第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、当社の「お客様に常に感謝の心を持ち、安心・安全かつ価値あるごま製品を提供することで、健康でより豊かな食生活の実現に貢献する」という経営理念の下に、ステークホルダーの皆様の期待に応えられる企業を目指しております。

 

(2)中長期的な経営戦略

かどや製油グループ長期ビジョン、中期経営計画への取組

当社グループを取り巻く国内外の事業環境は少子高齢化の進展、環境問題の深刻化など著しく変化しております。これまでにカタギ食品のグループ化(2017年)や袖ケ浦工場稼働(2020年)などを実現し、2020年度を「第二の創業」とも言える大きな節目と捉え、2020年5月にグループ長期ビジョンを策定しました。その中では社員の“次に向けた意識改革”“自ら考え、変わり、挑戦するという姿勢の共有化”を念頭に『変革と挑戦! 健康と笑顔を届けるNo1を目指す!』をスローガンとしました。

またあわせて、当社グループは2021年度を初年度とする中期経営計画「ONE Kadoya2025(※)」を策定しております。グローバル、国内、社会、経済と会社を取り巻く状況が不透明かつ変化している中、引き続き「事業戦略」「経営基盤の再構築」の個別施策を着実に実行してまいります。更には、自らのビジネス特性を踏まえ、持続可能な社会実現(SDGs)や社会課題の解決に向け、積極的な取り組みを実施してまいります。

(※)「ONE」…ごま一筋、グループ・役職員一丸、仕事のやりがいNo1、グローバルでのNo1など多くの「ONE」の思いが込められています。

 

事業戦略

・かどやファンの着実な底上げ(マーケティング、提案型営業の強化等)

・海外事業の強化

・商品開発力強化による新たな価値の提供

・販売チャネルの拡充

・カタギ食品との連携深化(営業力強化、新商品開発、業務効率化)

 

経営基盤の再構築

・安心・安全への不断の取組

・人事制度改革

・研究開発機能の強化

・生産体制の最適化(小豆島工場、袖ケ浦工場、カタギ食品寝屋川工場の3工場の連携強化)

 

持続可能な社会実現に向けた取組(SDGsを意識した経営)

・温暖化ガス削減、食品ロスへの着実な取組など

 

(3)経営上の目標とする指標

当社グループは、如何なる経営環境下であっても「ごま製品の安定供給」という社会的責任を果たす観点から継続的に利益を確保できる経営体質の確立を目指しており、従来から収益力指標である「売上高経常利益率(目標10%)」を重視しております。

加えて、中期経営計画において資本効率性指標である「ROE(目標:中長期的に8%以上)」を重要指標としております。

 

(4)経営環境および対処すべき課題

外部環境においてはロシアによるウクライナ侵攻の長期化、日米金利差の拡大による為替相場の変動、原油を始めとするエネルギー価格、資源価格の高止まり、物流状況の逼迫等により世界的にコスト上昇圧力が高まっております。当社グループにおいても原料及び各種資材の価格上昇により業績への影響は避けられないものとなっております。また、国内の食品業界においても相次ぐ値上げが生じており、個人消費の落ち込みが見られます。

このような環境下において、当社グループは従来からの家庭用・業務用・輸出用のバランスを取った事業展開に加え、効率化によるコスト削減や製品の価格是正に着手する等、収益性の確保に取り組んでおります。しかしながら現状のマーケット環境が継続した場合、業績への下方圧力がかかることも想定しております。

当社グループはごま油のリーディングカンパニーとして既存の取組に加え、お客様、社会が求める新たなごま製品の開発・供給にも引き続き積極的に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ基本方針

当社グループは中期経営計画「ONE Kadoya2025」の中で、ESGの視点及びSDGsへの取り組みを経営の最重要課題の一つとしています。社会的課題の解決を通して事業成長を達成するためにも、当社グループとしてこれまで以上に積極的に持続可能な社会の実現に取り組むべきであると認識し、それを明確にすべく、サステナビリティ基本方針を策定いたしました。

 

<サステナビリティ基本方針>

私達、かどや製油グループは「お客様に常に感謝の心を持ち、安心・安全かつ価値あるごま製品を提供する」の経営理念の下、持続可能な社会の実現に貢献し、社会的責任を果たしていきます。

その為に私達は、地球と人間が共存し、『ごまを通して、人と地球を健康に』する取り組みを推進します。

また私達は、従業員の活躍が企業成長の大切な基盤と考え、職場環境の向上に努め、多様性を重視し、人材の育成に積極的に取り組みます。

 

以上を当社グループのサステナビリティ基本方針とし、ごま事業を通じて持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

また、サステナビリティ基本方針を前提に、原料調達リスクを背景とした「ごまの生産者支援」、「気候変動対応」及び「職場環境の向上・多様性の重視・人材の育成」を重要テーマとしております。

 

(2)ガバナンス体制

当社グループは、サステナビリティに関する各課題の取り組みの進捗において、経営会議及び取締役会で定期的に報告がされ、審議の結果に基づき事業活動方針が決定されています。

また、中期経営計画「ONE Kadoya2025」の中で各テーマに関する具体的な施策を設定し取り組んでおります。

 

(3)リスク管理

当社グループは、主要原料であるごま種子について、そのほぼ全量を海外から調達しております。このため、原料の調達においては、生産国の天候、作付状況や経済情勢といった市場環境の変化や戦争の勃発、政情不安といった地政学リスクの影響を受けます。また、気候変動がもたらすネガティブな影響として、ごま原料の生産国における収穫量の減少やそれに伴う原料相場の高騰等が想定されます。このことから、当社グループは持続的な原材料の調達についてリスクを認識しております。

当社グループのリスク管理については、海外事業本部が商社等を通じて継続的に原料調達に関する情報収集を行っており、重要な環境の変化に関する事象について、経営会議及び取締役会等で都度報告を行っております。

 

(4)サステナビリティ課題への取組

当社グループは、南米(パラグアイ)やアフリカ(タンザニア、ナイジェリア)等のごまの生産農家に対し、現地のサプライヤー等と協力し、栽培指導やごまの品質改善への取組を行っており、収穫量の増加や品質の向上に伴う収益性の改善等を通じたごま生産者の持続的な支援に取り組んでいます。

また、ごま原料の安定調達という側面においては、ごま原料の購入産地の多角化にも取り組んでおります。

気候変動に対しては、自然災害の発生を意識した設備投資計画を実施する等しております。2020年には袖ケ浦工場が完成し、子会社の寝屋川工場を含めた3工場体制としております。また袖ケ浦工場は、海からの災害を回避すべく高台を用地に選定した他、小豆島工場においても水害に備えて排水処理設備を完備する等しております。また、CO2の排出削減に関しては、小豆島工場及び袖ケ浦工場において、発熱量の少ないLED照明への切替や化石燃料からの転換としてLNG燃料の利用等を行う他、2022年12月には袖ケ浦工場において太陽光発電設備を導入しました。

 

(5)人的資本に関する戦略及び指標・目標

1.人的資本に対する基本的な考え方 ~“人”の面からのサステナビリティ~

当社は経営理念の下に「長期ビジョン」「企業行動憲章」「サステナビリティ基本方針」を制定し、従業員の個性や多様性等を尊重するとともに従業員一人ひとりが主体的に行動し、そして、成長してくれることが、当社グループの持続可能(サステナブル)な企業価値の向上に繋がるものと考えております。

 

 

 

人的資本に対する基本的考え方

長期ビジョン

長期ビジョン(『変革と挑戦!健康と笑顔を届けるNo1を目指す!』)には『一人ひとりが“自ら考え、動き、発信する”企業風土を創り上げたい』との強い思いを包含

企業行動憲章

『6.個性と能力を活かせる職場の形成に努めます。

私たちは、従業員一人ひとりの人権を尊重するとともに従業員一人ひとりが個性と意欲と能力を最大限に発揮できる職場を目指します。

6—1 従業員の人格・人権を尊重し、公正で公平な人事処遇制度の構築、職場環境の整備に取り組みます。

6—2 従業員の個性を尊重し、個々の能力を十分に発揮できるよう、従業員のキャリア形成や能力開発を支援します。』

サステナビリティ

基本方針

『また私達は、従業員の活躍が企業成長の大切な基盤と考え、職場環境の向上に努め、多様性を重視し、人材の育成に積極的に取り組みます。』

 

2.人材育成に向けた取組

上記の基本的な考え方のもと当社は人材育成、人的資本の強化に向け具体的な取組(下記に記載)を実施しております。しかしながら、当社グループを取り巻く社会環境の変化は速く、今後も従業員がより働きがいを感じることができる制度や環境への改善に継続的に取り組んでまいります。

(1)人事制度の改定

・長期ビジョンや中期経営計画の実現に向け、2021年夏にメリハリを利かせた処遇体系の見直し、専門性を活かせる働き方の整備等を含んだ制度改定を行い、社員全員が自身にあったフィールドで活躍し、将来を担える人材へと成長することを後押ししております。

(2)研修計画の策定・実行

・2022年度より個々の等級レベルに応じて期待される人物像・求められる能力等を踏まえた「階層別研修」ならびに社内外の環境変化や課題等を踏まえた「テーマ別研修」の年度計画を策定し、優先度を踏まえつつ実施しております。

〈階層別〉   マネジメント、各種コミュニケーション、ロジカルシンキング等

〈テーマ別〉 労務管理、ライフプラン、コンプライアンス、メンタルヘルス等

・上記に加え、各本部(国内/海外事業本部、生産本部など)においても専門性向上等を目的とした独自の研修を実施する等全社ベースで「人材育成」に取り組んでおります。

(3)キャリアアップへの支援

・2023年春に「自己啓発支援制度」の一部見直しを行い、従業員自らが幅広い分野で能力開発やキャリアアップを目指すこと(各種資格の取得も含め)について、当社としても積極的に支援する枠組みを整備しております。

 

3.働きがいのある・働きやすい職場作りに向けた取組(働き方改革)

(1)在宅勤務・時差出勤等の整備ならびに育児休暇の取得推進等

・ここ数年、ビジネス環境や仕事/働き方に対する考え方が大きく変化する中、当社は「在宅勤務」「サテライトオフィス利用」「時差出勤」など従業員のニーズに即した多様な働き方(勤務体系)を整備するとともに積極的な活用を促進しております。

・2022年4月には「育児介護休業等相談窓口(人事部内)」を設置し、育休(特に男性)の積極的な取得を促進しております。

(2)オフィス環境・IT環境の刷新による社内コミュニケーション活性化と業務効率化

・当社は2023年2月に本社・東京支店を移転し、複数フロアを1フロアに集約。従業員同士・組織間のコミュニケーションをより良くすることで活発なディスカッション、新たなアイデアの創出、情報共有や意思決定の迅速化などを通じ、従業員が働きやすい職場作りに積極的に取り組んでおります。

・加えて、本社移転を機にIT環境/PC環境を刷新し、ペーパーレス化の推進、本社・東京支店内のフリーアドレス化、業務効率化にも積極的に取り組んでおります。IT環境の整備には引き続き全社的に継続的に取り組んでいく方針であります。

・また、2023年4月からはドレスコードフリー(除く、工場)を試行的に開始。従業員一人ひとりの多様性や主体性等を尊重すると同時に個々のパフォーマンス向上に繋がることを目指しております。

 

 

(3)ダイバーシティ&インクルージョン

・社会環境や顧客ニーズが大きく変化する中、当社として長期ビジョンや中期経営計画の実現に向け、性別、年齢、障がいの有無等は問わず、各分野で専門性の秀でた能力を有した人材の中途採用(女性管理職を含む)を進めるなど人材の多様性を意識した運営を実施しております。

・女性管理職比率につきましては企業規模なども勘案し、明確な目標設定はしておりませんが、女性部長職も誕生するなど当社における女性活躍度は着実に増しております。

〈女性管理職比率の推移〉

2021年3月末

2022年3月末

2023年3月末

9.7%

10.5%

10.8%

 

3【事業等のリスク】

当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主に以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)原料調達について

当社グループの主要原材料であるごま種子は、そのほぼ全量を海外から調達しており、仕入価格が世界のごま種子市場の需給バランスの変化や、生産国の経済情勢、天候、作付状況、農薬等の規制によって変動します。これにより、当該価格が高騰した場合には、コスト上昇分を販売価格へ転嫁する方針でありますが、デフレ等の市場環境等により販売価格への転嫁が不十分となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループは新規の産地及び供給サプライヤーの探索や、継続的な購買活動を通しての現地有力サプライヤーとの強固な関係構築等の対策をしております。

なお、リスクが顕在化する時期及び可能性の程度については、ごま原料価格の変動要因が多岐に亘るため、予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、仕入価格上昇によるコスト増を販売価格へ転嫁する際の将来の市場環境が不透明であることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(2)為替相場について

当社グループは、ごま種子の輸入やごま油等の輸出取引には、外貨(米ドル)による為替相場変動の影響を受ける場合があります。そのため、当社グループは外貨取引に係る販売・仕入のバランスにおいて、仕入のボリュームが大きいため、輸出取引の拡大による外貨取引の均衡化を行う等の対策をしております。しかしながら、そのリスクを全て排除することは不可能であり、急激な為替相場の変動があった場合は、コスト上昇分を販売価格へ転嫁する方針でありますが、デフレ等の市場環境等により販売価格への転嫁が不十分となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、リスクが顕在化する時期及び可能性の程度については、為替相場の変動要因が多岐に亘るため、予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、為替変動に伴うコスト増を販売価格へ転嫁する際の将来の市場環境が不透明であることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(3)カントリーリスクについて

当社グループでは、主要原材料であるごま種子をそのほぼ全量について海外から輸入しております。また、販売政策の課題として、海外への輸出販売高の拡大に取り組んでおります。

そのため、当社グループの関連する国において、災害、テロ、戦争、政治・経済状況の激変などの事象が起きた場合に、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは対応策として、輸入及び輸出の両面において、取引地域の拡大によるリスクの分散に取り組んでおります。

なお、当該リスクはコントロールすることが不可能な性質であることから、リスクの顕在化する時期及び可能性の予測が困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、当該リスク発生の規模により異なることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(4)品質と安全について

当社グループは、提供する製品やサービスの品質を維持・向上するため、社長直轄部署である内部監査部門や品質保証部による自己点検、第三者機関による外部監査を活用しております。製品の安全確保に関しては、小豆島工場、袖ケ浦工場及び連結子会社のカタギ食品寝屋川工場で食品安全マネジメントシステムの国際規格FSSC22000を取得、運用を通じて安全衛生管理を推進しております。また、リスク発生予防のため、リスクの洗い出しや社外コンサルタントを起用した管理体制の見直し、従業員教育等にも取り組んでおります。一方で、万が一問題が発生した場合の対応マニュアル整備、生産物賠償責任保険・生産物回収費用保険の付保を行っております。

しかしながら、予見不可能な要因により、当社グループが提供する製品やサービスについて、品質・安全にかかわる問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その程度につきましては発生事案の問題の性質により異なることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(5)自然災害について

当社グループは、地震や大型台風等の大規模な自然災害が起きた場合に、生産設備の毀損あるいは事業中断により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは2020年2月より千葉県袖ケ浦工場が新たに稼働しており、香川県小豆島工場、大阪府寝屋川工場の複数の生産拠点を保有し、大規模災害に備えております。また、損失の発生に備え、小豆島工場、袖ケ浦工場及び寝屋川工場の地震災害や原料の水災害等を付保範囲に含む保険に加入しております。なお、当該リスクについて、コントロールすることが不可能な性質であることから、リスクの顕在化する時期及び可能性の予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、当該リスク発生の規模により異なることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(6)市場動向について

当社グループの事業の大部分は、日本国内において展開しており、国内景気等による消費動向が事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、日本は少子・高齢化が進んでおり、このまま人口の減少が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売数量が減少する可能性があります。

当社グループでは、このような影響を最小限に抑えるべく、新たな高付加価値製品の開発や輸出売上高を高めるなどの対策を講じておりますが、景気動向の悪化や当社グループ製品への需要低下等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、国内景気等については、政府の施策や国外の経済状況等の様々な要因から影響を受けるため、当該リスクの顕在化する時期、可能性及び業績及び財政状態に与える影響の予測は困難であると認識しております。また、人口減少の影響におきましては、当社グループの業績及び財政状態に与える影響について、特段の施策を講じなかった場合には、人口減少の程度と概ね比例し、影響額が顕在化するものと認識しております。

 

(7)法律等の諸規制について

当社グループは、「食品衛生法」、「食品表示法」、「JAS法」、「製造物責任法」、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」、「労働安全衛生法」及び「省エネ法」等による法的規制の適用を受けております。また、「食品衛生法」において、厚生労働省より食用油脂製造業に関する営業許可を受けており、同法の定める施設基準に適合する生産拠点の体制を維持しております。

当社グループは、上記の法律の他、国内外の法律を遵守しておりますが、今後において法的規制の変更、強化、新たな規制の導入がなされた場合や、「食品衛生法」に基づく営業許可において、予期せぬ同法違反となる食品事故発生による取消や定期更新時の施設基準の不適合による更新停止等が生じた場合には、事業活動が制限され、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

しかしながら、当社グループはこれらの法律等の諸規制によるリスクの顕在化の可能性は高くないと認識しております。また、リスクが顕在化する時期及び経営成績に与える影響を事前に見積もることは困難であると認識しております。

 

(8)サイバーセキュリティについて

サイバー攻撃は増加の一途をたどっており、近年は事業規模・業界・業種・業態を問わず大きな脅威に晒されています。当社グループに対するサイバー攻撃により、予期できない水準の情報システムならびに通信基盤の重大な障害が発生した場合は、事業の継続およびビジネスの伸長に困難を来たします。加えて、コンピュータウイルスの感染や不正アクセスにより、機密情報の流出などのセキュリティインシデントが発生した際は、当社グループの企業価値を著しく毀損する恐れがあります。このように、サイバーセキュリティのリスクによって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、サイバーセキュリティの対策として、次の取組を三位一体で推進しています。

 1.ルール  : 「規則とプロセスの継続的改善」 社内外のセキュリティインシデントの動向を踏まえ、規程の見直しと情報資産と情報システム利用ルールの改善を実施

 2.ヒト    : 「体制の強化と教育の徹底」 規程の見直しに合わせてセキュリティ対策体制を強化、合わせて従業員のセキュリティ教育と対策訓練を定期的に実施

 3.システム: 「セキュリティを守るしくみの構築」 ネットワークの防御・業務用PCの最新化・認証基盤の強化・添付メール(PPAP)対策を実施

なお、当該リスクの対策を講じておりますが、予期できない水準の重大な事件・事故・障害はコントロールすることが不可能な性質であることから、リスクが顕在化する時期及び可能性の予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度については、当該リスク発生の規模により異なることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(9)関連当事者との取引に関する独立性について

三菱商事株式会社及び三井物産株式会社の2社は、当社におけるその他の関係会社に、株式会社MCアグリアライアンス、小澤物産株式会社及び小澤商事株式会社の3社は、関連当事者に該当しております。

このうち三菱商事株式会社、三井物産株式会社は当社の主要販売代理店であり、当事業年度においては、当該2社の取引高が販売高全体の51.9%を占めております。また、三井物産株式会社、株式会社MCアグリアライアンスの2社は当社の主要仕入先であり、当事業年度においては、当該2社の仕入高が仕入高全体の66.2%を占めております。

販売先としては、当社と三菱商事株式会社及び三井物産株式会社との関係性は、当社にとっての販売代理店であり、当該2社に対する取引高については、実質的には帳合先の各会社に対しての売上高であるため、当社における2社の取引高の割合が、即ち依存度を示すものではありません。

仕入先としては、当社では三井物産株式会社及び株式会社MCアグリアライアンスのほか、他の商社とも取引関係があり、当社にとって最も有効な条件を提示した取引先からの仕入を行っており、当社における上記2社の仕入額の割合が、即ち依存度を示すものではありません。

しかしながら、現状において、当社では上記3社に対する各取引高の金額が大きいため、取引関係が解消した場合等には、ただちに代わりの企業を探すことが困難な可能性があります。

当社の主要株主である関連当事者の小澤物産株式会社につきましては、設備等の購入取引を、当社の主要株主及びその近親者が議決権の過半数を所有している関連当事者の小澤商事株式会社につきましては、製品の保管荷役及び運送委託の取引をそれぞれ行っておりますが、取引条件については、第三者と比較検討を実施した結果、公正な取引条件で実施しており、独立性は担保されております。

また、当社監査体制の強化を目的として三菱商事株式会社より1名、三井物産株式会社より1名、小澤物産株式会社と小澤商事株式会社の役員を兼務する者1名を当社社外監査役としておりますが、同様に当社の独立性に影響を及ぼすリスクはないと考えております。

以上により、上記各社との関係性が業績及び財政状態に影響を与える可能性は極めて僅少であると認識しております。

 

(10)感染症のまん延について

新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループでは、顧客、取引先及び社員の安全第一を考え、また更なる感染拡大を防ぐため、状況に応じて、出張を含んだ営業活動の自粛、人が集まる対外セミナーや展示会等の参加の制限、工場見学の停止、テレワーク勤務の導入、従業員に対する検査への補助等の対応を実施しております。

また、当社グループの業績及び財政状態への影響について、外食産業が落ち込む代わりに内食が伸びる傾向にあり、当社はグループ全体として家庭用・業務用に偏らない展開をしているため、短期的には影響は軽微であると考えております。しかしながら、事態が長期化した場合には、全世界的な景気悪化に伴う国内外の当社製品の販売量減や、原材料価格の高騰や物流機能の不安定化等が想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、長期化する可能性や当社グループの業績及び財政状態へ影響を及ぼす程度については、現時点で予測することは困難であると認識しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な原材料価格の高騰や為替レートの急激な円安等が企業の収益性を圧迫する環境下にありました。また、これらを背景とする生活必需品の値上がり及び光熱費の上昇等や新型コロナウイルスの感染者数の拡大局面等が、個人消費を押し下げる要因となりました。世界経済においては、各国で物価上昇傾向にあり、米国をはじめとして中央銀行による利上局面を迎えております。また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や、金融市場環境の変化等もあり、先行きが不透明な状況が続いております。

食品業界におきましては、原材料価格の高騰や為替レートの円安基調等により、相次ぐ値上げが生じております。一方で、外食産業は、感染症対策の浸透や行政措置の緩和等に伴い外食利用者が増加し、回復傾向にありました。また、食を提供するインフラの役割として、これまで以上に安心・安全を前提とした安定的な事業継続が求められています。

このような状況下、当社グループは、全社的な感染症対策を行い、厳格な生産管理体制の中で、安定的な製品供給の確保に注力しました。また、高騰する原材料コスト等に対しては、効率化によるコスト削減や製品の販売価格是正に着手する等、収益性の確保に取り組んでおります。その一方で、中期経営計画「ONE Kadoya 2025」の施策の一環として、当社製品を使用したメニューにより、ごまの魅力や用途多様性を訴求するカフェ「goma to(ゴマト)」のオープンや、ごまに関する情報交換が可能な双方向性のあるファンコミュニティサイト「ごまラボ」の開設等、「かどやファン」を獲得するための積極的な取り組みを行っております。

ごま油事業におきましては、製品の販売価格是正を、家庭用は2022年6月、業務用は2022年5月と2023年3月、輸出用は2022年4月に実施しております。この影響等により家庭用及び輸出用の販売数量は前期に比べ減少しました。なお、業務用の販売数量は外食需要の回復等により前期を上回っております。

以上により、ごま油事業全体の販売数量は前期比96.4%、販売金額は製品の販売価格是正の実施や輸出における為替レートの円安基調の影響等が寄与し、前期比105.7%となりました。

食品ごま事業におきましては、製品の販売価格是正を2022年10月に実施しております。販売数量につきましては、業務用ねりごまの販売数量が前期を上回ったものの、他のカテゴリーで販売数量が前期を下回り、食品ごま事業全体の販売数量は前期比98.1%となりました。なお、販売金額は製品の販売価格是正の実施等により前期並み(前期比100.9%)となりました。

一方、コスト面におきまして、売上原価は、袖ケ浦工場の償却進行に伴う減価償却費の減等あったものの、原料価格の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の増、エネルギー価格上昇等に伴う燃料費や光熱費の増等により、前期比110.1%となりました。また、販売費及び一般管理費は、前期にごま油業界初の特定保健用食品である「健やかごま油」の発売に伴うテレビCM等を実施したことによる減等があったものの、2023年2月に本社事務所を品川区北品川(同区内)に移転し、その関連費用が発生したこと等により、前期比101.2%となりました。そのほか、営業外損益において、為替レートの円安進行の影響による為替差益が593百万円(前期比328百万円増)発生しております。なお、為替差損益について、原料仕入取引においては、船積み時に確定する決済レートと荷受け時に確定する仕入計上レートとの差で発生し、各時点間の為替レートの差額を損益認識しております。また、輸出取引においては船積み時のレートと入金時のレートの差額を損益認識しております。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高33,690百万円(前期比1,504百万円増)、経常利益は3,353百万円(前期比614百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,305百万円(前期比464百万円減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①ごま油事業

ごま油事業におきましては、家庭用は、当社製品を使用したメニューを提供するカフェ「goma to(ゴマト)」のオープンや、ごまに関するファンコミュニティサイトである「ごまラボ」の開設等、中長期的に「かどやファン」を獲得するための施策を行った他、新型コロナウイルス感染症流行の環境下において生じた家庭での調理機会の増加や健康志向の増大等を意識したSNSを含むWEB広告施策等を実施しました。また、2022年8月にはごまを煎らずに絞った香りのない非焙煎のごま油をリニューアルし、「かどやの太白ごま油」を発売しております。しかしながら、製品の販売価格是正の影響が大きく、販売数量は前期に比べ減少しております。

業務用は、外食需要の回復や2023年3月の製品の販売価格是正に係る買い溜め需要の発生等もあり、販売数量は前期に比べ増加しております。

また、輸出用は、米国内の流通在庫の積み上がりや米国内の末端価格の上昇等により受注が徐々に鈍化し、販売数量は前期に比べ減少しました。なお、販売金額は、製品の販売価格是正や為替レートの円安基調の影響等により前期比で増加しております。

一方、コスト面では、売上原価は、袖ケ浦工場の償却進行に伴う減価償却費の減等あったものの、原料価格の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の増、エネルギー価格上昇等に伴う燃料費や光熱費の増等により、前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は、前期に実施した特定保健用食品の新製品「健やかごま油」に関する広告施策費分の減等があったものの、本社事務所移転費用の増等により、前期に比べ増加しました。

以上の結果、売上高は25,925百万円(前期比1,408百万円増)、セグメント利益は2,447百万円(前期比577百万円減)となりました。

 

②食品ごま事業

食品ごま事業におきまして、家庭用は、製品の販売価格是正の影響やその局面下で販促実施が滞った影響等により販売数量が前期比で減少しました。業務用は、ねりごまの販売数量が総菜向け需要の増等により前期比で増加しましたが、食品ごまにおいて、家庭用製品を取り扱う加工ユーザー向け需要が落ち、中食・外食産業向けの需要回復等があったものの販売数量は前期比で減少しました。以上により、食品ごま事業全体の販売数量は前期比で減少しましたが、製品の販売価格是正の影響等で販売金額は前期並みとなりました。

一方、コスト面では、売上原価は、原料価格の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の増、エネルギー価格の上昇による燃料費、光熱費の増等が生じており、前期に比べ増加しております。また、販売費及び一般管理費は、物流コストの上昇や本社事務所移転費用の増等があったものの、広告宣伝費の減等により、前期に比べ減少しました。

以上の結果、売上高は7,628百万円(前期比75百万円増)、セグメント利益は116百万円(前期比245百万円減)となりました。

 

(2)経営上の目標の達成状況

当社グループは収益力の指標である売上高経常利益率を重視しており、同指標10%以上を経営上の目標としております。また、2021年6月に発表しました中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。

なお、当連結会計年度の売上高経常利益率は10.0%、ROEは7.2%となりました。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

ごま油(トン)

52,937

95.8

内訳

 

 

(ごま油(トン))

(28,180)

95.0

(脱脂ごま(トン))

(24,757)

96.8

食品ごま(トン)

12,678

93.6

合計(トン)

65,616

95.4

(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。

2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。

(2)商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

その他(百万円)

76

134.3

合計(百万円)

76

134.3

 

(3)受注実績

当社は受注生産は行っておりません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

ごま油(百万円)

25,925

105.7

食品ごま(百万円)

7,628

100.9

報告セグメント計(百万円)

33,553

104.6

その他(百万円)

136

117.5

合計(百万円)

33,690

104.6

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,461百万円増加し、26,166百万円となりました。

これは現金及び預金が737百万円、売掛金が713百万円、棚卸資産が1,124百万円増加したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ294百万円減少し、15,361百万円となりました。

これは投資有価証券が599百万円増加するなどの増加要因があったものの、袖ケ浦工場の減価償却等により有形固定資産が754百万円減少したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,166百万円増加し、41,527百万円となりました。

 

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ406百万円増加し、6,555百万円となりました。

これは未払法人税等が202百万円減少するなどの減少要因があったものの、支払手形及び買掛金が793百万円増加したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ93百万円増加し、2,155百万円となりました。

これは長期未払金が18百万円減少するなどの減少要因があったものの、資産除去債務が49百万円、リース負債が72百万円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ500百万円増加し、8,710百万円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ1,666百万円増加し、32,816百万円となりました。

これは親会社株主に帰属する当期純利益2,305百万円の計上と配当金の支払い1,013百万円の加減算により利益剰余金が1,291百万円増加したこと等によるものであります。

 

(セグメントごとの分析)

当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ746百万円増加し、22,298百万円となりました。これは棚卸資産の増加等によるものであります。

また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ88百万円増加し、8,019百万円となりました。

 

(2)経営成績の分析

(売上高)

売上高は、前連結会計年度に比べ4.6%増加し、33,690百万円となりました。

主な内訳はごま油25,925百万円、食品ごま7,628百万円、その他136百万円であります。

 

(売上原価)

売上原価は、前連結会計年度に比べ10.1%増加し、24,252百万円となりました。

 

(売上総利益)

売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ726百万円減少し9,437百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ3.6ポイント減少し、28.0%となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ85百万円増加し6,798百万円となりました。

主な内訳は、運送費及び保管料1,619百万円、給料及び手当1,320百万円、広告宣伝費702百万円、賞与引当金繰入額421百万円、販売手数料295百万円であります。

 

(営業利益)

売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ812百万円減少し2,638百万円となり、売上高営業利益率は2.9ポイント減少し、7.8%となりました。

 

(営業外収益・費用)

営業外損益は、営業外収益723百万円から営業外費用9百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ197百万円増加し、714百万円の利益となりました。

 

(経常利益)

営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ614百万円減少し3,353百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ2.4ポイント減少し、10.0%となりました。

 

(特別利益・損失)

特別損益におきましては、固定資産除売却損を9百万円計上したこと等により、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ9百万円増加し、8百万円の損失となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ605百万円減少し、3,344百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が1,039百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ464百万円減少し2,305百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ1.8ポイント減少し6.8%となりました。

なお、1株当たりの当期純利益は250円52銭、ROE(自己資本当期純利益率)は7.2%、総資産経常利益率は8.3%となりました。

(3)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ737百万円増加し、6,871百万円となりました。

なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、2,460百万円の収入(前期比2,081百万円収入減)となりました。これは法人税等の支払額1,295百万円、棚卸資産の増加額1,124百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,344百万円、減価償却費1,512百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、720百万円の支出(前期比247百万円支出増)となりました。これは小豆島工場の設備投資等に関する有形固定資産の取得による支出が656百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,002百万円の支出(前期比221百万円支出増)となりました。これは配当金の支払いが1,012百万円あったこと等によるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新のほか、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。

 

資金調達

当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。

なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行3行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は9,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は5,000百万円になります。

 

株主還元

当社グループは、株主への利益還元を経営の重点政策の一つと位置付けており、期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。当連結会計年度(2023年3月期)まで単体の当期純利益の40%を目処として業績に連動させた配当を行っておりましたが、2024年3月期より配当性向の目標を連結の親会社株主に帰属する当期純利益の40%とする方針に変更しております。また、業績に関わらず1株当たり20円以上の配当を継続して行えるよう努力してまいります。

 

(4)新型コロナウイルス感染症問題の影響

新型コロナウイルス感染症問題は2020年の年始頃から始まり、2022年度はおよそ2年が経過した環境下にありました。ワクチン接種の進行や感染症対策の浸透により、厳しい環境にあった外食産業の需要は回復傾向にありました。一方で、家庭用において当初にあった「巣ごもり特需」は落ち着きました。また、輸出用では、感染症問題が引き金となって生じた海上輸送コンテナ不足の影響は解消しております。以上により、全体の売上高が前期を上回る等、当連結会計年度における短期的な業績に対しては深刻な影響はありませんでした。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

当社グループは多くの消費者に自然の恵みを活かした、健康的で豊かな食生活に貢献できる魅力のある製品を開発、提供することを研究開発活動の基本方針としております。

当社グループの研究開発の取組みとしては、製品に対する顧客要望、マーケット情報などをもとに新製品等の開発や企画・立案を行っております。顧客ニーズを踏まえ、ごま関連商品の市場調査や競合他社製品の分析、既存の工程条件の見直し、ごまやごま油を原料とした加工品の検討、新しいごま製品の加工技術の検討などを実施し、新製品の開発や既存製品の改良、リニューアルを行っております。また、ごま及びごま油の栄養成分や機能性成分に関する基礎研究や副産物の利用などの応用研究にも取り組んでおります。

「価値あるごま製品を提供することで、健康でより豊かな食生活に貢献する」という当社の経営理念に基づき、ごまのおいしさや健康、新たな価値を創造するための試験や分析、研究を行い、当社グループ独自の研究開発活動を推進します。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は123百万円となっております。

当社グループはセグメント共有の研究開発を行っているため、研究開発費の総額、研究開発活動は特定のセグメントに区分しておりません。

最近における研究開発活動の主なテーマと開発目標は次のとおりであります。

 

主要テーマ

開発目標

顧客要望に基づくごま製品の開発

ごま・ごま油を原料とした製品の開発

製品開発・用途開発によるマーケットの拡大

ごま関連の加工技術、独自製法の探索

付加価値製品創出による競争力のある製品開発

おいしさを追求する研究・開発

味・香り・食感・安定性・嗜好性・加工特性など様々な視点からのごま・ごま油の利用価値を見出す

健康を訴求する研究・開発

ごま・ごま油に含まれる栄養成分や機能性成分の利用価値を見出す

おいしさ+αの製品開発

製造工程から出る副産物の利活用

ごま製品の製造副産物に由来する素材の探索と利用検討