第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが入手可能な情報に基づき作成したものです。実際の成果や業績は、今後様々な要因によって、記載されている内容とは異なる可能性があります。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、食品企業としての責任を強く自覚し、私たちの使命、目指す姿、行動する上で持つべき価値観、そして行動原則を明文化した「不二製油グループ憲法」を2015年10月に制定しております。本憲法は、グループ社員全員の価値観の共有化を図るとともにグループガバナンスの基本であり、判断・行動の優先基準付けの拠り所となるものです。当社グループは、「不二製油グループ憲法」のミッション「私たち不二製油グループは、食の素材の可能性を追求し、食の歓びと健康に貢献します。」を希求することを会社運営の基本方針としており、ミッションを希求していくための具体的に目指す姿をビジョンと位置付けております。

 近年の激変する市場環境下において、自ら課題を乗り越え、継続して成長していくためには、どのような方向に向かうべきかを示すべく、2023年4月1日付で「不二製油グループ憲法」のビジョンを「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。」に刷新しました。社員一人一人が本憲法に示されているバリュー(価値観)を共有し、プリンシプル(行動原則)を実践することで、ビジョンを実現し、すべてのステークホルダーに対して貢献できるものと考えております。

 

「不二製油グループ憲法」(2023年4月1日付改定)

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(2)ビジョン実現に向けた考え方

 当社グループは、創業時から「植物性素材」にこだわり、技術の深掘りと横展開で植物油脂、大豆たん白を主原料とした大豆加工素材、業務用チョコレート、乳化・発酵素材事業を発展させ、それらの技術を持っていることを強みとしています。当社グループは食のバリューチェーンの川中の機能を担い、研究開発や生産活動を通して当社グループならではの植物性素材を製造・販売しています。この機能を果たす中で、地球環境問題・人権・心身の健康等バリューチェーン上の社会課題を機敏に捉え、全てのステークホルダーの期待に応えるソリューションの提供に努めています。そして、当社グループの持続的な成長を果たすとともに、食の多様化が進む中、様々な植物性素材でさらに消費者の食の選択肢をひろげ、サステナブルな食の未来を共創していく、価値創造の循環を目指しています。

 食が消費者の口に届くまでには、複雑なサプライチェーンと多くのステークホルダーが関与しています。人権・環境等の社会課題は一社のみで解決できるものではなく、消費者も含めたバリューチェーン全体での取組が不可欠です。当社グループは食のバリューチェーンの川中に位置する存在として、様々なステークホルダーとの共創をさらに進めてまいります。上流・下流双方へのエンゲージメントを強化し、「サステナブルな食のバリューチェーン」構築と「おいしさと健康」を追求し、サステナブルな食の未来の実現を目指します。また、ステークホルダーとの共創を通じて、信頼を獲得し、ステークホルダーに選ばれる原料メーカーとして成長を目指します。

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(3)目標とする経営指標

 当社グループは、株主資本の収益性、資本効率の向上がステークホルダーの利益に合致するものと考え、「ROE(株主資本利益率)」を重要な指標として位置付けております。加えて、「ROIC(投下資本利益率)」を新たな指標として導入し、資本効率、資本コストを意識した事業ポートフォリオマネジメントを推進しています。当社グループの中期経営計画「Reborn 2024」における経営目標は以下のとおりです。

 

中期経営計画「Reborn 2024」における経営目標

① 財務KPI

 

目標(2024年度)

連結営業利益

235億円

ROE(株主資本利益率)

8%

ROIC(投下資本利益率)(注)

5%

株主還元 配当性向

30%-40%

(注)ROIC=税引後営業利益÷(運転資本+固定資産)

当社グループでは本指標を各事業で把握・管理可能な項目とすべく、分母となる投下資本を運転資本と固定資産に置き換えて使用しております。

 

② 非財務KPI

 

目標(2024年度)

CO2排出量の削減(Scope1+2)

総量23%(注1)

サステナブル調達(パーム油)

パーム油TTP比率(注2)85%

(注)1.基準年:2016年度(全連結子会社)

2.パーム油TTP:パーム油の農園までのトレーサビリティ(Traceability to Plantation)

 

(4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

 近年、新型コロナウイルス感染症による世界経済の不安定化で社会構造が大きく変化し、アフターコロナの時代を迎え、ニューノーマル(新しい日常)を目の当たりにしています。ワクチン接種が進み、世界経済は堅調な需要とともに回復の兆しを見せています。しかし、物流や生産労働力の不足に伴う供給不足から一部原料や商品価格が上昇、またロシアによるウクライナ侵攻を背景として更なる燃料・エネルギー等の高騰にも直面し、世界的なインフレーションが加速しています。世界経済は、先行き不透明な情勢が続くものと予想されます。

 

 このような激変する市場環境下において、当社グループは「不二製油グループ憲法」のビジョンを刷新し、ビジョンの実現に向けて、2022年度から2024年度までの3年間を、新しい価値を生みだす企業グループへと生まれ変わるための経営基盤を強化する期間と定め、中期経営計画「Reborn 2024」を実行しています。

 

① 中期経営計画「Reborn 2024」の基本方針

 中期経営計画「Reborn 2024」において、基本方針を「事業基盤の強化(収益力復元と新しい価値創造)」、「グローバル経営管理の強化」、「サステナビリティの深化(経営戦略と一体化したサステナビリティ戦略)」として、成長戦略を推進しています。

 

a.事業基盤の強化(収益力復元と新しい価値創造)

 「事業基盤の強化」では、「基礎収益力の復元」、「既存領域における高付加価値製品へのポートフォリオの入れ替え」、「成長・戦略分野への経営資源の集中」、「挑戦領域への展開」を進めてまいります。

 「基礎収益力の復元」においては、販売価格政策や原価管理をローリング方式のモニタリングで管理する等運営・管理体制の両面から事業軸を強化します。また、販売価格政策の実行力強化とグループ全体の生産性指標管理により効率的な生産性向上、コストダウンを進めることで、基礎収益力の復元を進めております。

 「既存領域における高付加価値製品へのポートフォリオの入れ替え」においては、コモディティ製品から差別化された付加価値の高い製品への展開を行うことで、競争優位性を築きます。近年の欧州・米州等での需要の高まりへの対応として、東南アジアでのサステナブル認証油の供給体制を強化し、グループ全体での拡販を進めております。

 「成長・戦略分野への経営資源の集中」においては、米州の業務用チョコレート事業や植物性油脂事業を成長分野として優先的に経営資源を再配分することで、グループの収益拡大及び安定成長を図ります。

 これらの方針の下、2023年4月10日付で連結子会社であるFuji Oil New Orleans, LLCの固定資産譲渡を決定しました。本件は不確実性の高まる市場環境の下、高付加価値製品へのポートフォリオの強化に向けた対応の一環として実行したものです。米州の油脂事業は引き続き重要市場として、CBE(注1)やサステナブル認証油の供給体制の強化等により高付加価値化を進め、新たな成長戦略を展開することで、「Reborn 2024」の事業基盤強化の実現、及び財務体質の強化に向けて取り組んでまいります。また、業務用チョコレート事業においては、2023年4月にブラジルのHARALD INDÚSTRIA E COMÉRCIO DE ALIMENTOS LTDAで新工場稼働を開始しました。油脂の技術を活かしたチョコレートフィリング等の高付加価値の新商品投入と新規需要の獲得を進め、ブラジルのチョコレート市場における多様な製品群の拡充を進めております。

 「挑戦領域への展開」においては、当社グループの技術と各事業製品の組み合わせを行い、新たな市場アプローチにより、消費者視点での時代に合った植物性素材を提供してまいります。また、市場・顧客開拓を行うことにより新しい価値を創造し、コモディティ製品から高付加価値製品へのポートフォリオの入れ替えを図ります。

 2022年7月には、当社が開発したMIRACORE®(注2)技術を使用した製品やプライムソイミート等のプラントベースフードの戦略説明会をホテルニューオータニで開催しました。また、新しい販売チャネルとして、製菓・製パン原料ECサイトを運営する株式会社cottaと資本業務提携を行いました。当社の製品をより多くの消費者に届け、ともに社会の課題に目を向け、その取組を発信することで、「より消費者視点」に近い事業活動の展開を推進しています。

 植物性素材と当社が有している幅広い技術の融合により、おいしく、健康でサステナブルな食の提供を通じて、消費者の食の選択肢を広げてまいります。

 

(注)1.CBE:Cocoa Butter Equivalentの略。ココアバターと同等の物性を持ったチョコレート用油脂。

2.MIRACORE®:当社研究所が開発した動物性食品ならではのおいしさを植物性素材で実現する技術。

 

b.グローバル経営管理の強化

 「グローバル経営管理の強化」では、事業収益の向上策として、事業別ROIC管理の導入に加え、事業軸の管理強化を進めることで、事業ポートフォリオへの転換及びエリアの課題を事業軸で横断的に対応できるスピード感を有した資本効率の高い経営体制の構築に取り組みます。また、研究技術開発において、戦略目標と一体となった運営体制を推進し、グローバルで求められる社会課題への対応、製品開発のスピードの向上を図ります。これらの体制をより有効なものとするために、経営管理の高度化とDXを推進いたします。

 

 

c.サステナビリティの深化(経営戦略と一体化したサステナビリティ戦略)

 「Reborn 2024」では、ESGマテリアリティをベースに各グループ会社のサステナビリティへの取組を加速させ、グループ全従業員による自律的な活動へ深化させています。当社グループではパーム油やカカオ等の主原料のサステナブル調達、並びにグループ全体のCO2排出量・水使用量・廃棄物量の削減に取り組んでいます。また、将来懸念される食資源やタンパク質の不足を解消する食資源の創造、並びに高齢化や生活習慣病等健康や栄養の課題解決に寄与する研究及び製品開発に注力しています。これらの取組は、バリューチェーン上の様々なステークホルダーと共創しています。当社製品の付加価値や競争優位性を高めると同時に事業活動のコストダウンにもつなげ、社会価値と当社の企業価値を共に向上させていきます。

 

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 不二製油グループの持続的成長を支えるのは人材です。当社グループと従業員の双方が持続的に成長するため、「Reborn 2024」におけるサステナビリティの深化のテーマの一つを「人材活用」とし、「グローバル経営を支える人材の確保・育成・適正配置」、「DE&Iの推進」、「内外コミュニケーションの強化」について取組を進めております。

 

 

② 財務戦略について

 成長によるキャッシュ・フローの創出と資本効率の向上及び財務ガバナンスの強化を通じて、グローバルで強固な財務体質への改革を図ります。

 経営効率向上のために、キャッシュ・フローを重視し、優先的な経営資源の配分を行い、事業別ROICによる事業評価、グループ投資基準による投資の厳選を進め、グループ全体の事業ポートフォリオの最適化を図ります。事業別ROIC評価の導入で、従前より進めているバリューチェーン分析による在庫の圧縮等、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の改善をさらに推進してまいります。

 また、グローバル資金管理によるグループ資金の可視化・流動性の確保、資産のスリム化による総資産回転率の向上を図ります。財務レバレッジにおいても資本コストを意識し最適化を図ります。

 株主還元については、配当性向30%~40%の方針とし、安定的かつ継続的な配当を実施してまいります。

 当社グループは刷新した「不二製油グループ憲法」のビジョン実現に向け、当中期経営計画「Reborn 2024」を達成することで、企業価値向上を図り、全てのステークホルダーから信頼される企業グループとなることを目指してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)不二製油グループのサステナビリティ経営

 当社グループは、「不二製油グループ憲法」のビジョンに「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。」を掲げています。グループ全従業員が地球環境・人権・心身の健康などのバリューチェーン上の社会課題を機敏に捉え、リスクの低減のみならず、全てのステークホルダーの期待に応えるソリューションの提供に努め、社会価値を創造することで、サステナブルな食の未来の実現と当社グループの企業価値向上を目指しています。

 詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

(2)ガバナンス

① 取締役会とサステナビリティ委員会

 当社グループは監査等委員会設置会社であり、取締役会の任意の諮問機関のひとつとしてサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ関連のリスク及び機会をモニタリングしています。取締役会は同委員会からの答申を受け、指導・承認・監督すると共に、中長期のグループの方向性を決定しています。

 同委員会はESG担当役員を委員長とし、同委員会における議決権を持つCxO(Chief X Officer)に加えて、事業部門長及び各エリアの代表者、社外有識者で構成されています。

 同委員会は年2回以上開催し、中長期的な環境(E)・社会(S)と企業経営双方の持続可能性の観点から、ESGマテリアリティの策定並びに取組テーマの目標・戦略について、マルチステークホルダーの視点で審議・監督し、取締役会へ答申しています。また、各取組テーマの推進責任者から取組の進捗や実績報告を受け、助言及びモニタリングする機能を担っています。

 

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 2022年度は、同委員会は2回開催され、以下の事項につき審議・監督し取締役会に答申しました。

・ESG委員会からサステナビリティ委員会へ名称変更

・2021年度ESG取組テーマ活動実績の確認

・2022年度ESG取組テーマ及び活動計画の決定

・2023年度ESGマテリアリティの決定

 

② ESGマテリアリティ

 当社のバリューチェーン上の「サステナビリティ関連のリスク及び機会」に係わる重点課題として、「ESGマテリアリティ」を定めています。事業活動を通じた「ESGマテリアリティ」への取組により、「ポジティブ・インパクトの創出」あるいは「ネガティブ・インパクトの低減」に寄与します。

 ESGマテリアリティは、新たな社会課題の把握とステークホルダーからの助言に基づき年に1度レビューを行い、特定しています。2022年度のESGマテリアリティは、「不二製油グループが社会に与える影響度」と「社会課題が不二製油グループに与える影響度」の2軸から成るマテリアリティマップにより、各マテリアリティの重要性を3段階で評価・特定し、サステナビリティ委員会での審議及び取締役会の承認を経て決定しました。(注)

 特定されたマテリアリティは管掌者(CxO及び担当部門役員、担当部門長)のもと、具体的な目標や対応施策、推進責任者を定め、取組を推進しています。詳細は「(3)戦略 ① ESGマテリアリティにもとづく経営戦略」に記載のとおりです。

 

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(注)ESGマテリアリティマップ、及びESGマテリアリティの特定プロセスの詳細は、サステナビリティレポートをご参照ください。(2023年度のマテリアリティに関する情報は2023年8月下旬公開予定)https://www.fujioilholdings.com/sustainability/materiality/

 

 また、ESGマテリアリティへ取り組む上での基本的なグループの姿勢をまとめた各種方針・規範を制定しています。各種方針・規範一覧は以下のURLよりご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/sustainability/policy/

 

 

 2022年度は、新たに「不二製油グループ生物多様性方針」及び「不二製油グループ人権ガイドライン」を制定しました。

・「不二製油グループ生物多様性方針」

(3)戦略 ② ESGマテリアリティと具体的な取組」に記載のとおりです。

 

・「不二製油グループ人権ガイドライン」

 人権インパクトアセスメントにより、職場・従業員における人権課題への具体的な対応構築を課題と認識し、2023年3月1日に「不二製油グループ人権ガイドライン」を制定しました。「不二製油グループ人権方針」に基づいた、職場・従業員に対する不二製油グループの指針として機能し、当社グループのグローバルな事業活動において一貫した人権尊重責任を果たすことを目的としています。本ガイドラインは、当社グループの全ての従業員及び役員に適用されます。

 

「不二製油グループ人権ガイドライン」は以下のURLよりご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/pdf/sustainability/policy/human_rights_guideline230301.pdf

 

③ サステナビリティに関連する役員報酬(業務執行評価連動型金銭報酬)

 サステナビリティに関する重点領域の取組は、取締役の業務執行評価連動型金銭報酬の評価対象項目としています。詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりです。

 

 

(3)戦略

① ESGマテリアリティにもとづく経営戦略

 当社グループはバリューチェーン上の「サステナビリティ関連のリスク及び機会」を捉え、各事業で課題解決を推進していくための経営戦略ツールとしてESGマテリアリティを活用し、取締役会によって中長期のグループの方向性を決定しています。

 取締役会のモニタリングのもと管掌者と推進責任者によってESGマテリアリティに対する具体的な事業活動を推進することで、バリューチェーン上で認識され特定された重要な社会課題に対する「ポジティブ・インパクトの創出」あるいは「ネガティブ・インパクトの低減」に寄与します。

 

② ESGマテリアリティと具体的な取組

 2022年度は、ESGマテリアリティに関し、以下の取組テーマを推進しました。

 

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(サステナブルな食資源の創造、健康と栄養)

 当ESGマテリアリティを推進する技術・製品開発については「6 研究開発活動」に記載のとおりです。

また、中期経営計画「Reborn 2024」の基本方針「事業基盤の強化」の「挑戦領域への展開」において、サステナブルな食の未来へ貢献し新しい価値を創出することで高収益・高成長を果たせる次世代事業の展開に取り組んでいます。詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

(サステナブル調達)

 当社グループは、食のバリューチェーンの川中に位置し、顧客である食品メーカー等に食品中間素材の販売を行っています。「サステナブルな食の未来」の実現に向け「サステナブルな食のバリューチェーン」を構築するため、社会課題を解決していく上で鍵となるサプライヤーや顧客とともに、環境保全、人権尊重、公正な事業慣行、リスクマネジメント等に取り組み、持続可能な食品素材を提供しています。

 調達に関するグループの上位方針「サプライヤー行動規範」及び主原料であるパーム油、カカオ、大豆及び戦略原料であるシアカーネルについて原料別の責任ある調達方針を掲げ(注1)、中長期目標とKPI(注2)を公表し、取組を推進しています。なお、中期経営計画「Reborn 2024」においても、当該目標とKPIの達成に注力することを掲げています。

 

(注)1.「サプライヤー行動規範」及び原料別の責任ある調達方針は以下のURLよりご参照ください。
https://www.fujioilholdings.com/sustainability/procurement/

詳細は「(4)リスク管理」に記載のとおりです。

2.各原料別の中長期目標とKPIにつきましては「(5)指標及び目標」に記載のとおりです。

 

 

 

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(製品の安全性と品質)

 当社グループは、安全・安心な製品を社会に提供することを前提に事業活動を展開しています。不二製油グループでは「品質基本方針」を定め、製品安全と安定品質の製品出荷を最優先に、製品設計からお客様にお届けするまでの品質保証体制の確立と強化に努めています。具体的には食の安全と品質を徹底するために「品質保証規程」に基づく品質及び食品安全マネジメントの強化、従業員の継続的な品質意識向上のための活動を推進しています。

 

(労働安全衛生)

 従業員の安全を確保することは企業の社会的責任であり、持続可能な経営を行う上での前提条件です。「安全衛生基本方針」に基づき、不二製油グループの従業員及び事業所内で働く全ての方々の命を守るとともに、労働災害ゼロの達成を目指しています。

 

(気候変動、水資源、サーキュラーエコノミー)

 当社グループの事業活動は、豊かな自然生態系の恩恵を受けると同時に、気候変動や生物多様性の喪失は事業継続上のリスクです。当社グループは、2015年10月に「環境基本方針」(注1)を制定しています。2018年策定の「環境ビジョン2030」(注2)では、グループ全体のCO2排出量・水使用量・廃棄物量の削減に関する2030年目標を掲げ、環境負荷を低減する取組を加速させています。

 なお、中期経営計画「Reborn 2024」においても、当該目標とKPIの達成への注力と一部環境目標の見直しを図ります。

 

(注)1.「環境基本方針」は以下のURLよりご参照ください。https://www.fujioilholdings.com/pdf/sustainability/policy/sqe_policy210401.pdf

2.「環境ビジョン2030」につきましては「(5)指標及び目標」に記載のとおりです。

3.TCFDにつきましては「(4)リスク管理」に記載のとおりです。

 

(生物多様性)

 詳細は「(4)リスク管理」に記載のとおりです。

 

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(DE&Iの実践)

 多様化する社会の価値観や顧客ニーズに応え、イノベーションを創出し続けるには、当社グループで働く人々が個々の違いを尊重し、多様な価値観を受け入れ、誰もが活躍し貢献できる組織運営と企業文化が重要であると考えます。公正な機会の提供と評価、インクルーシブなマネジメントによる多様な人材の活用に取り組んでいます。

 なお、2022年度のサステナビリティ委員会では、新たな取組テーマとして「人材確保・育成」を特定し、2023年度のESGマテリアリティに追加しています。

 人的資本、DE&Iの取組の詳細につきましては「(6)人的資本・多様性」に記載のとおりです。

 

(GRC)

 ガバナンス・リスク・コンプライアンスの詳細につきましては「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりです。

 

 

(4)リスク管理

 「(2)ガバナンス ② ESGマテリアリティ」で記載したESGマテリアリティに加え、サステナビリティ関連リスク及び機会を当社バリューチェーン全体で包括的に評価し対応するプロセスとして、以下を実施しています。

 

① 人権リスクへの対応

(人権デュー・ディリジェンス)

 当社グループは「不二製油グループ人権方針」を掲げ、事業活動が影響を及ぼし得る当社グループ内及びサプライチェーン上の人々の人権尊重責任の実行方針を示し、当方針に基づき人権デュー・ディリジェンスを実施しています。また、人権デュー・ディリジェンスの取組において、事業活動が及ぼし得る人権への負の影響を特定・評価し、優先的に対処すべき重要な課題を特定するため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」で提唱されるプロセスに則り、外部の有識者の助言を得て、人権インパクトアセスメントを実施しています。

 

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 第2回インパクトアセスメントで特定した人権リスクへの対策の進捗については、サステナビリティレポートをご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/sustainability/human_rights/

 

(救済の実施)

・グループ従業員を対象とした内部通報制度

 国内グループ会社では、「不二製油グループ社内通報窓口」を運用しています。また、通報者の秘密・匿名性を確保することにより、通報しやすい環境を整備すべく、社外の法律事務所にも通報窓口を委託しています。特定分野の協力会社を対象とした通報窓口としては、2018年度から「公正取引ヘルプライン」を運用し、適正な取引継続に努めています。

 海外グループ会社においては、グループ会社役職員(当社又は当社グループの業務に従事する者を総称して役職員という)向けの内部通報制度「不二製油グループコンプライアンス・ヘルプライン」を運用しています。

 

内部通報制度の詳細は以下のURLよりご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/about/governance/compliance/

 

・サプライチェーン上の人権・環境リスクに対応する苦情処理メカニズム

 「責任あるパーム油調達方針」を実現する目的で、2018年5月にグリーバンス(苦情処理)メカニズムを構築・公表しました。グリーバンスメカニズムは、ステークホルダーから当社グループに提起されたサプライチェーン上の環境・人権問題について、「責任あるパーム油調達方針」に基づいてパートナーとともにサプライヤーへエンゲージし、問題を改善する仕組みです。

 当社ウェブサイトでは、苦情処理手順書を掲載し、エンゲージ対象企業の定義や、グリーバンス対応プロセスを公開しています。また、四半期に一度、受け付けたグリーバンスへの対応状況を更新し、ステークホルダーへ情報を開示しています。

 

グリーバンスメカニズムの詳細は以下のURLよりご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/en/sustainability/grievance_mechanism/

 

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② 気候変動リスクへの対応

 当社グループは、2019年5月にTCFD(気候関連財務情報タスクフォース)へ賛同を表明しています。TCFDの提言に基づき、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4項目について、積極的に情報開示しています。

 

(TCFDの提言に基づく4項目の情報開示)

a.ガバナンス

・ESG担当役員の管掌のもと、全社リスクマネジメント体制において気候変動リスク・機会を管理。

・TCFDの提言に基づくシナリオ分析を実施し、経営会議、取締役会において報告・承認(年1回以上)。

b.戦略

 (ⅰ) 国内グループ会社、主要な海外グループ会社を対象に、TCFDが提言する気候変動シナリオ分析、気候変動リスク・機会の選定、財務インパクトの定性・定量評価を実施。(詳細は「気候変動リスク・機会及び財務インパクトの影響度評価」に記載のとおりです。)
自社及び社会や地球にとってプラスのインパクトをもたらす、省エネ活動や再エネ活用等、「環境ビジョン2030」に基づく継続的なCO2排出削減対策を推進。

 (ⅱ) 地球温暖化問題等のSDGsの価値観が浸透している中、ミレニアル世代・Z世代を中心とした植物性食品消費の活発化、加えて世界の食の変容や人口増加によるタンパク質の供給量不足を補うべく、プラントベースフード(植物性食品)市場拡大が見込まれる。当社グループは不二製油グループ憲法のビジョン「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。」のもと、原料のサステナブル調達による環境保全への配慮、当社グループが強みを持つ植物性素材の提供によって、脱炭素社会における社会課題の解決に取り組む。

c.リスク管理

・経営会議において全社重要リスク対応策の立案、実施、評価・改善等を行う全社リスクマネジメント体制を構築。

・気候変動リスクも全社重要リスクの一つと位置付け、全社リスクマネジメント体制で管理。対応内容は取締役会に報告(年1回以上)。

d.指標と目標

・2030年目標(注1):CO2排出量の削減

スコープ1+2 総量40%削減(グループ全体)(基準年:2016年)

スコープ3(カテゴリ1)総量18%削減(グループ全体(注2))(基準年:2016年)

・「環境ビジョン2030」の目標達成に向け、生産現場における省エネ活動やエネルギー使用量の少ない新設備の導入、再生可能エネルギーの使用等へ積極的に取り組む。

また、スコープ3の中で最も排出量が多いカテゴリ1の削減に向け、サプライヤーエンゲージメントに取り組む。

・2022年度、不二製油㈱にてインターナルカーボンプライシング(注3)をテスト導入した。今後、全グループ会社に展開し、投資計画の策定・省エネ推進へのインセンティブ・投資意思決定の指針等に活用予定。

(注)1.スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出

スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

スコープ3:事業者の活動に関する他社の排出(カテゴリ1~15)

カテゴリ1:購入した製品・サービス

詳細はサステビリティレポートをご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/sustainability/environment/management/

2.INDUSTRIAL FOOD SERVICES PTY LIMITED(オーストラリア)は除く。

3.インターナルカーボンプライシング:企業が独自に炭素価格を設定し、企業の低炭素投資・対策を推進する仕組み

 

 

<気候変動リスク・機会及び財務インパクトの影響度評価>

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③ 生物多様性リスクへの対応

 当社グループの事業活動は、豊かな自然生態系の恩恵のもと事業活動を営むと同時に、気候変動や生物多様性 に影響を与えています。地球環境と社会経済並びに不二製油グループの持続可能性を高める上でも、生物多様性を保全し回復させることは、重大な経営課題であると認識しています。

 2022年度は、事業活動と生物多様性の関係性をバリューチェーンに沿って把握し、事業全体に関わる生物多様性課題を整理し、バリューチェーン全体で包括的に取り組む基本方針「不二製油グループ生物多様性方針」を制定しました。(注)

 当方針では、生物多様性に配慮した事業活動のための行動指針を示しています。

 

<行動指針>

1.バリューチェーン上における生物多様性への依存と影響を評価し、自然生態系の保全と回復に取組む。

2.バリューチェーンを通じて、事業活動が生物多様性へ与える負の影響を回避・軽減し、復元・再生を図る。

3.革新的な研究や技術開発を推進し、バリューチェーン全体で生物多様性への負の影響を低減および事業機会の創出を目指す。

4.生物多様性に関する各国法を遵守し、国際的な取り決めを尊重する。

5.ステークホルダーの意識向上を図り、能力構築を支援する。

6.先住民など社会的少数派または弱者の権利を尊重する。

7.さまざまなステークホルダーとのパートナーシップを通じ、生物多様性の保全および回復の実効性を高め、地域社会との共生を目指す。

 

(注)「不二製油グループ生物多様性方針」は以下のURLよりご参照ください。https://www.fujioilholdings.com/pdf/sustainability/policy/biodiversity.pdf

 

(5)指標及び目標

 当社グループでは、サステナビリティに関する指標及び目標として、以下を設定しております。

 

① ESGマテリアリティ

 各ESGマテリアリティについて、管掌者及び推進責任者を定め、以下のような具体的な目標や施策、取組を推進しています。

 その他の取組テーマの指標及び目標についてはサステナビリティレポートをご参照ください。

https://www.fujioilholdings.com/sustainability/materiality/

 

(サステナブル調達)

 主原料及び戦略原料である以下の4つの原料につき、持続可能な調達を実現するための中長期目標とKPIを設定し取組を推進しています。

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(環境ビジョン2030)

 2030年に達成を目指す「環境ビジョン2030」において、グループ全体のCO2排出量・水使用量・廃棄物量の削減及び資源リサイクルに対するコミットメントを表明し、環境への取組を推進しています。

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② 中期経営計画における非財務KPI

 中期経営計画「Reborn 2024」における経営目標において非財務KPIを掲げています。

詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)目標とする経営指標」に記載のとおりです。

 

(6)人的資本・多様性

 当社グループは、世界の食への貢献、グローバル化を進めてきたことで連結従業員総数のうち7割が海外エリアの従業員となりました。当社グループが社会に貢献し、成長し続けるには、多様な人材が活躍できる環境や風土を整えることが重要であると考えます。

 企業の活動を支えるのは人材であり、企業の持続的な成長を支える大切な財産です。多様な人材が成長しながら、いきいきと挑戦と革新に取り組み、一丸となって新しいビジネスや技術、製品を生み出し続けることがグループの発展につながると考えております。

 

① 事業戦略と連動する人的資本の考え方

 当社グループにおきましては、近年、海外におけるM&Aによる事業拡大や、新市場への成長投資、資本効率の改善のための事業・資産譲渡等を進めてまいりました。これらは当社グループがグローバルな食品メーカーとして世界の食に貢献し、持続的に企業価値を向上させるためであります。

 このような変化の中で、不二製油グループ憲法のミッションを達成し、持続的にグループを成長させることは、不二製油グループの多様な人材の能力の発揮により実現できると考えております。当社グループのグローバルで多様な人材が、ビジョンの実現に向けて一体となって力を最大限発揮できるよう、成長の機会の提供と職場環境の整備を行ってまいります。

 

② 人材戦略

 不二製油グループ憲法のビジョンの実現に向け、中長期的な視点で人材育成に取り組んでおります。

当社グループでは、人材戦略の目標を「グローバルに貢献する食品メーカーとしてグループと従業員双方が持続的に成長し企業価値の向上を実現する」としております。

 人材戦略の目標を実現するためには、多様な人材がそれぞれの強みを発揮して主体的に挑戦し続け、一つのチームとなって企業価値の向上に向けて活躍することが必要です。当社グループでは、中期経営計画「Reborn 2024」で、サステナビリティに関する方針の一つとして「人材活用」を掲げ、人材の確保と育成、能力を活かす適正配置、専門性を最大限に活かす人事制度の設計と運用、及びダイバーシティを深化させたDE&Iの推進により、人材戦略の目標達成に向けて取り組んでおります。

 人材の成長と能力の発揮は中長期的に時間をかけて進めていくものと認識しておりますが、当社グループの人材に係る活動は、グループの経営計画や事業戦略に沿い、状況変化に柔軟に対応してまいります。

 

 当社グループの人材戦略のイメージは次のとおりです。

 

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<「Reborn 2024」人材活用>

 中期経営計画「Reborn 2024」の3つの基本方針のうち、「サステナビリティの深化(経営戦略と一体化したサステナビリティ戦略)」のテーマのひとつに「人材活用」を掲げ、以下の3つの方針のもと取組を進めております。

中期経営計画における方針① グローバル経営を支える人材の確保・育成・適正配置

改善・改革マインドを持って自律的に行動し、多様かつ高度な専門性と能力を発揮し、継続的に成果を出す組織を目指し、優秀な人材の確保や、一人ひとりが自律して能力を向上させるためのキャリア支援等の活動に注力しております。また、世界で事業を継続的に推進・拡大するための要となる、グローバルに力を発揮できる人材の登用・育成を進めております。

中期経営計画における方針② DE&Iの推進

複雑で急速に変化するビジネス環境に対応していくためには、多様な人材が求められ、個性や能力を最大限に活かすことが重要と認識しております。そのため、当社グループでは、これまでのダイバーシティ推進を進化させ、DE&Iとして活動を強化しております。

中期経営計画における方針③ 内外コミュニケーションの強化

多様な人材が成長できる労働環境の整備として、経営層とグループ従業員の対話機会の増加、経営への参画意識の向上に向けた活動、健康経営等、グループとしての一体感の醸成に努めております。

 

③ 人事施策

 人材戦略の目標を達成するために、中長期的には不二製油グループ憲法のビジョンを実現するための施策と、経営環境に応じて事業戦略と連動した施策をタイムリーに設定しております。

 

 主な施策

・経営人材候補の育成

:重要ポストのサクセッションに向けた選抜人材の育成

・人材登用・採用

:海外勤務ローテーション、キャリア人材の採用、シニア層の活躍支援

・DE&I

:グループ会社の経営層における外国人・女性の登用

・労働環境整備・ウェルビーイング

:健康経営、不二製油グループ人権ガイドラインの策定

・人事制度設計・運用

:個々の専門性を最大限に活かす人事制度の導入

 

 グループの事業活動を継続し、成長を支えるため、経営人材として、執行役員やグループの主要会社の経営ポストを担う人材を育成しております。また、事業戦略に応じたキャリア人材の採用や、将来に向けた計画的な人事ローテーションを行うとともに、熟練社員の知見と技術を次世代に伝えるべくシニア層が活躍できる制度を整備しています。

 当社グループがグローバルに人的資本価値を最大に発揮するため、多様な従業員の力を経営に活かして、グループの競争力の確保、継続的な企業価値の向上につなげていきたいと考えております。人権や価値観を尊重し、DE&Iの取組を進め、広くオープンな成長の機会と、実績や能力の客観的な評価で多様性を向上させてまいります。

 また、各種研修や教育及びウェブ社内報「FUJI Connect」を用いた情報共有を行い、全従業員に対し、等しく成長の機会を提供しています。

 事業領域の拡大や急速な市場環境の変化に加え、コロナ禍を経た就業環境の変化により、コミュニケーションの重要性が一層高まっております。経営陣とグループ従業員、従業員同士が、活発なコミュニケーションを行い、全従業員が一体となっていきいきと働ける健全な企業風土の醸成に努め、経営参画意識の向上を目指しています。

 

<人事施策イメージ>

 

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<不二製油㈱ 2023年度教育体系>

 

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<「FUJI Connect」による従業員への情報共有、コミュニケーションの機会の提供>

 

 

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 トップメッセージの発信、グループ各社の活動紹介や、グループ従業員間のコミュニケーションの場である「FUJI Connect」をウェブ上に開設しております。従業員のモバイル端末や会社のパソコン等からアクセスができ、グループの一体感の醸成、経営陣と従業員のコミュニケーションの場として活用されています。

 

 

(人的資本に関する指標及び目標)

 不二製油グループ本社㈱及びグループの中核の事業会社である不二製油㈱を指標の対象としております。

 

指標

実績

目標

年次有給休暇取得率

2022年度 73.9%

2025年度まで 65%以上を継続

新卒採用男女比率

(生産職を除く)

2022年度 男性 4.0:女性 1

2023年度 男性 0.9:女性 1

男女比率 1:1

育児休業取得率(男女計)

2022年度 64.5%

2025年度 80%

 

・年次有給休暇取得率

 2021年に、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画におきまして、 従業員の仕事と生活の調和を尊重しながら能力を十分に発揮できる環境を計る指標として有給休暇取得率目標を設定しております。2025年度まで65%以上を継続することを目標にしており、2022年度は73.9%の取得率となりました。今後も心身共の健康を保つためのリフレッシュの機会としての有給休暇の高い取得率目標の達成を継続したいと考えております。

 

・新卒採用男女比率(生産職を除く)

 「第1 企業の状況 5 従業員の状況(4)多様性に関する指標」に記載のとおり、管理職に占める女性労働者の割合の向上の基礎となる指標として設定しております。女性の管理職比率が10%台である理由の一つとして、全体従業員の女性比率が低いことが挙げられます。生物的な体格や体力の差により生産職における男性従業員の比率が大きくなりますが、生産職以外の新卒採用男女比率の目標を1:1とすることで従業員の男女比率を徐々に均等に近づけ、ひいては能力の公正な評価を通じて管理職における男女比率も1:1に近づけていきたいと考えております。

 

・育児休業取得率(男女計)

 2025年度に80%の取得を目標として設定しております。関連指標として「第1 企業の概況 5 従業員の状況(4)多様性に関する指標」に男性労働者の育児休業等の取得状況を記載しております。2022年度における男性労働者の育児休業等の一人当たり取得日数は21.0日でした。今後も従業員の育児休業の取得を促進してまいります。

 

また、当社グループの健康経営への取組は、経済産業省及び日本健康会議より以下の評価を得ております。

・経済産業省及び日本健康会議 健康経営優良法人2023 大規模法人部門(ホワイト500)

不二製油グループ本社㈱(6年連続)、不二製油㈱(6年連続)

・経済産業省及び日本健康会議 健康経営優良法人2023 大規模法人部門

㈱フジサニーフーズ(5年連続)

・経済産業省及び日本健康会議 健康経営優良法人2022 中小規模法人部門

不二つくばフーズ㈱(5年連続)、オーム乳業㈱(5年連続)

 

詳細は以下のURLよりご参照ください。

サステナビリティレポート「従業員の健康維持・促進(健康経営)」

https://www.fujioilholdings.com/sustainability/health/

不二製油グループ本社㈱ ニュースリリース

「健康経営優良法人2023 大規模法人部門(ホワイト500)」に認定されました

https://www.fujioilholdings.com/news/2023/20230308.html

不二製油㈱ウェブサイト「健康経営」

https://www.fujioil.co.jp/company/health/

 

 

3【事業等のリスク】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものです。

 

(1)不二製油グループのリスクマネジメント体制について

 当社グループは、日本・米州・欧州・東南アジア・中国の各エリアにおいて、植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆加工素材の4つのセグメントで事業展開していることから、当社グループのバリューチェーンには社会課題・経済環境変化等の影響を受け、様々なリスクが潜在しています。それらのリスクに対して、当社グループは経営会議を全社リスクマネジメント機関と位置付け、経営陣の認識リスク(戦略上のリスク、財務リスク)、ESGマテリアリティ、オペレーショナルリスク等、グループを取り巻く環境を踏まえた情報ソースから、経営への影響度、発生可能性、顕在化時期等の総合的な判断により、全社重要リスクを選定し、その対応策の立案、実施、進捗確認、評価・改善等リスクを管理する全社リスクマネジメント体制を構築しています。

 

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(サステナビリティ委員会とESGマテリアリティ)

 グループ全体でのサステナビリティ推進及びその監督の観点から、不二製油グループ本社取締役会の諮問機関として「サステナビリティ委員会」を設置しています。中長期及びマルチステークホルダーの視点で「ESGマテリアリティ」を特定並びに全社・事業横断的取組の方向性と目標・KPIを決定し、各取組テーマの進捗をモニタリングしています。「ESGマテリアリティ」は「不二製油グループが社会に与える影響度」と「社会課題が不二製油グループに与える影響度」の2つの観点から社会課題の重要度を分析し、優先度の高いものを特定しています。

 

(全社重要リスク分科会と全社重要リスク)

 中長期的なグループの方向性に沿った事業戦略の遂行にあたり、当社グループに重大な影響を及ぼすと認識するリスク項目を全社重要リスクとして特定し、グループ全体のリスクの低減を推進しています。全社重要リスクは、2022年度よりサステナビリティ委員会の下部組織として設置した全社重要リスク分科会にて、当社の関係部門メンバーが一堂に会し、多様な視点によりリスク案の検討や対応策の適切性評価・確認等を行い、企業価値棄損リスクの低減を目指しています。

 

(オペレーショナルリスク)

 当社グループは各グループ会社内にリスクマネジメント委員会を設置しており、「リスクアセスメント⇒リスク対応⇒自己チェック⇒レベルアップ(次年度計画立案)」のPDCAを回し、不二製油グループ本社、各エリアの統括会社、各グループ会社間で連携を取りながらオペレーショナルリスクを特定し対応しています。リスクアセスメントでは、グループ各社が自社のリスクを可能な限り洗い出し、リスクマップ(縦軸:自社への損失・影響度、横軸:発生可能性)により評価の上、自社にとって損失・影響度が大きいリスクを「重要リスク」として特定しています。すべての「重要リスク」に対して対応方法を決定し、リスク低減を図っています。

 

(2)不二製油グループの重要なリスク(全社重要リスク)

① 全社重要リスクの特定

 グループ各社でリスクマップを作成し各社におけるオペレーショナルリスクを特定すると同時に、経営会議にて戦略上のリスク・財務リスクを特定しております。また、ESGマテリアリティのうち「社会課題が不二製油グループに与える影響度」が大きいと認識している項目と合わせリスクを網羅的に把握した上で、特に重要なリスクを取締役会において全社重要リスクとして決定しております。

 

② リスクの対応とモニタリング

 経営会議を全社リスクマネジメント機関と位置付け、上記で決定された全社重要リスクについて、各リスクの担当役員を決定し、対応策を定めています。また、担当役員による対応策の進捗報告及び全社重要リスクの見直し・特定を実施します。これらはリスク管理を管掌するESG担当役員により管理され、定期的に取締役会へ報告を行います。取締役会はモニタリング機関として経営会議からの報告内容について確認・指示を行います。また、グループ全体への影響拡大が懸念されるリスクやエマージングリスクへの対応方針を中心に協議を行い、対応指針を経営会議に示します。

 

<全社重要リスクの特定と対応>

経営会議(全社リスクマネジメント機関)

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③ モニタリング

 2022年度に決定された12項目の全社重要リスクは、各担当役員のもと対応策を進め、個別の進捗や課題状況を全社重要リスク分科会において議論し、適宜経営会議にも報告しながらリスク低減を図りました。また、各リスクの担当役員から2022年度のリスク対応の進捗状況について取締役会に報告し、顕在化したリスクの原因と対応策につき、その妥当性及び適時性等を確認する予定です。

 また、2023年度も当社グループにおいて管理すべき重要なリスクとして以下の12項目を特定し、各リスクについては担当役員を定めて対応計画を策定し、その対応状況を取締役会に報告し、モニタリングを実施する体制を構築しています。

 

 

 

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4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが入手可能な情報に基づき作成したものです。実際の成果や業績は、今後様々な要因によって、記載されている内容とは異なる可能性があります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表を作成するに当たり、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りは、その性質上判断及び入手し得る情報に基づいて行いますので、実際の結果がそれらの見積りと相違する場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 なお、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(繰延税金資産)

 繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩され、税金費用を計上する可能性があります。

 

(有形・無形固定資産の減損処理)

 減損の兆候のある資産又は資産グループについて、回収可能価額に基づき減損の判定を行っております。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い方により測定しております。回収可能価額は、事業計画や市場環境の変化により、その見積り金額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、追加の減損処理が必要になる可能性があります。

 

(退職給付費用及び退職給付債務)

 当社グループは、退職給付費用及び退職給付債務について、割引率等、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績の状況の分析

 当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症影響下から経済活動の正常化が進んだものの、世界的なインフレの進行と、インフレに対応した金融政策などにより先行き不透明な情勢が続きました。

 原材料価格につきましては、主原料であるパーム油や大豆では、ウクライナ情勢やインドネシアのパーム油輸出制限の影響等により、期初において高騰したものの、下期にかけては高値圏を脱し安定的に推移しました。加えて、物流費や人件費等の上昇、日本においては円安の影響により、生産コストは増加しました。

 当社グループは、今期から2024年度までの3ヵ年の中期経営計画「Reborn 2024」を策定しました。「事業基盤の強化」、「グローバル経営管理の強化」、「サステナビリティの深化」を基本方針として、販売価格の適正化による基礎収益力の復元や事業軸管理の強化、サステナブル調達による差別化等を進めることで、企業価値向上への取組を進めております。

 

 以上の結果、当連結会計年度における連結経営成績は、売上高は5,574億10百万円、営業利益は109億40百万円、経常利益は96億90百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は61億26百万円となりました。

 

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属

する当期純利益

2023年3月期

557,410

10,940

9,690

6,126

2022年3月期

433,831

15,008

14,360

11,504

前期比 増減

(前期比 増減率)

+123,579

(+28.5%)

△4,068

(△27.1%)

△4,669

(△32.5%)

△5,377

(△46.7%)

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

(単位:百万円)

 

売上高

前期比

増減

前期比

(%)

営業利益

前期比

増減

前期比

(%)

植物性油脂

203,448

+68,471

+50.7%

7,021

△380

△5.1%

業務用チョコレート

228,513

+42,973

+23.2%

4,973

△2,574

△34.1%

乳化・発酵素材

91,164

+12,017

+15.2%

1,490

△126

△7.8%

大豆加工素材

34,284

+116

+0.3%

1,277

△872

△40.6%

連結消去・グループ管理費用

△3,822

△113

合 計

557,410

+123,579

+28.5%

10,940

△4,068

△27.1%

 

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(植物性油脂事業)

 売上高は、主原料であるパーム油等の原材料価格の上昇に伴う販売価格の上昇に加え、北米における新工場の稼働や円安の影響により大幅な増収となりました。営業利益は、東南アジアでの堅調な販売が寄与したものの、新工場稼働開始に伴う減価償却費等の固定費の増加等により減益となりました。

 

(業務用チョコレート事業)

 売上高は、円安の影響に加え、原材料価格の上昇に伴う販売価格の上昇により増収となりました。営業利益は、ブラジルでの堅調な販売があったものの、北米での人件費等の固定費の増加や第2四半期連結会計期間に発生したカカオ加工設備不良による販売数量の減少に加え、日本での販売数量が減少したため減益となりました。

 

(乳化・発酵素材事業)

 売上高は、原材料価格の上昇に伴う販売価格の上昇に加え、円安の影響により増収となりました。営業利益は、日本でのクリームやマーガリン等の販売数量の増加があったものの、中国のゼロコロナ政策長期化による需要減退等を受けた販売数量の減少等により減益となりました。

 

(大豆加工素材事業)

 売上高は、前連結会計年度に中国の大豆たん白食品会社の譲渡があったものの、原材料価格の上昇に伴う販売価格の上昇により増収となりました。営業利益は、日本での機能剤の販売伸長が寄与したものの、大豆たん白素材の販売数量の減少等により減益となりました。

 

② 財政状態の状況の分析

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ521億72百万円増加し、4,687億89百万円となりました。

 中期経営計画「Reborn 2024」において、資本効率の向上と財務モニタリング強化により事業基盤の強化・再構築を進め、財務体質の改善に取り組んでおります。

(単位:百万円)

 

 

2022年3月期

2023年3月期

増減

 

流動資産

201,334

227,771

+26,437

 

有形固定資産

140,628

159,855

+19,226

 

無形固定資産

55,697

57,322

+1,625

 

その他資産

18,958

23,841

+4,882

資産

 

416,617

468,789

+52,172

 

有利子負債

148,769

168,417

+19,647

 

その他負債

78,352

89,389

+11,036

負債

 

227,122

257,806

+30,683

純資産

 

189,495

210,983

+21,488

 

(資産)

 当連結会計年度末の資産は、原材料価格の上昇に伴う運転資本の増加や、円安の影響により流動資産が増加しております。有形固定資産の増加は使用権資産の増加やHARALD INDÚSTRIA E COMÉRCIO DE ALIMENTOS LTDA(以下、HARALD)での第2工場建設等によるものです。また、その他資産の増加は主にOilseeds International, Ltd.の取得に伴う投資有価証券の増加62億87百万円によるものです。以上の結果、前連結会計年度末に比べ521億72百万円増加し、4,687億89百万円となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債は、運転資本の増加に伴う有利子負債の増加や円安の影響により、前連結会計年度末に比べ306億83百万円増加し、2,578億6百万円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、米ドル及びユーロ等に対する円安による為替換算調整勘定の増加や、Fuji Oil International Inc.へのOilseeds International, Ltd.及びFUJI VEGETABLE OIL, INC.株式の現物出資により資本剰余金が28億22百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ214億88百万円増加し、2,109億83百万円となりました。この結果、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べ191円21銭増加し、2,359円34銭となりました。自己資本比率は前連結会計年度末比1.5ポイント減少し、43.3%となりました。

③ キャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループは、財務規律を維持・向上するため、着実な利益成長とキャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮により、フリー・キャッシュ・フローを安定的に創出することを基本方針としております。

 当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況は、棚卸資産の適正化など運転資本の改善に努めてまいりましたが、投資活動による支出が営業活動による収入を上回る結果となりました。

(単位:百万円)

 

2022年3月期

2023年3月期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

3,537

7,594

+4,056

投資活動によるキャッシュ・フロー

△18,807

△16,487

+2,319

フリー・キャッシュ・フロー

△15,269

△8,893

+6,375

財務活動によるキャッシュ・フロー

9,387

9,804

+417

現金及び現金同等物

15,915

18,991

+3,075

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、75億94百万円の収入となりました。期初においては急激な原材料価格の高騰等による棚卸資産の増加があったものの、棚卸資産の適正化など運転資本の改善を進めたことにより、40億56百万円収入が増加しております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、164億87百万円の支出となりました。HARALDの第2工場建設やFuji Brandenburg GmbHの大豆加工素材事業の新工場建設等の設備投資を行いましたが、その他の設備投資の厳選、ノンコア事業及び政策保有株式の売却等による収入等により、23億19百万円支出が減少しております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、98億4百万円の収入となりました。日本における普通社債の償還による支出がありましたが、運転資本の増加に伴う短期借入金の増加により、4億17百万円収入が増加しております。

 

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは円滑な事業活動に必要十分な流動性の確保と財務規律の維持及び財務健全性の向上を基本方針としております。

 当社グループの主な資金需要は、生産活動及び販売活動に必要な運転資金、事業拡大のための設備投資、グループ基盤強化のための事業投資等です。資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入や社債の発行等による資金調達です。

 短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金や長期運転資金は金融機関からの長期借入のほか、社債発行による資金調達を行っております。また、新型コロナウイルス感染症や自然災害等の不測の事態に備え、手許流動性を補完すべく、金融機関とコミットメントラインを締結しております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は1,684億17百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は189億91百万円となっております。

 

(4)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当社グループの生産品目は広範囲、多種多様であり、かつ、製品のグループ内使用(製品を他のグループ会社の原材料として使用)が数多くあるため、セグメント別(連結ベース)に生産実績を、金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため生産の実績については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 経営成績の状況の分析」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。

 

② 受注実績

 当社グループは需要予測に基づく見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 経営成績の状況の分析」に記載のとおりです。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

株式会社J-オイルミルズとの業務提携及び株式相互保有に関する契約

① 株式の持ち合い

 相互に相手方株式を保有します。

② 原料・資材の効率的調達

 原料・資材の共同調達により安定調達及びコスト低減を図ります。

③ 中間原料油の相互供給

 双方の強みを活かした中間原料油の相互供給により、使用製品の機能強化、コスト削減を図ります。

④ 相互の生産設備の有効活用

 両社が有する生産設備を相互に有効活用し、生産の効率化を図ります。

⑤ 物流業務の効率化

 物流拠点の集約化、共同配送・共同輸送等により、物流業務の効率化、コスト低減を図ります。

⑥ その他

 双方にメリットのある取組を行います。

 

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、植物性油脂とたん白を基礎とする新しい機能を持つ食品素材の開発に取り組んできました。長年積み重ねてきた研究成果と先進の技術力を生かし、不二製油グループ憲法のビジョン「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創します。」に向けて、新技術・新素材の開発による事業シナジーの最大化や新たなビジネスモデルの創出を目指した研究開発活動を実施しています。世界中の人々の食べることの歓びと健康に貢献することをモットーに、社会になくてはならない会社になるための研究開発活動に努めています。

 日本国内の「不二サイエンスイノベーションセンター」、「つくば研究開発センター」を研究開発の中核拠点とし、主に中国・アジア地域に設置した、顧客との共創の場である「フジサニープラザ」、オランダのフードバレーの中心となるワーヘニンゲン大学キャンパス内に2021年度に開設した「フジグローバルイノベーションセンターヨーロッパ」、そして各グループ会社の研究開発部門が連携し、事業戦略と一体となったグローバルな研究開発を目指しています。また、イノベーションを推進するため、国内外の大学や研究機関とのオープンイノベーションや顧客との共創活動を強化しています。

 

 知財戦略室及び知的財産グループでは、コア技術をベースに磨き上げてきた成果を特許ポートフォリオとして構築し、差別化された製品の市場優位性や価格決定力を確保しています。各主要事業においての市場優位性や価格決定力に影響し得る重要特許シェア率(注1)では国内トップレベルに、将来の重要特許を生み出すための人材投資(≒新規発明者数)(注2)では国内外の競合と比較しても上位に位置しています。

 技術開発部では、「安全、品質、環境」にこだわり、コア技術の強化・革新に関する研究開発を進めております。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は5,744百万円です。

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(注)1.油脂、チョコレート関連特許は、2011年以降における油脂、チョコレート等に関する特許分類に基づいて抽出された母集団を定義。プラントベースフード(植物性食品)関連特許は、プラントベースフードに関する特許分類及びキーワードに基づいて母集団を定義。母集団の被引用数上位5%に該当するものを重要特許として定義。

2.2011年以降に新たに出願した発明者のみを集計して算出。

3.重要特許シェア率が1%を超えている企業をグラフに表示。

 

 

 研究開発活動の概要は次のとおりです。

 

(植物性油脂事業)

 安全・安心で環境に配慮した油脂の製造技術、新機能を有する油脂製品、及びその最適な応用法に関する研究開発を通して、顧客の要望を形にし、新しいおいしさの創造に貢献しております。

 当連結会計年度の主な成果としては、国内外で高まるプラントベースフード(植物性食品)需要及び動物性油脂不足へ対応可能な、植物性代用油脂の開発に重点を置くことで、製品拡充を図り、実績化が進んでおります。市場導入を継続している、劣化風味発生を抑制した安定化DHA・EPA油脂素材については、新たに、伸長するグミ市場や、健康訴求補助食品としての焼き菓子市場にて採用されました。健康寿命を支える栄養健康素材として、更なる市場拡大を図るべく、各種専門誌を通じた情報発信も継続的に行っております。当連結会計年度は、日本農芸化学会、化学と生物(Vol.61 No.4 Page.196–201)への寄稿を通じて、広く製品特徴の認知を図っております。(関連:ESGマテリアリティ取組テーマ「高齢者の心身の健康課題の解消」)健康訴求型機能素材として、継続的に市場拡大を図っている、当社独自の分散技術、DTR技術(注)を応用した粉末素材は、少量添加での呈味改質機能が評価され、新たにシニア向けレトルト食品への実績化を達成しております。同技術を用い油脂の酸化劣化を抑制したω3油脂製品(亜麻仁油等)は、市場拡大が期待される完全栄養食分野での実績化が進展しております。

 従来の油脂結晶制御技術、エステル交換、分別技術についても深堀を進め、直近の原材料高騰に対応する、コスト低減を図る技術及び、環境負荷低減製造技術開発に一層注力し、国内及びグローバル市場環境にも対応可能な油脂素材として、提案を継続しております。

 当事業の研究開発費は920百万円です。

(注)DTR技術:水溶性成分を油脂に微分散させる技術で、素材の呈味(塩味、旨味、辛味など)や保存安定性を付与増強する技術。

 

(業務用チョコレート事業)

 チョコレートの新技術・新製品開発、及び想定した社会的課題や消費者への価値を具現化したアプリケーションを組み合わせたソリューション提案を行っております。

 当連結会計年度の主な成果としては、地球環境、人、社会に配慮した乳原料不使用チョコレートを発売いたしました。当社グループの独自技術で開発した粉末状大豆たん白や豆乳粉末を使用した、ミルクタイプチョコレート、ホワイトタイプチョコレートの2品の製品構成となっております。様々な素材との組み合わせを可能にするために、大豆のもつ独特の風味を低減し、乳のコクを再現しています。(関連:ESGマテリアリティ取組テーマ「植物性タンパク資源の創造」)

 当社グループ会社の中でも最大規模のBlommer Chocolate Company(米国)では、健康訴求性の高い無糖・低糖チョコレート分野において世界でもトップシェアを誇りますが、イスラエルのスタートアップ企業DouxMatok社(現Incredo社)とコラボレーションし、低糖でもナチュラルなおいしさを有する「Discoveryシリーズ」を上市しました。ラインナップの一つである「Armstrong Gold」は米国のNational Confectioners AssociationによるRuby Award for Supplier InnovationでFinalistに選出されました。

 グローバル研究開発強化の取組としては、Blommer Chocolate Company(米国)、HARALD INDÚSTRIA E COMÉRCIO DE ALIMENTOS LTDA(ブラジル)、INDUSTRIAL FOOD SERVICES PTY LIMITED(オーストラリア)からR&Dスタッフを不二サイエンスイノベーションセンターに招き、各国で伸長している健康チョコや乳原料不使用チョコ市場の情報交換、技術議論を行いました。また日本特有の技術を活用し、各国での新規市場開拓につなげるべく技術研修を行い、グループ全体のレベルアップを図りました。

 当事業の研究開発費は1,228百万円です。

 

 

(乳化・発酵素材事業)

 ホイップクリーム、調理用クリーム、ドリンクベース、マーガリン、チーズ風味素材、パイ製品等、乳製品代替素材を中心とした新技術・新製品開発、及びアプリケーション開発を行っております。

 当連結会計年度の主な成果としては、おいしさと機能性を両立した製品の市場導入により大きく利益貢献を果たしました。なかでも、チルドデザートの計画生産や賞味期限延長に貢献できる、冷解凍してもおいしさを損なわないホイップクリームは順調に売上を伸ばしました。(関連:ESGマテリアリティ取組テーマ「フードロスの削減とアップサイクル」)また、大豆のうま味・コク、圧倒的な口溶けの良さを表現した豆乳クリームバター「ソイレブール」は、プラントベースフードの先駆的な開発と市場への貢献が評価され、2022年度農林水産技術会議会長賞民間企業部門を受賞いたしました。

 乳化・発酵分野の研究の一環として、デンマークのコペンハーゲン大学から日本企業としては初めてインターン生2名の受け入れを行いました。Dairy(乳)分野で世界最先端のコペンハーゲン大学との継続的な取組により、全く新しい知見や交流が生まれ、地球温暖化や人口増加による食糧不足などグローバルな社会課題の解決に貢献できると考えております。

 当事業の研究開発費は928百万円です。

 

(大豆加工素材事業)

 大豆たん白、粒状大豆たん白、大豆たん白食品、大豆ペプチド、大豆多糖類等の開発を行っております。

 当連結会計年度の主な成果としては、粉末状大豆たん白素材は、利用領域の広がりを見せる栄養健康市場向け素材として顧客における作業性や物性機能の向上、一層の風味の向上等の改善に努め、近年市場が伸びているプロテイン飲料向けに新製品を開発しました。本製品は、液体飲料(中性タイプ)に求められる高い溶液安定性と良好な風味が特徴です。また、プロテインパウダーの分野では、顧客先の海外商品に対応した製品を開発、採用され東南アジア地域での販売に寄与いたしました。翌連結会計年度も現行製品のリニューアルによる品質向上を進めてまいります。

 粒状大豆たん白素材では、新しい大豆ミート素材として開発した「プライムソイミート」が、日本経済新聞社が主催する「2022年日経優秀製品・サービス賞」において、最優秀賞を受賞いたしました。「独自の加工技術を活用し、より肉のような食感を実現した点や、ホテルニューオータニのビュッフェメニューに採用される等、市場でも評価されている点」が理由となり、今回の受賞につながりました。また、食のバリューチェーンのステークホルダーとの共創を進めました。当社の技術を元に、大手流通との共同開発にて「謎唐」を発売、あえて大豆ミートとは表現しない、新しいアプローチを進めました。さらに、から揚げの普及、ブランディング発信に注力している一般社団法人の監修により、から揚げ有名店とのコラボイベントが開催されました。外食、中食、流通で取り組めるコンテンツとして、メニューは大手コンビニエンスストアのお弁当にも採用され、好評を博しました。加えて、「糖質低減、タンパク質強化」は近年の潮流であり、白米等の一部を粒状大豆たん白に置き換えた米飯製品への採用が順調に伸長しております。(関連:ESGマテリアリティ取組テーマ「植物性タンパク資源の創造」及び「糖質低減」)

 大豆多糖類においては、酢飯向け米飯ほぐれ剤用途の新製品を開発しました。本製品は、調理酢に対して従来品よりも高濃度溶液の調整が可能であり、保存安定性とほぐれやすさの向上に寄与しております。

 また、欧米市場に向けて進めているエンドウ多糖類の新製品は、2023年度の上市を予定、欧州及び国内市場の開拓にも取組を開始しました。

 当事業の研究開発費は1,240百万円です。

 

 

(中長期視点での研究活動)

 未来創造研究所では、「おいしさと健康」にこだわった食の市場を創造するための研究や、新規事業に繋がる技術開発に取り組んでおります。昨今、気候変動対策や世界的な人口増加、人権侵害等の多くの社会課題に対して、将来を見据えた取組が企業に求められています。当研究所では、将来の解決すべき社会課題として「高齢化社会」に関しては「高齢者の健康課題の予防」に、「サステナブルな食資源」に関しては「基幹原料の持続可能性」にフォーカスし、課題解決に繋がる研究テーマを推進しています。「高齢者の健康課題の予防」においては、認知症やメンタルヘルス、フレイル(注1)等を重要な健康課題と設定し、当社独自の酸化しにくい安定化DHA・EPA油脂素材による予防を目指し、更なる付加価値化に関する研究を推進しました。また、不二製油グループ本社に、研究対象者の人権擁護の目的(注2)で、研究の倫理的妥当性と科学的合理性が確保されるよう倫理審査委員会を設置しました。(厚生労働省:研究倫理審査委員会報告システム IRB番号22000245)人権と安全に配慮しつつ、健康機能素材の開発のスピードアップに努めてまいります。

 「基幹原料の持続可能性」においては、特にパーム・カカオ・大豆等の環境負荷低減、安定調達に寄与する技術開発をオープンイノベーションにより取り組んでいます。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」に参画し、新潟薬科大学との共同研究により、産業用スマートセルの発酵培養により得られた油脂生産酵母を用いて、パーム油代替油脂の世界トップレベルの高効率生産を実現しました。これらの成果について2022年10月開催の「Bio Japan 2022」で発表し、国内外から大きな反響がありました。今後も研究体制を強化し、油脂生産酵母による地球環境に優しいパーム油代替技術の実用化を目指してまいります。また、佐賀市・国立大学法人佐賀大学・伊藤忠エネクス株式会社と共同で、CO2を利用した大豆育成研究プロジェクトを開始しました。CO2を吸収することにより成長が早まる大豆の特性を活かした効率的な大豆生産に関する研究に取り組み、将来的にはCO2を利用した植物工場による国産大豆の生産及びプラントベースフード原料としての利用を目指します。(関連:ESGマテリアリティ取組テーマ「環境に配慮したものづくり」)

 MIRACORE®は、当研究所が開発した動物性食品ならではのおいしさを植物性素材で実現する技術であり、長年培ってきた植物性油脂と植物性たん白の技術を融合することで可能になった新技術です。当連結会計年度は、清湯・ブイヨンタイプ、フォンタイプを開発し、製品化しています。今後も世界のあらゆる料理に対応できる未来の調味素材として取組を加速させていきます。(関連:ESGマテリアリティ取組テーマ「植物性タンパク資源の創造」)

 また、当研究所は、当社グループの将来の事業を創造する研究所としての位置付けのもと、積極的に国内外の大学等の公的研究機関や企業との共同研究やコラボレーション、及び研究員の派遣に取り組んでいます。2021年度に茨城大学に設置した「食の創造」講座では、次世代食素材の創出を目指し、当社研究員による学生の指導や、当連結会計年度に欧州で販売を始めたエンドウ多糖類の構造と物性機能に関する共同研究などを実施し、新たな知見を特許出願すると共に科学論文として投稿しております。

 当事業の研究開発費は1,427百万円です。

(注)1.フレイル:健康な状態と要介護状態の中間に位置し、加齢とともに身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のこと。

2.人権擁護:ヒトを対象とする実験を伴う研究の場合、「ヘルシンキ宣言」及び厚生労働省等が定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に準拠しているかどうかの判断が必要。