第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、当社の「お客様に常に感謝の心を持ち、安心・安全かつ価値あるごま製品を提供することで、健康でより豊かな食生活の実現に貢献する」という経営理念の下に、ステークホルダーの皆様の期待に応えられる企業を目指しております。

また、パーパス(ごまの価値を極限まで高めることで世界に貢献する)・ビジョン(ごまを通じて社会課題の解決に取り組み、社員と会社の両方が持続的に成長する)・バリュー(ごまのパイオニアであり続ける/お客様第一主義/誠実・公平・偽りなく行動/差別なく、異なる考え方・文化・社会に敬意を払い続ける/自ら挑み、常に変化を生む)に基づき、当社グループのファンを基盤として中長期的に企業価値を向上させていく「ファンベース経営」を実践する方針としております。

 

(2)中長期的な経営戦略

当社グループは2028年度を最終年度とする中期経営計画に基づき、以下のような施策を着実に実行して

まいります。

 

・ファンの声を起点にした新商品/チャネルの開発

・脱脂ごまに含まれるタンパク質の活用による新たな収益の柱の創造

・商品力/ブランド力を活かした米国市場における更なる成長

・DX推進による生産効率化(コストダウン)の追求

・サプライチェーン上に存在する社会課題への解決に向けた取組

・成長実現のための基盤となるコーポレート機能の強化

 

(3)経営上の目標とする指標

当社グループは、如何なる経営環境下であっても「ごま製品の安定供給」という社会的責任を果たす観点から継続的に利益を確保できる経営体質の確立を目指しており、中期経営計画において資本効率性指標である「ROE(目標:中長期的に8%以上)」を重要指標としております。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

①経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、160年以上に亘り高品質なごま油を製造し続けている当社主力工場がある小豆島を含む日本の人口減少・少子高齢化、ライフスタイルや価値観の多様化、物流費等のコストの上昇、米国市場等の景気減退懸念等、様々な変化が急速に進んでおり、これらの変化にスピード感を持って柔軟に対応することが求められております。

このような経営環境の中、社員アンケートやワークショップ等を通じ「捨てるべきもの・守るべきもの・加えるべきもの」について議論を重ね、理念体系を括り直し、パーパス(存在意義)・ビジョン(ありたい姿)・バリュー(大切にする価値観)を下図のとおり策定いたしました。

 

0102010_001.jpg

 

美味しくて健康に良い「かどやのごま油」を、醤油と同様の世界的な調味料とすることを目指し、まずは現在の当社主要市場である日本と米国において、当社ファンの方々の声を傾聴しつつ、ブランドの成長を加速させる“ファンベース経営”の実践を通じ、中長期的な企業価値の向上を実現していきます。

 

(“ファンベース経営”の実践案)

・ごま油を“かける”ことで得られる幸せに関する積極的な発信・提言

・ファンの声を起点にした魅力ある新商品の研究開発の強化

・原料産地における貧困や、当社創業の地であり主力工場がある小豆島の人口減少等、

 サプライチェーン上に存在する社会課題への解決に向けた取組

・社員と会社の両方が持続的に成長するための仕組み作り

・米国における拠点設置の検討

・生産性向上に向けた取組

 

②公正取引委員会からの排除措置命令及び課徴金納付命令の受領、並びに同命令に対する取消訴訟の提起について

当社は、ごま油の販売に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、2024年3月13日に公正取引委員会の立ち入り検査を受け、以降、同委員会による調査に全面的に協力してまいりましたが、2025年5月14日に同委員会から、取引先3社向け業務用ごま油及びそのうちの1社向け食品ごまの販売に関して、独占禁止法第3条に違反する行為(不当な取引制限)があったとして、排除措置命令書及び課徴金納付命令書を受領いたしました。

本命令の根拠となる事実認定等について、公正取引委員会と当社の間で見解の相違が生じていることから、取締役会で協議の上、東京地方裁判所へ本命令について取消訴訟の提起の申立てを行いました。今後、取消訴訟の各手続において、司法の公正な判断を求めてまいります。本件が今後の当社業績に与える影響は軽微であります。

なお、当社は、当件の事象の発生に関わらず、かねてから社内教育の実施や内部統制の改善・運用等を行う等、継続的なコンプライアンス体制の強化に努めております。また、2025年1月には独占禁止法遵守規程等を定めており、今後も、コンプライアンスの遵守を徹底してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ基本方針

当社グループは以下のとおりサステナビリティ基本方針を策定し、ごま事業を通じて持続可能な社会の実現に取り組んでおります。

 

<サステナビリティ基本方針>

私達、かどや製油グループは「お客様に常に感謝の心を持ち、安心・安全かつ価値あるごま製品を提供する」の経営理念の下、持続可能な社会の実現に貢献し、社会的責任を果たしていきます。

その為に私達は、地球と人間が共存し、『ごまを通して、人と地球を健康に』する取り組みを推進します。

また私達は、従業員の活躍が企業成長の大切な基盤と考え、職場環境の向上に努め、多様性を重視し、人材の育成に積極的に取り組みます。

 

具体的には、上記サステナビリティ基本方針を前提に、「ごまの生産者支援」、「気候変動対応」及び「職場環境の向上・多様性の重視・人材の育成」を重要テーマとしております。

 

(2)ガバナンス体制

当社グループは、サステナビリティに関する取組について経営会議等で常時見直しを行い、より良い社会の実現に向け取組の良質化に努めております。

 

(3)リスク管理

当社グループは、主要原料であるごま種子について、そのほぼ全量を海外から調達しております。このため、原料の調達においては、生産国の天候、作付状況や経済情勢といった市場環境の変化や戦争の勃発、政情不安といった地政学リスクの影響を受けます。また、気候変動がもたらすネガティブな影響として、ごま原料の生産国における収穫量の減少やそれに伴う原料相場の高騰等が想定されます。このことから、当社グループは持続的な原材料の調達についてリスクを認識しております。

当社グループのリスク管理については、海外事業本部が商社等を通じて継続的に原料調達に関する情報収集を行っており、重要な環境の変化に関する事象について、経営会議及び取締役会等で都度報告を行っております。

 

(4)サステナビリティ課題への取組

当社グループは、南米(パラグアイ)やアフリカ(タンザニア、ナイジェリア)等のごまの生産農家に対し、現地のサプライヤー等と協力し、栽培指導やごまの品質改善への取組を行っており、収穫量の増加や品質の向上に伴う収益性の改善等を通じたごま生産者の持続的な支援に取り組んでいます。また、ごま原料の安定調達という側面においては、ごま原料の購入産地の多角化にも取り組んでおります。

気候変動対応に関しては、温室効果ガスの排出量削減に努めるべくCO2排出量を測定の上、発熱量の少ないLED照明への切替や、重油等から比較的CO2排出量の少ないLNG燃料への転換、太陽光発電設備導入等の施策を実施してまいりました。今後も温室効果ガス排出量削減に向け、物流最適化等の取組を継続しております。

 

(5)人的資本に関する戦略及び指標・目標

人的資本に関する戦略及び指標・目標については、次のとおりであります。

なお、連結グループにおける記載が困難であるため、原則として提出会社単体の記載を行っております。

 

1.人的資本に対する基本的な考え方

当社は経営理念と企業行動憲章を踏まえた「パーパス」「ビジョン」「バリュー」を2025年度より定め、その中で人的資本に関連し「社員と会社の両方が持続的に成長する」ことを掲げております。

 

 

パーパス

(存在意義)

ごまの価値を極限まで高めることで世界に貢献する

ビジョン

(ありたい姿)

「ごま」を通じて社会課題の解決に取り組み

社員と会社の両方が持続的に成長する

バリュー

(大切にする価値観)

:ごまのパイオニア

:まずは、お客様第一主義

:誠実、公平、偽りなく行動

:差別なく、異なる考え方、文化、社会に敬意

:自ら挑む、常に変化を生む

 

2.人材育成に向けた取組

当社は人材育成、人的資本の強化に向けた取組を下記のとおり実施しており、今後も従業員がより働きがいを感じることができる制度や環境への改善に継続的に取り組んでまいります。

 

(1)人事制度の改定

・中期経営計画の達成に向け、2021年の制度改定を起点として、従業員全員が活躍し、将来を担える人材へと成長する人事制度を目指しております。人事制度は環境変化に沿って不断の変革が必要との考えの下、今後も、経営戦略と連動した人材ポリシーと人事戦略を策定し、従業員の更なるモチベーションアップ、自律的キャリア形成に繋がるような制度改定に取り組んでまいります。

 

(2)研修計画の策定・実行

・2024年度より必須研修に加え希望制研修を導入し、従業員の主体的なスキルアップや自律的なキャリア形成を支援しているほか、選抜型マネジメント研修も行い、次世代経営リーダー層の育成にも努めております。

 

(3)キャリアアップ・キャリア自律への支援

・2023年度に「自己啓発支援制度」を見直し、各種資格取得への支援を拡充いたしました。自己研鑽を奨励し、従業員自らが幅広い分野で能力開発やキャリアアップを図る活動に対し、積極的に支援する方針を更に進めてまいります。

・社員キャリア申告制度を導入し、一人ひとりの従業員のキャリア自律/開発についても支援する枠組みを導入しております。

 

3.働きがいのある・働きやすい職場作りに向けた取組(働き方改革)

(1)在宅勤務・時差出勤等の整備ならびに育児休暇の取得推進等

・当社は「在宅勤務」「サテライトオフィス利用」「時差出勤」など従業員のニーズに即した多様な働き方(勤務体系)を整備しております。

・2022年4月には「育児介護休業等相談窓口(人事部内)」を設置し、育休(特に男性)の積極的な取得を促進しております。加えて、2025年4月の育児介護休業法改正等も踏まえ、介護に直面する社員への情報提供や相談等を行っております。

 

(2)オフィス環境・IT環境の刷新による社内コミュニケーション活性化と業務効率化

・当社は2023年2月の本社・東京支店移転を契機にオフィスデザインを刷新し、同時にIT環境/PC環境も整え、従業員同士・組織間の活発なディスカッション、新たなアイデアの創出、情報共有迅速化など、従業員が働きやすい職場作りを行いました。2024年度からは各種自動化・デジタル化ツールを導入し、ペーパーレス化や業務効率化にも積極的に取り組んでおります。

 

(3)ダイバーシティ&インクルージョン

・社会環境や顧客ニーズが大きく変化する中、国籍、性別、年齢、障がいの有無等は問わず、各分野で専門性の秀でた能力を有した人材の中途採用を進めるなど人材の多様性を意識した運営を実施しております。明確な目標設定はしておりませんが、女性管理職比率や外国人雇用、障がい者雇用などを指標とし、多様な人材が活躍できる企業を目指しています。

〈女性管理職比率の推移〉

 

 

2021年3月末

2022年3月末

2023年3月末

2024年3月末

2025年3月末

9.7%

10.5%

10.8%

8.6%

10.6

 

(4)エンゲージメント

・2023年度よりエンゲージメント・サーベイを年1回実施し、各職場における絶え間ないエンゲージメント向上に向け、社員教育や集合研修などを積極的に実施しております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主に以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)原料調達に関するリスク

当社グループの主要原材料であるごま種子は、そのほぼ全量を海外から調達しており、仕入価格が世界のごま種子市場の需給バランスの変化や、アフリカを中心とする生産国の経済情勢、地政学的要因、天候、作付状況、残留農薬等の本邦輸入規制によって変動する上、為替相場の影響を受けます。これらの要因から、仕入コストが高騰した場合には、コスト上昇分を販売価格へ転嫁する方針でありますが、市場環境の要因等により販売価格への転嫁が不十分となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループは、非アフリカ(南米等)産の搾油用原料の調達等の既存の産地に捉われないグローバルな調達施策への取り組みや新規の産地及び供給サプライヤーの探索、継続的な購買活動を通しての現地有力サプライヤーとの強固な関係構築等の対策をしております。また、為替相場や仕入価格の変動に備え、業績への感応度を認識するための試算等を実施しております。

なお、リスクが顕在化する時期及び可能性の程度については、ごま原料価格及び為替相場の変動要因が多岐に亘るため、予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、仕入コスト上昇によるコスト増を販売価格へ転嫁する際の将来の市場環境が不透明であることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(2)品質と安全に関するリスク

当社グループは、提供する製品やサービスの品質維持・向上のため、社長直轄部署である内部監査部門や品質保証部による自己点検、第三者機関による外部監査を活用しております。製品の安全確保に関しては、小豆島工場、袖ケ浦工場及び連結子会社のカタギ食品寝屋川工場で食品安全マネジメントシステムの国際規格FSSC22000を取得、運用を通じて安全衛生管理を推進しております。また、リスク発生予防のため、リスクの洗い出しや社外コンサルタントを起用した管理体制の見直し、従業員教育等にも取り組んでおります。更に、中期経営計画の見直しで掲げた「新規事業への注力」に伴い、新カテゴリー製品の内製化や新規設備投資が想定されますが、開発初期段階より品質保証部が携わりリスク低減を図り、新たに外部へ委託する際は、品質、安全リスクの増加が懸念されるため、品質保証部によりグループ内と同レベルで品質監査を行います。一方で、万が一問題が発生した場合の対応マニュアル整備、生産物賠償責任保険・生産物回収費用保険の付保を行っております。

しかしながら、予見不可能な要因により、当社グループが提供する製品やサービスについて、品質・安全にかかわる問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その程度につきましては発生事案の問題の性質により異なることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(3)国内における自然災害に関するリスク

当社グループは、地震や大型台風等の大規模な自然災害が起きた場合に、生産設備の毀損あるいは事業中断により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、香川県小豆島工場、千葉県袖ケ浦工場、大阪府寝屋川工場の複数の生産拠点を保有し、大規模災害に備えております。また、自然災害が起きた際の行動指針や役割分担を定めた「自然災害・事故等対応マニュアル」を整備し、災害被害の抑制・軽減を図る他、損失の発生に備え、小豆島工場、袖ケ浦工場及び寝屋川工場の地震災害や原料の水災害等を付保範囲に含む保険に加入しております。

なお、当該リスクについて、コントロールすることが不可能な性質であることから、リスクの顕在化する時期及び可能性の予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、当該リスク発生の規模により異なることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(4)国内景気、人口減少に関するリスク

当社グループの事業の大部分は、日本国内において展開しており、国内景気等による消費動向が事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、日本は少子・高齢化が進んでおり、このまま人口の減少が続きますと、市場の縮小に伴い製品販売数量が減少する可能性や、更なる企業成長のための基盤と考える人材の確保が困難となる可能性があります。

当社グループでは、このような可能性を踏まえて、製品販売においては、新たな高付加価値製品の開発、新規事業の開拓や海外市場展開の推進等の対策を講じておりますが、景気動向の悪化や当社グループ製品への需要低下等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、人材の確保においては、外国人採用等の多様性を意識した人材の採用や、働きやすい就業環境の整備や人材育成、キャリアアップ支援等による人材の定着に取り組んでおりますが、十分な人材を確保できなかった場合は、事業計画推進の支障となる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、国内景気については、政府の施策や国外の経済状況等の様々な要因から影響を受けるため、当該リスクの顕在化する時期、可能性及び当社グループの業績及び財政状態に与える影響の予測は困難であると認識しております。また、人口減少の影響におきましては、当社グループの業績及び財政状態に与える影響について、特段の施策を講じなかった場合には、人口減少の程度と概ね比例し、リスクが顕在化するものと認識しております。

 

(5)法律等の諸規制・コンプライアンスに関するリスク

当社グループは、「食品衛生法」、「食品表示法」、「製造物責任法」等の食品製造業特有の法律の他、事業活動を行うにあたって、国内外の様々な法令等の規制の適用を受けております。

当社グループは、コンプライアンス体制の強化に注力しておりますが、予期せぬ重大な違反事例等が生じた場合には、社会的信用の毀損や事業活動の制限等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループはこれらの法律等の諸規制・コンプライアンスに関するリスクが顕在化する時期、可能性及び経営成績に与える影響を事前に見積もることは困難であると認識しております。

 

(6)サイバーセキュリティに関するリスク

当社グループは、サイバーセキュリティの対策として、次の取組を推進しています。

1.「関連規程と対応策の継続的改善」

社内外のセキュリティインシデントの動向を踏まえ、情報資産管理や情報システム利用に関する規程を継続的に改善

2.「セキュリティ教育の継続的実施」

規程の見直しに合わせた社内周知と従業員のセキュリティ教育・対策訓練を継続的に実施

3.「セキュリティの仕組み強化」

ネットワークの防御・認証基盤・ウイルス検知隔離対策等のセキュリティ基本機能を導入の上、セキュリティ監視体制を継続的に強化

しかしながら、予期できない水準の事件・事故・障害が起きた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、年々激化するサーバー攻撃等の当該リスクの補完的対策として、サイバーセキュリティ保険に加入し、リスク移転を図っております。なお、リスクが顕在化する時期及び可能性の予測は困難であると認識しております。また、当社グループの業績及び財政状態に与える影響の程度については、当該リスク発生の規模により異なることから、見積りは困難であると認識しております。

 

(7)関連当事者との取引に係る独立性に関するリスク

当社において、三菱商事株式会社、三井物産株式会社、株式会社MCアグリアライアンス、小澤物産株式会社及び小澤商事株式会社は、関連当事者に該当しております。

当社と各社の間には主に以下の取引関係があります。

 ・三菱商事株式会社        : 主要販売代理店

 ・三井物産株式会社        : 主要販売代理店及び主要仕入先

 ・株式会社MCアグリアライアンス : 主要仕入先

 ・小澤物産株式会社        : 資材等の仕入先

 ・小澤商事株式会社        : 製品の保管荷役及び運送委託

なお、各社との取引条件については、第三者と比較検討を実施した結果において、公正な取引条件で実施しており、独立性は担保しております。

また、主要販売代理店及び主要仕入先として、三菱商事株式会社、三井物産株式会社及び株式会社MCアグリアライアンスの取引高の金額が大きいため、取引関係が解消した場合等には、ただちに代わりの企業を探すことが困難となることが予想されますが、その可能性は小さいものと判断しております。一方で、当社の監査体制の強化を目的として三菱商事株式会社より1名、三井物産株式会社より1名、小澤物産株式会社と小澤商事株式会社の役員を兼務する者1名を当社社外監査役としておりますが、同様に当社の独立性に影響を及ぼすリスクはないと考えております。

以上により、上記各社との関係性が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性は極めて僅少であると認識しております。

(8)感染症に関するリスク

当社グループは、感染症のまん延が生じた場合には、顧客、取引先及び従業員等の安全を最優先とした上で、全社的な感染症対策のもと、安定的な製品の供給体制の確保に注力しますが、従業員の感染や物流機能の不安定化等に伴う事業活動の制限や、経済活動の停滞に伴う景気悪化等も予想され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、リスクが顕在化する時期及び経営成績に与える影響を事前に見積もることは困難であると認識しております。

 

(9)米国の関税施策に関するリスク

当社グループは、海外市場を成長分野と位置づけ、輸出事業の強化に取り組んでおります。特に米国市場については、現在も当社グループの主要な販売先となっており、中期経営計画においては、北米向けの販売数量拡大を注力分野と定めております。

米国大統領交代以降に打ち出された追加関税施策の影響としては、米国内の物価上昇が進行する背景の中で、現地取引先の仕入コストの増加並びに米国小売市場における当社製品の店頭価格の更なる上昇を招き、当社製品の販売に対し悪影響を及ぼす可能性があります。

一方で、物価上昇に伴う外食から中食へのシフトが当社グループにとって商機となる可能性がある他、他国の競合他社との関税率の差が当社グループにとって優位に働く可能性もあります。当社グループは、環境の変化を見定め、状況に応じた販売施策を展開してまいります。

なお、当該リスクについては、関税施策の動向自体が不透明である点や影響が為替レート等を含めて多岐に亘ること等から、リスクの顕在化する時期及び可能性の予測並びに当社グループの業績及び財政状態に与える影響の見積りは困難であると認識しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

業績等の概要

(1)業績

①当連結会計年度の経営成績の概況

当連結会計年度におけるわが国経済は、為替レートの円安基調やインフレ進行に伴う原材料価格の更なる上昇、人手不足等に伴う人件費の増加等が、企業収益を圧迫しました。また、生活必需品の度々の値上がり等が個人消費の落ち込みの要因となっております。世界経済においては、各国で物価動向に応じた中央銀行の金融政策が注視される中、地政学的リスクや米国大統領の交代等もあり、先行きが不透明な状況が続いております。

食品業界におきましては、原材料価格の高止まりや為替レートの円安基調等を背景として、基礎食材を中心に値上げの傾向が継続しており、このことから消費者の節約志向が続いております。一方で、外食産業は、外食への消費マインドの上昇やインバウンド需要等により、回復傾向にありました。

このような状況下、当社グループは、厳格な生産体制の維持・管理を行いながら、効率化によるコスト削減や製品の販売価格是正を行い、収益性の確保に取り組みました。

販売面におきまして、ごま油事業のうち国内家庭用及び業務用では、製品の販売価格是正を2023年10月に実施しており、引き続き価格是正の浸透に取り組みました。輸出用では、原料コスト上昇に対応し、2024年5月に製品の販売価格の是正を行いました。この結果、当連結会計年度のごま油事業全体の販売数量は前期比102.9%、販売金額は輸出における為替レートの円安基調の影響等も寄与し、前期比112.4%となりました。

食品ごま事業におきましては、2023年10月に実施した業務用製品の販売価格是正の浸透に取り組んだことに加え、子会社のカタギ食品株式会社においても2024年10月と2025年2月に販売価格の是正を実施しております。この結果、当連結会計年度の食品ごま事業全体の販売数量は前期比97.5%となりましたが、製品の販売価格是正の影響等により、販売金額は前期比104.7%となりました。

一方、コスト面におきまして、売上原価は、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増加等により、前期比113.1%となりました。また、販売費及び一般管理費は、ベースアップの実施等による人件費の増加等により、前期比104.7%となりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高39,450百万円(前期比3,769百万円増)、経常利益は3,394百万円(前期比14百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,357百万円(前期比101百万円増)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

1)ごま油事業

国内市場向けについては、マーケティング投資等の取り組みが奏功し家庭用の販売数量が増加した他、業務用についても外食向けの需要が伸び、全体の販売数量は前期に比べ増加しました。また、北米向けについては、2024年5月に製品の販売価格是正を実施しつつ、積極的な販促を実施した結果、販売数量は前期に比べ増加しました。

一方、コスト面では、売上原価は、袖ケ浦工場の償却進行に伴う減価償却費の減少等があったものの、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増加等により、前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は、人件費の増加やマーケティング投資の実施等により、前期に比べ増加しました。

以上の結果、売上高は31,081百万円(前期比3,432百万円増)、セグメント利益は2,874百万円(前期比89百万円増)となりました。

 

2)食品ごま事業

販売面では、加工ユーザー及び外食向けにねりごまが好調であった他、製品の販売価格是正等により、販売金額は前期比で増加しました。

一方、コスト面では、売上原価は、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増加等により、前期に比べ増加しております。販売費及び一般管理費は前期に比べ減少しました。

以上の結果、売上高は8,269百万円(前期比372百万円増)、セグメント利益は237百万円(前期比22百万円減)となりました。

 

②中期経営計画関連の当連結会計年度における取組

当社グループは、2025年度を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画を、2023年11月に外部環境の変化を背景として最終年度を2028年度に延長しております。中期経営計画の達成に向けて商品/市場の開発を通じたトップラインの伸長やサプライチェーン全体の最適化等に取り組んでおります。

商品/市場の開発に関しては、ごま油を製造する過程で発生する副産物である脱脂ごまに含まれる良質なタンパク質に着目し、付加価値化に向けた研究を行っております。当連結会計年度は第一弾として『米麹グラノーラ セサミプロテイン』を株式会社オリゼと共同で開発し、2025年3月に上市いたしました。また、ごま油市場の底上げを企図し開発した“洋食に適した全く新しい風味”をお楽しみ頂ける『ごまの実オイル』が、日本の優れた商品・サービスを世界に広めることを目的として「“おもてなし”心にあふれる商品・サービス」に与えられる賞「OMOTENASHI Selection(おもてなしセレクション) 2024」の金賞を受賞いたしました。

サプライチェーン全体の最適化に関しては、社長直轄組織「物流タスクフォース」を立ち上げ、在庫・配送の最適化に向けた取り組みを開始いたしました。

上記のほか、ごま油と菜種油のブレンドである調合ごま油と100%ごま油(純正ごま油)の違いを知らないと回答した消費者が7割以上に上るとの当社調べを踏まえ、純正ごま油の良さを伝える広告をテレビ中心に配信する等、マーケティング投資にも注力いたしました。また、「いつもの味が私たちを家族にする」をキーメッセージとし、長年に亘り日常に寄り添いながら食のしあわせを紡ぎ続けている当社の独自価値を表現した動画が2024年8月に「第77回広告電通賞・フィルム広告金賞」を受賞いたしました。

 

(2)経営上の目標の達成状況

当社グループは中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。

なお、当連結会計年度のROEは6.8%となりました。

 

生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

ごま油(トン)

53,158

104.0

内訳

 

 

(ごま油(トン))

(28,151)

102.5

(脱脂ごま(トン))

(25,007)

105.6

食品ごま(トン)

11,771

99.0

合計(トン)

64,929

103.0

(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。

2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。

 

②商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

その他(百万円)

53

68.2

合計(百万円)

53

68.2

 

③受注実績

当社は受注生産は行っておりません。

 

④販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

ごま油(百万円)

31,081

112.4

食品ごま(百万円)

8,269

104.7

報告セグメント計(百万円)

39,350

110.7

その他(百万円)

99

73.6

合計(百万円)

39,450

110.5

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,162百万円増加し、30,369百万円となりました。

これは現金及び預金が814百万円減少するなどの減少要因があったものの、棚卸資産が2,493百万円、売掛金が324百万円増加したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ1,297百万円減少し、13,167百万円となりました。

これは繰延税金資産が249百万円増加するなどの増加要因があったものの、投資有価証券が705百万円、袖ケ浦工場の減価償却等により有形固定資産が757百万円減少したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ865百万円増加し、43,536百万円となりました。

 

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ52百万円減少し、6,018百万円となりました。

これは未払金が193百万円増加するなどの増加要因があったものの、支払手形及び買掛金が219百万円減少したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ7百万円増加し、2,252百万円となりました。

これは繰延税金負債が19百万円減少するなどの減少要因があったものの、退職給付に係る負債が20百万円、役員株式給付引当金が7百万円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ45百万円減少し、8,271百万円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ910百万円増加し、35,265百万円となりました。

これは親会社株主に帰属する当期純利益2,357百万円の計上と配当金の支払い921百万円の加減算により利益剰余金が1,435百万円増加したこと等によるものであります。

(セグメントごとの分析)

当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ2,315百万円増加し、23,726百万円となりました。これは棚卸資産の増加等によるものであります。

また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ463百万円減少し、7,822百万円となりました。

 

(2)経営成績の分析

(売上高)

売上高は、前連結会計年度に比べ10.5%増加し、39,450百万円となりました。

主な内訳はごま油31,081百万円、食品ごま8,269百万円、その他99百万円であります。

 

(売上原価)

売上原価は、前連結会計年度に比べ13.1%増加し、29,303百万円となりました。

 

(売上総利益)

売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ365百万円増加し10,146百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ1.7ポイント減少し、25.7%となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ315百万円増加し6,980百万円となりました。

主な内訳は、運送費及び保管料1,581百万円、給料及び手当1,371百万円、広告宣伝費782百万円、賞与引当金繰入額484百万円、販売手数料331百万円であります。

 

(営業利益)

売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ49百万円増加し3,166百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント減少し、8.0%となりました。

 

(営業外収益・費用)

営業外損益は、営業外収益273百万円から営業外費用45百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ63百万円減少し、228百万円の利益となりました。

 

(経常利益)

営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ14百万円減少し3,394百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ1.0ポイント減少し、8.6%となりました。

 

(特別利益・損失)

特別損益におきましては、固定資産除売却損を10百万円計上したこと等により、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ7百万円減少し、10百万円の損失となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ21百万円減少し、3,384百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が1,027百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ101百万円増加し2,357百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント減少し6.0%となりました。

なお、1株当たりの当期純利益は256円12銭、ROE(自己資本当期純利益率)は6.8%、総資産経常利益率は7.9%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ799百万円減少し、7,881百万円となりました。

なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、384百万円の収入(前期比2,588百万円収入減)となりました。これは法人税等の支払額1,086百万円、棚卸資産の増加額2,493百万円、売上債権の増加額324百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,384百万円、減価償却費1,129百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、258百万円の支出(前期比18百万円支出増)となりました。これは工場の設備投資等に関する有形固定資産の取得による支出が295百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、925百万円の支出(前期比2百万円支出増)となりました。これは配当金の支払いが921百万円あったこと等によるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新のほか、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。

 

資金調達

当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。

なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行3行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は9,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は3,000百万円になります。

 

株主還元

当社グループは、株主への利益還元を経営の重点政策の一つと位置付けており、期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針とし、連結の親会社株主に帰属する当期純利益の40%を目処として業績に連動させた配当を採用しております。また、業績に関わらず1株当たり20円以上の配当を継続して行えるよう努力してまいります。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは多くの消費者に自然の恵みを活かした、健康的で豊かな食生活に貢献できる魅力のある製品を開発、提供することを研究開発活動の基本方針としております。

当社グループの研究開発の取り組みとしては、製品に対する顧客要望やマーケット情報をもとに新製品の開発や企画を行っています。特に、ごま油製造技術による生産性向上、品質及び歩留まりの改善、香味の改善、品質管理の高度化を目指しています。また、ごま油の香味・鮮度による品質管理の高度化や特定産地への依存リスクの低減も進めています。さらに、副産物による新規事業開発や機能性ごま油の開発にも取り組んでいます。

「価値あるごま製品を提供することで、健康でより豊かな食生活に貢献する」という当社の経営理念に基づき、ごまのおいしさや健康、新たな価値を創造するための試験や分析、研究を行い、当社グループ独自の研究開発活動を推進します。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は126百万円となっております。

当社グループはセグメント共有の研究開発を行っているため、研究開発費の総額、研究開発活動は特定のセグメントに区分しておりません。

最近における研究開発活動の主なテーマと開発目標は次のとおりであります。

 

主要テーマ

開発目標

ごま油製造技術

生産性向上実現・品質及び歩留まり改善・香味改善・品質管理高度化

ごま油香味・鮮度

品質管理の高度化・特定産地への依存リスク低減

製造工程から出る副産物の利活用

ごま製品の製造副産物に由来する素材の探索と利用検討

商品開発

新たなごま油市場の創造・機能性ごま油の開発