第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、当社の「お客様に常に感謝の心を持ち、安心・安全かつ価値あるごま製品を提供することで、健康でより豊かな食生活の実現に貢献する」という経営理念の下に、ステークホルダーの皆様の期待に応えられる企業を目指しております。

 

(2)中長期的な経営戦略

かどや製油グループ長期ビジョン、中期経営計画への取組み

当社グループを取り巻く国内外の事業環境は少子高齢化の進展、環境問題の深刻化など著しく変化しております。これまでにカタギ食品のグループ化(2017年)や袖ケ浦工場稼働(2020年)などを実現し、2020年度を「第二の創業」とも言える大きな節目と捉え、2020年5月にグループ長期ビジョンを策定しました。その中では社員の“次に向けた意識改革”“自ら考え、変わり、挑戦するという姿勢の共有化”を念頭に『変革と挑戦! 健康と笑顔を届けるNo.1を目指す!』をスローガンとしました。

またあわせて、当社グループは2021年度を初年度とする中期経営計画「ONE Kadoya2025(※)」を策定しております。グローバル、国内、社会、経済と会社を取り巻く状況が不透明かつ変化している中、引き続き「事業戦略」「経営基盤の再構築」の個別施策を着実に実行してまいります。更には、自らのビジネス特性を踏まえ、持続可能な社会実現(SDGs)や社会課題の解決に向け、積極的な取組みを実施してまいります。

(※)「ONE」…ごま一筋、グループ・役職員一丸、仕事のやりがいNo.1、グローバルでのNo.1など多くの「ONE」の思いが込められています。

 

事業戦略

・かどやファンの着実な底上げ(マーケティング、提案型営業の強化等)

・海外事業の強化

・商品開発力強化による新たな価値の提供

・販売チャネルの拡充

・カタギ食品との連携深化(営業力強化、新商品開発、業務効率化)

 

経営基盤の再構築

・安心・安全への不断の取組み

・人事制度改革

・研究開発機能の強化

・生産体制の最適化(小豆島工場、袖ケ浦工場、カタギ食品寝屋川工場の3工場の連携強化)

 

持続可能な社会実現に向けた取組み(SDGsを意識した経営)

・温暖化ガス削減、食品ロスへの着実な取組みなど

 

(3)経営上の目標とする指標

当社グループは、如何なる経営環境下であっても「ごま製品の安定供給」という社会的責任を果たす観点から継続的に利益を確保できる経営体質の確立を目指しており、従来から収益力指標である「売上高経常利益率(目標10%)」を重視しております。

加えて、中期経営計画において資本効率性指標である「ROE(目標:中長期的に8%以上)」を重要指標としております。

 

(4)経営環境および対処すべき課題

国内のごま油市場は健康ニーズの取込や使用機会の増加、用途の広がりにより着実に大きくなってきておりますが、今後は人口減少や少子高齢化により国内需要の減退、競合メーカーとの競争激化が予想されます。また、お客様からは従来以上に食の安心・安全への厳格な管理体制が求められており、製品に対するニーズも多様化しております。

こうした中、2020年からの新型コロナウイルス感染症問題を受け、生活様式やビジネスの在り方が大きく変化しております。かかる状況下、当社グループは従来から市場環境に合わせ、家庭用・業務用・輸出用のバランスを取りながら、事業を展開しておりますが、今後も柔軟性を持った経営を行ってまいります。そして、長年、お客様に愛されてきた“かどや純正ごま油”のブランド(伝統の風味、品質)を当社の強みとして一層磨きをかけるとともに、引続き、ごま油やごまの新たな活用シーンを提案し市場規模の拡大に努めてまいります。

また、2020年春に袖ケ浦工場稼働(かどや製油において、小豆島工場との2工場体制スタート)を開始し1年が経過しました。ごま油のリーディングカンパニーとして国内への製品安定供給はもとより、海外事業への取組みと同時にカタギ食品との連携をより強くし、お客様、社会が求める新たなごま製品の開発・販売にも積極的に取り組んでまいります。

新型コロナウイルス感染症、地政学リスク、それらから複合的に派生する原料・物流・労働環境を取り巻く状況変化等の各種リスクに対しても、当社グループは製品の生産・販売に影響が出ないよう堅確な管理体制で取り組んでまいります。

 

(5)社会課題に対する取組み

当社グループは中期経営計画「ONE Kadoya2025」の中で、ESGの視点及びSDGsへの取組みを経営の最重要課題の一つとしています。社会的課題の解決を通して事業成長を達成するためにも、当社グループとしてこれまで以上に積極的に持続可能な社会の実現に取り組むべきであると認識し、それを明確にすべく、サステナビリティ基本方針を策定いたしました。

 

サステナビリティ基本方針

私達、かどや製油グループは「お客様に常に感謝の心を持ち、安心・安全かつ価値あるごま製品を提供する」の経営理念の下、持続可能な社会の実現に貢献し、社会的責任を果たしていきます。

その為に私達は、地球と人間が共存し、『ごまを通して、人と地球を健康に』する取り組みを推進します。

また私達は、従業員の活躍が企業成長の大切な基盤と考え、職場環境の向上に努め、多様性を重視し、人材の育成に積極的に取り組みます。

 

以上を当社グループのサステナビリティ基本方針とし、ごま事業を通じて持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主に以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)原料調達について

当社グループの主要原材料であるごま種子は、そのほぼ全量を海外から調達しており、仕入価格が世界のごま種子市場の需給バランスの変化や、生産国の経済情勢、天候、作付状況、農薬等の規制によって変動します。これにより、当該価格が高騰した場合には、コスト上昇分を販売価格へ転嫁する方針でありますが、デフレ等の市場環境等により販売価格への転嫁が不十分となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループは新規の産地及び供給サプライヤーの探索や、継続的な購買活動を通しての現地有力サプライヤーとの強固な関係構築等の対策をしております。

なお、リスクが顕在化する時期及び可能性の程度については、ごま原料価格の変動要因が多岐に亘るため、予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、仕入価格上昇によるコスト増を販売価格へ転嫁する際の将来の市場環境が不透明であることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(2)為替相場について

当社グループは、ごま種子の輸入やごま油等の輸出取引には、外貨(米ドル)による為替相場変動の影響を受ける場合があります。そのため、当社グループは外貨取引に係る販売・仕入のバランスにおいて、仕入のボリュームが大きいため、輸出取引の拡大による外貨取引の均衡化を行う等の対策をしております。しかしながら、そのリスクを全て排除することは不可能であり、急激な為替相場の変動があった場合は、コスト上昇分を販売価格へ転嫁する方針でありますが、デフレ等の市場環境等により販売価格への転嫁が不十分となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、リスクが顕在化する時期及び可能性の程度については、為替相場の変動要因が多岐に亘るため、予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、為替変動に伴うコスト増を販売価格へ転嫁する際の将来の市場環境が不透明であることから、見積りは困難であると認識しております。

(3)カントリーリスクについて

当社グループでは、主要原材料であるごま種子をそのほぼ全量について海外から輸入しております。また、販売政策の課題として、海外への輸出販売高の拡大に取り組んでおります。

そのため、当社グループの関連する国において、災害、テロ、戦争、政治・経済状況の激変などの事象が起きた場合に、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは対応策として、輸入及び輸出の両面において、取引地域の拡大によるリスクの分散に取り組んでおります。

なお、当該リスクはコントロールすることが不可能な性質であることから、リスクの顕在化する時期及び可能性の予測が困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、当該リスク発生の規模により異なることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(4)食の安全について

当社グループは、小豆島工場、袖ケ浦工場及び連結子会社であるカタギ食品の寝屋川工場において製品の安心・安全を確保するため、FSSC22000の国際規格を取得し、製品のトレーサビリティーの確保、製品検査、工程管理、製造環境の整備など厳しい品質管理体制を構築しております。また、カタギ食品では、有機食品の生産における厳しい生産基準をクリアし、有機JASの認証も取得しております。

しかしながら、これらの取組みの範囲を超えた品質問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その程度につきましては発生事案の問題の性質により異なることから、見積りは困難であると認識しております。なお、リスク発生予防のため、リスクの洗い出しや社外コンサルタントを起用した管理体制の見直し、コンプライアンス強化を目的とした教育啓発等に取り組んでおり、リスクの低減を図っています。また、万が一に損失が発生した場合の担保のため、生産物賠償責任保険、生産物回収費用保険に加入しております。

 

(5)自然災害について

当社グループは、地震や大型台風等の大規模な自然災害が起きた場合に、生産設備の毀損あるいは事業中断により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは2020年2月より千葉県袖ケ浦工場が新たに稼働しており、香川県小豆島工場、大阪府寝屋川工場の複数の生産拠点を保有し、大規模災害に備えております。また、損失の発生に備え、小豆島工場、袖ケ浦工場及び寝屋川工場の地震災害や原料の水災害等を付保範囲に含む保険に加入しております。なお、当該リスクについて、コントロールすることが不可能な性質であることから、リスクの顕在化する時期及び可能性の予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、当該リスク発生の規模により異なることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(6)市場動向について

当社グループの事業の大部分は、日本国内において展開しており、国内景気等による消費動向が事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、日本は少子・高齢化が進んでおり、このまま人口の減少が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売数量が減少する可能性があります。

当社グループでは、このような影響を最小限に抑えるべく、新たな高付加価値製品の開発や輸出売上高を高めるなどの対策を講じておりますが、景気動向の悪化や当社グループ製品への需要低下等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、国内景気等については、政府の施策や国外の経済状況等の様々な要因から影響を受けるため、当該リスクの顕在化する時期、可能性及び業績及び財政状態に与える影響の予測は困難であると認識しております。また、人口減少の影響におきましては、当社グループの業績及び財政状態に与える影響について、特段の施策を講じなかった場合には、人口減少の程度と概ね比例し、影響額が顕在化するものと認識しております。

 

(7)法律等の諸規制について

当社グループは「食品衛生法」、「食品表示法」、「JAS法」、「製造物責任法」、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」、「労働安全衛生法」及び「省エネ法」等による法的規制の適用を受けております。当社は、これらの法律を遵守しておりますが、今後において法的規制の変更、強化、新たな規制の導入がされた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

しかしながら、当社グループはこれらの法律等の諸規制によるリスクの顕在化の可能性は高くないと認識しております。また、リスクが顕在化する時期及び内容は当社グループでコントロールすることが不可能であることから、経営成績に与える影響を事前に見積もることは困難であると認識しております。

(8)許認可について

当社グループは、小豆島工場、袖ケ浦工場及び連結子会社であるカタギ食品の寝屋川工場において、厚生労働省より食品衛生法に基づく営業許可証を受けております。営業許可については、食品衛生法の違反となる食品事故が発生した場合には取り消される可能性があります。また営業許可の更新については、定期的(現状、小豆島工場5年毎、袖ケ浦工場7年毎、寝屋川工場6年毎)に行うこととなっており、食品衛生法の定める施設基準に対する不適合があった場合には更新がされず、不適事項については改善のうえ再検査を行い、基準に適合させる必要があります。現営業許可証の有効期限は、小豆島工場が2027年5月31日まで、袖ケ浦工場が2026年11月30日まで、寝屋川工場が2027年12月27日までとなっております。なお、営業許可の取り消し及び営業の禁止又は停止については、食品衛生法第60条、第61条等に定められております。また、提出日(2022年6月27日)現在までの間において、営業許可の取り消し及び営業の禁止又は停止となる事由は存在しておりません。しかしながら、将来、何らかの理由により、許可の取り消し等が起こった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、リスクが顕在化する可能性は僅少であると認識しております。

 

(9)三菱商事株式会社、三井物産株式会社、株式会社MCアグリアライアンス、小澤物産株式会社及び小澤商事株式会社と当社との関係について

三菱商事株式会社及び三井物産株式会社の2社は、当社におけるその他の関係会社に、株式会社MCアグリアライアンス、小澤物産株式会社及び小澤商事株式会社の3社は、関連当事者に該当しております。

このうち三菱商事株式会社、三井物産株式会社は当社の主要販売代理店であり、当事業年度においては、当該2社の取引高が販売高全体の52.5%を占めております。また、三井物産株式会社、株式会社MCアグリアライアンスの2社は当社の主要仕入先であり、当事業年度においては、当該2社の仕入高が仕入高全体の68.6%を占めております。

販売先としては、当社と三菱商事株式会社及び三井物産株式会社との関係性は、当社にとっての販売代理店であり、当該2社に対する取引高については、実質的には帳合先の各会社に対しての売上高であるため、当社における2社の取引高の割合が、即ち依存度を示すものではありません。

仕入先としては、当社では三井物産株式会社及び株式会社MCアグリアライアンスのほか、他の商社とも取引関係があり、当社にとって最も有効な条件を提示した取引先からの仕入を行っており、当社における上記2社の仕入額の割合が、即ち依存度を示すものではありません。

しかしながら、現状において、当社では上記3社に対する各取引高の金額が大きいため、取引関係が解消した場合等には、ただちに代わりの企業を探すことが困難な可能性があります。

当社の主要株主である関連当事者の小澤物産株式会社につきましては、機器等の購入取引を、当社の役員の近親者が議決権の過半数を所有している関連当事者の小澤商事株式会社につきましては、製品の保管荷役及び運送委託の取引をそれぞれ行っておりますが、取引条件については、第三者と比較検討を実施した結果、公正な取引条件で実施しており、独立性は担保されております。

また、当社監査体制の強化を目的として三菱商事株式会社より1名、三井物産株式会社より1名、小澤物産株式会社と小澤商事株式会社の役員を兼務する者1名を当社社外監査役としておりますが、同様に当社の独立性に影響を及ぼすリスクはないと考えております。

以上により、上記各社との関係性が業績及び財政状態に影響を与える可能性は極めて僅少であると認識しております。

 

(10)新型コロナウイルスの感染拡大の影響

全世界的に広がりを見せる新型コロナウイルスに対して、当社グループでは、顧客、取引先及び社員の安全第一を考え、また更なる感染拡大を防ぐため、状況に応じて、出張を含んだ営業活動の自粛、人が集まる対外セミナーや展示会等の参加の制限、工場見学の停止、テレワーク勤務の導入、従業員に対する検査への補助等の対応を実施しております。

また、当社グループの業績及び財政状態への影響について、外食産業が落ち込む代わりに内食が伸びる傾向にあり、当社はグループ全体として家庭用・業務用に偏らない展開をしているため、短期的には影響は軽微であると考えております。しかしながら、事態が長期化した場合には、全世界的な景気悪化に伴う国内外の当社製品の販売量減や、原材料価格の高騰や物流機能の不安定化等が想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、長期化する可能性や当社グループの業績及び財政状態へ影響を及ぼす程度については、現時点で予測することは困難であると認識しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、遡及処理後の数値で比較分析を行っております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、依然として、新型コロナウイルス感染症問題が収束せず、各地で緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用がされる等、経済活動が制限される環境下にありました。また、感染拡大の波が生じる中で、ワクチンの普及やその他各種感染対策を講じる等、引き続き感染拡大防止と経済活動の維持・拡大との両立が課題となっております。また、世界経済においては、米国や中国等のワクチン接種が進む国等で、経済状況は回復傾向にあるものの、ウイルスの新たな変異株の出現やウクライナ情勢による地政学リスクの高まり等もあり、先行きが不透明な状況が続いております。

食品業界におきましては、外食産業において、休業や時間短縮営業、酒類の提供停止等の制限等が生じ、厳しい状況が続きましたが、その一方で、内食需要は底堅く推移しております。また、食を提供するインフラの役割として、これまで以上に安心・安全を前提とした安定的な事業継続が求められています。

このような状況下、当社グループは、状況に応じた出張等の制限、工場見学の停止、テレワーク勤務の導入、従業員に対する検査への補助等、感染症拡大を防ぐ取組みを行う中で、厳格な生産管理体制のもと、安定的な製品供給の確保に注力しました。また、2021年2月にごま油業界初の特定保健用食品である「健やかごま油」を発売し、新商品の認知や健康ニーズの獲得に向けて、テレビCMを展開する等、積極的な販促を進めています。

ごま油におきましては、家庭用は、いわゆる「巣ごもり特需」がひと段落の状況となりましたが、外食産業が回復傾向とはいえ本来の状況には戻らない中で、内食需要は堅調に推移し、販売数量は前期に比べ微増となりました。

また、業務用及び輸出用は、外食産業向けの販売が増加し、前期の販売数量を上回りました。以上により、ごま油全体の販売数量は前期比103.2%、販売金額は前期比104.0%となりました。

食品ごまにおきましては、ねりごま、食品ごまともに販売数量は前期を下回り、全体の販売数量は前期比99.6%、販売金額は前期比98.2%となりました。

一方、コスト面におきまして、売上原価は、原料価格相場は、当期に上昇局面に転じましたが、原料船積み後に当社工場で使用されるまでには相応の期間を要することから、当期の入庫原料への影響は限定的で、前期比では原料払出価格が低下したことや、袖ケ浦工場の償却進行による減価償却費の減少等により、前期比99.0%となりました。また、販売費及び一般管理費は、「健やかごま油」の発売に伴うテレビCM等の広告施策の実施等により、前期比109.5%となりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高32,185百万円(前期比814百万円増)、経常利益は3,968百万円(前期比833百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,769百万円(前期比667百万円増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①ごま油事業

ごま油事業におきましては、家庭用は、ごま油業界初の特定保健用食品である新商品「健やかごま油」を2021年2月に新発売し、テレビCMを展開する等、積極的な販促を実施しました。また、新型コロナウイルス感染症問題の影響による「巣ごもり特需」がひと段落の状況となったものの、内食需要は依然として堅調に推移し、販売数量は前期に比べ微増となりました。また、内食需要に向けては、SNSを含むWEB施策を強化する等、環境に対応し、消費者とのコミュニケーションを重視した広告施策を展開しております。

業務用は、家庭用製品を取り扱う加工ユーザー向けの需要が堅調な中で、外食需要の回復、テイクアウト等の感染症問題下特有の需要増等もあり、業務用全体の販売数量は前期に比べ増加しております。

また、輸出用は、感染症問題を原因の発端とする海上輸送コンテナ不足の影響を受けつつも、ワクチン接種の普及等もあり、外食産業向けが需要増となり、販売数量は前期に比べ、増加しております。

一方、コスト面では、売上原価は、原料価格相場は、当期に上昇局面に転じましたが、当期の入庫原料への影響は限定的で、前期比では原料払出価格が低下したことや、袖ケ浦工場の償却進行による減価償却費の減少等により、前期に比べ減少しました。また、販売費及び一般管理費は、新商品「健やかごま油」に対するテレビCM等の広告宣伝費の使用等により、前期に比べ増加しました。

以上の結果、売上高は24,516百万円(前期比947百万円増)、セグメント利益は3,025百万円(前期比417百万円増)となりました。

 

②食品ごま事業

食品ごま事業におきまして、食品ごまは、家庭用食品ごまに強みを持つ子会社であるカタギ食品の販売伸長の寄与もありましたが、家庭用PBの落ち込みがあったほか、加工ユーザー向けの販売が低調となったこと等により、食品ごまの販売数量は前期に比べ減少しました。ねりごまは、総菜需要の減等により販売数量は減少しております。以上により、食品ごま全体の販売数量及び販売金額は前期に比べ減少しました。

一方、コスト面では、売上原価は、原料価格相場は、当期に上昇局面に転じましたが、当期の入庫原料への影響は限定的で、前期比では原料払出価格が低下したこと等により、前期に比べ減少しました。また、販売費及び一般管理費は、人件費の減等により、前期に比べ減少しました。

以上の結果、売上高は7,553百万円(前期比138百万円減)、セグメント利益は362百万円(前期比9百万円増)となりました。

 

(2)経営上の目標の達成状況

当社グループは収益力の指標である売上高経常利益率を重視しており、同指標10%以上を経営上の目標としております。また、2020年5月に策定しました中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。

なお、当連結会計年度の売上高経常利益率は12.3%、ROEは9.2%となりました。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前期比(%)

ごま油(トン)

55,202

104.9

内訳

 

 

(ごま油(トン))

(29,648)

104.1

(脱脂ごま(トン))

(25,554)

105.9

食品ごま(トン)

13,533

103.8

合計(トン)

68,735

104.7

(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。

2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。

 

(2)商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前期比(%)

その他(百万円)

56

98.8

合計(百万円)

56

98.8

 

(3)受注実績

当社は受注生産は行っておりません。

(4)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前期比(%)

ごま油(百万円)

24,516

104.0

食品ごま(百万円)

7,553

98.2

報告セグメント計(百万円)

32,069

102.5

その他(百万円)

116

104.3

合計(百万円)

32,185

102.5

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ3,915百万円増加し、23,705百万円となりました。

これは売掛金が191百万円減少するなどの減少要因があったものの、現金及び預金が3,287百万円、棚卸資産が849百万円増加したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ868百万円減少し、15,656百万円となりました。

これは袖ケ浦工場の減価償却等により有形固定資産が750百万円減少したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,047百万円増加し、39,361百万円となりました。

 

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ982百万円増加し、6,148百万円となりました。

これは支払手形及び買掛金が920百万円、未払法人税等が110百万円増加したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ14百万円増加し、2,061百万円となりました。

これは長期未払金が121百万円減少するなどの減少要因があったものの、退職給付に係る負債が110百万円、繰延税金負債が19百万円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ996百万円増加し、8,210百万円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,050百万円増加し、31,150百万円となりました。

これは親会社株主に帰属する当期純利益2,769百万円の計上と配当金の支払い783百万円の加減算により利益剰余金が1,986百万円増加したこと等によるものであります。

 

(セグメントごとの分析)

当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ237百万円減少し、21,552百万円となりました。これは袖ケ浦工場の減価償却の進行等によるものであります。

また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ2百万円減少し、7,930百万円となりました。

 

(2)経営成績の分析

(売上高)

売上高は、前連結会計年度に比べ2.5%増加し、32,185百万円となりました。

主な内訳はごま油24,516百万円、食品ごま7,553百万円、その他116百万円であります。

 

(売上原価)

売上原価は、前連結会計年度に比べ0.9%減少し、22,021百万円となりました。

 

(売上総利益)

売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ1,015百万円増加し10,163百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ2.4ポイント増加し、31.6%となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ585百万円増加し6,712百万円となりました。

主な内訳は、運送費及び保管料1,639百万円、給料及び手当1,260百万円、広告宣伝費821百万円、賞与引当金繰入額437百万円、販売手数料354百万円であります。

 

(営業利益)

売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ429百万円増加し3,450百万円となり、売上高営業利益率は1.1ポイント増加し、10.7%となりました。

 

(営業外収益・費用)

営業外損益は、営業外収益560百万円から営業外費用42百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ403百万円増加し、517百万円の利益となりました。

 

(経常利益)

営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ833百万円増加し3,968百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ2.3ポイント増加し、12.3%となりました。

 

(特別利益・損失)

特別損益におきましては、固定資産除売却損を19百万円計上したこと等により、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ4百万円増加し、17百万円の損失となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ837百万円増加し、3,950百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が1,181百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ667百万円増加し2,769百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ1.9ポイント増加し8.6%となりました。

なお、1株当たりの当期純利益は301円00銭、ROE(自己資本当期純利益率)は9.2%、総資産経常利益率は10.5%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ3,287百万円増加し、6,133百万円となりました。

なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、4,542百万円の収入(前期比1,827百万円収入増)となりました。これは法人税等の支払額1,112百万円、棚卸資産の増加額849百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,950百万円、減価償却費1,599百万円、仕入債務の増加額930百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、473百万円の支出(前期比372百万円支出減)となりました。これは小豆島工場の設備投資等に関する有形固定資産の取得による支出が576百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、781百万円の支出(前期比2,230百万円支出減)となりました。これは配当金の支払いが782百万円あったこと等によるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新のほか、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。

 

資金調達

当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。

なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行3行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は9,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は5,000百万円になります。

 

株主還元

当社グループは、株主への利益還元を経営の重点政策の一つと位置付けております。期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針し、単体の当期純利益の40%を目処として業績に連動させた配当を採用しております。ただし、業績に関わらず1株当たり20円以上の配当を継続して行えるよう努力してまいります。

 

(4)新型コロナウイルス感染症問題の影響

新型コロナウイルス感染症問題は2020年の年始頃から始まり、2021年度はおよそ1年が経過した環境下でありました。外食産業では営業の自粛等で昨年度から引き続き厳しい状況にありましたが、ワクチン接種の進行等による環境の改善やテイクアウト向け等の感染症問題下特有の需要獲得等もあり、業務用の販売は前期に比べ回復傾向にありました。また、家庭用では当初にあった「巣ごもり特需」が落ち着きましたが、依然として内食需要は底堅い状況にあります。輸出用では、感染症問題が引き金となって生じた海上輸送コンテナ不足による物流面の影響を受けておりますが、需要自体は外食産業向けの回復等により前期比で伸長しております。以上により、全体の売上高が前期を上回る等、当連結会計年度における短期的な業績に対しては深刻な影響はありませんでした。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社グループは多くの消費者に自然の恵みを活かした、健康的で豊かな食生活に貢献できる魅力のある製品を開発、提供することを研究開発活動の基本方針としております。

当社グループの研究開発の取組みとしては、製品に対する顧客要望、マーケット情報などをもとに新製品等の研究や企画・立案を行っております。顧客ニーズを踏まえ、ごま関連商品の市場調査や競合他社製品の分析、既存の工程条件の見直し、ごまやごま油を原料とした加工品の検討、新しいごま製品の加工技術の検討などを実施し、新製品の開発や既存製品の改良、リニューアルを行っております。また、ごま及びごま油の栄養成分や機能性成分に関する基礎研究や副産物の利用などの応用研究にも取り組んでおります。

「価値あるごま製品を提供することで、健康でより豊かな食生活に貢献する」という当社の経営理念に基づき、ごまのおいしさや健康、新たな価値を創造するための試験や分析、研究を行い、当社グループ独自の研究開発活動を推進します。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は100百万円となっております。

当社グループはセグメント共有の研究開発を行っているため、研究開発費の総額、研究開発活動は特定のセグメントに区分しておりません。

最近における研究開発活動の主なテーマと開発目標は次のとおりであります。

 

主要テーマ

開発目標

顧客要望に基づくごま製品の開発

ごま・ごま油を原料とした製品の開発

製品開発・用途開発によるマーケットの拡大

ごま関連の加工技術、独自製法の探索

付加価値製品創出による競争力のある製品開発

おいしさを追求する研究・開発

味・香り・食感・安定性・嗜好性・加工特性など様々な視点からのごま・ごま油の利用価値を見出す

健康を訴求する研究・開発

ごま・ごま油に含まれる栄養成分や機能性成分の利用価値を見出す

おいしさ+αの製品開発

副産物の利活用

ごま製品の製造副産物に由来する素材の探索と利用検討