第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

〈連結経営成績〉                                (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

実績

増減率(%)

増減額

売上高

171,401

172,684

0.7

1,283

営業利益

3,857

4,891

26.8

1,033

経常利益

3,741

5,382

43.8

1,640

親会社株主に帰属する当期純利益

3,269

2,504

△23.4

△764

 

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、緩やかな回復基調が続いております。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続く中で各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されておりますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意が必要とされるなど、今後の動向は依然として不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループは、2017年1月21日をもって持株会社体制に移行し、「ダイドーグループホールディングス株式会社」として、将来の飛躍的成長への第一歩を踏み出しました。「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。その実現のためにDyDoグループは、ダイナミックにチャレンジを続ける。」のグループ理念のもと、中期経営計画「Challenge the Next Stage」を推進し、次代に向けた企業価値創造へのチャレンジを積極的に展開いたしました。

--------------------------------------------------------------------------------------

<次代に向けた企業価値創造へのチャレンジ>

2016年度からの事業戦略

1.自販機ビジネスモデルを革新し、キャッシュ・フローの継続的拡大を図る

2.「ダイドーブレンド」のブランド力をさらに高め、トップブランドをめざす

3.海外事業展開を加速し、トップラインの飛躍的成長を実現する

4.M&A戦略により、新たな収益の柱を確立する

---------------------------------------------------------------------------------------

 

なお、連結損益計算書の主要項目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は、次のとおりであります。

 

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して0.7%増加し、1,726億84百万円となりました。これは主に、医薬品関連事業の好調な受注実績が増収に大きく寄与したものであります。また、海外飲料事業は、トルコにおいてミネラルウォーターの販売が大幅に伸長いたしました。

一方、自販機を取り巻く外部環境が厳しさを増している国内飲料事業や、競合他社の攻勢が激しい食品事業は、夏場の天候不順の影響もあり、減収となりました。

 

なお、売上高の主な内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高

構成比

売上高

構成比

 

コーヒー飲料

72,070

42.0

71,351

41.3%

茶系飲料

17,457

10.2

17,668

10.2

炭酸飲料

12,094

7.1

10,994

6.4

ミネラルウォーター類

6,985

4.1

7,379

4.3

果汁飲料

6,539

3.8

6,955

4.0

スポーツドリンク類

2,720

1.6

2,418

1.4

ドリンク類

1,627

0.9

1,529

0.9

その他飲料

8,783

5.1

8,414

4.9

国内飲料事業計

128,278

74.8

126,712

73.4

海外飲料事業計

16,735

9.8

18,547

10.7

医薬品関連事業計

9,068

5.3

10,536

6.1

食品事業計

18,013

10.5

17,560

10.2

調整額

△695

△0.4

△673

△0.4

合計

171,401

100.0

172,684

100.0

(注)1.報告セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

2.当連結会計年度より、持株会社体制への移行に伴い、報告セグメントの区分を変更しております。詳細につきましては、第一部[企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項](セグメント情報等)に記載しております。

 

② 営業利益

当連結会計年度の売上総利益率は、前連結会計年度の52.2%を下回り、51.7%となりました。これは主に、海外飲料事業(トルコ飲料事業)において、一部の資材調達が外貨建ての取引となっていることから、トルコリラの為替変動の影響により、原価率が上昇したことによるものであります。このことから、売上総利益は、前連結会計年度と比較して1億90百万円減少し、892億63百万円となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、主に国内飲料事業における自販機チャネルにかかる固定費低減効果や、広告販促の効率化などにより、前連結会計年度と比較して12億23百万円減少し、843億72百万円となり、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、49.9%から48.9%に改善いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比較して10億33百万円増加し、48億91百万円となり、営業利益率は、2.3%から2.8%に改善いたしました。

0102010_001.png

 

③ 経常利益

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比較して1億65百万円増加し、10億16百万円となりました。これは主に、雑収入の増加によるものであります。

また、営業外費用は、前連結会計年度と比較して4億42百万円減少し、5億25百万円となりました。これは主に、為替差損の減少や、自販機調達にかかる長期借入金残高の減少などに伴う支払利息の減少によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比較して16億40百万円増加し、53億82百万円となりました。

 

④ 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度と比較して15億59百万円悪化いたしました。これは、前連結会計年度は、負ののれん発生益4億94百万円、関係会社出資金売却益4億33百万円、投資有価証券売却益1億32百万円の合計10億60百万円が特別利益に計上されていたことに加えて、当連結会計年度は、海外飲料事業にかかる減損損失4億31百万円、関係会社株式評価損84百万円の合計5億16百万円を特別損失として計上していることによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比較して81百万円増加し、48億65百万円となりました。

 

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の法人税等は、23億73百万円を計上し、法人税等負担率は前連結会計年度の34.1%を上回り、48.8%となりました。これは主に、当連結会計年度において評価性引当額が増加したことなどによるものであります。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して7億64百万円減少し、25億4百万円となりました。

また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の197.34円に対し、当連結会計年度は、151.73円となりました。

 

なお、当連結会計年度における収益及び費用の主な為替換算レートは、1トルコリラ=30.78円(前連結会計年度は36.13円)、1マレーシアリンギット=26.21円(前連結会計年度は26.44円)となっております。

 

〈セグメント別概況〉                                (単位:百万円)

 

売上高

セグメント利益又はセグメント損失(△)

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

国内飲料事業

128,278

126,712

△1,565

3,958

5,542

1,584

海外飲料事業

16,735

18,547

1,811

△1,266

△838

428

医薬品関連事業

9,068

10,536

1,468

944

1,271

326

食品事業

18,013

17,560

△453

212

219

7

調整額

△695

△673

22

9

△1,303

△1,313

合計

171,401

172,684

1,283

3,857

4,891

1,033

(注)1.報告セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

2.当連結会計年度より、持株会社体制への移行に伴い、報告セグメントの区分を変更しております。詳細につきましては、第一部[企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項](セグメント情報等)に記載しております。

 

① 国内飲料事業

飲料業界におきましては、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、日本国内の飲料市場は大きな成長を見込みにくい状況の中で、業界各社は、利益重視の方針を掲げ、重点ブランドの強化や新たな付加価値を備えた多様な商品の展開などに取り組みましたが、夏場の天候不順の影響により、販売数量は伸長せず、ドラッグストア業界の競争激化を背景とした価格戦略も相俟って、販売単価の改善が進展しないなど、競争環境は厳しさを増しております。

当社グループは、このような状況に対処すべく、将来にわたるキャッシュ・フローの継続的拡大に向けた様々なチャレンジを積極的に推進いたしました。

「自販機ビジネスモデルの革新」に向けた取り組みといたしましては、自販機使用年数の長期化などによる環境面への配慮をすすめながら、自販機1台あたりの調達コストの大幅な低減を図ることにより、固定費構造の抜本的改革にチャレンジしております。

また、自販機を新たな価値創造のプラットフォームとすべく、“お客様と自販機の新たな関わり方”を提案する新サービス「Smile STAND」の効果的展開に向けた取り組みを推進するとともに、将来の可能性をさらに広げるべく、2017年9月より、自販機による新たな情報発信サービス「Smile Town Portal」を開始し、自販機を通じたプラットフォームビジネスの実現に向けた基盤作りに注力いたしました。

「ダイドーブレンド」ブランドのさらなる強化に向けた取り組みといたしましては、ワールドバリスタチャンピオンシップ 第14代チャンピオン ピート・リカータ氏監修のもと、本格的な味わいでご好評をいただいている「世界一のバリスタ監修」シリーズをさらに進化させ、飲用シーンに合わせた味わいを最適な容器・容量でお届けすることで「缶コーヒー」の価値向上を図りました。

また、2017年11月に発売25周年を迎えた「ダイドーブレンド デミタス」シリーズをリニューアル発売するとともに、シリーズに深みとキレを両立させた甘さ控えめの微糖「ダイドーブレンド デミタス 甘さ控えた微糖」を新たに加え、ラインアップの強化に努めました。キリンビバレッジ株式会社との自販機における相互商品販売の業務提携においては、同社自販機での販売商品を、「世界一のバリスタ監修」シリーズのボトル缶入りコーヒー飲料2品(「ダイドーブレンド 香るブレンド微糖 世界一のバリスタ監修」「ダイドーブレンド コクと香りのブレンドBLACK 世界一のバリスタ監修」)に統一し、自販機内での訴求力の向上による販売効果の拡大とブランド認知度の向上を図りました。

さらに、近年のお客様の健康志向の高まりに対応すべく、2016年11月に販売を開始した株式会社ファンケルとの共同開発による当社初の機能性表示食品「大人のカロリミット はとむぎブレンド茶」の拡販に注力したことに加え、2017年9月より同社との共同開発第2弾として、「大人のカロリミット 玉露仕立て 緑茶プラス」を発売するなど、新たな付加価値を備えたイノベーティブな商品の展開に取り組みました。

当連結会計年度は、「世界一のバリスタ監修」シリーズや「大人のカロリミット®」茶シリーズが、コンビニエンスストアなどの流通チャネルにおいて好調な販売実績となったほか、「世界一のバリスタ監修」シリーズのボトル缶入りコーヒー飲料2品のキリンビバレッジ株式会社向けの出荷も堅調に推移したものの、天候不順などの外部要因の影響もあり、自販機1台あたりの売上高が低下するなど、販売は厳しい状況となりました。一方、利益面につきましては、自販機チャネルにかかる固定費の低減効果や広告販促の効率化により、販売費及び一般管理費が減少し、増益となりました。

以上の結果、国内飲料事業の売上高は、1,267億12百万円(前連結会計年度比1.2%減)、セグメント利益は、55億42百万円(前連結会計年度比40.0%増)となりました。

 

※ワールドバリスタチャンピオンシップ 第14代チャンピオン ピート・リカータ氏

 

 

② 海外飲料事業

当社グループは、国内飲料事業とのシナジーの発揮による海外飲料事業の強化・育成を図るため、持株会社が海外飲料子会社を直接統括する体制とし、将来の飛躍的成長に向けた事業基盤の整備に取り組んでおります。

トルコの飲料市場は、トルコリラ安の影響を受け、輸入原材料の価格が高騰するなど、足元の収益環境は厳しい状況が続いておりますが、若年層人口の比率が非常に高く、さらなる人口増により、中長期的に大きな成長が見込める有望な市場と位置づけております。

このような状況の中、海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、将来の成長に向けたバリューチェーンの強化によるビジネスモデル再構築を図るとともに、コアブランドである「ÇAMLICA」、「Saka」や、高単価ブランドである「Maltana」の拡販に注力し、市場における当社ブランドの存在価値の向上を図りました。また、2017年12月にミネラルウォーター製造販売事業を行うMerpez Ticaret Turizm Gıda Tarım Pazarlama Emlak İnşaat Sanayi İthalat ve İhracat Limited Şirketiの株式80%を取得したことにより、物流の効率化とミネラルウォーターのさらなる需要増に対応する体制を整備しました。

一方、イスラム圏における東側の戦略拠点であるマレーシア飲料事業においては、健康志向の急速な高まりに対応すべく、日本イメージの高品質な製品の開発に注力いたしましたが、市場環境の大きな変化により、業績は当初計画を大きく下回る推移となっております。

また、ロシア飲料事業においては、モスクワ市での自販機展開を通じて商品の拡販を図っておりますが、モスクワ市政府による自販機ロケーションの入札実施が進んでいないことに加え、自販機オペレーション体制の整備に当初想定以上の時間を要しており、自販機展開の進捗が遅延する結果となっております。

中国飲料事業においては、マレーシア飲料会社が日本DyDoのノウハウを活かし企画・開発した「ヨービック」の輸入販売に取り組みました。

当連結会計年度は、トルコ飲料事業における輸入原材料価格の高騰、マレーシア飲料事業における急速な健康志向の加速によるドライ飲料販売の苦戦、ロシア飲料事業における自販機展開の遅れなどがあったものの、トルコ飲料事業においてミネラルウォーターの販売が大幅に伸長したことや、広告販促の効率化を図ったことなどにより、収益の改善を図ることができました。

以上の結果、海外飲料事業の売上高は、185億47百万円(前連結会計年度比10.8%増)、セグメント損失は、8億38百万円(前連結会計年度は12億66百万円のセグメント損失)となりました。

なお、トルコ飲料事業は2016年2月3日に取得を完了しており、前連結会計年度においては11ヵ月間を連結対象期間としております。

 

③ 医薬品関連事業

医薬品関連事業を担う大同薬品工業株式会社は、医薬品を中心とする数多くの健康・美容飲料等のドリンク剤の研究開発を重ね、お客様のニーズにあった製品の創造と厳格な品質管理や充実した生産体制により、安全で信頼される製品を製造しております。

近年、栄養ドリンクのコアユーザー層の高齢化などの影響を受け、ドリンク剤市場は縮小傾向にあり、市場環境は厳しい状況で推移しておりますが、美容系ドリンクはインバウンド需要を契機として、海外輸出向け製品の受注が拡大するなど、変化の兆しも見えはじめております。

このような状況の中、大同薬品工業株式会社は、受託企業としての圧倒的なポジションを確立すべく、安全・安心な生産体制の維持強化、組織的な提案営業と独自の提案素材の開発、生産効率化・コスト競争力の強化に注力しております。

当連結会計年度は、組織的な提案営業の結果、特に海外で高まるヘルス&ビューティーのトレンドにも対応した製品の受注が好調に推移したことなどにより、新規受注が拡大したほか、既存製品の受注も好調に推移いたしました。

以上の結果、医薬品関連事業の売上高は、105億36百万円(前連結会計年度比16.2%増)、セグメント利益は、12億71百万円(前連結会計年度比34.6%増)となりました。

 

④ 食品事業

食品事業を担う株式会社たらみは、フルーツゼリー市場においてトップシェアを有し、卓越した知名度とブランド力で事業基盤を確立しておりますが、競合他社の攻勢が一層激しくなってきており、経営環境は大変厳しさを増しております。

このような環境下において安定的・持続的に成長し続けるためには、食の安全をベースに、「付加価値の向上」に対し、あらゆる方向からチャレンジすることが肝要と考えております。当連結会計年度は「顧客目線で社内を変える、イノベーションで社内を変える」という経営方針を一層推進していくよう、全社をあげて取り組みました。

お客様の多面的なニーズに対応し、驚きや感動を生む製品を幅広く創り続けるという基本姿勢のもと、健康・美容軸に力点を置いた「ヘルシーゼリー」を展開すべく、フルーツでキレイを応援する新ブランド「Fruits & Beauty」シリーズを発売し、顧客層の拡充を図ってまいりました。

当連結会計年度は、競争環境が厳しさを増す中、利益確保に向けた生産・調達をはじめとする全社的な取り組みや「たらみ」ブランドの価値向上に向けた広告投資を戦略的に実行いたしました。

以上の結果、食品事業の売上高は、175億60百万円(前連結会計年度比2.5%減)、セグメント利益は、2億19百万円(前連結会計年度比3.3%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

15,309

14,308

△1,001

投資活動によるキャッシュ・フロー

△20,560

△8,947

11,613

財務活動によるキャッシュ・フロー

△9,445

△3,843

5,602

現金及び現金同等物に係る換算差額

△81

△117

△35

現金及び現金同等物の増減額

(△は減少)

△14,777

1,400

16,178

現金及び現金同等物の期首残高

60,898

46,120

△14,777

現金及び現金同等物の期末残高

46,120

47,520

1,400

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して14億円増加し、475億20百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が48億65百万円(前連結会計年度比81百万円増)となったことや、減価償却費の計上などにより、143億8百万円の収入(前連結会計年度は153億9百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形・無形固定資産や投資有価証券の取得による支出などにより、89億47百万円の支出(前連結会計年度は205億60百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金やリース債務の返済による支出などにより、38億43百万円の支出(前連結会計年度は94億45百万円の支出)となりました。

 

(3) 財政状態

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減額

 

流動資産

91,578

93,426

1,848

固定資産

72,292

77,720

5,428

資産合計

163,870

171,147

7,277

 

流動負債

44,508

43,311

△1,196

固定負債

33,668

36,908

3,239

負債合計

78,176

80,219

2,042

純資産合計

85,693

90,927

5,234

 

当連結会計年度末の総資産は、有価証券及び投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末と比較して72億77百万円増加し、1,711億47百万円となりました。

負債は、繰延税金負債や未払法人税等の増加などにより、前連結会計年度末と比較して20億42百万円増加し、802億19百万円となりました。

純資産は、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末と比較して52億34百万円増加し、909億27百万円となりました。

なお、投資有価証券、繰延税金負債及びその他有価証券評価差額金の主な増加要因は、出資先である大江生醫股份有限公司の株式の時価変動によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

生産、受注及び販売の状況は以下のとおりであります。

なお、当社グループは、当連結会計年度より持株会社体制への移行に伴い、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて比較しております。

 

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月21日

至 平成30年1月20日)

前年同期比(%)

海外飲料事業(百万円)

13,349

115.6

医薬品関連事業(百万円)

10,230

116.9

食品事業(百万円)

17,549

97.5

合計(百万円)

41,129

107.4

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月21日

至 平成30年1月20日)

前年同期比(%)

国内飲料事業(百万円)

50,118

99.3

海外飲料事業(百万円)

3,725

136.0

医薬品関連事業(百万円)

270

97.5

合計(百万円)

54,114

101.1

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月21日

至 平成30年1月20日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

海外飲料事業

3,709

144.3

55

64.1

医薬品関連事業

10,324

122.6

2,123

144.8

合計

14,034

127.7

2,178

140.3

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績については、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (1)[業績]に記載のとおりであります。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、国内飲料事業を取り巻く経営環境が大きく変化する中、グループ一丸となって将来の持続的成長をめざすべく、2014年に新たな「グループ理念・グループビジョン」「グループスローガン」を制定しております。

厳しい競争環境を勝ち抜き、お客様、従業員、取引先、地域社会、株主といったすべてのステークホルダーの皆様との共存共栄を図りながら、企業の成長とともに従業員が成長していくために、チャレンジする企業風土の醸成に取り組んでおります。

0102010_002.png

また、当社グループのコア事業である国内飲料事業は、清涼飲料という消費者の皆様の日常生活に密着した製品を取り扱っており、部門売上高の80%以上は地域社会に根差した自販機を通じた販売によるものです。また、自社工場を持たず、生産・物流を全国の協力業者に委託するファブレス経営により、当社は製品の企画・開発と自販機オペレーションに経営資源を集中し、全国に約28万台を保有する自販機は当社グループの従業員と共栄会(当社商品を取り扱う自販機運営業者)により管理しております。

このような当社独自のビジネスモデルは、ステークホルダーの皆様との信頼関係によって成り立っていることから、「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」ことが会社としての責務であり、経営上の最重要課題であると認識しております。そして、その実現のために、「ダイナミックにチャレンジを続けていく」ための基盤として、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスを継続的に改善していくことが、株主共同の利益に資するものと考えております。

 

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、2014年に制定されたグループ理念のもと、2018年度を最終年度とする中期経営計画「Challenge the Next Stage」をスタートさせ、「既存事業成長へのチャレンジ」「商品力強化へのチャレンジ」「海外展開へのチャレンジ」「新たな事業基盤確立へのチャレンジ」の4つのテーマに取り組んでおります。

0102010_003.png

そして、2017年1月には、将来の飛躍的成長に向けた改革を加速させるべく、「グループ経営の強化」「事業領域拡大への機動的対応」「海外飲料事業の強化・育成」を目的として持株会社体制へ移行いたしました。

自販機ビジネスモデルの革新によるキャッシュ・フローの継続的拡大とグループ全体の事業ポートフォリオの強化拡充により、成長性・収益性・効率性の高い企業グループをめざしてまいります。

 

(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、持続的成長の実現に向けたひとつの通過点として、「連結売上高2,000億円」「売上高営業利益率4%」を中期経営計画「Challenge the Next Stage」の最終年度である2018年度の数値目標に掲げております。

今後、中長期的な企業価値向上の実現に向けて、新たな経営戦略・経営目標・KPI等に関する検討をすすめてまいります。

 

(4) 経営環境

近年、わが国は世界でも類を見ない超高齢化社会に突入しており、今後さらに進展する生産年齢人口の減少が潜在成長率を押し下げ、持続的経済成長に影響を与えることが懸念されております。また、AIやIoTなどのテクノロジーのめざましい発展が、経済にも影響をもたらしはじめるなど、経営環境は急速な変化を遂げております。

このような状況の中、お客様の価値観や消費行動は大きく変化しており、企業は常に、社会の変化に対応した新たな価値を生み出していくことが求められております。また、健康寿命の延伸に向けた取り組みや、環境面への配慮、働き方ニーズの多様化への対応など、事業を通じて社会的課題の解決に貢献していくことが期待されております。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループはこれまで、中期経営計画「Challenge the Next Stage」に掲げた4つのテーマに取り組むとともに、2017年1月には持株会社体制へ移行し、様々な変革を推進してまいりました。

中期経営計画のスタート以来、これまで4年間の取り組みにより、前向きな成果が着実に見えはじめておりますが、一方で、将来の成長に向けた課題も明確になってきております。

今後につきましては、経営環境の大きな変化をチャンスととらえ、新たな価値の創造にチャレンジするとともに、「グループ理念・グループビジョン」に定める価値観に基づき、事業を通じて社会的課題の解決に貢献することにより、持続的成長の実現と中長期的な企業価値の向上にチャレンジしてまいります。

 

① 既存事業成長へのチャレンジ

当社グループはこれまで、「自販機ビジネスモデルの革新」を事業戦略に掲げ、環境負荷低減とコストダウンの両立を図る「フロンティアベンダー」の展開や自販機使用年数の長期化などの取り組みをすすめながら、自販機チャネルにかかる固定費構造の抜本的改革と、IoT自販機の計画的展開に取り組んでまいりました。

これらの取り組みにより、固定費構造の改革に一定の目途が立ち、IoT機能を搭載した「Smile STAND」の展開台数も当連結会計年度末時点で約5万台となるなど、着実な成果が見えはじめております。

一方、自販機ビジネスを取り巻く外部環境は厳しさを増しており、自販機1台あたりの売上高の低下傾向が続いております。このような状況の中、自販機ビジネスによるキャッシュ・フローの継続的拡大を図るためには、オフィス内などの安定的な販売が見込める場所への設置促進や、商品ラインアップの最適化などの取り組みを着実に推進していくことに加えて、「Smile STAND」のサービス拡充による利用者拡大への取り組みを加速することなど、お客様にとっての自販機の付加価値を、より一層高めていくことが大きな課題となっております。

今後につきましては、「社会と共に。」のグループビジョンを実現すべく、IoTを通じて、自販機を社会のインフラとして活用し、幅広い分野でお客様の生活を、より快適で豊かにするサービスの提供をめざしてまいります。アイデアとテクノロジーをもって付加価値を創造し、人と、社会と、環境に配慮した自販機ビジネスのサスティナビリティーへの取り組みとともに、既存の枠組みを越えて、グループ全体で生み出す製品・企業活動「オールDyDo」が、豊かで元気な社会作りに貢献してまいります。

 

② 商品力強化へのチャレンジ

当社グループはこれまで、「ダイドーブレンド」のブランド力をさらに高め、トップブランドをめざすことを事業戦略に掲げ、お客様が求めるコーヒー本来の味わいをお届けすべく、高い品質のコーヒー豆を厳選してブレンドし、香料を使用しない製法にこだわり続けてまいりました。また、特定保健用食品・機能性表示食品などの健康志向に対応した付加価値の高いイノベーション商品の開発にも注力するなど、商品力強化へのチャレンジを続けてまいりました。

これらの取り組みにより、お客様の「ダイドーブレンド」ブランドの購入意向は着実に伸長しており、特に、ワールドバリスタチャンピオンシップ 第14代チャンピオンであるピート・リカータ氏監修による「世界一のバリスタ監修」シリーズは、当社自販機での好調な販売はもちろんのこと、コンビニエンスストアやキリンビバレッジ株式会社の自販機にもお客様接点が拡大し、ブランド認知度の向上に大きく貢献しております。また、株式会社ファンケルとの共同開発による「大人のカロリミット®」茶シリーズは、競争の激しい機能性表示食品の茶系飲料市場において、一定のポジションを獲得しております。

近年、社会の急速な変化とともに、お客様の価値観や消費行動は多様化しており、お客様の求める「おいしさ」や「健康」に対するニーズも、ライフスタイルの変化とともに多様化しております。このような価値観の多様化に対応し、お客様の共感を得る商品をお届けしていくためには、イノベーションを起こすことができる多様な人材の採用、定着、キャリア開発に取り組むことや、これまで当社グループが培ってきた「おいしさ」や「健康」に関する知見・技術・製造ノウハウなどと、グループ外の様々な知見や研究開発力などを融合させ、新たな価値を生み出していくことも重要な課題となっております。

今後につきましては、「お客様と共に。」のグループビジョンを実現すべく、オープン・イノベーションとダイバーシティへの取り組みを推進することにより、高い品質にいつもサプライズを添えて、「オンリーDyDo」のおいしさと健康をお客様にお届けしてまいります。

 

 

※ワールドバリスタチャンピオンシップ 第14代チャンピオン ピート・リカータ氏

③ 海外展開へのチャレンジ

当社グループはこれまで、「海外事業展開の加速」を事業戦略に掲げ、2015年12月にマレーシア、2016年2月にトルコといったイスラム圏における戦略拠点を獲得するとともに、2017年1月の持株会社体制移行後は、海外事業統括部が海外飲料子会社を直接管理・統制する体制とし、海外飲料事業の強化・育成に取り組んでまいりました。

これらの取り組みにより、トルコ飲料事業においては、商流の見直しをはじめとするバリューチェーンの強化策により、トップラインの飛躍的成長に向けたビジネスモデルの構築に取り組むことができましたが、マレーシア、ロシア、中国については、事業基盤の整備に時間を要していることから、将来の発展に向けた成長戦略を再構築していくことが大きな課題となっております。

また、お客様の健康志向はグローバル市場においても大きな潮流となっていることから、日本において培った「おいしさ」と「健康」に関する知見・技術・ノウハウを、海外飲料子会社の持つ現地のマーケティングに関する知見や製造技術などと融合させることでイノベーションを起こし、加速する健康志向の高まりに対応した高い品質の商品ラインアップを強化・拡充し、飛躍的成長につなげていくことが重要な課題となっております。

今後につきましては、「次代と共に。」のグループビジョンを実現すべく、国内飲料事業と海外飲料事業のシナジーを発揮させ、国境も既存の枠組みも越えて、次代に向けて「DyDoスタンダード」を創造してまいります。

 

④ 新たな事業基盤確立へのチャレンジ

当社グループはこれまで、“食や健康”関連の新規事業展開を図ることを中期的な成長戦略に掲げ、近年は、専門人材の採用をすすめながら、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア領域での新規事業展開の可能性に絞り込んで検討を続けてまいりました。その結果、「グループ理念・グループビジョン」に定める価値観に基づき、事業を通じて社会的課題の解決を図るべく、2019年7月より、希少疾病用医薬品事業へ参入することといたしました。

当社グループはこれまで、缶コーヒーを中心とした清涼飲料水に加え、栄養ドリンクや美容ドリンク、フルーツデザートゼリーといった飲料や食品をベースとした価値を「おいしさ」とともに、お客様にお届けしてまいりましたが、将来の人口動態の変化や健康寿命の延伸に対応した新たな市場を開拓し、末永く愛される商品をお届けしていくためには、単なる「おいしさ」だけでなく、日常生活の中で健康に寄与する「おいしさ」をお届けしていくことが課題であると考えております。

今後につきましては、「人と共に。」のグループビジョンを実現すべく、希少疾病で苦しむ患者様に医薬品を通じた価値提供によって貢献するインクルージョンへの取り組みを推進するとともに、既存の飲料・食品・医薬品の枠組みを越えて、ヘルスケア関連市場を将来の大きな成長の柱へと育成し、「グループスローガン」に掲げる「こころとからだに、おいしいものを。」持続的に皆様にお届けする企業グループとして、飽くなき「DyDoチャレンジ」でDyDoグループに関わるすべての人の幸せを実現してまいります。

 

(6) 株式会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の株主の皆様、お客様、地域社会、お取引先様、従業員など当社を巡るステークホルダーとの共存共栄を図り、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保と向上に資する者が望ましいと考えております。

もっとも、当社の株主の在り方については、株主は資本市場での自由な取引を通じて決まるものであり、また会社を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思に基づき判断されるべきであることから、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。

しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、買収の目的等が、企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が当該買付の内容を検討・判断し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための必要な時間や情報を与えることなく行われるもの、買付の対価の価額、買付の手法等が対象会社の企業価値ひいては株主に対して不適当なもの、対象会社と対象会社を巡るステークホルダーとの間の関係を損ねるおそれをもたらすものなど、企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものもありえます。

当社は、このような大規模買付行為や買付提案を行い、当社の企業価値及びブランド価値ひいては株主共同の利益に反する重大な悪影響を与えるおそれをもたらす行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えます。

② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組み

当社では、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以下の施策を実施しております。これらの取組みは、会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。

イ.コーポレートガバナンスの継続的改善に向けた取組み

当社グループのコア事業である国内飲料事業は、清涼飲料という消費者の皆様の日常生活に密着した製品を取り扱っており、部門売上高の80%以上は地域社会に根差した自販機を通じた販売によるものです。また、自社工場を持たず、生産・物流を全国の協力業者にすべて委託するファブレス経営により、当社は製品の企画・開発と自販機オペレーションに経営資源を集中し、全国に約28万台を保有する自販機は当社グループの従業員と共栄会(当社商品を取り扱う自販機運営事業者)により管理しております。

このような当社独自のビジネスモデルは、ステークホルダーの皆様との信頼関係によって成り立っていることから、「人と社会と共に喜び、共に栄える。」ことが会社としての責務であり、経営上の最重要課題であると認識しております。そして、その実現のために「ダイナミックにチャレンジを続けていく」ための基盤として、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレートガバナンスの継続的な改善に取組んでおります。

ロ.中期経営計画を軸とする企業価値向上への取組み

当社グループは、新たなグループ理念・グループビジョンのもと、平成30年度を最終年度とする中期経営計画「Challenge the Next Stage」を推進しております。「既存事業成長へのチャレンジ」「商品力強化へのチャレンジ」「海外展開へのチャレンジ」「新たな事業基盤確立へのチャレンジ」の4つのテーマに取組み、平成30年度には売上高を2,000億円へ、営業利益率を4%に引き上げることを目標としております。

③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

当社は、平成20年1月15日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入し、直近では平成29年4月14日開催の第42回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただき継続(以下「本プラン」といいます。)しております。

その概要は以下のとおりです。

イ.本プラン導入の目的

本プランは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。かかる買付行為を以下、「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を以下、「大規模買付者」といいます。)について、①実行前に大規模買付者に対して、必要かつ十分な情報の提供を求め、②当社が当該大規模買付行為についての情報収集・検討等を行う時間を確保したうえで、③株主の皆様への当社経営陣の計画や代替案等の提示並びに必要に応じて大規模買付者との交渉を行うことにより、株主の皆様に必要かつ十分な情報及び時間を提供し、株主の皆様が当該大規模買付行為に応じるか否かの適切な判断を行うことができるようにすることを目的としております。

ロ.大規模買付ルールの概要

大規模買付ルールとは、①大規模買付者が当社取締役会に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供し、②当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものであります。

ハ.大規模買付行為がなされた場合の対応

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見の表明や、代替案を提示することにより、当社株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。

ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすことが明らかな場合など、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであると当社取締役会が判断したときには、取締役の善管注意義務に基づき、当社取締役会は、当社株主の皆様の利益を守るために、必要かつ相当な範囲で、例外的に新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとることがあります。

大規模買付者により、大規模買付ルールが遵守されなかった場合には、当社取締役会は、独立委員会による対抗措置発動の勧告を経て、企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。

ニ.株主・投資家の皆様に与える影響等

大規模買付ルールの設定は、株主及び投資家の皆様が適切な投資判断を行ううえでの前提となるものであり、本プランの導入は株主及び投資家の皆様の共同の利益に資するものであると考えます。

また、当社取締役会が企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、対抗措置を発動した際にも、大規模買付者等以外の株主の皆様が、法的権利または経済的側面において格別の損失を被るような事態は想定しておりません。

ホ.本プランの有効期間等

本プランの有効期間は、平成32年4月に開催予定の定時株主総会終結時までの3年間としております。

ただし、有効期間中であっても、株主総会または取締役会にて本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、当該決議の時点をもって本プランは廃止されるものとします。

④ 本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みは、以下の諸点より、会社の支配に関する基本方針に沿うものであります。

本プランは、イ.経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める要件を充足し、平成20年6月30日に発表した企業価値研究会の報告書及び東京証券取引所が平成27年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえていること ロ.株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること ハ.株主の意思を反映するものであること ニ.当社取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立委員会の勧告を最大限尊重するものであること ホ.発動のための合理的な客観的要件を設定していること ヘ.デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 人材の確保・育成

当社グループの成長戦略である海外における事業展開の強化拡充や新たな事業領域への参入を図るためには、高度な専門性や経験を有する多様な人材を確保していく必要があります。また、既存事業成長へのチャレンジを推進するためには、全国広範囲にわたり保有する自販機のオペレーションを支える人材や、医薬品関連事業・食品事業等の製造工場のオペレーションを支える人材を継続的に確保・育成していく必要があります。

近年、少子高齢化の進行と労働力人口の減少、価値観や働き方ニーズの多様化など、労働市場を取り巻く環境が変化する中、相応しい人材を継続的に確保することが困難になる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、人材の確保・育成への取り組みを強化するとともに、人材のさらなる定着化を図るための諸制度の整備や業務効率の改善など、働き方改革への取り組みをすすめております。

 

(2) 海外子会社の管理・統制

当社グループは、海外における本格的な事業展開を図ることを中期的な成長戦略に掲げ、将来の飛躍的成長に向けた戦略拠点として、トルコ、マレーシア、ロシア、中国の4カ国に海外飲料子会社を有しております。

海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合や投資回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社が海外飲料子会社を直接管理・統制する体制とし、経営管理体制・リスク管理体制の整備をすすめるとともに、海外飲料事業の強化・育成を図り、国内飲料事業とのシナジーの発揮による飛躍的成長の実現にチャレンジしております。

 

(3) 企業買収及び事業・資本提携

当社グループは、“食や健康”関連の新規事業展開を図ることを中期的な成長戦略のひとつとしており、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。

企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社体制への移行により、事業領域の拡大に機動的に対応できる体制を整備とするとともに、取締役会の実効性評価の結果をふまえて、取締役会のさらなる機能強化を図るなど、コーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みをすすめております。

 

 

(4) 自販機チャネルへの集中・依存

当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史とともに発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、全国約28万台の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は83.1%となっており、業界平均を大きく上回る状況となっております。

自販機チャネルは、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機市場全体の総台数は減少に転じており、自販機においても低価格販売が広がっていることや、コンビニエンスストアをはじめとする利便性の高い店舗網の増加などから、自販機1台あたりの売上高が低下する傾向が続いており、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、オフィス内などの安定的な販売が見込める場所への設置促進や商品ラインアップの最適化などの取り組みをすすめるとともに、自販機チャネルにかかる固定費構造の改革やIoT自販機の展開を通じて、自販機ビジネスモデルの革新にチャレンジしております。

 

(5) 業界における市場競争

日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況の中で、業界各社は収益重視の方針を掲げ、重点ブランドへの集中や商品・容器構成の見直しなどに取り組んでいるものの、消費の二極化による低価格志向の高まりや、流通チェーンの合併・統合等による販売促進活動に対する交渉力強化や競争力の高いプライベートブランドの展開、ドラッグストア業界の競争激化を背景とした価格戦略なども相俟って、販売単価の改善は進展しておらず、店頭への商品配荷を維持・拡大するための販売促進費も増加する傾向にあります。

また、業界各社からは、お客様ニーズの多様化に対応すべく、容器やデザイン面にも工夫をこらした多種多様なコンセプトの新商品が相次いで発売されており、価格戦略を含めたマーケティング戦略など、市場における競争環境の変化に十分対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、1975年の発売以来、本格的な味わいと香料を使わない製品作りにこだわり続けてきた「ダイドーブレンド」ブランドのさらなるブランド力強化や、近年のお客様ニーズの多様化に対応したイノベーティブな商品の展開など、商品力強化へのチャレンジをすすめております。

 

(6) 原材料・資材の調達

当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、特に、海外飲料事業(トルコ事業)については、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は影響を受けます。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、コーヒー豆については、先を見越して国内焙煎業者と取引価格を契約し、調達価格の安定化を図っているほか、他の原材料・資材についても、調達戦略の推進によるコスト最適化への取り組みをすすめております。

 

 

(7) 生産体制・品質管理体制

当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。国内飲料事業においては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の協力工場に製造を委託する生産体制をとっておりますが、自社と協力工場双方での厳格な管理・検査体制で常に安全安心な製造・出荷体制を維持しております。

当社グループでは、食品の安全性、品質管理及び表示不良商品に関して重大な事故及び訴訟等は発生しておりませんが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業では、製造を委託している協力工場に対して、毎年、品質保証監査を実施し、製造における安全性・品質の向上と信頼関係の構築を図っております。また、自社工場を有する医薬品関連事業・食品事業では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO 9001」、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC 22000」の認証を取得し、さらなる品質向上をめざしております。

 

(8) その他のリスク

上記以外にも事業活動をすすめていく上において、経済情勢の変化、天候・自然災害、法規制等の外部要因によるリスクのほか、気候変動や資源枯渇をはじめとする環境問題への対応、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しています。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は以下のとおりであり、当連結会計年度における研究開発費の総額は、8億36百万円となっております。

 国内飲料事業では、それぞれの分野において商品開発、マーケティングから販売管理までを一貫してマネジメントし、自動販売機という販売網を自社で有する強みを生かしたロングセラー商品の開発と育成に努めております。

 国内飲料事業に係る研究開発費は、4億86百万円であります。

 海外飲料事業では、トルコ飲料事業において新商品開発及び既存商品の改良を行っております。また、国内飲料事業とのシナジーの発揮による飛躍的成長の実現にチャレンジしております。

 海外飲料事業に係る研究開発費は、16百万円であります。

 医薬品関連事業では、医薬品を中心とする数多くの健康・美容飲料等のドリンク剤の研究開発を重ね、お客様のニーズにあった製品の創造と厳格な品質管理や充実した生産体制により、安全で信頼される製品を製造しております。

 医薬品関連事業に係る研究開発費は、2億17百万円であります。

 食品事業では、生産から販売に至るまでの構造改革並びに意識改革を加速させ、お客様の多面的なニーズに対応した、驚きや感動を生む商品開発に努めております

 食品事業に係る研究開発費は、1億15百万円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、第一部[企業情報] 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績の概況につきましては、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (1)[業績]に記載のとおりであります。

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの状況につきましては、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 1[業績等の概要](2)[キャッシュ・フロー]に記載しております。

② 資金需要

当社グループは、資金を営業活動から得られるキャッシュ・フローと金融機関からの借入、社債の発行により賄っております。

③ 財政状態

財政状態につきましては、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 1[業績等の概要](3)[財政状態]に記載しております。

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第一部[企業情報] 第2[事業の状況] 4[事業等のリスク]に記載のとおりであります。

なかでも、日本国内の飲料市場において、販売単価の改善が進展していないことや、店頭への商品配荷を維持・拡大するための販売促進費も増加する傾向にあること、自販機市場全体の総台数は減少に転じており、自販機1台あたりの売上高が低下する傾向が続いていることなどは、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。

当社グループといたしましては、これらの外部要因による影響に対応するため、国内飲料事業においては、「販売チャネルの特性に応じた商品ラインアップの最適化」「安定的な販売が見込める優良ロケーションの確保」「自販機オペレーション体制の生産性向上」「お客様にとっての自販機の付加価値向上」などの施策を講じることにより、さらなる売上高の向上とコストの最適化を図ってまいります。

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

近年、わが国では「働き方改革」や「生産性向上」が注目を集め、あらゆる企業がその取り組みをはじめています。この背景には、長時間労働の是正や、近い将来、少子高齢化によって起こり得る労働力不足に対処するため、これまでの価値観の変化が求められていることがあると考えています。

政府でも「人生100年時代構想」が語られるようになっていますが、今後の日本は高齢長寿化が進み、前例のない時代に突入していきます。こうした時代の大きな変化の中で、当社グループが豊かで元気な社会づくりに貢献していくためには、目に見える資産だけでなく、「目に見えない資産」を蓄えていく必要があると考えています。

また、「健康」に関しては、マーケットにおいても、機能性飲料・食品をはじめとしたヘルスケア関連市場が着実に成長を続けています。さらに、この健康志向の流れは日本だけでなく世界的なトレンドとしても大きな潮流になってきていることは確実です。

私たちDyDoグループも、このヘルスケア関連市場を次なる成長領域としてターゲットに定め、さらなる飛躍に向けてチャレンジしていきます。

変化の激しい時代こそ、新たなビジネスチャンスが生まれると考えています。当社グループの将来に向けた持続可能な成長を実現するため、グループ一丸となり、同じ方向に向かってダイナミックにチャレンジを続けます。