当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用情勢に改善の動きが見られ緩やかな景気回復基調にあるものの、中国経済の減速などの景気下振れリスクの懸念等もあり、先行きが不透明な状況で推移いたしました。
酒類業界におきましても、消費の二極化・複層化が進む中、企業間の販売競争が激化しており、原材料価格の高騰や物流コストの大幅な上昇により、厳しい経営環境となっております。
このような環境において、当社グループはグループ企業理念の下、発酵技術等を核とする「バイオテクノロジー」をベースとした事業を展開してまいりました。その中で、お客様に「安心」・「安全」をお届けすることを第一に考え、普遍の概念である「顧客志向」と「収益志向」を追求しております。さらに「将来価値の共創」を通じて、経営品質の向上、ひいてはグループ企業価値の最大化を図ることを経営の基本として事業活動に取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、82,325百万円(前期比2.2%減)となりました。利益面では、物流コストが上昇したものの、エネルギーコストの低減やマーケティング費用の減少などにより、営業利益は1,619百万円(前期比22.4%増)、経常利益は1,422百万円(前期比10.2%増)となりました。また、当期純利益は237百万円(前期比293.3%増)となりました。なお、平成27年3月をもってバイオエタノールの生産は終了しております。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
<酒類事業>
酒類事業については、消費者の嗜好の変化や多様化に対応すべく商品の拡充と販売促進活動を行いましたが、市場の停滞や販売競争の激化の影響により、酒類事業合計の売上高は73,424百万円(前期比2.3%減)となりました。利益面につきましては、売上高の減少や物流コストの上昇があったものの、エネルギーコストの低減やマーケティング費用の減少などにより、営業利益は342百万円(前期は240百万円の営業損失)となりました。
和酒部門のうち焼酎においては、本格焼酎の「博多の華」シリーズ、「黒海渡(くろかいと)」、甲類乙類混和焼酎の「すごむぎ」「すごいも」が前年に引続き好調に推移したものの、甲類乙類混和焼酎の「麦盛り」シリーズの減少が影響し、焼酎の売上高は減少しております。乙類焼酎では秋田県の名産“きりたんぽ”で仕込んだ「きりたんぽ焼酎」を数量限定販売し、地域の魅力を発信するとともに個性的な焼酎を好まれるお客様のニーズにもお応えしております。また、甲類焼酎では北海道売上No.1焼酎「ビッグマン」シリーズの「ビッグマン 20%」を北海道限定でデザインを一新し、より一層地元北海道色を強くした焼酎としてリニューアルしております。
チューハイ、カクテル等の低アルコール飲料においては、国産素材にこだわったチューハイ「NIPPON PREMIUM」シリーズが好調に推移いたしました。
清酒においては、しっかりとした味わいながらもお手頃な価格で楽しめる「蔵人の譽(ほまれ)」シリーズが好調に推移いたしました。また、山梨県産の辛口清酒「甲斐の酒 超辛口」や3,000mlサイズの「富久娘 辛口パック」等を新発売いたしました。しかしながら、競争激化による減少が続いております。
洋酒部門においては、「鍛高譚(たんたかたん)のあっさり梅酒」パウチ入りや「透明な鍛高譚の梅酒」、「グランブルー シークヮーサー」を新発売いたしましたが、前年を僅かに下回る売上高となりました。
その他の部門については、飲食店の売上高が増加しております。
<加工用澱粉事業>
加工用澱粉事業については、シリアル食品用コーングリッツが減少したものの、ビール用コーングリッツ等が増加したことにより、売上高は4,091百万円(前期比0.8%増)となりました。しかしながら、売上原価の増加により34百万円の営業損失(前期は40百万円の営業利益)となりました。
なお、当セグメントにおいては、平成27年10月7日付「当社連結子会社における不適切な会計処理について」でご報告いたしましたとおり、当連結会計年度において、当該不適切な会計処理による影響額(前期に係る影響額は90百万円)を売上原価で一括して処理しております。
<酵素医薬品事業>
酵素医薬品事業については、酵素における乳糖分解酵素(ラクターゼ)が乳製品の甘味やなめらかさを向上させる効果も評価され好調に推移いたしました。しかしながら、原薬、診断薬が減少したため、売上高は3,972百万円(前期比1.7%減)、営業利益は1,040百万円(前期比29.2%減)となりました。
<不動産事業>
不動産事業については、賃貸借契約の減少があったため、売上高は347百万円(前期比19.7%減)となり、営業利益は239百万円(前期比6.7%減)となりました。
<バイオエタノール事業>
バイオエタノール事業については、売上高は467百万円(前期比4.8%増)、営業利益は22百万円(前期は214百万円の営業損失)となりました。
なお、平成27年3月をもってバイオエタノールの生産は終了しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,662百万円となり、前連結会計年度末と比較して69百万円の減少となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローにおける資金の増加額は、3,991百万円(前期比1,654百万円増)となりました。これは主に減価償却費1,805百万円、売上債権の減少額1,376百万円、たな卸資産の減少額1,050百万円等を計上したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、地方自治体からの補助金による収入293百万円等があったものの、固定資産の取得による支出2,052百万円等がありましたので、1,900百万円(前期比994百万円減)の資金減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加額3,200百万円があったものの、長期借入金の返済による支出4,880百万円、配当金の支払額440百万円等がありましたので、2,160百万円(前期比559百万円減)の資金減少となりました。
生産実績をセグメント別アイテム(主要製品)別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | アイテム(主要製品) | 当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) | 前期比 | |
酒類 | 焼酎 | 101,058 | (KL) | 99.2 |
| チューハイ | 47,046 | (KL) | 100.2 |
| 清酒 | 20,934 | (KL) | 95.9 |
| 合成清酒 | 17,029 | (KL) | 92.8 |
| アルコール | 85,234 | (KL) | 98.6 |
| みりん | 2,484 | (KL) | 95.5 |
| 洋酒 | 8,468 | (KL) | 98.8 |
| その他 | 5,472 | (KL) | 104.2 |
| 計 | 287,725 | (KL) | 98.6 |
加工用澱粉 | 加工用澱粉 | 62,521 | (T) | 94.1 |
バイオエタノール | バイオエタノール | 3,278 | (KL) | 94.9 |
| エタノール蒸留粕 | 1,058 | (T) | 108.2 |
(注) 酵素医薬品事業については数量等の算定が困難であるため、記載しておりません。また、アルコールについては、他の酒類原料用も含んだ総生産数量であります。なお、不動産事業、その他の事業については生産実績がないため、記載しておりません。
受注生産は行っておりません。
販売実績をセグメント別アイテム(主要製品)別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | アイテム(主要製品) | 当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) (百万円) | 前期比 (%) | |
酒類 | 和酒 | 焼酎 | 39,979 | 97.7 |
|
| チューハイ | 7,871 | 98.6 |
|
| 清酒 | 6,513 | 94.8 |
|
| 合成清酒 | 3,584 | 94.3 |
|
| 販売用アルコール | 6,654 | 100.3 |
|
| みりん | 551 | 96.4 |
|
| 65,154 | 97.5 | |
| 洋酒 | 7,062 | 98.0 | |
| その他 | 1,207 | 103.7 | |
|
| 73,424 | 97.7 | |
加工用澱粉 | 4,091 | 100.8 | ||
酵素医薬品 | 3,972 | 98.3 | ||
不動産 | 347 | 80.3 | ||
バイオエタノール | 467 | 104.8 | ||
その他 | 21 | 69.8 | ||
合 計 | 82,325 | 97.8 | ||
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績については、いずれの当該販売実績も、総販売実績に対する割合が100分の10に満たないため、記載しておりません。
(1) 中長期的な経営戦略
当社グループは、「自然の恵みを活かし、バイオ技術をベースに、人々に食の楽しさと健やかなくらしを提供します。」というグループ企業理念の下、酒類や酵素医薬品等の分野において、発酵技術を核とする「バイオテクノロジー」をベースとした事業を展開しております。
その中において、当社グループは、お客様に「安心」・「安全」をお届けすることを第一に考え、グループの普遍概念である「顧客志向」・「収益志向」に則り事業活動を行い、併せて「将来価値の共創」に資する取組みを進め、経営品質の向上、ひいてはグループの持続的成長及び中長期的な企業価値最大化を目指しております。
当社は、新しい指針として創立100周年を迎える2024年に向けたグループの中長期戦略を描く「長期ビジョン100」を策定いたしました。
「長期ビジョン100」は、企業理念に基づくグループの使命・将来像を描いた7つの指針とこれを実現するに当たっての最重要課題である5本の柱で構成されております。
<7つの指針>
① 顧客重視の経営
② 収益重視の経営
③ 株主重視の経営
④ グループ全体最適化
⑤ 経営監督機能の強化
⑥ 強固な財務体質の確立
⑦ 社会的良識を意識した経営
<5つの柱>
① 焼酎への集中
② アルコール販売の拡大
③ 生産改革
④ 酵素医薬品事業の新展開
⑤ CRE戦略
(2) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者とは、当社グループの財務、事業の内容及び当社の企業価値を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。
当社株式について大規模な買付けがなされる場合であっても、これが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、特定の者の大規模な買付けに応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものだと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付けの中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるものなど、被買収会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社としては、そのような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、そのような者による大規模な買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
ア.当社の企業価値向上に向けた取組み
当社は、創立100周年を迎える2024年に向けてグループの中長期戦略を描く「長期ビジョン100」を策定いたしました。「長期ビジョン100」の具体的な内容につきましては、上記(1)をご参照ください。
また、「長期ビジョン100」の実現に向け、第1ステップとして、2020年度を最終年度とする「中期経営計画2020」を併せて策定いたしました。
「中期経営計画2020」における定量目標は次のとおりです。
<定量目標>
売上高 1,000億円
経常利益 50億円
売上高経常利益率 5%
1株当たりの配当金 10円
ROE 10%
当社は、かかる「長期ビジョン100」及び「中期経営計画2020」を着実に実行していくことが、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上に繋がるものと考えております。
イ.コーポレートガバナンスに関する取組み
当社は、「長期ビジョン100」において経営監督機能の強化を指針の一つとして掲げ、独立社外取締役の監督機能を活かしたコーポレート・ガバナンス体制の強化を進めております。
コーポレート・ガバナンスの具体的な内容につきましては、「第4 提出会社の状況 6コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
ウ.不適切な支配防止のための取組み
当社は、平成25年3月22日開催の当社定時株主総会における株主の皆様のご承認を受け、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる大規模な当社株式の買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます。)がなされたときに、かかる行為を行う者(以下、「大規模買付者」といいます。)に対応するため、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下「本大規模買付ルール」といいます。)を更新しております。
本大規模買付ルールは、株主の皆様をはじめとしたステークホルダーが適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、当社取締役会が代替案を提示し、必要に応じて大規模買付者と交渉をする等の対応が可能となる時間・機会を確保することにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。本大規模買付ルールの具体的な内容につきましては、当社ウェブサイト(http://www.oenon.jp/)をご参照ください。
当社取締役会が、大規模買付行為の内容を評価・検討し、大規模買付者との協議・交渉の結果、一定の対抗措置をとることが相当であると判断した場合には、評価期間の開始又は終了の有無を問わず、新株予約権の発行等、会社法その他法令及び当社の定款が取締役会の権限として認める対抗措置をとることがあります。
本大規模買付ルールは、以下のように合理性が担保されており、上記基本方針に沿うものであります。
ⅰ.本大規模買付ルールは、買収防衛策に関する指針及び法令・判例等の要件等を踏まえた内容であります。
ⅱ.本大規模買付ルールは、株主共同の利益を確保・向上させるという目的をもって導入されております。
ⅲ.本大規模買付ルールは、株主総会の承認可決を条件として更新されたものであること、対抗措置の実施について株主の皆様の意思を確認させていただく場合もあること及び有効期間は3年間とするサンセット条項が付されており、かつ有効期間満了前であっても株主総会において廃止することが可能であることから、本大規模買付ルール存続の適否には株主の皆様のご意向が確認され、反映されることとなっております。
ⅳ.取締役会の恣意的判断を排除し、本大規模買付ルールの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として独立委員会を設置しております。また、同委員会の判断の概要については、情報開示することとし、本大規模買付ルールの透明な運営が行われる仕組みを確保しております。
ⅴ.対抗措置は、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
ⅵ.デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではなく、株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によっても本大規模買付ルールを廃止することが可能であります。
③ 基本方針の実現に資する取組みについての当社取締役の判断及びその判断に係る理由
上記②基本方針の実現に資する取組みは、いずれも、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し向上を目的とするものであります。その結果として、当社の企業価値及び株主の共同の利益を著しく損なう大量買付者が現れる危険性を低減するものとなり、上記①株式会社の支配に関する基本方針に沿うものであると考えます。
また、当該取組みは、当社の企業価値を向上させるものであることから、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社取締役の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えます。
(ご参考)
当社は、平成19年3月29日開催の第100回定時株主総会において、大規模買付行為の是非について株主の皆様をはじめとしたステークホルダーが適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、当社取締役会が代替案を提示し、必要に応じて大規模買付者と交渉をする等の対応が可能となる時間・機会を確保することにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、当社株式の大量取得行為に関する対応方針を導入し、その後の定時株主総会において二度に渡り、継続導入を株主の皆様にご承認いただいておりました。
この間、当社は、企業理念の下、酒類や酵素医薬品の分野において、普遍概念「顧客志向」「収益志向」を両軸として、「将来価値の共創」に向けた取組みを実行してまいりました。また、今般、当社は、オエノンホールディングス創立100周年を迎える2024年に向けて「長期ビジョン100」及びその実現に向けた第1ステップとして「中期経営計画2020」を策定し、当社グループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に向けた取組みを進めております。
このような状況において、当社は、平成28年3月に有効期間の満了を迎える本大規模買付ルールの取扱いについて、慎重に検討を重ねてまいりました。
その結果、本大規模買付ルールの導入時と比較すると、当社を取り巻く経営環境等が変化しており、当社グループの企業価値の向上を更に進めていくうえで、本大規模買付ルールの継続の意義が、金融商品取引法による大量買付行為に関する規制の整備が浸透していることにも鑑みると相対的に低下してきているものと判断いたしました。
このような状況を踏まえ、当社は、平成28年2月25日開催の当社取締役会において、平成28年3月23日開催の第109回定時株主総会終結の時をもって、本大規模買付ルールを継続しない(廃止する)ことを決議いたしました。
なお、当社は、本大規模買付ルールの有無に関わらず、今後とも中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上にグループをあげて取り組んでまいります。また、当社は本大規模買付ルール終了後も、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
(1) 酒類事業を取り巻く環境について
① 酒類業界について
酒類業界は嗜好の変化の影響を受けやすい業界であり、低価格化、健康志向など嗜好の変化がアルコール飲料全体の販売動向にも影響を与えており、少子高齢化による総需要の減少や飲酒運転の社会問題化を含め、業界環境が激しく変化しております。
この市場環境の変化等が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
② 酒税法による規制について
当社グループが営む酒類事業は、酒類の製造免許、販売業免許、酒税等について定める酒税法の規制を受けており、今後の事業展開において酒税法の規制を受ける他、酒税の税率の変更によって酒類の販売価格、販売動向等が影響を受ける可能性があります。
③ 原材料価格の変動について
当社グループの使用する主要な原材料(粗留アルコール、重油等)にはその価格が、調達先の国または地域の天候や経済状況の影響を間接的に受け、変動するものがあります。それら主要原材料の価格が高騰した場合には製造コストが上昇し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
④ 食品の安心・安全について
当社グループは「食の安心・安全」をお客様にご提供するため、生産・品質管理には充分な配慮を行っており、トレーサビリティーを含めた品質保証への取組みを強化しております。また、酒税法等法令上定められている記帳義務、表示義務を遵守する姿勢の確立への取組みを強化しております。しかしながら、当社グループとしての予期し得ない品質問題及び製品表示問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響する可能性があります。
(2) グループ戦略について
① 最近事業年度における子会社の取得について
当社は平成12年1月にワイン等の輸入及び販売を行う山信商事株式会社の全株式を取得し、また平成13年1月には森永製菓株式会社から福徳長酒類株式会社の発行済株式の80.0%を取得し(平成27年12月末における保有比率は100.0%)、各々連結対象子会社といたしました。これに関連し、福徳長酒類株式会社の子会社である秋田県醗酵工業株式会社を連結対象子会社(平成17年4月福徳長酒類株式会社の会社分割により同社を当社の直接子会社とする)といたしました。また、平成15年7月には旭化成株式会社から富久娘酒造株式会社の全株式を取得し、連結対象子会社といたしました。さらに、平成19年3月には北の誉酒造株式会社の発行済株式の79.1%を取得し(平成27年12月末における保有比率は100.0%)、連結対象子会社といたしました。これに関連し、北の誉酒造株式会社の子会社である越の華酒造株式会社を連結対象子会社といたしました。なお、平成28年1月1日をもって北の誉酒造株式会社は合同酒精株式会社と合同酒精株式会社を存続会社とする合併を行っております。
<連結>
回次 | 第105期 | 第106期 | 第107期 | 第108期 | 第109期 | |
決算年月 | 平成23年12月 | 平成24年12月 | 平成25年12月 | 平成26年12月 | 平成27年12月 | |
売上高 | (百万円) | 83,361 | 85,367 | 85,799 | 84,186 | 82,325 |
経常利益 | (百万円) | 2,486 | 2,772 | 2,425 | 1,290 | 1,422 |
当期純利益 | (百万円) | 929 | 1,251 | 1,128 | 60 | 237 |
純資産額 | (百万円) | 20,134 | 20,474 | 21,301 | 20,841 | 20,869 |
総資産額 | (百万円) | 60,819 | 59,827 | 59,600 | 60,165 | 57,297 |
② 子会社取得等のグループ戦略について
当社は、積極的な事業拡大を図る手段の一つとして、当社グループにおいて有効かつ効率的に経営資源を活用できる企業などの株式を取得し、子会社としてまいりました。また、グループ経営の一層の効率化を図るため、当社の子会社間の合併を行うなど、グループ内組織再編を実施してまいりました。
当面、当社では新たな子会社取得等は計画しておらず、現在のグループ構成において各機能の強化等によるグループ全体のトータルコストリダクションなどを進める方針であります。ただし、中長期的にはグループ全体の方針に基づき子会社取得も視野に入れて事業拡大を進める方針であり、今後の子会社取得等については、環境変化その他の要因により一時的または追加的に損失等が生じる可能性があり、また、当社の期待する効果が十分に得られない可能性もあります。
(3) 酵素医薬品事業について
当社グループの酵素医薬品事業においては、酵素、原薬、診断薬、生産支援ビジネス(受託事業)の4つの分野で事業を展開し、酵素・原薬等の生産能力増強に加え、新たな酵素等の開発を進める方針であります。
なお、各製品の需要動向や特性における他社製品との競合激化等により、想定している当社グループの酵素医薬品事業の販売動向等が影響を受ける可能性があります。
(4) 為替レートの変動について
当社グループは、商品・原材料の一部を外貨建てにて輸入しているため、為替レート変動に対するリスクを為替予約等のヘッジ取引により一定限度まで低減しておりますが、短期及び中長期の予測を超えた為替変動が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(5) 自然災害による影響について
当社グループは保有する施設及び工場などにおいて、災害・事故へ対応するための体制作りを強化し、生産のバックアップ機能を含めた体制の確立を行っております。しかし、想定範囲を超えた自然災害等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(6) 訴訟について
当社グループは法令遵守を基本としたコンプライアンス活動の推進により、従業員の法令違反等の低減努力を実施しています。しかしながら、当社グループ及びその従業員が法令等に対する違反の有無に関わらず製造物責任法、特許法等に関する問題において訴訟を提起される可能性があります。当社グループが訴訟を提起された場合、また不利な判決結果が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(7) 情報管理について
当社グループは経営に関する重要情報をはじめとし、多数の個人に関する機密情報を保有しております。これらの情報管理については規程等を整備するとともに、従業員に対する情報管理の徹底とシステム上のセキュリティー対策を整えております。しかしながら、コンピュータウイルスなど予測の範囲を超える事態により、情報の消失・流出などの問題が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(8) 金融市場の動向について
当社グループは、金利変動に対するリスクを金利スワップ等のヘッジ取引により一定限度まで低減しておりますが、資金調達時の金融市場の動向により、短期及び中長期の予測を超えた金利変動が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(9)知的財産・製造物責任(PL)について
当社グループでは知的財産の重要性を認識し、その保護に努めておりますが、適切に保護できなかったり他社の保有する知的財産権により当社の生産活動に影響が生じる場合、または、当社グループの製品の欠陥に起因して製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化しこれを保険により補填できない事態が生じた場合には、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(10)産業事故災害について
当社グループの工場において、万一大きな産業事故災害が発生した場合には、補償等を含む産業事故災害への対策費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償、さらに社会的信用の失墜等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(11)たな卸資産の収益性の低下による簿価切下げについて
平成20年4月1日以後開始する事業年度より「棚卸資産の評価に関する会計基準」が適用され、通常の販売目的で保有するたな卸資産は取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末において正味売却価額が取得原価より下落している場合には収益性が低下していると判断し、当該正味売却価額まで貸借対照表価額を切下げ、取得原価と当該正味売却価額の差額は当期の費用として処理することとなりました。このため当社グループのたな卸資産につき、原材料購入価格の上昇、製造固定費の増加、生産量の減少、製品販売価格の下落などが生じ、その結果正味売却価額が取得原価を下回るため収益性が低下していると判断された場合には、当該たな卸資産の簿価切下げがなされ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(12)固定資産の減損について
当社グループは平成18年度から「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、今後、遊休土地の時価が更に低下したり事業環境が大幅に悪化するなどの場合には、追加的な減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(13)退職給付債務について
当社グループの一部の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される割引率や退職率、昇給率等の前提条件と年金資産の期待運用収益率等に基づき計算されており、年金資産の運用利回り悪化、割引率の低下等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社は、平成27年7月30日開催の取締役会において、当社の連結子会社である合同酒精株式会社と北の誉酒造株式会社の合併を決議いたしました。
(1) 合併の目的
当社グループの酒類事業において、両社の経営を統合することにより、更なる効率的なグループ経営を図ることを目的として、以下に記載のとおり合併を行うことといたしました。
(2) 合併の要旨
ア 合併期日(効力発生日) 平成28年1月1日
イ 合併方式 本合併は、合同酒精株式会社を存続会社とする吸収合併方式で、北の誉酒造株式
会社は効力発生日をもって解散いたします。
ウ 合併に係る割当の内容 本合併は、当社の100%子会社間の合併のため、この合併による株式及び金銭等、
その他一切の対価の交付はありません。
当連結会計年度の研究開発費は476百万円であります。
セグメント別の主な研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1) 酒類事業
当連結会計年度の研究開発費は165百万円であります。
オエノン酒類基礎研究所では、各事業会社技術部門と連携して、清酒、焼酎など、「和酒」に関する研究を行っております。とくに、お客様のニーズに合った品質の製品をお手頃な価格で提供することを目指して、さらなるコストダウン及び品質向上を実現するために、大量生産に向く液化仕込み技術をベースとした検討を進めております。
具体的なテーマとしては、
① 経済酒のコストダウン
② 液化仕込み清酒の品質向上
③ 液化仕込みに関わる技術開発
を目的に、引き続き原酒の精製に関わる技術開発、オフフレーバーの生成予測と抑制法の検討、酵母の育種改良等に取り組み、得られた知見を各事業会社に適宜、開示・提案しております。
分析につきましては、味覚センサーによる酒類の香味の客観的な評価や、におい嗅ぎ装置とガスクロマトグラフ質量分析計を活用した原料・製品中のオフフレーバーや不純物の同定などの技術力向上に努めております。これらの分析技術は、新商品開発や品質保証、原材料の評価にも活用しております。
これらの活動を通し、「当社グループのシーズ」と「お客様のニーズ」を融合し、「顧客起点の発想」に立った商品開発につなげてまいります。
(2) 酵素医薬品事業
当連結会計年度の研究開発費は310百万円であります。
長年に渡り培ってきた発酵バイオ技術をコア・コンピタンスとして、「健康」と「環境」をテーマに酵素、原薬、診断薬、生産支援ビジネス(受託事業)の4つの分野で事業展開しております。
主力商品の乳糖分解酵素「ラクターゼ」は、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするいわゆる乳糖不耐症の方向けの乳製品での使用を中心に、世界トップクラスのシェアを保持しております。近年は、付加価値を高めた機能性乳製品への利用が国内外共に増えており、お客様のニーズに応えた製品品質を提供すべく、関連する酵素も含めて鋭意研究に取り組んでおります。その他の酵素としては、澱粉糖製造用酵素「イソアミラーゼ」や組織培養用酵素「ディスパーゼ」などを上市しております。いずれもユニークな性質を有する酵素であり、性能及び品質のさらなる向上に資する研究を行い、販売を拡大していきたいと考えております。また、遺伝子組換え技術を積極的に活用した、機能性の高い酵素の研究開発にも力を入れております。
原薬分野では、変化の激しいジェネリック医薬品市場に柔軟に対応すべく、既存原薬の改良研究を進めております。また、当社の基幹技術である発酵バイオ技術を最大限活用すべく、次なる原薬候補の検討も進めております。
診断薬分野では、主力である便潜血検査試薬(大腸がん検査)の品質向上に加えて、検査システム全体としてお客様の利便性を高める観点から、周辺試薬の改良研究に取り組んでおります。
(3) バイオエタノール事業
平成21年に苫小牧工場バイオエタノール技術実証プラントの稼働を開始し、平成24年度からは「バイオ燃料生産拠点確立事業」への取組みを行ってきましたが、平成27年3月をもって生産を終了し、各種課題解決に向けたデータ取り及び報告書のとりまとめを行いました。
なお、当該費用については国庫補助金の交付を受けております。
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度の売上高は、82,325百万円と前連結会計年度に比べて1,861百万円(2.2%)の減少となりました。酒類事業では、1,754百万円(2.3%)の減少、加工用澱粉事業では、32百万円(0.8%)の増加、酵素医薬品事業では、66百万円(1.7%)の減少、不動産事業では、85百万円(19.7%)の減少、バイオエタノール事業では、21百万円(4.8%)の増加、その他の事業では9百万円(30.2%)の減少となりました。
なお、各事業部門の状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)セグメント別の概況」に記載しております。
②売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、67,434百万円と前連結会計年度に比べて2,120百万円(3.0%)の減少となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は81.9%と前連結会計年度に比ベ0.7ポイント減少しました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、13,270百万円と前連結会計年度に比べて37百万円(0.3%)の減少となりました。また、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は16.1%と前連結会計年度に比べて0.3ポイント上昇しました。主な要因としては運送費・保管費の増加によるものであります。
③営業利益
当連結会計年度の営業利益は、1,619百万円と前連結会計年度に比べて296百万円(22.4%)の増加となりました。また、売上高に対する営業利益の比率は2.0%と前連結会計年度に比ベ0.4ポイント上昇しました。
④営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、153百万円と前連結会計年度に比べて27百万円(15.1%)の減少となり、営業外費用は350百万円と前連結会計年度に比べて136百万円(64.1%)の増加となりました。
営業外費用の増加は、主にバイオエタノール事業の廃止に伴う操業休止等経費によるものであります。
⑤特別損益
当連結会計年度の特別利益は、29百万円と前連結会計年度に比べて18百万円(181.3%)の増加となり、特別損失は580百万円と前連結会計年度に比べて131百万円(18.5%)の減少となりました。
特別損失については、前連結会計年度はバイオエタノールに係る事業再編損失を計上し、当連結会計年度は酒類事業の再編に係る事業再編損失を計上しております。
⑥当期純利益
当連結会計年度の当期純利益は、237百万円と前連結会計年度に比べて177百万円(293.3%)の増加となりました。
(3) 財政状態の分析
当連結会計年度の総資産につきましては、57,297百万円となり、前連結会計年度末と比較し2,867百万円の減少となりました。これは主に投資有価証券の時価評価による増加があったものの、売上債権の減少と棚卸資産の減少によるものであります。
負債につきましては、36,428百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,895百万円の減少となりました。これは主に借入金の返済による減少と未払消費税等の減少によるものであります。
純資産につきましては、20,869百万円となり、前連結会計年度末と比較して28百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の減少等があったものの、その他有価証券評価差額金と退職給付に係る調整累計額が増加したことによるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析
①キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
| 平成25年12月期 | 平成26年12月期 | 平成27年12月期 |
自己資本比率(%) | 32.0 | 30.9 | 32.7 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 25.7 | 22.5 | 24.5 |
キャッシュ・フロー対有利子負債率(年) | 3.2 | 4.8 | 2.4 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 18.4 | 12.3 | 23.5 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
②資金調達
当社グループは設備投資計画等に基づき、必要な資金を主に銀行借入により調達しております。一時的な余資は、預金等の流動性の高い金融資産に限定して運用し、また、短期的な運転資金を銀行等金融機関からの借入により調達しております。