第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、景気の一部に改善の遅れも見られるものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで生産活動や個人消費に持ち直しの動きが見られ、緩やかな回復基調で推移しました。

製油産業におきましては、原料相場ならびに為替が短期間で大きく変動する中、難しい経営のかじ取りを求められております。主原料である大豆・菜種の相場は、北米・南米における天候とそれによる生産量見通しの変化から上下に激しい値動きとなりました。大豆相場は、6月にかけて2016年度南米産大豆の減産見通しなどから1ブッシェル当たり12米ドルまで上昇する局面もありましたが、豊作観測が強まり1ブッシェル当たり9米ドル半ばまで下落したあと、年明け1月にかけては南米産地の天候懸念を材料に1ブッシェル当たり10米ドル半ばへ上昇し、その後3月にかけてはブラジルの順調な生育状況から下落に転じ1ブッシェル当たり9米ドル半ばとなりました。菜種相場は、6月中旬まではカナダ産地の降雨不足などから1トン当たり530加ドルへと上昇し、その後1トン当たり460加ドル台まで下落して推移しましたが、10月以降は好調なカナダ国内搾油と輸出需要から、1トン当たり530加ドルまで上昇し、その後は上下に激しい値動きとなり3月にかけては480加ドル付近まで下落しました。また、為替相場は、6月にかけて国内金融緩和の限界感や世界経済の不透明感から円高が進み、その後は概ね1米ドル=102円台から105円台の間で推移しました。11月に入り米新政権への政策期待などから1米ドル=118円台まで大幅に円安が進みましたが、年明け以降3月にかけては1米ドル=110円台まで買い戻されました。

当社におきましては、大豆・菜種原料相場や為替相場が変動する中、前年同期に比べ第3四半期までは製品原価の低下に働きましたが、第4四半期に入ると製品原価は上昇に転じました。このような状況下、更なるコストダウンや高付加価値商品群の拡販を進め、各事業において収益基盤の強化に努めました。

以上の結果、当期の業績は、売上高1,802億25百万円(前年同期比3.8%減)、営業利益54億68百万円(前年同期比18.0%増)、経常利益58億32百万円(前年同期比8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益32億58百万円(前年同期比9.6%増)となりました。

 

セグメントの営業概況は、次のとおりであります。

 

(製油事業)

油脂部門においては、家庭用油脂の売上高は前年同期をわずかに上回りました。2017年2月より新たなテレビCMを投入した「AJINOMOTOオリーブオイルエクストラバージン」は、2017年2~3月の売上が好調に推移し年間において堅調な売上高となりました。2016年度の新製品「AJINOMOTO健康こめ油」「AJINOMOTO健康アマニブレンド油」を含むプレミアムバラエティの売上高は前年同期を大きく上回りました。業務用油脂の販売数量は伸長しているコンビニエンスストアや量販店惣菜を中心とした中食業種が好調に推移する中、お客様の課題・ニーズに対応した「長調得徳®」シリーズや風味油などの高付加価値商品の拡販に注力したことにより堅調に推移しました。

マーガリン部門においては、家庭用マーガリンでは市場の低迷が続く中、「ラーマ®50周年」記念の消費者キャンペーンや主力品の増量セールを実施し、この春には新商品「ラーマ®ベーシック」を市場へ投入するなどの対応に努めたことにより販売数量は堅調に推移しました。業務用マーガリンでは2016年4月に「グランマスター®」シリーズの一品として「グランマスター®アルフィーユ®」を新発売するなど、「グランマスター®」シリーズなどの高付加価値品を中心としたマーガリン製品類の販売が牽引した結果、売上高は前年同期をやや上回りました。

油糧部門においては、油糧製品の主たる需要先である配混合飼料の生産量は前年同期と同程度となりました。配合飼料における配合率は、大豆ミールが直近では低下していますが、年度累計では配合率、使用量ともに前年同期をやや上回る水準となりました。一方、菜種ミールの配合率は直近では相対的な割安感から回復していますが、年度累計では配合率、使用量とも前年同期を下回りました。当社におきましては、大豆ミールの販売数量は概ね前年同期と同程度でしたが、販売価格は為替相場が前年同期より円高水準で推移した事を受け低下しました。菜種ミールの販売数量は前年同期をわずかに上回りましたが、販売価格は大豆ミール価格の影響から低下しました。この結果、油糧部門全体の売上高は前年同期を下回りました。

以上の結果、当事業の売上高は1,643億22百万円(前年同期比3.6%減)、セグメント利益は78億12百万円(前年同期比15.7%増)となりました。

 

(その他)

スターチ部門においては、コーンスターチの販売数量は工業用途の販売不振により前年同期を下回りましたが、2016年7月からソリューション営業体制を強化したことにより、食品用加工澱粉は機能性素材である畜肉製品向け「ハイトラスト®」、惣菜向け「ネオトラスト®」を中心に販売数量を伸ばしました。スターチ部門全体の売上高は円高による原料低下を受けた製品市況の低下影響を受け前年同期をやや下回りました。

健康食品部門においては、健康食品事業は販売単価の下落により売上高が前年同期をわずかに下回りました。SOYシート事業は中心市場である米国の現地需要が安定しており売上高は前年同期をやや上回りました。ファイン事業は海外の大口顧客によるビタミンK2の在庫調整の影響により売上高は前年同期を下回りました。国内ではビタミンK2の拡販を図るため認知度向上の活動に取り組みました。

ケミカル部門においては、主たる需要家である木材建材産業は新設住宅着工戸数が増加したことから比較的順調に推移しました。一方、石油化学原料は一部の原料が当連結会計年度末に大幅に値上がりしましたが、前年同期と比べると安価に推移しました。このような状況下において、木材建材用接着剤や塗料などの拡販に努め、販売数量を伸ばしましたが、原料の影響を受け製品価格が低下したことから売上高は前年同期を下回りました。なお、当連結会計年度より化成品部門はケミカル部門と名称を変更いたしました。

以上の結果、その他の売上高は159億2百万円(前年同期比5.6%減)、セグメント利益は8億70百万円(前年同期比9.8%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは以下のとおりであります。

科目

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

9,798

6,066

投資活動によるキャッシュ・フロー

△5,320

△10,294

財務活動によるキャッシュ・フロー

△4,249

3,830

現金及び現金同等物の増減額

221

△396

現金及び現金同等物の期末残高

6,027

5,631

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比べ3億96百万円減少し、56億31百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ37億31百万円減少し、60億66百万円のプラスとなりました。この主な要因は、仕入債務の増減額が減少したものの、たな卸資産の増減額の増加等があったことによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ49億73百万円減少し、102億94百万円のマイナスとなりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が増加したことによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ80億80百万円増加し、38億30百万円のプラスとなりました。この主な要因は、短期借入金による調達が増加したことによります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

製油事業

130,886

△6.3

その他

5,415

△14.9

合計

136,302

△6.7

 

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 金額は製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当社グループは受注生産を行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

製油事業

164,322

△3.6

その他

15,902

△5.6

合計

180,225

△3.8

 

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 主な相手先の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

味の素株式会社

49,340

26.3

48,994

27.2

全国農業協同組合連合会

18,240

9.7

16,309

9.0

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

当社グループは、『ステークホルダーの幸せを実現する』ことを基本理念としております。事業を通じて社会に価値を創出することを土台として、事業推進と成長戦略による経営活動の発展で企業価値の向上に取り組み、一方、制度・体制の整備・改善、ステークホルダーとの信頼関係の強化、環境への配慮により、持続的な発展の追及をおこない、ステークホルダーの幸せの実現を目指してまいります。

(2) 会社の経営戦略

当社グループは、平成30年3月期(2017年度)を初年度とする4カ年の第五期中期経営計画を策定致しました。

油を究めて幸せを創る2020
J-オイルミルズは
「あぶら」を究めて、心動かすおいしさを創造する
おいしさデザイン企業へ

当社は、これまで培ってきた知見やノウハウをもとに、「あぶら」が持つ価値・可能性を拡張して、様々な付加価値機能(揚げ物料理の価値、調理価値、健康価値、調味価値)を徹底的に追究し、人々の心を動かすおいしさを創造する、おいしさデザイン企業を目指します。
 当社は、液体・固体・粉体の3つの形態の油脂と食感改良他、様々な機能を有する素材を保有しており、これらを組み合わせておいしさをデザインし、お客様に提供致します。これにより新たな市場を創造し、少子高齢化の進行により縮小する国内市場においても持続的・安定的な成長を実現致します。また、国内で磨いた「あぶら」の価値を基に、アジア市場を中心にお客様の「お役立ち」を実現し、海外事業の展開を加速致します。更には「あぶら」の価値・可能性を拡張することで、高齢化社会における最適な栄養補給、労働人口の減少による人手不足、女性の社会進出拡大に向けた調理時間短縮、不足する食資源といった今後拡大が想定される社会課題の解決に貢献します。
 本中期計画においては、4つの成長戦略と3つの構造改革を事業戦略の基本方針とし、その事業戦略を支えるべく、経営基盤の強化及び企業ビジョンの浸透と組織風土改革を行います。概要は以下の通りとなります。

Ⅰ 成長戦略

① 油脂・育成領域での高付加価値品拡大

② BtoB市場でのソリューション事業強化 ~強みの掛け算~

③ アジアでの海外展開加速 ~国内で磨いた価値を基に~

④ コア事業である汎用油脂製品の収益力強化

Ⅱ 構造改革

① バリューチェーンの効率化・高度化の取り組み推進

② 中長期視点での生産拠点最適化

③ 選択と集中、及び効率化

Ⅲ 経営基盤の強化、企業ビジョン浸透・組織風土改革

① 事業会社在籍の社外取締役増加、及び業績連動型の株式報酬制度の導入によるコーポレートガバナンス強化

② 事業計画の推進に連動したESG経営の推進(社会課題解決、環境、健康、省力化、資源問題に対するアプローチ)

③ 新たな企業ビジョン策定に向け、各事業所で全従業員参加型のワークショップを実施

Ⅳ 財務戦略

① ROEを重視した資本効率性と格付を考慮した財務健全性の最適バランスを取りながら、企業価値向上を追求する

② 本計画期間中は、約700億円のキャッシュイン・アウトを想定

③ 2020年までに約400億円以上の営業キャッシュフロー(配当・資産売却含む)を創出

④ 資金使途としては、事業基盤の整備に向けた設備投資にくわえ、非連続な成長をもたらす新事業に向けた投資資金も確保。株主還元と合わせて約510億円を予定

⑤ 株主還元は配当性向30%以上を維持する

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、第五期中期経営計画(2017~2020年度)において、次の経営数値目標を掲げております。

平成33年3月期(2020年度)

連結売上高

2,150億円以上

連結営業利益

80億円以上

売上高営業利益率

3.5%以上

ROE(株主資本利益率)

5.0%以上

 

(4) 会社をとりまく経営環境と事業上及び財務上の対処すべき課題

製油事業におきましては、経済新興国における穀物需要の増加により原料価格が上昇傾向を示し、長期的には製造コストを圧迫しております。また、直近の米国新政権の政策変化による不安定な為替の状況は、輸入原料価格の急激な変動をもたらしており、経営のかじ取りは更に難しいものが求められる環境となっております。一方、国内市場におきましても、少子高齢化による需要の減少や、長距離輸送トラック運転手の不足による物流コストの上昇、一方では健康意識による一部油脂製品への関心の高まり等々あり、対処すべき課題はより複雑化してきております。当社といたしましては、市況の影響を受けにくい高付加価値品や健康価値を訴求できるオリーブオイルなどの拡販を通じて、こうした課題に対処してまいりました。平成30年3月期(2017年度)におきましては、為替や原料価格の変動が今まで以上に激しくなる傾向にあり厳しい経営環境ではありますが、高付加価値品の販売増、ソリューション事業のさらなる推進に加え、バリューチェーン全体での徹底的なコスト及び費用の見直しにより3期連続の営業増益を目指してまいります。
 また、これらを推進するに際し、コンプライアンス研修の全社的な実施やリスク想定力強化プロジェクトなどにより、コンプライアンスとリスクマネジメントの体制をより一層充実させ、内部統制を強化していきます。
 この様な取組みにより、これからも信頼され、安定的に収益をあげることの出来る企業グループへと変革し、企業価値を向上させることにより、当社のステークホルダーの方々の幸せを実現してまいります。

 

(財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりです。この基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることにより当社の企業価値・株主共同の利益が毀損されることを防止するための取組みとして、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本買収防衛策」といいます。)を導入しております。

(1) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、経営支配権の移転を通じた企業活動の活性化の意義を否定するものではなく、当社株式の大規模買付についての判断は、最終的には当社株主の皆様全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。
 しかしながら、株式の大量取得の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量取得の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えています。
 特に、当社の企業価値の源泉は、主として、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力にあると考えておりますが、かかる当社の企業価値の源泉に対する理解が必要不可欠です。当社株式の大量取得を行う者が、当社グループの財務および事業の内容を理解するのは勿論のこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、それを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
 当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

(2) 基本方針の実現に資する取組み

当社の企業価値の源泉は、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力にあると考えており、具体的には以下の6点を挙げることができます。

(ⅰ) 安全で安心な製品に対する信頼

(ⅱ) 安全な製品を生み出す高度な技術力

(ⅲ) 安定供給による信頼

(ⅳ) 高付加価値・高品質の製品を生み出す研究開発力

(ⅴ) 長年培った販売力

(ⅵ) 従業員

① 中期経営計画

当社は、これら当社の企業価値の源泉を今後も維持・発展させていくことが、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上につながるものと考えており、また中期経営計画を策定することにより、企業価値の発展を図っております。
 平成30年3月期(2017年度)を初年度とする4ヶ年の第五期中期経営計画においては、4つの成長戦略と3つの構造改革を事業戦略の基本方針とし、その事業戦略を支えるべく、経営基盤の強化および企業ビジョンの浸透と組織風土改革を行います。

② コーポレート・ガバナンス

また当社は、企業価値ひいては株主共同の利益の向上のための重要な仕組みとして、従来よりコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいりました。
 当社は経営効率化のために執行役員制度をとり、原則として月に3回開催される経営会議における意思決定に基づき各執行役員が業務を執行しております。業務執行および意思決定のうち重要なものについては、毎月開催される取締役会に付議・報告され、その監督に服するものとしております。
 取締役のうち3名は非常勤の社外取締役(うち独立社外取締役2名)であり、取締役会での審議に当たり、客観的な意見を述べております。
 監査役会は、常勤の監査役1名、常勤の社外監査役1名、非常勤の監査役1名、非常勤の社外監査役1名の4名からなり、各監査役は、毎月開催される取締役会に出席して取締役の意思決定・業務執行を監視・監督しております。また、常勤監査役は経営会議にも出席し、取締役による業務執行を適法性・適正性の観点から監視・監督しております。
 このように当社では、経営上の意思決定および業務執行につき、取締役会および監査役会による監視・監督により、適法かつ適正な業務執行が行われるような仕組みをとっておりますが、今後更にコーポレート・ガバナンスの充実を図り、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させていく所存であります。

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

① 本買収防衛策の目的

本買収防衛策は、当社株式の大量取得行為が行われる場合の当社における手続を定め、このような大量買付に応じるか否かを株主の皆様が適切に判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、買付者等との交渉の機会を確保することにあります。
 これにより、当社の企業価値の源泉である、長年に亘って安全で高品質な商品を安定的に供給してきた実績から得られたお客様の信頼と、それを裏付ける技術力等が害されることを防止し、当社の企業価値および株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。

② 本買収防衛策の概要

本買収防衛策は、有事の際に対抗措置を発動する可能性を事前に予告する事前警告型買収防衛策です。具体的には、次のような内容を有しています。

(ⅰ) 当社が発行者である株券等について20%以上の買付その他の取得等を行うことを希望する買付者等は、あらかじめ買付等の内容の検討に必要な情報を当社に対して提出していただきます。

(ⅱ) 独立委員会は、当社取締役会に対し、上記買付等の内容に対する意見や根拠資料、これに対する代替案(もしあれば)等を提出するよう求めることができます。

※独立委員会は、当社社外取締役、当社社外監査役または社外の有識者(実績ある会社経営者、官庁出身者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは学識経験者またはこれらに準ずる者)で、当社経営陣から独立した者のみから構成されます。

(ⅲ) 独立委員会は、買付者等や当社取締役会から情報を受領した後、必要に応じて外部専門家等の助言を得た上で、買付等の内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討等を行います。

(ⅳ) 買付者等が、本買収防衛策の手続を遵守しない場合や当社の企業価値または株主の皆様の共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、当社取締役会は、独立委員会の判断を経た上、新株予約権の無償割当てを実施するか否かを決定します。

(ⅴ) 上記(ⅱ)乃至(ⅳ)にかかわらず、当社取締役会は、(a)買付者等が本買収防衛策に定める手続を遵守しているとともに、買付等が当社の企業価値または株主共同の利益を毀損することが明白ではない場合で、かつ、(b)新株予約権の無償割当ての実施について株主総会を開催することが実務上可能である場合には、独立委員会における手続の他、株主意思確認株主総会を招集して、当該株主総会において、新株予約権の無償割当てを実施するか否かを決定します。

(ⅵ) 本買収防衛策に基づく対抗措置として、新株予約権を割り当てる場合には、当該新株予約権に、買付者等およびその関係者による権利行使は認められないという行使条件、および当社が買付者等およびその関係者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されることが予定されています。

(ⅶ) 本買収防衛策の有効期間は、平成32年3月期に関する定時株主総会終結の時までとします。

(4) 上記の取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

① 本買収防衛策が基本方針に沿うものであること

本買収防衛策は、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行うことを可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。

② 本買収防衛策が株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと

当社は、次の理由から、本買収防衛策は、当社株主の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

(ⅰ) 経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の要件を完全に充足し、また、東京証券取引所の「有価証券上場規程」に定められる買収防衛策の導入に係る尊重事項を全て充足していること。さらに、本買収防衛策は、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他昨今の買収防衛策に関する議論等を踏まえていること。

(ⅱ) 株主意思を重視するものであること。

(ⅲ) 独立性の高い社外者の判断を重視し、適時適切な情報開示を定めていること。

(ⅳ) 合理的な客観性要件を設定していること。

(ⅴ) 外部専門家の意見を取得することとしていること。

(ⅵ) 当社取締役の任期は1年であること。

(ⅶ) デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)やスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではないこと。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に次のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。

(1) 搾油原料の調達リスク

当社グループの中核事業である製油事業においては、大豆・菜種他の搾油原料をすべて海外から調達しております。中国、インドを始めとした新興国の経済発展や人口増加による植物油需要の増加に加え、バイオ燃料向けの植物油需要、世界的な低金利に伴う投機資金の流入等もあり、穀物価格は依然高い水準にあり、調達環境も厳しい状況が続いております。今後も原料穀物に対する需要が増加し続けますと、製品の安定供給面でのリスクが更に増大する可能性があります。

(2) 原材料・為替相場等の影響

当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物の相場は天候・需給バランス等の要因により大きく変動する事があります。海外からの調達である為、原料代決済において為替相場の影響を受けます。また、海上運賃(フレート)は世界経済や石油価格の影響を受けて変動します。さらに、ミール相場が低下すると、オイルコストの上昇につながります。以上の穀物・為替・海上運賃・ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分を販売価格に転嫁できない場合、収益を圧迫する可能性があります。

(3) 輸入関税

当社グループが主力とする大豆油・菜種油の輸入に対しては関税が課されておりますが、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの「永久離脱」をうたう米国により、今後のEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)やWTO(世界貿易機関)交渉については不透明な状況となっております。このような環境下で何らかの事由により関税が引き下げられた場合には、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。

(4) 中国リスク

中国製油業者による大量の穀物買い付けは、穀物相場の上昇や海上運賃の高騰を引き起こします。さらに中国からの余剰ミ-ルの日本への大量安値流入が増加する可能性があります。大量の購買量・生産能力を有する中国は、当社グループのような国内製油業者にとって、常に潜在的な脅威であります。

(5) 自然災害

大規模な地震等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 感染症の蔓延

新型インフルエンザのような感染症が発生し、世界的大流行(パンデミック)が起こった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 食品安全

当社グループは食品安全を確実に確保するため、原材料調達先から、食品衛生法、JAS法、健康増進法など関連法規に違反しないことを証する書面による保証を入手するとともに自社でも確認しています。また、輸入原材料に対するトレ-サビリティの確保など、万全の体制で臨んでおります。
 しかし、想定されていない社会全般にわたる安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) ミール製品の需要低下を及ぼす要因

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に関しては前述のとおりの状況となっておりますが、今後何らかの事由により、畜産物や乳製品に対する関税が引き下げられた場合には、海外からの安価な製品の流入によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受け、配合飼料に使われる大豆ミール・菜種ミールの販売量が減少する可能性があります。
 米国におけるエタノール蒸留粕(DDGS)は、配合飼料用途でとうもろこし、大豆ミールと競合しており、日本への輸入は増加傾向にあり、将来的には大量輸入される可能性もあります。
 口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病については、主な需要家の家畜飼養頭数への影響により、大豆ミール、菜種ミールの販売量が減少するリスクがあります。

(9) 国内人口の少子高齢化

日本国内においては依然として少子高齢化が進んでおります。このまま少子高齢化が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売量が減少するリスクがあります。この影響を最小限に抑えるべく、高齢者層の人口増加による健康志向の高まり等の需要の変化に対して新商品開発などの対策を講じてまいります。

(10) 法的規制

当社グループは、前述した食品衛生法、JAS法等以外に環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制を受けております。当社グループはCSR経営の推進を経営方針とし、法規の遵守に務めて運営しておりますが、予測し得ない法的規制の変更や追加により、事業上の制約などにつながる事で当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 味の素株式会社との間で、業務提携に関する基本契約を平成16年7月1日付で締結し、同社のブランド使用、同社の一部販売ルートの利用、同社からの出向者受け入れ等の食用油脂事業に関する提携関係を築いております。

※1 味の素株式会社は、当社議決権の27.28%を保有する大株主であります。

※2 味の素株式会社とのブランド使用の契約について
 平成26年7月1日から平成31年6月末日まで(以後5年毎の自動更新)

(2) 不二製油株式会社との間で、業務提携および株式相互保有に関する基本契約を平成19年9月7日付で締結し、原料・資材の効率的調達、中間原料油の相互供給、相互の生産設備の有効活用による生産の効率化、物流業務の効率化、その他相互にメリットのある取組み、および相手方株式の相互保有等の提携関係を築いております。

また、不二製油株式会社の子会社である FUJI OIL(THAILAND)CO.,LTD.(タイ)に対して、平成23年6月2日付で10%の出資を行いました。同社が生産する油脂製品の内外市場での活用、同社設備の有効活用等を通じて、不二製油株式会社との関係強化を深め、双方の競争力強化に努めてまいります。

(3) 辻製油株式会社との間で、業務提携および株式相互保有に関する基本契約を平成21年11月30日付で締結し、原料・資材の効率的調達、相互の生産設備の有効活用による生産の効率化、物流業務の効率化、相互の機能性食品素材の有効活用、その他相互に企業力の強化が見込まれると判断した分野での取組み、および相手方株式の相互保有等の提携関係を築いております。

(4) 山東龍大植物油有限公司(中国)との間で、技術供与契約を平成23年3月10日付で締結し、当社が長年日本市場で培ってきた植物油の開発・製造の技術・ノウハウを供与し、同社の中国市場向けでの商品開発・製造をサポートしております。

※技術供与契約の有効期間は、契約締結日から7年間であります。

(5) インド国内における食用油脂の製造・販売の最大手企業であるRuchi Soya Industries Limitedおよび豊田通商株式会社との間で、合弁事業契約を平成25年6月5日付で締結し、共同で高付加価値植物油脂の製造・マーケティングを目的とする合弁会社Ruchi J-Oil Private Limitedを設立いたしました。当社の持つ製造ノウハウを同社に提供し、インドの業務用・家庭用市場に展開して参ります。

(6) Toyota Tsusho (Thailand) Co., Ltd.との間で、合弁事業契約を平成26年3月26日付で締結し、共同でタイでの高付加価値でん粉の販売・商品開発、油脂製品販売を目的とする合弁会社J-OILMILLS (THAILAND) Co., Ltd.を設立いたしました。現地市場ニーズにマッチした高付加価値型でん粉の開発と、タイ及びアジア域内を中心に販売することを目的としております。また、安定的に成長を続けるタイの油脂市場では、今後高付加価値型の油脂需要が高まることが予想されることから、油脂事業の展開も検討していくことを予定しております。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、当社および㈱J-ケミカルで行っております。

当社では、各関連事業に関係する基盤研究を行う「基盤研究所」、事業全領域の商品開発を行う「商品開発研究所」、中食・外食領域やベーカリー領域に対しての市場開発を行う「ソリューション・センター」と「テクニカル・アドバイザリー・センター」を設置し、相互に連携をしながら研究開発活動を進めております。

基盤研究所は、当社各関連事業領域の中長期の基盤技術開発および今後取り組むべき新領域において、新規素材の機能探索や用途開発、新技術の開発を行っております。さらに、健康機能研究、おいしさ評価技術、構造解析・分析技術の高度化により、商品開発力の向上も目指しております。

商品開発研究所は、油脂商品、マーガリン・ショートニング・粉末油脂、油糧(ミール)、飼料、蛋白食品、スターチ、ファイン製品、レクチンを活用した診断薬などの当社事業全領域での商品開発を担っております。

①家庭用及び業務用の油脂商品の開発においては、一般消費者やプロの需要家の皆様のニーズにお応えできる調理機能と環境に配慮して、食品の「おいしい♪」を引き出す商品開発を行っております。

②家庭用及び業務用のマーガリンや業務用のショートニング、粉末油脂の開発においては、油脂加工技術を活用して、一般消費者やプロの需要家の皆様のニーズにお応えしております。

③油糧(ミール)の開発においては、搾油処理により得られるミールの高度利用に関する研究開発を行っております。良質な蛋白源や脂質源として、配合飼料や蛋白食品、醸造原料、発酵原料など、幅広い分野の皆様にご利用いただけるよう開発に取組んでおります。

④スターチの開発においては、当社独自の加工技術で、スナック菓子や麺、パン、水練り製品、畜肉製品など幅広い食品に利用される機能性澱粉の商品開発を行っております。

⑤ファイン製品の開発においては、天然素材に微量に含まれる生理活性物質や機能性素材を、食品に利用しやすいよう精製・加工し、機能性を付与した高付加価値型の素材商品として開発、提供しております。

⑥新しい事業領域として、がんを始めとする様々な疾病によって変化する「糖鎖」に特異的に結合する「レクチン」を活用し、疾病に関する基礎研究や診断法開発等に応用していただけるような技術や商品の開発を行っております。

㈱J-ケミカルは、住宅建材用を中心とする合成樹脂接着剤の技術改良、および新規機能性樹脂の研究開発を行っております。

なお、研究開発費の総額は、14億47百万円であります。

 

セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

(製油事業)

家庭用油脂分野では、「AJINOMOTO オリーブオイル エクストラバージン」の上位品として、更に鮮度と風味にこだわった新商品「AJINOMOTO オリーブオイル エクストラバージン FRUTIA®PREMIUM(フルーティア プレミアム)」を開発し新発売いたしました。オリーブ油の素晴らしさを生活者にお伝えすると共に品質向上にも努め、研究開発を通じて市場の活性化にも貢献して参ります。また、プロの料理人に長年親しまれてきた大豆油を100%使用し家庭用商品として「AJINOMOTO コクとうまみの大豆の油」600gUDエコペットと1,000gエコボトルを新発売いたしました。更に既存商品の育成として、「AJINOMOTO 健康 アマニブレンド油」600gUDエコペットについては、生活者ベネフィットとして上位にある“加熱調理にも安心して使える”という特徴をより明確にお伝えするため、パッケージデザインを変更し商品リニューアルを致しました。生活者における油の価値を拡大し、豊かな食生活に貢献できるように研究開発を進めてまいります。

業務用油脂分野では、家庭用でご愛顧頂いている「AJINOMOTO オリーブオイル エクストラバージン」「AJINOMOTO オリーブオイル」の2品を業務用向けに展開し、鮮度にこだわった「フレッシュキープ」技術によって生活者に慣れ親しんだ風味をそのまま変わらずにお届けできる生産体制の確立に向けてのサポートを行いました。また、フライ油を始め幅広い商品群を取り揃えており、基礎検討から生産に至るまでの検討を行い、お客様のご期待に応えるべく商品改良・開発に取り組みました。

加工油脂分野では、家庭用ファットスプレッド「ラーマ®ベーシック」を発売いたしました。業務用マーガリンは、スイス産バターを配合した乳等を主原料とする商品「グランマスター®アルフィーユ®」を発売いたしました。

粉末油脂分野では、安定生産へのサポートを通じて、その条件整備を更に進展させ、品質向上に伴う製品歩留りを格段に向上させることで収益に貢献いたしました。

油糧蛋白分野では、業務用大豆粉商品の用途として、グルテンフリーや低糖質食品の素材化に向けた技術サポートに努めました。また、飼料用途として牛の胃で牧草などの繊維を分解して有機酸を産生する効果を高めることに大豆、菜種のレシチンが有効であることを見出し、その成果を畜産学会で発表いたしました。

なお、当事業の研究開発費の金額は、9億73百万円であります。

 

(その他)

食品素材スターチ分野では、お客様の様々な課題解決に対してより丁寧にお応えできるよう、バッター用途で結着性に優れた「油脂加工でん粉シリーズ」、畜肉ピックル用途の「ハイトラスト®シリーズ」、コーンスターチを弊社独自の方法で粒状に加工した「ネオトラスト®シリーズ」等について、食感改善及び素材代替視点での用途開発に注力し幅広い採用に繋げました。

食品素材ファイン分野では、骨粗鬆症防止効果で知られるビタミンK2の健康機能について、カルシウムやビタミンDとの併用効果を中心に、様々な学会や食品展示会での紹介活動を通じてその認知度向上に努めました。

生化学分野では、レクチンを活用した膵臓がん診断薬の製造販売承認に向けて対応しましたが、承認取得には更なる検討を要し当初の想定を超える開発期間が必要との認識に至り、製造販売承認申請を取下げました。今後は国内外の診断薬メーカーとの共同開発に基づく当社独自の診断薬原料販売への事業方針に基づき開発対応して参ります。

ケミカル分野では、木材用接着剤や木材表面処理剤、針葉樹塗装型枠合板用塗料等、木質材料用合成樹脂の他、無機建材用バインダー、紙・包装用ホットメルト接着剤等、多岐にわたる合成樹脂の技術開発を進めています。また、独自に開発した水溶性銀系抗菌剤は、新規用途開拓に向けて更なる技術改良に取組んでいます。

なお、当事業の研究開発費の金額は、4億73百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを用いることが必要となりますが、これらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 詳細につきましては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は1,802億25百万円(前年同期比3.8%減)となりました。売上高が減少した主な要因は、油糧部門における為替相場の円高を受けた大豆ミール販売価格の下降と、その影響を受けた菜種ミールの販売価格の下降によるものです。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における売上原価は1,474億43百万円(前年同期比6.6%減)となりました。また、販売費及び一般管理費は273億13百万円(前年同期比10.3%増)となっております。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は54億68百万円(前年同期比18.0%増)となりました。営業利益が増加した主な要因は、油脂部門の原価が低下したことや高付加価値品の拡販、コストダウンの実施等によるものです。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は58億32百万円(前年同期比8.9%増)となりました。経常利益が増加した主な要因は、営業利益の増加によるものです。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は32億58百万円(前年同期比9.6%増)となりました。この増加の主な要因は、経常利益の増加と投資有価証券売却益の増加によるものです。

 

(3) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は821億8百万円で、前連結会計年度末に比べ29億74百万円増加いたしました。主な増加は、たな卸資産(合計)が29億31百万円、仮払金の増加等により「その他」が7億19百万円
であります。主な減少は、現金及び預金が3億96百万円、受取手形及び売掛金が3億17百万円であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は828億14百万円で、前連結会計年度末に比べ83億20百万円増加いたしました。主な増加は、有形固定資産が61億15百万円、投資有価証券が18億40百万円、退職給付に係る資産が2億7百万円であります。

(繰延資産)

当連結会計年度末における繰延資産の残高は2百万円であります。社債発行費の償却により、前連結会計年度末に比べ12百万円減少しております。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は609億22百万円で、前連結会計年度末に比べ181億72百万円増加いたしました。主な増加は、借入金合計が61億円、1年内償還予定の社債が120億円、未払金の増加等により「その他」が7億91百万円であります。主な減少は、支払手形及び買掛金が8億66百万円であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は204億70百万円で、前連結会計年度末に比べ106億10百万円減少いたしました。主な増加は、リース債務が14億85百万円、繰延税金負債が6億30百万円であります。主な減少は、社債が120億円、長期借入金が6億円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は835億31百万円で、前連結会計年度末に比べ37億20百万円増加しております。主な増加は、利益剰余金が17億58百万円、その他有価証券評価差額金が13億76百万円、繰延ヘッジ損益が2億50百万円、退職給付に係る調整累計額が3億42百万円であります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(キャッシュ・フローの分析)

キャッシュ・フローの状況の分析は、1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況に記載しております。

なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。

 

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率(%)

47.5

47.4

50.7

51.9

50.6

時価ベースの自己資本比率(%)

32.1

29.3

44.3

37.2

42.4

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

8.2

3.2

5.0

3.3

6.4

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

22.4

60.1

43.0

64.4

46.6

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

(資金の調達方法)

主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債発行等により調達しております。

(資金の流動性)

当社グループは、現金及び現金同等物に加え、各社における余剰資金を一元管理することによって資金の効率化と金融費用の極小化を図っております。また当座貸越枠、コミットメントライン契約の締結により資金調達の十分な流動性を確保し、より柔軟性の高い機動的な調達手段を備えております。