なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、完全失業率が低水準を継続する等のプラス要素があるものの、前年に比べ進行した円高・新興国景気の悪化・個人消費の低迷を受け業績悪化する企業もある等、厳しさへの変化を見せております。食品業界においても、個人消費の大幅な改善が見込まれない中、厳しい環境が続きました。
製油産業におきましては、原料相場ならびに為替が短期間で大きく変動する中、難しい経営のかじ取りを求められております。主原料である大豆・菜種の相場は、天候に起因する生産量や需給バランス見通しの変化から、値動きの激しい展開となりました。4月から6月中旬はアルゼンチンの過剰降雨による収穫遅延・生産量減少懸念や、ブラジル通貨レアルの上昇による輸出価格の上昇、それによる米国産大豆への輸出需要の回帰、更には米国産地の高温・乾燥懸念から、大豆は1ブッシェル当たり9米ドルから12米ドルへ上昇、カナダ産地の降雨不足や、中国向けの堅調な輸出需要継続を要因として、大豆相場に追随する展開から、菜種は470加ドルから530加ドルへ大きく上昇しました。6月中旬からは米国・カナダ産地の天候改善による豊作期待、英国のEU離脱に伴う世界的な経済成長減速懸念から、商品相場も調整色を強め投機筋の売り戻しが進んだことから反転下落となりました。
また、為替相場は1米ドル=112円台から100円台前半へと円高が進む展開となりました。国内金融緩和の限界感、世界的な景気減速の懸念、米国の利上げ時期の先送りに加え、6月中旬の英国のEU離脱決定の影響を受けたことによります。
このような状況下において当社は、更なるコストダウンや高付加価値商品群の拡販と共に、マーガリン部門やスターチ部門等の事業においても収益改善に取組みました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高451億80百万円(前年同四半期比3.5%減)、営業利益16億52百万円(前年同四半期比113.3%増)、経常利益17億99百万円(前年同四半期比87.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益11億66百万円(前年同四半期比152.7%増)となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるセグメントの営業概況は、次のとおりであります。
(製油事業)
油脂部門におきまして、家庭用油脂は、「オイルおにぎり」等の積極的なメニュー提案を行った事や、昨年注力した価格是正の反動もあり、販売数量は前年同四半期を大きく上回りました。また、成長している健康油市場において、『AJINOMOTO 健康アマニブレンド油』、『AJINOMOTO 毎日®栄養オイルビタミンK2&ビタミンD』、『AJINOMOTO 毎日®栄養オイルDHA&EPA』を今春に上市いたしました。
業務用油脂は、“長く使える”をコンセプトにした特許製法の「長調得徳®」シリーズや、バターの代替として使いやすい「SavorUp バターフレーバーオイル」、家庭用市場で構成比を一段と伸ばしているオリーブオイルなどの高付加価値商品の拡販に注力し、販売数量は堅調に推移しました。
マーガリン部門においては、家庭用マーガリンでは市場の低迷が続く中、「ラーマ®50周年」記念の消費者キャンペーンや主力品の増量セールを実施するなどの対応に努め、販売数量は前年同四半期の実績を確保いたしました。業務用マーガリンでは昨年に引続き、「グランマスター®」シリーズを中心としたマーガリン製品の順調な販売に支えられ、4月には「グランマスター®」シリーズの一品として「グランマスター®アルフィーユ」を新発売いたしました。このような状況下、マーガリン部門全体の販売数量は前年同四半期を上回りました。
油糧部門においては、油糧製品の主たる需要先である配混合飼料の生産量は、前年低調であった養豚用、牛用飼料がやや回復傾向にあり、採卵鶏、ブロイラー用も堅調な推移となったため前年同四半期を上回りました。また、配合飼料における配合率は、大豆ミールは上昇基調にありますが、一方菜種ミールは相対的な割高感から年明け以降大幅に低下しております。このような状況下、油糧部門全体の販売数量は前年同四半期を下回りました。
以上の結果、当事業の売上高は411億54百万円(前年同四半期比3.5%減)、セグメント利益は21億91百万円(前年同四半期比64.0%増)となりました。
(その他)
スターチ部門においては、コーンスターチおよび食品用加工澱粉の売上高は前年同四半期と同程度でありましたが、注力商品である畜肉製品向け「ハイトラスト®」および水産練り製品向け「アクトボディー®」は好調な販売を続けております。しかしながら全体の販売数量は減少したため、スターチ部門としての売上高は前年同四半期を下回りました。
健康食品部門においては、最も注力しているレシチン事業は認知症予防をテーマとした売場作りの提案が広がっており、売上高は前年同四半期を上回りました。SOYシート事業の売上高は前年同四半期と同水準で推移しております。米国を中心とした海外市場の拡大に伴い、品質より価格の廉価品が増加し市場価格の低下がみられますが、当社においては品質面での優位性を訴求しております。ファイン事業において注力しているビタミンK2は米国においての販路拡大を進めるべく戦略見直しを行っております。国内においてはその認知度向上と拡販に努めております。
化成品部門においては、主たる需要家である建材業界は、新設住宅着工戸数が前年同四半期に比べ増加したことから比較的順調に推移しました。一方、原油価格は当四半期連結会計期間末にかけて値上がりしたものの安値で推移しました。このような状況下、一部製品で値下げを実施しましたが、木材建材用接着剤の拡販や塗料などの販売に努め、前年同四半期並みの売上高を確保しました。
以上の結果、その他の売上高は40億25百万円(前年同四半期比3.8%減)、セグメント利益は2億74百万円(前年同四半期比24.7%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1億30百万円増加し1,537億73百万円となりました。主な増加は、たな卸資産(合計)が13億79百万円、有形固定資産が4億92百万円であります。主な減少は、現金及び預金が5億32百万円、受取手形及び売掛金が8億76百万円、繰延税金資産が1億99百万円、投資その他の資産(合計)が85百万円であります。
負債は、前連結会計年度末と比べ83百万円減少し737億47百万円となりました。主な増加は、借入金合計が3億50百万円、流動負債その他が16億5百万円であります。主な減少は、支払手形及び買掛金が4億25百万円、未払法人税等が7億86百万円、未払消費税等が64百万円、賞与引当金が5億47百万円、役員退職慰労引当金が91百万円であります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ2億14百万円増加し800億26百万円となり、自己資本比率は52.0%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりです。この基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることにより当社の企業価値・株主共同の利益が毀損されることを防止するための取組みとして、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本買収防衛策」といいます。)を導入しております。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えています。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えており、当社株式の大量取得であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量取得の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量取得の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社の企業価値の源泉は、主として、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力にあると考えておりますが、かかる当社の企業価値の源泉に対する理解が必要不可欠です。当社株式の大量取得を行う者が、当社グループの財務および事業の内容を理解するのは勿論のこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、それを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
当社の企業価値の源泉は、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力にあると考えており、具体的には以下の6点を挙げることができます。
(ⅰ) 安全で安心な製品に対する信頼
(ⅱ) 安全な製品を生み出す高度な技術力
(ⅲ) 安定供給による信頼
(ⅳ) 高付加価値・高品質の製品を生み出す研究開発力
(ⅴ) 長年培った販売力
(ⅵ) 従業員
当社は、これら当社の企業価値の源泉を今後も維持・発展させていくことが、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものと考えております。また、当社の企業価値の源泉をさらに強固なものとするため、当社では、まず『ステークホルダー(株主・取引先・社員・社会)の幸せを実現する』という基本理念を策定しております。
このような基本理念の下、当社は中期経営計画を策定することにより、企業価値の発展を図っております。
平成27年3月期(2014年度)を初年度とする7ヶ年計画である第四期中期経営計画においては、『安定と成長 2020』を基本方針とし、質の向上を伴った「構造変革」を目指します。この「構造変革」は、事業自体の変革を目指すとともに、当社内の変革も目指すものであります。事業に関しては、ⅰ)製油領域、ⅱ)食品・ファインケミカル領域、ⅲ)海外事業領域の「構造変革」、企業・社員としては、ⅳ)仕事の質の変革、ⅴ)組織の変革、ⅵ)人財の育成・変革に取り組み、これをもって、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
また当社は、企業価値ひいては株主共同の利益の向上のための重要な仕組みとして、従来よりコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいりました。
当社は経営効率化のために執行役員制度をとり、原則として月に3回開催される経営会議における意思決定に基づき各執行役員が業務を執行しております。業務執行および意思決定のうち重要なものについては、毎月開催される取締役会に付議・報告され、その監督に服するものとしております。
監査役会は、常勤監査役3名(うち社外監査役2名)・非常勤の社外監査役1名の4名からなり、各監査役は、毎月開催される取締役会に出席して取締役の意思決定・業務執行を監視・監督しております。また、常勤監査役は経営会議にも出席し、取締役による業務執行を適法性・適正性の観点から監視・監督しております。
このように当社では、経営上の意思決定および業務執行につき、取締役会および監査役会による監視・監督により、適法かつ適正な業務執行が行われるような仕組みをとっておりますが、今後更にコーポレート・ガバナンスの充実を図り、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させていく所存であります。
本買収防衛策は、当社株式の大量取得行為が行われる場合の当社における手続を定め、このような大量買付に応じるか否かを株主の皆様が適切に判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、買付者等との交渉の機会を確保することにあります。
これにより、当社の企業価値の源泉である、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力等が害されることを防止し、当社の企業価値および株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。
本買収防衛策は、有事の際に対抗措置を発動する可能性を事前に予告する事前警告型買収防衛策です。具体的には、次のような内容を有しています。
(ⅰ) 当社が発行者である株券等について20%以上の買付その他の取得等を行うことを希望する買付者等は、あらかじめ買付等の内容の検討に必要な情報を当社に対して提出していただきます。
(ⅱ) 独立委員会は、当社取締役会に対し、上記買付等の内容に対する意見や根拠資料、これに対する代替案(もしあれば)等を提出するよう求めることができます。
※独立委員会は、当社社外取締役、当社社外監査役または社外の有識者(実績ある会社経営者、官庁出身者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは学識経験者またはこれらに準ずる者)で、当社経営陣から独立した者のみから構成されます。
(ⅲ) 独立委員会は、買付者等や当社取締役会から情報を受領した後、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、買付等の内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討等を行います。
(ⅳ) 買付者等が、本買収防衛策の手続を遵守しない場合や当社の企業価値または株主の皆様の共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、当社取締役会は、独立委員会の判断を経た上、新株予約権の無償割当てを実施するか否かを決定します。
(ⅴ) 上記(ⅱ)乃至(ⅳ)にかかわらず、当社取締役会は、(a)買付者等が本買収防衛策に定める手続を遵守しているとともに、買付等が当社の企業価値または株主共同の利益を毀損することが明白ではない場合で、かつ、(b)新株予約権の無償割当ての実施について株主総会を開催することが実務上可能である場合には、独立委員会における手続の他、株主意思確認株主総会を招集して、当該株主総会において、新株予約権の無償割当てを実施するか否かを決定します。
(ⅵ) 本買収防衛策に基づく対抗措置として、新株予約権を割り当てる場合には、当該新株予約権に、買付者等およびその関係者による権利行使は認められないという行使条件、および当社が買付者等およびその関係者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されることが予定されています。
(ⅶ) 本買収防衛策の有効期間は、平成29年3月期に関する定時株主総会終結の時までとします。
本買収防衛策は、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行うことを可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。
当社は、次の理由から、本買収防衛策は、当社株主の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(ⅰ) 経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の要件を完全に充足し、また、東京証券取引所の「有価証券上場規程」に定められる買収防衛策の導入に係る尊重事項を全て充足していること。さらに、本買収防衛策は、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他昨今の買収防衛策に関する議論等を踏まえていること。
(ⅱ) 株主意思を重視するものであること。
(ⅲ) 独立性の高い社外者の判断を重視し、適時適切な情報開示を定めていること。
(ⅳ) 合理的な客観性要件を設定していること。
(ⅴ) 外部専門家の意見を取得することとしていること。
(ⅵ) 当社取締役の任期は1年であること。
(ⅶ) デッドハンド型(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)やスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではないこと。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は3億50百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く事業環境は、円高による原料価格安の影響がミール製品の価格低下影響を上回り採算が好転いたしました。一方、国内における個人消費はまだ弱含みであり、油脂製品の販売環境は依然として厳しく、また為替相場については今後も円高基調が継続するか注意深く見守る必要があります。
当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえて、油脂製品およびミール製品の付加価値化や、生産の効率化等によるコスト削減を推進するとともに、製品価値に見合った販売価格の実現に向け粘り強く得意先に対し理解を求めてまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金調達は、自己資金のほか銀行借入や社債発行等により調達しております。
当社グループは健全な財務状態及び営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力を持つことから、成長を維持するために必要な運転資金及び投融資資金を調達することが可能であると考えております。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社は国内で搾油し、国内で油脂・油糧製品を販売することが主力事業でありますが、海外の大豆・菜種の原料相場や為替環境の変化など、様々な外部環境に影響を受ける構造の中で事業を展開しております。
その中でも中期計画で掲げる「安定と成長」を実現できるように、事業基盤や収益構造の強化、に加えて環境変化の中で生まれるお客様のニーズに対応した技術・製品開発を更に加速して取り組んで参ります。併せて、将来の柱となる事業の育成の為の選択と集中を進めて参ります。