下記の文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年7月28日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)当社グループの経営の基本方針
当社グループは創業以来、「お客様第一主義」の経営理念に基づき、全社員が「STILL NOW(お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか)」を考え、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」の製品開発コンセプトに基づき、お客様にお喜びいただける製品の開発と、お客様に密着したサービスに努めてまいりました。
当社グループの考える「お客様」とは、「消費者の皆様・株主の皆様・販売先の皆様・仕入先の皆様・金融機関の皆様・地域社会の皆様」であり、単に消費者の皆様にとどまらず、当社グループと関わりを持たれるすべての方々を「お客様」と定義しております。
全社員が「STILL NOW(お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか)」の精神を持ち、「お客様」にお喜びいただける最良のサービスをご提供することが、最良の経営につながるものと確信しております。
今後も、当社グループは「お客様第一主義」の経営理念に基づき、継続的に企業価値を高め、より一層株主価値を向上させる経営に努めてまいります。
(2)当社グループの中長期的な経営戦略
当社グループは、2017年6月に2022年4月期までの中長期経営計画を発表いたしました。
当社グループは、「お客様第一主義」の経営理念のもと、長期ビジョン「世界のティーカンパニー」を目指し、次の4項目を重点に取組んでまいります。
第1に、国内事業のさらなる強化です。訪問の強化や新規顧客の獲得に加え、「お~いお茶」を中心とした主力ブランドの販売を強化し、マーケットシェアの向上を目指します。また、1,000万ケース超のブランドを現在の4つから6つに拡大を目指します。引き続き収益性を改善し生産性を向上させ、利益率の向上に取組んでまいります。
第2に、海外事業の展開強化です。グローバルブランド「MATCHA GREEN TEA」を中心としたリーフ(ティーバッグ)製品販売や抹茶製品の強化により、北米を中心に2桁成長を目指します。国内・海外ともに緑茶でNo.1の地位獲得が目標です。このため、海外との人事交流などによるグループシナジー(相乗効果)の拡大を目指してまいります。
第3に、ROE経営の強化です。収益改善に向けた取組みを継続し、総還元性向の高い経営を目指してまいります。
第4に、CSR/CSV経営とESGへの取組みの強化です。本業を活かしたCSRに加え、環境・社会・ガバナンスのESG課題への取組みを強化し、社会課題解決と企業価値の両立を目指し、CSV(共有価値創造)経営の実践と持続可能な成長への基盤を強化してまいります。
(3)当社グループの対処すべき課題
当社グループは今後、法令及び社会的規範の遵守、製品の安全性並びに品質管理体制等、企業の社会的責任に消費者の厳しい目が向けられるなか、経営理念であります「お客様第一主義」を徹底し、企業価値を高め、一層の株主価値を向上させるために、以下の項目を中心に取り組んでまいります。
① ブランドの確立
1.製品開発
当社は、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」を製品開発コンセプトに、全社員が「STILL NOW(お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか)」を考え、当社独自の提案制度であるVoice制度(お客様のご不満やご要望を製品開発に取り入れる提案制度)を活用し、積極的に新製品の開発及び既存製品の改良を行っております。今後もVoice制度を積極的に活用し、お客様のニーズに即した製品開発・改良に努めてまいります。
2.研究開発
当社製品開発コンセプトの内、特に「健康」、「安全」、「おいしい」に重点をおいて、基礎・応用研究を進めております。当社が提供する製品が、人々の健康維持に有用であることを、様々な試験を通じて検証し、常に最新情報を発信し続けます。更に健康価値を表示できる特定保健用食品や機能性表示食品の開発にも力を注いでいきます。また、飲料のおいしさに関与する成分研究、物性に関する研究を進め、より優れた製品開発に向けた技術提案を行ってまいります。
3.ブランド強化政策
「伊藤園(ITO EN)」という「総称ブランド」を軸に、「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」「TULLY'S COFFEE」「1日分の野菜」などの「個別ブランド」の強化を図ってまいります。
特に主力製品であります「お~いお茶」につきましては、1985年の発売から続いている原料と製法にこだわり、無香料・無調味の自然のままのおいしさを引き出し、お客様へご提供してまいります。また、緑茶飲料が様々な飲用シーンでお楽しみいただけるよう、容量、容器バリエーションの充実を図るとともに、緑茶飲料を初めて発売した当社ならではの技術力で、季節に合わせた製品や「濃い茶・ほうじ茶・抹茶入り・玄米茶」など、茶葉の特徴を取り入れ、飲用価値を訴求した製品を発売し、緑茶飲料のNo.1ブランドに甘んずることなく、清涼飲料のNo.1ブランドを目指し、より一層のブランド強化に努めてまいります。今後も品揃えを強化し、お客様にご満足いただける本物のおいしさをご提供してまいります。
② 営業基盤の強化
1.ルートセールス
ルートセールスとは、「製品、サービスをお客様へ直接ご提供する販売システム」のことであります。当社はこのシステムを採用することにより、当社とお客様をダイレクトに結びつけ、地域に密着した営業活動を展開しております。
また、機能性、携帯性に優れたルートセールス担当営業員用のポータブル端末を活用することで、お客様に効率的かつ的確なサービスをご提供できるよう努めております。
2.お客様へのサービスの強化
これまでもルートセールスにより、お客様へのサービスに努めてまいりましたが、確固たる営業基盤を築くため、新しいお客様の開拓に努めるとともに、既存のお客様への訪問サービスの強化を行っております。
また、お客様のご不満を聞き、お客様にご満足していただける製品開発や魅力的な売り場づくりなど、総合的なご提案をルートセールスにより行っております。
③ 総コストの削減
1.委託生産方式
飲料製品におきましては、「ファブレス(fabless 工場を持たない)」方式により、設備投資リスクの軽減を図り、市場環境の変化に迅速に対応できる体制にしております。
また、全国を5つの地域に分けて生産管理を行う5ブロック生産体制を敷くことにより、迅速な製品供給を行うとともに、物流の効率化も可能となっております。
2.原材料調達力の強化
当社は、緑茶のトップメーカーとして国内荒茶生産量の約4分の1を取扱い、長年にわたり生産者との信頼関係を築き上げた結果、高品質の原料茶を安定的に確保できる極めて強力な原料調達力を持っております。
また、これまでに蓄積したノウハウと高い製造技術により、高品質の飲料用原料茶を自社製造で調達することができる飲料メーカーであります。
国内では就農者の高齢化と後継者不足のため、就農人口、茶園面積の減少が進んでおります。そこで当社は、今後特に需要の増大が見込まれる飲料用原料茶を主体に、九州5県に加え静岡県での茶産地育成事業を行っております。苗木の選定から茶園づくり、そしてその茶園を機械化、IT化により低コストで管理できる栽培及び荒茶加工ノウハウを、当社が農家に対し提供することで、生産性と環境保全を両立した茶園経営を推進し、より高品質な原料茶の安定調達を目指すとともに、耕作放棄地の活用及び生産農家の後継者育成ならびに雇用の創出など茶業界と地域の活性化にも寄与しております。
④ 海外事業の強化
連結子会社であるITO EN(North America)INC.が米国における緑茶市場の創造と開拓を進めるため、全米のナチュラルフードマーケットや、ナショナルチェーン店等に対し営業活動を行い、本物の緑茶を米国に普及させると同時に、「ITO EN」ブランドの確立を図っております。ティーバッグ製品ITO EN「MATCHA GREEN TEA」につきましては、これまで米国市場には無かった高品質の緑茶ティーバッグとして、お客様に大変なご好評をいただくとともに、緑茶市場の拡大に大きく貢献しており、今後も強化してまいります。また、中国、東南アジア、豪州につきましても、引き続き販売強化を進めてまいります。
⑤ ESG(環境・社会・ガバナンス)への取組みの強化
外部環境は大きく変化しており、当社グループが持続的成長をしていくためには、財務面だけでなく、非財務面での取組みや戦略の重要性がますます高まっています。廃プラスチック問題、気候変動、水資源問題や持続可能な農業、サプライチェーンを含む人権等の社会課題に適切に対応し、中長期的な企業価値の向上を実現していかなければなりません。
環境保全におきましては、環境方針のもと中長期環境目標を設定し、目標達成に向けて積極的に取組むとともに、各環境課題への対応を推進しております。また、環境活動の持続的な改善に有効な手段として、ISO14001に沿った環境マネジメントシステムを導入し、全社全部門において認証を取得しております。
廃プラスチック問題につきましては、ペットボトルの軽量化などに加え、2030年までにペットボトルに使用するリサイクル素材等(生物由来素材を含む)の割合を100%にする目標を掲げ、資源循環に取組んでいます。
気候変動問題につきましては、2030年度、2050年度のCO2排出量削減目標としてそれぞれ、Scope1、2で総量26%削減、50%削減、Scope3で原単位26%削減、50%削減(基準年はすべて2018年度)を掲げました。また、気候変動シナリオ分析として、主力製品の原料である茶葉の収量への影響を評価しました。
持続可能な水資源の利用につきましては、2021年4月に「水資源に関する中長期環境目標」を策定し公表いたしました。
人権等の社会課題につきましては、2020年4月に国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた「伊藤園グループ人権方針」を策定し公表いたしました。
当社グループの経営理念であります「お客様第一主義」のもと、社会に求められる企業としてESGへの取組みを強化し、「世界のティーカンパニー」の実現に向けて、新たな食文化の創造と生活提案を行い、社会課題解決と企業価値の両立を目指すCSV(共有価値創造)経営を実践してまいります。
⑥ 新型コロナウイルス感染症拡大の抑止に向けた取組み
当社グループの事業環境は、世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症を契機として急速に悪化しており、不確実性が高まっております。
国内経済においては、政府による緊急事態宣言発出やまん延防止等重点措置が適用され、個人の外出自粛や企業の事業活動が制限されるなど前例のない状況もあり、先行き不透明な状況が続くと想定されます。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑止するため、お客様、お取引先様および社員の健康と安全を確保していくことを最優先とし、当社ウイルス感染対策室が策定した方針を全社員が周知徹底しております。
当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年4月30日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)国内経済、消費動向
当社グループの事業の大部分は、日本国内において展開しております。そのため、日本国内における景気や金融政策、自然災害や新型コロナウイルス感染症拡大などによる経済動向の変動や、これらに影響を受ける個人消費動向の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)市場での競争
当社グループの主要事業である飲料製品の市場は、店頭での低価格化が続き、販売額の伸び悩みが顕著となっており、併せて、キャンペーン等による販売促進活動により、依然として飲料各社の激しい競争が続いております。また、カテゴリー間でのシェア争いや、消費者の嗜好の変化により、製品のライフサイクルが短い市場でもあります。
このような市場環境のなか、当社グループは緑茶飲料を中心としたお客様のニーズに沿った製品の提供や、ルートセールスを中心とするお客様へのサービスに努めております。
今後も継続してこれらの施策を実施するとともに、市場動向を予測し、競争に打ち勝つ施策を展開してまいりますが、これらの施策が市場環境の変化に十分対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料調達
当社グループの主要事業は、茶系飲料を中心とする飲料製品でありますが、就農人口の減少や、茶園面積の減少による茶生産量の減少に加え、飲料用茶葉の需要増大により、当社グループが必要とする茶葉の確保が出来ない場合の需給関係の悪化や、輸入原料(穀物・野菜等)の高騰により調達コストが上昇し、原価高の要因となる可能性があります。
また、当社グループの飲料製品の販売数量のうち、PET容器の占める割合はおよそ75%となっており、PET容器の原料である石油価格の高騰等により、原価高の要因となる可能性があります。加えて、ペットボトルをはじめとするプラスチック容器等の環境問題がクローズアップされています。当社はペットボトルの軽量化などに加え、2030年までにペットボトルに使用するリサイクル素材等(生物由来素材を含む)の割合を100%にする目標を掲げ、資源循環に取組んでいます。
当社グループが今後これらの市場環境の変化に対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)生産体制
当社グループでは、グループ内工場で茶葉製品の大部分と、飲料製品の原料製造を行っております。また、飲料製品の大部分と茶葉製品の一部は、グループ外の委託工場で製造しております。
グループ内工場におきましては、生産設備が突発的に停止することがないよう、定期的に設備点検等を実施しております。また、委託工場につきましては、不測の事態が発生した場合に備えて、全国各地に複数の委託工場を確保しております。
しかしながら、天災等による生産への影響を完全に排除できる保証はなく、不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)気候変動・自然災害
地球温暖化に伴う気候変動は、集中豪雨などの異常気象による洪水・土砂災害や酷暑、水資源の変化など、様々な被害をもたらします。当社グループの主力製品の原材料は、茶、コーヒー、野菜、果実等の農産物であるため、生産地での気候変動の影響による不作が生じた場合、原材料調達価格の上昇及び必要量の不足に伴う販売機会損失などが想定されます。また、気候変動による悪影響及び地震などの自然災害が想定範囲を超えた場合、本社機能や生産、物流体制に支障をきたすことが想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、環境負荷低減のため、温室効果ガス排出量の削減や持続可能な水資源の利用、廃棄物削減など様々な課題に取組んでいます。
気候変動問題につきましては、2030年度、2050年度のCO2排出量削減目標としてそれぞれ、Scope1、2で総量26%削減、50%削減、Scope3で原単位26%削減、50%削減(基準年はすべて2018年度)を掲げました。
持続可能な水資源の利用につきましては、2021年4月に「水資源に関する中長期環境目標」を策定し公表いたしました。また、当社の主力製品の原料である茶葉についてシナリオ分析を実施しました。
今後も継続的に気候変動が事業に及ぼす影響を把握し、適切に対応できる体制を整備してまいります。
(6)「お~いお茶」ブランドへの依存
当連結会計年度の売上高のうち、当社の飲料製品売上に占める「お~いお茶」ブランドの割合は約40%と、高い比率を占めております。国内の緑茶飲料市場規模は4,180億円(2020年1月~12月当社調べ)で、当社のシェアは約33%(当社調べ)となります。
当社グループでは、今後も緑茶飲料市場の成長が期待され、市場の拡大とともに「お~いお茶」ブランドも伸長するものと予測しておりますが、緑茶飲料市場の激しい競争のなか、当社グループのシェアが低下することや、緑茶飲料に代わる製品の登場により、緑茶飲料市場の成長が鈍化した場合、並びに当社グループがこれらの市場環境の変化に対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)為替動向
海外のグループ会社の財務諸表は現地通貨にて作成されているため、連結財務諸表作成時に円換算されることになり、為替相場の変動による円換算時の為替レートの変動が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)海外事業
当社グループは、北米、中国、東南アジア、豪州を中心に海外の事業を展開しております。
企業活動のグローバル化に伴い、海外活動の重要性がますます増大しており、海外における企業活動や取引はその対象国固有の政治的、経済的、法的要因によるため、重要な変化があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)法的規制等
当社グループは、事業の遂行に当たって、食品衛生法、製造物責任法(PL法)、労働関連法規制、競争関連法規制、個人情報保護規制、環境関連法規制等、様々な法的規制の適用を受けております。
当社グループがこれらの法令に違反した場合や、その他社会的要請に反した行動をとった場合には、法令による処罰、訴訟の提起、社会的制裁などを受けたり、お客様からの信用が失われる可能性があります。
また、今後、新法の制定、法改正、法令の解釈変更にて法的規制等を遵守することが著しく困難になった場合や、規制の強化によりコスト負担が増えた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報管理
当社グループは、ルートセールスや通信販売等の営業取引や消費者キャンペーンを含む販売促進活動等を通じて、相当数のお客様情報を保有しているほか、当社グループで実施している「新俳句大賞」の募集により、潜在的なお客様の情報も保有しております。これらお客様の個人情報は、当社グループで管理するほか、一部はグループ外の管理会社に管理を委託しております。
これら個人情報を含めた重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、今後これらの情報が停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、ウイルスの感染、不正アクセス等の予期せぬ事態の発生により、情報の消失、外部へ漏洩する等の事態が起きた場合、当社グループの信用低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)食品の安全性、衛生管理
当社グループは、食品の安全性、衛生管理を経営上の最重要課題と認識し、「伊藤園グループ品質管理方針」を設定、これを遵守し食品の安全性と衛生管理を確実にするため、当社に品質管理部を設置しております。品質管理部では自主基準を設け、製品の安全性について品質検査を行うとともに原材料に由来する異物混入および禁止添加物等の使用を防止するための確認、トレーサビリティシステム(原材料、加工、流通など製品履歴の遡及、追跡)の維持管理、外部委託工場への品質管理指導と監査を実施しております。また、定期的に開催する品質会議において、当社グループ製造担当者、外部委託工場担当者に監査結果とさまざまな品質情報をフィードバックしております。これらの活動によりサプライチェーン全体の食の安全性、衛生管理に対する意識向上と一層の体制強化、リスクの極小化を図っております。
国内の直営店で行っている事業につきましては、食品衛生法の規制対象となっているものがあります。これらの事業につきましては、法令の遵守に加え、出店先の衛生基準及び当社マニュアルに基づいた衛生管理を徹底しております。
しかしながら、上記の取組みにもかかわらず異物混入及びアレルゲン表示が不適切な製品の流通、原材料由来による禁止添加物の使用及び残留農薬問題(連鎖的風評被害を受ける場合を含む)、食中毒等の衛生問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、業界、社会全体に及ぶ品質問題等、当社グループの取組みを超える事態が発生した場合も、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)減損会計
当社グループは、事業用の不動産やのれんをはじめとする様々な固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待しているキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により減損会計の適用を受ける可能性があり、減損損失が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)新型コロナウイルス感染症の影響について
全国各地に拡大を続けている新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループではお客様(消費者、株主、販売先、仕入先、金融機関、地域社会の皆様)及び社員の安全を第一とし、当社ウイルス感染対策室の指示の下、更なる感染拡大を防ぐための行動を継続しております。具体的には、工場見学や販売促進企画等の多くのお客様にお集まりいただくイベントの自粛、Web会議等オンラインツールの活用、テレワーク(在宅勤務)や時差出勤の適用など、「3つの密(密閉、密集、密接)」を避ける対応を実施しております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の発生及び感染拡大による影響が、当社グループが想定している以上に長期化、深刻化した場合、個人消費の低迷、国内外サプライチェーンの停滞、当社グループの事業活動の停滞等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」と
いう)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、非常に厳しい状況となりました。個人消費におきましても、一時は持ち直したものの、緊急事態宣言が年明けから2度発出されたこともあり、先行き不透明な状態が続くと想定されます。
飲料業界におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う活動制限や外出自粛、それらによる経済停滞のマイナス影響や在宅勤務の増加といったライフスタイルの変化に加え、「令和2年7月豪雨」に代表される異常気象や天候不順の影響もあり、事業環境は1年を通して厳しい状況が続きました。
このような状況の中、当社グループは経営理念であります「お客様第一主義」のもと、当社グループを取り巻く全てのお客様に対し「お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか」を常に考え、一丸となって積極的な事業活動を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,462億81百万円(前期比7.7%減)、営業利益166億75百万円(前期比16.4%減)、経常利益170億29百万円(前期比12.4%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益70億11百万円(前期比10.0%減)となりました。
なお、特別損失として、ネオス㈱ののれん等及びタリーズコーヒージャパン㈱の店舗等の減損損失を40億56百万円計上しております。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
<リーフ・ドリンク関連事業>
[国内茶葉(リーフ)製品]
本年3月、おいしさはそのままで、“BMIが高めの方の体脂肪を減らす”機能性表示食品「一番摘みのお~いお茶」シリーズを発売いたしました。同製品は、BMIが高めの方の体脂肪を減らす機能があると報告されている機能性関与成分「ガレート型カテキン」340mg(抽出後・茶葉16g当たり)が摂取できます。一般的な煎茶に比べてカテキン類やアミノ酸が豊富な国産一番茶を100%使用しているため、熱湯で淹れることで、濃い味わいはもちろん、一番茶が持つ甘い香りや豊かな旨みを同時にお楽しみいただけます。
また同月、水出し、お湯出しで手軽においしくつくれるロングセラーのポット用ティーバッグを、「ワンポットエコティーバッグ」シリーズとしてリニューアル発売しました。おうち時間の増加を背景に、家庭で便利な大容量の日本茶ポット用ティーバッグの売上は増加しています。今回、植物由来の生分解性フィルターを採用し、環境に優しいティーバッグとして生まれ変わりました。
当社はこれらの独自の研究開発力を活かした製品販売を通じ、“お茶の伊藤園”として、日本中、世界中にお茶の魅力を届け、日本のお茶業界の活性化と更なる発展に貢献してまいります。
[国内飲料(ドリンク)製品]
本年3月、「お~いお茶」ブランドから、ほうじ茶特有の甘香ばしい「同 ほうじ茶」と炒り立てのお米独特の甘香ばしい「同 玄米茶」を発売いたしました。両製品は、従来品よりも更に香りを高めることで、日本の伝統的フレーバーティー特有の“しあわせの香り”を追求しております。
また、2019年5月に「最大のナチュラルヘルシーRTD緑茶飲料(最新年間売り上げ)」販売実績世界一としてギネス世界記録TMに認定された「お~いお茶」ブランドが、本年も同記録名において3年連続で認定されました。昨年、累計販売本数350億本(525mlペットボトル換算)を突破した「お~いお茶」が“もっと身近な日本のお茶”として親しんでいただけるよう、当社はこれからもお客様のニーズと時代の変化にお応えする製品を世界中の方にお届けし、“お茶の力で健康創造する企業”を目指してまいります。
紅茶飲料においては、本年4月、生のレモンを紅茶と一緒に抽出した、香り広がる無糖のレモンティー「TEAs'TEA NEW AUTHENTIC 生レモンティー 無糖」を発売いたしました。
コーヒー飲料においては、本年3月、シナモンの甘い香りとコーヒーの深い味わいが楽しめる「TULLY'S COFFEE BARISTA'S カプチーノ」、ミルクや水等を加えるだけで簡単に自分好みの味わいにカスタマイズできる希釈用「TULLY'S COFFEE BARISTA'S BLACK」、エスプレッソマシンで淹れたようなおいしい苦みと深いコクを実現した「TULLY'S COFFEE ESPRESSO WITH MILK」を発売いたしました。また4月には、スペシャルティコーヒーショップ「タリーズコーヒー」で取り扱う「タリーズハニー」と同じ原料のはちみつを使用した、優しいはちみつの甘みが特徴の「TULLY'S COFFEE HONEY MILK LATTE」を発売いたしました。
しかしながら、緊急事態宣言発出やまん延防止等重点措置適用に伴う活動制限及び不要不急の外出自粛、それらによる需要回復の遅れが、当連結会計年度の業績に大きな影響を与えました。
この結果、リーフ・ドリンク関連事業の売上高は4,135億81百万円(前期比6.9%減)となり、営業利益は181億64百万円(前期比3.3%減)となりました。
<飲食関連事業>
タリーズコーヒージャパン㈱におきましては、豆乳を使った期間限定“オールソイ”ドリンクの「アーモンドプラリネソイラテ」や市場が伸長している健康素材ルイボスティーを使った「&TEA ルイボスロイヤルミルクティー ハニージンジャー」などがご好評いただきました。また、お好みのコーヒー豆を購入して自宅でリラックスしながら楽しむ「お家カフェ」のニーズが引き続き高く、自宅でのカフェタイムを盛り上げるビーンズ類や「Tully's Specialty カフェオレベース 275ml」が好調に推移しました。現在の総店舗数は764店舗となっております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に対しては、従業員の手洗い・アルコール消毒・出勤前の検温・マスクの着用、飛沫感染防止策としてレジ前のビニール幕等の設置、ソーシャルディスタンスの確保など、積極的な感染予防対策の徹底・強化を講じてまいりました。
しかしながら、緊急事態宣言発出やまん延防止等重点措置適用に伴う営業時間の短縮及び不要不急の外出自粛、それらによる需要回復の遅れが、当連結会計年度の業績に大きな影響を与えました。
この結果、飲食関連事業の売上高は262億6百万円(前期比20.1%減)となり、営業損失は13億74百万円(前期は営業利益17億25百万円)となりました。
<その他>
売上高は64億93百万円(前期比0.0%増)となり、営業利益は6億17百万円(前期比5.9%減)となりました。
財政状態の状況は次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,238億80百万円で、前連結会計年度末に比べて499億14百万円増加しております。これは主に「現金及び預金」が446億17百万円増加、「受取手形及び売掛金」が39億69百万円増加、「未収入金」が14億63百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は1,091億84百万円で、前連結会計年度末に比べて75億円減少しております。これは主に「建物及び構築物」が13億15百万円減少、「リース資産」が33億20百万円減少、「のれん」が32億49百万円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は935億48百万円で、前連結会計年度末に比べて224億76百万円増加しております。これは主に「支払手形及び買掛金」が35億52百万円増加、「短期借入金」が181億84百万円増加、「リース債務」が10億12百万円減少、「未払費用」が12億26百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は864億59百万円で、前連結会計年度末に比べて165億75百万円増加しております。これは主に「長期借入金」が169億36百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,530億57百万円で、前連結会計年度末に比べて33億62百万円増加しております。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」により「利益剰余金」が70億11百万円増加、「剰余金の配当」により「利益剰余金」が51億80百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ440億52百万円増加し、当連結会計年度末には1,077億63百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは、253億51百万円の収入(前期は247億19百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益133億95百万円、減価償却費124億27百万円、のれん償却額12億66百万円、法人税等の支払額59億49百万円によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは、75億14百万円の支出(前期は92億17百万円の支出)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出70億80百万円によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは、258億13百万円の収入(前期は129億5百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入401億69百万円、長期借入金の返済による支出56億8百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出36億91百万円、配当金の支払51億75百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期比増減率(%) |
|
リーフ・ドリンク関連事業 |
|
|
|
(販売用製品) |
56,550 |
4.5 |
|
(自社製品用原料) |
14,465 |
△5.6 |
|
リーフ・ドリンク関連事業計 |
71,016 |
2.2 |
|
その他 |
|
|
|
(販売用製品) |
1,811 |
29.2 |
|
合計 |
72,827 |
2.8 |
(注)1 販売用製品の金額は販売価格、自社製品用原料の金額は原価によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 上記生産実績には外部へ製造委託している仕入製品は含まれておりません。
4 上記金額には消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期比増減率(%) |
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リーフ・ドリンク関連事業 |
190,381 |
△10.0 |
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飲食関連事業 |
8,283 |
△19.5 |
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その他 |
2,577 |
△3.8 |
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合計 |
201,243 |
△10.4 |
(注)1 金額は仕入原価によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期比増減率(%) |
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リーフ・ドリンク関連事業 |
413,581 |
△6.9 |
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飲食関連事業 |
26,206 |
△20.1 |
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その他 |
6,493 |
0.0 |
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合計 |
446,281 |
△7.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、下記については、重要なものとして「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
1.ネオス㈱に係る固定資産の減損損失
2.タリーズコーヒージャパン㈱に係る固定資産の減損損失
3.繰延税金資産の回収可能性
その他の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のとおりです。
a.貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、販売先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
b.たな卸資産
当社グループが販売するたな卸資産は市場の需給の影響を受け、市場価格が低下する場合があるため、評価基準として、総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しております。なお、在外連結子会社につきましては、先入先出法又は移動平均法による低価法を採用しております。
c.賞与引当金
賞与引当金は、従業員に対する翌連結会計年度賞与支給見込額のうち当期間対応額を計上しておりますが、実際の支給額は支給時点における外部環境及び当社グループの状況を勘案のうえ決定されるため、実際の支給額が見積りと異なる場合には、追加の費用計上が必要となる可能性があります。
d.退職給付に係る資産・負債
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び昇給率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。
e.有価証券の評価
当社グループは価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しております。当社グループは有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価または減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、評価損が発生し、利益に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症による影響は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「追加情報」にて記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ7.7%減の4,462億81百万円となりました。これは「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、リーフ・ドリンク関連事業及び飲食関連事業において、新型コロナウイルス感染拡大に伴う活動制限及び不要不急の外出自粛等の影響を受け、当連結会計年度の需要が低調に推移したことによるものであります。
当連結会計年度の売上総利益は前連結会計年度に比べ7.6%減の2,150億3百万円となり、売上総利益率は0.0%増の48.2%となりました。
当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ16.4%減の166億75百万円となり、営業利益率は0.4%減の3.7%となりました。これは、売上総利益率は0.0%増となったものの、売上高が7.7%減となったことにより、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率が0.4%増加したことによるものであります。
当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ12.4%減の170億29百万円となり、経常利益率は0.2%減の3.8%となりました。これは、営業外損益に含まれる為替差損益が8億89百万円増加(増加は為替差益)したことによるものであります。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ10.0%減の70億11百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益率は0.0%減の1.6%となりました。これは、固定資産売却益が1億14百万円減少、投資有価証券売却益が4億37百万円減少、助成金収入が12億30百万円増加、減損損失が12億19百万円減少、新型コロナウイルス感染症による損失が3億26百万円増加したことによるものであります。
c.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループは、収益性の強化によるキャッシュ・フローを高め、さらに投資効果を重視した設備投資を行うとともに、有利子負債の削減を進めてまいります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2.事業等のリスク」に記載のとおりです。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、リーフ・ドリンク関連事業における製品製造のための原材料の仕入や製造経費のほか、販売費及び一般管理費等であります。また、設備投資需要としては、リーフ・ドリンク関連事業における自動販売機等への投資や飲食関連事業における新規出店等への投資であります。
b.財務政策
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に調達するため、内部資金の活用に加え、金融機関からの借入及び社債の発行等による資金調達を行っております。資金調達に際しては、調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう金利の固定化を図っております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、2017年6月に発表しました中長期経営計画の目標にも掲げましたとおり、連結売上高、自己資本利益率(ROE)、総還元性向を重要な経営指標としており、その進捗状況については以下のとおりであります。
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2021年4月期 実績 |
2022年4月期 見通し |
2022年4月期 目標値 |
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売上高 |
4,462億円 |
4,100億円 |
6,000億円 |
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自己資本利益率(ROE) |
4.7% |
8.2% |
10%以上 |
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総還元性向 |
74.0% |
40%以上 |
40%以上 |
翌連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、上記の「2022年4月期 見通し」は当該会計基準等を適用した業績予想となります。なお、「2021年4月期 実績」を同様の基準で試算した場合、売上高の増減率は5.8%増の見通しとなります。自己資本利益率(ROE)、総還元性向につきましては、基準適用前後での影響はございません。
「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)当社グループの中長期的な経営戦略」に記載のとおり、今後も企業価値を高め、より一層株主価値の向上に努めてまいりますが、世界規模で拡大が続いている新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループの事業環境は厳しい状況が続いております。
新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が一部で開始されたものの、現時点で新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明であり、当社グループの経営成績に与える影響額を合理的に算出することは困難な状況であります。
そのため、新たな中長期経営計画につきましては、今後、新型コロナウイルス感染症拡大の状況等を踏まえた上で策定していく予定であります。
該当事項はありません。
当社グループの主な研究開発部門は、当社の中央研究所、開発一部、開発二部、新ブランド育成・コーヒーグループ、緑茶ブランドグループ、麦茶・紅茶ブランドグループ、リーフブランドグループ、野菜・果汁・炭酸ブランドグループ及び農業技術部であります。
中央研究所では、当社グループ製品の健康価値に関する研究につきまして、茶の成分による生活習慣病予防効果、認知機能改善効果等を検証するため、大学等研究機関との共同研究を進めております。加えて、茶殻等の未利用資源の活用に関する研究開発を行い、茶の機能を活用した紙・樹脂製品の開発を推進しております。また、お茶と食事との相性を科学的に明らかにし、論文投稿や学会発表・販促物への活用を実施しました。
今後も緑茶、コーヒー、野菜飲料、乳酸菌飲料など、当社グループ製品の健康価値の検証や、香味や品質の安定性向上に関する研究開発を通し、当社グループ製品の品質向上とブランド強化に貢献してまいります。
開発一部、開発二部、新ブランド育成・コーヒーグループ、緑茶ブランドグループ、麦茶・紅茶ブランドグループ、リーフブランドグループ、野菜・果汁・炭酸ブランドグループでは、茶葉、飲料、その他の新製品の開発を行っております。
開発一部、開発二部では各カテゴリーの新製品の開発で、原材料の加工方法、処方の開発、製造技術の開発を行い原料の開発から製品の試作・製品化までを担当しております。
新ブランド育成・コーヒーグループ、緑茶ブランドグループ、麦茶・紅茶ブランドグループ、リーフブランドグループ、野菜・果汁・炭酸ブランドグループでは新製品の開発につきまして、市場調査、消費者の動向分析に基づき、基本コンセプトの開発を担当しております。
農業技術部では、当社グループ製品に適した緑茶・野菜飲料原料を安定的に確保するために、品種素材、栽培方法、加工方法に関する調査研究や技術開発と、国内外の産地形成に関する活動を行っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
<リーフ・ドリンク関連事業>
当社独自製法による製品開発や、茶の特性を活かした製品開発を行っております。荒茶・仕上げ加工の研究により茶の特性を活かした製品を多数開発しております。また、茶の加工技術等を応用し簡便性商品であるティーバッグ・インスタントティーの製品開発を行っております。
日本茶飲料や紅茶飲料、中国茶飲料等の製品開発に関しましては、飲料用に適した原料茶の開発と飲料加工技術の研究を継続して行っております。野菜飲料、果実飲料に関しましては、野菜の原料開発と搾汁技術の開発、果実の搾汁技術の開発や飲料製造技術開発を行っております。コーヒー飲料におきましては、原料の選定、処方・製造技術の開発を行っております。乳飲料、炭酸飲料、機能性飲料におきましても、原料開発や飲料製造技術の開発を行っております。また、各ホット飲料の開発では、ホット飲料に適した原料の開発、製造技術開発を行っております。
食品の開発では、野菜スープ、お汁粉及び麹甘酒等の開発においても、当社の強みを生かした原料調達力をもって製造技術開発に取組み製品化をしております
また、カテキンの抗菌、消臭作用を応用した抗菌防臭加工繊維製品や茶殻を有効利用した茶配合製品の製品化を行っております。
なお、研究開発費には、中央研究所で行っている緑茶や野菜飲料の健康性に関する研究や、飲料の香味・おいしさに関する研究などの研究費用が含まれております。
<飲食関連事業>
該当事項はありません。
<その他>
該当事項はありません。