文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは『自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します。』という企業理念のもと、技術に裏付けられた安心・安全な商品やサービスを世界中にお届けするとともに、医療の進歩に貢献し、世界の人々の暮らしを豊かなものにしていくことを通じて、企業価値の向上を目指しております。
(2)経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2011年4月よりスタートした10ヵ年の長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」で目標に掲げた「国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立する」ことを目指し、その達成のための最終ステップとなる「宝グループ中期経営計画2019」に取り組んでおります。
「宝グループ中期経営計画2019」の基本方針ならびにその最終年度となる2020年3月期の業績目標とその達成に向けた事業戦略などにつきましては、以下に記載のとおりであります。
基本方針
海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を
多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長
させることができるバランスのとれた事業基盤を確立する。
定量目標
2020年3月期 宝グループ連結
・売上高 2,900億円 (2018年5月11日公表 2,950億円以上)
・営業利益 190億円 (2018年5月11日公表 187億円以上)
・海外売上高比率 36% (2018年5月11日公表 35%以上)
事業戦略
<宝酒造>
技術で差異化された商品開発と商品ラインアップの拡充により、清酒やソフトアルコール飲料を
中心に各カテゴリーの売上高を拡大するとともに、利益率を向上させ、国内の酒類・調味料市場で
和酒No.1メーカーとしての地位をさらに盤石なものとする。
<宝酒造インターナショナルグループ>
海外清酒市場における圧倒的シェアNo.1の実現と日本食材卸網の拡充による事業規模の飛躍的な拡
大を図るとともに、事業基盤の整備を進め、世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニー
に向けて地歩を固める。
<タカラバイオグループ>
「バイオ産業支援事業」、「遺伝子医療事業」に経営資源を集中するとともに、これらを支える
経営基盤を強化し、グローバル企業かつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスをさらに向上させ、
飛躍的な成長を目指す。
財務方針
健全な財務体質を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元を実施することによって
ROEを向上させ、適正な株価水準を実現する。
記載の数値目標は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を保証するものではありません。
(3)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、国内においては、輸出などに力強さが欠けるものの、雇用・所得環境の改善が続く中での個人消費の持ち直しと、成長分野への対応などを背景にした設備投資の増加により、緩やかな回復基調が続くことが見込まれます。一方、海外においては、全体としては緩やかな回復傾向が続くことが見込まれますが、通商問題の動向、金融資本市場の変動、政治情勢の不安定さなど、その先行きには不透明感が漂う状況にもあります。
このような状況の中、グループ全体の経営を統括する当社は、当社グループの企業価値の向上のため、グローバル展開の拡大に向けた経営管理機能のさらなる強化などを通じて確固たるグループ経営基盤を確立してまいります。
当社グループは、上記経営方針のもと、宝グループ中期経営計画2019の達成に向け、グループ一丸となって事業戦略等に基づく諸施策の取り組みを進めてまいります。
(4)株式会社の支配に関する基本方針について
当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(買収防衛策)の非継続(廃止)について
当社は、2007年6月28日開催の当社第96回定時株主総会における承認可決により、当社および当社グループの企業価値、ひいては、株主の皆様の共同の利益を確保し、または向上させることを目的として、当社取締役会の事前の賛同を得ずに行われる当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を導入し、以降、その内容に一部所要の変更を行ったうえで、直近では2016年6月29日開催の第105回定時株主総会の決議により、継続更新いたしました。
一方で、本プラン導入以降の当社を取り巻く経営環境の変化や買収防衛策を取り巻く近時の動向、株主・投資家の皆様の買収防衛策に対する考え方、さらに当社の買収防衛策において独立委員会を構成する独立役員の意見を踏まえ、本プランの継続の是非も含め、その在り方について慎重に検討してまいりました。
その結果、当社は、当社及び当社グループの企業価値、ひいては、株主の皆様の共同の利益の確保・向上にあたって本プランの必要性が相対的に低下したものと判断し、2019年5月14日開催の取締役会において、本プランを継続せず、廃止することを決議いたしました。
なお当社は、本プランを非継続とした後も、当社株式を大規模に買い付け、当社の経営支配権を獲得しようとする者に対しては、当社の株主の皆様が、その是非を適切に判断できるよう、必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、関係諸法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
以下において、当社グループの事業、その他においてリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、記載中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載事項は投資判断に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
(1) 消費者の嗜好及び需要動向の変化について
宝酒造の売上高の大部分は、日本国内のものであり、その市場は、消費者の嗜好の変化の影響を受けやすいものであります。同社は、消費者の嗜好の変化を捉えた商品の開発や、他社商品と差異化を図った独創的な商品の開発に注力しておりますが、消費者の嗜好の多様化が進み、消費動向の変化が加速しております。そのため、今後同社が消費者の嗜好や市場の変化を捉えた魅力的な商品を提供できない場合は、将来の成長性や収益性を低下させ、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また日本国内の人口減少や、少子化、高齢化の進行が酒類の需要の減少を招いた場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競合について
①宝酒造
日本国内の酒類・調味料市場では、商品開発やマーケティング戦略など、競合各社との競争が激化しております。同社は、独自の技術で差異化された商品の開発・育成や、ブランド力強化、流通業態の変化に対応した販売活動を行っていますが、競争力強化のためのマーケティング費用の増加を、売上高の増加やコストダウンの施策等で吸収できない場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②宝酒造インターナショナルグループ
海外酒類事業では、ウイスキー市場においては世界中に多くの強豪メーカーが存在するほか、清酒をはじめとする和酒市場においても、海外現地生産および日本生産の輸出メーカーなど多くの競合各社との競争が激化しております。また、海外日本食材卸事業においても、海外での和酒・和食市場が拡大を続けている一方で、同事業への参入障壁が低いことから競合の状況は激化しております。同社グループでは、魅力的な商品の開発・育成やブランド力の強化、流通業態の変化に対応した製造・販売活動に努めていますが、競合各社に勝る競争力を維持できない場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③タカラバイオグループ
バイオ産業支援事業においては、試薬や理化学機器の製造・販売には医療機器のような許可や承認を必要としないことから、特許等による障壁がない場合、参入は比較的容易であり、多数の競合企業が存在しております。
遺伝子医療事業においては、技術的進展により安全性が高く治療成績に優れる治療薬が開発され、海外で製造販売承認が得られはじめています。実際に大きな市場が望めるようになったことから、欧米の大手製薬会社やベンチャー企業を含め多数の企業が遺伝子治療の研究開発に取り組み始めております。
このような環境の中、同グループは、独自もしくは大学等の外部団体と協力して、技術や製品を開発し、可能な限り知的財産化することにより、独占化あるいは差異化を図っておりますが、このような開発戦略が必ずしも成功するとは限らず、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合、当社グループの製品開発や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製造に関する依存について
①宝酒造
同社の酒類製品の大部分は、伏見工場(京都市伏見区)および松戸工場(千葉県松戸市)で製造され、また同社は、必要に応じ、それらの工場における製造ラインの維持、更新を行っております。従いまして、これらの地域において大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、同社の商品の生産、供給能力が著しく低下し、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、同社の主要な原材料であるエタノールは、消防法において第4類危険物(火災発生、拡大の危険性が大きく、消火の困難性が高いなどの性状を有する引火性液体)として指定されております。
②宝酒造インターナショナルグループ
海外酒類事業において、The Tomatin Distillery Co.Ltd(英国スコットランド)でウイスキーを、またTakara Sake USA Inc.(米国カリフォルニア州)および宝酒造食品有限公司(中国北京市)で清酒やみりん等の製造・供給を行っております。従いまして、これらの地域において大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、同事業の商品の生産、供給能力が著しく低下し、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③タカラバイオグループ
タカラバイオグループでは、バイオ産業支援事業における主力の研究用試薬を、中国の子会社である宝生物工程(大連)有限公司でそのほとんどを生産しております。同グループでは生産拠点の集約により、価格競争力の強い製品の製造を実現しており、また、同グループの規模では製造拠点の分散化は得策ではないと考えておりますが、当該子会社の収益動向の変化や、何らかの理由による事業活動の停止等により、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料価格の変動について
宝酒造の原材料の調達については、調達先の国又は地域の天候や経済状況の影響を間接的に受ける可能性があります。焼酎等の原料である粗留アルコールは主に南米やアジア地域の、また清酒等の原料米は主に日本の天候、原料相場の影響を受けます。原材料の調達価格の高騰は製造コストの上昇に繋がり、また市場の状況等により販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 特有の法的規制について
①宝酒造
宝酒造は、日本国内において酒類の製造免許、販売業免許、酒税等を定める酒税法の規制を受けております。同社は酒税法に基づき、販売業免許のほか、種類別、製造場ごとに所轄税務署長の製造免許を取得しております。今後の事業展開においても酒税法の規制を受けるほか、酒税の税率の変更によって酒類の販売価格、販売動向等に影響を受ける可能性があります。
②宝酒造インターナショナルグループ
宝酒造インターナショナルグループでは、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、運輸、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があり、またコストの増加につながる可能性があります。
③タカラバイオグループ
バイオ産業支援事業における研究開発を進めるにあたっては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律や遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下、「カルタヘナ法」という。)等の関連法規の規制を受けており、同グループは当該法規制を遵守していく方針であります。また、試薬類の製造・販売および貿易にあたっては、毒物及び劇物取締法や検疫法等関連法規を遵守する必要がありますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に定める医薬品や再生医療等製品ではないことから、同法の適用および規制は受けておりません。しかしながら、研究支援産業の拡大等に伴い、将来、このような規制が強化されたり、新たな規制が導入された場合等においては、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同グループが開発中の遺伝子治療は、医薬品医療機器等法、再生医療等の安全性の確保等に関する法律、カルタヘナ法等関連法規の規制を受けており、同グループは当該法規制を遵守していく方針であります。これらの関連法規は、医薬品、再生医療等製品、医薬部外品、特定細胞加工物、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保を目的としており、商業活動のためには所轄官公庁の承認又は許可が必要になります。同グループが遺伝子医療事業で研究開発を進めている個々のプロジェクトについて、かかる許認可が得られなかった場合には、当社グループの事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。
上記のほか、当社グループは食品を扱う会社として、食品衛生法に基づいた営業施設の整備、器具・容器包装の管理やその他の製造工程および販売などの管理運営を行っております。当社グループでは、食品衛生法を遵守し、食品衛生管理には万全の注意を払っておりますが、食品衛生問題や故意の妨害も含め食品の安全問題は不可避の問題でもあり、これらに関する問題が発生した場合は、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
また、一部の商品の販売では、インターネットによる通信販売を展開しており、特定商取引に関する法律に基づいた表示規制などについても遵守する必要があります。
(6) 飲酒に対する社会的規制について
酒類は人々の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、酒類に関する伝統と文化が人々の生活に深く浸透している一方で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり、アルコール健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、その家族への深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性が高いことが指摘されております。宝酒造および宝酒造インターナショナルグループでは、これらの指摘を認識したうえで、酒類の製造、販売を行う企業として、人々の健康を維持増進し、社会的責任を果たす観点から「節度ある適度な飲酒」を普及啓発する様々な取り組みを行っておりますが、これらのアルコールに関連する諸問題が社会的に一層深刻となった場合には、酒類の製造、販売に何らかの影響、規制が及ぶ可能性があり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 研究開発活動について
タカラバイオグループにおいては、多岐にわたるバイオテクノロジー関連産業分野において広範囲にわたる研究開発活動を行っており、同グループは、競争優位性を維持していくためにも、研究開発活動を非常に重要であると考え、積極的に研究開発費を投下しております。しかしながら、研究開発活動は計画通りに進む保証はなく、特に同グループの遺伝子医療事業における臨床開発については長期間を要しますので、十分な研究開発活動の成果が適時にあがる保証はないことから、研究開発活動の遅延により、同グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在推進している研究開発活動から必ずしも期待した効果を得られる保証はなく、その結果、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権について
タカラバイオグループは、研究開発の成否がそのまま事業開発の成否につながるバイオテクノロジー関連産業において、特許その他の知的財産権の確保は非常に重要であると認識しており、競合他社を排除するため自らの技術を特許で保護しております。同グループは今後も研究開発を進めていくにあたり、特許出願を第一に考え対応していく方針でありますが、出願した特許がすべて登録されるとは限らず、また、登録特許が何らかの理由で無効となったり、期間満了等により消滅した場合には、同グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、バイオテクノロジー関連産業においては、日々研究開発競争が繰り広げられており、同グループが自らの技術を特許権により保護したとしても、同グループの研究開発を超える優れた開発力により、同グループの特許技術が淘汰される可能性は常に存在していると考えております。さらに、同グループは今後の事業展開の中で、有望な他者特許については取得又はライセンスを受ける方針でありますが、このために多大な費用が発生したり、必要な他者特許が生じてもそのライセンスが受けられない可能性があります。
(9) 投資有価証券の減損処理について
当社グループでは、時価のある有価証券を保有しておりますが、時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該期の損失とすることとなり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)固定資産の減損処理について
当社グループでは、固定資産を保有しておりますが、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産又は資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当該期の損失とすることとなり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)退職給付債務について
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、あるいは年金資産運用で利回りが悪化した場合には当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)事業・資本提携について
当社グループは、成長戦略の一環として、主に海外の他社との事業・資本提携を推進しています。しかしながら、提携先および出資先を取り巻く事業環境の変化等の影響により、提携先および出資先の事業、経営および財務状況の悪化等が生じた場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、出資に伴い、「のれん」の償却が多額に発生した場合、あるいは出資先の業績不振等により多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)海外展開について
当社グループは、北米、欧州、中国を中心とするアジア、豪州などにおいても、生産、販売等の事業活動を展開しております。これらの国又は地域で、経済状況、政治、社会体制等が著しく変化したり、地震等の自然災害の発生によって需要の減少や生産施設における操業の中断などを引き起こした場合や、移転価格税制等の国際税務問題による影響を受けた場合は、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)為替レートの変動について
当社グループが事業を展開する日本国外の各地域における売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、為替予約取引など為替ヘッジ取引を行い、為替レートの短期的な変動による影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的には為替変動により計画的な調達および販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)製造物責任について
当社グループが開発、製造する全ての商品について製造物責任賠償のリスクが内在しています。特に、酒類、食品、医薬品、医療機器などについては、製造、販売、臨床試験において瑕疵が発見され、健康障害等を引き起こしたりした場合には製造物責任を負う可能性があります。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストが発生するうえに、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)情報の管理について
当社グループは、販促キャンペーンや通信販売等により、多数の個人情報を保持しており、個人情報の管理に関しては、管理体制の構築、責任者の設置、従業員に対する継続的な研修会の実施等、個人情報の漏洩を防ぐための万全の努力をしております。しかしながら、予期し得ない事象により、個人情報に限らず社内情報の紛失、漏洩、改ざんなどのリスクがあり、このような事態が発生した場合には、当社グループへの信頼の低下等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(17)訴訟について
当社グループでは、事業の遂行にあたり各種法令および規制等に違反しないようコンプライアンス活動を強化するなど最善の努力をしております。しかしながら、国内外において事業活動を遂行していくうえで、当社グループおよびその従業員が法令等に対する違反の有無にかかわらず、製造物責任法や知的財産権、発明対価請求などの問題において訴訟提起される可能性を抱えています。万が一当社グループが訴訟を提起された場合、また不利な判決結果が生じた場合は、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費は力強さに欠けるものの、企業収益や雇用環境の改善を背景に、経済全体は緩やかな回復基調が続いております。また、海外においても、同様に緩やかな回復傾向が続いておりますが、中国経済の持ち直しの動きに足踏みがみられていることや、米中間の通商問題の動向などもあり、世界経済は依然として先行きが不透明な状況です。
このような経済状況のもと、当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高277,443百万円(前期比103.5%)、売上総利益108,749百万円(前期比104.0%)、営業利益17,804百万円(前期比114.0%)、経常利益18,359百万円(前期比114.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益10,411百万円(前期比94.4%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
〔宝酒造〕
国内の人口減少や高齢化の影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、今後も厳しい事業環境が続くと思われます。
このような環境のもと、宝酒造では、技術で差異化された商品の開発を継続するとともに、多様化する消費者ニーズにスピーディーかつタイムリーに対応するために商品開発体制を強化し、ラインアップの拡充を行うことで酒類・調味料の各カテゴリーにおける競争力を高めることに注力しております。また、高付加価値商品の売上構成比を高めることで利益率の向上を図りながら、食品メーカーとして安心・安全な商品を提供すべく原材料等の安全性確保と品質管理体制の強化にも取り組んでおります。
当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。
酒類
(焼酎)
焼酎では、甲類焼酎については、樽貯蔵熟成酒を活かして「宝焼酎」ブランドの活性化に取り組みました。また、東京の料飲店を起点としたレモンサワーブームは拡大を続けておりますが、最近では、特にこだわりのレモンサワーが人気となっており、家庭でつくるこだわりのレモンサワーのベース焼酎として最適な“こだわりのレモンサワー用<宝焼酎>”を発売いたしました。本格焼酎では、“全量芋焼酎「一刻者」<白>”や“全量芋焼酎「一刻者」<樽貯蔵>”を発売するなど一刻者ブランドの活性化に努めました。
しかしながら、市場の減少の影響を受け、焼酎全体の売上高は、53,382百万円(前期比97.5%)となりました。
(清酒)
清酒では、家庭向けには“松竹梅「天」”、業務用ルートでは“松竹梅「豪快」”の拡売に努めました。「澪」では、口に広がる爽やかな酸味とクリアな後味が特長の“松竹梅白壁蔵「澪」<BRUT辛口>スパークリング清酒”を業務用ルート先行で、また、昨年に引き続き“松竹梅白壁蔵「澪」<GOLD>スパークリング清酒”を期間数量限定で、それぞれ発売いたしました。さらに、吟醸酒や純米酒などの特定名称酒の拡売に努めました。
しかしながら、市場の減少の影響を受け、清酒全体の売上高は、21,394百万円(前期比96.3%)となりました。
(ソフトアルコール飲料)
ソフトアルコール飲料では、基幹ブランドと位置付けております辛口チューハイ“タカラ「焼酎ハイボール」”の拡売に最注力いたしました。樽貯蔵熟成酒のおいしさを活かしたこだわりのレモンサワーの「極上レモンサワー」では、“寶「極上レモンサワー」<つけ込み塩レモン>”や“寶「極上レモンサワー」<しょうがレモン>”などを発売いたしました。また、「寶CRAFT」は、日本各地のご当地素材を使用し、ベースアルコールに樽貯蔵熟成酒をブレンドするなど、当社ならではのこだわりの製法で仕上げた高付加価値のチューハイであり、ご当地の嗜好性やグルメに合う地域限定のチューハイとして、引き続きラインアップの拡充を図っております。
以上の結果、ソフトアルコール飲料全体の売上高は、38,777百万円(前期比112.3%)となりました。
(その他酒類)
その他酒類では、ウイスキーは増加しましたが、合成清酒や中国酒などが減少しましたので売上高は、6,482百万円(前期比97.6%)となりました。
以上の結果、酒類全体の売上高は、120,037百万円(前期比101.6%)となりました。
調味料
調味料では、ユーザーニーズに基づいた商品や独自技術で差異化された高付加価値商品などの開発・育成に取り組んでおり、本みりんでは、9種類以上の糖と18種類のアミノ酸による調理効果の訴求を強化すべく、パッケージデザインのリニューアルを行いました。また、引き続き料理清酒に注力し、発酵調味料などの食品調味料の拡売にも努めましたが、調味料全体の売上高は、23,583百万円(前期比99.0%)となりました。
原料用アルコール等
原料用アルコール等では、工業用アルコールや酒類の原料用アルコールなどの拡売に努めた結果、原料用アルコール等の売上高は、8,836百万円(前期比112.5%)となりました。
以上の結果、宝酒造の売上高は、152,457百万円(前期比101.7%)となりました。売上原価は、91,441百万円(前期比102.0%)となり、売上総利益は、61,015百万円(前期比101.4%)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費や販売促進費などの増加により55,067百万円(前期比100.9%)となり、営業利益は、5,948百万円(前期比106.8%)となりました。
〔宝酒造インターナショナルグループ〕
宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と海外の日本食レストランや小売店に日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しており、今後もさらなる拡大が期待される世界の日本食市場の広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒である清酒や焼酎といった「和酒」のおいしさを伝えることで、日本の食文化を世界に広め、世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニーを目指して事業活動に取り組んでおります。
宝酒造インターナショナルグループの売上高は、Mutual Trading Co.,Inc.(米国)やFOODEX S.A.S.(仏国)などの海外日本食材卸事業が好調に推移し、海外酒類事業でもウイスキーなどが増加しましたので、77,834百万円(前期比110.1%)となりました。売上原価は、54,823百万円(前期比110.0%)となり、売上総利益は、23,010百万円(前期比110.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や運送費などの増加により18,478百万円(前期比112.1%)となり、営業利益は、4,532百万円(前期比103.2%)となりました。
〔タカラバイオグループ〕
タカラバイオグループでは、「バイオ産業支援事業」、「遺伝子医療事業」、「医食品バイオ事業」の3つの事業部門戦略の推進とこれを支える経営基盤を強化し、グローバル企業かつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的な成長を目指していくための取り組みを推進いたしました。
バイオ産業支援事業
バイオテクノロジー関連分野の研究開発活動がますます広がりを見せるなか、タカラバイオグループでは、こうした研究開発活動を支援する製品・商品やサービスを中心に展開する当事業をコアビジネスと位置付けております。
当連結会計年度は、理化学機器は減少いたしましたが、主力の研究用試薬および受託サービスは増加いたしました。
以上の結果、バイオ産業支援事業の売上高は、31,575百万円(前期比106.8%)となりました。
遺伝子医療事業
遺伝子医療事業では、がん等の疾患を対象とし、腫瘍溶解性ウイルスcanerpaturev(略称C-REV、旧称HF10)や、独自技術である高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン拡大培養法、siTCR®技術を使用した、遺伝子改変T細胞療法等の遺伝子治療の臨床開発を進めております。
当連結会計年度は、日本におけるNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療薬およびCD19・CAR遺伝子治療薬に関する共同開発・独占販売契約にかかる対価料および本契約にもとづく治験製品等の売上高を計上いたしました。
以上の結果、遺伝子医療事業の売上高は、2,443百万円(前期比488.6%)となりました。
医食品バイオ事業
医食品バイオ事業では、タカラバイオグループ独自の先端バイオテクノロジーを駆使して食物の科学的根拠を明確にした機能性食品素材の開発、製造および販売を行い、ガゴメ昆布フコイダン関連製品、寒天アガロオリゴ糖関連製品、明日葉カルコン関連製品、ボタンボウフウイソサミジン関連製品、ヤムイモヤムスゲニン関連製品およびキノコ関連製品等を中心に事業を展開いたしました。
当連結会計年度は、健康食品関連製品およびキノコ関連製品がいずれも減少いたしました。
以上の結果、医食品バイオ事業の売上高は、1,822百万円(前期比81.2%)となりました。
なお、当事業のうち健康食品にかかる事業は、2019年1月1日を効力発生日として、会社分割(吸収分割)の方法によりシオノギヘルスケア株式会社へ承継し、キノコにかかる事業は、2019年3月1日を効力発生日として、株式会社雪国まいたけへ事業譲渡いたしました。これにより、医食品バイオ事業は終了いたしました。
以上の結果、タカラバイオグループの売上高は、35,841百万円(前期比110.9%)となりました。売上原価は、15,155百万円(前期比111.0%)となり、売上総利益は、20,685百万円(前期比110.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加により15,221百万円(前期比100.8%)となり、営業利益は、5,463百万円(前期比153.7%)となりました。
〔その他〕
その他のセグメントは、当社の不動産賃貸事業や国内グループ会社の物流事業などであります。当セグメントの売上高は、前連結会計年度中にタカラ長運株式会社の株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、32,742百万円(前期比89.9%)となりました。売上原価は、27,851百万円(前期比90.9%)となり、売上総利益は、4,891百万円(前期比84.7%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,936百万円(前期比84.9%)となり、営業利益は、1,954百万円(前期比84.3%)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は175,011百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,943百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,661百万円、受取手形及び売掛金が1,693百万円、商品及び製品が2,620百万円それぞれ増加し、有価証券が3,632百万円減少したことによるものであります。固定資産は112,094百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,119百万円減少いたしました。これは主にのれんの減少などにより無形固定資産が2,355百万円、投資有価証券が2,464百万円それぞれ減少し、建設仮勘定の増加により有形固定資産が3,091百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、287,106百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,824百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は57,822百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,110百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が固定負債からの振替などにより4,739百万円増加したことによるものであります。固定負債は49,489百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,862百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が5,204百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、107,311百万円となり、前連結会計年度末に比べ752百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は179,795百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,577百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益10,411百万円および剰余金の配当3,194百万円により利益剰余金が7,217百万円増加し、その他有価証券評価差額金が1,705百万円、為替換算調整勘定が2,841百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は、51.6%(前連結会計年度末は51.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益17,658百万円、減価償却費6,490百万円、売上債権の増加2,900百万円、たな卸資産の増加5,060百万円、法人税等の支払額6,586百万円などで13,508百万円の収入と前年同期に比べ2,757百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出15,310百万円、定期預金の払戻による収入14,846百万円、有価証券の取得による支出11,467百万円、有価証券の売却及び償還による収入12,528百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出10,671百万円などにより9,213百万円の支出と前年同期に比べ10,703百万円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額3,191百万円などにより4,243百万円の支出と前年同期に比べ1,327百万円の支出減少となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より760百万円減少し、48,580百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
|
品種 |
||
|
宝酒造 |
|
|
|
|
|
焼酎 |
54,918 |
100.1 |
|
|
清酒 |
21,528 |
97.9 |
|
|
ソフトアルコール飲料 |
39,405 |
114.3 |
|
|
その他酒類 |
4,642 |
96.5 |
|
|
酒類計 |
120,494 |
103.7 |
|
|
本みりん |
14,049 |
100.0 |
|
|
その他調味料 |
9,937 |
101.0 |
|
|
調味料計 |
23,987 |
100.4 |
|
|
計 |
144,482 |
103.2 |
|
宝酒造インターナショナルグループ |
7,374 |
102.7 |
|
|
タカラバイオグループ |
16,159 |
111.6 |
|
|
報告セグメント計 |
168,016 |
103.9 |
|
|
その他 |
1,906 |
98.5 |
|
|
合計 |
169,923 |
103.8 |
|
(注)1.金額は酒税込み、消費税等抜きの販売価格によっております。
2.宝酒造の原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
宝酒造 |
798 |
103.7 |
|
宝酒造インターナショナルグループ |
50,072 |
109.1 |
|
タカラバイオグループ |
5,267 |
92.2 |
|
報告セグメント計 |
56,138 |
107.2 |
|
その他 |
10,922 |
93.3 |
|
合計 |
67,061 |
104.6 |
(注)金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
受注生産はほとんど行っておりません。
d.販売実績
(a) 品種別販売実績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
|
品種 |
||
|
宝酒造 |
|
|
|
|
|
焼酎 |
53,382 |
97.5 |
|
|
清酒 |
21,394 |
96.3 |
|
|
ソフトアルコール飲料 |
38,777 |
112.3 |
|
|
その他酒類 |
6,482 |
97.6 |
|
|
酒類計 |
120,037 |
101.6 |
|
|
本みりん |
13,869 |
98.6 |
|
|
その他調味料 |
9,714 |
99.5 |
|
|
調味料計 |
23,583 |
99.0 |
|
|
原料用アルコール等 |
8,836 |
112.5 |
|
|
計 |
152,457 |
101.7 |
|
宝酒造インターナショナルグループ |
|
|
|
|
|
海外酒類 |
10,758 |
102.6 |
|
|
海外日本食材卸 |
68,954 |
111.1 |
|
|
その他 |
62 |
126.5 |
|
|
グループ内連結消去 |
△1,940 |
- |
|
|
計 |
77,834 |
110.1 |
|
タカラバイオグループ |
35,841 |
110.9 |
|
|
報告セグメント計 |
266,132 |
105.2 |
|
|
その他 |
32,742 |
89.9 |
|
|
セグメント計 |
298,875 |
103.3 |
|
|
事業セグメントに配分していない収益およびセグメント間取引消去 |
△21,431 |
- |
|
|
合計 |
277,443 |
103.5 |
|
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(b) 相手先別販売実績
主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
国分グループ本社株式会社 |
34,540 |
12.9 |
33,620 |
12.1 |
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019(以下、「本中計」という。)」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は277,443百万円(前期比103.5%)となり、売上総利益は売上高の増加に伴い108,749百万円(前期比104.0%)となりました。販売費及び一般管理費では、運送費や人件費などが増加しましたが、営業利益は17,804百万円(前期比114.0%)となりました。営業外損益では、受取利息や受取配当金などの増加により営業外収益が増加し、支払利息などの減少により営業外費用が減少しましたので、経常利益は18,359百万円(前期比114.1%)となりました。特別損益では、特別利益は、固定資産売却益や事業譲渡益の計上がありましたが、前連結会計年度に連結子会社であったタカラ長運株式会社の株式の売却により計上した関係会社株式売却益がなくなったことから減少し、特別損失に減損損失や災害による損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は10,411百万円(前期比94.4%)となりました。
また、海外売上高比率は35%となりました。
セグメント別の経営成績等は、宝酒造では、売上高は152,457百万円(前期比101.7%)となりました。売上原価は、91,441百万円(前期比102.0%)となり、売上総利益は、61,015百万円(前期比101.4%)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費や販売促進費の増加により55,067百万円(前期比100.9%)となり、営業利益は、5,948百万円(前期比106.8%)となりました。
宝酒造インターナショナルグループでは、売上高は、77,834百万円(前期比110.1%)となりました。売上原価は、54,823百万円(前期比110.0%)となり、売上総利益は、23,010百万円(前期比110.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費や人件費などの増加により18,478百万円(前期比112.1%)となり、営業利益は、4,532百万円(前期比103.2%)となりました。
タカラバイオグループでは、売上高は、35,841百万円(前期比110.9%)となりました。売上原価は、15,155百万円(前期比111.0%)となり、売上総利益は、20,685百万円(前期比110.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加により15,221百万円(前期比100.8%)となり、営業利益は、5,463百万円(前期比153.7%)となりました。
その他のセグメントでは、売上高は、前連結会計年度中にタカラ長運株式会社の株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、32,742百万円(前期比89.9%)となりました。売上原価は、27,851百万円(前期比90.9%)となり、売上総利益は、4,891百万円(前期比84.7%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,936百万円(前期比84.9%)となり、営業利益は、1,954百万円(前期比84.3%)となりました。
a.経営成績に重要な影響を与える要因
宝酒造の国内事業では、人口減少や高齢化の影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、国内酒類業界はメーカー間の競争が激化し、厳しい経営環境にあります。
当事業では、清酒、焼酎、調味料の各カテゴリーで、技術で差異化された商品開発に引き続き注力し、市場シェアをさらに高めることで、和酒No.1の確固たるポジションを盤石化するとともに、和酒トップメーカーとして、国内和酒市場の活性化を図ってまいります。また、RTD市場において、缶チューハイのパイオニアとして、樽貯蔵熟成酒等の強みを活かしたブランドの育成と積極的な新商品の投入により、独自のポジションを構築いたします。
宝酒造インターナショナルグループの海外事業では、世界的に和酒・和食の人気が高まっており、今後も一層の市場拡大が見込まれますが、競合各社との競争が激化しております。
当事業では、海外酒類事業においては、清酒を中心に、米国・中国での現地生産による”地の利”を活かした商品展開と、海外専用商品の開発・育成による輸出強化に取り組んでまいります。海外日本食材卸事業においては、未進出エリアへの新規拠点進出や既存拠点の拡充により、さらなる卸ネットワークの拡大を図り、売上拡大とともに物流効率化によりコスト抑制に努めてまいります。
タカラバイオグループのバイオ事業では、当事業のリスク要因としまして、各国政府の政策動向の変化による研究開発予算の伸び率の鈍化、また、CDMO事業においては、市場参入企業の増加に伴う競争激化などが考えられます。
当事業では、研究開発力強化により、顧客ニーズに対応した新製品・新サービスを継続して投入することで対処していきたいと考えております。
なお、その他にも「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載する要因が考えられます。
b.資本の財源および資金の流動性
当社グループは、本中計の財務方針として、「健全な財務体質を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元を実施することによってROEを向上させ、適正な株価水準を実現する」ことを掲げております。
営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび内部留保資金を、各事業セグメントの成長分野へ積極的に投資するとともに、自己株式の取得や配当を通じた適切な株主還元を行い、一方で、多様な資金調達手段を確保し金融負債を利用することにより、適切な資本、負債のバランスを維持し、財務の安全性と資本の効率性の両立を図ります。
(a) 資金の流動性
当社グループの短期運転資金需要の主なものは、原材料、製品の購入費用および、製造・販売経費、管理費、研究開発費等ですが、これらの資金については、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの短期借入金およびコマーシャル・ペーパーによる調達資金を充当することとしております。
当社は格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行枠を設定しているCP(コマーシャルペーパー)の格付(a-1、J-1)を両社から取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しておりません。また、当社は機動的な資金調達および流動性の補完を目的として、10,000百万円のコミットメント・ラインを設定しておりますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は48,580百万円で、前連結会計年度末より760百万円減少いたしましたが、十分な手元流動性は維持できているものと認識しております。
当社は、当社の信用力を生かし外部資金を一括して調達し、タカラバイオグループを除く主要な連結子会社に必要資金を貸付けるとともに、一部の連結子会社とはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理するなど、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。
(b) 資本の源泉
当社グループの投資支出の主なものは、生産設備や研究設備、製品倉庫等への設備投資やM&A等の投資ですが、これらの資本の財源としては、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの長期借入金や社債の発行による調達資金を充当することとしております。
当社は、20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A(シングルAフラット)を取得しております。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額9,213百万円で、このうち主なものは、有形及び無形固定資産の取得による支出10,671百万円などでした。
翌連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額15,920百万円の支出で、15,670百万円の有形及び無形固定資産の取得を予定しております。このうち主なものは、連結子会社であるタカラバイオ株式会社の再生医療等製品の研究・製造施設建設などで、その全額を同社の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。なお、宝酒造株式会社の酒類製造設備増強をはじめ、その他の設備投資等につきましても当社グループ内の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。
(c) 資金の調達
当連結会計年度は特記すべき資金調達は行っておりません。
当連結会計年度末の社債の残高は25,000百万円、短期借入金の残高は9,960百万円、長期借入金の残高は5,415百万円であります。
また、キャッシュ・フロー関連の指標については、以下のとおりであります。
|
|
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
49.2 |
51.0 |
51.6 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
88.1 |
82.9 |
91.0 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
373.1 |
295.0 |
351.4 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
27.0 |
29.0 |
34.1 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く期末発行済株式数をベースに算出しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度に係る「自己資本比率」、「時価ベースの自己資本比率」については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、本中計の定量目標は以下のとおりであります。
なお、2018年5月11日に公表しております本中計最終年度の定量目標に対しては、事業ポートフォリオの見直しにより一部事業を譲渡した影響等のため、売上高は未達となる見込みですが、営業利益はこの影響を吸収し、海外売上高比率とともに目標を上回る見通しです。
定量目標(2020年3月期)
<宝グループ連結>
・売上高 2,900億円 (2018年5月11日公表 2,950億円以上)
・営業利益 190億円 (2018年5月11日公表 187億円以上)
・海外売上高比率 36% (2018年5月11日公表 35%以上)
各事業セグメントの定量目標は以下のとおりです。
<宝酒造>
売上高に関しては、市況の厳しさもあり目標に対して若干の未達となる見通しですが、営業利益については、各カテゴリーで利益率の高い商品を拡大することで、目標を達成する計画です。
・売上高 1,590億円 (2018年5月11日公表 1,600億円以上)
・営業利益 62億円 (2018年5月11日公表 62億円以上)
<宝酒造インターナショナルグループ>
売上高に関しては計画通りですが、原材料価格の高騰といったコストアップ要因により、営業利益は定量目標を2億円下回る計画といたします。
・売上高 834億円 (2018年5月11日公表 830億円以上)
・営業利益 50億円 (2018年5月11日公表 52億円以上)
<タカラバイオグループ>
当連結会計年度に健康食品事業とキノコ事業を譲渡した影響などにより、売上高は計画値を下回るものの、CDMO事業の拡大と、海外での事業展開の加速により、営業利益は目標を2億円上回る計画といたします。
・売上高 360億円 (2018年5月11日公表 385億円以上)
・営業利益 62億円 (2018年5月11日公表 60億円以上)
該当事項はありません。
当社グループは蓄積された発酵技術を基礎に、バイオテクノロジーの技術を応用し、主に宝酒造、タカラバイオグループの各部門で幅広い研究活動を展開しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
(宝酒造)
当セグメントにおいては、宝酒造㈱の蒸留技術部、醸造技術部および研究開発センターを中心に、機能や成分で差異化された付加価値の高い製品の開発を目的に、微生物の育種、原料・素材の探索、生産技術の研究開発を行っております。
焼酎では、香りが高くすっきりとした味わいを実現する独自の製法を開発し、食事に合う本格麦焼酎「ひゅうが晴」を発売いたしました。また、芋焼酎では当社の持つ“樽貯蔵熟成技術”で新たな価値を付与した全量芋焼酎「一刻者」<樽貯蔵>を発売いたしました。
清酒では、松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒シリーズの新製品として、「澪」<BRUT辛口>を業務用ルート先行で、また、鮮やかなロゼ色を特長とした「澪」<ROSE>を春季限定商品として発売いたしました。伸長する特定名称酒市場においては、特定名称酒を家庭で日常酒として楽しむ新提案として500ml紙パック入り松竹梅<純米大吟醸>等3製品を発売いたしました。
ソフトアルコール関連では、全国に拡大するレモンサワーブームを背景に、「寶 極上レモンサワー」チューハイを発売いたしました。当社独自の“樽貯蔵熟成酒”とレモンの香気成分を引き立てる“レモンサワー用焼酎”と、更にレモン果実から香気成分や旨味成分を抽出した“レモンエキス”等を使用することで、本格的な果実感と飲みごたえを両立させた製品を発売いたしました。また、地域限定商品として各地で展開している「寶CRAFT」チューハイシリーズのラインアップを拡充いたしました。各地のご当地素材と、樽貯蔵熟成酒等を使うことにより、素材の特長や地域性を活かした商品を発売いたしました。
調味料では、家庭用商品として、容器の利便性などが好評の500mlらくらく調節ボトル「タカラ料理のための清酒」・「タカラ本みりん 国産米100%」の2製品について、“米麹”の力で調理効果を高めた品質リニューアルを行いました。また、加工業務用に、酒粕をペースト状に処理し利便性・品質安定性に優れた酒粕調味料「酒粕風味」シリーズ2製品を発売いたしました。
なお、当セグメントに係る研究開発費は
(タカラバイオグループ)
当セグメントにおいては、研究用試薬をはじめ、理化学機器、受託サービスのメニュー開発、遺伝子治療などの臨床開発など、広範囲の分野における幅広い研究開発活動を、日本のタカラバイオ㈱、米国のTakara Bio USA, Inc.を中心に展開しております。
バイオ産業支援事業では、日本国内でトップシェアを有する遺伝子増幅法関連試薬等の遺伝子工学研究用試薬をはじめ、ゲノム解析、遺伝子機能解析および遺伝子検査等に関する研究開発やiPS細胞等の幹細胞および再生・細胞医療等の研究分野に向けた新製品や受託サービスに関連する新技術の研究開発を行っております。
当連結会計年度においては、シングルセル(1細胞)由来の超微量DNAなどを次世代シーケンサーで解析するための研究用試薬、ウイルスの迅速検出に適したリアルタイムPCR試薬、ヒトiPS細胞専用血管内皮細胞分化誘導キット等を開発いたしました。
遺伝子医療事業では、がん等を対象にした遺伝子治療の臨床開発を進めております。
当連結会計年度においては、腫瘍溶解性ウイルスC-REVについて、国内で、悪性黒色腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験および膵臓がんを対象とした第Ⅰ相臨床試験をそれぞれ推進いたしました。このうち悪性黒色腫に関しては、国内製造販売承認を厚生労働省に申請しました。また、同じく国内で、NY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療においては滑膜肉腫を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験、CD19・CAR遺伝子治療では、急性リンパ芽球性白血病を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を進めました。
また、上記の2事業に分類しきれない事業横断的な研究、あるいは、どの事業の研究開発の推進にもその成果が利用できる基礎的な研究も推進しております。同グループとしては、各研究開発プロジェクトの相互作用・フィードバック効果を利用して、戦略的な研究開発の推進を目指しております。
なお、当セグメントに係る研究開発費は