第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外社会情勢の緊迫化による不確実性や金融資本市場の変動などのリスクがあるものの、企業業績や雇用情勢の改善を背景に個人消費が持ち直しつつあります。日経平均株価も高い水準にあり、さらなる景気回復が期待される状況で推移いたしました。
 このような経営環境の下、当社グループは「長期ビジョン100」の実現に向けた「中期経営計画2020」を策定し、当社グループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に向けた取組みを進めてまいりました。

 

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、78,739百万円(前期比0.6%減)となりました。利益面では、営業利益は1,853百万円(前期比10.9%減)、経常利益は1,906百万円(前期比1.3%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,263百万円(前期比106.8%増)となりました。

 

セグメント別の概況は以下のとおりであります。

 

<酒類事業>
 酒類事業については、国内の人口減少や少子高齢化により市場の伸張が期待しにくく、企業間の販売競争も激化しております。また、6月に施行された改正酒税法による消費活動への影響も懸念されております。このような環境の下、消費者の嗜好の変化や多様化に対応すべく商品の拡充を行いましたが、売上高は70,450百万円(前期比1.3%減)となりました。利益面につきましては、211百万円の営業利益(前期比70.8%減)となりました。
 和酒部門のうち焼酎においては、本格焼酎の「博多の華」シリーズ、甲類焼酎の「北海道ビッグマン」シリーズ、甲類乙類混和焼酎の「すごむぎ」「すごいも」などが好調に推移し、売上高は前年並みとなりました。発売25周年を迎えたしそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」では、ブランドの認知拡大に向けた施策として、WEB動画による動画広告の公開のほか、音楽ロックフェスティバルへの販売ブースの出店を行いました。また、炭酸割り試飲缶「全力しっそー」を配布し、飲み方を訴求するサンプリングイベントでは、大きな反響をいただきました。発売35周年を迎えた本格焼酎の「博多の華 むぎ」シリーズでは、消費者キャンペーンを実施するなど、積極的に販売促進活動を展開いたしました。

  チューハイ、カクテル等の低アルコール飲料においては、全国のご当地素材を使用したチューハイ「NIPPON PREMIUM」シリーズが好調に推移いたしましたが、PB商品の減少により売上高は減少いたしました。5月に発売した北海道限定の「ビッグマンなまらチューハイ」は、地域におけるブランドの高さを活かした展開を進めております。
 清酒においては、市場の低迷が続いておりますが、純米吟醸酒でありながらお手頃な価格を実現した「福徳長 米だけのす~っと飲めてやさしいお酒 純米吟醸酒」パックが好調に推移しております。
 アルコールについては、甲類焼酎等に使用される酒類原料用アルコールが増加したため、売上高は増加いたしました。
 これらの結果、和酒部門の売上高は前期に比べ減少しました。
 洋酒部門においては、輸入ワインの売上高は減少したものの、「ウイスキー 香薫(こうくん)」やPB商品のウイスキー等が好調に推移したことにより、売上高は増加いたしました。
 その他、日本初の本格的ワイン醸造場として開設し、来年で115年目を迎えるシャトーカミヤの名称を「牛久シャトー」に変更いたしました。茨城県牛久市を代表するランドマークとしての役割を担い、地域への貢献活動、文化的活動をさらに発展させ、地元に根付いた事業を展開してまいります。

 

<加工用澱粉事業>
 加工用澱粉事業については、シリアル食品用の販売数量が増加したものの、ビール用グリッツなどが減少したため、売上高は3,772百万円(前期比5.3%減)、営業利益は241百万円(前期比31.5%減)となりました。

 

<酵素医薬品事業>
 酵素医薬品事業については、酵素部門における海外での販売が好調に推移したこと、国内の生産支援ビジネスが増加したことなどにより、売上高は4,162百万円(前期比18.2%増)、営業利益は1,155百万円(前期比50.3%増)となりました。

 

<不動産事業>
 不動産事業については、売上高は334百万円(前期比1.6%増)、営業利益は234百万円(前期比2.9%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,329百万円となり、前連結会計年度末と比較して554百万円の減少となりました。
 営業活動によるキャッシュ・フローにおける資金の増加額は、3,122百万円(前期比101百万円減)となりました。これは主に売上債権の増加額662百万円等がありましたものの、未払酒税の増加額457百万円のほか、減価償却費1,560百万円等を計上したことによるものであります。
 投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出1,932百万円等がありましたので、1,973百万円(前期比1,438百万円減)の資金減少となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローについては、長期借入金の返済による支出810百万円、配当金の支払額434百万円等がありましたので、1,703百万円(前期比765百万円増)の資金減少となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

生産実績をセグメント別アイテム(主要製品)別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

アイテム(主要製品)

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

  至 平成29年12月31日)

前期比
(%)

酒類

焼酎

99,816

(KL)

99.4

 

チューハイ

39,307

(KL)

94.5

 

清酒

16,757

(KL)

87.5

 

合成清酒

14,300

(KL)

93.2

 

アルコール

91,319

(KL)

102.7

 

みりん

2,255

(KL)

94.7

 

洋酒

8,909

(KL)

105.9

 

その他

4,830

(KL)

87.0

 

277,494

(KL)

98.5

加工用澱粉

加工用澱粉

65,677

(T)

102.9

 

(注) 酵素医薬品事業については数量等の算定が困難であるため、記載しておりません。また、アルコールについては、他の酒類原料用も含んだ総生産数量であります。なお、不動産事業、その他の事業については生産実績がないため、記載しておりません。

 

(2) 受注状況

受注生産は行っておりません。

 

(3) 販売実績

販売実績をセグメント別アイテム(主要製品)別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

アイテム(主要製品)

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

 至 平成29年12月31日)

(百万円)

前期比

(%)

酒類

和酒

焼酎

39,631

100.5

 

 

チューハイ

6,517

91.3

 

 

清酒

5,431

91.9

 

 

合成清酒

3,001

93.9

 

 

販売用アルコール

7,526

102.1

 

 

みりん

480

93.4

 

 

62,588

98.5

 

洋酒

6,648

101.3

 

その他

1,213

97.6

 

 

70,450

98.7

加工用澱粉

3,772

94.7

酵素医薬品

4,162

118.2

不動産

334

101.6

その他

20

95.9

合  計

78,739

99.4

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績については、いずれの当該販売実績も、総販売実績に対する割合が100分の10に満たないため、記載しておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 中長期的な経営戦略

 今後のわが国の経済は、海外経済の緩やかな成長の下で、緩和的な金融環境と政府の経済対策による下支え等を背景に、景気の拡大が続くと予想されます。設備投資につきましては、緩和的な金融環境や成長期待の高まり、オリンピック関連投資の本格化、人手不足に対応した省力化投資等から、増加を続けるものと思われます。個人消費につきましても、雇用・所得環境の改善がなされ、緩やかな増加傾向を続けるものと期待されます。
 酒類業界におきましては、人口減少・少子高齢化による市場の縮小や消費の二極化・複層化が進み、企業間の販売競争が益々激化し、当社グループを取り巻く経営環境は厳しさを増すと考えられます。
 このような厳しい経営環境の下、当社グループは、創立100周年を迎える2024年に向けた中長期戦略である「長期ビジョン100」の実現、その第一ステップとなる「中期経営計画2020」の達成に資するグループ経営方針を掲げ、引き続き当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の最大化を目指してまいります。

「長期ビジョン100」は、企業理念に基づくグループの使命・将来像を描いた7つの指針と、これを実現するにあたっての最重要課題である5本の柱で構成されております。

<7つの指針>

① 顧客重視の経営

② 収益重視の経営

③ 株主重視の経営

④ グループ全体最適化

⑤ 経営監督機能の強化

⑥ 強固な財務体質の確立

⑦ 社会的良識を意識した経営

<5本の柱>

① 焼酎事業に集中
・焼酎に経営資源を集中
・焼酎事業の拡大

② アルコール事業販売の拡大
・販売シェアNo.2を目指す
・アルコール増産に向けた設備投資
・新分野への積極的な販路拡大

③ 生産改革
・東西の生産物流拠点確立を目的としたグループ工場再編

④ 酵素医薬品事業の新展開
・新たな取組み(新たなラクターゼを上市、発酵技術を活かした生産支援ビジネス)
・酵素医薬品事業の拡大

⑤ CRE戦略
・銀座ビルの「不動産価値」活用
・遊休不動産の活用

 

「中期経営計画2020」における定量目標は次のとおりです。

<定量目標>

 売上高          1,000億円

 経常利益           50億円

 売上高経常利益率       5%

 1株当たりの配当金      10円

 ROE            10%

 

当社グループは、「中期経営計画2020」の目標達成に向け、グループ経営方針を定め、その実践に取り組んでまいります。主要事業である酒類事業及び酵素医薬品事業についての経営方針の主な内容は以下のとおりです。

 

<酒類事業>

酒類事業におきましては、改正酒税法を遵守した、新たな収益構造の構築と売上高の拡大により、利益の最大化を実現してまいります。また、「どこでも買える身近な商品」の創出に向けた営業活動、商品開発を実践してまいります。

甲類焼酎につきましては、その魅力を伝えるべく、家飲み市場における手作りチューハイ需要を喚起し、手軽に、自分好みで、自由に作れる「家庭用チューハイ」を訴求してまいります。

発売から25周年を迎えた「鍛高譚」につきましては、クオリティアップを目指して、鍛高譚の魅力である「香り」を見直し、唯一無二の香りと美味しさをお客様に共感していただける商品づくりにまい進してまいります。また、発売から35周年を迎えた「博多の華 むぎ」につきましては、麦焼酎の主力ブランドとして、ブランド・エクステンション展開により、従来の価格志向に加え、価値志向の両端からブランドの相乗効果を活かしてまいります。

 また、効率的なグループ経営を図るため、平成30年1月より、清酒事業を主力としていた富久娘酒造株式会社をチューハイ製造受託を主軸とした事業体制に転換し、「オエノンプロダクトサポート株式会社」へ商号変更いたしました。なお、歴史ある清酒「富久娘」ブランドは福徳長酒類株式会社へ移管し、清酒事業の一層の集約化並びに合理化を進め、新たな展開を図ってまいります
 アルコール事業におきましては、合同酒精清水工場で最新の省エネ技術である自己熱再生技術の導入によるアルコール蒸留設備の増強を計画しております。

 

<酵素医薬品事業>

主力のラクターゼにつきましては、絶え間ないコスト削減活動を続け、海外市場における価格競争力を高めてまいります。また、上市した新商品につきましては、シェア拡大を目指し、コスト削減により市場浸透を進め、売上拡大を図ってまいります。

 生産支援ビジネスにつきましては、委託先のニーズを迅速に捉え、対応力と高い品質管理体制により信頼獲得に努め、安定収益を確保するセグメントに育成してまいります。
 

 また、当社グループは、コンプライアンスの徹底など、「よき企業市民として誰のためにどう役立つのか」を考え、企業の社会的責任を果たし、社会との長期的な信頼関係の構築に努めてまいります。コンプライスにつきましては、意図的であるかないかに関わらず、不適切な行為を許容しない企業風土を醸成してまいります。社員一人ひとりがコンプライアンスを身近な問題として捉え、上司はよい聞き手となり、部下の業務に対するコンプライアンス・リスクを共有し、何でも話し合える風通しの良い職場づくりを進めてまいります。また、法令違反等の未然防止及び早期発見のため、内部通報制度が有効に活用される環境を整備してまいります。

 

(2) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

① 株式会社の支配に関する基本方針

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者とは、当社グループの財務、事業の内容及び当社の企業価値を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。

当社株式について大規模な買付けがなされる場合であっても、これが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、特定の者の大規模な買付けに応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものだと考えております。

しかしながら、株式の大規模な買付けの中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるものなど、被買収会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 

当社としては、そのような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、そのような者による大規模な買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

 

② 基本方針の実現に資する取組み

ア.当社の企業価値向上に向けた取組み

当社は、企業理念の下、酒類や酵素医薬品の分野において、普遍概念「顧客志向」「収益志向」を両軸として、「将来価値の共創」に向けた取組みを実行してまいりました。また、今般、当社は、オエノンホールディングス創立100周年を迎える2024年に向けて「長期ビジョン100」及びその実現に向けた第1ステップとして「中期経営計画2020」を策定し、当社グループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に向けた取組みを進めております。

当社は、かかる「長期ビジョン100」及び「中期経営計画2020」を着実に実行していくことが、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上に繋がるものと考えております。

イ.コーポレート・ガバナンスに関する取組み

当社は、「長期ビジョン100」において経営監督機能の強化を指針の一つとして掲げ、独立社外取締役の監督機能を活かしたコーポレート・ガバナンス体制の強化を進めております。
 コーポレート・ガバナンスの具体的な内容につきましては、「第4 提出会社の状況 6コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

ウ.不適切な支配防止のための取組み

当社は、当社を取り巻く経営環境等の変化、金融商品取引法による大量買付行為に関する規制の整備の浸透状況などを鑑み、大規模買付ルールの取り扱いについて慎重に検討を重ねた結果、平成28年3月23日の第109回定時株主総会終結の時をもって、大規模買付ルールを継続しない(廃止する)こととさせていただきました。

なお、当社は、本大規模買付ルールの有無に関わらず、今後とも中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上にグループをあげて取り組んでまいります。また、当社は本大規模買付ルール終了後も、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。

 

③ 基本方針の実現に資する取組みについての当社取締役会の判断及びその判断に係る理由

上記②基本方針の実現に資する取組みは、いずれも、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上を目的とするものであります。その結果として、当社の企業価値及び株主の共同の利益を著しく損なう大量買付者が現れる危険性を低減するものとなり、上記①株式会社の支配に関する基本方針に沿うものであると考えます。

また、当該取組みは、当社の企業価値を向上させるものであることから、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社取締役の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えます。

 

 

4 【事業等のリスク】

(1) 酒類事業を取り巻く環境について

① 酒類業界について

酒類業界は嗜好の変化の影響を受けやすい業界であり、低価格化、健康志向など嗜好の変化がアルコール飲料全体の販売動向にも影響を与えており、少子高齢化による総需要の減少や飲酒運転の社会問題化を含め、業界環境が激しく変化しております。
 この市場環境の変化等が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

② 酒税法による規制について

当社グループが営む酒類事業は、酒類の製造免許、販売業免許、酒税等について定める酒税法の規制を受けており、今後の事業展開において酒税法の規制を受ける他、酒税の税率の変更によって酒類の販売価格、販売動向等が影響を受ける可能性があります。

③ 原材料価格の変動について

当社グループの使用する主要な原材料(粗留アルコール、重油等)にはその価格が、調達先の国または地域の天候や経済状況の影響を間接的に受け、変動するものがあります。それら主要原材料の価格が高騰した場合には製造コストが上昇し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

④ 食品の安心・安全について

当社グループは「食の安心・安全」をお客様にご提供するため、生産・品質管理には充分な配慮を行っており、トレーサビリティーを含めた品質保証への取組みを強化しております。また、酒税法等法令上定められている記帳義務、表示義務を遵守する姿勢の確立への取組みを強化しております。しかしながら、当社グループとしての予期し得ない品質問題及び製品表示問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響する可能性があります。

 

(2) グループ戦略について

① 最近事業年度における子会社の取得について

当社は平成12年1月にワイン等の輸入及び販売を行う山信商事株式会社の全株式を取得し、また平成13年1月には森永製菓株式会社から福徳長酒類株式会社の発行済株式の80.0%を取得し(平成29年12月末における保有比率は100.0%)、各々連結対象子会社といたしました。これに関連し、福徳長酒類株式会社の子会社である秋田県醗酵工業株式会社を連結対象子会社(平成17年4月福徳長酒類株式会社の会社分割により同社を当社の直接子会社とする)といたしました。また、平成15年7月には旭化成株式会社から富久娘酒造株式会社の全株式を取得し、連結対象子会社といたしました。さらに、平成19年3月には北の誉酒造株式会社の発行済株式の79.1%を取得し、北の誉酒造株式会社と、その子会社である越の華酒造株式会社を連結対象子会社といたしました。なお、平成28年1月に北の誉酒造株式会社は合同酒精株式会社と合同酒精株式会社を存続会社とする合併を行っております。

<連結>

回次

第107期

第108期

第109期

第110期

第111期

決算年月

平成25年12月

平成26年12月

平成27年12月

平成28年12月

平成29年12月

売上高

(百万円)

85,799

84,186

82,325

79,212

78,739

経常利益

(百万円)

2,425

1,290

1,422

1,882

1,906

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

1,128

60

237

610

1,263

純資産額

(百万円)

21,301

20,841

20,869

20,940

21,300

総資産額

(百万円)

59,600

60,165

57,297

52,310

54,463

 

 

 

② 子会社取得等のグループ戦略について

当社は、積極的な事業拡大を図る手段の一つとして、当社グループにおいて有効かつ効率的に経営資源を活用できる企業などの株式を取得し、子会社としてまいりました。また、グループ経営の一層の効率化を図るため、当社の子会社間の合併を行うなど、グループ内組織再編を実施してまいりました。
 当面、当社では新たな子会社取得等は計画しておらず、現在のグループ構成において各機能の強化等によるグループ全体のトータルコストリダクションなどを進める方針であります。ただし、中長期的にはグループ全体の方針に基づき子会社取得も視野に入れて事業拡大を進める方針であり、今後の子会社取得等については、環境変化その他の要因により一時的または追加的に損失等が生じる可能性があり、また、当社の期待する効果が十分に得られない可能性もあります。

 

(3) 酵素医薬品事業について

当社グループの酵素医薬品事業においては、酵素、原薬、診断薬、生産支援ビジネス(受託事業)の4つの分野で事業を展開し、酵素・原薬等の生産能力増強に加え、新たな酵素等の開発を進める方針であります。
 なお、各製品の需要動向や特性における他社製品との競合激化等により、想定している当社グループの酵素医薬品事業の販売動向等が影響を受ける可能性があります。

 

(4) 為替レートの変動について

当社グループは、商品・原材料の一部を外貨建てにて輸入しているため、為替レート変動に対するリスクを為替予約等のヘッジ取引により一定限度まで低減しておりますが、短期及び中長期の予測を超えた為替変動が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(5) 自然災害による影響について

当社グループは保有する施設及び工場などにおいて、災害・事故へ対応するための体制作りを強化し、生産のバックアップ機能を含めた体制の確立を行っております。しかしながら、想定範囲を超えた自然災害等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(6) 訴訟について

当社グループは法令遵守を基本としたコンプライアンス活動の推進により、従業員の法令違反等の低減努力を実施しています。しかしながら、当社グループ及びその従業員が法令等に対する違反の有無に関わらず製造物責任法、特許法等に関する問題において訴訟を提起される可能性があります。当社グループが訴訟を提起された場合、また不利な判決結果が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7) 情報管理について

当社グループは経営に関する重要情報をはじめとし、多数の個人に関する機密情報を保有しております。これらの情報管理については規程等を整備するとともに、従業員に対する情報管理の徹底とシステム上のセキュリティー対策を整えております。しかしながら、コンピュータウイルスなど予測の範囲を超える事態により、情報の消失・流出などの問題が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8) 金融市場の動向について

当社グループは、金利変動に対するリスクを金利スワップ等のヘッジ取引により一定限度まで低減しておりますが、資金調達時の金融市場の動向により、短期及び中長期の予測を超えた金利変動が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

(9) 知的財産・製造物責任(PL)について

当社グループでは知的財産の重要性を認識し、その保護に努めておりますが、適切に保護できなかったり他社の保有する知的財産権により当社の生産活動に影響が生じる場合、または、当社グループの製品の欠陥に起因して製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化しこれを保険により補填できない事態が生じた場合には、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(10)産業事故災害について

当社グループの工場において、万一大きな産業事故災害が発生した場合には、補償等を含む産業事故災害への対策費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償、さらに社会的信用の失墜等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(11)たな卸資産の収益性の低下による簿価切下げについて

平成20年4月1日以後開始する事業年度より「棚卸資産の評価に関する会計基準」が適用され、通常の販売目的で保有するたな卸資産は取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末において正味売却価額が取得原価より下落している場合には収益性が低下していると判断し、当該正味売却価額まで貸借対照表価額を切下げ、取得原価と当該正味売却価額の差額は当期の費用として処理することとなりました。このため当社グループのたな卸資産につき、原材料購入価格の上昇、製造固定費の増加、生産量の減少、製品販売価格の下落などが生じ、その結果正味売却価額が取得原価を下回るため収益性が低下していると判断された場合には、当該たな卸資産の簿価切下げがなされ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(12)固定資産の減損について

当社グループは平成18年度から「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、今後、遊休土地の時価が更に低下したり事業環境が大幅に悪化するなどの場合には、追加的な減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(13)退職給付債務について

当社グループの一部の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される割引率や退職率、昇給率等の前提条件と年金資産の期待運用収益率等に基づき計算されており、年金資産の運用利回り悪化、割引率の低下等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費は506百万円であります。

セグメント別の主な研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

(1) 酒類事業

当連結会計年度の研究開発費は146百万円であります。
 オエノン酒類基礎研究所では、各事業会社技術部門と連携して、焼酎、清酒など、「和酒」に関する研究を行っております。特に、お客様のニーズに合った品質の製品をお手頃な価格で提供することを目指して、さらなるコストダウン、品質向上を実現するために、大量生産に向く液化仕込み技術をベースとした検討を中心に進めております。

具体的な取組みとしては、コストダウンに関する検討、品質向上に関する技術開発、酵母の育種改良等に取り組み、得られた知見を各事業会社に適宜、開示・提案しております。

分析につきましては、味覚センサーによる酒類の香味の客観的な評価や、におい嗅ぎ装置とガスクロマトグラフ質量分析計を活用した原料・製品中のオフフレーバーや不純物の同定などの技術力向上に努めております。これらの分析技術は、新商品開発や品質保証、原材料の評価にも活用しております。

これらの活動を通し、「当社グループのシーズ」と「お客様のニーズ」を融合し、「顧客起点の発想」に立った商品開発に繋げることにより、「将来価値の共創」に寄与してまいります。

 

(2) 酵素医薬品事業

当連結会計年度の研究開発費は359百万円であります。

長年に渡り培ってきたバイオ技術をコア・コンピタンスとして、「健康」と「環境」をテーマに、発酵を中心とした食品用酵素と生産支援ビジネス分野に研究資源を集中的に投下しております。

主力商品の乳糖分解酵素「ラクターゼ」は、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするいわゆる乳糖不耐症の方向けの乳製品での使用を中心に、世界トップクラスのシェアを保持しております。近年は、付加価値を高めた機能性乳製品への利用が国内外共に増えており、お客様のニーズに応えた製品品質を提供すべく、関連する酵素も含めて鋭意研究に取り組んでおります。その他の酵素としては、組織培養用酵素「ディスパーゼ」、澱粉糖製造用酵素「イソアミラーゼ」などを上市しております。いずれもユニークな性質を有する酵素であり、性能および品質のさらなる向上に資する研究を行い、販売を拡大していきたいと考えております。また、遺伝子組換え技術を積極的に活用した、機能性の高い酵素の研究開発にも力を入れております。

生産支援ビジネスとは、顧客ブランドによるOEM生産であり、国内トップレベルの発酵設備と製造技術をお客様に提供するべく、大手食品・飲料メーカー様との連携を、研究員も含めて進めております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

①売上高

当連結会計年度の売上高は、78,739百万円と前連結会計年度に比べて472百万円(0.6%)の減少となりました。酒類事業では、908百万円(1.3%)の減少、加工用澱粉事業では、209百万円(5.3%)の減少、酵素医薬品事業では、640百万円(18.2%)の増加、不動産事業では、5百万円(1.6%)の増加となりました。

なお、各事業部門の状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

②売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の売上原価は、63,901百万円と前連結会計年度に比べて120百万円(0.2%)の減少となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は81.2%と前連結会計年度に比ベ0.4ポイント上昇しました。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、12,985百万円と前連結会計年度に比べて126百万円(1.0%)の減少となりました。また、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は16.5%と前連結会計年度に比べて0.1ポイント減少しました。主な要因としては運送費が減少したことなどによるものであります。

③営業利益

当連結会計年度の営業利益は、1,853百万円と前連結会計年度に比べて226百万円(10.9%)の減少となりました。また、売上高に対する営業利益の比率は2.4%と前連結会計年度に比ベ0.2ポイント減少しました。

④営業外損益

当連結会計年度の営業外収益は、208百万円と前連結会計年度に比べて48百万円(30.5%)の増加となり、営業外費用は154百万円と前連結会計年度に比べて201百万円(56.6%)の減少となりました。

⑤特別損益

当連結会計年度の特別利益は、7百万円と前連結会計年度に比べて128百万円(94.3%)の減少となり、特別損失は259百万円と前連結会計年度に比べて412百万円(61.4%)の減少となりました。

特別損失については、前連結会計年度は旧バイオエタノール設備の酒類事業の生産設備としての活用計画を取り止めたこと等による減損損失を計上し、当連結会計年度は酒類事業の再編に係る事業再編損失を計上しております。

⑥親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、1,263百万円と前連結会計年度に比べて652百万円(106.8%)の増加となりました。

 

(3) 財政状態の分析

 当連結会計年度の総資産につきましては、54,463百万円となり、前連結会計年度末と比較し2,153百万円の増加となりました。これは主に設備投資等による有形固定資産の増加によるものであります。
 負債につきましては、33,163百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,794百万円の増加となりました。これは主に設備関係電子記録債務の増加によるものであります。
 純資産につきましては、21,300百万円となり、前連結会計年度末と比較して359百万円の増加となりました。これは主に自己株式の取得による減少がありましたものの、利益剰余金の増加によるものであります。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析

①キャッシュ・フロー

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

平成27年12月期

平成28年12月期

平成29年12月期

自己資本比率(%)

32.7

35.9

35.2

時価ベースの自己資本比率(%)

24.5

30.7

41.1

キャッシュ・フロー対有利子負債率(年)

2.4

2.4

2.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

23.5

25.7

30.5

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産 
      時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 
      キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー 
      インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

②資金調達

当社グループは設備投資計画等に基づき、必要な資金を主に銀行借入により調達しております。一時的な余資は、預金等の流動性の高い金融資産に限定して運用し、また、短期的な運転資金を銀行等金融機関からの借入により調達しております。