康食品事業という異なるビジネスモデルを持つ各事業に関する高度な専門知識と豊富な経験が必要であり、また、当社グループをとりまく国内外のあらゆるステークホルダーとの間に築かれた信頼関係が不可欠であると考えております。これらの諸要素こそが、当社グループの企業価値の源泉となっているため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、将来にわたる株主共同の利益の確保、向上を追求する前提において、このような関係性を十分理解する必要があると考えております。

 また、当社株式を大規模に買付け、当社の経営支配権を獲得しようとする者の中には、真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて、高値で株式等を会社関係者に引き取らせる目的で買付けを行う者(いわゆるグリーンメイラー)等の濫用目的を持って当社株式を取得しようとしていると考えられる者や、最初の買付けで全株式の買付けの勧誘をすることなく、二段階目の買付条件を不利に設定し(あるいは明確にしないで)、買付けを行うことにより、当社株主の皆様に事実上売却を強要しようとする者(いわゆる二段階強圧的買収)等、株主共同の利益を害することが明らかな者が含まれている場合もありますが、そのような者が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者となることが適当でないことは、明白であると考えております。

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方について以上のように考えており、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として相応しくない者が現れた場合に対する一定の備えを設ける必要があると考えております。

(2)基本方針に則って当社が取り組んでいる将来にわたる株主共同の利益の向上策

 当社グループは、基本方針を実現するために、「酒類・調味料事業で安定的な収益をあげ、健康食品事業を将来の成長事業に育成し、バイオ事業(特に遺伝子医療事業分野)で大きく飛躍する」という方向性に基づいて事業を推進し、企業価値の持続的な向上に取り組んでおります。

 なお、各セグメントの主な戦略は以下のとおりです。

●宝酒造グループ(酒類・調味料事業):

 当社グループの中核である宝酒造グループは、焼酎、清酒、ソフトアルコール飲料や調味料、原料用アルコールなど、技術で差異化されたオリジナリティのある製品を製造し、日本国内のみならずグローバルに販売することで、安定したキャッシュフローを創出するとともに、海外では日本食レストラン向けに和食の食材・調味料などを販売する海外日本食材卸事業の拡大を通じ、日本の食文化を世界に広めることで、持続的な成長を実現する。

●タカラバイオグループ(バイオ事業):

 当社グループの成長を担うタカラバイオグループは、収益基盤であるバイオ産業支援事業において、バイオ研究者向けの試薬・機器の製造・販売や、遺伝子・細胞プロセッシングセンターを中核拠点としたバイオ医薬品や再生医療等製品などの製造開発支援サービス(CDMO)事業を拡大させることで、安定的な利益を創出する。また、健康食品素材の開発やキノコの栽培・販売などの医食品バイオ事業を第二の収益事業として育成する。同時に、これらの事業から得た収益を遺伝子医療事業に投入し、遺伝子治療の商業化に向けた臨床開発プロジェクトを積極的に推進することで将来キャッシュフローの最大化を目指す。

●宝ヘルスケア(健康食品事業):

 宝ヘルスケアは、ガゴメ昆布「フコイダン」やボタンボウフウ「イソサミジン」など、タカラバイオの研究に裏付けられた独自素材やその技術を活かした安心・安全な健康食品を開発し、通信販売やBtoB市場での販売を拡大することで、当社グループの成長事業として確立できるよう、事業基盤の構築を進める。

 また、当社グループは、企業としての社会的責任を果たし、当社グループを取り巻く様々なステークホルダーから信頼されることによって、持続的な企業価値の向上が可能になると考えています。このような認識の下、当社グループでは、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な経営課題と捉え、以下の体制のもと、「宝ホールディングス コーポレートガバナンスポリシー」を定め、株主や投資家の皆様との積極的な対話や、取締役会を中心とした最適なガバナンス体制の構築などに取り組んでおります。

 具体的には、平成28年6月29日現在、当社は、9名の取締役(うち2名は会社法第2条第15号に定める社外取締役)で構成される取締役会のほか、監査役制度を採用しております。5名の監査役のうち3名は会社法第2条第16号に定める社外監査役であり、当社の監査役は、取締役会等の重要会議への出席や重要書類の調査を通じて、取締役の意思決定状況や職務執行の適法性を監査しています。また、経営環境への迅速な対応、取締役の経営責任の明確化のために、取締役の任期は1年としております。なお、平成28年6月29日現在、社外取締役2名及び社外監査役1名の計3名を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定しております。

 以上のとおり、当社グループは、将来にわたり株主共同の利益を最大化するために、基本方針に則った取り組みに基づき、日々の事業活動を行っております。

2.本プラン導入・継続の目的

 当社は、前記1.(1)のとおり、株主共同の利益を確保し、又は向上させるために基本方針を設けているところ、基本方針に照らして相応しくない者によって、財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、もって、株主共同の利益を確保し、又は向上させることを目的として、当社取締役会の事前の賛同を得ずに行われる当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を策定することが望ましいと考えております(本プランの概要図は、「(参考2)本プランの概要図」をご参照願います。)。

 また、株主の皆様が、当社取締役会の事前の賛同を得ずに一定程度の経営支配権の異動が生じ得るような買付行為が行われる場合において、当該買付行為に応じて当社株式を売却するか否かの判断を行う際には、必要十分な情報の提供を受け、かつ、一定の検討期間が確保された熟慮の上で意思決定を行うことが可能となる体制を確保することが、株主共同の利益を確保し、又は向上することに資するものと考えております。

 さらには、特定の株主グループの買付行為に対して対抗措置(詳細は、後記3-4.(3)をご参照願います。)の発動を行う場合には、当社取締役会による恣意的な判断を可及的に排除するため、大規模買付者(後記3-1.において定義します。以下同じとします。)が3-3.記載の大規模買付ルールを遵守しなかった場合を除き、対抗措置発動の是非を株主の皆様にご判断いただくこととし、当社株主総会を開催し、新株予約権無償割当てに関する事項の決定に係る議案をお諮りすることとします。このように、対抗措置の発動にあたって株主の皆様の意思を反映することは、株主共同の利益の確保、又は向上に資するものと考えております。

 このような考えに基づき、当社は、平成19年5月15日開催の当社取締役会において、本プランの内容を決議し、同年6月28日開催の当社第96回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、本プランを導入しました。

 その後、平成28年6月29日現在までの間に、当社の経営支配権を獲得しようとしているか否かに関わらず、本プランの適用可能性があるような、当社株式を大規模に買付け、又は買付けようとする者の存在を特に認識してはおりませんが、将来において、そのような者が現れる可能性は依然として否定できません。

 そこで、株主共同の利益を害する買付行為から株主共同の利益を保護し、当社株主の皆様が、経営支配権の異動が生じ得る場面において、必要十分な情報及び一定の検討期間に基づいて、ある買付行為に応じて当社株式を売却するか否かを判断すること及び当該買付行為に対して対抗措置を発動することの是非を判断することができるよう、本プランを継続します。

 なお、本プランの継続にあたっては、本プランの導入以後の大規模な買付行為への対応方針に関する議論の動向等を踏まえ、大規模買付ルールに則った一連の手続に関する客観性及び合理性をより一層担保するため、並びに大規模買付者に対する対抗措置発動の必要性・相当性の有無に関する当社取締役会の判断の客観性及び合理性をさらに担保するため、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置することの他、所要の変更を行います。

3.本プランの概要

3-1.本プランの適用の要件

(1) 大規模買付者による大規模買付行為に適用されるものとします。

ア 大規模買付行為

 ⇒特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株券等の買付行為(当社取締役会が事前に賛同の意思を表明した買付行為は除く。)

イ 大規模買付者

⇒大規模買付行為を行おうとする者

(2) 大規模買付者は、大規模買付行為を行うに当たり、大規模買付ルールを遵守しなければならないものとします。

(注1)「特定株主グループ」とは、①当社の株券等(金融商品取引法(昭和23年4月13日法律25号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者及び当社取締役会がこれに該当すると認めた者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者及び当社取締役会がこれに該当すると認めた者を含みます。)、又は②当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者及び当社取締役会がこれに該当すると認めた者をいいます。)を意味し、以下同じとします。

(注2)「議決権割合」とは、①特定株主グループが、前記(注1)の①の記載に該当する場合は、当社の株券等の保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)をいい、②特定株主グループが、前記(注1)の②の記載に該当する場合は、当社の株券等の買付け等を行う者及びその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいい、以下同じとします。

(注3)「株券等」とは、金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等又は同法第27条の2第1項に規定する株券等のいずれかに該当するものを意味し、以下同じとします。

3-2.独立委員会の設置

(1) 概要

大規模買付ルールに則った一連の手続に関する客観性及び合理性をより一層担保するため、並びに大規模買付者に対する対抗措置発動の必要性・相当性の有無に関する当社取締役会の判断の客観性及び合理性をさらに担保するため、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置し、下記(3)の事項に係る検討及び当社取締役会に対する勧告を行うこととします。

当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、大規模買付者に対する対抗措置発動の必要性・相当性の判断、株主意思確認株主総会の招集手続その他の対応を行うこととします。

(2) 独立委員会の構成

独立委員会の委員は、当社が別途定める「社外役員の独立性判断基準」を満たした、当社経営陣から独立している社外取締役、社外監査役及び弁護士、公認会計士その他の公正な社外有識者の中から選任し、その人数は3名以上とします。本プランの継続時における独立委員会の委員は、当社の社外取締役又は社外監査役の3名によって構成されます。

(3) 独立委員会の役割

ア 必要情報の十分性の検討及び取締役会への勧告

イ 変更買付提案がなされた場合における必要情報としての十分性及び新たな検討期間を設けることの検討並びに取締役会への勧告

ウ 買付提案に対する対抗措置発動の必要性・相当性に係る取締役会への勧告

エ 大規模買付ルール不遵守の場合における対抗措置発動の可否に係る取締役会への勧告

オ 取締役会が独立委員会に諮問した事項についての検討及び取締役会への勧告

3-3.大規模買付ルールの内容

(1) 大規模買付ルール①

大規模買付者は、当社取締役会に対して、事前に大規模買付行為に関する必要十分な情報を提出すること

ア 大規模買付者から当社取締役会に対して提出を求めるもの

■意向表明書

⇒名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び大規模買付者の行う大規模買付行為(以下「買付提案」といいます。)の概要並びに大規模買付ルールを遵守する旨を記載した当社所定の書面

■必要情報

⇒意向表明書受領日の翌日から5営業日以内に、当社取締役会が大規模買付者に対して交付する必要情報リストに基づいて提出を要する情報(必要情報リストに基づいて提出を求める情報は、当社株主の皆様の判断並びに当社取締役会及び独立委員会としての意見形成のために必要な情報に限定されるものとします。大規模買付者が外国語によって作成された書面を提出する場合には、全文について日本語訳を添付しなければならないものとし、かつ、日本語の書面をもって正本とみなします。)

イ 必要情報の十分性についての判断

大規模買付者から情報が提出された場合、当社取締役会は、独立委員会からの勧告を最大限尊重しつつ、大規模買付者から提出された情報が当社株主の判断並びに当社取締役会及び独立委員会としての意見形成のための必要情報として十分であるか否かについての検討を行い、必要情報として十分ではないと判断した場合には、大規模買付者に対して、改めて必要な情報を提出するよう求めるものとします。

当社株主の皆様の判断並びに当社取締役会及び独立委員会としての意見形成のための必要情報として十分な情報が提出された日を検討期間(当社取締役会が、買付提案の評価検討を行う期間である、検討期間開始日から最大30営業日以内の間をいいます。以下同じとします。)の開始日(以下「検討期間開始日」といいます。)として、買付提案についての検討を開始します。なお、検討期間開始日は、必要情報リストに基づいて大規模買付者から最初の情報提供があった日(以下「初回情報提供日」といいます。)から最大30営業日以内とし、必要情報として十分な情報が揃わない場合であっても初回情報提供日から30営業日が経過したときは、直ちに検討期間を開始するものとします。また、初回情報提供日から30営業日が経過する前であっても、必要情報として十分な情報が提出された場合には、直ちに検討期間を開始するものとします。

(2) 大規模買付ルール②

(a) すべての大規模買付者は、検討期間開始日から30営業日を上限とする当社取締役会による買付提案の評価検討が終了するまでは、大規模買付行為を開始してはならないこと

(b) 株主意思確認株主総会が開催される場合には、株主意思確認株主総会が終了するまでは、大規模買付行為を開始してはならないこと

ア 当社取締役会及び独立委員会による検討

当社取締役会は、検討期間の間、大規模買付者から受領した必要情報等に基づき、買付提案が、当社の株主共同の利益を確保し、又は向上することに資するか否かを検討し、対抗措置発動の必要性・相当性の有無について決議を行い、当該決議の結果を公表するものとします。

当社取締役会は、対抗措置発動の必要性・相当性の有無に関する決議に先立ち、独立委員会に対して、対抗措置発動の必要性・相当性の有無について諮問します。独立委員会は、買付提案及び大規模買付者から提出を受けた必要情報を検討し、買付提案に対して対抗措置を発動することの必要性・相当性の有無について、当社取締役会に対し、検討期間内に勧告を行うものとし、当社取締役会は、その決議にあたり、独立委員会の勧告を最大限尊重することとします。

大規模買付者は、当社取締役会による買収提案の評価検討が終了し、当社取締役会が、対抗措置発動の必要性・相当性がなく、対抗措置発動を株主意思確認株主総会に付議する必要がないと判断し、その旨決議して公表するまで、大規模買付行為を開始してはならないものとします。

イ 株主意思確認株主総会の開催

検討期間開始日から30営業日を上限とする当社取締役会の評価検討の結果、当社取締役会が、対抗措置発動の必要性・相当性があると判断し、その旨を決議して公表した場合(以下、公表を行った日を「検討期間終了日」といいます。)、新株予約権の無償割当てに関する事項の決定に係る議案を付議するために、検討期間終了日から60営業日以内に株主意思確認株主総会を開催するものとします。なお、事務手続上の理由から、検討期間終了日から60営業日以内に株主意思確認株主総会を開催できない場合は、遅滞なく準備を進め、事務手続き上可能かつ合理的な最も早い営業日において開催するものとします。

株主意思確認株主総会が開催される場合、大規模買付者は、当該株主意思確認株主総会が終了するまでは、大規模買付行為を開始することができないものとします。

(3) 買付提案が変更された場合

当社取締役会は、大規模買付者が、検討期間開始日以降に、買付提案について変更を行った場合には、必要に応じて、変更後の買付提案(以下「変更買付提案」といいます。)に係る必要情報の提供を求めることとし、必要情報として十分な情報の提出があった日を新たな検討期間開始日として検討を開始します。なお、変更買付提案に係る検討期間開始日は、大規模買付者から変更買付提案に係る最初の情報提供があった日から最大30営業日以内とします。当社取締役会は、上記(2)アと同様に、検討期間開始日から最大30営業日以内の検討期間の間、変更買付提案を検討し、独立委員会の勧告を最大限尊重して、対抗措置発動の必要性・相当性の有無について決議を行い、当該決議の結果を公表するものとします。

3-4.大規模買付者への対応

(1) 大規模買付ルールが遵守された場合

■当社取締役会が独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置発動の必要性・相当性がないと判断した場合

⇒大規模買付者は、当社取締役会の決議の結果の公表後から大規模買付行為を開始することができます。

■当社取締役会が独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置発動の必要性・相当性があると判断した場合

⇒大規模買付者に対する対抗措置を発動するか否かの判断を株主の皆様が行うために、原則として検討期間終了後60営業日以内に株主意思確認株主総会を開催するものとします(事務手続上の理由から、検討期間終了日から60営業日以内に株主意思確認株主総会を開催できない場合は、遅滞なく準備を進め、事務手続上可能かつ合理的な最も早い営業日において開催するものとします。)。

⇒株主意思確認株主総会において、新株予約権の無償割当てに関する事項に係る議案が可決された場合には本プランに基づく対抗措置を発動し、否決された場合には本プランに基づく対抗措置を発動しないものとします。

(2) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合

⇒大規模買付ルールに明白に違反していることが明らかとなった時点で対抗措置を発動するものとします(なお、対抗措置発動の可否について、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。)。

(3) 対抗措置の内容

一定の者の行使を制限する行使条件、取得条項等が付された新株予約権の無償割当てを行うものとします(割り当てる新株予約権の概要は、「(参考3)新株予約権の概要」のとおりとします。)。

4.株主及び投資家の皆様に与える影響等

(1)本プランの導入時において株主及び投資家の皆様に与える影響

 導入時点では株主及び投資家の皆様の権利関係への影響はございません。

(2)株主意思確認株主総会を開催する場合において株主及び投資家の皆様に与える影響

 株主意思確認株主総会で議決権を行使できる株主の皆様を確定するために一定の日を基準日として公告しますので、基準日の最終の株主名簿に株主として記録される必要がある点にご留意下さい。

(3)対抗措置の発動時において株主及び投資家の皆様に与える影響

 新株予約権の無償割当てを受けた株主の皆様が、所定の行使期間内に、権利行使を行わなかった場合、他の株主様による本新株予約権の行使により議決権比率及び経済的価値が低下することになります(ただし、取得条項に基づく取得の結果として当社普通株式が交付される場合、議決権比率の低下は生じないことになります。)。もっとも、大規模買付者が大規模買付行為を撤回した等の事情により、新株予約権の行使期間開始日前日までに、当社が新株予約権の無償取得を行う場合等には、当社株式の価格が少なからず変動することがあります。

(4)対抗措置の発動時において株主の皆様に必要となる手続

 株主の皆様において特段の手続は不要ですが、割当基準日における最終の株主名簿に記録された株主の皆様が、新株予約権無償割当ての効力発生日において、当然に新株予約権者となるため、割当基準日における株主名簿に株主として記録されている必要があります。

(5)当社による本新株予約権の取得に伴って必要となる手続

 当社が、当社取締役会が定める一定の日において、本新株予約権を取得する際には、株主の皆様に、自身が大規模買付者に該当しないことを証する書面等の提出を求める場合がございます。

5.本プランの合理性

(1)買収防衛策に関する指針等の要件を充足していること

 経済産業省及び法務省が平成17年5月27日付けで公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定められた三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を完全に充足しており、企業価値研究会が平成20年6月30日付けで公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。また、会社法及び金融商品取引法等の各種法令、その他金融商品取引所が定める規則に合致しております。

(2)株主共同の利益の確保・向上を目的として導入するものであること

 本プランは、当社グループの株主共同の利益を確保し、又は向上させることを目的として導入するものであり、株主の皆様が必要十分な情報及び一定の検討期間に基づいて、買付提案に応じるか否か、あるいは、対抗措置の発動に賛成するか否かを判断できる仕組となっています。

(3)株主の皆様の意思を反映するものであること

 本プランは、平成19年6月28日開催の当社第96回定時株主総会において、新株予約権の無償割当ての決定機関に関する定款変更案及び新株予約権の無償割当てに関する事項の決定を当社取締役会に委任する旨の議案が承認されたことをもって導入されており、その導入に株主の皆様の意思が反映されています。また、平成22年6月29日開催の当社第99回定時株主総会、平成25年6月27日開催の当社第102回定時株主総会及び平成28年6月29日開催の当社第105回定時株主総会において、それぞれ新株予約権の無償割当てに関する事項の決定を当社取締役会に委任する旨の議案の承認を受けて継続されており、その継続にも株主の皆様の意思が反映される仕組となっております。また、実際に大規模買付者が登場した際に、大規模買付者に対して対抗措置を発動する場合には、株主意思確認株主総会において、その是非を株主の皆様が判断することとしており、株主の皆様の意思が十分に反映できる内容となっています。

(4)デットハンド型やスロー・ハンド型ではないこと

 本プランは、取締役会の構成員の過半数が交代した場合には、廃止することができるものであり、いわゆるデットハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役の任期は1年となっており、いわゆるスロー・ハンド型(取締役の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止しにくい買収防衛策)の買収防衛策ではありません。

(5)独立委員会の意見を尊重すること

 当社取締役会が買付提案に対する対抗措置の発動等に関する判断をするに際しては、当社が別途定める「社外役員の独立性判断基準」を満たした、当社経営陣から独立している社外取締役、社外監査役及び弁護士、公認会計士その他の公正な社外有識者のみで構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の判断を最大限尊重することとされており、本プランの運用の客観性及び合理性が確保されていると考えております。

6.本プランの有効期間及び改廃手続

本プランの有効期間は、平成31年に開催される当社定時株主総会の終結の時までとします。

本プランは、当社取締役会又は株主総会の決議に基づいて廃止することができるものとします。

以 上

 

 

(参考1)本プランの概要とポイント

 

 

当社の買収防衛策

本プラン適用の要件

(大規模買付行為)

特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株券等の買付行為

独立委員会の設置・構成

当社の社外役員の独立性判断基準を満たした、当社経営陣から独立している社外取締役、社外監査役及び弁護士、公認会計士その他の公正な社外有識者名以上により構成される独立委員会の設置
※選任された当初委員は名であり、全員、当社の社外取締役又は社外監査役

独立委員会の主な役割

① 必要情報の十分性の検討及び取締役会への勧告

② 変更買付提案がなされた場合における必要情報としての十分性及び新たな検討期間を設けることの検討並びに取締役会への勧告

③ 対抗措置発動の必要性・相当性に係る取締役会への勧告

④ 大規模買付ルール不遵守の場合における対抗措置発動の可否に係る取締役会への勧告

⑤ 取締役会が独立委員会に諮問した事項についての検討及び取締役会への勧告

大規模買付者への要請事項

(大規模買付ルール①②)

① 大規模買付行為に関する必要情報の提供等

(1) 大規模買付者による買付提案の概要及び意向表明書の提出

(2) 大規模買付者に対して意向表明書受領日の翌日から5営業日以内に交付する必要情報リストに基づく大規模買付者による必要情報の提出

※なお、必要情報に規定される項目の概要は、買付提案の目的、買付提案の買付条件及び買付方法、買付け後の当社グループの経営方針及び事業計画等。

② 下記の期間が経過するまでは大規模買付行為を開始しないこと

検討期間(検討期間開始日から最大30営業日)が終了するまで

(株主意思確認株主総会が開催される場合はその終了まで)

検討期間開始日

最初に情報が提供された日から最大30営業日以内

(十分な必要情報が提出された場合には直ちに検討期間を開始)

検討期間

検討期間開始日から最大30営業日以内の期間

株主意思確認

株主総会の開催

取締役会が対抗措置発動の必要性・相当性ありと判断した場合に開催

(取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重して必要性・相当性を判断)

→ 検討期間終了後60営業日以内に開催

対抗措置発動判断機関

大規模買付

ルール遵守

株主意思確認株主総会

大規模買付

ルール不遵守

取締役会

(取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重)

対抗措置の内容

新株予約権の無償割当て(新株予約権の詳細は(参考3)ご参照)

取締役の任期

1年間

取締役の総数と構成

9名(うち社外取締役2名)

監査役の総数と構成

常勤監査役2名、監査役3名(うち社外監査役3名)

本プランの有効期間

3年間

 

(参考2) 本プランの概要図

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(参考3) 新株予約権の概要

1. 本新株予約権の割当ての対象となる株主等

 当社取締役会又は当社株主総会が、別途定める一定の日(以下「割当基準日」といいます。)における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で本新株予約権を割り当てます。

2. 本新株予約権の総数

 割当基準日における最終の発行済株式総数から、同日において、当社の保有する自己株式を除いた数を上限とします。

3. 本新株予約権の割当てが効力を生じる日

 本新株予約権の割当てが効力を生じる日については、当社取締役会又は当社株主総会にて別途定めるものとします。

4. 本新株予約権の目的である株式の種類及び数

 本新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、本新株予約権1個当たりの目的である当社普通株式の数は1株とします。ただし、当社が株式の分割(株式の無償割当てを含みます。)又は併合等を行う場合には、当社取締役会又は当社株主総会が新株予約権無償割当て決議によって定める調整式による調整を行うものとします。

5. 本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

 本新株予約権の行使に際して出資される財産の価格は、本新株予約権の行使により交付される当社普通株式1株当たりの払込金額を1円以上で当社取締役会又は当社株主総会が定める額とし、これに本新株予約権の目的である株式の数を乗じた額とします。

6. 本新株予約権の行使条件

 大規模買付者及びその特定株主グループ並びに大規模買付者及びその特定株主グループから当社取締役会の承認を得ずに本新株予約権を取得又は承継した者(以下「大規模買付者等」といいます。)は、本新株予約権を行使できないものとします。

7. 本新株予約権の譲渡による取得

 本新株予約権の譲渡による取得には、当社取締役会の承認を要するものとします。

8. 本新株予約権の行使期間

 当社取締役会又は当社株主総会において定めるものとします。

9. 本新株予約権の取得の条件

 当社取締役会又は当社株主総会で定めるものとしますが、当社取締役会又は当社株主総会が別途定める日の到来をもって、当社が、全ての本新株予約権を無償で取得することができる旨の条項(取得条項)を付する場合があるものとします。
 また、本新株予約権には、一定の事由が生じたことを条件として、当社が、当社普通株式を取得対価として本新株予約権を取得することができる旨の条項(取得条項)を付する場合があるものとします。当該取得条項については、大規模買付者等からは本新株予約権を取得しないとの条件を付する場合があるものとします。

10. 本新株予約権に係る新株予約権証券の発行

 新株予約権証券は、発行しないものとします。

11. その他

 その他必要な事項については、新株予約権無償割当て決議において当社取締役会又は当社株主総会が定めるものとします。

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業、その他においてリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。

 なお、記載中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載事項は投資判断に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意下さい。

(1) 消費者の嗜好及び需要動向の変化について

 宝酒造の売上高の大部分は、日本国内のものであり、その市場は、消費者の嗜好の変化の影響を受けやすいものであります。同社は、消費者の嗜好の変化を捉えた商品の開発や、他社商品と差異化を図った独創的な商品の開発に注力しておりますが、消費者の嗜好の多様化が進み、消費動向の変化が加速しております。そのため、今後同社が消費者の嗜好や市場の変化を捉えた魅力的な商品を提供できない場合は、将来の成長性や収益性を低下させ、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また日本国内の人口減少や、少子化、高齢化の進行が酒類の需要の減少を招いた場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 競合について

①宝酒造

 日本国内の酒類・調味料市場では、商品開発やマーケティング戦略など、競合各社との競争が激化しております。同社は、独自の技術で差異化された商品の開発・育成や、ブランド力強化、流通業態の変化に対応した販売活動を行っていますが、競争力強化のためのマーケティング費用の増加を、売上高の増加やコストダウンの施策等で吸収できない場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

②宝酒造インターナショナルグループ

 海外酒類事業では、ウイスキー市場においては世界中に多くの強豪メーカーが存在するほか、清酒をはじめとする和酒市場においても、海外現地生産および日本生産の輸出メーカーなど多くの競合各社との競争が激化しております。また、海外日本食材卸事業においても、海外での和酒・和食市場が拡大を続けている一方で、同事業への参入障壁が低いことから競合の状況は激化しております。同社グループでは、魅力的な商品の開発・育成やブランド力の強化、流通業態の変化に対応した製造・販売活動に努めていますが、競合各社に勝る競争力を維持できない場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③タカラバイオグループ

 収益基盤であるバイオ産業支援事業においては、試薬や理化学機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合、参入は比較的容易であり、多数の競合企業が存在しております。

 遺伝子医療事業においては、技術的進展により安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られはじめています。実際に大きな市場が望めるようになったことから、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組み始めております。

 医食品バイオ事業においては、健康食品ブームでもあり、その急拡大している市場を目指し、食品企業のみならず製薬企業まで多数の企業が参入しており、競合が激化しております。

 このような環境の中、同グループは、独自もしくは大学等の外部団体と協力して、技術や製品を開発し、可能な限り知的財産化することにより、独占化あるいは差異化を図っておりますが、このような開発戦略が必ずしも成功するとは限らず、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 製造に関する依存について

①宝酒造

 同社の酒類製品の大部分は、伏見工場(京都市伏見区)および松戸工場(千葉県松戸市)で製造され、また同社は、必要に応じ、それらの工場における製造ラインの維持、更新を行っております。従いまして、これらの地域において大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、同社の商品の生産、供給能力が著しく低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、同社の主要な原材料であるエタノールは、消防法において第4類危険物(火災発生、拡大の危険性が大きく、消火の困難性が高いなどの性状を有する引火性液体)として指定されております。

②宝酒造インターナショナルグループ

 海外酒類事業において、The Tomatin Distillery Co.Ltd(英国スコットランド)でウイスキーを、またTakara Sake USA Inc.(米国カリフォルニア州)および宝酒造食品有限公司(中国北京市)で清酒やみりん等の製造・供給を行っております。従いまして、これらの地域において大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、同事業の商品の生産、供給能力が著しく低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③タカラバイオグループ

 タカラバイオグループでは、バイオ産業支援事業における主力の研究用試薬を、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司でその殆どを生産しております。同グループでは生産拠点の集約により、価格競争力の強い製品の製造を実現しており、また、同グループの規模では製造拠点の分散化は得策ではないと考えておりますが、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止などにより、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 原材料価格の変動について

 宝酒造の原材料の調達については、調達先の国又は地域の天候や経済状況の影響を間接的に受ける可能性があります。焼酎等の原料である粗留アルコールは主に南米やアジア地域の、また清酒等の原料米は主に日本の天候、原料相場の影響を受けます。原材料の調達価格の高騰は製造コストの上昇に繋がり、また市場の状況等により販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 特有の法的規制について

①宝酒造

 宝酒造は、日本国内において酒類の製造免許、販売業免許、酒税等を定める酒税法の規制を受けております。同社は酒税法に基づき、販売業免許のほか、種類別、製造場ごとに所轄税務署長の製造免許を取得しております。今後の事業展開においても酒税法の規制を受けるほか、酒税の税率の変更によって酒類の販売価格、販売動向等に影響を受ける可能性があります。

②宝酒造インターナショナルグループ

 宝酒造インターナショナルグループでは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、運輸、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があり、またコストの増加につながる可能性があります。

③タカラバイオグループ

 バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)等の関連法規の規制を受けており、同グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物および劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、医薬品医療機器等法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等に伴い、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合等においては、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、同グループがその開発を目指す遺伝子治療や細胞医療の商業化は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に関する法律、カルタヘナ法等関連法規の規制を受けており、同グループは当該法規制を遵守していく方針であります。これらの関連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認又は許可が必要になります。同グループが遺伝子医療事業で研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。

 上記のほか、当社グループは食品を扱う会社として、食品衛生法に基づいた営業施設の整備、器具・容器包装の管理やその他の製造工程および販売などの管理運営を行っております。当社グループでは、食品衛生法を遵守し、食品衛生管理には万全の注意を払っておりますが、食品衛生問題や故意の妨害も含め食品の安全問題は不可避の問題でもあり、これらに関する問題が発生した場合は、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、健康食品の販売にあたっては、薬事法に基づいた効能効果や用法用量などの表示や広告についても遵守するよう努めておりますが、一般的に健康食品の性質上、いわゆる表示義務違反となる可能性は完全には否定しがたく、そのような場合には当社グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 また、一部の商品の販売では、インターネットによる通信販売を展開しており、特定商取引に関する法律に基づいた表示規制などについても遵守する必要があります。

(6) 飲酒に対する社会的規制について

 酒類は人々の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、酒類に関する伝統と文化が人々の生活に深く浸透している一方で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり、アルコール健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、その家族への深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性が高いことが指摘されております。宝酒造および宝酒造インターナショナルグループでは、これらの指摘を認識したうえで、酒類の製造、販売を行う企業として、人々の健康を維持増進し、社会的責任を果たす観点から「節度ある適度な飲酒」を普及啓発する様々な取り組みを行っておりますが、これらのアルコールに関連する諸問題が社会的に一層深刻となった場合には、酒類の製造、販売に何らかの影響、規制が及ぶ可能性があり、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 研究開発活動について

 タカラバイオグループにおいては、多岐にわたるバイオテクノロジー関連産業分野において広範囲にわたる研究開発活動を行っており、同グループは、競争優位性を維持していくためにも、研究開発活動を非常に重要であると考え、積極的に研究開発費を投下しております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証はなく、特に遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証はないことから、研究開発活動の遅延により、同グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 知的財産権について

 タカラバイオグループは、研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、特許その他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しており、競合他社を排除するため自らの技術を特許で保護しております。同グループは今後も研究開発を進めていくにあたり、特許出願を第一に考え対応していく方針でありますが、出願した特許すべてが登録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となったり、期間満了などにより消滅した場合には、同グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競争が繰り広げられており、同グループが自らの技術を特許権により保護したとしても、同グループの研究開発を超える優れた開発力により、同グループの特許技術が淘汰される可能性は常に存在していると考えております。さらに、同グループは今後の事業展開の中で、有望な他者特許については取得又はライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生したり、必要な他者特許が生じてもそのライセンスが受けられない可能性があります。

(9) 投資有価証券の減損処理について

 当社グループでは、時価のある有価証券を保有しておりますが、時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該期の損失とすることとなり、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(10)固定資産の減損処理について

 当社グループでは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当該期の損失とすることとなり、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11)退職給付債務について

 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、あるいは年金資産運用で利回りが悪化した場合には当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(12)事業・資本提携について

 当社グループは、成長戦略の一環として、主に海外の他社との事業・資本提携を推進しています。しかしながら、提携先および出資先を取り巻く事業環境の変化等の影響により、提携先および出資先の事業、経営および財務状況の悪化等が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、出資に伴い、「のれん」の償却が多額に発生した場合、あるいは出資先の業績不振等により多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(13)海外展開について

 当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア、豪州などにおいても、生産、販売など事業活動を展開しております。これらの国又は地域で、経済状況、政治、社会体制等が著しく変化したり、地震など自然災害の発生によって需要の減少や生産施設における操業の中断などを引き起こした場合や、移転価格税制等の国際税務問題による影響を受けた場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(14)為替レートの変動について

 当社グループが事業を展開する日本国外の各地域における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、為替予約取引など為替ヘッジ取引を行い、為替レートの短期的な変動による影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的には為替変動により計画的な調達および販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(15)製造物責任について

 当社グループが開発、製造する全ての商品について製造物責任賠償のリスクが内在しています。特に、酒類、食品、医薬品、医療機器などについては、製造、販売、臨床試験において瑕疵が発見され、健康障害等を引き起こしたりした場合には製造物責任を負う可能性があります。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストが発生するうえに、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(16)情報の管理について

 当社グループは、販促キャンペーンや通信販売等により、多数の個人情報を保持しており、個人情報の管理に関しては、管理体制の構築、責任者の設置、従業員に対する継続的な研修会の実施等、個人情報の漏洩を防ぐための万全の努力をしております。しかしながら、予期し得ない事象により、個人情報に限らず社内情報の紛失、漏洩、改ざんなどのリスクがあり、このような事態が発生した場合には、当社グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

(17)訴訟について

 当社グループでは、事業の遂行にあたり各種法令および規制等に違反しないようコンプライアンス活動を強化するなど最善の努力をしております。しかしながら、国内外において事業活動を遂行していくうえで、当社グループおよびその従業員が法令等に対する違反の有無にかかわらず、製造物責任法や知的財産権、発明対価請求などの問題において訴訟提起される可能性を抱えています。万が一当社グループが訴訟を提起された場合、また不利な判決結果が生じた場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費に力強さが欠けるものの、国内外の底堅い需要を背景に企業収益や雇用環境は改善し、緩やかな回復基調が続いております。一方、海外においては、米国の製造業を中心とした景気拡大や中国経済の持ち直しなど、今後も引き続き緩やかな回復傾向が続くものと見込まれておりますが、貿易摩擦への不安の高まりや、東アジアや中東情勢の緊迫などもあり、世界経済は依然として先行きが不透明な状況です。

 このような経済状況のもと、当社グループは、当連結会計年度より、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」をスタートし、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高268,142百万円(前期比114.5%)、売上総利益104,612百万円(前期比111.3%)、営業利益15,612百万円(前期比115.2%)、経常利益16,084百万円(前期比112.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益11,029百万円(前期比130.0%)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 なお、平成29年2月16日開催の当社取締役会において、当社の連結子会社である宝酒造株式会社が同社の海外事業を会社分割(新設分割)し、平成29年7月3日付で新設した宝酒造インターナショナル株式会社に承継させることを決議したことに伴って報告セグメントの見直しを行った結果、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

〔宝酒造〕

 国内の酒類総消費数量は減少が続くことが予想され、消費者の嗜好の多様化や節約志向の継続などもあり、今後も厳しい競争環境が続くことが予想されます。

 このような環境のもと、宝酒造では、技術で差異化された商品の開発を継続するとともに、多様化する消費者ニーズにスピーディーかつタイムリーに対応するために商品開発体制を強化し、ラインアップの拡充を行うことで酒類・調味料の各カテゴリーにおける競争力を高めることに注力しております。また、高付加価値商品の売上構成比を高めることで利益率の向上を図りながら、食品メーカーとして安心・安全な商品を提供すべく原材料等の安全性確保と品質管理体制の強化にも努めました。

 当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。

酒類

(焼酎)

 焼酎では、甲類焼酎については、「極上宝焼酎」やサワーのベースとして割っておいしい酒質を追求した“宝焼酎 「レモンサワー用」”、“宝焼酎 「タカラモダン」”などの拡売に努めました。本格焼酎では、“全量芋焼酎「一刻者」<茜>”を新発売するなど一刻者ブランドの活性化に努めました。

 しかしながら、焼酎市場の縮小の影響を受け、焼酎全体の売上高は、55,034百万円(前期比95.9%)となりました。

(清酒)

 清酒では、家庭向けには“松竹梅「天」”、業務用ルートでは“松竹梅「豪快」”の拡売に努めました。「澪」では、おいしさはそのままに、さらりと飲みやすいうすにごりタイプで、爽やかで甘酸っぱい味わいに仕上げた“松竹梅白壁蔵 「澪」<WHITE>スパークリング清酒”を新発売いたしました。また、大吟醸や純米大吟醸などの、中小容量タイプの品ぞろえを強化するとともに、しぼりたてのフレッシュな香りと瑞々しく新鮮な風味が特長の“特撰松竹梅<純米大吟醸>しぼりたて”や“特撰松竹梅「山田錦」<特別純米>しぼりたて”など季節限定の商品を投入することで需要の喚起にも注力いたしました。

 しかしながら、松竹梅「1.8L壜」などの減少があり、清酒全体の売上高は、22,222百万円(前期比99.3%)となりました。

(ソフトアルコール飲料)

 ソフトアルコール飲料では、基幹ブランドと位置付けております辛口チューハイ“タカラ「焼酎ハイボール」”の拡売に最注力いたしました。また、当連結会計年度より新しいブランドとして立ち上げた「寶CRAFT」は、日本各地のご当地素材を使用し、ベースアルコールに樽熟成酒をブレンドするなど、当社ならではのこだわりの製法で仕上げた、高付加価値のチューハイであり、ご当地の嗜好性やグルメに合う、地域限定のチューハイとして、ラインアップの拡充を図っております。

 以上の結果、ソフトアルコール飲料全体の売上高は、34,267百万円(前期比110.2%)となりました。

(その他酒類)

 その他酒類では、合成清酒やウイスキーなどが減少しましたので売上高は、6,639百万円(前期比96.2%)となりました。

 以上の結果、酒類全体の売上高は、118,163百万円(前期比100.3%)となりました。

調味料

 調味料では、ユーザーニーズに基づいた商品や独自技術で差異化された高付加価値商品などの開発・育成に取り組んでおり、本みりんでは、当社独自の製法により、これまでにないコクとうまみで和食はもちろん、洋食や中華も手軽にしっかりとした味わいに仕上がる“タカラ「あめ色のコク」本みりん”を新発売いたしました。また、引き続き料理清酒に注力し、発酵調味料などの食品調味料の拡売にも努めました。

 以上の結果、調味料全体の売上高は、23,823百万円(前期比99.7%)となりました。

原料用アルコール等

 原料用アルコール等では、工業用アルコールや酒類の原料用アルコールなどの拡売に努めた結果、原料用アルコール等の売上高は、7,852百万円(前期比101.0%)となりました。

 以上の結果、宝酒造の売上高は149,839百万円(前期比100.3%)となりました。売上原価は89,681百万円(前期比100.5%)となり、売上総利益は60,158百万円(前期比100.0%)となりました。販売費及び一般管理費は販売促進費や人件費などの減少により54,589百万円(前期比99.1%)となり、営業利益は5,569百万円(前期比109.8%)となりました。

〔宝酒造インターナショナルグループ〕

 宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と、海外の日本食レストランや小売店に日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しており、今後もさらなる拡大が期待される世界の日本食市場の広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒である清酒や焼酎といった「和酒」のおいしさを伝えることで、日本の食文化を世界に広め、世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニーを目指して事業活動に取り組んでおります。

 宝酒造インターナショナルグループの売上高は、前連結会計年度中に連結子会社としましたMutual Trading Co.,

Inc.(米国)などの売上高が寄与して海外日本食材卸事業が増加し、海外酒類事業でもウイスキーなどが増加しましたので、70,717百万円(前期比188.4%)となりました。売上原価は49,843百万円(前期比194.4%)となり、売上総利益は20,874百万円(前期比175.4%)となりました。販売費及び一般管理費は人件費などの増加により16,480百万円(前期比189.1%)となり、営業利益は4,393百万円(前期比138.0%)となりました。

〔タカラバイオグループ〕

 タカラバイオグループでは、「バイオ産業支援事業」、「遺伝子医療事業」、「医食品バイオ事業」の3つの事業部門戦略の推進とこれを支える経営基盤を強化し、グローバルかつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的な成長を目指していくための取り組みを推進いたしました。

バイオ産業支援事業

 バイオテクノロジー関連分野の研究開発活動が基礎研究から医療分野へとますます広がりを見せるなか、タカラバイオグループでは、こうした研究開発活動を支援する製品・商品やサービスを中心に展開する当事業をコアビジネスと位置付けております。

 当連結会計年度は、理化学機器は減少いたしましたものの、研究用試薬および受託サービスで増加いたしました。

 以上の結果、バイオ産業支援事業の売上高は、29,568百万円(前期比111.3%)となりました。

遺伝子医療事業

 遺伝子医療事業では、がん等の疾患を対象とし、腫瘍溶解性ウイルスHF10や、独自技術である高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン拡大培養法、siTCR™技術を使用した、遺伝子改変T細胞療法などの遺伝子治療法の開発を進めております。

 当連結会計年度は、腫瘍溶解性ウイルスHF10に関する共同開発・独占販売契約にかかる対価料として、500百万円を受領いたしました。

 以上の結果、遺伝子医療事業の売上高は、500百万円(前期比100.0%)となりました。

医食品バイオ事業

 医食品バイオ事業では、当社グループ独自の先端バイオテクノロジーを駆使して食物の科学的根拠を明確にした機能性食品素材の開発、製造および販売を行っており、ガゴメ昆布フコイダン関連製品、寒天アガロオリゴ糖関連製品、明日葉カルコン関連製品、ボタンボウフウイソサミジン関連製品、ヤムイモヤムスゲニン関連製品およびキノコ関連製品等を中心に事業を展開しております。

 当連結会計年度は、キノコ関連製品は増加いたしましたものの、健康食品関連製品が減少いたしました。

 以上の結果、医食品バイオ事業の売上高は、2,243百万円(前期比97.5%)となりました。

 以上の結果、タカラバイオグループ全体の売上高は、新規連結子会社の寄与に加え、受託サービスが前期比で大きく上回り、32,312百万円(前期比110.0%)となりました。売上原価は売上高の増加等により13,657百万円(前期比109.9%)となり、売上総利益は18,655百万円(前期比110.0%)となりました。販売費及び一般管理費は新規連結子会社の人件費やのれん償却額等の増加により15,099百万円(前期比109.8%)となり、営業利益は3,555百万円(前期比111.0%)となりました。

〔その他〕

 その他のセグメントは当社の不動産賃貸事業や国内グループ会社の物流事業などであります。当セグメントの売上高は、タカラ長運株式会社の株式を売却したことに伴い、同社を当連結会計年度中に連結の範囲から除外したことにより、36,412百万円(前期比93.3%)となりました。売上原価は30,634百万円(前期比92.3%)となりましたので、売上総利益は5,777百万円(前期比99.1%)となりました。販売費及び一般管理費は3,458百万円(前期比94.5%)となりましたので、営業利益は2,318百万円(前期比107.0%)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は173,352百万円となり、前連結会計年度末に比べ559百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が10,318百万円減少し、有価証券が6,483百万円、商品及び製品が2,679百万円増加したことによるものであります。固定資産は113,707百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,250百万円増加いたしました。これは主にのれんが7,139百万円、無形固定資産その他が4,873百万円、投資有価証券が3,024百万円増加し、有形固定資産が1,688百万円減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は、287,059百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,691百万円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は52,712百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,794百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が3,985百万円、1年内償還予定の社債が10,000百万円減少したことによるものであります。固定負債は58,130百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,188百万円増加いたしました。これは主に社債が15,000百万円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、110,842百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,394百万円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は176,217百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,296百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益11,029百万円によるものであります。

 この結果、自己資本比率は50.6%(前連結会計年度末は49.2%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益18,903百万円、減価償却費6,430百万円、関係会社株式売却益3,312百万円、たな卸資産の増加2,520百万円、未払酒税の増加1,685百万円、法人税等の支払額6,017百万円などで16,265百万円の収入と前年同期に比べ3,439百万円の増加となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出13,993百万円、定期預金の払戻による収入12,160百万円、有価証券の取得による支出12,502百万円、有価証券の売却及び償還による収入8,736百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出6,601百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12,396百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入4,150百万円などにより19,916百万円の支出(前年同期は16,200百万円の収入)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額3,356百万円、社債の発行による収入14,887百万円、社債の償還による支出10,547百万円、自己株式の取得による支出2,001百万円、配当金の支払額2,614百万円などにより5,570百万円の支出と前年同期に比べ2,741百万円の支出増加となりました。

 以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より9,423百万円減少し、49,341百万円となりました。

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

 

品種

宝酒造

 

 

 

焼酎

54,874

94.4

 

清酒

21,996

98.0

 

ソフトアルコール飲料

34,487

109.4

 

その他酒類

4,810

95.4

 

酒類計

116,169

99.2

 

本みりん

14,050

95.9

 

その他調味料

9,838

102.4

 

調味料計

23,889

98.5

 

140,058

99.1

宝酒造インターナショナルグループ

7,178

114.1

タカラバイオグループ

14,485

115.9

報告セグメント計

161,722

101.0

その他

1,935

98.9

合計

163,657

100.9

(注)1.金額は酒税込み、消費税等抜きの販売価格によっております。

2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前年同期比については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

3.宝酒造の原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。

b.商品仕入実績

 当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

宝酒造

770

宝酒造インターナショナルグループ

45,902

タカラバイオグループ

5,715

報告セグメント計

52,388

その他

11,707

合計

64,096

(注)1.金額には消費税等は含まれておりません。

2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前連結会計年度の報告セグメントごとの商品仕入実績を変更後の区分方法により作成することは実務上困難であることから、前年同期比の数値は掲載しておりません。

c.受注実績

 受注生産はほとんど行っておりません。

d.販売実績

(a) 品種別販売実績

 当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

 

品種

宝酒造グループ

 

 

 

焼酎

55,034

95.9

 

清酒

22,222

99.3

 

ソフトアルコール飲料

34,267

110.2

 

その他酒類

6,639

96.2

 

酒類計

118,163

100.3

 

本みりん

14,063

96.9

 

その他調味料

9,760

104.0

 

調味料計

23,823

99.7

 

原料用アルコール等

7,852

101.0

 

149,839

100.3

宝酒造インターナショナルグループ

 

 

 

海外酒類

10,483

111.5

 

海外日本食材卸

62,079

214.3

 

その他

49

 

グループ内連結消去

△1,895

 

70,717

188.4

タカラバイオグループ

32,312

110.0

報告セグメント計

252,870

116.9

その他

36,412

93.3

セグメント計

289,282

113.3

事業セグメントに配分していない収益およびセグメント間取引消去

△21,140

合計

268,142

114.5

(注)1.販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。

2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前年同期比については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

3.当連結会計年度において、宝酒造インターナショナルグループの販売実績に著しい変動がありました。これは、海外日本食材卸事業において、平成28年11月に取得したMutual Trading Co., Inc.が通年寄与したことなどによるものであります。

(b) 相手先別販売実績

 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

国分グループ本社株式会社

35,610

15.2

34,540

12.9

(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、当連結会計年度より、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019(以下、「本中計」という。)」をスタートし、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は268,142百万円(前期比114.5%)となり、売上総利益は売上高の増加に伴い104,612百万円(前期比111.3%)となりました。販売費及び一般管理費では、運送費や研究開発費、管理費などが増加しましたが、営業利益は15,612百万円(前期比115.2%)となりました。営業外損益では、持分法投資損益などの営業外収益が減少し、社債発行費などの営業外費用が増加しましたが、経常利益は16,084百万円(前期比112.1%)となりました。特別損益では、特別利益に関係会社株式売却益、特別損失に減損損失などを計上したことより、親会社株主に帰属する当期純利益は11,029百万円(前期比130.0%)となりました。

 また、海外売上高比率は33.0%となりました。

 セグメント別の業績は、宝酒造では、売上高は149,839百万円(前期比100.3%)となりました。売上原価は89,681百万円(前期比100.5%)となり、売上総利益は60,158百万円(前期比100.0%)となりました。販売費及び一般管理費は54,589百万円(前期比99.1%)となり、営業利益は5,569百万円(前期比109.8%)となりました。

 宝酒造インターナショナルグループでは、売上高は70,717百万円(前期比188.4%)となりました。売上原価は49,843百万円(前期比194.4%)となり、売上総利益は20,874百万円(前期比175.4%)となりました。販売費及び一般管理費は16,480百万円(前期比189.1%)となり、営業利益は4,393百万円(前期比138.0%)となりました。

 タカラバイオグループでは、売上高は32,312百万円(前期比110.0%)となりました。売上原価は13,657百万円(前期比109.9%)となり、売上総利益は18,655百万円(前期比110.0%)となりました。販売費及び一般管理費は15,099百万円(前期比109.8%)となり、営業利益は3,555百万円(前期比111.0%)となりました。

 その他のセグメントでは、売上高は36,412百万円(前期比93.3%)となりました。売上原価は30,634百万円(前期比92.3%)となり、売上総利益は5,777百万円(前期比99.1%)となりました。販売費及び一般管理費は3,458百万円(前期比94.5%)となり、営業利益は2,318百万円(前期比107.0%)となりました。

a.経営成績に重要な影響を与える要因

 宝酒造の国内事業では、高齢化や人口減少などによる酒類総消費数量は減少傾向にあり、国内酒類業界はメーカー間の競争が激化し、厳しい経営環境にあります。

 当事業では、国内市場における和酒No.1メーカーとしての確固たるポジションを確立するため、清酒を中心に、売上高の拡大を図ります。一方で、拡大するRTD市場に向け、当社の強みを活かしたソフトアルコール飲料の商品開発に注力いたします。また、売上高の拡大に並行して、商品構成の改善により、収益力を改善したいと考えております。

 宝酒造インターナショナルグループの海外事業では、世界的に和酒・和食の人気が高まっており、今後も一層の市場拡大が見込まれますが、競争も激化してくるものと考えられます。

 当事業では、海外酒類事業においては、米国清酒市場を最重点エリアと定め、原地産に加え日本からの輸出拡大による商品ラインアップの強化等により、シェアの拡大を図ります。海外日本食材卸事業においては、事業規模のさらなる拡大に向け拠点・エリアの拡充と営業強化に注力するとともに、卸ネットワークを活かした共通購買の具体化を目指してまいります。

 タカラバイオグループのバイオ事業では、当事業のリスク要因としまして、各国政府の政策動向の変化による研究開発予算の伸び率の鈍化、また、CDMO事業においては、市場参入企業の増加に伴う競争激化などが考えられます。

 当事業では、研究開発力強化により、新製品・新サービスを継続して投入することで対処していきたいと考えております。

b.資本の財源および資金の流動性

 当社グループは、本中計の財務方針として、「健全な財務体質を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元を実施することによってROEを向上させ、適正な株価水準を実現する」ことを掲げております。

 営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび内部留保資金を、各事業セグメントの成長分野へ積極的に投資するとともに、自己株式の取得や配当を通じた適切な株主還元を行い、一方で、多様な資金調達手段を確保し金融負債を利用することにより、適切な資本、負債のバランスを維持し、財務の安全性と資本の効率性の両立を図ります。

(a) 資金の流動性

 当社グループの短期運転資金需要の主なものは、原材料、製品の購入費用および、製造・販売経費、管理費、研究開発費等ですが、これらの資金については、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの短期借入金およびコマーシャル・ペーパーによる調達資金を充当することとしております。

 当社は格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行枠を設定しているCP(コマーシャルペーパー)の格付(a-1、J-1)を両社から取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しておりません。また、当社は機動的な資金調達および流動性の補完を目的として、10,000百万円のコミットメント・ラインを設定しておりますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は49,341百万円で、前連結会計年度末より9,423百万円減少いたしましたが、十分な手元流動性は維持できているものと認識しております。

 当社は、当社の信用力を生かし外部資金を一括して調達し、タカラバイオグループを除く主要な連結子会社に必要資金を貸付けるとともに、一部の連結子会社とはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理するなど、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。

(b) 資本の源泉

 当社グループの投資支出の主なものは、生産設備や研究設備、製品倉庫等への設備投資やM&A等の無形資産への投資ですが、これらの資本の財源としては、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの長期借入金や社債の発行による調達資金を充当することとしております。

 当社は、20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A(シングルAフラット)を取得しております。

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額19,916百万円で、このうち主なものは、有形及び無形固定資産の取得による支出6,601百万円、タカラバイオグループによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12,396百万円などでした。

 翌連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額15,400百万円の支出で、14,900百万円の有形及び無形固定資産の取得を予定しております。このうち主なものは、連結子会社であるタカラバイオ株式会社の再生医療等製品の研究・製造施設建設などで、全額を同社の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。なお、その他の設備投資等につきましても当社グループ内の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。

(c) 資金の調達

 当連結会計年度において、当社は社債償還資金および子会社への運転資金の貸付けに充当するため、無担保社債15,000百万円の発行を行いました。当連結会計年度末の社債の残高は25,000百万円であります。なお、当連結会計年度末の短期借入金の残高は5,221百万円、長期借入金の残高は10,620百万円であります。

 また、キャッシュ・フロー関連の指標については、以下のとおりであります。

 

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

51.5

49.2

50.6

時価ベースの自己資本比率(%)

73.7

88.1

82.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

412.9

373.1

295.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

22.7

27.0

29.0

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

(注2)株式時価総額は、自己株式を除く期末発行済株式数をベースに算出しております。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。

(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 本中計の定量目標は以下のとおりであります。なお、本中計の初年度である当連結会計年度の営業利益が、最終年度となる平成32年3月期の計画値を達成する水準となったため、定量目標のすべての計画値を上方修正しております。

定量目標(平成32年3月期)

<宝グループ連結>

・売上高       2,950億円以上  (当初計画 2,900億円以上)

・営業利益       187億円以上  (当初計画  155億円以上)

・海外売上高比率  35%以上     (当初計画   33%以上)

 

各事業セグメントの定量目標は以下のとおりです。

<宝酒造>

足元の業績は当初計画に対して順調に推移しており、売上高、営業利益ともに計画値を据え置くこととします。

・売上高       1,600億円以上  (当初計画 1,600億円以上)

・営業利益        62億円以上  (当初計画   62億円以上)

 

<宝酒造インターナショナルグループ>

欧米の事業環境が良好で、足元の業績が当初計画を上回って推移していることから、売上高、営業利益ともに計画値を上方修正いたします。

・売上高        830億円以上  (当初計画  750億円以上)

・営業利益        52億円以上  (当初計画   43億円以上)

 

<タカラバイオグループ>

足元の業績が順調に推移していることに加え、遺伝子治療薬に関する共同開発・独占販売契約締結に伴う影響やその他の変化要因を織り込み、営業利益の計画値を上方修正いたします。

・売上高        385億円以上  (当初計画  385億円以上)

・営業利益        60億円以上  (当初計画   40億円以上)

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループは蓄積された発酵技術を基礎に、バイオテクノロジーの技術を応用し、主に宝酒造、タカラバイオグループの各部門で幅広い研究活動を展開しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は5,063百万円(セグメント間の取引消去後)であり、各セグメントにおける研究内容等は次のとおりであります。

(宝酒造)

 宝酒造においては、宝酒造㈱の蒸留技術部、醸造技術部および研究開発センターを中心に、機能や成分で差異化された付加価値の高い製品の開発を目的に、微生物の育種、原料・素材の探索、生産技術の研究開発を行っております。

 焼酎では、昨今のレモンサワーブームを活性化すべく、レモン系の香り成分を含むハーブと樽貯蔵熟成酒を原材料に用い、味わいのあるレモンサワーに最適な宝焼酎「タカラリッチ」を開発いたしました。また、本格焼酎よかいち<麦><米>では、当社グループ独自の焼酎原酒の配合を見直すことで、より飲みやすい酒質にリニューアルいたしました。

 清酒では、松竹梅「天」シリーズの新製品として、香りと旨み豊かな松竹梅「天」極上プレミアムを発売いたしました。また、松竹梅ブランドの拡大を目指し、伸長著しい山田錦パック市場向けに山田錦を100%使用した松竹梅「山田錦」<特別純米>辛口を、季節感を訴求した春季向けに限定出荷の松竹梅「うすにごり」を発売いたしました。

 ソフトアルコール関連では、選びぬいた樽貯蔵熟成酒を用いることで、“樽熟成”ならではの深いコクと、“焼酎”ならではの食事に合うすっきりとした味わいをあわせ持つ「樽熟成焼酎ハイボール」を発売いたしました。また、日本各地の素材を使用し、果実の風味を引き立てる独自素材を開発するなど、手間をかけた「ひとてま造り」製法で仕上げた「寶CRAFT」を発売いたしました。

 調味料では、家庭用商品として、あめ色加熱製法による“しっかりとしたコクとうまみ”を特長としたタカラ「あめ色のコク」本みりんを発売いたしました。また加工業務用に、クローブ由来の抗酸化成分と香気成分により畜肉原料由来の臭気をマスキングする調味料として、「味しるべマスキング-5<クローブ>」を開発いたしました。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は370百万円であります。

(タカラバイオグループ)

 タカラバイオグループにおいては、研究用試薬をはじめ、遺伝子解析、遺伝子治療、機能性食品素材ならびにキノコなど、広範囲の分野における幅広い研究開発活動を、タカラバイオ㈱のCDMセンター、バイオメディカルセンター、米国のTakara Bio USA, Inc.、中国の宝生物工程(大連)有限公司を中心に展開しております。

 バイオ産業支援事業においては、日本国内でトップシェアを有する遺伝子増幅法関連試薬などの遺伝子工学研究用試薬をはじめ、ゲノム解析、遺伝子機能解析および遺伝子検査などに関する研究開発やiPS細胞などの幹細胞および再生・細胞医療などの研究分野に向けた新製品・新サービスの研究開発を行っております。

 当連結会計年度においては、シングルセル(1細胞)解析システム「SmarTerTM ICELL8® cx」をはじめ、次世代シーケンサー向け超微量RNA解析試薬・キット、再生医療に適した安全性の高いヒト間葉系幹細胞培養用培地、免疫細胞受容体解析用試薬・キット等を開発いたしました。

 遺伝子医療事業においては、がんなどを対象にした遺伝子治療の臨床開発を進めております。

 当連結会計年度においては、腫瘍溶解性ウイルスHF10について、国内で、悪性黒色腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験および膵がんを対象とした第Ⅰ相臨床試験をそれぞれ推進しました。また、同じく国内で、NY-ESO-1・siTCRTM遺伝子治療においては滑膜肉腫を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験、CD19・CAR遺伝子治療では、急性リンパ芽球性白血病を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を進めました。

 医食品バイオ事業においては、当社グループ独自の先端バイオテクノロジーを駆使して、ガゴメ昆布フコイダン、ボタンボウフウイソサミジン、明日葉カルコン、寒天アガフィトース、ヤムイモヤムスゲニン®、きのこテルペン等の生理活性物質の探索・評価を行っており、これらの研究成果をもとに健康食品分野での事業展開を積極的に推進しております。

 当連結会計年度においては、屋久島原産ボタンボウフウ由来のイソサミジンが排尿障害改善作用を持つことをヒト試験と基礎実験においてを明らかにいたしました。

 また、上記の3事業に分類しきれない事業横断的な研究、あるいは、どの事業の研究開発の推進にもその成果が利用できる基礎的な研究も推進しております。同グループとしては、各研究開発プロジェクトの相互作用・フィードバック効果を利用して、戦略的な研究開発の推進を目指しております。

 なお、当セグメントに係る研究開発費は4,653百万円であります。