文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2017年10月に新たに企業理念「Joy for life~生きるをおいしく、うれしくしたい。~」を策定いたしました。私たちの目指すべき未来、私たちの使命、私たちの価値を明文化したもので、2004年の統合から13年を経て、有形・無形の資産を十分に活用し、「あぶら」の専門家集団として、あぶらを通したおいしさの追求に加え、あぶらで培った技術の可能性を、食をはじめとする様々な分野へ広げ、「おいしさデザイン企業」として、長期的・持続的な成長を目指します。また、企業価値の向上に加え、労働人口の減少による人手不足の解決、高齢者への栄養補給、調理時間短縮等といったお客様や社会課題の解決に貢献することで、企業の社会的使命を果たし、すべてのステークホルダーの幸せの実現を目指してまいります。
当社グループは、2017年度を初年度とする4カ年の第五期中期経営計画を策定しております。
油を究めて幸せを創る2020
J-オイルミルズは
「あぶら」を究めて、心動かすおいしさを創造する
おいしさデザイン企業へ
当社は、これまで培ってきた知見やノウハウをもとに、「あぶら」が持つ価値・可能性を拡張して、様々な付加価値機能(揚げ物料理の価値、調理価値、健康価値、調味価値)を徹底的に追究し、人々の心を動かすおいしさを創造する、おいしさデザイン企業を目指します。
当社は、液体・固体・粉体の3つの形態の油脂と食感改良他、様々な機能を有する素材を保有しており、これらを組み合わせておいしさをデザインし、お客様に提供致します。これにより新たな市場を創造し、少子高齢化の進行により縮小する国内市場においても持続的・安定的な成長を実現致します。また、国内で磨いた「あぶら」の価値を基に、アジア市場を中心にお客様の「お役立ち」を実現し、海外事業の展開を加速致します。更には「あぶら」の価値・可能性を拡張することで、高齢化社会における最適な栄養補給、労働人口の減少による人手不足、女性の社会進出拡大に向けた調理時間短縮、不足する食資源といった今後拡大が想定される社会課題の解決に貢献します。
本中期計画においては、基本方針として4つの成長戦略と3つの構造改革による事業戦略があり、その事業戦略を支えるべく、経営基盤強化及び企業ビジョンの浸透と組織風土改革を推進いたします。概要は以下の通りとなります。
Ⅰ 成長戦略
① 油脂・育成領域での高付加価値品拡大
② BtoB市場でのソリューション事業強化 ~強みの掛け算~
③ アジアでの海外展開加速 ~国内で磨いた価値を基に~
④ コア事業である汎用油脂製品の収益力強化
Ⅱ 構造改革
① バリューチェーンの効率化・高度化の取り組み推進
② 中長期視点での生産拠点最適化
③ 選択と集中、及び効率化
Ⅲ 経営基盤の強化、企業ビジョン浸透・組織風土改革
① コーポレートガバナンス強化
・事業会社在籍の社外取締役増加
・業績連動型の株式報酬制度の導入
・任意の報酬委員会・指名委員会設置
② 事業計画の推進に連動したESG経営の推進
・社会課題解決、環境、健康、省力化、資源問題に対するアプローチ
③ 新企業理念の策定
Ⅳ 財務戦略
① ROEを重視した資本効率性と格付を考慮した財務健全性の最適バランスを取りながら、企業価値向上を追求する
② 本計画期間中は、約700億円のキャッシュイン・アウトを想定
③ 2020年までに約400億円以上の営業キャッシュフロー(配当・資産売却含む)を創出
④ 資金使途としては、事業基盤の整備に向けた設備投資にくわえ、非連続な成長をもたらす新事業に向けた投資資金も確保。株主還元と合わせて約510億円を予定
⑤ 株主還元は配当性向30%以上を維持する
当社グループは、第五期中期経営計画(2017~2020年度)において、次の経営数値目標を掲げております。
平成33年3月期(2020年度)
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連結売上高 |
2,150億円以上 |
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連結営業利益 |
80億円以上 |
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売上高営業利益率 |
3.5%以上 |
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ROE(株主資本利益率) |
5.0%以上 |
当社グループにおきましては、経済新興国における穀物需要の増加や原料産地の天候等が原料相場に影響を与えている事、また為替も不安定である事から輸入原料価格が大きく変動する事があり、経営のかじ取りは難しいものが求められる環境となっております。グローバルには、世界人口の増加による中長期的な食資源不足や、TPPやEPAの影響による既存のサプライチェーンの変化が想定されます。また国内市場におきましては、少子高齢化による需要の減少、物流コストの上昇、事業者間の事業領域を超えた販売競争の激化、また一方では食生活やライフスタイルの多様化、健康志向による消費者ニーズの多様化と高度化はさらに進展しており、対処すべき課題はより複雑化してきております。当社グループは、こうした課題を克服し、更なる成長を遂げるために、第五期中期経営計画における成長戦略の推進と、推進に必要な経営資源創出のための構造改革という両輪の戦略と、それを支える経営基盤の強化を着実に進めてまいります。
成長戦略では、油脂事業については、家庭用市場におけるオリーブオイルの用途拡大提案、業務用市場における長持ち汎用油「長調得徳®」の拡売や、調理側の手間・悩みを解決する調味油・機能油の提案を強化してまいります。ソリューション事業については、当社グループの持つ素材(油脂、スターチ、マーガリン、粉末油脂等)の強みを組み合わせ、おいしさを創造する提案を行ってまいります。
構造改革では、バリューチェーンの効率化・高度化において、味の素株式会社との包材共同調達によるコストダウン、物流構造の見える化による商品数の削減や生産効率の向上を進めております。設備投資・生産拠点再編においては、住吉工場閉鎖、倉敷工場新設に伴う搾油設備の改廃により、当社グループ全体の生産効率見直しと稼働率向上を進めます。
経営基盤強化では、ガバナンス強化や人事関連施策(人事制度改定、働き方改革や人財多様化等)、CSV(事業を通じた社会課題の解決への貢献)の取り組みを進めております。当社グループの製品は、調理の省力化や、時間が経ってもおいしく食べられる機能の提供等を通じて、社会課題の解決に貢献してまいります。
また、これらを推進するに際し、コンプライアンス研修の全社的な実施やリスク想定力強化プロジェクトなどにより、コンプライアンスとリスクマネジメントの体制をより一層充実させ、内部統制を強化していきます。
この様な取組みにより、これからも信頼され、安定的に収益をあげることの出来る企業グループへと変革し、企業価値を向上させることにより、当社のステークホルダーの方々の幸せを実現してまいります。
当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりです。この基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることにより当社の企業価値・株主共同の利益が毀損されることを防止するための取組みとして、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本買収防衛策」といいます。)を導入しております。
当社は、経営支配権の移転を通じた企業活動の活性化の意義を否定するものではなく、当社株式の大規模買付についての判断は、最終的には当社株主の皆様全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大量取得の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量取得の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えています。
特に、当社の企業価値の源泉は、主として、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力にあると考えておりますが、かかる当社の企業価値の源泉に対する理解が必要不可欠です。当社株式の大量取得を行う者が、当社グループの財務および事業の内容を理解するのは勿論のこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、それを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
当社の企業価値の源泉は、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力にあると考えており、具体的には以下の6点を挙げることができます。
(ⅰ) 安全で安心な製品に対する信頼
(ⅱ) 安全な製品を生み出す高度な技術力
(ⅲ) 安定供給による信頼
(ⅳ) 高付加価値・高品質の製品を生み出す研究開発力
(ⅴ) 長年培った販売力
(ⅵ) 従業員
当社は、これら当社の企業価値の源泉を今後も維持・発展させていくことが、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものと考えており、また中期経営計画を策定することにより、企業価値の発展を図っております。
2017年度を初年度とする4ヶ年の第五期中期経営計画においては、4つの成長戦略と3つの構造改革を事業戦略の基本方針とし、その事業戦略を支えるべく、経営基盤の強化および企業ビジョンの浸透と組織風土改革を行います。
また当社は、企業価値ひいては株主共同の利益の向上のための重要な仕組みとして、従来よりコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいりました。
当社は経営効率化のために執行役員制度をとり、原則として月に3回開催される経営会議における意思決定に基づき各執行役員が業務を執行しております。業務執行および意思決定のうち重要なものについては、毎月開催される取締役会に付議・報告され、その監督に服するものとしております。
取締役のうち4名は非常勤の社外取締役(うち独立社外取締役2名)であり、取締役会での審議に当たり、客観的な意見を述べております。
監査役会は、常勤の監査役1名、常勤の社外監査役1名、非常勤の監査役1名、非常勤の社外監査役1名の4名からなり、各監査役は、毎月開催される取締役会に出席して取締役の意思決定・業務執行を監視・監督しております。また、常勤監査役は経営会議にも出席し、取締役による業務執行を適法性・適正性の観点から監視・監督しております。
このように当社では、経営上の意思決定および業務執行につき、取締役会および監査役会による監視・監督により、適法かつ適正な業務執行が行われるような仕組みをとっておりますが、今後更にコーポレート・ガバナンスの充実を図り、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させていく所存であります。
本買収防衛策は、当社株式の大量取得行為が行われる場合の当社における手続を定め、このような大量買付に応じるか否かを株主の皆様が適切に判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、買付者等との交渉の機会を確保することにあります。
これにより、当社の企業価値の源泉である、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力等が害されることを防止し、当社の企業価値および株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。
本買収防衛策は、有事の際に対抗措置を発動する可能性を事前に予告する事前警告型買収防衛策です。具体的には、次のような内容を有しています。
(ⅰ) 当社が発行者である株券等について20%以上の買付その他の取得等を行うことを希望する買付者等は、あらかじめ買付等の内容の検討に必要な情報を当社に対して提出していただきます。
(ⅱ) 独立委員会は、当社取締役会に対し、上記買付等の内容に対する意見や根拠資料、これに対する代替案(もしあれば)等を提出するよう求めることができます。
※独立委員会は、当社社外取締役、当社社外監査役または社外の有識者(実績ある会社経営者、官庁出身者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは学識経験者またはこれらに準ずる者)で、当社経営陣から独立した者のみから構成されます。
(ⅲ) 独立委員会は、買付者等や当社取締役会から情報を受領した後、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、買付等の内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討等を行います。
(ⅳ) 買付者等が、本買収防衛策の手続を遵守しない場合や当社の企業価値または株主の皆様の共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、当社取締役会は、独立委員会の判断を経た上、新株予約権の無償割当てを実施するか否かを決定します。
(ⅴ) 上記(ⅱ)乃至(ⅳ)にかかわらず、当社取締役会は、(a)買付者等が本買収防衛策に定める手続を遵守しているとともに、買付等が当社の企業価値または株主共同の利益を毀損することが明白ではない場合で、かつ、(b)新株予約権の無償割当ての実施について株主総会を開催することが実務上可能である場合には、独立委員会における手続の他、株主意思確認株主総会を招集して、当該株主総会において、新株予約権の無償割当てを実施するか否かを決定します。
(ⅵ) 本買収防衛策に基づく対抗措置として、新株予約権を割り当てる場合には、当該新株予約権に、買付者等およびその関係者による権利行使は認められないという行使条件、および当社が買付者等およびその関係者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されることが予定されています。
(ⅶ) 本買収防衛策の有効期間は、平成32年3月期に関する定時株主総会終結の時までとします。
本買収防衛策は、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行うことを可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。
当社は、次の理由から、本買収防衛策は、当社株主の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(ⅰ) 経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の要件を完全に充足し、また、東京証券取引所の「有価証券上場規程」に定められる買収防衛策の導入に係る尊重事項を全て充足していること。さらに、本買収防衛策は、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他昨今の買収防衛策に関する議論等を踏まえていること。
(ⅱ) 株主意思を重視するものであること。
(ⅲ) 独立性の高い社外者の判断を重視し、適時適切な情報開示を定めていること。
(ⅳ) 合理的な客観性要件を設定していること。
(ⅴ) 外部専門家の意見を取得することとしていること。
(ⅵ) 当社取締役の任期は1年であること。
(ⅶ) デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)やスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではないこと。
当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営環境に関するリスク
① 搾油原料の調達リスク
当社グループの中核事業である製油事業においては、大豆・菜種等の搾油原料をすべて海外から調達しております。中国、インドを始めとした新興国の経済発展や人口増加による植物油需要の増加に加え、バイオ燃料向けの植物油需要、世界的な低金利に伴う投機資金の流入等もあり、穀物価格は依然高い水準にあり、調達環境も厳しい状況が続いております。今後も原料穀物に対する需要が増加し続けますと、製品の安定供給面でのリスクが更に増大する可能性があります。
② 原材料・為替相場等の影響
当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物の相場は天候・需給バランス等の要因により大きく変動することがあります。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。また、海上運賃(フレート)は世界経済や石油価格の影響を受けて変動します。さらに、ミール相場が低下すると、オイルコストの上昇につながります。以上の穀物・為替・海上運賃・ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分を価格に転嫁できない場合、収益を圧迫する可能性があります。
③ 輸入関税
当社グループが主力とする大豆油・菜種油は、輸入に対して関税が課されております。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの「永久離脱」をうたう米国との今後のEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)やWTO(世界貿易機関)交渉については不透明な状況となっておりますが、カナダ・豪州産の菜種油に対する関税は段階的に引き下げられることになっているため、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。
④ 油脂・ミール製品の需要低下を及ぼす要因
今後何らかの事由により、畜産物や乳製品に対する関税が引き下げられた場合には、海外からの安価な製品の流入によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受ける可能性があります。また口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受ける可能性もあり、その場合には配合飼料に使われる大豆ミール、菜種ミールの販売量が減少するリスクがあります。また、家庭における油を使用した調理機会の減少、油脂の摂取量を抑えるダイエットや油を使用しない調理法の普及などにより、油脂製品の消費量が減少する可能性があります。
⑤ 国内人口の少子高齢化
日本国内においては依然として少子高齢化が進んでおります。このまま少子高齢化が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売量が減少するリスクがあります。この影響を最小限に抑えるべく、高齢者層の人口増加による健康志向の高まり等の需要の変化に対応して新商品開発などの対策を講じてまいります。
⑥ 海外進出に潜在するリスク
当社グループは海外事業の拡大を重点課題として取り組んでおります。予期せぬ法律・規制・税制の改正、また、紛争・テロなどの政治的・社会的リスクや自然災害の発生により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害
大規模な地震等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 感染症の蔓延
新型インフルエンザのような感染症が発生し、世界的大流行(パンデミック)が起こった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業活動に関するリスク
① 食品安全
当社グループは食品安全を確実に確保するため、原材料調達先から、食品衛生法、食品表示法、JAS法、健康増進法など関連法規に違反しないことを証する書面による保証を入手するとともに自社でも確認しています。また、輸入原材料に対するトレ-サビリティの確保など、万全の体制で臨んでおります。しかし、想定されていない社会全般にわたる安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 情報の漏洩や不正アクセス等の影響
当社グループは情報資産およびコンピュータシステムに関して、運用体制の整備や情報管理の徹底など、適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、当社の想定を超えた不正アクセスやコンピュータウィルスの感染等による情報漏洩やデータ改ざんが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法的規制その他のリスク
① 法的規制
当社グループは、食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制の下で事業展開しております。当社グループはCSR経営の推進を経営方針とし、法規の遵守に努めて事業運営しておりますが、予測し得ない法的規制の変更や追加により、事業上の制約などにつながることで当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②環境規制
当社グループは各工場でISO14001を取得し、また、国や自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、将来、環境法令や環境改善の取組みの強化などにより、環境に関する費用負担が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境が改善し設備投資の緩やかな増加、個人消費の持ち直しの動きが見られ、景気全体としては緩やかな回復基調が続いております。一方で消費者物価上昇率に見られるとおり、デフレからの脱却にはまだ時間がかかると予想されます。
製油事業は、原料相場と為替変動の影響から厳しい環境下での難しい経営のかじ取りを求められました。大豆相場は南米産地の天候懸念や米国産大豆の需給緩和予想等が影響する中、1ブッシェル当たり9米ドル台後半で推移し、期末にかけて10米ドル台まで上昇したものの、前年同期と比較して低位での推移となりました。菜種相場は高温乾燥等の天候不順やシカゴ大豆相場の影響を受けた事から、1トン当たり500加ドルを挟む動きとなり、前年同期と比較して高位での推移となりました。また、為替相場は米国の利上げ予想等から110~115円台の円安水準での動きとなり、2月以降で円高に戻る局面もありましたが、前年同期と比較して円安での推移となりました。
このような状況下において当社は、第五期中期経営計画の成長戦略である油脂・育成領域での高付加価値品の販売に注力するとともに、更なるコストダウン等を進め、各事業において収益基盤の強化に努めました。しかしながら、原料・為替及び物流費、燃料費や資材費、人件費等によるコスト上昇に対して、油脂価格の改定に取り組み一定の成果は得られたものの、目指す水準までには至りませんでした。また、ミール価格は通常原料相場の動きに相関しますが、大豆ミール相場の影響を受けた菜種ミールは、菜種原料程には上昇せず油脂のコストアップ要因となりました。
以上の結果、当期の業績は、売上高1,833億61百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益40億5百万円(前年同期比26.8%減)、経常利益51億37百万円(前年同期比11.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益41億27百万円(前年同期比26.6%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は1,549億45百万円(前期末比99億79百万円減)、負債は708億30百万円(前期末比105億62百万円減)、純資産は841億15百万円(前期末比5億83百万円増)となりました。
セグメントの概況は、次のとおりであります。
油脂部門においては、原料・為替及び物流費等のコストが上昇する中、前年下期から取り組んだ油脂価格の改定について、8月に再度価格改定を発表し取り組みは進捗しているものの、目標水準まで浸透するには至りませんでした。家庭用油脂はテレビCMと併せた店頭プロモーション強化を行ったオリーブオイルの売上高が前年同期を上回り堅調に推移しました。業務用油脂は高付加価値領域の「TEE UP®製法」による長持ち機能を更に強化した「長調得徳®」シリーズのリニューアルを行うと共に、風味油「Savor Up」シリーズを調味油「J-OILPRO®」にリブランドし、新製品として花椒油、グリルオイルを発売致しました。この結果、油脂部門全体の売上高は前年同期をわずかに上回りました。
マーガリン部門においては、家庭用では市場の低迷が続く中、2017年春発売の「ラーマ®ベーシック」等の拡販に努めましたが、売上高は前年同期を下回りました。業務用では「グランマスター®」シリーズを中心とした高付加価値品の拡販に努め、売上高は前年同期をわずかに上回りました。
油糧部門においては、油糧製品の主たる需要先である配混合飼料の生産量が前年同期と同程度となりました。当社におきましては、大豆ミールは拡販に努めたことにより売上高は前年同期を上回りました。一方、菜種ミールは国内需給を背景に売上高は前年同期をわずかに下回りました。この結果、油糧部門全体の売上高は前年同期を上回りました。
以上の結果、当事業の売上高は1,666億20百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益は59億39百万円(前年同期比24.0%減)、セグメント資産は1,234億95百万円(前期末比51億59百万円減)となりました。
スターチ部門においては、油脂との組み合わせ等のソリューション提案の強化により、高付加価値の食品加工澱粉が外食・中食・加工食品向けに多数採用されております。また、レジスタントスターチを豊富に含む澱粉「アミロファイバー®」は低糖質素材として採用に向けた動きが広がっております。この結果、スターチ部門全体の売上高は前年同期をやや上回りました。
健康食品・ファイン部門においては、SOYシート事業は米国の現地需要が堅調であったことにより、売上高は好調に推移しました。ファイン事業はビタミンK2の国内採用実績が増えたものの米国への輸出減少により、売上高は前年同期をやや下回りました。なお、前期における戦略見直しに伴うコスト負担が減少した影響により、前年同期と比較して増益となりました。また、健康食品事業は構造改革の一環として効率化を推進しましたが、平成30年6月をもって事業から撤退することと致しました。
ケミカル部門においては、主たる需要家である木質建材産業における新設住宅着工戸数が前年同期をわずかに下回りました。原料価格は引き続き高値での推移となり、このような状況下において、木質建材用接着剤の価格改定を実施するとともに販売数量の維持に努めた結果、売上高は前年同期を上回りました。
以上の結果、その他の売上高は167億41百万円(前年同期比5.3%増)、セグメント利益は14億14百万円(前年同期比62.5%増)、セグメント資産は122億58百万円(前期末比4億2百万円増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは以下のとおりであります。
|
科目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
6,066 |
6,572 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△10,294 |
△3,766 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
3,830 |
△5,600 |
|
現金及び現金同等物の増減額 |
△396 |
△2,791 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
5,631 |
2,839 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比べ27億91百万円減少し、28億39百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ5億6百万円増加し、65億72百万円となりました。この主な要因は、たな卸資産の増減額が減少したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ65億27百万円増加し、△37億66百万円となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却による収入が増加したことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ94億30百万円減少し、△56億円となりました。この主な要因は、短期借入金の返済が増加したことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
製油事業 |
136,749 |
4.5 |
|
その他 |
4,872 |
△10.0 |
|
合計 |
141,622 |
3.9 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
製油事業 |
166,620 |
1.4 |
|
その他 |
16,741 |
5.3 |
|
合計 |
183,361 |
1.7 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
味の素株式会社 |
48,994 |
27.2 |
47,641 |
26.0 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを用いることが必要となりますが、これらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項]連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は1,833億61百万円(前年同期比1.7%増)となりました。売上高が増加した主な要因は、油糧部門における大豆ミールの販売数量の増加によるものです。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における売上原価は1,530億98百万円(前年同期比3.8%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は262億57百万円(前年同期比3.9%減)となっております。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は40億5百万円(前年同期比26.8%減)となりました。営業利益が減少した主な要因は、油脂部門の原価が上昇したことによるものです。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は51億37百万円(前年同期比11.9%減)となりました。経常利益が減少した主な要因は、営業利益の減少によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は41億27百万円(前年同期比26.6%増)となりました。この増加の主な要因は、投資有価証券売却益の増加によるものです。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は759億92百万円で、前連結会計年度末に比べ61億16百万円減少いたしました。主な減少は、現金及び預金が27億74百万円、受取手形及び売掛金が15億58百万円、たな卸資産(合計)が17億93百万円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は788億86百万円で、前連結会計年度末に比べ39億27百万円減少いたしました。主な増加は、無形固定資産が3億97百万円であります。主な減少は、有形固定資産が17億32百万円、投資有価証券が27億9百万円であります。
(繰延資産)
当連結会計年度末における繰延資産の残高は67百万円であります。社債発行費の計上により、前連結会計年度末に比べ64百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は403億98百万円で、前連結会計年度末に比べ205億24百万円減少いたしました。主な減少は、支払手形及び買掛金が13億41百万円、借入金(合計)が21億円、1年内償還予定の社債が120億円、未払金の減少等により「その他」が49億25百万円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は304億32百万円で、前連結会計年度末に比べ99億61百万円増加いたしました。主な増加は、社債が120億円であります。主な減少は、長期借入金が10億円、繰延税金負債が9億94百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は841億15百万円で、前連結会計年度末に比べ5億83百万円増加しております。主な増加は、利益剰余金が26億26百万円であります。主な減少は、自己株式が7億2百万円、その他有価証券評価差額金が13億62百万円であります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
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平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
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自己資本比率(%) |
47.4 |
50.7 |
51.9 |
50.6 |
54.3 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
29.3 |
44.3 |
37.2 |
42.4 |
38.6 |
|
キャッシュ・フロー対有利子 |
3.2 |
5.0 |
3.3 |
6.4 |
5.4 |
|
インタレスト・カバレッジ・ |
60.1 |
43.0 |
64.4 |
46.6 |
50.4 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(資金の調達方法)
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債発行により調達しております。
(資金の流動性)
当社グループは、現金及び現金同等物に加え、各社における余剰資金を一元管理することによって資金の効率化と金融費用の極小化を図っております。また当座貸越枠、コミットメントライン契約の締結により資金調達の十分な流動性を確保し、より柔軟性の高い機動的な調達手段を備えております。
(1) 味の素株式会社との間で、業務提携に関する基本契約を平成16年7月1日付で締結し、同社のブランド使用、同社の一部販売ルートの利用、同社からの出向者受け入れ等の食用油脂事業に関する提携関係を築いております。
※1 味の素株式会社は、当社議決権の27.3%を保有する大株主であります。
※2 味の素株式会社とのブランド使用の契約について
平成26年7月1日から平成31年6月末日まで(以後5年毎の自動更新)
(2) 不二製油グループ本社株式会社との間で、業務提携および株式相互保有に関する基本契約を平成19年9月7日付で締結し、原料・資材の効率的調達、中間原料油の相互供給、相互の生産設備の有効活用による生産の効率化、物流業務の効率化、その他相互にメリットのある取組み、および相手方株式の相互保有等の提携関係を築いております。また、不二製油グループ本社株式会社の関係会社である FUJI OIL(THAILAND)CO.,LTD.(タイ)に対して、平成23年6月2日付で10%の出資を行いました。同社が生産する油脂製品の内外市場での活用、同社設備の有効活用等を通じて、不二製油グループ本社株式会社との関係強化を深め、双方の競争力強化に努めております。
(3) 辻製油株式会社との間で、業務提携および株式相互保有に関する基本契約を平成21年11月30日付で締結し、原料・資材の効率的調達、相互の生産設備の有効活用による生産の効率化、物流業務の効率化、相互の機能性食品素材の有効活用、その他相互に企業力の強化が見込まれると判断した分野での取組み、および相手方株式の相互保有等の提携関係を築いております。
(4) Toyota Tsusho (Thailand) Co., Ltd.との間で、合弁事業契約を平成26年3月26日付で締結し、共同でタイでの高付加価値でん粉の販売・商品開発、油脂製品販売を目的とする合弁会社J-OILMILLS (THAILAND) Co., Ltd.を設立いたしました。現地市場ニーズにマッチした高付加価値型でん粉の開発と、タイ及びアジア域内を中心に販売することを目的としております。また、安定的に成長を続けるタイの油脂市場では、今後高付加価値型の油脂需要が高まることが予想されることから、油脂事業の展開も検討していくことを予定しております。
(5) 全国農業協同組合連合会ならびにその子会社であるJA西日本くみあい飼料株式会社および全農サイロ株式会社との間で、当社倉敷工場の運営に関連して、原料大豆の保管設備利用や配合飼料原料の供給等、長期にわたって相互協力を行う旨の契約を締結しております。
当社グループの研究開発活動は、当社および㈱J-ケミカルで行っております。
当社では、各関連事業に関係する基盤研究を行う「基盤研究所」、事業全領域の商品開発を行う「商品開発研究所」、中食・外食領域やベーカリー領域に対しての市場開発を行う「ソリューション・センター」と「テクニカル・アドバイザリー・センター」を設置し、相互に連携をしながら「おいしさデザイン」による付加価値創造を目指して研究開発活動を進めております。
基盤研究所は、当社各関連事業領域の中長期の基盤技術開発および今後取り組むべき新領域において、新規素材の機能探索や用途開発、新技術の開発を行っております。さらに、健康機能研究、おいしさ評価技術、構造解析・分析技術の高度化により、商品開発力の向上も目指しております。
商品開発研究所は、油脂商品、マーガリン・ショートニング・粉末油脂、ミール、飼料、スターチ、蛋白食品、ファイン製品などの当社事業全領域での商品開発を担っております。
①家庭用及び業務用の油脂商品の開発においては、一般消費者やプロの需要家の皆様のニーズにお応えできる調理機能と環境に配慮して、食品の「おいしさ」を引き出す商品開発を行っております。
②家庭用及び業務用のマーガリンや業務用のショートニング、粉末油脂の開発においては、油脂加工技術を活用して、一般消費者やプロの需要家の皆様のニーズにお応えしております。
③ミールの開発においては、搾油処理により得られるミールの高度利用に関する研究開発を行っております。良質な蛋白源や脂質源として、配合飼料や蛋白食品、醸造原料、発酵原料など、幅広い分野の皆様にご利用いただけるよう開発に取組んでおります。
④スターチの開発においては、当社独自の加工技術で、スナック菓子や麺、パン、水練り製品、畜肉製品、低糖質食品など幅広い食品に利用でき、更においしさも付与できる機能性澱粉の商品開発を中心に行っております。
⑤ファイン製品の開発においては、主に大豆を中心とした天然素材に含まれる生理活性物質や機能性素材を、抽出・精製・加工し、機能性を付与した高付加価値型の素材商品として提供しております。
㈱J-ケミカルは、住宅建材用を中心とする合成樹脂接着剤の技術改良および新規機能性樹脂、抗菌剤、レクチンの研究開発を行っております。
なお、研究開発費の総額は、13億25百万円であります。
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(製油事業)
家庭用油脂分野では、食卓で“かける・あえる”といった使い方に向けた新商品として、さわやかなオリーブとレモンの香りをお楽しみ頂ける「AJINOMOTO オリーブ&レモンフレーバーオイル」、バターの風味を活かして、オムレツなどの卵料理をはじめ、様々な料理をおいしく仕上げることができる「AJINOMOTO バターフレーバーオイル」を発売いたしました。お客様の声に耳を傾けながら皆様に喜んで頂ける商品を開発しております。
業務用油脂分野では、香味食用油領域において、新ブランド「J-OILPRO®プロのための調味油」シリーズを立ち上げ、さわやかな香りとしびれる刺激が特長の「『J-OILPRO®』花椒油」、自然な香ばしさと肉の旨味を増強する「『J-OILPRO®』グリルオイル」を発売いたしました。またフライ油領域では、長年ご愛顧頂いている「長調得徳®」の長持ち機能をパワーアップした『TEE UP®製法PLUS+』によるリニューアルを実施し、軽くて持ちやすい「長調得徳®白絞油」と「長調得徳®サラダ油」の8kgバッグインボックスを発売いたしました。人手不足、高齢化、環境負荷低減など様々な社会課題に応える商品を開発しております。
加工油脂分野では、家庭用マーガリン「ラーマ®ひまわり」、「ラーマ®お菓子作りのためのマーガリン」、「ラーマ®オリーブ&バターの風味」を発売いたしました。業務用マーガリンでは、スイス産バターを配合したパレッツ(ペンシル形状のマーガリン)「グランマスター®プリメランパレッツ」を発売いたしました。
粉末油脂分野では、安定生産のための条件整備を行い、製品歩留りが向上いたしました。
油糧蛋白分野では、業務用大豆粉商品は食の多様化と健康イメージから低糖質素材としての利用を拡大し、技術サポートに努めました。また、飼料用途においては前期から引き続き研究を進め、大豆、菜種のレシチンが牛の胃中での有機酸産生能を高めることを見出した成果を北海道畜産草地学会、日本農芸化学会で発表いたしました。
なお、当事業の研究開発費の金額は、9億30百万円であります。
(その他)
食品素材スターチ分野では、畜肉商品における肉感やソフト感、揚げ物惣菜には衣のサクサク感、ベーカリー商品にはふんわり感やしっとり感、スープには煮込み感など、食品の食感を改善することでおいしさをデザインできる機能、またレジスタントスターチによる健康機能などを活かし、お客様の様々な課題に対してより丁寧にお応えできるよう、素材開発と用途開発に注力し幅広い採用に繋げました。
食品素材ファイン分野では、ビタミンK2が骨へのカルシウムの供給を助けることにより骨粗鬆症防止効果を持つ健康機能について、カルシウムやビタミンDとの併用効果を中心に紹介しその認知度向上に努めました。
ケミカル分野では、木材用接着剤や木材表面処理剤、針葉樹塗装型枠合板用塗料等、木質材料用合成樹脂の他、無機建材用バインダー、紙・包装用ホットメルト接着剤等、多岐にわたる合成樹脂の技術開発を進めています。また、独自に開発した水溶性銀系抗菌剤の新規用途開拓に向けた更なる技術改良、研究用試薬・診断薬原料向けのレクチンの技術開発に取り組みました。
なお、当事業の研究開発費の金額は、3億94百万円であります。