下記の文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年7月27日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)当社グループの経営の基本方針
当社グループは創業以来、「お客様第一主義」の経営理念に基づき、全社員が「STILL NOW(お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか)」を考え、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」の製品開発コンセプトに基づき、お客様にお喜びいただける製品の開発と、お客様に密着したサービスに努めてまいりました。
当社グループの考える「お客様」とは、「消費者の皆様・株主の皆様・販売先の皆様・仕入先の皆様・金融機関の皆様・地域社会の皆様」であり、単に消費者の皆様にとどまらず、当社グループと関わりを持たれるすべての方々を「お客様」と定義しております。
全社員が「STILL NOW(お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか)」の精神を持ち、「お客様」にお喜びいただける最良のサービスをご提供することが、最良の経営につながるものと確信しております。
今後も、当社グループは「お客様第一主義」の経営理念に基づき、継続的に企業価値を高め、より一層株主価値を向上させる経営に努めてまいります。
(2)当社グループの中長期的な経営戦略
当社グループは、平成29年6月に平成34年4月期までの中長期経営計画を発表いたしました。当社グループは、
「お客様第一主義」の経営理念のもと、長期ビジョン「世界のティーカンパニー」を目指し、次の4項目を重点に
取り組んでまいります。
第1に、国内事業のさらなる強化です。訪問の強化や新規顧客の獲得に加え、「お~いお茶」を中心とした主力ブランドの販売を強化し、マーケットシェアの向上を目指します。また、1,000万ケース超のブランドを現在の4つから6つに拡大を目指します。引き続き収益性を改善し生産性を向上させ、利益率の向上に取り組んでまいります。
第2に、海外事業の展開強化です。グローバルブランド「MATCHA GREEN TEA」を中心としたリーフ(ティーバッグ)製品販売や抹茶製品の強化により、北米を中心に2桁成長を目指します。国内・海外ともに緑茶でNo.1の地位獲得が目標です。このため、海外との人事交流などによるグループシナジー(相乗効果)の拡大を目指してまいります。
第3に、ROE経営の強化です。収益改善に向けた取り組みを継続し、総還元性向の高い経営を目指してまいります。
第4に、CSR/CSV経営の強化です。国際標準の本業を活かしたCSRに加え、社会課題解決と事業活動の成果の同時実現を目指す共有価値の創造(CSV)の実践です。CSR/CSVを意識した経営を進めてまいります。
このような中で、数値目標として、平成31年の「お~いお茶」発売30周年や平成32年の東京五輪・パラリンピックを通過点として、平成34年4月期を目標として連結売上高6,000億円以上、ROE10%以上、総還元性向40%以上を目指します。
(3)当社グループの対処すべき課題
当社グループは今後、法令及び社会的規範の遵守、製品の安全性並びに品質管理体制等、企業の社会的責任に消費者の厳しい目が向けられるなか、経営理念であります「お客様第一主義」を徹底し、企業価値を高め、一層の株主価値を向上させるために、以下の項目を中心に取り組んでまいります。
①ブランドの確立
1.製品開発
当社は、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」を製品開発コンセプトに、全社員が「STILL NOW(お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか)」を考え、当社独自の提案制度であるVoice制度(お客様のご不満やご要望を製品開発に取り入れる提案制度)を活用し、積極的に新製品の開発および既存製品の改良を行っております。今後もVoice制度を積極的に活用し、お客様のニーズに即した製品開発・改良に努めてまいります。
2.研究開発
当社製品開発コンセプトの内、特に「健康」、「安全」、「おいしい」に重点をおいて、基礎・応用研究を進めております。当社が提供する製品が、人々の健康維持に有用であることを、様々な試験を通じて検証し、情報発信してまいります。更に健康価値を表示できる特定保健用食品や機能性表示食品の開発にも力を注いでいきます。また飲料の味や香りに関与する成分研究、物性に関する研究を進め、より優れた製品開発に向けて、技術提案を行ってまいります。
3.ブランド強化政策
『伊藤園』という「総称ブランド」を軸に、「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」「TULLY'S COFFEE」「1日分の野菜」「充実野菜」などの「個別ブランド」の強化を図ってまいります。
特に主力製品であります「お~いお茶」につきましては、昭和60年の発売から続いている原料と製法にこだわり、無香料・無調味の自然のままのおいしさを引き出し、お客様へご提供してまいります。また、緑茶飲料が様々な飲用シーンでお楽しみいただけるよう、容量、容器バリエーションの充実を図るとともに、緑茶飲料を初めて発売した当社ならではの技術力で、季節に合わせた製品や「玉露・濃い茶・ほうじ茶・抹茶入り・玄米茶」など、茶葉の特徴を取り入れ、飲用価値を訴求した製品を発売し、緑茶飲料のNo.1ブランドに甘んずることなく、清涼飲料のNo.1ブランドを目指し、より一層のブランド強化に努めてまいります。今後も品揃えを強化し、お客様にご満足いただける本物のおいしさをご提供してまいります。
②営業基盤の強化
1.ルートセールス
ルートセールスとは、「製品、サービスをお客様へ直接ご提供する販売システム」のことであります。当社はこのシステムを採用することにより、当社とお客様をダイレクトに結びつけ、地域に密着した営業活動を展開しております。
また、機能性、携帯性に優れたルートセールス担当営業員用のポータブル端末を活用することで、お客様に効率的かつ的確なサービスをご提供できるよう努めております。
2.お客様へのサービスの強化
これまでもルートセールスにより、お客様へのサービスに努めてまいりましたが、中長期経営計画の目標経営指標を達成するための確固たる営業基盤を築くため、新しいお客様の開拓に努めるとともに、既存のお客様の訪問サービスの強化を行っております。また、お客様のご不満を聞き、お客様にご満足していただける製品開発や魅力的な売り場づくりなど、総合的なご提案をルートセールスにより行っております。
③総コストの削減
1.委託生産方式
飲料製品におきましては、「ファブレス(fabless 工場を持たない)」方式により、設備投資リスクの軽減を図り、市場環境の変化に迅速に対応できる体制にしております。
また、全国を5つの地域に分けて生産管理を行う5ブロック生産体制を敷くことにより、迅速な製品供給を行うとともに、物流の効率化も可能となっております。
2.原材料調達力の強化
当社は、緑茶のトップメーカーとして国内荒茶生産量の約4分の1を取扱い、長年にわたり生産者との信頼関係を築き上げた結果、高品質の原料茶を安定的に確保できる極めて強力な原料調達力を持っております。また、これまでに蓄積したノウハウと高い製造技術により、高品質の飲料用原料茶を自社製造で調達することができる飲料メーカーであります。国内では就農者の高齢化と後継者不足のため、就農人口、茶園面積の減少が進んでおります。そこで当社は今後特に需要の増大が見込まれる飲料用原料茶を主体に、九州地区を中心に茶産地育成事業を行っております。苗木の選定から茶園づくり、そしてその茶園を機械化、IT化により低コストで管理できる栽培及び荒茶加工ノウハウを、当社が農家に対し提供することで、生産性と環境保全を両立した茶園経営を推進し、より高品質な原料茶の安定調達を目指すとともに、耕作放棄地の活用及び生産農家の後継者育成ならびに雇用の創出など茶業界と地域の活性化にも寄与しております。
④海外事業の強化
連結子会社であるITO EN(North America)INC. が米国における緑茶市場の創造と開拓を進めるため、全米のナチュラルフードマーケットや、ナショナルチェーン店等に対し営業活動を行い、本物の緑茶を米国に普及させると同時に、「ITO EN」ブランドの確立を図っております。特に会員制スーパーマーケットなどで販売しております、緑茶ティーバッグにつきましては、これまで米国市場には無かった高品質の緑茶ティーバッグとして、お客様に大変なご好評をいただくとともに、緑茶市場の拡大に大きく貢献しており、今後も強化してまいります。また中国、東南アジアにつきましても販売強化をすすめてまいります。
⑤CSR(企業の社会的責任)への取り組み
当社は、経営理念であります「お客様第一主義」のもと、社会に求められる企業として、企業価値を高め、持続的成長・発展を目指します。このため、ステークホルダーの皆様の信頼を得ることを旨として、法令遵守を徹底し、世界の持続可能な社会・環境の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の内容も踏まえて、国際規格ISO26000/国内規格JIS Z 26000を活用して事業を通じたCSRに取り組み、ESG(環境・社会・ガバナンス)課題へも対応します。
「世界のティーカンパニー」を目指し、国内および世界で新たな食文化の創造と生活提案を行い、社会の課題解決と当社グループの成長を両立させる「共有価値の創造(CSV)」により、持続可能な社会・環境の実現に貢献します。
このことを踏まえ、環境保全におきましては、環境行動方針を基本に環境中期目標を設定し、目標達成のための取り組みを積極的に推進しております。また、環境活動の持続的な改善に有効な手段として、ISO14001に沿った環境マネジメントシステムの導入を推進し、全社全部門において認証を取得しております。
社会貢献活動におきましては、企業ができる活動は、地域の方々とともに明るい社会を築いていくことと捉え、地方創生への参画やスポーツ・文化活動などにも一層力を入れてまいります。
当社グループの経営成績および財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年4月30日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)国内経済、消費動向
当社グループの事業の大部分は、日本国内において展開しております。そのため、日本国内における景気、金融や自然災害などによる経済動向の変動や、これらの影響を受ける個人消費動向の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)市場での競争
当社グループの主要事業である飲料製品の市場は、店頭での低価格化が続き、販売額の伸び悩みが顕著となっており、併せて、キャンペーン等による販売促進活動により、依然として飲料各社の激しい競争が続いております。また、カテゴリー間でのシェア争いや、消費者の嗜好の変化により、製品のライフサイクルが短い市場でもあります。
このような市場環境のなか、当社グループは緑茶飲料を中心としたお客様のニーズに沿った製品の提供や、ルートセールスを中心とするお客様へのサービスに努めております。
今後も継続してこれらの施策を実施するとともに、市場動向を予測し、競争に打ち勝つ施策を展開してまいりますが、これらの施策が市場環境の変化に十分対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料調達
当社グループの主要事業は、茶系飲料を中心とする飲料製品でありますが、就農人口の減少や、茶園面積の減少による茶生産量の減少に加え、飲料用茶葉の需要増大により、当社グループが必要とする茶葉の確保が出来ない場合の需給関係の悪化や、輸入原料(穀物・野菜等)の高騰により調達コストが上昇し、原価高の要因となる可能性があります。
また、当社グループの飲料製品の販売数量のうち、PET容器の占める割合はおよそ74%となっており、PET容器の原料である石油価格の高騰により、原価高の要因となる可能性があります。当社グループが今後これらの市場環境の変化に対応できなかった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)生産体制
当社グループでは、グループ内工場で茶葉製品の大部分と、飲料製品の原料製造を行っております。また、飲料製品の大部分と茶葉製品の一部は、グループ外の委託工場で製造しております。
グループ内工場におきましては、生産設備が突発的に停止することがないよう、定期的に設備点検等を実施しております。また委託工場につきましては、不測の事態が発生した場合に備えて、全国各地に複数の委託工場を確保しております。しかしながら、天災等による生産への影響を完全に排除できる保証はなく、不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)天候・自然災害
当社グループの主力製品の原材料は、茶、野菜、果実、コーヒー等の農産物であるため、当社グループの主要事業であります茶葉及び飲料製品は、天候や自然災害の影響を受ける可能性があります。特に冷夏や暖冬の他、台風や長雨などの悪天候が販売に与える影響や、生産地での天候不良による不作が生じた場合の原材料調達価格の上昇及び必要量の不足に伴う販売機会損失などが想定されます。また、地震などの自然災害が想定範囲を超えた場合、本社機能や生産、物流体制に支障をきたすことが想定され、これら天候・自然災害が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)「お~いお茶」ブランドへの依存
当連結会計年度の売上高のうち、当社の飲料製品売上に占める「お~いお茶」ブランドの割合は約39%と、高い比率を占めております。国内の緑茶飲料市場規模は4,400億円(平成29年1月~12月当社調べ)で、当社のシェアは約33%(当社調べ)となります。
当社グループでは、今後も緑茶飲料市場の成長が期待され、市場の拡大とともに「お~いお茶」ブランドも伸長するものと予測しておりますが、緑茶飲料市場の激しい競争のなか、当社グループのシェアが低下することや、緑茶飲料に代わる製品の登場により、緑茶飲料市場の成長が鈍化した場合、並びに当社グループがこれらの市場環境の変化に対応できなかった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)為替動向
海外のグループ会社の財務諸表は現地通貨にて作成されているため、連結財務諸表作成時に円換算されることになり、為替相場の変動による円換算時の為替レートの変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)海外事業
当社グループは、米国、オセアニア及びアジアを中心に海外の事業を展開しております。
企業活動のグローバル化に伴い、海外活動の重要性がますます増大しており、海外における企業活動や取引はその対象国固有の政治的、経済的、法的要因により、重要な変化があった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)法的規制等
当社グループが展開する事業は、食品衛生法、製造物責任法(PL法)、廃棄物処理法、食品リサイクル法、容器包装リサイクル法等、様々な法的規制を受けております。
当社グループでは、これら全ての法的規制等を遵守していく所存でありますが、今後、法的規制等を遵守することが著しく困難になった場合や、規制の強化によりコスト負担増となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報管理
当社グループは、ルートセールスや通信販売等の営業取引や消費者キャンペーンを含む販売促進活動等を通じて、相当数のお客様情報を保有しているほか、当社グループで実施している「新俳句大賞」の募集により、潜在的なお客様の情報も保有しております。これらお客様の個人情報は、当社グループで管理するほか、一部はグループ外の管理会社に管理を委託しております。
これら個人情報を含めた重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、今後これらの情報が停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、ウイルスの感染、不正アクセス等の予期せぬ事態の発生により、情報の消失、外部へ漏洩する等の事態が起きた場合、当社グループの信用低下を招き、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)食品の安全性、衛生管理
当社グループは、食品の安全性、衛生管理を経営上の最重要課題と認識し、「伊藤園グループ品質管理方針」を設定、これを遵守し食品の安全性と衛生管理を確実にするため、当社に品質管理部を設置しております。品質管理部では自主基準を設け、製品の安全性について品質検査を行うとともに原材料に由来する異物混入および禁止添加物等の使用を防止するための確認、トレーサビリティシステム(原材料、加工、流通など製品履歴の遡及、追跡)の維持管理、外部委託工場への品質管理指導と監査を実施しております。また、定期的に開催する品質会議において、当社グループ製造担当者、外部委託工場担当者に監査結果とさまざまな品質情報をフィードバックしております。これらの活動によりサプライチェーン全体の食の安全性、衛生管理に対する意識向上と一層の体制強化、リスクの極小化を図っております。
なお、東日本大震災以後の放射能汚染等の状況を踏まえ、全ての飲料製品につきましては、放射線量測定器での検査を行い、品質に問題がないことを確認する体制を整えており、緑茶原料についても同様の検査体制を整えております。
国内の直営店で行っている事業につきましては、食品衛生法の規制対象となっているものがあります。これらの事業につきましては、法令の遵守に加え、出店先の衛生基準及び当社マニュアルに基づいた衛生管理を徹底しております。
しかしながら、上記の取組みにもかかわらず異物混入及び品質・表示不良製品の流通、原材料由来による禁止添加物の使用及び残留農薬問題(連鎖的風評被害を受ける場合を含む)、食中毒等の衛生問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また業界、社会全体に及ぶ品質問題等、当社グループの取組みを超える事態が発生した場合も、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)減損会計
当社グループは、事業用の不動産やのれんをはじめとする様々な固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待しているキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により減損会計の適用を受ける可能性があり、減損損失が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある
ものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続きました。
飲料業界におきましては、根強い節約志向の継続により、事業環境は依然として厳しい状況が続いておりま
す。
このような状況の中、当社グループは経営理念であります「お客様第一主義」のもと、当社グループを取り巻
く全てのお客様に対し「お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか」を常に考え、一丸となって積極
的な事業活動を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,947億93百万円(前期比4.0%増)、営業利益220億43百万円
(前期比1.2%増)、経常利益214億41百万円(前期比0.4%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益125億
53百万円(前期比8.3%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと次のとおりであります。
<リーフ・ドリンク関連事業>
[国内茶葉(リーフ)製品]
「京都宇治抹茶入り お~いお茶」リーフ・ティーバッグ製品のパッケージに氷水出しを訴求するデザイン
を掲載したり、全国の店頭において、厚生労働省認定の「伊藤園ティーテイスター」を取得している茶師によ
る実演販売「大茶会」を開催したりするなど、生活シーンに合わせたお茶のさまざまな“おいしさ”“楽しみ
方”をお伝えする取り組みを実施いたしました。リーフ・ティーバッグのほかにも、水でもお湯でもすぐに溶
ける粉末タイプなど手軽にご賞味いただける簡便性製品についても積極的にご提案し、ご好評いただいており
ます。
[国内飲料(ドリンク)製品]
当社主力製品であります「お~いお茶」において、春には桜、秋には紅葉の季節限定パッケージを展開して
おります。桜パッケージでは日本全国各地の桜の名所を、紅葉パッケージでは全国47都道府県の郷土料理の魅
力をご紹介することで、日本の春および秋を盛り上げてまいりました。このような季節感のある製品展開や当
社ならではの原料調達力と茶製品生産技術を活かした製品展開により、「お~いお茶」ブランドのさらなる価
値向上を図ってまいります。
ノンカフェイン茶系飲料No.1である「健康ミネラルむぎ茶」においては、年間を通して家族みんなが安心し
て、おいしく水分と適度なミネラルが補給できる飲料として、引き続きご好評いただいております。
コーヒー飲料である「TULLY'S COFFEE」においては、コーヒー豆・焙煎・抽出にこだわり、最高の一杯を追
求するタリーズコーヒーのバリスタが監修しております。コーヒーの魅力のひとつである香りを失わないよう
に、コーヒー豆を粉砕してから抽出するまでの時間を短縮することで芳醇な香りに仕上げております。消費者
の多様な嗜好に沿った製品を展開し、「TULLY'S COFFEE」ブランドのさらなる強化を図ってまいります。
当社は、賞味期限の「年月表示」への順次移行を実施しております。この取り組みにより、全販売数量の約
8割が「年月表示」となり、食品ロスの軽減・物流効率化に伴うCO2排出量の削減による「環境負荷軽減」
および店舗や倉庫での管理対象ロット数の減少や保管スペース縮小などの作業効率化による「生産性向上」が
期待できます。
[海外茶葉(リーフ)製品]
米国、中国を中心に「グローバルブランド」で展開する「MATCHA GREEN TEA」の積極的な販売を行ってま
いりました。
[海外飲料(ドリンク)製品]
ITO EN (North America) INC. において、和食や抹茶の世界的ブームや健康志向の高まりを背景に、「お~
いお茶」などの無糖茶飲料が順調に売上を伸ばしております。また、米国を中心にコーヒー豆の栽培から販売
までを行うDistant Lands Trading Company において、主要顧客であるフードサービスチェーンへの当社グル
ープ製品の販売など、引き続きシナジー効果を追求してまいります。
この結果、リーフ・ドリンク関連事業の売上高は4,556億3百万円(前期比3.6%増)となり、営業利益は191
億51百万円(前期比0.3%増)となりました。
<飲食関連事業>
タリーズコーヒージャパン㈱におきましては、新定番エスプレッソビバレッジ「フラットホワイト」やイー
スターをコンセプトとした「ポップンイースターラテ」を発売し、ご好評をいただいております。また、ティ
ービバレッジでも「ベリーベリーロイヤルミルクティー」や「フルーツカクテルティー」などご好評をいただ
いております。新規出店も順調に進み、総店舗数は706店舗になりました。
引き続き積極的な投資とあわせて既存店舗の改装などによる活性化を図り、店舗競争力を強化することで、
スペシャルティコーヒーショップとしての更なるブランド強化を図ってまいります。
この結果、飲食関連事業の売上高は325億70百万円(前期比7.7%増)となり、営業利益は32億50百万円(前
期比3.8%増)となりました。
<その他>
Mason Distributors,Inc. におきましては、引き続きサプリメントの販売が好調に推移しております。
この結果、売上高は66億19百万円(前期比11.9%増)となり、営業利益は9億39百万円(前期比17.2%増)
となりました。
財政状態の状況は次の通りであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は1,737億98百万円で、前連結会計年度末に比べて8億59百万円減少しております。これは「現金及び預金」の25億38百万円減少によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,273億82百万円で、前連結会計年度末に比べて3億66百万円減少しております。これは「工具、器具及び備品」の42億62百万円増加、「リース資産」の38億79百万円減少によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は771億87百万円で、前連結会計年度末に比べて43億73百万円減少しております。これは「支払手形及び買掛金」の31億82百万円減少によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は802億41百万円で、前連結会計年度末に比べて38億94百万円減少しております。これは「リース債務」の31億86百万円減少によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,437億50百万円で、前連結会計年度末に比べて70億41百万円増加しております。これは「利益剰余金」の73億16百万円増加によるものです。
②キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは、253億22百万円の収入(前期は270億98百万円の収入)となりま
した。主な要因といたしましては、増加要因として税金等調整前当期純利益209億90百万円、減価償却費132億
22百万円であるのに対し、減少要因として法人税等の支払額76億40百万円であったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは、113億59百万円の支出(前期は82億43百万円の支出)となりました。
主な要因といたしましては、設備投資による支出105億69百万円があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは、166億39百万円の支出(前期は80億12百万円の支出)となりまし
た。主な要因といたしましては、ファイナンス・リース債務の返済による支出86億16百万円、配当金の支払
52億32百万円があったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して28億25百万円
減少し、613億76百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期比増減率(%) |
|
リーフ・ドリンク関連事業 |
|
|
|
(販売用製品) |
63,658 |
3.1 |
|
(自社製品用原料) |
15,642 |
6.7 |
|
リーフ・ドリンク関連事業計 |
79,300 |
3.8 |
|
その他 |
|
|
|
(販売用製品) |
1,629 |
4.8 |
|
合計 |
80,929 |
3.9 |
(注)1 販売用製品の金額は販売価格、自社製品用原料の金額は原価によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 上記生産実績には外部へ製造委託している仕入製品は含まれておりません。
4 上記金額には消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期比増減率(%) |
|
リーフ・ドリンク関連事業 |
215,387 |
2.0 |
|
飲食関連事業 |
10,538 |
4.8 |
|
その他 |
2,025 |
△1.3 |
|
合計 |
227,950 |
2.1 |
(注)1 金額は仕入原価によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期比増減率(%) |
|
リーフ・ドリンク関連事業 |
455,603 |
3.6 |
|
飲食関連事業 |
32,570 |
7.7 |
|
その他 |
6,619 |
11.9 |
|
合計 |
494,793 |
4.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績
の状況」に記載の通りであります。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ4.0%増の4,947億93百万円となりました。これは「(1)
経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、リーフ・ドリンク関連事業及び飲食
関連事業の売上高が堅調に推移したことによるものです。
当連結会計年度の売上総利益は前連結会計年度に比べ3.5%増の2,339億83百万円となり、売上総利益率は
0.2%減の47.3%となりました。これは、特にリーフ・ドリンク関連事業において、製品構成の変化の影響等に
よるものであります。
当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ1.2%増の220億43百万円となり、営業利益率は0.1%減
の4.5%となりました。これは、売上総利益率は0.2%減となったものの、販売手数料の売上高に対する比率が
0.1%減少するなど、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率が0.1%減少したことによるものです。
当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ0.4%減の214億41百万円となり、経常利益率は0.2%減
の4.3%となりました。これは、営業外損益に含まれる為替差損益が552百万円減少(減少は為替差損)、売上高
に対する比率が0.1%減少したことによるものです。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ8.3%減の125億53百万円となり、
親会社株主に帰属する当期純利益率は0.3%減の2.5%となりました。これは、平成29年12月に米国において成立
した税制改革法による繰延税金資産の取崩しなどにより、法人税等調整額が16億76百万円増加、売上高に対する
比率が0.3%増加したことによるものです。
c.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
当社グループは、収益性の強化によるキャッシュ・フローを高め、さらに投資効果を重視した設備投資を行うとともに、有利子負債の削減を進めてまいります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2.事業等のリスク」に記載の通りです。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、リーフ・ドリンク関連事業における製品製造のための原材料の仕入や製造経費のほか、販売費及び一般管理費等であります。また、設備投資需要としては、リーフ・ドリンク関連事業における自動販売機等への投資や飲食関連事業における新規出店等への投資であります。
b.財務政策
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に調達するため、内部資金の活用に加え、金融機関からの借入及び社債の発行等による資金調達を行っております。資金調達に際しては、調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう金利の固定化を図っております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、平成29年6月に発表しました中長期経営計画の目標にも掲げましたとおり、連結売上高、自己
資本利益率(ROE)、総還元性向を重要な経営指標としており、その進捗状況については以下のとおりでありま
す。
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平成30年4月期 実績 |
平成31年4月期 見通し |
平成34年4月期 目標値 |
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売上高 |
4,947億円 |
5,078億円 |
6,000億円 |
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自己資本利益率(ROE) |
9.0% |
9.5% |
10%以上 |
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総還元性向 |
48.5% |
40%以上 |
40%以上 |
「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)当社グループの中長期的な経営戦略」に記載のとおり、今後も中長期経営計画に基づき、企業価値を高め、より一層株主価値の向上に努めてまいります。
該当事項はありません。
当社グループの主な研究開発部門は、当社の中央研究所、開発一部、開発二部、マーケティング一部、マーケティング二部、マーケティング三部及び農業技術部であります。
中央研究所では、当社グループ製品の健康価値に関する研究につきまして、茶の成分による生活習慣病予防効果、認知機能改善効果等を検証するため、大学等研究機関との共同研究を進めております。また緑茶が和食のうま味を引き立てることを明らかにし、和食文化国民会議で発表しました。
今後も緑茶、コーヒー、野菜飲料、乳酸菌飲料など、当社グループ製品の健康価値の検証や、香味や安定性の向上に関する研究開発を行い、当社グループ製品の品質向上とブランド強化に貢献していきます。
開発一部、開発二部、マーケティング一部、マーケティング二部及びマーケティング三部では、茶葉、飲料、その他の新製品の開発を行っております。
開発一部、開発二部では各カテゴリーの新製品の開発で、原材料の加工方法、処方の開発、製造技術の開発を行い原料の開発から製品の試作・製品化までを担当しております。また茶殻等の未利用資源の活用に関する研究開発を行い、茶の機能を活用した紙・樹脂製品の開発を推進しております。
マーケティング一部、マーケティング二部及びマーケティング三部では新製品の開発につきまして、市場調査、消費者の動向分析に基づき、基本コンセプトの開発を担当しております。
農業技術部では、当社グループ製品に適した緑茶・野菜飲料原料を安定的に確保するために、品種素材、栽培方法、加工方法に関する調査研究や技術開発と、国内外の産地形成に関する活動を行っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は17億86百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
<リーフ・ドリンク関連事業>
当社独自製法による製品開発や、茶の特性を活かした製品開発を行っております。荒茶・仕上げ加工の研究により茶の特性を活かした製品を多数開発しております。また、茶の加工技術等を応用し簡便性商品であるティーバッグ・インスタントティーの製品開発を行っております。
日本茶飲料や紅茶飲料、中国茶飲料等の製品開発に関しまして、飲料用に適した原料茶の開発と飲料加工技術の研究を継続して行っております。野菜飲料、果実飲料に関しましては、野菜の原料開発と搾汁技術の開発、果実の搾汁技術の開発や飲料製造技術開発を行っております。コーヒー飲料におきましては、原料の選定、処方・製造技術の開発を行っております。乳飲料、炭酸飲料、機能性飲料におきましても、原料開発や飲料製造技術の開発を行っております。また各ホット飲料の開発では、ホット飲料に適した原料の開発、製造技術開発を行っております。
食品の開発では、野菜スープ、お汁粉及び麹甘酒等の開発においても、当社の強みを生かした原料調達力をもって製造技術開発に取組み製品化をしております。また、カテキンの抗菌、消臭作用を応用した抗菌防臭加工繊維製品や茶殻を有効利用した茶配合製品の製品化を行っております。
なお研究開発費には、中央研究所で行っている緑茶や野菜飲料の健康性に関する研究や、飲料の香味・美味しさに関する研究などの研究費用が含まれております。
<飲食関連事業>
該当事項はありません。
<その他>
該当事項はありません。