第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、当社の「お客様に常に感謝の心を持ち、安心・安全かつ価値あるごま製品を提供することで、健康でより豊かな食生活の実現に貢献する」という経営理念の下に、ステークホルダーの皆様の期待に応えられる企業を目指しております。

 

(2)中長期的な経営戦略

かどや製油グループ長期ビジョンの策定

当社グループを取り巻く国内外の事業環境は少子高齢化の進展、環境問題の深刻化など著しく変化しております。加えて、社内的にはカタギ食品のグループ化(2017年)や袖ケ浦工場稼働(2020年)など2020年度を「第ニの創業」とも言える大きな節目と考えており、“次に向けた意識改革”“自ら考え、変わり、挑戦するという姿勢の共有化”を目的に2020年5月にグループ長期ビジョンとして『変革と挑戦! 健康と笑顔を届けるNo.1を目指す!』を策定しております。

 

②中期経営計画

当社グループは長期ビジョンの実現に向け、中期経営計画「ONE Kadoya2025(※)」を策定しております。変革と挑戦という思いの下、新型コロナウイルス問題以降の不確実な状況の中で、「事業戦略」「経営基盤の再構築」の個別施策を着実に実行してまいります。更には、自らのビジネス特性を踏まえ、持続可能な社会実現(SDGs)や社会課題の解決に向け、積極的な取組を実施してまいります。

(※)「ONE」…ごま一筋、グループ・役職員一丸、仕事のやりがいNo.1、グローバルでのNo.1など多くの「ONE」の思いが込められています。

 

事業戦略

かどやファンの着実な底上げ(マーケティング、提案型営業の強化等)

・海外事業の強化

・商品開発力強化による新たな価値の提供

・販売チャネルの拡充

・カタギ食品との連携強化(営業力強化、新商品開発、業務効率化)

経営基盤の再構築

・安心・安全への不断の取組

・人事制度改革

・研究開発機能の強化

・生産体制の最適化(小豆島工場、袖ケ浦工場、カタギ食品寝屋川工場の3工場の連携強化)

持続可能な社会実現に向けた取組(SDGsを意識した経営)

・CO2削減、食品ロスへの着実な取組など

 

(3)経営上の目標とする指標

当社グループは、如何なる経営環境下であっても「ごま製品の安定供給」という社会的責任を果たす観点から継続的に利益を確保できる経営体質の確立を目指しており、従来より収益力指標である「売上高経常利益率(目標10%)」を重視しております。

加えて、中期経営計画において資本効率性指標である「ROE(目標:中長期的に8%以上)」を重要指標として追加しております。

 

(4)経営環境および対処すべき課題

国内のごま油市場は健康ニーズの取込やちょいかけ等の用途の広がりにより着実に大きくなってきておりますが、今後は人口減少や少子高齢化により国内需要の減退、競合メーカーとの競争激化が予想されます。また、お客様からは従来以上に食の安心・安全への厳格な管理体制が求められており、製品に対するニーズも多様化しております。

こうした中、新型コロナウイルス問題が全世界的に広がり、落ち着きを取り戻しつつあるとは言え、今後、生活様式やビジネスの在り方は大きく変化するものと考えております。当社グループは従来より市場環境に合わせ、家庭用・業務用・輸出用のバランスを取りながら、事業を展開しておりますが、今後も柔軟性を持った経営を行ってまいります。

そして、長年、お客様に愛されてきた“かどや純正ごま油”のブランド(伝統の風味、品質)を当社の強みとして一層磨きをかけるとともに、引続き、ごま油やごまの新たな活用シーンを提案し市場規模の拡大に努めてまいります。

なお、2020年春の袖ケ浦工場稼働(かどや製油において、小豆島工場との2工場体制スタート)を機にごま油のリーディングカンパニーとして国内への製品安定供給はもとより、海外事業につきましても2020年5月に独立した海外事業本部を中心に新たな成長戦略の具体化に着手してまいります。

同時にカタギ食品との連携をより強くし、お客様、社会が求める新たなごま製品の開発・販売にも積極的に取り組んでまいります。

また、新型コロナウイルス問題に対して、当社グループは製品の生産に影響が出ないよう各工場において厳格な管理体制を継続してまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主に以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)原料調達について

当社グループの主要原材料であるごま種子は、そのほぼ全量を海外から調達しており、仕入価格が世界のごま種子市場の需給バランスの変化や、生産国の経済情勢、天候、作付状況、農薬等の規制によって変動します。これにより、当該価格が高騰した場合には、コスト上昇分を販売価格へ転嫁する方針でありますが、デフレ等の市場環境等により販売価格への転嫁が不十分となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループは新規の産地及び供給サプライヤーの探索や、継続的な購買活動を通しての現地有力サプライヤーとの強固な関係構築等の対策をしております。

なお、リスクが顕在化する時期及び可能性の程度については、ごま原料価格の変動要因が多岐に亘るため、予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、仕入価格上昇によるコスト増を販売価格へ転嫁する際の将来の市場環境が不透明であることから、見積もりは困難であると認識しております。

なお、ごま原料価格1tあたり50ドルの相場上昇が起きた場合、原料代は年間で約60百万円増加する見込みです。

 

(2)為替相場について

当社グループは、ごま種子の輸入やごま油等の輸出取引には、外貨(米ドル)による為替相場変動の影響を受ける場合があります。そのため、当社グループは外貨取引に係る販売・仕入のバランスにおいて、仕入のボリュームが大きいため、輸出取引の拡大による外貨取引の均衡化を行う等の対策をしております。しかしながら、そのリスクを全て排除することは不可能であり、急激な為替相場の変動があった場合は、コスト上昇分を販売価格へ転嫁する方針でありますが、デフレ等の市場環境等により販売価格への転嫁が不十分となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、リスクが顕在化する時期及び可能性の程度については、為替相場の変動要因が多岐に亘るため、予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、為替変動に伴うコスト増を販売価格へ転嫁する際の将来の市場環境が不透明であることから、見積もりは困難であると認識しております。

 

(3)カントリーリスクについて

当社グループでは、主要原材料であるごま種子をそのほぼ全量について海外から輸入しております。また、販売政策の課題として、海外への輸出販売高の拡大に取り組んでおります。

そのため、当社グループの関連する国において、災害、テロ、戦争、政治・経済状況の激変などの事象が起きた場合に、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは対応策として、輸入及び輸出の両面において、取引地域の拡大によるリスクの分散に取り組んでおります。

なお、当該リスクはコントロールすることが不可能な性質であることから、リスクの顕在化する時期及び可能性の予測が困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、当該リスク発生の規模により異なることから、見積もりは困難であると認識しております。

 

(4)食の安全について

当社は、小豆島工場において製品の安心・安全を確保するため、FSSC22000の国際規格を取得し、製品のトレーサビリティーの確保、製品検査、工程管理、製造環境の整備など厳しい品質管理体制を構築しております。

本年2月に竣工した袖ケ浦工場においても同等の品質管理体制を構築しておりますが、FSSC22000の認証には生産開始後の調査や確認が必要なため現時点では認証を取得しておりません(現在手続きを進めております)。

また、連結子会社は、ISO9001・22000の国際規格や有機JASの認証を取得している他、FSSC22000の取得に対する取り組みを進める等、品質管理体制の継続的改善に努めております。

しかしながら、これらの取り組みの範囲を超えた品質問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その程度につきましては発生事案の問題の性質により異なることから、見積もりは困難であると認識しております。なお、リスク発生予防のため、リスクの洗い出しや社外コンサルタントを起用した管理体制の見直し、コンプライアンス強化を目的とした教育啓発等に取り組んでおり、リスクの低減を図っています。

 

(5)自然災害について

当社グループは、地震や大型台風等の大規模な自然災害が起きた場合に、生産設備の毀損あるいは事業中断により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは2020年2月に千葉県袖ケ浦市に新工場を建設し、香川県小豆島工場、大阪府寝屋川工場の複数の生産拠点を保有し、大規模災害に備えております。また、地震で被災した場合に備え、小豆島工場、袖ケ浦工場及び寝屋川工場を付保範囲に含む地震保険に加入しております。

なお、当該リスクについて、コントロールすることが不可能な性質であることから、リスクの顕在化する時期及び可能性の予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、当該リスク発生の規模により異なることから、見積もりは困難であると認識しております。

 

(6)市場動向について

当社グループの事業の大部分は、日本国内において展開しており、国内景気等による消費動向が事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、日本は少子・高齢化が進んでおり、このまま人口の減少が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売数量が減少する可能性があります。

当社グループでは、このような影響を最小限に抑えるべく、新たな高付加価値製品の開発や輸出売上高を高めるなどの対策を講じておりますが、景気動向の悪化や当社グループ製品への需要低下等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、国内景気等については、政府の施策や国外の経済状況等の様々な要因から影響を受けるため、当該リスクの顕在化する時期、可能性及び業績及び財政状態に与える影響の予測は困難であると認識しております。また、人口減少の影響におきましては、当社グループの業績及び財政状態に与える影響について、特段の施策を講じなかった場合には、人口減少の程度と概ね比例し、影響額が顕在化するものと認識しております。

 

(7)法律等の諸規制について

当社グループは「食品衛生法」、「食品表示法」、「JAS法」、「製造物責任法」及び「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」等による法的規制の適用を受けております。当社は、これら法律の遵守に努めておりますが、今後において法的規制の変更、強化、新たな規制の導入がされた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

しかしながら、当社グループはこれらの法律等の諸規制によるリスクの顕在化の可能性は高くないと認識しております。また、リスクが顕在化する時期及び内容は当社グループでコントロールすることが不可能であることから、経営成績に与える影響を事前に見積もることは困難であると認識しております。

 

(8)許認可について

当社グループは、小豆島工場及び袖ケ浦工場において、食用油を扱っており、厚生労働省より食品衛生法に基づく食用油脂製造業に関する営業許可証をうけております。営業許可については、製品に製造上衛生に関する食品事故が発生した場合には取り消される可能性があります。また営業許可の更新については、定期的(現状、小豆島工場5年毎、袖ケ浦工場7年毎)に行うこととなっており、食品衛生法の定める施設基準に対する不適合があった場合には更新がされず、不適事項については改善のうえ再検査を行い、基準に適合させる必要があります。現営業許可証の有効期限は、小豆島工場が2022年5月31日まで、袖ケ浦工場が2026年11月30日までとなっております。なお、営業許可の取り消し及び営業の禁止又は停止については、食品衛生法第55条、第56条等に定められております。また、提出日(2020年6月23日)現在までの間において、営業許可の取り消し及び営業の禁止又は停止となる事由は存在しておりません。しかしながら、将来、何らかの理由により、許可の取り消し等が起こった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、リスクが顕在化する可能性は僅少であると認識しております。

(9)三菱商事株式会社、三井物産株式会社、株式会社MCアグリアライアンス、小澤物産株式会社及び小澤商事株式会社と当社との関係について

現在、三菱商事株式会社及び三井物産株式会社の2社は、当社におけるその他の関係会社に、株式会社MCアグリアライアンス、小澤物産株式会社及び小澤商事株式会社の3社は、関連当事者に該当しております。

このうち三菱商事株式会社、三井物産株式会社及び株式会社MCアグリアライアンスの3社は主要取引先であり、各取引のうち、当事業年度において、販売高が販売高全体の51.9%、仕入高が仕入高全体の72.6%を占めております。

販売先としては、三菱商事株式会社及び三井物産株式会社とは取引先信用補完のための帳合取引を行っており、実質は帳合先の会社に対しての売上であるため、当社における2社の販売高の割合が、即ち依存度を示すものではありません。

仕入先としては、当社では三井物産株式会社及び株式会社MCアグリアライアンスのほか、他の商社とも取引関係があり、当社にとって最も有効な条件を提示した取引先からの仕入を行っており、当社における上記2社の仕入額の割合が、即ち依存度を示すものではありません。

しかしながら、現状において、当社では上記3社に対する各取引高の金額が大きいため、取引関係が解消した場合等には、ただちに代わりの企業を探すことが困難な可能性もあります。

当社の主要株主である関連当事者の小澤物産株式会社につきましては、機器等の購入取引を、当社の役員の近親者が議決権の過半数を所有している関連当事者の小澤商事株式会社につきましては、製品の保管荷役及び運送委託の取引をそれぞれ行っておりますが、取引条件については、第三者と比較検討を実施した結果、公正な取引条件で実施しており、独立性は担保されております。

また、当社監査体制の強化を目的として三菱商事株式会社より1名、三井物産株式会社より1名、小澤物産株式会社と小澤商事株式会社の役員を兼務する者1名を当社社外監査役としておりますが、同様に当社の独立性に影響を及ぼすリスクはないと考えております。

以上により、関連当事者各社との関係性が業績及び財政状態に影響を与える可能性は極めて僅少であると認識しております。

 

(10)新型コロナウイルスの感染拡大の影響

2020年初め当たりから全世界的に広がりを見せる新型コロナウイルスに対して、当社グループでは、顧客、取引先及び社員の安全第一を考え、また更なる感染防止を防ぐため、出張を含んだ営業活動の自粛、人が集まる対外セミナーや展示会等の参加の原則禁止、工場見学の停止、テレワーク勤務の原則化等の対応を実施しております。

また、当社グループの業績及び財政状態への影響について、外食産業が落ち込む代わりに内食が伸びるとの観測もあり、当社はグループ全体として家庭用・業務用に偏らない展開をしているため影響は軽微であると考えております。しかしながら、事態が長期化した場合には、全世界的な景気悪化に伴う国内外の当社製品の販売量減や、原材料価格の高騰や物流機能の不安定化等が想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、長期化する可能性や当社グループの業績及び財政状態へ影響を及ぼす程度については、現時点で予測することは困難であると認識しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦を背景とした輸出の減速や、消費税率の引き上げの影響等による個人消費の落ち込みが生じた他、年明け頃から生じた新型コロナウイルス問題により、個人行動の自粛等に伴う経済活動の縮減が起こる等、先行きが不透明な状況となっております。また、世界経済は、保守主義的な貿易政策の広がりに伴い国際的な流通が鈍化する中で、新型コロナウイルス問題が全世界的に波及し、不確実性の高い状況が続いております。

食品業界におきましては、人口減少傾向により、国内市場の拡大が困難となる中で、差別化によるマーケットシェアの確保、海外市場の開拓、新たな付加価値の創出や継続的な安全性確保等への対応が求められています。

このような状況下、当社グループは、顧客ニーズや用途多様性に着目した販促を行う他、ごま原料相場の高騰に伴う原料価格に見合った販売価格の是正に注力しました。

ごま油におきましては、業務用を前期2月より、輸出用を当期10月より値上げの実施をしております。また、家庭用は、当期7月より値引き見合いの販売促進費の絞り込みを行っております。その影響等により、家庭用及び業務用の販売数量は、前期に比べ減少しております。但し、輸出用においては、値上げの影響はあったものの、北米地域への販売好調等により、販売数量は前期に比べ増加しております。以上により、ごま油全体の販売数量は前期比96.0%、販売金額は前期比97.3%となりました。

食品ごまにおきましては、業務用の販売数量が値上げの影響等により落ち込む中で、家庭用食品ごまが好調に推移した結果、食品ごま全体の販売数量は前期比98.1%、販売金額は前期比100.4%となりました。

一方、コスト面におきましては、売上原価は、原料代が大幅に増加した他、当期2月に完成しました袖ケ浦工場の減価償却費の発生等により前期比107.4%となりました。また、販売費及び一般管理費は、家庭用の販売促進費の絞り込み等により前期比90.1%となりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高33,781百万円(前期比598百万円減)、経常利益は3,462百万円(前期比969百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,552百万円(前期比396百万円減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①ごま油事業

ごま油事業におきましては、家庭用は、交通広告やSNSを利用した広告施策やより強い風味が特徴である純正ごま油濃口200gの浸透施策等を行いましたが、当期7月より開始した値引き見合いの販売促進費の絞り込みの影響が大きく、販売数量及び販売金額は前期に比べ減少しております。

業務用は、前期2月から取り組む値上げの影響等により、一部の加工ユーザーや外食産業向けで使用量の減少や他社への切り替えが生じる等、販売数量は前期に比べ減少しております。また、値上げにより業務用全体の販売単価は上昇しておりますが、販売数量の減少の影響が大きく、販売金額も前期に比べ減少しております。

また、輸出用は、当期10月より値上げを実施しておりますが、一升缶製品を中心に北米向けの販売が好調であったことや販促キャンペーンの実施等により、販売数量及び販売金額は前期に比べ増加しております。

一方、コスト面では、原料代が大幅に増加した他、袖ケ浦工場の減価償却の開始等により、売上原価は前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は家庭用の販売促進費の絞り込み等により、前期に比べ減少しました。

以上の結果、売上高は24,826百万円(前期比667百万円減)、セグメント利益は2,621百万円(前期比842百万円減)となりました。

 

②食品ごま事業

食品ごま事業におきましては、食品ごまは、業務用の値上げ等に伴う販売数量の落ち込みにより、食品ごま全体の販売数量は前期に比べ減少したものの、家庭用の販売好調や業務用の販売価格上昇等が寄与し、食品ごま全体の販売金額は前期に比べ増加しました。ねりごまは、家庭用及び値上げを行った業務用のいずれも販売数量が前期に比べ減少したものの、業務用の販売価格上昇等により、ねりごま全体の販売金額は前期に比べ増加しました。

一方、コスト面では、原料価格の上昇等により売上原価は前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は販売費の使用減等により、前期に比べ減少しました。

以上の結果、売上高は8,867百万円(前期比44百万円増)、セグメント利益は587百万円(前期比120百万円減)となりました。

(2)経営上の目標の達成状況

当社グループは収益力の指標である売上高経常利益率を重視しており、同指標10%以上を経営上の目標としております。また、2020年5月に策定しました中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。

なお、当連結会計年度の売上高経常利益率は10.2%、ROEは9.4%となりました。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前期比(%)

ごま油(トン)

50,958

97.9

内訳

 

 

(ごま油(トン))

(28,117)

96.8

(脱脂ごま(トン))

(22,840)

99.3

食品ごま(トン)

14,100

96.3

合計(トン)

65,059

97.6

(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。

2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。

 

(2)商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前期比(%)

その他(百万円)

48

135.0

合計(百万円)

48

135.0

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。

(3)受注実績

当社は受注生産は行っておりません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前期比(%)

ごま油(百万円)

24,826

97.3

食品ごま(百万円)

8,867

100.4

報告セグメント計(百万円)

33,694

98.1

その他(百万円)

87

139.7

合計(百万円)

33,781

98.2

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三井物産㈱

12,373

36.0

11,630

34.4

三菱商事㈱

4,542

13.2

4,057

12.0

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ22百万円減少し、20,555百万円となりました。

これは原材料及び貯蔵品等のたな卸資産が2,124百万円増加するなどの増加要因があったものの、現金及び預金が1,651百万円、受取手形及び売掛金が925百万円減少したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,140百万円増加し、17,800百万円となりました。

これは袖ケ浦工場建設工事の完成等により、機械装置及び運搬具が3,797百万円、建物及び構築物が3,367百万円、土地が163百万円増加し、建設仮勘定が5,436百万円減少したこと等によるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ339百万円増加し、8,272百万円となりました。

これは袖ケ浦工場建設工事費の支払などにより未払金が1,452百万円減少、未払法人税等が486百万円減少するなど減少要因があったものの、短期借入金が2,000百万円増加、賞与引当金が210百万円増加したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ249百万円増加し、2,042百万円となりました。

これは退職給付に係る負債が124百万円、資産除去債務が120百万円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ589百万円増加し、10,315百万円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ1,528百万円増加し、28,039百万円となりました。

これは親会社株主に帰属する当期純利益2,552百万円の計上と配当金の支払い1,105百万円の加減算により利益剰余金が1,446百万円増加したこと等によるものであります。

 

(セグメントごとの分析)

当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ10,875百万円増加し、22,729百万円となりました。これは袖ケ浦工場建設の完成等によるものであります。

また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ231百万円減少し、7,105百万円となりました。これは同セグメントにおける現金及び預金の減少等によるものであります。

 

(2)経営成績の分析

(売上高)

売上高は、前連結会計年度に比べ1.7%減少し、33,781百万円となりました。

主な内訳はごま油24,826百万円、食品ごま8,867百万円、その他87百万円であります。

 

(売上原価)

売上原価は、前連結会計年度に比べ7.4%増加し、20,715百万円となりました。

 

(売上総利益)

売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ2,027百万円減少し13,066百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ5.2ポイント減少し、38.7%となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ1,077百万円減少し9,810百万円となりました。

主な内訳は、販売促進費3,688百万円、運送費及び保管料1,583百万円、給料及び手当1,015百万円であります。

 

(営業利益)

売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ950百万円減少し3,255百万円となり、売上高営業利益率は2.6ポイント減少し、9.6%となりました。

 

(営業外収益・費用)

営業外損益は、営業外収益222百万円から営業外費用16百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ19百万円減少し、206百万円の利益となりました。

 

(経常利益)

営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ969百万円減少し3,462百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ2.6ポイント減少し、10.2%となりました。

 

(特別利益・損失)

特別損益におきましては、固定資産売却益を7百万円計上したものの、固定資産除売却損を8百万円計上したことにより、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ96百万円増加し、1百万円の損失となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ873百万円減少し、3,461百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が908百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ396百万円減少し2,552百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ1.0ポイント減少し7.6%となりました。

なお、1株当たりの当期純利益は277円47銭、ROE(自己資本当期純利益率)は9.4%、総資産経常利益率は9.3%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,651百万円減少し、3,989百万円となりました。

なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,682百万円の収入(前期比759百万円収入減)となりました。これはたな卸資産の増加額2,124百万円や法人税等の支払額1,481百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,461百万円や減価償却費1,123百万円、売上債権の減少額925百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、4,227百万円の支出(前期比2,201百万円支出減)となりました。これは袖ケ浦工場投資等に伴う有形固定資産の取得による支出が4,214百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、893百万円の収入(前期比2,274百万円収入増)となりました。これは配当金の支払い1,104百万円などの減少要因があったものの、短期借入金の増加額2,000百万円あったこと等によるものであります。

(資本の財源及び資金の流動性)

資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新の他、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。

 

資金調達

当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。

なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行1行と当座貸越契約及び取引銀行3行とコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は5,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は5,000百万円になります。

 

株主還元

当社グループは、株主への利益還元を経営の重点政策の一つと位置付けております。期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針し、単体の当期純利益の40%を目処として業績に連動させた配当を採用しております。ただし、業績に関わらず1株当たり20円以上の配当を継続して行えるよう努力してまいります。

 

(4)新型コロナウイルス問題の影響

当社グループは、当連結会計年度における新型コロナウイルス問題が業績に与えた影響について、問題の発生が当連結会計年度の終盤にあったこと等から、軽微であったと認識しております。また、終息時期は不透明ではありますが、当社グループは、家庭用・業務用に偏らない展開をしており、短期的には外食産業が落ち込む代わりに内食が伸びるとの観測もあることから、翌連結会計年度においても影響は軽微であると考えております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは多くの消費者に自然の恵みを活かした、健康的で豊かな食生活に貢献できる魅力のある製品を開発、提供することを研究開発活動の基本方針としております。

当社グループの研究開発の取り組みとしては、製品に対する顧客要望、マーケット情報などをもとに新製品等の研究や企画・立案を行っております。顧客ニーズを踏まえ、ごま関連商品の市場調査や競合他社製品の分析、既存の工程条件の見直し、新しいごま製品の加工技術の検討などを実施し、新製品の開発や既存製品の改良、リニューアルを行っております。また、ごま及びごま油の栄養成分や機能性成分に関する基礎研究や副産物の利用などの応用研究にも取り組んでおります。

「価値あるごま製品を提供することで、健康でより豊かな食生活に貢献する」という当社の経営理念に基づき、ごまのおいしさや健康、新たな価値を創造するための試験や分析、研究を行い、当社グループ独自の研究開発活動を推進します。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は69百万円となっております。

当社グループはセグメント共有の研究開発を行っているため、研究開発費の総額、研究開発活動は特定のセグメントに区分しておりません。

最近における研究開発活動の主なテーマと開発目標は次のとおりであります。

 

主要テーマ

開発目標

顧客要望に基づくごま製品の開発

製品開発・用途開発によるマーケットの拡大

ごま関連の加工技術、独自製法の探索

付加価値製品創出による競争力のある製品開発

おいしさを追求する研究・開発

味・香り・食感・安定性・嗜好性・加工特性など様々な視点からのごま・ごま油の利用価値を見出す

健康を訴求する研究・開発

ごま・ごま油に含まれる栄養成分や機能性成分の利用価値を見出す

おいしさ+αの製品開発

副産物の利活用

ごまに由来する素材の探索