当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、政府・日銀の各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調にあるものの、新興国経済の下振れリスクなど不透明感が継続いたしました。
食品業界は、為替の影響も含めた原材料価格の上昇への対応を求められるなど厳しい環境が続きました。
製油産業におきましては、円安や油糧製品の大幅な価格低下により採算が悪化しておりましたが、下期になり菜種を中心とした主原料コストが海外相場影響を受け低下した事、及び燃料価格の下落によりユーティリティコストが低下した事などから、油脂事業の採算は改善してきております。
このような状況下、当社は、更なるコストダウンや油脂高付加価値商品の販売拡大を推進すると共に、マーガリン部門やスターチ部門等の事業においても収益改善に取組みました。
以上の結果、当期の業績は、売上高1,873億29百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益46億34百万円(前年同期比10.5%増)、経常利益53億57百万円(前年同期比11.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29億73百万円(前年同期比4.2%減)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
主原料である大豆・菜種の相場は、生産量・需給バランス見通しの変化から値動きの激しい展開となりました。4月から7月の北米成育期は、米国産大豆の作柄悪化と減産懸念から大豆は1ブッシェル当たり9米ドルから10米ドル前半へ上昇、菜種もカナダ菜種産地の旱魃懸念から1トン当たり450加ドルから540加ドルへと上昇しました。8月から3月の北米収穫期から南米収穫期にかけては、米国・カナダの大豆・菜種生産見通しの上方修正や、南米大豆の豊作見通しの高まりから、需給バランスの緩和が意識され下値を探る展開となり、大豆は1ブッシェル当たり8米ドル台、菜種は1トン当たり440加ドル付近まで下落した後、北米の作付期を前に投機筋の買い戻しから小幅反発する展開となりました。
また、当連結会計年度の為替相場は、米国の政策金利引上げによる日米金利差と景況感の違いにより、1米ドル=119円から125円の円安傾向で推移しました。その後、3月にかけて、米国景況感の悪化に伴う追加利上げの先送り見通しや、日本の金融緩和への限界感、世界経済への不透明感の高まりから円買戻しの展開となり、1米ドル=112円水準まで円高が進みました。
油脂部門においては、家庭用油脂の販売数量は前年同期と同程度でありましたが、市場の構成比率が年々高まっているオリーブオイルを中心に、メニュー提案等の販売促進策を積極的に行った事で、売上高は前年同期を上回りました。業務用油脂は“長く使える”をコンセプトとした『長調得徳®』などの高付加価値商品の拡販に注力し、販売数量は前年同期と同程度を確保しました。このような状況下、油脂部門全体の売上高は前年同期をわずかに上回りました。
マーガリン部門においては、家庭用マーガリンでは市場全体の低迷が続く中、当社も販売数量は全体として前年同期を下回りました。製品別では2015年3月にリニューアル新発売した「NEWカルピス®ソフト」についての販促施策を夏季に集中して実施し、9月には「ラーマ®バター好きのためのマーガリン」の製品リニューアルを行いました。業務用マーガリンは、「グランマスター®」シリーズの実績が前年同期を大きく上回りました。特に当社の顧客においては、当社のスイス産発酵バター配合マーガリンの風味を生かしたパンの売上が好調で、販売数量は堅調に推移しました。このような状況下、マーガリン部門全体の売上高は前年同期をわずかに上回りました。
油糧部門においては、主たる需要先である配混合飼料の生産量は子牛価格の高騰により牛用飼料の生産が低調なものの、畜産物価格が高水準にあり畜産農家の生産意欲が高いことから前年同期水準となっております。また、配合飼料における配合率は、大豆ミール、菜種ミールともに上昇基調が続き、飼料におけるミール需要量は、大豆ミール、菜種ミールとも前年同期を上回りました。当社におきましては、大豆ミールは大豆搾油量が前年同期をやや下回ったため、販売数量も前年同期をやや下回り、販売価格はシカゴ相場の下落により前年同期を下回りました。菜種ミールは価格要因により需要が増加したことから、当社の販売数量は前年同期をわずかに上回りましたが、販売価格は大豆ミール価格の下落、国内の需給緩和による価格調整により前年同期を下回りました。このような状況下、油糧部門全体の売上高は前年同期を下回りました。
以上の結果、当事業の売上高は1,704億89百万円(前年同期比4.2%減)、セグメント利益は67億54百万円(前年同期比5.8%減)となりました。
飼料部門においては、当社の注力する乳牛用配合飼料は、酪農家戸数や乳牛飼養頭数が減少傾向になるなど依然厳しい販売環境にありましたが、生乳生産量が持ち直していることや、販売地域を拡大することにより、飼料部門全体としましては、売上高は前年同期をわずかに上回りました。
スターチ部門においては、コーンスターチおよび食品用加工澱粉のいずれにおいても積極的な拡販をおこない、売上高は前年同期を上回りました。特に衣材や水産練り製品用の油脂加工澱粉は販売が順調で、日本国内の製造設備を増強し日本およびタイの両国で安定供給ができる体制を整えました。また、畜肉製品向け「ハイトラスト®シリーズ」も、新製品の投入および卵白代替需要により好調に推移しました。
健康食品部門においては、昨年度まで販売しておりました病者用食品(OEM)の扱いが終了した為、数量ベースでは前年同期を大きく下回っておりますが、主力であるサプリメントの売上高は前年同期を上回り収益改善も進んでおります。大豆蛋白を原料とするシート食品「まめのりさん®」の売上高は前年同期をやや下回りました。ファイン事業においては、ビタミンK2の海外販売はアメリカ向け出荷が好調でありました。また酸化防止用トコフェロールは大口顧客への販売回復、サポニンは新商品への採用もあり、ファイン事業全体としましては、売上高は前年同期を大きく上回りました。
化成品部門においては、主たる需要家である建材業界は、低金利に支えられて新設住宅着工戸数が堅調に推移したことから、マンションの杭打ち問題はあるものの、戸建を中心に持ち直しの動きが見られました。一方、原油価格が大幅に値下がりしたことから製品価格は大幅に低下しました。このような状況下、新規顧客の獲得などにより木材建材用接着剤や塗料などの拡販に努め、売上高は前年同期をやや上回りました。
以上の結果、その他の売上高は168億40百万円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益は7億92百万円(前年同期比488.0%増)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは以下のとおりであります。
科目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 6,937 | 9,798 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,016 | △5,320 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △4,434 | △4,249 |
現金及び現金同等物の増減額 | △502 | 221 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 5,806 | 6,027 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比べ2億21百万円増加し、60億27百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ28億60百万円増加し、97億98百万円のプラスとなりました。この主な要因は、仕入債務の増減額が減少したものの、たな卸資産の増減額の減少等があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ23億4百万円減少し、53億20百万円のマイナスとなりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出の増加、及び有形固定資産の売却による収入が減少したことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1億85百万円増加し、42億49百万円のマイナスとなりました。この主な要因は、借入金による調達が増加したことによります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
製油事業 | 139,705 | △5.6 |
その他 | 6,360 | 17.0 |
合計 | 146,066 | △4.8 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
製油事業 | 170,489 | △4.2 |
その他 | 16,840 | 5.7 |
合計 | 187,329 | △3.4 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主な相手先の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
味の素株式会社 | 48,985 | 25.3 | 49,340 | 26.3 |
全国農業協同組合連合会 | 23,148 | 11.9 | 18,240 | 9.7 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
製油事業を取り巻く環境は、経済新興国における穀物需要の増加等による原料価格の高値推移や、円安による輸入原料高によるコスト上昇等、引き続き厳しい状況にあります。一方、国内市場においても、少子高齢化による需要減少や健康への関心の高まり、自由貿易の進展等による市場の変化があり、対処していく必要があります。
そのため、当社グループは平成27年3月期(2014年度)を初年度とする7ヶ年の第四期中期経営計画を策定し、「構造変革」を進めてまいりました。
しかし、計画策定時に比べ、製油事業を始めとした各事業の環境に大きな変化が生じており、継続かつ拡大リスクもあるとの判断から、改めて想定した環境条件下において、更なる現実的かつ実効性のある中期経営計画とすべく見直しを進めます。平成29年3月期(2016年度)においてはコストダウンやバリューチェーン全体の最適化に取組み、製油事業の採算改善を実施します。さらに、お客様の課題解決に貢献する最適なソリューション提供や、高付加価値商品群の販売拡大を加速させて収益構造の変革を進めてまいります。今後、収益基盤整備、油脂の需要変化に応じた新規投資が必要であり、経営資源を重点投資し成長を実現してまいります。
合わせて、これらを推進するに際し、コンプライアンスとリスクマネジメントの体制をより一層充実させることにより、内部統制を強化していきます。
この様な取組みにより、これからも信頼され、安定的に収益をあげることの出来る企業グループへと変革し、企業価値を向上させていきます。
当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりです。この基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることにより当社の企業価値・株主共同の利益が毀損されることを防止するための取組みとして、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本買収防衛策」といいます。)を導入しております。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えています。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えており、当社株式の大量取得であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量取得の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量取得の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社の企業価値の源泉は、主として、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力にあると考えておりますが、かかる当社の企業価値の源泉に対する理解が必要不可欠です。当社株式の大量取得を行う者が、当社グループの財務および事業の内容を理解するのは勿論のこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、それを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
当社の企業価値の源泉は、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力にあると考えており、具体的には以下の6点を挙げることができます。
(ⅰ) 安全で安心な製品に対する信頼
(ⅱ) 安全な製品を生み出す高度な技術力
(ⅲ) 安定供給による信頼
(ⅳ) 高付加価値・高品質の製品を生み出す研究開発力
(ⅴ) 長年培った販売力
(ⅵ) 従業員
当社は、これら当社の企業価値の源泉を今後も維持・発展させていくことが、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものと考えております。また、当社の企業価値の源泉をさらに強固なものとするため、当社では、まず『ステークホルダー(株主・取引先・社員・社会)の幸せを実現する』という基本理念を策定しております。
このような基本理念の下、当社は中期経営計画を策定することにより、企業価値の発展を図っております。
平成27年3月期(2014年度)を初年度とする7ヶ年計画である第四期中期経営計画においては、『安定と成長 2020』を基本方針とし、質の向上を伴った「構造変革」を目指します。この「構造変革」は、事業自体の変革を目指すとともに、当社内の変革も目指すものであります。事業に関しては、ⅰ)製油領域、ⅱ)食品・ファインケミカル領域、ⅲ)海外事業領域の「構造変革」、企業・社員としては、ⅳ)仕事の質の変革、ⅴ)組織の変革、ⅵ)人財の育成・変革に取り組み、これをもって、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
また当社は、企業価値ひいては株主共同の利益の向上のための重要な仕組みとして、従来よりコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいりました。
当社は経営効率化のために執行役員制度をとり、原則として月に3回開催される経営会議における意思決定に基づき各執行役員が業務を執行しております。業務執行および意思決定のうち重要なものについては、毎月開催される取締役会に付議・報告され、その監督に服するものとしております。
監査役会は、常勤監査役3名(うち社外監査役2名)・非常勤の社外監査役1名の4名からなり、各監査役は、毎月開催される取締役会に出席して取締役の意思決定・業務執行を監視・監督しております。また、常勤監査役は経営会議にも出席し、取締役による業務執行を適法性・適正性の観点から監視・監督しております。
このように当社では、経営上の意思決定および業務執行につき、取締役会および監査役会による監視・監督により、適法かつ適正な業務執行が行われるような仕組みをとっておりますが、今後更にコーポレート・ガバナンスの充実を図り、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させていく所存であります。
本買収防衛策は、当社株式の大量取得行為が行われる場合の当社における手続を定め、このような大量買付に応じるか否かを株主の皆様が適切に判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、買付者等との交渉の機会を確保することにあります。
これにより、当社の企業価値の源泉である、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力等が害されることを防止し、当社の企業価値および株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。
本買収防衛策は、有事の際に対抗措置を発動する可能性を事前に予告する事前警告型買収防衛策です。具体的には、次のような内容を有しています。
(ⅰ) 当社が発行者である株券等について20%以上の買付その他の取得等を行うことを希望する買付者等は、あらかじめ買付等の内容の検討に必要な情報を当社に対して提出していただきます。
(ⅱ) 独立委員会は、当社取締役会に対し、上記買付等の内容に対する意見や根拠資料、これに対する代替案(もしあれば)等を提出するよう求めることができます。
※独立委員会は、当社社外取締役、当社社外監査役または社外の有識者(実績ある会社経営者、官庁出身者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは学識経験者またはこれらに準ずる者)で、当社経営陣から独立した者のみから構成されます。
(ⅲ) 独立委員会は、買付者等や当社取締役会から情報を受領した後、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、買付等の内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討等を行います。
(ⅳ) 買付者等が、本買収防衛策の手続を遵守しない場合や当社の企業価値または株主の皆様の共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、当社取締役会は、独立委員会の判断を経た上、新株予約権の無償割当てを実施するか否かを決定します。
(ⅴ) 上記(ⅱ)乃至(ⅳ)にかかわらず、当社取締役会は、(a)買付者等が本買収防衛策に定める手続を遵守しているとともに、買付等が当社の企業価値または株主共同の利益を毀損することが明白ではない場合で、かつ、(b)新株予約権の無償割当ての実施について株主総会を開催することが実務上可能である場合には、独立委員会における手続の他、株主意思確認株主総会を招集して、当該株主総会において、新株予約権の無償割当てを実施するか否かを決定します。
(ⅵ) 本買収防衛策に基づく対抗措置として、新株予約権を割り当てる場合には、当該新株予約権に、買付者等およびその関係者による権利行使は認められないという行使条件、および当社が買付者等およびその関係者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されることが予定されています。
(ⅶ) 本買収防衛策の有効期間は、平成29年3月期に関する定時株主総会終結の時までとします。
本買収防衛策は、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行うことを可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。
当社は、次の理由から、本買収防衛策は、当社株主の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(ⅰ) 経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の要件を完全に充足し、また、東京証券取引所の「有価証券上場規程」に定められる買収防衛策の導入に係る尊重事項を全て充足していること。さらに、本買収防衛策は、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他昨今の買収防衛策に関する議論等を踏まえていること。
(ⅱ) 株主意思を重視するものであること。
(ⅲ) 独立性の高い社外者の判断を重視し、適時適切な情報開示を定めていること。
(ⅳ) 合理的な客観性要件を設定していること。
(ⅴ) 外部専門家の意見を取得することとしていること。
(ⅵ) 当社取締役の任期は1年であること。
(ⅶ) デッドハンド型(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)やスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではないこと。
当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
(1) 搾油原料の調達リスク
当社グループの中核事業である製油事業においては、大豆・菜種他の搾油原料をすべて海外から調達しております。中国、インドを始めとした新興国の経済発展や人口増加による植物油需要の増加に加え、バイオ燃料向けの植物油需要、世界的な低金利に伴う投機資金の流入等もあり、穀物価格は依然高い水準にあり、調達環境も厳しい状況が続いております。今後も原料穀物に対する需要が増加し続けますと、製品の安定供給面でのリスクが更に増大する可能性があります。
(2) 原材料・為替相場等の影響
当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物の相場は天候・需給バランス等の要因により大きく変動する事があります。海外からの調達である為、原料代決済において為替相場の影響を受けます。また、海上運賃(フレート)は世界経済や石油価格の影響を受けて変動します。さらに、ミール相場が低下すると、オイルコストの上昇につながります。以上の穀物・為替・海上運賃・ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分を販売価格に転嫁できない場合、収益を圧迫する可能性があります。
(3) 輸入関税
当社グループが主力とする大豆油・菜種油の輸入に対しては関税が課されておりますが、今後TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を含むEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)やWTO(世界貿易機関)交渉の進展により、関税が引き下げられる可能性があります。関税が引き下げられた場合、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。
(4) 中国リスク
中国製油業者による大量の穀物買い付けは、穀物相場の上昇や海上運賃の高騰を引き起こします。さらに中国からの余剰ミ-ルの日本への大量安値流入が増加する可能性があります。大量の購買量・生産能力を有する中国は、当社グループのような国内製油業者にとって、常に潜在的な脅威であります。
(5) 自然災害
大規模な地震等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 感染症の蔓延
新型インフルエンザのような感染症が発生し、世界的大流行(パンデミック)が起こった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 食品安全
当社グループは食品安全を確実に確保するため、原材料調達先から、食品衛生法、JAS法、健康増進法など関連法規に違反しないことを証する書面による保証を入手するとともに自社でも確認しています。また、輸入原材料に対するトレ-サビリティの確保など、万全の体制で臨んでおります。
しかし、想定されていない社会全般にわたる安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) ミール製品の需要低下を及ぼす要因
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)等の進展により、畜産物や乳製品に対する関税が引き下げられた場合には、海外からの安価な製品の流入によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受け、配合飼料に使われる大豆ミール・菜種ミールの販売量が減少する可能性があります。
米国におけるエタノール蒸留粕(DDGS)は、配合飼料用途でとうもろこし、大豆ミールと競合しており、日本への輸入は増加傾向にあり、将来的には大量輸入される可能性もあります。
口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病については、主な需要家の家畜飼養頭数への影響により、大豆ミール、菜種ミールの販売量が減少するリスクがあります。
(9) 国内人口の少子高齢化
日本国内においては依然として少子高齢化が進んでおります。このまま少子高齢化が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売量が減少するリスクがあります。この影響を最小限に抑えるべく、高齢者層の人口増加による健康志向の高まり等の需要の変化に対して新商品開発などの対策を講じてまいります。
(10) 法的規制
当社グループは、食品衛生法、JAS法、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制を受けております。当社グループはCSR経営の推進を経営方針とし、法規の遵守に務めて運営しておりますが、予測し得ない法的規制の変更や追加により、コストの増加などにつながる事で当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 味の素株式会社との間で、業務提携に関する基本契約を平成16年7月1日付で締結し、同社のブランド使用、同社の一部販売ルートの利用、同社からの出向者受け入れ等の食用油脂事業に関する提携関係を築いております。
※1 味の素株式会社は、当社議決権の27.28%を保有する大株主であります。
※2 味の素株式会社とのブランド使用の契約について
平成26年7月1日から平成31年6月末日まで(以後5年毎の自動更新)
(2) 不二製油株式会社との間で、業務提携および株式相互保有に関する基本契約を平成19年9月7日付で締結し、原料・資材の効率的調達、中間原料油の相互供給、相互の生産設備の有効活用による生産の効率化、物流業務の効率化、その他相互にメリットのある取組み、および相手方株式の相互保有等の提携関係を築いております。
また、不二製油株式会社の子会社である FUJI OIL(THAILAND)CO.,LTD.(タイ)に対して、平成23年6月2日付で10%の出資を行いました。同社が生産する油脂製品の内外市場での活用、同社設備の有効活用等を通じて、不二製油株式会社との関係強化を深め、双方の競争力強化に努めてまいります。
(3) 辻製油株式会社との間で、業務提携および株式相互保有に関する基本契約を平成21年11月30日付で締結し、原料・資材の効率的調達、相互の生産設備の有効活用による生産の効率化、物流業務の効率化、相互の機能性食品素材の有効活用、その他相互に企業力の強化が見込まれると判断した分野での取組み、および相手方株式の相互保有等の提携関係を築いております。
(4) 山東龍大植物油有限公司(中国)との間で、技術供与契約を平成23年3月10日付で締結し、当社が長年日本市場で培ってきた植物油の開発・製造の技術・ノウハウを供与し、同社の中国市場向けでの商品開発・製造をサポートしております。
※技術供与契約の有効期間は、契約締結日から7年間であります。
(5) インド国内における食用油脂の製造・販売の最大手企業であるRuchi Soya Industries Limitedおよび豊田通商株式会社との間で、合弁事業契約を平成25年6月5日付で締結し、共同で高付加価値植物油脂の製造・マーケティングを目的とする合弁会社Ruchi J-Oil Private Limitedを設立いたしました。当社の持つ製造ノウハウを同社に提供し、インドの業務用・家庭用市場に展開して参ります。
(6) Toyota Tsusho (Thailand) Co., Ltd.との間で、合弁事業契約を平成26年3月26日付で締結し、共同でタイでの高付加価値でん粉の販売・商品開発、油脂製品販売を目的とする合弁会社J-OILMILLS (THAILAND) Co., Ltd.を設立いたしました。現地市場ニーズにマッチした高付加価値型でん粉の開発と、タイ及びアジア域内を中心に販売することを目的としております。また、安定的に成長を続けるタイの油脂市場では、今後高付加価値型の油脂需要が高まることが予想されることから、油脂事業の展開も検討していくことを予定しております。
当社グループの研究開発活動は、当社および㈱J-ケミカルで行っております。
当社では、事業横断的に基礎研究・基盤研究を行う「基盤研究所」、事業全領域の商品開発を行う「商品開発研究所」、また、中食・外食領域やベーカリー領域に対しての市場開発を行う「テクニカル・ソリューション・センター」と「テクニカル・アドバイザリー・センター」を設置し、相互に連携を行いながら研究開発活動を進めております。
基盤研究所は、当社事業全領域の中長期の基盤技術開発および今後取り組むべき新領域において、新規素材の機能探索や用途開発、新技術の開発を行っております。さらに、健康機能研究、おいしさ評価技術、構造解析・分析技術の高度化により商品開発力の向上も目指しております。
商品開発研究所は、油脂商品、マーガリン・ショートニング・粉末油脂、油糧(ミール)、加工澱粉、ファイン製品、レクチンを活用した診断薬などの当社事業全領域での商品開発を担っております。
①家庭用及び業務用の油脂商品の開発においては、一般消費者やプロの需要家の皆様のニーズにお応えできる調理機能と環境に配慮して、食品の「おいしい♪」を引き出す商品開発を行っております。
②家庭用及び業務用のマーガリンや業務用のショートニング、粉末油脂の開発においては、油脂加工技術を活用して、一般消費者やプロの需要家の皆様のニーズにお応えしております。
③油糧(ミール)の開発においては、搾油処理により得られるミールの高度利用に関する研究開発を行っております。良質な蛋白源や脂質源として、配合飼料や蛋白食品、醸造原料、発酵原料など、幅広い分野の皆様にご利用いただけるよう開発に取組んでおります。
④スターチの開発においては、当社独自の加工技術で、スナック菓子や麺、パン、水練り製品、畜肉製品など幅広い食品に利用される機能性澱粉の商品開発を行っております。
⑤ファイン製品の開発においては、天然素材に微量に含まれる生理活性物質や機能性素材を、食品に利用しやすいよう精製・加工し、機能性を付与した高付加価値型の素材商品として開発、提供しております。
⑥新しい事業領域として、がんを始めとする様々な疾病によって変化する「糖鎖」に特異的に結合する「レクチン」を活用し、疾病に関する基礎研究や診断法開発等に応用していただけるような技術や商品の開発を行っております。
㈱J-ケミカルは、住宅建材用を中心とする合成樹脂接着剤の技術改良、および新規機能性樹脂の研究開発を行っております。
なお、研究開発費の総額は、14億28百万円であります。
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(製油事業)
家庭用油脂分野では、当社としての“健康価値”を明確にし“よりおいしく”をキーワードに、オメガ3脂肪酸を含む栄養機能食品として新商品「AJINOMOTO さらさら®キャノーラ油ライトプラス®」910gエコペットと「AJINOMOTO Eurolive®」(ユーロリーブ)910gエコペットのリニューアル品を秋季に発売いたしました。ユーロリーブは、春季にトライアルサイズとして600g品を発売し、数年来伸張し続けているオリーブオイル市場の更なる拡大を図っております。
また、健康ニーズが高まる中、オメガ3脂肪酸を多く含むアマニ油を手軽においしく摂れる「AJINOMOTO 健康 アマニブレンド油」600gUDエコペットを春季に発売し、健康油市場の活性化を図りました。加えて、『毎日の食事から効率的においしく不足しがちな脂溶性栄養素を摂取できる』という新たな健康習慣を定着させる商品「AJINOMOTO 毎日®栄養オイル ビタミンK2 & ビタミンD」250g瓶(栄養機能食品 ビタミンD)、「AJINOMOTO 毎日®栄養オイル DHA & EPA」250g瓶の2品種を発売し、新市場の創造、育成も図りました。
業務用油脂分野では、発売から大変好評を頂いている「長調得徳®」シリーズが、“TEEUP®(Toughness Ecology Economy UP)”技術によってコスト、環境配慮の両面で認められ国内業務用市場に広く受け入れられています。今年度は、インドへの展開を拡大し、この“TEEUP®”技術を導入した「FRYMORE」のバラエティ品を上市いたしました。
また、基盤領域であるフライ油に対する研究、検討を精力的に進め、日本油化学会年会にて研究成果発表を行いました。フライ油の技術を更に高め、多くのお客様にご愛顧頂ける様、技術の改良に取り組んでおります。
加工油脂分野では、家庭用マーガリンはバターミルクパウダー配合でミルク感をアップした「ラーマ®バター好きのためのマーガリン」をリニューアル商品として発売いたしました。業務用マーガリンは2016年度の新商品上市に向け開発を進めました。また、2014年度に発売いたしましたバターコンパウンドマーガリン「グランマスター®」シリーズの技術サポートに努めました。
粉末油脂分野では、安定生産への条件整備や体制づくりを継続して行い、更なる品質向上に努めました。
油糧蛋白分野では、油糧種子を食品・飼料等に有効に活用していただくために、その加工技術により飼料の消化吸収性や栄養価を向上させ、お客様の最終商品のおいしさに貢献する商品開発を行いました。また、ホームページにて新たに業務用大豆粉商品の紹介を始めております。
なお、当事業の研究開発費の金額は、8億74百万円であります。
(その他)
食品素材スターチ分野では、高騰した卵白の代替機能を持つ「ハイトラスト®H-10」が畜肉練り込み用途に幅広く採用されました。更にバッター用途で結着性に優れた「食品用加工澱粉 HB-5000」を発売いたしました。また、コーンスターチを弊社独自の製法で粒状加工した「ネオトラスト®」は、食感改善及び素材代替機能を更に幅広く利用していただけるよう粒度を調整した「W-120」を上市し、商品群の充実を図りました。
食品素材ファイン分野では、骨粗鬆症防止効果で知られるビタミンK2の栄養機能について、アジア栄養学会や臨床栄養学会、栄養改善学会の他、食品展示会での紹介活動を通じて精力的にビタミンK2の認知度向上に努めました。
生化学分野では、レクチンを活用して膵臓がん診断薬と肝臓がん診断薬用の臨床試験を実施しております。膵臓がん診断薬は、2016年3月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造申請し、受理されました。今後は認可取得、保険適応に向けて取り組み早期の販売開始を目指します。
㈱J-ケミカルでは、国産針葉樹活用に資する木質建材用接着剤や木材表面処理剤、針葉樹塗装型枠合板用塗料の技術改良に注力しています。木材用途以外にも、紙・包装用ホットメルト接着剤や無機建材用バインダー等、幅広い接着技術の開発を進めています。また、抗菌性に優れた安定・安全性の高い水溶性銀系抗菌剤を開発し、その新たな用途展開に向けた研究に取組んでいます。
なお、当事業の研究開発費の金額は、5億54百万円であります。
(1) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は1,873億29百万円(前年同期比3.4%減)となりました。売上高が減少した主な要因は、油糧部門における大豆搾油量の減少にともなう大豆ミール販売数量の減少と、シカゴ相場の下落による大豆ミール販売価格の下降と、その影響を受けた菜種ミールの販売価格の下降によるものです。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における売上原価は1,579億35百万円(前年同期比4.2%減)となりました。また、販売費及び一般管理費は247億59百万円(前年同期比0.6%減)となっております。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は46億34百万円(前年同期比10.5%増)となりました。営業利益が増加した主な要因は、スターチ部門と化成品部門における売上総利益の増加、及び販売費及び一般管理費が減少したことによるものです。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は53億57百万円(前年同期比11.7%増)となりました。経常利益が増加した主な要因は、受取配当金の増加によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は29億73百万円(前年同期比4.2%減)となりました。この減少の主な要因は、投資有価証券売却益の減少、固定資産除却損の増加、税効果会計適用後の法人税等負担額の増加によるものです。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は791億34百万円で、前連結会計年度末に比べ65億22百万円減少いたしました。主な増加は、現金及び預金が2億21百万円、繰延税金資産が2億98百万円であります。主な減少は、受取手形及び売掛金が16億76百万円、たな卸資産(合計)が54億51百万円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は744億93百万円で、前連結会計年度末に比べ30億96百万円増加いたしました。主な増加は、有形固定資産が41億95百万円であります。主な減少は、投資有価証券が7億91百万円、退職給付に係る資産が2億12百万円であります。
(繰延資産)
当連結会計年度末における繰延資産の残高は15百万円であります。社債発行費の償却により、前連結会計年度末に比べ12百万円減少しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は427億50百万円で、前連結会計年度末に比べ74億24百万円減少いたしました。主な増加は、未払法人税等が5億90百万円、賞与引当金が2億45百万円、設備関係未払金の増加等により「その他」が41億23百万円であります。主な減少は、支払手形及び買掛金が50億74百万円、借入金合計が68億50百万円、未払消費税等が4億60百万円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は310億80百万円で、前連結会計年度末に比べ38億13百万円増加いたしました。主な増加は、長期借入金が42億90百万円、退職給付に係る負債が2億49百万円であります。主な減少は、繰延税金負債が6億71百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は798億11百万円で、前連結会計年度末に比べ1億71百万円増加しております。主な増加は、利益剰余金が14億72百万円であります。主な減少は、その他有価証券評価差額金が4億23百万円、繰延ヘッジ損益が3億76百万円、退職給付に係る調整累計額が3億83百万円であります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析は、1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況に記載しております。