第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、私たちの目指すべき未来、私たちの使命、私たちの価値/存在意義をあらわした、新たな企業理念体系を制定いたしました。同時に、コミュニケーションブランド「JOYL」を導入し、新企業理念体系を元にした企業活動およびすべてのステークホルダーの皆様とのコミュニケーションで「JOYL」を活用し、「JOYL」を受け皿として、生まれた価値を蓄積、資産化していきます。

新たなコミュニケーションブランドのもと、「Joy for Life® -食で未来によろこびを-」のビジョン実現に向け、ステークホルダーの皆さまや社会、環境の「Joy」をおいしさデザイン®で創出し、社会課題の解決に貢献してまいります。

 

新企業理念体系とコミュニケーションブランド

 

 


 

(2) 経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新型コロナウイルスの収束が依然として不透明な中、世界的な食糧需要の増加や気候変動などにより、海外からの原料や購入油の調達価格が大幅に上昇する一方、急激な為替変動やエネルギーコストの上昇など、当社を取り巻く事業環境は大きく変貌しています。

このような環境下、当社は人々の生活に欠かせない生活必需品の食品を扱う企業として、従業員の安全と安心を確保し、アフターコロナにおける新しい生活様式や消費者トレンドを捉えながら、安定供給と消費者のニーズに合う製品の開発に努めています。

当社グループの対処すべき課題としましては、油脂原料価格の高騰、エネルギーコストの上昇、為替変動、地球温暖化、また、国内市場における少子高齢化による需要減少に加え、消費者ニーズの多様化などを認識しております。

 

第20期(2021年度)は、以下の通り、汎用油の収益力改善や高付加価値化などを中心に成長戦略、構造改革、経営基盤の強化策を推進しました。

 

<成長戦略>

製品力強化とコミュニケーション強化の施策を通じ、高付加価値品の拡販を図りました。油脂事業において、家庭用油脂では、環境負荷の低減やお客様の使いやすさを意識した「スマートグリーンパック®」(紙パック製品)を上市するとともに、業務用油脂では、得意先のコスト負担軽減に貢献するべく、長く使える油「長徳®」シリーズの提案を強化しました。

また、スペシャリティフード事業においては、「Violifeブランド」商品を上市し、プラントベースチーズ市場への新規参入を図りました。業務用スターチ製品では、新ブランド「TXdeSIGN® (テクスデザイン) 」シリーズを立ち上げ、拡販に取り組むとともに、DX推進によりマーケティングプラットフォーム「TXdeSIGN Lab.(テクスデザイン ラボ)」を構築し、既存顧客ならびに新規顧客とのコミュニケーションの強化を図りました。

足元の原料価格への対応を喫緊の課題としつつ、引き続き高付加価値品の開発および拡販に努め、成長領域への拡充を図ってまいります。

 

<構造改革>

持続的成長を確実なものとするため、ケミカル事業を譲渡、バリューチェーン&業務プロセス改革の一環としての油脂生産体制の再構築、資産効率改善として遊休資産や投資有価証券等の処分、さらに販売品目の統廃合などに取り組みました。日清オイリオグループ株式会社との業務提携を通じて、搾油事業の国際競争力の強化、産業の発展および食品の安定供給を通じた社会貢献ならびに中長期的な企業価値向上を図ってまいります。

 

<経営基盤強化>

当社の取締役会は様々な経験を有する取締役を配し、独立社外取締役が全体の1/3を占めていますが、取締役会の監督機能を強化するばかりではなく、執行機能とのコミュニケーションを活発化しています。また、2021年度はサステナビリティに資する施策として、生産拠点を中心とするCO2削減の取組み、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を図るとともに、基幹システム再構築を通じた業務プロセス改善、事業リスクに応じたグループガバナンスの整備など各種施策に取り組みました。

当社グループはこれまで培った資産と独自の強みを活かし、SDGs(国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた持続可能な開発目標)で挙げられている様々な課題に対して、事業を通じて解決に貢献し、さらには新たな価値を提供することで当社グループも成長を目指すCSV(共通価値の創造)経営を推進します。同時にESG(環境、社会、企業統治)に配慮した経営を同時に進めてまいります。

 

(3) 第六期中期経営計画の見直し

当社グループは、2021年5月20日に、2025年3月期を最終年度とする第六期中期経営計画「Transforming for Growth」を発表し、各戦略目標達成に向けて取り組んでまいりましたが、策定当初と比べて事業環境が大きく変化しました。

バイオディーゼル向けなど世界的な食用油需要の増大や主な生産国の天候不順、新型コロナウイルス禍に端を発する人手不足による減産といった複数の要因を受けた需給のひっ迫に加え、世界情勢が大きく変化したことで穀物や油脂原料の供給見通しが悪化したことから大豆、菜種、パーム油をはじめとする原料相場は総じて高騰しております。

加えて、原油相場高騰によるエネルギーコストや物流費の上昇、為替相場の円安進行も重なり、食用油脂全般に及ぶ調達コストは当面は先行き不透明な状況が続くと見込まれています。

以上の環境変化を踏まえ、当社は第六期中期経営計画策定時に前提としていた事業環境から大きく変化したことを受け、同計画を見直すこととした上で、足元の原料価格高騰への対応と収益構造改革の早期実現を喫緊の課題として、スピード感を持って取り組んでいく所存です。

 

 

(4) サステナビリティ

当社グループは、企業理念体系「Joy for Life® -食で未来によろこびを-」を目指すべき未来として掲げ、植物の恵みを活用した新たな価値の提供により社会課題の解決を目指し、サステナブルな社会の実現に貢献する取り組みを進めています。2021年4月に策定した本企業理念体系において、「おいしさ」「健康」という食品会社としての根源的な役割と責任に加え、自然の恵みを活かした製品をお客様へ届ける当社にとってサステナビリティの追求は重要な要素であるため、「低負荷」というキーワードにその想いを込めました。また、本企業理念体系の策定にあわせ、2030年までの目指すべき姿を定め、「環境負荷の抑制」「食資源の維持」「食を通じた人の健康への貢献」「事業継続基盤」の4つのマテリアリティを起点とし、気候変動、サステナブル調達、ダイバーシティ推進、サステナブル商品開発をテーマに目標を設定し、取り組んでいます。お客様や当社グループを取り巻く環境は近年大きく変化しており、「食」を支える企業として外部環境を適切に捉え、これらの課題や環境変化にスピード感をもって対処し、安全・安心な製品を安定的に供給する責任を果たしてまいります。

企業理念体系の詳細は当社ウェブサイトに掲載しています。

・企業理念体系 https://www.j-oil.com/corporate/philosophy.html

 

《サステナビリティ推進体制》

 


2020年度からサステナビリティを全社的に推進する基盤として、取締役を委員長とする「サステナビリティ委員会」を運営しています。本委員会は、四半期に1回、気候変動を含むサステナビリティ施策の立案、活動、進捗等を経営会議、取締役会へ報告しています。2022年2月からは、サプライチェーン全体での気候変動対策を最重要事項と位置付け、本委員会の下部組織である「環境部会」と「サステナブル調達部会」を統合しました。調達から生産、物流、販売まで全社横断的に環境負荷の低減やサステナビリティの課題を共有し、課題解決に取り組むため、「サステナブル調達・環境部会」として体制強化を図り、サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減に取り組みます。

 

また、全社横断的な取り組みだけでなく、各事業においても、サステナビリティに配慮した活動を推進しています。設備投資やサステナブルな商品開発の上市にあたっては、各事業部門から取締役会へ報告を行い、全ての事業活動において気候変動対策の推進を含むサステナビリティを追求する体制を整備しています。

 

(5) 気候変動への取り組みとTCFDへの対応状況

① TCFDへの対応

当社は、2020年11月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムに参画しています。社内横断的なプロジェクトチームを設置し、TCFD提言が推奨する開示項目に沿った情報開示を進めています。

TCFD提言への対応の詳細は当社ウェブサイトに掲載しています。

https://www.j-oil.com/sustainability/environment/climate_change/tcfd.html

ガバナンス、サステナビリティ推進体制

サステナビリティ委員会は脱炭素への対応を含む環境負荷の低減やサステナビリティの課題に取り組んでいます。サステナビリティ委員会において、取締役をプロジェクトオーナーとした社内横断的なTCFDプロジェクトを発足し、TCFD提言に基づく情報開示を推進しています。上述のサステナビリティ推進体制のもと、調達から生産、物流、販売まで全社横断的な環境負荷の低減への具体的な取り組みは、サステナビリティ委員会の下部組織である「サステナブル調達・環境部会」を中心に取り組んでいます。

 

 

③ 特定した気候変動によるリスクと機会

<前提条件>

気候変動は事業の継続性を鑑みても非常に重要な経営リスクとしてとらえており、2℃未満および4℃シナリオについてリスクと機会の分析を行いました。また、気候変動のみならず、温暖化が進むことにより、台風被害の甚大化などもリスク要因としてとらえています。

2℃未満および4℃シナリオとは、地球温暖化の対応策に関する科学的な根拠を与え、国際交渉に影響力があるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告で、産業革命前から21世紀末までに、どれくらい平均気温が上昇するかについて予測提示されているものです。最も気温上昇の低いシナリオ(SSP1-1.9シナリオ)で、おおよそ1.4℃前後の上昇、最も気温上昇が高くなるシナリオ(SSP5-8.5シナリオ)で4.4℃前後の上昇が予測されています。

対象期間

現在~2050年

対象範囲

J-オイルミルズグループの全事業

 

 

<気候変動によるリスク>

影響度:

大:業績への影響が大きくなりうるもの(100億円以上)

 

中:業績への影響が大きくなりうるもの(10億円以上100億円未満)

 

小:業績への影響が小さいもの(10億円未満)

緊急度:

高:1年以内 中:5年以内 低:5年超

 

*PBF: プラントベースフード(植物由来食品)

シナ

リオ

項目

分類

主な

リスク

リスクの説明

影響度

緊急度

既存の取組み

対応の方向性(目標)

2℃/1.5℃

 

CO2排出規制強化による生産コスト増加

CO2排出規制の強化により、炭素税や排出量取引費用負担が増加するリスク

気候変動対策の進展・エネルギーミックスの変化に伴う電気代、燃料価格の上昇による支出の増加

エネルギー使用量の削減(工程最適化、省エネ、高効率設備導入など)

CO2排出量削減目標:2030年度50%削減(2013年度対比)、2050年カーボンニュートラル達成(Scope1,2)上記目標の達成に向け、工場においては更なる省エネと省エネ設備への切り替え、再生可能エネルギーの積極的な利用

 

 

再生可能エネルギーに対応する設備投資などの生産関連コストおよび物流関連コストなどが増加するリスク

再生可能エネルギーの活用(バイオマス燃料の利用など)

 

 

サステナビリティ重視に変化する消費者ニーズへの対応不足

サステナビリティ重視の消費者ニーズへの対応や製品需要対応の遅れによる売上減少

 

 

 

長持ち油、PBF*等の低負荷製品の開発・販売

 

「容器包装に関する指針」に基づき、紙パック容器の採用などによるプラスチック削減、植物性プラスチック採用などバイオマス材利用の取り組みを強化

 

環境に配慮した原料調達、原料のトレーサビリティ向上

Scope3での削減は、排出量が多いカテゴリ1および4について削減方法の検討開始
削減に向けた以下の取り組みを実施

更なる長持ち油など環境負荷を低減する製品、サービスの開発継続

プラスチック廃棄削減目標:2030年度までにプラスチック廃棄ゼロ化

再生可能資源である紙やバイオマス材等の利用促進

大豆やパーム油の認証制度の活用と自社ルートでのサステナブル調達の推進

環境対応不足による評判低下

 

気候変動対策の情報開示が不十分なことによる、企業価値や株価低下、融資停滞、資金調達困難となるリスク

省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用などの目標設定と適的な進捗管理と開示

持続可能な原料調達、バリューチェーンでのAI 活用などによる環境負荷の極小化

各種取り組みの更なる推進と情報開示

 

 

シナ

リオ

項目

分類

主な

リスク

リスクの説明

影響度

緊急度

既存の取組み

対応の方向性(目標)

4℃

 

自然災害増加による操業停止、物流網の寸断

自然災害(海水面上昇に伴う高潮、台風、洪水被害等)増加により自社工場およびサプライヤーが操業停止になることによる売上減少

 

物流網の寸断により自社工場が操業停止になることによる売上減少

 

倉庫が被災し、欠品が発生することによる売上減少

 

自然災害による工場資産の破損、流出による復旧コスト増加
 
 

BCPの対応

・当社グループでのリスクマネジメントプロセスの中で、サプライチェーン全体のBCPを策定

・原材料供給の遅延や停止などに備えた適正在庫の確保と管理、重要原材料の複数購買などの施策を推進

 

生産拠点の台風・高潮対策の実施

・水害リスクを国交省のハザードマップ、およびWRIのWater Aqueductを使用し再評価

・リスクがある拠点の主要設備の嵩上げや2階への設置などを実施

生産主要拠点の水害リスク評価を定期的に実施

 

その他、レジリエンス強化に向けたBCP対策
 

気温上昇や異常気象による収穫量減少や品質変化等による原料の安定確保困難

主要原料の耕地面積の減少による調達コスト増加

 

主要原料の収穫量減少や原料品質の低下への対応コスト増加

 

穀物相場上昇などによる調達コスト増加 

 *主要原料:大豆、菜種
 

主要原料原産地の継続的な視察

 

製品規格最適化

新規品種、新規サプライヤーおよびサプライチェーンの検討

 

原産地の多角化、高温耐性等の気候変動に対応した種苗の導入

 

気象変動が原料品質に与える影響調査など考慮した原料品質に応じた搾油技術の開発

 

 

<気候変動による機会>

シナ

リオ

分類

主な機会

機会の説明

影響度

緊急度

既存の取組み

対応の方向性(目標)

2℃/1.5℃

生産・物流関連のコスト低減

 

 

省エネ設備への更新や生産工程・拠点最適化による設備稼働コストを低減

モーダルシフトや新技術など効率配送による物流費の削減

搾油機能の最適化に向けた検討開始

 

モーダルシフト等の推進(「エコシップマーク」認定取得)や長距離「スルー配送」見直し

国内搾油機能の長期的な安定化に向けた拠点最適化

 

配送規格統一に向けた検討や最適航路によるCO2排出・コスト削減

 

再エネ設備の導入

 

バイオマス燃料への切り替え推進と燃料調達先の確保
 

|

再生可能エネルギーの導入によるCO2削減およびコスト削減

再生可能エネルギー(太陽光パネル、バイオマスボイラー)の導入推進による炭素税負担額の削減

生産拠点でのオンサイト発電導入

 

生産拠点での省エネ設備導入

環境意識・エシカル消費の高まり(食料危機への対応)

低炭素商品・サービス・ソリューションの売上拡大

環境意識の高まり、エシカル消費の増加、たんぱく質危機等によりPBF*製品の需要増加による売上拡大

長持ち油の開発

 

PBF*製品の販売

更なる長持ち油や紙パック容器製品など環境負荷を低減する製品、サービスの開発継続

PBF*製品によりたんぱく質危機や食の安定供給に貢献

テクスチャー素材による、経時劣化の抑制、食感維持によるフードロス削減

社会からのサステナビリティ要求を満たす最適な事業ポートフォリオを実現することで信頼獲得

省エネ、再生可能エネルギー活用推進によりサステナビリティに適合する最適な事業ポートフォリオの構築が可能となり、社会の信頼を獲得し、売上拡大・株価向上

第六期中計にて事業ポートフォリオを変革し、環境負荷低減、社会課題解決型の製品・サービスを拡大

社会課題の解決につながる製品のさらなる拡大

 

サステナビリティ情報の開示拡充

BCP対策強化
 

気候変動による自然災害の激甚化等に備えた安定供給体制を確保し、食品の安定供給を通じた社会貢献、企業価値の向上

BCPの対応

・当社グループでのリスクマネジメントプロセスの中で、サプライチェーン全体のBCPを策定

・原材料供給の遅延や停止などに備えた適正在庫の確保と管理、重要原材料の複数購買などの施策を推進

生産主要拠点の水害リスク評価を定期的に実施

 

その他、レジリエンス強化に向けたBCP対策

 

 

<リスクの管理>

当社グループでは、代表取締役社長執行役員を委員長とする経営リスク委員会を設置し、年2回、取締役会、経営会議への報告を行っています。経営リスク委員会では、気候変動を含む全社の重要リスクについて短・中期視点で管理し、防止と回避に努めています。事業が気候変動によって受けるリスクと機会については、サステナビリティ推進体制のもと、サステナビリティ委員会とTCFDプロジェクトチームで、中・長期の視点で管理しています。2021年度は、現存する文献など公開情報を情報源としてシナリオ分析を行い、特定したリスクと機会の財務影響度評価を実施し、その対応策を検討しました。議論された内容は四半期に1回、取締役会、経営会議へ報告を行い、適宜必要な指示あるいは助言を受け、モニタリングを実施しています。

今後も継続的に分析範囲の拡大と深堀りを行い、リスクの最小化と機会の最大化を図り、レジリエンスの強化に取り組みます。

また、当社は2021年にマテリアリティの見直しを行い、「気候変動の緩和と適応」を優先課題の一つとして特定しました。マテリアリティ特定のプロセス・相対的重要性の判断については、以下をご参照ください。

https://www.j-oil.com/sustainability/materiality/process.html

 

<指標と目標>

2030年度までにCO2排出量を2013年度対比で50%削減(Scope1、2)、2050年度までに排出ゼロにするカーボンニュートラルを掲げています。また、購入する原材料や商品の製造に関するCO2排出量など、サプライヤ―と連携し、サプライチェーン全体(Scope3)での削減も目指します。Scope3については、排出量の多いカテゴリ1やカテゴリ4について算定精度の向上を図り、削減方法を検討してまいります。

ICP(インターナルカーボンプライシング)制度の導入については、情報収集を行い、ICP制度を活用した環境投資の推進に向けて検討を行っています。

 

2 【事業等のリスク】

(1) 当社グループのリスクマネジメント体制

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、リスクマネジメントの基本方針及び管理体制を「経営リスク委員会規程」において定め、これに基づき、代表取締役社長執行役員を委員長とする経営リスク委員会の指揮監督の下、当社を取り巻くリスクを適切に管理し、防止と回避に努めております。

 

(2) リスクマネジメントプロセス

当社グループの事業活動に関する事業等のリスクについては、執行役員の職務分掌に基づいて各執行役員がリスクの特定・分析・評価からリスク対応、モニタリングを実施し、経営リスク委員会およびその傘下であるリスクマネジメント部会・コンプライアンス部会が支援をしております。また、期中に発生したクライシス(リスクが顕在化したもの)については経営リスク委員会に情報を集約し、迅速な対応を図るとともに是正措置を展開し全社的な再発防止を行う体制を整えております。

 


 

(3) リスクテーマとそれに対する影響と対応

分類

テーマ

戦略リスク

油脂・ミール製品の需要低下に対するリスク

海外進出に潜在するリスク

財務リスク

原材料調達・為替相場等に関するリスク

のれんや固定資産の減損損失に関するリスク

ハザードリスク

感染症の蔓延リスク

自然災害に関するリスク

オペレーショナルリスク

環境に関するリスク

人権に関するリスク

サステナブル課題に関するリスク

情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク

食品安全に関するリスク

人的資本の確保・育成に関するリスク

コンプライアンスに関するリスク

 

 

《油脂・ミール製品の需要低下に対するリスク》

○関税引き下げによる海外からの安価な製品の流入

○少子高齢化の継続による市場縮小に伴う製品需要の減少

油脂やミール製品の価格上昇に伴う需要の減少

 

(影響)

当社グループが主力とする大豆油・菜種油は、輸入に対して関税が課されておりますが、TPP協定締結国のカナダと日豪EPAによる豪州からの菜種油、日米貿易協定が発効した米国からの大豆油に対する関税は、段階的に引き下げられており、海外からの安価な原油・油脂製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内での製造と販売量が減少するリスクがあります。

(対応)

当社グループはこの影響を最小限に抑えるべく、成長している中食やコンビニエンスストア向けの長持ち油や調味・調理機能油などの高付加価値品の開発や、従来から持っている素材であるスターチ、マーガリン、粉末油脂等の組み合わせによる食感改良など、当社独自の提案をさらに進めてまいります。また、業務提携などを通じて、国際競争力を高めてまいります。

 

《海外進出に潜在するリスク》

○海外進出に潜在する、予期せぬ法律・規制・税制の改正

○予期せぬ紛争・テロなどの政治的・社会的リスク

 

(影響)

当社グループは海外事業の拡大を重点課題として取り組んでおります。予期せぬ法律・規制・税制の改正、また、紛争・テロなどの政治的・社会的リスクや自然災害の発生により、当社グループの業績及び財政状態、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループはこの影響を最小限に抑え、問題が発生した場合には迅速に対策が取れるよう、海外のリスク情報を外部コンサルタント、海外情報サービス、外務省の海外安全ホームページや進出しているグループ企業から入手し、必要な対応を行ってまいります。

 

《原材料調達・為替相場等に関するリスク》

○主要原料の品質変化、相場変動による調達コスト増加

○為替・海上運賃などの相場変動による調達コスト増加

○地政学リスク(ウクライナ情勢等)による調達不能リスク、および調達コスト増加

○バイオ燃料需要増加による調達コストの増加

○政策変更リスク(インドネシアによるパーム油輸出禁止)による調達コストの増加

〇上記調達コスト増加を販売価格へ反映できないリスク

 

(影響)

当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物・油糧種子相場は、世界人口の増加による需要の増加や異常気象による減産などの需給バランスの変化等により大きく変動しています。また、海上運賃(フレート)は世界経済の成長や石油価格の影響を受けて変動します。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。さらに、ミール相場が下落すると、オイルコストの上昇につながります。提出日時点において、大豆や菜種、パーム油などの原料コストは過去に類をみない急激かつ大幅な上昇により事業環境は厳しさを増しております。これらの穀物・油糧種子、為替、海上運賃、ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分や価格が高い時点で調達した原料在庫を販売価格に反映できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達においては、安全性や品質の確保だけでなく、環境保全や労働者の人権問題などサステナビリティの問題に積極的に取り組むことも求められており、これらの課題に対応できないとみなされた場合、企業価値を損なう可能性があります。

 

(対応)

当社グループは海外からの原料や油脂の調達に当たり、原料・為替に関わる環境を精査の上、競争優位な産地の選定・最適な組み合わせに努めています。値決めについては先物原料相場のプライシングと為替予約等により一定のヘッジを行うと同時に、原料購買規程、外国為替予約運用規程の範囲内で、製品の販売価格の確度を見極めながら競争優位と思われるポジションを取っております。また新規の原料産地とサプライヤーの調査・採用も継続的に行っています。一方で、国内搾油産業の長期的な課題についての共有認識のもと、油脂と油粕の安定的な供給を継続的に行うために、日清オイリオグループ株式会社と川上領域である搾油工程(原料と油粕の受委託製造とスワップ)までを範囲とした業務提携基本契約を締結し、その取り組みを着実に実行しております。また、提出日時点において、原料相場高騰の影響を大きく受けておりますが、製品の価格改定の継続的な取組みや経費削減により収益改善を図ってまいります。

さらに持続可能な原料調達のため、「環境方針」や「人権方針」を基盤に、「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進していきます。

 

《のれんや固定資産の減損損失に関するリスク》

買収・資本参加した子会社等事業計画未達

公正価値の下落

金利の急激な上昇

 

(影響)

当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする有形固定資産・無形固定資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、買収・資本参加した子会社等の業績が事業計画に対して大幅に未達となるなどにより、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

投融資委員会や経営会議における買収価格の適切性に関する審議や買収後のシナジー実現に向けたフォローアップやマクロ経済環境の定期的なモニタリング、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りを実施すること等により、減損処理の適否を判断しております。

 

《感染症の蔓延リスク》

○新型コロナウイルスをはじめとする感染症の蔓延による操業停止

○サプライチェーンの停滞

〇外出自粛や飲食店の営業時間短縮要請等による需要の減退

 

(影響)

2020年より顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界中に蔓延しており、さらに感染が拡大した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、外出自粛や飲食店の営業時間短縮要請等による当社製品の需要減退により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループは食品事業などに携わるものとして、従業員の安全を確保したうえで、お客さまへの供給責任と社会的責任を果たすことなどを基本方針としております。代表取締役社長執行役員を本部長とする感染症対策本部を設置し、衛生管理の徹底や時差出勤等の実施により社内の感染拡大を防止するとともに、万一の場合にも事業が継続できるよう、リモートワークの推進等、従業員間の接触頻度を極小化するなどの対応を行っております。また、委託先や協力先の確保などにより生産体制の複数化などを実施し、安定供給を実現してまいります。また、需要減退リスクに対しては、生産体制をフレキシブルに対応するなどの需要減退への対応を行ってまいります。

 

《自然災害に関するリスク》

○大規模な地震、台風、集中豪雨などによる操業停止

○サプライチェーンの停滞

 

 

(影響)

大規模な地震・台風等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループは昨今の台風や豪雨に伴う水害等の発生頻度の高まりを受けて、大規模地震を想定して策定していた事業継続計画(BCP)の見直しを行い、大規模地震以外の災害に対する対応力についても範囲を広げさらなる向上を図り、業務提携などを通じて、安定供給を実現してまいります。また、安否確認システムの導入により、大規模災害発生時に従業員の安否が迅速に確認できる体制を整備しております。

 

《環境に関するリスク》

○環境対策の対応不足による企業価値の低下

○CO2排出規制強化による生産コスト増加

 

(影響)

当社グループは各工場でISO14001を取得し、また、国や自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、環境対策の取り組みが不十分な場合、当社の企業価値を損ね、資金調達や従業員の確保等に影響を受ける可能性があります。

(対応)

ESGの取組みは当社グループの事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進し、環境負荷を極小化するために省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用、バリューチェーンにおけるAIの活用に努め、資源の利用効率の最大化を図るためのゼロエミッションなどに積極的に取り組んでまいります。

 

人権に関するリスク》

サプライチェーンにおける人権対応不備による企業価値の低下

○ハラスメント等の人権侵害

 

(影響)

生活者の環境に対する意識も高まっており、サプライチェーン上で環境や品質、人権等の問題が生じた場合、そのサプライチェーン全体での管理・責任が問われる時代となっています。これらの社会的課題への取り組みが不十分と見なされた場合、企業価値の低下につながる可能性があります。

(対応)

当社グループは、2019年に、世界規模で企業とサプライヤーを結ぶ共通のプラットフォームを提供している、SedexにA/B会員として入会。今後Sedexのプログラムを有効活用し、グローバルな視点で「労働基準」「安全衛生」「環境」「ビジネス倫理」の4領域に関するサプライチェーンのサステナブルな課題の把握とその改善に取り組んでおります。また、2021年9月に国連グローバルコンパクト(UNGC)に署名し、会員企業に登録されました。UNGC署名企業として人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗防止の4分野、10原則の順守、実践に取り組んでおります。

さらに、アブラヤシの果実から搾油されるパーム油は、我々の生活に欠かせない油脂で、当社グループの事業活動を支える重要な原材料のひとつであるため、「サステナブル調達方針・調達基準」および「パーム油調達方針」に基づき、原産国の環境保全に配慮し、人権を尊重するとともに食を支える企業として、パーム油の安定供給の社会的責任を果たすために持続可能なパーム油調達を実現します。

 

Sedexは、グローバルサプライチェーンにおける倫理的で責任あるビジネス慣行の実現を目指し、サプライチェーンデータを管理・共有する世界最大のプラットフォームです。顧客とサプライヤーが共通のプラットフォームを活用して情報を共有し、サプライヤーにおける問題点を抽出するとともに、その課題解決への取り組み状況を把握し、サステナブルな事業慣行の拡大に取り組んでいます。A/B会員は、バイヤー機能を持つA会員と、サプライヤーとしてSAQに回答するB会員の両方の資格を持ちます。

 

《サステナブル課題に関するリスク》

○環境に配慮しない製品の排除

○サステナビリティ重視の消費者ニーズや製品需要の変化

○サステナブルな課題への対応不足による企業価値の低下

 

(影響)

原料の多くを天然資源に依存する当社は、CO2の排出増に伴う地球温暖化等の気候変動や水資源の枯渇により大きな影響を受けます。地球環境の深刻な危機に対して、当社だけでなく、バリューチェーン全体での環境負荷低減が求められています。またプラスチック問題や人権など様々な課題に対する取り組みも求められています。

(対応)

当社グループは、様々な社会課題の解決を商品やサービスで貢献し、多様な価値を創造することを目指しています。「健康」や「おいしさ」の提供だけでなく、食を取り巻く廃棄物やフードロス、限りある資源の利用などの社会課題に対し、長年培ってきた技術を活かし、社会課題の解決を見据えた商品の開発に努めています。

 

《情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク》

○不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等による情報漏洩

○インシデント発生時の対応不備

 

(影響)

年を追うごとに多様化・巧妙化するサイバーセキュリティリスクは、当社グループにおいても、サプライチェーン機能の安定的維持や個人情報を含む情報資産の適切な保持に対する大きな脅威となっており、コンピュータウイルスの感染や情報漏洩・データ改ざんが発生した場合、当社業績や社会的責任の遂行に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループでは最新のサイバーセキュリティリスクについての動向を協力会社との連携により常に把握し、以下の観点から対策の継続的強化を図っております。

1.社内ネットワークへの不正侵入を防御するシステム構成導入、サーバーおよび従業員パソコンへの最新対策ソフト導入。また、在宅勤務を前提にしたPC対策ソフトを導入。

2.添付メールによる情報漏洩防御のためのPPAP対策の導入。

3.全社員を対象としたセキュリティ自己点検、標的型攻撃メール訓練、eラーニング実施による従業員へのセキュリティ意識向上と周知徹底。

4.インシデント発生時の早期解決と被害局限化を実現するCSIRTの設置。

また、今後も引き続き、年々拡大するサイバーセキュリティリスクへの対策を講じるとともに万が一インシデントが発生した場合に被害を最小化し迅速な回復を図るための対応手順強化に取り組んでまいります。

 

《食品安全に関するリスク》

○お客様への健康危害や表示等の法令違反による、流通回収やリコールの発生

○食品偽装やデータ改ざんの発生

 

(影響)

お客様への健康危害や表示等の法令違反により、流通回収やリコールが発生した場合、さらには食品偽装やデータ改ざんが行われた場合には、当社ブランドの信頼失墜及び、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(対応)

当社グループはISO9001による品質マネジメントシステムの運用、特に製品の開発設計段階での品質アセスメントの実施と仕組みの強化による品質リスクの低減に取り組んでおります。また、全ての自社工場においてISO22000認証(食品安全マネジメント)を取得するとともに、品質監査により仕組みの適切な運営について常に確認しています。仕組みの運用だけでなく品質や食品安全に関する従業員教育を継続して行うことで従業員との信頼関係に基づいた風通しの良い組織風土醸成に努めております。さらに、お客様に安心して商品をご利用いただけるよう、お客様相談室を通じていただいたお客様の声を商品開発に活かしてまいります。

 

人的資本の確保・育成に関するリスク

○各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財の採用不足

○次世代を担う人財の確保・育成・配置の計画的推進不足

○ダイバーシティ&インクルージョンの進展不足による企業競争力の低下

 

(影響)

IT革命や少子高齢化の進行、ESG経営の推進といった社会の変化により、雇用情勢や必要となる専門性、働き方の価値観等が大きく変わりつつあります。各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財の採用や次世代を担う人財の確保、個性を尊重し活かす育成および配置が計画的に推進できない場合には、事業活動の停滞等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループはESG経営やSDGsの推進を通じて企業価値を高めております。また、働きやすい職場環境を維持・改善し、公正な人事・処遇制度の構築とその適正な運用に取り組み、高度な専門性を持つ人財や次世代の経営を担う人財の育成に取り組むとともに、女性活躍やシニア活躍などのダイバーシティのさらなる推進、働き方の見直しによるワーク・ライフ・バランスをさらに推進してまいります。あわせて、AIを活用した効率化を一層進めてまいります。

 

《コンプライアンスに関するリスク》

○法規制や社会規範に反した行為や不正・ハラスメントなどの発生

○法規制の変更や追加による事業上の制約

 

(影響)

当社グループは食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制の下で事業展開しております。これらに対し、当社グループはESG経営の高度化を図るべく特定したマテリアリティのうち優先すべき課題としてリスクマネジメントの強化とコンプライアンスの推進を掲げています。万一、法規制や社会規範に反した行為や不正、またはハラスメントなどが発生した場合には、当社グループの信用の失墜により業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、予測し得ない法規制の変更や追加による事業上の制約などにより当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループは法規制及び社会規範を遵守することを目的とした「J-オイルミルズ行動規範」を策定し、継続的な社内啓発と全社員を対象とした社内研修で周知しております。加えて、不正やハラスメントなどを早期に見出し、是正していくために社内外に内部通報窓口を設けることで、法規制や社会規範に反した行為等の発生を低減することを進めております。また、法規制の変更や追加に対応するため、法令改正情報を注視し、関連する法令改正に適切に対応してまいります。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

① 事業環境

当社グループの主力事業である油脂事業は、主原料である大豆、菜種ともに海外の相場変動及び為替相場の影響を受けます。当連結会計年度における大豆相場は、米国産大豆の需給逼迫予想やバイオ燃料向け大豆油需要増加期待、植物油脂全般の価格高騰を受けて、5月に期近限月で2012年来の高値である1ブッシェル当たり16米ドル台まで上昇しました。その後は、バイオ燃料混合義務割合の引き下げ観測、米国産地の天候改善による生産量見通しの上方修正、南米の豊作観測などから10月には1ブッシェル当たり11米ドル台まで下落しました。12月以降は、南米産地の乾燥天候による減産懸念や植物油全般に亘る価格の高騰から上昇傾向が継続し、さらに2月にロシアがウクライナへの侵攻を開始すると、一時17米ドル台まで上昇しました。総じて前年同期と比較して高値での推移となりました。菜種相場は、カナダ産地の天候懸念や需給逼迫予想、植物油脂全般の価格高騰を受けて、5月に1トン当たり1,000加ドル台まで上昇しました。その後は、カナダ産地の高温乾燥天候による生産量の減少見通しから1トン当たり900加ドル台での値動きとなり、カナダの大減産による需給逼迫が確実となった10月以降には再び騰勢を強め、概ね1,000加ドル台での値動きが続きました。2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けて植物油全般の価格がさらに急騰すると、3月には史上最高値を更新して1,100加ドル台後半まで上昇する値動きとなりました。総じて前年同期と比較して高値での推移となりました。ドル円相場は、4月の1米ドル108円付近から、米国経済の回復期待による株高や米金利の上昇、インフレ高進見通しや米国金融政策の正常化へ向けた動きなどを受けて円安ドル高傾向が継続しました。3月には日米金利差の拡大が意識される中で、エネルギー価格の高騰による貿易収支の悪化も懸念され、急速に円安ドル高が進行し、一時1米ドル125円台を付けるなど、前年同期と比較して円安ドル高での推移となりました。

 

② 経営成績の状況

連結損益計算書

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

売上高

164,816

201,551

売上原価

130,828

175,360

販売費及び一般管理費

27,300

26,212

営業利益又は営業損失(△)

6,687

△21

経常利益

7,374

596

親会社株主に帰属する当期純利益

5,253

1,953

 

(売上高)

当連結会計年度は、原料価格高騰を受けた価格改定とミール価格の上昇により、売上高は2,015億51百万円前年同期比22.3%増)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度は、製造費用のコストダウンを継続的に進めたものの、原料価格高騰の影響により、売上原価は1,753億60百万円前年同期比34.0%増)となりました。販売費及び一般管理費は、各種経費の抑制に取り組んだことにより、262億12百万円前年同期比4.0%減)となりました。

(営業利益)

価格改定、継続的なコストダウンおよび経費の抑制を進め収益基盤の強化に努めましたが、急激な原料価格高騰の影響を吸収できず、営業損失は21百万円前年同期は営業利益66億87百万円)となりました。

(経常利益)

受取配当金や持分法による投資利益の計上により、経常利益は5億96百万円前年同期比91.9%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

株式会社J-ケミカル株式譲渡完了に伴い関係会社株式売却益を計上した一方で、油脂加工品事業の事業資産等について減損損失を計上いたしました。以上により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は19億53百万円前年同期比62.8%減)となりました。

 

③ セグメントの概況

 

セグメントの名称

売上高(百万円)

セグメント利益(百万円)

セグメント資産(百万円)

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

前期末比(百万円)

油脂事業

178,364

28.4

325

△94.8

129,011

13,285

スペシャリティフード事業

21,128

7.7

△620

16,666

△241

その他

2,058

△67.4

273

△60.4

944

△4,540

全社

15,077

△3,314

合計

201,551

22.3

△21

161,700

5,190

 

 

(油脂事業)

油脂部門につきましては、家庭用は、コロナ禍で一時的に市場が大きく拡大した翌年にあたるため、当期は第1四半期を中心に市場が縮小しました。加えて、度重なる値上げによる節約志向から需要が減少したことから、家庭用油脂の販売量は前年同期を下回りました。汎用油においては、主原料である大豆や菜種などの急激な原料コスト上昇に伴い、5度に及ぶ価格改定を実施いたしました。その結果、販売量は減少したものの、売上高は伸長しました。高付加価値品においては、オリーブオイルはテレビCMによる購買を喚起した月には前年同期を上回りましたが、市場全体の縮小や競合環境により、年間の売上高は前年同期を下回りました。一方で、健康志向の高まりを背景に市場が拡大している「こめ油」の売上高は前年同期を大きく上回りました。また、環境負荷の低減やお客様の使いやすさを意識したスマートグリーンパック®(紙パック)を上市し、汎用油から高付加価値品まで幅広いシリーズを展開しました。業務用は、外食向けを中心に厳しい市場状況が継続しましたが、前年の市場が大きく減退した翌年であるため、販売量は前年同期をわずかに上回りました。家庭用と同様に5度の価格改定を実施した結果、売上高は前年同期を大きく上回りましたが、急激なコスト上昇に追いつかず、営業利益は前年同期を大きく下回りました。また、価格改定に併せて、お得意先のコスト負担軽減に貢献するべく、長く使える油「長徳®」シリーズの提案を強化し、販売量は前年同期を大きく上回りました。

油糧部門につきましては、大豆ミールの販売数量は、搾油量が前年同期を上回ったことから、前年同期を上回りました。販売価格はシカゴ相場の大幅上昇により前年同期を大きく上回りました。菜種ミールの販売数量は、搾油量が前年同期をやや上回り、また原料品質由来によりミール歩留が上昇し生産量が増加したことから、前年同期を上回りました。販売価格は大豆ミール価格に連動して上昇したことにより前年同期を大きく上回りました。これにより、当部門の売上高は前年同期を大きく上回りました。

以上の結果、当事業は、売上高1,783億64百万円前年同期比28.4%増)、セグメント利益3億25百万円前年同期比94.8%減)、セグメント資産1,290億11百万円前期末比132億85百万円増)となりました。

 


 

 

(スペシャリティフード事業)

油脂加工品部門につきましては、家庭用は、主力商品の「ラーマバターの風味」増量セールを実施するとともに、ラーマ全品を対象としたラーマ55周年記念消費者キャンペーンを実施し拡販に努めましたが、前年の新型コロナウイルス感染症の影響による内食需要の反動減もあり、販売数量は前年同期を下回り、売上高は前年同期と同程度という結果となりました。新規事業として2021年9月より植物性代替食品である「Violifeブランド(プラントベースチーズ、プラントベースバター)」を関東地方1都6県で先行発売、2022年3月からは全国展開いたしました。お客様はじめメディア等から高い評価をいただいております。業務用は「グランマスター®シリーズを中心に高付加価値品の拡販に努めると共に主な原料であるパーム油、大豆、菜種の調達価格の上昇に応じた価格改定に注力しました。新型コロナウイルス感染症によるインバウンド需要の消失、度重なる緊急事態宣言ならびにまん延防止等重点措置による外出自粛の影響を受け販売数量は前年同期を下回り、売上高は前年同期をわずかに上回る結果となりました。粉末油脂製品は堅調な需要に支えられ販売数量および売上高は前年同期を上回りました。

テクスチャーデザイン部門につきましては、コーンスターチの食品用途および工業用途ともに拡販継続に努めたため、販売数量、売上高ともに前年同期を上回りました。春先から続く相場上昇、為替、他影響を受け値上げを実施いたしました。食品用加工澱粉の内、重点拡販商品である「ネオトラスト®」を含む高付加価値品は、品質、食感改良材として中食・外食向けに新規採用が増えたことから、販売数量、売上高ともに大きく上回りました。第2四半期に上市いたしました、業務用スターチ製品の新ブランド「TXdeSIGN® (テクスデザイン) 」シリーズ、ならびにプラントベースミート用の大豆たん白「プランテクスト®」につきまして、引き続き拡販にむけ提案を強化いたしました。大豆たん白をベースとしたシート状大豆食品「まめのりさん®」の販売は、主要販売先である北米において新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、外食需要が回復してきたこともあり、売上高はロックダウンによる出荷影響を受けた前年同期に対し大きく上回りました。

ファイン部門につきましては、高付加価値品であり特に注力しているビタミンK2の販売が国内外において好調で、売上高は前年同期を大きく上回りました。海外向けに「menatto®」のブランドを掲げて認知拡大に努めています。

以上の結果、当事業は売上高211億28百万円前年同期比7.7%増)、セグメント損失6億20百万円前年同期はセグメント損失2億26百万円セグメント資産166億66百万円前期末比2億41百万円減)となりました。

 


 

 

(その他)

その他の事業につきましては、売上高20億58百万円前年同期比67.4%減)、セグメント利益2億73百万円前年同期比60.4%減)、セグメント資産9億44百万円前期末比45億40百万円減)となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

油脂事業

159,607

49.6

スペシャリティフード事業

15,238

15.7

合計

174,845

45.9

 

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 金額は製造原価によっております。

b. 受注実績

当社グループは受注生産を行っておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

油脂事業

178,364

28.4

スペシャリティフード事業

21,128

7.7

その他

2,058

△67.4

合計

201,551

22.3

 

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

味の素株式会社

46,998

28.5

44,957

22.3

 

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、第六期中期経営計画策定時に前提としていた事業環境から大きく変化したことを受け、同計画を見直すこととしております。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)第六期中期経営計画の見直し」をご参照ください。

 

(2) 財政状態

連結貸借対照表

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

流動資産

82,686

94,196

固定資産

73,778

67,466

繰延資産

45

37

資産合計

156,509

161,700

流動負債

34,605

40,748

固定負債

27,428

26,427

負債合計

62,033

67,176

純資産

94,475

94,523

負債純資産合計

156,509

161,700

 

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は941億96百万円で、前連結会計年度末に比べ115億10百万円増加しました。主な増加は、棚卸資産149億58百万円、主な減少は、現金及び預金42億69百万円であります。

固定資産は674億66百万円で、前連結会計年度末に比べ63億12百万円減少しました。主な増加は、無形固定資産11億11百万円であります。主な減少は、有形固定資産が38億69百万円、投資有価証券が36億85百万円であります。

これにより、総資産は1,617億円前期末比51億90百万円増)となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は407億48百万円で、前連結会計年度末に比べ61億43百万円増加しました。主な増加は、短期借入金123億円であります。主な減少は、支払手形及び買掛金が15億67百万円、未払法人税等が17億62百万円、流動負債その他が18億33百万円であります。

固定負債は264億27百万円で、前連結会計年度末に比べ10億円減少しました。主な増加は、長期借入金1億60百万円であります。主な減少は、繰延税金負債が3億48百万円、退職給付に係る負債が2億11百万円、固定負債その他4億58百万円であります。

これにより、負債は671億76百万円前期末比51億42百万円増)となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は945億23百万円で、前連結会計年度末に比べ47百万円増加しております。主な増加は、利益剰余金が2億15百万円、自己株式が2億75百万円、繰延ヘッジ損益が1億76百万円であります。主な減少は、その他有価証券評価差額金8億70百万円であります。

 

(3) キャッシュ・フロー

① キャッシュ・フローの状況

連結キャッシュ・フロー計算書

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

4,270

△16,807

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,438

1,917

財務活動によるキャッシュ・フロー

△2,476

10,576

現金及び現金同等物の増減額

△617

△4,273

現金及び現金同等物の期末残高

7,778

3,505

 

当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ42億73百万円減少し、35億5百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ210億77百万円減少し、△168億7百万円となりました。この主な要因は、原料コストの上昇に伴い棚卸資産が増加したことによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ43億56百万円増加し、19億17百万円となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却による収入が増加したことや連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入を計上したことによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ130億52百万円増加し、105億76百万円となりました。この主な要因は、短期借入金が増加したことによります。

 

② キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

自己資本比率(%)

54.7

58.8

60.6

60.1

58.2

時価ベースの自己資本比率(%)

38.9

45.9

51.0

42.0

32.9

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

5.4

2.0

1.6

5.2

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

50.4

127.5

172.7

36.3

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※2021年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

③ 資本の財源

主要な資金需要は、製造及び販売活動に必要な運転資金、有利子負債の返済、配当金の支払い、法人税等の支払い、事業基盤整備のための設備投資、新規事業への投資であり、これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び内部留保資金、社債発行、金融機関からの借入により資金調達しております。

 

④ 資金の流動性

当社グループは、現金及び現金同等物において、グループ各社の余剰資金を一元管理することによって資金の効率化と金融費用の極小化を図っております。また、当座貸越契約、コミットメントライン契約、売掛債権の流動化による機動的な資金調達手段を備えており、十分な資金の流動性を確保しております。

 

⑤ 財務政策

当社グループは、資本効率性と格付を考慮した財務健全性の最適バランスを取りながら、営業活動によるキャッシュ・フロー創出力を強化し、持続的な企業価値の向上を追求していく方針です。これにより、事業活動の維持に必要な手許資金の水準を確保するとともに、安定した株主還元と、企業体質の強化や積極的な事業展開のためへの成長投資など、長期的視野に立った安定的かつ適正な利益配分を行うこととしております。加重平均資本コスト(WACC)等を用いて資産効率向上を進めてROA等の改善を図ることとし、新型コロナウイルス禍の影響に加え、原料相場高騰や為替相場の円安進行等による経営環境の変化を踏まえ、財務政策における目標値を見直すこととしております。

なお、キャッシュ・フローの推移実績は以下のとおりです。

項目(億円)

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

キャッシュ・イン

 

 

 

 

 

 

営業活動キャッシュ・フロー

65

130

146

42

△168

 

資産売却

43

22

20

12

74

 

借入金残高

308

215

189

183

306

キャッシュ・アウト

 

 

 

 

 

 

成長投資等

80

48

63

36

55

 

株主還元

15

15

15

16

16

 

有利子負債返済または調達

(△は調達)

34

95

25

7

△120

フリー・キャッシュ・フロー

28

104

104

18

△148

 

(注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー

※借入金残高は、社債を含みます。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを用いることが必要となりますが、これらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

退職給付債務の算定

当社グループは確定給付制度を採用しております。退職給付債務及び勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

なお、投資有価証券の評価および繰延税金資産の回収可能性については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

相手先

相手先の

所在地

契約内容

契約締結日

契約期間

味の素株式会社

日本

食用油脂事業に関する業務提携の下、同社のブランドを使用する、同社の一部販売ルートを利用する等。

2004年7月1日

自動更新

不二製油グループ本社株式会社

日本

食用油脂事業に関する業務提携の下、原料・資材の効率的調達、中間原料油の相互供給等。

2007年9月7日

自動更新

日清オイリオグループ株式会社

日本

搾油工程(原油と油粕の製造)までを範囲とした業務提携の基本契約。

2020年3月31日

自動更新

全国農業協同組合連合会

JA西日本くみあい飼料株式会社

全農サイロ株式会社

日本

当社倉敷工場の運営に関連して、原料大豆の保管設備利用や配合飼料原料の供給等、長期にわたって相互協力を行う。

2015年2月1日

自動更新

Premium Nutrients Private Limited

マレーシア

油脂加工品事業に関する業務提携の下、同社の子会社であるPremium Fats Sdn BhdとPremium Vegetable Oils Sdn Bhdに対して出資することにより、それぞれ当社の連結子会社、持分法適用会社とする。

2019年10月9日

自動更新

UPFIELD EUROPE B.V.

オランダ

同社ブランドのマーガリン事業での使用。

2019年12月16日

自動更新

UPFIELD GEC Limited.

イギリス

同社グループ会社がギリシャおよびドイツで製造するViolife(ビオライフ)ブランド製品の日本国内における独占輸入・販売契約。

2021年5月17日

3年

以後

合意更新

 

 

5 【研究開発活動】

当社では、「おいしさデザイン®」による付加価値創造を目指して商品開発・技術開発を進めました。事業ごとに設置した各研究開発グループと中長期および横断的な開発を担う「フードデザインセンター」により、おいしさ・健康・低負荷の課題を解決すべく、研究開発活動を行っています。

フードデザインセンター「イノベーション開発部」は、新技術の開発・応用・コア技術強化を、「戦略企画部」は、研究開発部門の戦略立案を通して、獲得された技術での利益の最大化を推進しております。

アプリケーション開発ではプレゼンテーション機能を併せ持つ「おいしさデザイン工房®」を中心に、当社の持つ製品や技術を掛け合わせて、揚げ物料理や調理、健康、調味といった様々な付加価値機能を追求するとともに、お客様や市場との接点を多く持つことで「おいしさデザイン®」による付加価値創造と社会課題解決のためのソリューション提案活動に努めております。主な当社製品の研究開発は次のとおりであります。

①家庭用油脂商品の開発においては、一般消費者の皆様をより意識し、おいしさ、健康、環境負荷低減に寄与する商品開発を行っております。

②業務用の油脂商品の開発においては、プロの需要家の皆様を意識し、顧客の課題解決に結びつくよう食品のおいしさ、作業性向上、長持ち機能など経済性および環境低負荷に繋がる商品開発を行っております。

③家庭用及び業務用のマーガリンや業務用ショートニング、粉末油脂、乳系植物性食品の開発においては、油脂加工技術を活用して、一般消費者やプロの需要家の皆様のニーズにお応えしております。

④テクスチャーデザイン事業製品の開発においては、当社独自の加工技術で、スナック菓子や麺、パン、水練り製品、畜肉製品、低糖質食品など幅広い食品に利用でき、更に好ましい食感も付与できる機能性澱粉の商品開発を行っております。

⑤ファイン製品の開発においては、主に大豆を活用した天然素材に含まれる生理活性物質や機能性素材を、抽出・精製・加工し、機能性を付与した高付加価値型の素材商品として提供しております。

なお、研究開発費の総額は、1,248百万円であります。

 

セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。

(油脂事業)

家庭用油脂分野では、オリーブオイルの「鮮度」へのニーズの高さから開封後も鮮度を保持できる新容量品JOYL「AJINOMOTO オリーブオイルエクストラバージン」326g鮮度キープボトルを発売いたしました。また、オリーブオイルについては、鮮度が良く風味豊かなオリーブオイルであることが伝わるパッケージデザインに一新し発売いたしました。

健康油では、お客さまからいただいた声により内容量・容器を見直しJOYL「AJINOMOTO アマニブレンド油」600g(栄養機能食品(n-3系脂肪酸))を発売いたしました。また、JOYL「AJINOMOTO 健康サララ®」についても、お客さまの声を活かしてより特長がわかりやすく視認性を強化したパッケージデザインに一新いたしました。加えて、昨今、家庭内で日々の料理に使用する油を「料理をよりおいしく仕上げたい」、あるいは「健康イメージ」へのこだわりから、付加価値の高いオイルに切り替える生活者が増加しており、このようなニーズへお応えするため、コクとうまみが特長の大豆油にビタミンEを配合したJOYL「AJINOMOTO 大豆の油健康プラス」 (栄養機能食品(ビタミンE))を発売いたしました。

ごま油では、調味用途をはじめとした家庭内調理機会の増加で需要が伸長しており、焙煎したごまの香ばしさとおいしさにこだわったJOYL「AJINOMOTO ごま油好きの純正ごま油」を発売いたしました。

「体に良さそう」など原料由来の健康イメージとどんな料理にも使えることが評価されているこめ油について、地球環境に配慮したJOYL「AJINOMOTO こめ油」900gエコボトルを発売いたしました。

また、当社はプラスチック廃棄物やごみ容積の削減、CO2排出量削減を取り組むべき課題と認識しており、具体的な課題解決として紙パック採用によりプラスチック使用量約60%削減を実現した環境配慮型商品を「スマートグリーンパック®」シリーズと呼称し、JOYL「AJINOMOTO さらさら®キャノーラ油」、JOYL「AJINOMOTO ごま油好きの純正ごま油」、JOYL「AJINOMOTO こめ油」、JOYL「AJINOMOTO オリーブオイルエクストラバージン」、JOYL「AJINOMOTO大豆の油」を発売いたしました。

業務用油脂分野におきましても、オペレーションコスト削減や労働環境改善の他、CO2発生量の削減によるサステナブルな社会実現へ貢献すべく、当社独自技術「SUSTEC® (サステック)4」により、フライオイルの酸価上昇を4割抑制、着色を4割抑制しつつ、揚げものの油っぽさを低減する新製品「すごい長徳」を発売いたしました。また、新しいコミュニケーションブランド「JOYL」を冠した初のフラッグシップブランド「JOYL PRO®(ジェイオイル プロ)」の新製品として「JOYL PROパラっとさばき油」「JOYL PRO花椒油」「JOYL PROエンハンスオイル」の3品を発売いたしました。今後も、調理における技術不足・手間軽減(時短)・安定調達をサポートすることで、外食や中食の調理現場がサステナビリティを実現しつつ、生活者のニーズに応えられるよう支援し、世の中に食のJoyを広げてまいります。

なお、当事業の研究開発費の金額は、660百万円であります。

(スペシャリティフード事業)

スペシャリティフード事業油脂加工品分野では、健康志向や環境への配慮などの社会背景から、「Violife(ビオライフ)」のプラントベースチーズとプラントベースバターを発売いたしました。また、「ラーマバター好きのためのマーガリン」と「ラーマお菓子作りのためのマーガリン」では、バイオマスプラスチックを約10%使用したプラスチック容器に変更いたしました。粉末油脂分野では、生産部門との連携を通して噴霧乾燥工程の生産効率の向上、安定生産へのサポートに努めております。

スペシャリティフード事業テクスチャーデザイン分野では、植物由来の原材料と当社独自の技術を組み合わせ、お客さまの課題解決の取り組みをさらに進めるべく、“テクスチャーをデザインする” 業務用新ブランド「TXdeSIGN®」を導入いたしました。新商品として、加熱しても煮溶けない特徴を持つ多孔質な顆粒状のスターチ素材「TXdeSIGN フィブレ®」ならびに、これまでのスターチにはない、しなやかな伸展性や粘弾性を有する「TXdeSIGN エクステン®」を発売しました。新領域大豆食品分野では、昨今のプラントベースフード需要の高まりにお応えするため、粒状大豆たん白「プランテクスト」を発売いたしました。大豆シート食品「まめのりさん®」とファイン分野のビタミンK2は、海外での販売が好調であり、増産や販売促進に対応した技術開発に取り組みました。

なお、当事業の研究開発費の金額は、552百万円であります。

(その他)

その他の事業の研究開発費の金額は、36百万円であります。