第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(2019年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、国内飲料事業を取り巻く経営環境が大きく変化する中、グループ一丸となって将来の持続的成長をめざすべく、2014年に新たな「グループ理念・グループビジョン」「グループスローガン」を制定しております。

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厳しい競争環境を勝ち抜き、お客様、従業員、取引先、地域社会、株主といったすべてのステークホルダーの皆様との共存共栄を図りながら、企業の成長とともに従業員が成長していくために、チャレンジする企業風土の醸成に取り組んでおります。

また、当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、清涼飲料という消費者の皆様の日常生活に密着した製品を取り扱っており、部門売上高の80%以上は地域社会に根差した自販機を通じた販売によるものです。また、自社工場を持たず、生産・物流を全国の協力業者に委託するファブレス経営により、当社は製品の企画・開発と自販機オペレーションに経営資源を集中し、業界有数の自販機網は当社グループの従業員と共栄会(当社商品を取り扱う自販機運営業者)により管理しております。

このような当社独自のビジネスモデルは、ステークホルダーの皆様との信頼関係によって成り立っていることから、「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」ことが会社としての責務であり、経営上の最重要課題であると認識しております。そして、その実現のために、「ダイナミックにチャレンジを続けていく」ための基盤として、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスを継続的に改善していくことが、株主共同の利益に資するものと考えております。

 

(2)経営戦略等

当社グループでは、日本国内の人口動態の変化をはじめとする中長期的な事業環境の変化が、ビジネスモデルに重要な影響を及ぼすリスクと事業機会を分析し、これまでの課題認識をふまえて、2030年の当社グループのありたい姿を示す「グループミッション2030」を定め、その実現に向けた2019年度からの3カ年の行動計画として「中期経営計画2021」を策定しております。

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「グループミッション2030」では、グループ理念・グループビジョンの実現のために2030年までに成し遂げるべきミッションを4つのテーマごとに示し、その達成に向けたロードマップを描いております。

具体的には、2030年までの期間を「基盤強化・投資ステージ」「成長ステージ」「飛躍ステージ」の3つに区分し、それぞれのステージに応じた事業戦略を推進することにより、競争優位性の高いビジネスモデルを構築し、成長性・収益性・効率性の高い事業ポートフォリオを形成してまいります。

 

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(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標

「中期経営計画2021」は、「グループミッション2030」に定める当社グループのありたい姿の実現に向けた「基盤強化・投資ステージ」として、キャッシュ・フローの最大化とあわせて、成長戦略の推進にも積極的に取り組んでいくことから、3年間の固定的な定量目標は設定せず、主要指標のガイドラインを示し、事業環境の変化と重点戦略・投資戦略の進捗に応じた単年度目標を毎期設定する方針としております

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なお、「中期経営計画2021」における重点戦略・投資戦略は以下のとおりであります。

 

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(4)経営環境についての経営者の認識

 

 

わが国は人口減少社会に突入して久しく、それと同時に急速に少子高齢化が進んでいます。人口動態推移に基づく将来推計によると、2030年頃には高齢化率が3割を超えて、3人に1人が65歳以上になると予測されています。この変化に柔軟に対応し、DyDoグループとして継続的に成長していくためには、自販機ビジネスをコアビジネスとしながらもそのモデルを時代に合ったものへと進化させるとともに、国内飲料事業に次ぐ事業の柱を育て、事業ポートフォリオを変化させていく必要があります。そして、それを実現させるためには、目の前の事業の延長で物事を考えるのではなく、2030年にありたい姿を定め、事業を推進していくことが必要という考えから、昨年、グループミッション2030「世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへ」を掲げました。今後の人口構成の変化を踏まえ、健康寿命の延伸により生まれるニーズや、消費者としての高齢者の比率が高まることを背景として、人々の楽しく健やかな暮らしのお役に立っていきたいと考えています。

このような中、次に起こる問題として「2025年問題」というものがあります。いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、医療や介護などの社会保障費が急増するという問題です。その一方で、1980年前後生まれ以降のデジタルネイティブがビジネスや社会を動かす主役になってきます。今後5年間で起きる人口構成の変化は、パラダイムシフトとも言うべき世の中の変化を、しかも急激にもたらす可能性があると言われています。

また、もうひとつの2025年問題として経済産業省が「2025年の崖」として警鐘を鳴らすのが、わが国のデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れであり、これが大きな課題であると言われています。しかしながら、前述のデジタルネイティブの台頭とこの危機感が相まって、わが国でもDXが一気に進展する可能性があります。

このような急速な社会の変化は、当社グループのビジネスを大きく進化させるチャンスだと言えます。世の中の変化の兆しを敏感に察知し、率先して変革を行い、斬新な発想から新たな価値を生み出すことにより、世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへと進化していきます。

 

ダイドーグループホールディングス株式会社

代表取締役社長 髙松 富也

 

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2030年のありたい姿を示す「グループミッション2030」の基本方針において、各事業セグメントが目指すべき営業利益率を明確に定め、「国内飲料事業のイノベーション」「海外での事業展開の拡大」「非飲料事業での第2の柱を構築」の3つのテーマに取り組むことにより、競争優位性の高いビジネスモデルを構築し、成長性・収益性・効率性の高い事業ポートフォリオの形成をめざしております。

 

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※図はイメージです。円の大きさは営業利益額を示し、2018年度を薄色、2030年度を濃色で表現。

 

① 国内飲料事業のイノベーション

当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、創業来、「お客様の求めるおいしさ」を「お客様にとって利便性の高い身近な場所」にお届けする独自のビジネスモデルによって発展してまいりました。業界有数の自販機網と、直販と共栄会によって一体的に運営する品質の高いオペレーション体制は、当社グループの大きな資産であり、キャッシュ・フローの源泉ともなっております。

現在、国内飲料事業の売上高は、自販機1台あたりの売上高の低下や台数の減少等により、減収基調が続いております。また、お客様の購買行動の変化や労働力不足の問題が業績にも影響を与えはじめていることから、将来にわたるキャッシュ・フローの継続的拡大のためには、自販機網の維持・強化や商品ラインアップの最適化による増収基調への転換と自販機オペレーション体制のさらなる高度化が大きな課題となっております。

一方、労働力不足の問題は、流通・小売業界全体の将来にも重要な影響を与える大きな課題であることから、「お客様の求めるおいしさ」を「お客様にとって利便性の高い身近な場所」にお届けする当社グループ独自のビジネスモデルは、テクノロジーを活用したイノベーションによって、時代の変化とともに進化し、強みを磨き続けることで、将来にわたってお客様や社会に価値を提供し続けていくことが可能になるものと考えております。

今後につきましては、自販機市場における確固たる優位性を確立すべく、オフィスや工場などの収益性の高い自販機ロケーションの開拓にかかる営業体制をさらに強化・増強するとともに、最新のテクノロジーを活用したスマートオペレーション体制の構築にチャレンジし、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、時代の変化やお客様のニーズの多様化をタイムリーに捉え、もっと身近で毎日の生活に役立つ事業へと進化することで、国内飲料事業がDyDoグループのコアビジネスであり続けることをめざしてまいります。

 

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② 海外での事業展開の拡大

当社グループの海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、豊富な若年層人口を背景に高い成長ポテンシャルを有しており、ミネラルウォーター「Saka」を中心に、高い売上成長を続け、収益性も大きく向上しておりますが、マレーシア・ロシア・中国につきましては、事業規模も小さく、現時点では収益面も厳しい状況にあります。

直近では、トルコ飲料事業の業績向上により、海外飲料事業セグメント全体の黒字化には一定の目途が立ったものの、海外飲料事業のさらなる成長に向けては、戦略拠点の選択と集中が大きな課題となっております。

今後につきましては、海外売上高の飛躍的成長の実現に向けて、新たな海外事業戦略の検討をすすめ、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、世界中に、こころとからだにおいしいものをお届けすることにより、グループ全体の海外売上高比率を20%以上に成長させることをめざしてまいります。

 

③ 非飲料事業での第2の柱を構築

当社グループの祖業である大同薬品工業株式会社(医薬品関連事業、以下「大同薬品工業」)は、現在では、ドリンク剤の受託製造専業メーカーとして業界トップクラスの地位を築いており、高い製造品質と医薬品から化粧品までの幅広い顧客基盤を有することが、大きな強みとなっております。また、食品事業を担う株式会社 たらみは、様々な食感を自在に実現する「おいしいゼリー」を作る技術力とブランド力を大きな強みとして、フルーツゼリー市場においてトップシェアを有しております。これらの既存事業の持つ強みと特徴は、将来の非飲料事業の成長に向けた核になるものと考えております。

直近の取り組みといたしましては、希少疾病の医療用医薬品事業に新規参入すべく、2019年1月にダイドーファーマ株式会社を設立したほか、同年8月には、大同薬品工業の奈良工場へパウチラインを新設、同年10月には、群馬県館林市に大同薬品工業の関東新工場が竣工するなど、将来に向けた成長投資を積極化しております。

今後につきましては、超高齢化社会・健康長寿社会がさらに進展する中、大きな成長が期待されるヘルスケア分野における事業領域を「健康」「予防」から「未病」「治療」へと拡充すべく、当社グループの持つ強みとのシナジーが見込めるM&Aなどの投資機会の調査・検討をさらにすすめ、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、「医療」と「食品」の垣根を越えた新たな市場を開拓し、既存事業と融合するヘルスケア領域での事業を第2の柱として構築することをめざしてまいります。

 

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④ 人材をはじめとする「見えない資産」への投資

当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上のためには、人材をはじめとする「見えない資産」への投資が重要課題であるものと認識しております。

直近では、国内飲料事業において、お客様の購買行動の変化や労働力不足の問題が業績にも影響を与えはじめていることから、ロケーションの特性にあった商品ラインアップの最適化や自販機オペレーション体制の高度化による生産性向上にチャレンジするとともに、オフィスや工場などの収益性の高い自販機ロケーションの新規開拓にかかる営業体制の増強に向けてキャリア採用を積極化し、組織体制のさらなる活性化を図っております。

今後につきましては、「グループミッション2030」の達成に向けて、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制を強化し、多様な価値観や能力を尊重しながら、ステークホルダーとの新たな共存共栄を推進してまいります。

 

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⑤ グループ共通の行動規範の浸透

当社グループは、「グループミッション2030」を通じて「国内飲料事業のイノベーション」「海外での事業展開の拡大」「非飲料事業での第2の柱を構築」に取り組むにあたり、「グループ理念」「グループビジョン」のもと、国境や事業の枠組みを越えて統一した判断基準のもとで行動ができるよう、グループ共通の行動指針として「グループ行動規範」を新たに制定いたしました。

直近では、その理解促進を図るため「DyDoグループ コンプライアンスハンドブック」を日本語と英語で制作し全従業員に配布したほか、自身の業務と行動規範との結びつきを考える研修を全国各地で実施するなど、グループ全体への浸透を図っております。

今後とも、グループ全員が一丸となって、「グループ理念」「グループビジョン」に基づく共通の価値観と高い倫理観をもって、持続的成長の実現と中長期的な企業価値向上にダイナミックにチャレンジしてまいります。

 

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2【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制の運用方針・計画を定めるほか、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、リスク対策の妥当性を評価しております。

当連結会計年度の「グループリスク管理委員会」においては、国内飲料事業において「人材の確保・育成」のリスク顕在化への対策の妥当性等を評価したほか、危機管理事案が発生した場合のグループ間連携の徹底を再確認いたしました。

前連結会計年度末との比較では、「生産・物流体制」を取り巻く経営環境の変化により、当社グループの経営成績等への影響の発生可能性が高まっていると評価したほか、「企業買収及び事業・資本提携」については、今後の方向性を検討すべき投資先もあることから、グループ全体への影響度は比較的小さいものの、経営成績等への影響の発生可能性が高まっていると評価いたしました。

また、「環境問題への対応」に関する社会的な問題意識の高まりによるリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等へ与える影響度が高まっているものと評価いたしました。

 

(1)人材の確保・育成

・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループの各事業は、労働集約型産業の側面を持ち、国内飲料事業では自販機オペレーションを担う人材、医薬品関連事業や食品事業では製造工場のオペレーションを担う人材によって支えられていることから、日本国内の人口動態の変化による労働力不足への対応は、将来の持続可能性にも関わる大きな課題となっております。

また、当社グループの成長戦略であるヘルスケア分野における事業領域の拡大には、高度な専門性や経験を有する多様な人材を確保していく必要があります。

近年、少子高齢化の進行と労働人口の減少、価値観や働き方ニーズの多様化など、労働市場を取り巻く環境が変化する中、相応しい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

近年の労働市場の変化により、企業の人手不足感は高水準となっており、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。

当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制の強化を図ってまいります。また、国内飲料事業においては、人材確保の遅れが翌期の業績にも影響を及ぼす可能性があることから、自販機オペレーション体制の高度化による生産性向上にチャレンジするとともに、オフィスや工場などの収益性の高い自販機ロケーションの新規開拓にかかる営業体制の増強に向けてキャリア採用を積極化し、組織体制のさらなる活性化を図っております。

 

(2)海外子会社の管理・統制

・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループは、海外での事業展開の拡大を「グループミッション2030」の基本方針に掲げ、グループ全体の海外売上高比率を20%以上に成長させることをめざしております。

海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合や投資回収となった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生する可能性があるほか、中長期的な海外事業戦略の推進にも支障が出るなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

当社グループの海外飲料事業は、トルコ飲料事業が大きなウエイトを占めており、その業績は比較的好調に推移しているものの、足元の事業環境は、為替変動による輸入原材料価格の高騰や、景気の減速による消費への影響にも留意が必要な状況にあることから、トルコから周辺諸国への輸出取引の拡大により、収益の安定化を図る必要があります。また、マレーシア・ロシア・中国の各飲料事業については、今後、事業継続の見極めも必要な状況にあることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外飲料子会社を管理・統括することにより、海外飲料事業全体の黒字化に向けた戦略拠点の見直しをすすめるとともに、持株会社の監査部による海外飲料子会社への監査体制を強化するなど、経営管理体制・リスク管理体制の整備をすすめております。

 

(3)企業買収及び事業・資本提携

・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループは、非飲料事業での第2の柱の構築を「グループミッション2030」における基本方針に掲げ、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。

企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

当社グループは、「中期経営計画2021」の投資戦略において、ヘルスケア領域におけるM&Aなどの戦略投資にも積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、取締役会の実効性評価を毎年1回実施し、その評価結果をふまえて、取締役会のモニタリング機能の実効性をさらに高めるなど、迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みをすすめております。

 

(4)自販機チャネルへの集中・依存

・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史とともに発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、業界有数の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は80%超となっており、業界平均を大きく上回っております。

自販機チャネルは、本来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機オペレーションを担う人手不足の問題などもあり、自販機市場全体の総台数は減少に転じております。また、コンビニエンスストアをはじめとする利便性の高い店舗網の増加などにより、自販機1台当たりの売上高も減少傾向にあり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

自販機チャネルの収益構造は、限界利益率が高い一方で、売上高に対する固定費の比率も比較的高く、国内飲料事業の中で売上構成比の高い自販機チャネルの減収は、グループ全体の営業利益の減少にもつながりやすいことから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、オフィスや工場などの安定的な販売が見込める場所への自販機の設置促進や商品ラインアップの最適化などにより、売上高の向上に努めるとともに、自販機オペレーション体制の生産性向上により、売上高に対する固定費率の低減に取り組んでおります。

また、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、非飲料事業での第2の柱を構築することにより、自販機チャネルへの依存度を低減する方針としております。

(5)業界における市場競争

・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況の中で、業界各社はマーケティングを積極化し、容器やデザイン面にも工夫をこらした多種多様なコンセプトの新商品を相次いで発売しております。なかでも、新しいタイプのペットボトル入りコーヒーの登場は、業界各社にとって収益性の高いコーヒー飲料の市場環境を大きく変化させるものとなりました。また、eコマースの普及や、ドラッグストア業界の積極的な出店戦略への対応策として、流通チェーン各社は、店舗の付加価値を追求するとともに、価格戦略、販売促進強化の動きを強めていることから、市場の実勢価格は低下傾向にあり、店頭への商品配荷を維持・拡大するための販売促進費も増加するなど、競争環境は急速に変化しております。当社グループの商品戦略・販売戦略・価格戦略が、このような市場の変化のスピードに対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、厳しい状況が続いていることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、市場環境の変化に迅速に対応できるよう商品開発体制を強化し、「おいしさ」と「健康」を追求した商品やサービスの拡大や、自販機ロケーションの特性にあった商品ラインアップの最適化に取り組むとともに、お客様にとって付加価値の高い提案を推進する課題解決型営業により、業界における市場競争に対応してまいります。

 

(6)原材料・資材の調達

・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、特に、海外飲料事業(トルコ事業)については、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は影響を受けます。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

コーヒー豆をはじめとする原材料・資材の多くは、商品相場や為替変動の影響を受けることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、コーヒー豆については、先を見越して国内焙煎業者と取引価格を契約し、調達価格の安定化を図っているほか、他の原材料・資材についても、調達戦略の推進によるコスト最適化への取り組みをすすめております。

 

(7)生産・物流体制

・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、生産・物流を外部へ委託するファブレス方式とすることにより、経営資源を商品の企画・開発や自販機のオペレーションといった、お客様と直接関わる分野に集中しております。

全国の協力工場へ商品の生産を分散して委託することにより、物流コストの低減や、大規模な自然災害や渇水等により、一部地域での生産が困難になった場合でも柔軟な対応が可能な体制としておりますが、近年、生産・物流を取り巻く経営環境は、大きく変化しており、生産を委託する協力工場の設備投資計画の内容によっては、当社商品を生産できる製造ラインが減少することも懸念されます。また、人手不足やコンプライアンスの厳格化を背景とした物流の逼迫による供給リスクは、国内飲料事業、医薬品関連事業及び食品事業に共通する大きな課題であり、物流コストの大幅な上昇とともに、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

社会情勢の変化を背景とした物流コストの上昇傾向は、当面続くことが想定されることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、生産体制については委託先に関する施策の検討をすすめるほか、物流体制については、澁澤倉庫株式会社との合弁によるダイドー・シブサワ・グループロジスティックス株式会社を2018年6月に設立し、物流業界との連携強化を推進しております。

(8)品質管理体制

・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。国内飲料事業においては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の協力工場に製造を委託する生産体制をとっておりますが、自社と協力工場双方での厳格な管理・検査体制で常に安全安心な製造・出荷体制を維持しております。また、自社工場を有する医薬品関連事業・食品事業では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO 9001」、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC 22000」の認証を取得し、さらなる品質向上に向けた取り組みを継続しておりますが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

当社グループは、品質管理体制には万全を期しており、当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一、重大な事故が発生した場合には、極めて大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業では、製造を委託している協力工場に対して、毎年、品質保証監査を実施し、製造における安全性・品質の向上と信頼関係の構築を図っております。また、医薬品関連事業を担う大同薬品工業におきましては、関東新工場の新設等の設備増強とともに、品質管理体制の強化を図っております。

 

(9)環境問題への対応

・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制も強まっております。

また、海洋プラスティック問題は世界的な共通課題であるとの認識が急速に高まっており、容器包装における対応は、飲料・食品業界共通の大きな課題ともなっております。

これらの規制強化や、容器包装等に対する取組みへの対応費用の増加等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害などのサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

海洋プラスティック問題をはじめとする地球環境に対する問題意識の高まりは、世界的な潮流であり、気候変動に起因した自然災害の激甚化傾向も高まっていることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。

当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、2020年度より代表取締役社長を委員長とする「グループESG委員会」を新たに設置し、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から中長期的な事業環境の変化による課題を整理し、「グループリスク管理委員会」との連携のもと、ESG経営を推進してまいります。

 

(10)その他のリスク

上記以外にも事業活動をすすめていく上において、経済情勢の変化、法規制等の外部要因によるリスクのほか、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しております。

 

なお、直近では、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響が長期化することが懸念されており、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は、以下のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

〈連結経営成績〉

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

実績

増減率(%)

増減額

売上高

171,553

168,256

△1.9

△3,297

営業利益

6,071

2,893

△52.3

△3,178

経常利益

5,998

2,857

△52.4

△3,141

親会社株主に帰属する当期純利益

3,856

1,778

△53.9

△2,077

 

〈セグメント別概況〉

(単位:百万円)

 

売上高

セグメント利益又は損失(△)

前連結

会計年度

当連結

会計年度

増減額

前連結

会計年度

当連結

会計年度

増減額

国内飲料事業

124,879

121,203

△3,675

7,106

3,948

△3,158

海外飲料事業

17,154

16,004

△1,149

△704

△306

398

医薬品関連事業

10,964

11,097

133

847

210

△637

食品事業

19,114

20,643

1,529

235

464

229

その他

△148

△148

調整額

△559

△693

△134

△1,413

△1,275

138

合計

171,553

168,256

△3,297

6,071

2,893

△3,178

(注)報告セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

(単位:%)

 

セグメント利益率

セグメントROA

前連結

会計年度

当連結

会計年度

増減

前連結

会計年度

当連結

会計年度

増減

国内飲料事業

5.7

3.3

△2.4

13.9

7.9

△6.0

海外飲料事業

医薬品関連事業

7.7

1.9

△5.8

4.9

1.0

△3.8

食品事業

1.2

2.3

1.0

1.3

2.6

1.2

(注)「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、セグメントROA算出にあたってのセグメント資産については遡及処理後の数値で算出しております。

 

当連結会計年度のわが国経済は、輸出が引き続き弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、緩やかに回復しております。先行きにつきましては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引き上げ後の消費マインドの動向に留意する必要があるなど、今後の動向は依然として不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社グループは、2030年のありたい姿を示す「グループミッション2030」の実現に向けた3カ年の行動計画「中期経営計画2021」の初年度として、収益改善を軸とする施策の実行と「グループミッション2030」の実現に向けた成長戦略を積極的に推進いたしました。

当連結会計年度の経営成績は、食品事業の収益性改善やトルコ飲料事業の業績伸長などの成果もありましたが、コアビジネスである国内飲料事業の減収による利益面への影響や、医薬品関連事業において、大同薬品工業の関東新工場の新設にかかる準備費用等が増加したことなどにより、厳しい結果となりました。

 

なお、連結損益計算書の主要項目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は、次のとおりであります。

 

ⅰ.売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して1.9%減少し、1,682億56百万円となりました。厳しい市場環境の中、7月の記録的な低温などの天候要因が飲料の販売動向に大きな影響を与えたほか、お客様の購買行動の変化や、自販機市場縮小の影響もあり、国内飲料事業が前年同期比2.9%減収となりました。その他の事業セグメントにつきましては、食品事業が前年同期比8.0%の増収となったほか、医薬品関連事業は、1.2%の増収を確保することができました。

なお、海外飲料事業は、為替変動の影響により日本円換算では減収となっておりますが、トルコ飲料事業において現地通貨ベースの売上高は大幅な伸びとなっております。

 

売上高の主な内訳は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高

構成比(%)

売上高

構成比(%)

 

コーヒー飲料

66,723

38.9

60,868

36.2

茶系飲料

18,075

10.5

19,909

11.8

炭酸飲料

10,794

6.3

11,780

7.0

ミネラルウォーター類

8,369

4.9

7,483

4.4

果汁飲料

5,459

3.2

6,547

3.9

スポーツドリンク類

2,640

1.5

2,123

1.3

ドリンク類

1,468

0.9

1,290

0.8

その他飲料

11,347

6.6

11,200

6.7

国内飲料事業計

124,879

72.8

121,203

72.0

海外飲料事業計

17,154

10.0

16,004

9.5

医薬品関連事業計

10,964

6.4

11,097

6.6

食品事業計

19,114

11.1

20,643

12.3

調整額

△559

△0.3

△693

△0.4

合計

171,553

100.0

168,256

100.0

(注)報告セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

 

ⅱ.営業利益

当連結会計年度の売上総利益は、主に国内飲料事業の減収により、前連結会計年度と比較して13億68百万円減少し、871億59百万円となりました。売上総利益率は、前連結会計年度の51.6%を上回り、51.8%となりました。事業セグメント別では、海外飲料事業及び食品事業において、平均販売単価の上昇効果などにより売上総利益率が改善しております。

販売費及び一般管理費につきましては、主に、人件費や販売促進費の増加等により、前連結会計年度と比較して18億9百万円増加し、842億65百万円となり、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、前連結会計年度の48.1%を上回り、50.1%となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、28億93百万円(前連結会計年度比52.3%減)となりました。

 

0102010_012.png

 

ⅲ.経常利益

当連結会計年度の営業外収益は、受取配当金の増加等により、前連結会計年度と比較して1億22百万円増加し、9億2百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度と比較して86百万円増加し、9億38百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、28億57百万円(前連結会計年度比52.4%減)となりました。

 

ⅳ.親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の特別利益は、医薬品関連事業等において固定資産売却益を計上したことから、4億58百万円となりました。当連結会計年度の特別損失は、台風19号をはじめとする記録的な豪雨等に伴う災害による損失40百万円を計上したほか、マレーシア飲料事業等における減損損失1億71百万円、ロシア飲料事業における関係会社整理損1億76百万円、国内飲料事業における組織の活性化を目的とした「ライフシフト支援施策」の応募者への割増退職金2億57百万円などの事業構造の改革にかかる費用を計上し、6億45百万円となりました。また、当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度と比較して18億69百万円減少し、8億1百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、17億78百万円(前連結会計年度比53.9%減)となりました。

また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の234.15円に対し、当連結会計年度は108.00円となりました。

 

なお、当連結会計年度における収益及び費用の主な為替換算レートは、1トルコリラ=19.26円(前連結会計年度は23.41円)、1マレーシアリンギット=26.39円(前連結会計年度は27.34円)となっております。

 

〈財政状態〉

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減額

 

流動資産

89,852

81,968

△7,883

固定資産

81,780

81,415

△365

資産合計

171,632

163,383

△8,249

 

流動負債

42,175

55,911

13,735

固定負債

35,517

18,261

△17,255

負債合計

77,692

74,172

△3,519

純資産合計

93,940

89,210

△4,729

 

当連結会計年度は、「中期経営計画2021」における投資戦略として、既存事業にかかる通常の設備投資のほか、国内飲料事業における自販機オペレーションの効率化に向けたIoT投資や、医薬品関連事業における大同薬品工業の関東工場の新設、奈良工場へのパウチライン新設など、「グループミッション2030」の実現に向けた成長投資を実行した結果、有形固定資産が増加し、流動資産が減少しております。また、第1回無担保社債が2020年10月に償還期限(償還予定額150億円)を迎えることから、固定負債が減少し、流動負債が増加しております。

当連結会計年度末の流動比率は前連結会計年度末の213.0%に対し、146.6%となり、固定比率は前連結会計年度末の88.2%に対し、92.5%となりましたが、自己資本比率は、前連結会計年度末の54.0%に対し、53.9%となっており、財務健全性を引き続き維持しております。

なお、投資有価証券及びその他有価証券評価差額金の主な減少要因は、出資先である大江生醫股份有限公司(以下「TCI」)株式の時価変動によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して82億49百万円減少し、1,633億83百万円となりました。

 

当社グループの連結財政状態の前連結会計年度末と比較した主な増減要因等は、次のとおりであります。

 

ⅰ.ネットキャッシュ

当連結会計年度末の金融資産(現金及び預金・有価証券・投資有価証券・長期性預金)は、前連結会計年度末と比較して135億43百万円減少し、732億40百万円となりました。このうち、投資有価証券の減少の主な要因は、TCI株式の時価変動等によるものであります。

一方、当連結会計年度末の有利子負債は、前連結会計年度末と比較して13億98百万円減少し、337億13百万円となりました。なお、長期借入金の返済が進む一方で、たらみの設備投資に関連するリース債務が増加しております。

以上の結果、当連結会計年度末のネットキャッシュ(金融資産-有利子負債)は、前連結会計年度末と比較して121億45百万円減少し、395億26百万円となりました。

 

ⅱ.運転資本

当連結会計年度末の売上債権は、前連結会計年度末と比較して13億6百万円減少し、184億97百万円となりました。また、当連結会計年度末のたな卸資産は、前連結会計年度末と比較して3億37百万円減少し、84億44百万円となりました。

一方、当連結会計年度末の仕入債務は、前連結会計年度末と比較して10億92百万円減少し、186億23百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度末の運転資本(売上債権+たな卸資産-仕入債務)は、前連結会計年度末と比較して5億51百万円減少し、83億18百万円となりました。

 

ⅲ.有形固定資産・無形固定資産

当連結会計年度末の有形固定資産・無形固定資産は、前連結会計年度末と比較して56億37百万円増加し、508億31百万円となりました。この主な要因は、大同薬品工業(医薬品関連事業)の関東工場の竣工、奈良の本社工場でのパウチラインの竣工により、建物及び構築物や機械装置及び運搬具等が増加したことによるものであります。

 

ⅳ.純資産

当連結会計年度末の株主資本は、利益剰余金の増加により、前連結会計年度末と比較して2億51百万円増加し、878億62百万円となりました。

当連結会計年度末のその他有価証券評価差額金は、主にTCI株式の時価変動により、前連結会計年度末と比較して41億68百万円減少し、85億9百万円となりました。また、当連結会計年度末の為替換算調整勘定は、主にトルコリラの為替変動により、前連結会計年度末と比較して9億66百万円減少し、△87億11百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して47億29百万円減少し、892億10百万円となりました。

 

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

0102010_013.png

※1:現金及び預金、有価証券、投資有価証券(関係会社株式を除く)、長期性預金

※2:短期/長期借入金、短期/長期リース負債・債務、社債、長期預り保証金

 

 

② キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

10,851

11,495

644

投資活動によるキャッシュ・フロー

△16,876

△15,472

1,403

財務活動によるキャッシュ・フロー

△2,618

△4,099

△1,481

現金及び現金同等物に係る換算差額

△464

△86

377

現金及び現金同等物の増減額

(△は減少)

△9,107

△8,163

943

現金及び現金同等物の期首残高

47,520

38,413

△9,107

新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加

3

3

現金及び現金同等物の期末残高

38,413

30,253

△8,159

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して81億59百万円減少し、302億53百万円となりました。

この主な要因は、売上債権やたな卸資産の減少等により営業活動による資金獲得が前連結会計年度と比べ増加した一方で、医薬品関連事業における大同薬品工業の関東新工場等への投資による資金支出や、長期借入金の返済による資金支出がそれぞれ増加したことによるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

ⅰ.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月21日

至 2020年1月20日)

前年同期比(%)

海外飲料事業(百万円)

11,157

100.5

医薬品関連事業(百万円)

10,894

102.0

食品事業(百万円)

20,553

107.8

合計(百万円)

42,605

104.3

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ⅱ.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月21日

至 2020年1月20日)

前年同期比(%)

国内飲料事業(百万円)

48,258

97.5

海外飲料事業(百万円)

3,568

76.5

医薬品関連事業(百万円)

183

72.8

合計(百万円)

52,010

95.6

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ⅲ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月21日

至 2020年1月20日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

海外飲料事業

2,544

103.0

57

86.2

医薬品関連事業

10,786

102.8

2,842

115.8

合計

13,331

102.9

2,899

115.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ⅳ.販売実績

当連結会計年度の販売実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

「中期経営計画2021」の初年度である当連結会計年度の主な成果と課題は、以下のとおりと認識しております。

●収益改善

<成果>  食品事業及びトルコ飲料事業(海外飲料事業)の収益性改善

<課題>  国内飲料事業の収益力回復に向けた自販機ビジネスの基盤強化

●海外戦略拠点の選択と集中

<成果>  トルコからの輸出拡大に向けた販売拠点(イギリス・ロシア)の整備

<課題>  マレーシア飲料事業(海外飲料事業)の変革推進

●成長投資

<成果>  大同薬品工業(医薬品関連事業)のパウチライン及び関東新工場竣工

<課題>  ヘルスケア領域におけるM&Aの実現

 

「中期経営計画2021」の基本方針と当連結会計年度末までの進捗状況は以下のとおりとなります。

0102010_014.png

「中期経営計画2021」のガイドラインと当連結会計年度の経営成績等を比較すると以下のとおりとなります。

0102010_015.png

当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

なかでも、日本国内の飲料市場において、実勢価格が低下傾向にあり、店頭への商品配荷を維持・拡大するための販売促進費も増加するなど、市場競争が激化していることや、自販機オペレーションを担う人材不足の問題などもあり、自販機市場全体の総台数は減少に転じており、自販機1台あたりの売上高も低下傾向が続いていることなどは、当連結会計年度の経営成績等に重要な影響を与える要因となりました。

当連結会計年度の経営成績は、極めて厳しい結果となりましたが、業績回復に向けて取り組むべき課題は、明確なものとなっております。特に、当社グループのコアビジネスである国内飲料事業の収益力回復に向けた自販機ビジネスの基盤強化は喫緊の課題であり、オフィスや工場などの収益性の高いロケーションへの自販機の設置促進や商品ラインアップの最適化、自販機オペレーション体制の生産性向上などの現場レベルの改善にスピード感をもって取り組みます。

また、原材料等の調達価格の低減を図るとともに、販売費及び一般管理費のコストコントロールをさらに徹底することにより、営業キャッシュ・フローを改善し、将来の成長に向けた投資を引き続き推進してまいります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

ⅰ.国内飲料事業

当連結会計年度の国内飲料市場は、7月の記録的な低温傾向や、業界各社の大型ペットボトル製品の価格改定の影響もあり、前年を2%程度下回る販売実績となりました。

また、原材料価格や配送費の高騰が収益面に大きな影響を与えることが懸念される状況の中、販売競争の激化や消費者の節約志向を背景に販売促進費の増加傾向は続いているほか、競合他社の価格戦略の影響も相俟って、業界全体の収益環境は、引き続き厳しい状況が続いております。

当社グループは、このような状況の中、「中期経営計画2021」の重点戦略に基づき、自販機市場における確固たる地位の確立をめざし、自販機ロケーションの開拓強化や最新のテクノロジーを活用したスマートオペレーション体制の構築に向けた取り組みをスタートさせました。

商品戦略におきましては、ワールドバリスタチャンピオンシップ 第14代 チャンピオン ピート・リカータ氏監修のもと、嗜好性の高い味わいでご好評いただいている「世界一のバリスタ※1監修」シリーズや、発売から27年にわたりプレミアム缶コーヒーとして「上質なコク」を提供してきた「ダイドーブレンドデミタス」シリーズをリニューアル発売したほか、幅広い世代から支持を集める人気キャラクターをデザインしたコラボ飲料「名探偵コナン ホワイトソーダ」を新発売するなど、自販機における商品ラインアップの最適化に注力いたしました。

また、2016年秋の発売以来、販売が好調に推移している株式会社ファンケルとの共同開発商品「大人のカロリミットⓇ茶シリーズを、最先端のニューロ調査により検証した“持ちごこち※2”を追求した新型ボトルの採用により、リニューアル発売したほか、SNSを中心に製造終了を惜しむ声や再販売を希望される声を多数お寄せいただいた「さらっとしぼったオレンジ」のボトル缶タイプの容器の採用による再発売や、世界的に著名なパティシエ であるピエール・エルメ氏との共同開発で新たな味覚に挑戦した「ピエール・エルメ×ダイドーブレンド カフェ・オ・レ ショコラ・ブリーズ」の発売など、あらゆる側面からお客様のニーズや、お客様の声にお応えするための取り組みをすすめております。

当連結会計年度は、量販店やコンビニエンスストアなどの流通チャネル向けの売上が伸長したほか、健康志向の高まりに対応したサプリメントや健康食品などの通信販売が好調に推移いたしましたが、競合他社の価格政策やお客様の購買行動の変化、自販機台数の減少などの影響により、自販機チャネルが大幅な減収となりました。利益面につきましては、自販機チャネルにおける販売数量減少による影響が大きく、人件費・物流コスト等の上昇もあり、たいへん厳しい結果となりました。

0102010_016.png

以上の結果、当連結会計年度の国内飲料事業の売上高は、1,212億3百万円(前連結会計年度比2.9%減)、セグメント利益は、39億48百万円(前連結会計年度比44.4%減)となりました。

 

※1 ワールドバリスタチャンピオンシップ 第14代チャンピオン ピート・リカータ氏

※2 “持ったときの心地よさ”を表す当社の造語

 

ⅱ.海外飲料事業

当社グループは、「中期経営計画2021」の重点戦略に、海外飲料事業の黒字化に向けた戦略拠点の見直しを掲げ、改革への取り組みをすすめております。

海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、ミネラルウォーター「Saka(サカ)」、炭酸飲料「Çamlıca(チャムリジャ)」「Maltana(モルタナ)」などの主力ブランドに経営資源を集中するとともに、生産体制・販売体制の整備をすすめるなど、バリューチェーンの強化を図ることにより、売上成長を続けております。

トルコの飲料市場は、豊富な若年層人口を背景に高い成長ポテンシャルを有しており、消費者の健康志向の高まりも相俟って、中長期的にも大きな伸びが見込める有望な市場と位置付けておりますが、足元の事業環境は、為替変動による輸入原材料価格の高騰や、景気の減速による消費への影響にも留意が必要な状況であることから、輸出取引比率の拡大による収益の安定化を図るべく、モスクワ市場にトルコ製品を拡販する体制の整備をすすめたほか、イギリスにおける販売拠点として DyDo DRINCO UK Ltd を2019年9月に設立いたしました。

また、イスラム圏における東側の戦略拠点であるマレーシア飲料事業においては、現地パートナー企業との合弁関係を解消し、当社100%出資の販売子会社 DyDo DRINCO Malaysia Sdn. Bhd.として、新たなスタートを切りました。ブランドポートフォリオの再構築による収益確保を図るべく、日本品質の新商品「BeFine(ビーファイン)」「vida(ヴィダ)」などの自社ブランドの育成にチャレンジしております。

当連結会計年度は、トルコ飲料事業において、収益性の高いミネラルウォーター「Saka(サカ)」が大幅に伸長し、適切な価格政策や製造工場の再編などの効率化効果もあり、現地通貨ベースで増収増益(日本円換算では、為替変動の影響により減収増益)となり、海外飲料事業セグメントの収益改善に大きく寄与いたしました。

0102010_017.png

また、中国飲料事業は、日本からの輸入商品の配荷拡大により、増収となりました。

一方、マレーシア飲料事業は、合弁解消に伴う既存ブランドの大幅な減収や自社ブランド新商品の市場への積極投入による初期コストの増加等により、収益面は後退する結果となりました。また、ロシア飲料事業は、DyDo DRINCO RUS,LLCの整理に向けて、不採算ロケーションの大幅な見直しを実行したことにより、減収となりました。

以上の結果、当連結会計年度の海外飲料事業の売上高は、160億4百万円(前連結会計年度比6.7%減)、セグメント損失は、3億6百万円(前連結会計年度は7億4百万円のセグメント損失)となりました。

 

ⅲ.医薬品関連事業

医薬品関連事業を担う大同薬品工業株式会社は、医薬品・指定医薬部外品をはじめとする数多くの健康・美容等のドリンク剤の研究開発を重ね、お客様のニーズにあった製品の創造と厳格な品質管理や充実した生産体制により、安全で信頼される製品を製造しております。

近年、栄養ドリンクのコアユーザー層の高齢化などの影響を受け、ドリンク剤市場は縮小傾向にあり、市場環境は厳しい状況で推移しておりますが、美容系ドリンクはインバウンド需要を契機として、海外輸出向け製品の受注が拡大するなど、健康・美容志向の高まりによる伸張傾向も見られます。

このような状況の中、大同薬品工業は、受託企業としての圧倒的なポジションを確立すべく、品質管理体制をさらに強化し、お客様から信頼される安全・安心な生産体制の維持強化を図るとともに、奈良工場にパウチ容器入り製品の製造ラインを新設(2019年9月竣工、2020年2月本稼働)するなど、受託剤形の多様化への取り組みをすすめております。また、近年高まりを見せているBCP対策の一環として、生産のリスク分散にも対応できる体制を整備し、お客様の様々なご要望やニーズに迅速にお応えするため、群馬県館林市に関東工場を新設(2019年10月竣工)し、2020年5月の本稼働に向けた準備をすすめております。

当連結会計年度は、資本業務提携先であるTCIとの協業効果による中国市場向け美容系ドリンクなどの受注増などにより、増収となりましたが、受注商品構成の変化による収益面への影響や、関東新工場やパウチラインの本稼働に向けた準備費用の増加などにより、セグメント利益は減少いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の医薬品関連事業の売上高は、110億97百万円(前連結会計年度比1.2%増)、セグメント利益は、2億10百万円(前連結会計年度比75.1%減)となりました。

 

ⅳ.食品事業

食品事業を担う株式会社たらみ(以下「たらみ」)は、フルーツゼリー市場においてトップシェアを有し、成熟する市場の中、着実に成長を続けておりますが、原材料や物流費などの高騰傾向に対応した収益構造の改善が課題となっております。

近年、カップゼリー市場での販売価格帯の動向は、普及価格帯商品が減少傾向にあり、中高価格帯の付加価値商品の割合が増加しておりますが、市場全体では、横ばいで推移しております。一方、短時間で手軽に手頃に食べたいという消費者ニーズにマッチした利便性商品であるパウチゼリー市場が継続的に成長しております。

このような状況の中、たらみでは、持続的に成長し続けるために目標とする将来像を「フルーツとゼリーを通して、おいしさと健康を追求し、すべての人を幸せにします。」と定め、「たらみブランドの価値向上」「社員の成長による収益力強化」「カテゴリーの垣根を超えたビジネスモデル創出へのチャレンジ」の3つのテーマに取り組んでおります。

供給体制の再構築や設備投資等による生産性向上の取り組みなどの多面的なコストの見直しによる収益力の改善とともに、付加価値の高い商品へのシフトや消費者ニーズに合わせた商品開発力の強化を図り、2019年春には、フルーツのおいしい濃さがしっかり味わえる「濃い0kcal蒟蒻パウチゼリー」シリーズを新発売するなど、伸張余地のあるパウチ市場でのシェア拡大にチャレンジしております。

当連結会計年度は、中高価格帯のカップゼリーの拡販とパウチゼリーの新商品投入効果や、多面的なコスト改善への取り組みの成果により、増収増益となりました。

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以上の結果、当連結会計年度の食品事業の売上高は、206億43百万円(前連結会計年度比8.0%増)、セグメント利益は4億64百万円(前連結会計年度比97.2%増)となりました。

 

ⅴ.その他

当社グループは、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア関連市場を次なる成長領域と定め、希少疾病の医療用医薬品事業への新規参入に向けた新会社「ダイドーファーマ株式会社」を2019年1月21日に設立し、同年8月21日より業務を開始しております。

新会社を通じて希少疾病で苦しむ患者様に、医薬品による価値提供をすることで社会的課題の解決を図るべく、優良なパイプライン獲得に向けた活動を続けております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度は、大同薬品工業の関東工場新設などの既存事業の成長に向けた投資を着実に推進しました。

当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは、前連結会計年度との比較では6億44百万円改善しているものの、継続的な成長投資のための資本の財源となるキャッシュ・フローの創出のためには、当社グループのキャッシュ・フローの源泉ともなっている自販機ビジネスの基盤強化が重要な課題であると認識しております。

 

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また、当社グループの資本生産性の改善に向けましては、既存事業から創出される営業キャッシュ・フローによる各事業の成長に向けた再投資とともに、余剰資金を活用した新たな事業への戦略的事業投資をすすめていくことが課題であると認識しております。

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「中期経営計画2021」は、「グループミッション2030」の実現に向けた「基盤強化・投資ステージ」と位置付け、成長投資を推進してまいりますが、グループの資金は持株会社に集中させ、適切な資金配分を行うとともに、定性的・定量的な投資基準をもとに、収益性・効率性の観点から、それぞれの案件に応じた適切な投資判断を実行し、財務健全性の維持と安定経営に努めてまいります。

当社グループは、中長期的な持続的成長の実現を可能とすべく、安定収益の確保及び更なる企業価値の向上に向けて、安定的且つ健全な財務運営を行うことを基本方針としております。将来の成長に向けた戦略的事業投資の実行の他、突発的なリスク等をカバーし得る十分な自己資本の積上げを図りつつ、株主の皆さまに対しては中長期的に適正な利益還元を目指すなど、バランスのとれた健全な財務基盤の維持・構築に努めることとしております。

当社グループは、安定的且つ健全な財務運営を行うという「財務運営の基本方針」に則し、資金調達の多様化・機動性・柔軟性の確保、及び効率化実現に向け、安定した高格付けの維持・向上を経営上の重要課題として位置付けており、長期社債に関する格付を取得しております。

なお、当連結会計年度末時点の格付の状況は以下のとおりであります。

 

格付機関

長期発行体格付

見通し

日本格付研究所(JCR)

A-

安定的

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は以下のとおりであり、当連結会計年度における研究開発費の総額は、962百万円となっております。

 国内飲料事業では、それぞれの分野において商品開発、マーケティングから販売管理までを一貫してマネジメントし、自動販売機という販売網を自社で有する強みを生かしたロングセラー商品の開発と育成に努めております。

 国内飲料事業に係る研究開発費は、522百万円であります。

 海外飲料事業では、トルコ飲料事業において新商品開発及び既存商品の改良を行っております。また、国内飲料事業とのシナジーの発揮による飛躍的成長の実現にチャレンジしております。

 海外飲料事業に係る研究開発費は、15百万円であります。

 医薬品関連事業では、医薬品を中心とする数多くの健康・美容飲料等のドリンク剤の研究開発を重ね、お客様のニーズにあった製品の創造と厳格な品質管理や充実した生産体制により、安全で信頼される製品を製造しております。

 医薬品関連事業に係る研究開発費は、297百万円であります。

 食品事業では、生産から販売に至るまでの構造改革並びに意識改革を加速させ、お客様の多面的なニーズに対応した、驚きや感動を生む商品開発に努めております

 食品事業に係る研究開発費は、128百万円であります。