第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、私たちの目指すべき未来、私たちの使命、私たちの価値/存在意義をあらわした、新たな企業理念体系を制定いたしました。同時に、コミュニケーションブランド「JOYL」を導入し、新企業理念体系を基にした企業活動およびすべてのステークホルダーの皆様とのコミュニケーションで「JOYL」を活用し、「JOYL」を受け皿として、生まれた価値を蓄積、資産化していきます。

新たなコミュニケーションブランドの、「Joy for Life® -食で未来によろこびを-」のビジョン実現に向け、ステークホルダーの皆様や社会、環境の「Joy」をおいしさデザイン®で創出し、社会課題の解決に貢献してまいります。

 

新企業理念体系とコミュニケーションブランド

 

 


 

 

(2) 経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

企業を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症対策の規制が緩和され経済活動も正常化に向かっているものの、地政学的リスクの顕在化、世界的な食糧需要の増加、気候変動、ロシア・ウクライナ情勢、海外からの原料や購入油の調達価格の高騰、為替相場の円安進行、エネルギーコストや物流費の上昇など、不確実性が高まる中、社会課題の解決に貢献していくことが求められております。

このような中、当社は人々の生活に欠かせない生活必需品の食品を扱う企業として、従業員の安全と安心を確保し、新しい生活様式や消費者トレンドを捉えながら、安定供給と消費者のニーズに合う製品の開発に努めてまいります。

また、当社グループの対処すべき課題は、油脂原料価格の高騰、エネルギーコストの上昇、為替変動、気候変動、また、国内市場における少子高齢化による需要減少に加え、生活者ニーズの多様化などを認識しております。

 

<第六期中期経営計画見直し方針>

2021年5月に公表いたしました第六期中期経営計画で掲げた目指すべき姿や主な戦略目標に変更はありませんが、事業環境の大きな変化に耐えうる対応力の高い体制とすべく、事業基盤を強化し、収益を回復していくための期間として、定量目標の達成年度を2年間延長して2026年を最終年度とする中期経営計画の見直しを2022年11月に行いました。また、改めて中長期的な事業環境変化から当社の機会とリスクを特定するとともに、当社の強みに鑑み、以下3点を重点ポイントとして設定いたしました。これらの取り組みを推進していくことで、収益性を回復し、成長へとつなげてまいります。

 

見直し方針①

構造改革

収益基盤の強化 SCM改革・生産拠点の最適化

見直し方針②

成長戦略

“低負荷”を強みとした成長ドライバーとなる商品の育成/拡売

見直し方針③

投資戦略

海外や新たな事業領域進出への積極的投資

 

 


 

中期経営計画達成に向けた対処すべき課題は次のとおりであります

 

成長戦略

企業理念に「おいしさ×健康×低負荷」を掲げておりますが、その中でも「低負荷」を差別化された強みとして、製品力強化とコミュニケーション強化の施策を通じ、高付加価値品の拡販を図ります。

油脂事業における家庭用油脂では、環境負荷の低減やお客様の使いやすさを意識した「スマートグリーンパック®」(紙パック製品)を起点に、こめ油や健康などの機能性が付加されている油など、成長しているカテゴリーを中心に展開を図り、業務用油脂では、長持ちする油とその支援サービスを通じた拡販やカーボンフットプリントマーク取得推進による環境を意識した生活者ニーズを取り込んだ製品販売を推進してまいります。

スペシャリティフード事業ではPBF(プラントベースフード)領域において、「Violife(ビオライフ)」をはじめ、乳系・肉系プラントベース食品のラインナップ、他社とのアライアンス等の拡充を図り、ワンストップソリューションを提供することで、伸長する市場を牽引するポジションを目指し、取り組んでまいります。

また、海外を含む新たな事業領域への展開として、伸長市場であるASEANと北米の2地域を重点地域と位置づけており、まずは既存事業であるASEANのマーガリン・ショートニング事業やテクスチャー素材の提供、北米での大豆シート食品やビタミンK2の事業拡大を目指し、取り組んでまいります。

 

<構造改革>

「SCM(サプライチェーンマネジメント)の改革」と「生産拠点の改革」を掲げ、SCM改革では、製造プロセス・物流プロセスにおける課題を見直し、効率化を実現して、製造コスト・物流コストの削減を図ります。また、スマートファクトリー化を目指し、積極的に省人化・自動化投資を行い、継続したコスト削減を図ります。加えて、2020年度から取り組んできた販売品種の統廃合と削減および在庫水準の最適化を、継続的に行ってまいります。

生産拠点の改革では、中長期の食用油脂の需要減少も見越して、当社が保有する各工場の油脂の製造工程で、稼働率の最大化に向け取り組んでまいります。加えて、海外を含めた生産拠点の最適化を進めてまいります。

 

<経営基盤強化>

当社の取締役会は様々な経験を有する取締役がおり、独立社外取締役が全体の1/3以上を占めておりますが、取締役会の監督機能を強化するばかりではなく、執行機能とのコミュニケーションを活発化しております。また、サステナビリティに資する施策として、生産拠点を中心とするCO2削減の取組み、気候変動や調達、DE&I(ダイバーシティエクイティ&インクルージョン)の推進を図るとともに、商品開発への取り組みを継続して推進してまいります。また、事業リスクに応じたグループガバナンスの強化など各種施策に取り組んでまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般

食を取り巻く環境は、気候変動、資源の枯渇、フードロス、健康課題、サプライチェーンでの人権課題など、非常に広範で多岐にわたる課題を抱えております。当社グループは「Joy for Life® -食で未来によろこびを-」を目指すべき未来として掲げ、おいしさ×環境×低負荷で人々と社会と環境へのよろこびを創出いたします。植物の恵みを活用した新たな価値の提供により、社会課題の解決を目指し、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

 

① ガバナンス

サステナビリティ推進体制の強化

当社グループは、ESG(環境、社会、ガバナンス)を企業価値の評価指標と捉え、企業の長期戦略、成長投資と連動したESG経営とサステナビリティに関する取り組みを積極的に推進しております。2020年度から取締役を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、全社横断的にサステナビリティの推進に取り組んでおります。本委員会は、「サステナブル調達・環境部会」「人権部会」「サステナブル商品開発部会」の3つの部会から構成され、各部会は関係する部署の代表者により組織されております。また、各部会の傘下に「調達分科会」「環境分科会」「パッケージング分科会」「外装標準化分科会」「TCFD分科会」を設置しております。各部会、分科会が、環境負荷の低減や人権や環境に配慮した持続可能な調達、商品・包材開発、サプライチェーンマネジメントの強化、人権課題など社会課題の解決に向けて活動テーマを設定し活動しております。本委員会は各部会、分科会の活動を有機的に結び、進捗管理を行い、四半期に1度、経営会議、取締役会に報告しております。当社はサステナビリティに関する取り組みを社内外に発信するとともにステークホルダーとのエンゲージメントを通じて、社会課題の解決による企業価値の向上を図っております。

 

<サステナビリティ推進体制図>(2023年3月末時点)


 

<サステナビリティに関わる体制と役割>(メンバーの構成は2023年3月末時点)


 

サステナビリティ関連方針の策定

当社グループは、サステナビリティを推進するための指針として、関連する法令や国際規範等に基づきサステナビリティに関連する各種方針を制定しております。方針の内容は、社会の状況等により適宜見直しを行っております。

サステナビリティ委員会の取り組み

「サステナビリティ委員会」は、サステナビリティを具体的に事業活動に落とし込むことに加え、活動のアウトプットを有機的に結び、社内外へ発信することで企業価値を向上させることを目的としております。人権、環境に配慮した持続可能な原材料調達や商品開発、社会課題の解決に向けた商品戦略など、2020年7月の設置以来、全社横断的に活動しております。

<サステナビリティ関連方針の体系図>


 

 

② 戦略

目指すべき未来の実現に向けたESG経営

企業活動が社会に及ぼす影響が大きくなる中、環境・社会・ガバナンス(ESG)に配慮した企業経営が求められております。当社グループはESGの取り組みを事業活動の基盤と位置付け、地球規模の社会課題の解決に全力で取り組んでおります。コーポレートビジョンである「Joy for Life®」を実現することで、サステナブルな価値創造企業を目指してまいります。

 

マテリアリティ

マテリアリティは、当社の事業にとってリスクまたは機会となる事項であり、2030年度の目指すべき姿に向け、中長期的に取り組むことを目指しております。なお、特定したマテリアリティは、今後も社会の潮流や、課題・ニーズの変化を踏まえて定期的に見直しを行ってまいります。

テーマ

マテリアリティ

主な2030年度ゴールイメージ・

定量目標

2022年度実績

 

環境負荷の

抑制

・資源・耕作地の持続可能性担保

・顧客の作業・業務負荷の低減に貢献

・気候変動の緩和と適応

・農園までのトレーサビリティ100%(パーム)

・CO2排出量50%削減(Scope1.2、2013年度比)

・パーム油ミルまでのトレース率100%達成

・パーム油農園までのトレース率3%

・RSPO認証油の購入比率17%

・Scope1,2総量で約2%削減(2021年度比)

 

 

 

食資源の

維持

・たんぱく質危機対応

・フードロス削減と安定供給

・畜肉・水産資源の保持

・食の安心・安全

・動物性食品のおいしさ、満足感、機能、健康価値、栄養価を植物由来の素材だけで再現可能にすることにより植物性食品ならではの新しい価値創造を行い社会課題に貢献

・植物生まれの原料ならではのおいしさ、満足感、機能、健康価値を提供

・「おいしさ長持ち」の観点からフードロス削減や作業効率向上による低負荷の実現

・サステナブル商品またはお客様の声活用製品の開発比率70%

・たんぱく食品のバラエティー化

-「Violife」拡充(家庭用 業務用)販売継続

-肉系PBFの製品上市とアプリケーション拡張(継続)

-水練り原料別のスターチの使用条件、アプリケーションを拡張(継続)

・長持ち機能を有する「SUSTEC®」技術を活用した製品の市場拡大を推進

・「SUSTEC®」製品の業務用油脂製品中の構成比向上

・「低負荷」価値実現のための環境基準の社内浸透

・上記環境基準のチェック運用実施確認、対象範囲を拡充

 

 

 

 

食を通じた

健康への

貢献

・健康維持への貢献

・高齢化社会対応

・栄養摂取・管理への貢献

・ライフスタイルの多様化対応

・基礎体力の維持・向上を通じた免疫力向上、健康不全の未然防止等への寄与につながる、油脂や油脂に含まれる成分をアピールできる技術の確立

・フレイルなど高齢者の健康課題に対する、栄養機能性成分による改善機能提供(対象者のステイタスに応じた最善策の提供による)

・植物性の持つ良さを活かし多様なライフスタイルに対応した「おいしくて健康的な食品・素材」の提供

・生活習慣病など健康に関する課題解決のための機能性素材、食品の提供。その評価・開発へのフィードバックによる、顧客ベネフィットの継続的向上

・左記2030年のゴールイメージ達成のため、免疫力向上、健康不全の未然防止、フレイルなどの高齢者の健康課題、生活習慣病などに関連する研究開発に注力

・2022年度の段階では研究開発途上

 

・たんぱく食品のバラエティー化

-「Violife」拡充(家庭用 業務用)販売継続

-肉系PBFの製品上市(「プランテクスト」)とアプリケーション拡張(継続)

-水練り原料別のスターチの使用条件、アプリケーションを拡張(継続)

 

 

 

 

 

 

テーマ

マテリアリティ

主な2030年度ゴールイメージ・

定量目標

2022年度実績

 

事業継続

基盤

・コーポレートガバナンスの強化

・リスクマネジメントの強化

・コンプライアンスの推進

・企業価値向上に資するコーポレートガバナンスの実現

・取締役会の多様性確保

・ステークホルダーエンゲージメントの向上

・経営基盤強化と組織風土改革による企業価値の向上

・取締役会に占める社外取締役比率の向上(55.6%→62.5%)

・「取締役会規則」の改定

・「関係会社運営規程」の改定

・「危機管理規程」の制定

・「企業倫理規程」の改定および「内部通報規程」の制定

・期首に設定した13の経営リスクについて、各施策の実施状況をモニタリング

 

 

 

・サプライチェーンマネジメント

・サステナブル調達の進化

・物流システムの再構築(2025年度)*2025年度には内閣府「戦略的イノベーションプログラム(SIP)」で検討中の物流プラットフォームに接続

・静岡事業所へのトラック入庫受付システム導入、システム導入後、待機時間30~60分を解消

・問題となる500km超の幹線輸送はないことを確認、500km超の幹線輸送について100%モーダルシフト済み

・納品リードタイム延長の遵守率向上に向け営業連携による枠組み「SCM(サプライチェーンマネジメント)最適化プロジェクト」発足、営業組織単位で課題共有し解決取組中

 

・ダイバーシティ&インクルージョン

(2)人的資本・多様性」をご参照ください。

 

・働き方改革&エンゲージメント

 

・企業風土・意識改革

・経営トップと従業員の対話強化

・経営メンバーと従業員の対話(キャラバン)35回、タウンホールミーティング3回

 

・地域社会への貢献と協働

・社会貢献活動の強化、費用増大(経常利益の1%)

・社会貢献活動の強化、2022年度社会貢献活動支出額15百万円(2022年度経常利益の1%以上)

 

・適時適切な情報開示

・個人株主、機関投資家比率の拡大(2020年度比15%増)

・メディア露出回数の増大(広告換算効果15億円)

・個人株主、機関投資家比率43%増(2020年度比)

・メディア露出回数の増大、広告換算効果の2030年度目標達成

 

 

 

③ リスク管理

サステナビリティ全般に関するリスク管理の内容については、「3 事業等のリスク (1) 当社グループのリスクマネジメント体制、(2) リスクマネジメントプロセス」をご参照ください。

 

④ 指標及び目標

サステナビリティ全般に関する指標及び目標については、「(1) サステナビリティ全般 ②戦略」をご参照ください。

 

 

(2) 人的資本・多様性

① ガバナンス

当社グループは、人的資本の強化と多様性の実現を、企業価値向上に資する、企業の長期戦略、成長投資と連動したESG経営とサステナビリティに関する取り組みと考え、推進しております。人的資本・多様性に関するガバナンスの内容については、「(1)サステナビリティ全般 ① ガバナンス」および「3 事業等のリスク (3) リスクテーマとそれに対する影響と対応」をご参照ください。

 

② 戦略

当社グループでは、コーポレートビジョンである「Joy for Life®の実現を目指し、「壁を越え、共に挑み、期待を超える」人財、組織、風土の醸成に向けた取り組みを強化しております。「多様性に富んだ働きやすい環境」を土台とし、社員一人ひとりの「成長」と「挑戦」の相互循環が「Joy for Life®の実現のためのドライバーになると捉え、様々な人事改革・施策を展開しております。当社グループでは2023年度に人的資本に関する方針類の見直しを行ない、その方針に則り、指標と目標を設定いたします。

 


 

 

③ リスク管理

人的資本・多様性に関するリスク管理の内容については、「3 事業等のリスク (1) 当社グループのリスクマネジメント体制、(2) リスクマネジメントプロセス」をご参照ください。

 

④ 指標及び目標

マテリアリティ

指標

2030年度目標

2022年度実績

・ダイバーシティ&インクルージョン

・年齢や性別、国籍を問わない多様な人財(女性、障がい者、再雇用人財など)の積極活用

女性管理職比率

30%以上

女性管理職比率

6.3%

障がい者雇用率

4.0%以上

障がい者雇用率

2.2%

・働き方改革&エンゲージメント

・多様な働き方を可能とする制度設計および組織風土の醸成

・健康経営推進に関する専門体制の整備・強化

2019年度比

教育投資1.5倍(※1)

2019年度比

1.0倍(※2)

 

※1 目標年度2024年度

※2 2023年度に教育効果を最大化するための教育体系再構築に着手予定

 

(3) TCFD

当社は、2020年11月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムに参画しております。サステナビリティ委員会内に社内横断的なTCFD分科会を設置し、TCFD提言が推奨する開示項目に沿った情報開示を進めております。

 

① ガバナンス

TCFDに関するガバナンスの内容については、「(1)サステナビリティ全般 ① ガバナンス」をご参照ください。

 

② 戦略

特定した気候変動によるリスクと機会

<前提条件>

当社グループは、気候変動を事業の継続性を鑑みても非常に重要な経営リスクとして捉えており、2℃未満および4℃シナリオについてリスクと機会の分析を行っております。また、気候変動のみならず、温暖化が進むことにより、台風被害の甚大化などもリスク要因として捉えております。

2℃未満および4℃シナリオとは、地球温暖化の対応策に関する科学的な根拠を与え、国際交渉に影響力があるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告で、産業革命前から21世紀末までに、どれくらい平均気温が上昇するかについて予測提示されているものであります。最も気温上昇の低いシナリオ(SSP1-1.9シナリオ)で、おおよそ1.4℃前後の上昇、最も気温上昇が高くなるシナリオ(SSP5-8.5シナリオ)で4.4℃前後の上昇が予測されております。

対象期間

現在~2050年

対象範囲

J-オイルミルズグループの全事業

 

 

<気候変動によるリスク>

 

影響度:

大:業績への影響が大きくなりうるもの(100億円以上)

 

中:業績への影響が大きくなりうるもの(10億円以上100億円未満)

 

小:業績への影響が小さいもの(10億円未満)

緊急度:

高:1年以内 中:5年以内 低:5年超

 

 

シナ

項目

分類

主な

リスク

リスクの説明

既存の取組み

対応の方向性(目標)

2℃/1.5℃

 

・CO2排出規制強化に伴う業績の悪化

・CO2排出規制の強化により、排出権取引費用および炭素税負担が増加するリスク(CO2削減を達成できなかった場合)

26億円

/年

(※1)

・エネルギー使用量の削減(工程最適化、省エネ、高効率設備導入等)

・再生可能エネルギーの活用(バイオマス燃料の利用等)

・CO2排出量削減目標:2030年度50%削減(2013年度対比)、2050年カーボンニュートラル達成(Scope1,2)

・上記目標の達成に向け、1)CO2削減の為の設備投資を中期的に拡大、対応費用:累計43億円(~2030年、平均5億円/年) 2)インターナルカーボンプライシング(ICP)を2023年4月より導入し、CO2削減投資の意思決定に活用 3)更なる省エネと省エネ設備への切り替え、再生可能エネルギーの積極的な利用

・気候変動対策の進展・エネルギーミックスの変化に伴う電気代、燃料価格の上昇による支出の増加

・再生可能エネルギーに対応する設備投資等の生産関連コストおよび物流関連コスト等が増加するリスク

・サステナビリティ重視に変化する消費者ニーズへの対応不足

・サステナビリティ重視の消費者ニーズ(フードロス削減、プラスチック使用量の削減、資源循環等)への対応や製品需要対応の遅れによる売上減少

・長持ち油、PBF(※2)等の低負荷製品の開発・販売

・「容器包装に関する指針」に基づき、紙パック容器の採用等によるプラスチック削減、植物性プラスチック採用等バイオマス材利用の取り組み強化

・環境に配慮した原料調達、原料のトレーサビリティ向上

・Scope3での削減は、排出量が多いカテゴリ1および4について削減方法の検討開始、削減に向けた以下の取り組みを実施

・更なる長持ち油等環境負荷を低減する製品、サービスの開発継続

・プラスチック廃棄削減目標:2030年度までにプラスチック廃棄ゼロ化

・再生可能資源である紙やバイオマス材等の利用促進

・対応費用:7億円/年(バイオマス材等切替費用)

・大豆やパーム油の認証制度の活用と自社ルートでのサステナブル調達の推進

・環境対応不足による評判低下

・気候変動対策の情報開示が不十分なことによる、企業価値や株価の低下、融資停滞、資金調達困難となるリスク

・省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用等の目標設定および適切な進捗管理と開示

・持続可能な原料調達、バリューチェーンでのAI 活用等による環境負荷の極小化

・各種取り組みの更なる推進と情報開示

 

 

項目

分類

主な

リスク

リスクの説明

既存の取組み

対応の方向性(目標)

4℃

 

・自然災害増加による操業停止、物流網の寸断

・自然災害(海水面上昇に伴う高潮、台風、洪水被害等)増加により自社工場が操業停止になることによる損害

4億円

/年

(※3)

・生産拠点の台風・高潮対策の実施

・水害リスクを国交省のハザードマップ、およびWRIのAqueduct(※3)を使用し国内工場の再評価を実施

・リスクが高い拠点は各所建屋に防潮板を設置、高潮で想定される水位を算出し高潮対策用の設備更新等の対策を実施

・主要生産拠点の水害リスク評価を定期的に実施

・その他、レジリエンス強化に向けたBCP対策

・自然災害(海水面上昇に伴う高潮、台風、洪水被害等)増加によりサプライヤーが操業停止になることによる売上減少

・物流網の寸断により自社工場が操業停止になることによる売上減少

・倉庫が被災し、欠品が発生することによる売上減少

・自然災害による工場資産の破損、流出による復旧コスト増加

・BCPの対応

・当社グループでのリスクマネジメントプロセスの中で、サプライチェーン全体のBCPを策定

・原材料供給の遅延や停止等に備えた適正在庫の確保と管理、重要原材料の複数購買等の施策を推進

・物流網停止時は物流会社/物流部門/営業部門で連携し対応方針を決定

・気温上昇や異常気象による収穫量減少や品質変化等による原料の安定確保困難

・主要原料(※4)の耕地面積の減少による調達コスト増加

・主要原料の収穫量減少や原料品質の低下への対応コスト増加

・穀物相場上昇等による調達コスト増加

・主要原料原産地の継続的な視察

・製品規格最適化

・新規品種、新規サプライヤーおよびサプライチェーンの検討

・原産地の多角化、高温耐性等の気候変動に対応した種苗の導入

・気象変動が原料品質に与える影響調査等を実施

・想定される原料品質を考慮した搾油技術の開発

 

※1 IEA:International Energy Agency (国際エネルギー機関)のNZEシナリオ(Net Zero Emission by 2050 scenario)における先進国の排出権取引価格の予測(2030年):130US$/tに2021年度排出量を乗じて算出

※2 PBF:プラントベースフード

※3 WRI: World Resources Institute (世界資源研究所)が公開している世界の水リスク評価ツールであるAqueductによるリスク評価に基づき損害金額を算出し、年間あたりの損害金額に置換

※4 主要原料:大豆、菜種

 

<気候変動による機会>

分類

主な機会

機会の説明

既存の取組み

対応の方向性(目標)

2℃/1.5℃

・生産・物流関連のコスト低減

 

 

・省エネ設備への更新や生産工程・拠点最適化による設備稼働コストの低減

・モーダルシフトや新技術等効率配送による物流費の削減

・搾油機能の最適化に向けた検討開始

・モーダルシフト等の推進(「エコシップマーク」認定取得)や長距離「スルー配送」見直し

・国内搾油機能の長期的な安定化に向けた拠点最適化

・配送規格統一に向けた検討や最適航路によるCO2排出・コスト削減

・再エネ設備の導入

・バイオマス燃料への切り替え推進と燃料調達先の確保

|

・再生可能エネルギーの導入によるCO2削減およびコスト削減

・再生可能エネルギー(太陽光パネル、バイオマスボイラー)の導入推進による排出権取引費用および炭素税負担の削減

・生産拠点でのオンサイト発電導入

・生産拠点での省エネ設備導入

・環境意識・エシカル消費の高まり(食料危機への対応)

・低炭素商品・サービス・ソリューションの売上拡大

・環境意識の高まり、エシカル消費の増加、たんぱく質危機等によるPBF製品の需要増加による売上拡大

・長持ち油の開発

・PBF製品の販売

・更なる長持ち油や紙パック容器製品等環境負荷を低減する製品、サービスの開発継続

・PBF製品によりたんぱく質危機や食の安定供給に貢献

・テクスチャー素材による、経時劣化の抑制、食感維持によるフードロス削減

・社会からのサステナビリティ要求を満たす最適な事業ポートフォリオの実現による信頼獲得

・省エネ、再生可能エネルギー活用推進によりサステナビリティに適合する最適な事業ポートフォリオの構築実現に伴い、社会からの信頼獲得による売上拡大・株価向上

・第六期中計にて事業ポートフォリオを変革し、環境負荷低減、社会課題解決型の製品・サービスを拡大

・社会課題の解決につながる製品の更なる拡大

・バイオ原料確保によるSAF(※5)製造等のバイオマス事業構築に関する検討

・非可食油原料樹の植林によるCO2の固定化、植林を起点としたSAFサプライチェーン構築等の検討

・サステナビリティ情報の開示拡充

・BCP対策強化

・気候変動による自然災害の激甚化等に備えた安定供給体制の確保による、食品の安定供給を通じた社会貢献、企業価値の向上

・BCPの対応

・当社グループでのリスクマネジメントプロセスの中で、サプライチェーン全体のBCPを策定

・原材料供給の遅延や停止等に備えた適正在庫の確保と管理、重要原材料の複数購買等の施策を推進

・主要生産拠点の水害リスク評価を定期的に実施

・その他、レジリエンス強化に向けたBCP対策

 

※5 SAF: Sustainable Aviation Fuel (持続可能な航空燃料)

 

 

③ リスク管理

サステナビリティ全般に関するリスク管理の内容については、「3 事業等のリスク (1) 当社グループのリスクマネジメント体制、(2) リスクマネジメントプロセス」をご参照ください。

 

④ 指標及び目標

2030年度までにCO2排出量を2013年度対比で50%削減(Scope1、2)、2050年度までに排出ゼロにするカーボンニュートラルを掲げております。また、購入する原材料や商品の製造に関するCO2排出量など、サプライヤーと連携し、サプライチェーン全体(Scope3)での削減も目指しております。Scope3については、排出量の多いカテゴリ1やカテゴリ4について算定精度の向上を図り、削減方法を検討してまいります。2023年4月よりインターナルカーボンプライシング(ICP)を導入し、CO2削減投資および投資意思決定の促進を図ってまいります。

 

<CO2排出量の目標と実績>

 


 

 

3 【事業等のリスク】

(1) 当社グループのリスクマネジメント体制

当社グループは、当社代表取締役社長執行役員を委員長とし、取締役、執行役員などをメンバーとする「経営リスク委員会」を設置しております。同委員会は、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(経営リスク)の特定や全社横断的に取り組むべきリスク低減活動、顕在化したリスクに対する対応策など、リスクマネジメントに関する重要事項を審議しております。また、同委員会は、審議内容について、半年に一回経営会議および取締役会に報告し、取締役会ではその報告を通じ、リスクマネジメントの有効性を監督しております。

経営リスク委員会は、その傘下に「リスクマネジメント部会」および「コンプライアンス部会」を置き、両部会を統括管理することで、リスクマネジメントおよびコンプライアンスを中心とする内部統制システムの運用と維持管理の機能も果たしております。リスクマネジメント部会は、リスクの想定と予防、危機への対応をミッションとしており、コンプライアンス部会は、リスクマネジメントの重要な要素であるコンプライアンスを司り、従業員意識の向上やコンプライアンス違反への対処などをミッションとしております。

また、経営リスクのうち、人権や気候変動・環境問題などのサステナビリティに関連するリスクについては、リスクと機会の両方の機能を有するサステナビリティ委員会との連携の下、同委員会傘下の部会および分科会がリスク対応策を検討、推進しております。

 

(2) リスクマネジメントプロセス

経営リスクの特定にあたっては、経営管理部内部統制グループが事務局となり、毎年度、各部門および各子会社において、自らにとっての重要なリスクの洗い出し・分析・評価を行った上で、リスク対応策を実施しております。経営リスク委員会では、各部門および各子会社が洗い出した重要なリスクを集約し精査した上で、当社グループを取り巻く経営環境や社会情勢等を踏まえ、中長期的な視点での潜在リスクなどにも着目し、経営リスクを特定しております。また、経営リスクごとに、経営リスク委員会が指名したリスク管理責任者(執行役員等)が、全社レベルでリスクを低減・防止する取り組みを推進し、定期的に同委員会が有効に機能しているかをモニタリングしております。

また、期中に発生したクライシス(リスクが顕在化し企業価値に重大な影響を及ぼすもの)については、当社代表取締役社長執行役員を最高責任者とし、リスクマネジメント部会長が陣頭指揮を執る危機管理体制を整備し、迅速・適切な対応を図っております。クライシス鎮静後は、経営リスク委員会の主導の下、発生したクライシスの真因分析を行った上で、是正措置を展開し全社的な再発防止に努めております。

 

 

 


 

(3) リスクテーマとそれに対する影響と対応

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、当社グループが定義する「経営リスク」であります。経営リスクおよびその影響と対応については、以下のとおりであります。

 

経営リスク一覧

分類

テーマ

戦略リスク

当社製品の需要低下に対するリスク

海外進出に潜在するリスク

財務リスク

原材料調達・為替相場等に関するリスク

資金調達に関するリスク

のれんや固定資産の減損損失に関するリスク

ハザードリスク

自然災害・感染症の蔓延リスク

オペレーショナルリスク

気候変動・環境に関するリスク

人権に関するリスク

物流に関するリスク

情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク

食品安全に関するリスク

人財・労務に関するリスク

コンプライアンスに関するリスク

知的財産に関するリスク

 

 

《当社製品の需要低下に対するリスク》

関税引き下げによる海外からの安価な製品の流入

少子高齢化の継続による市場縮小に伴う製品需要の減少

油脂やミール製品の価格上昇に伴う需要の減少

○顧客の嗜好や社会情勢の変化に適合した製品開発や技術開発の遅れによる競争力の低下

○製品の特徴や価値が顧客に適切に伝わらないことによる需要の低迷

○需給管理不足による不良在庫の発生

 

(影響)

当社グループが主力とする大豆油・菜種油は、輸入に対して関税が課されておりましたが、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)締結国のカナダと日豪EPA経済連携協定による豪州からの菜種油、日米貿易協定が発効した米国からの大豆油に対する関税は、2023年4月より無税となったため、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。また、少子高齢化の進行や主原料費の高止まりに伴う需要減とそれをリカバリーする製品・技術・サービス開発が遅れた場合には競争力を低下させるリスクがあります。需給管理に関しては市場環境の急変に応じた販売品種ごとの需給バランス調整の対応の遅延により不良在庫が発生するリスクがあります。

(対応)

当社グループはこの影響を最小限に抑えるべく、ボリュームの大きい外食・中食市場向けに長持ち油の機能強化と合わせて油の使用状況や劣化状況をデジタルで把握して適正な使用をリコメンドする仕組み(フライエコシステム)の提案を強化することで付加価値提案と競争力強化を行ってまいります。また、調理油・調味油などの高付加価値品の機能強化に加え、スターチ・マーガリン・PBF(プラントベースフード)の組み合わせ提案により、肉・魚・卵といったたんぱく代替や、動物脂の代替需要拡大への対応力を強化することで、競争力を深化してまいります。家庭用市場向けには、クッキングオイルの機能価値強化による付加価値化と容器・容量の最適化提案を行うことで生活者の価値観変化や需要減に対応し、競争力強化を図ってまいります。オリーブオイルやごま油といったシーズニングオイルカテゴリーにおいては、機能価値と健康価値の両面から新たな価値提案を進めることにより競争力の強化に努めてまいります。ブランド、製品のコミュニケーションに関しては、お客様のセグメントに応じた最適なコミュニケーションを実施すべくDX化と並走しながら取り組んでまいります。需給管理不足に伴う欠品や過剰・不良在庫の発生抑制に関しては、全社システムの改修に合わせたシステム対応強化とトータルSCM(サプライチェーンマネジメント)管理の最適化フロー確立に取り組んでおります。

 

《海外進出に潜在するリスク》

海外進出に潜在する、予期せぬ法律・規制・税制の改正

予期せぬ紛争・テロなどの政治的・社会的リスク

海外子会社におけるガバナンス不全による不正会計や不法行為の発生

 

(影響)

当社グループは海外事業の拡大を重点課題として取り組んでおります。予期せぬ法律・規制・税制の改正、また、紛争・テロなどの政治的・社会的リスクや自然災害の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。

海外子会社での不正・不法行為は、当社グループの財政状態及び経営成績への悪影響並びに信用の棄損および企業価値の低下につながる可能性があります。

(対応)

リスク課題が発生しないように、あるいはそれが発生した場合に迅速に対策が取れるように、事業が関係する海外各国の法規やリスク情報を外部コンサルタント、海外情報サービス、外務省の海外安全ホームページや進出しているグループ企業から入手しております。そうして入手したリスク情報を基に、必要に応じた対応を行っております。

海外子会社での不正・不法行為に対しては、内部統制の拡充と定期的な監査の実施による対応を行ってまいります。

 

《原材料調達・為替相場等に関するリスク》

主要原料の品質変化、相場変動による調達コスト増加

為替・海上運賃などの相場変動による調達コスト増加

国際情勢の変化(ウクライナ情勢、インドネシアによるパーム油輸出禁止等)による調達不能および調達コスト増加

バイオ燃料需要増加による調達コストの増加

 

(影響)

当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物・油糧種子相場は、世界人口の増加による需要の増加や異常気象による減産などの需給バランスの変化等により大きく変動いたします。また、海上運賃(フレート)は世界経済の成長や石油価格の影響を受けて変動いたします。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。さらに、ミール相場が下落すると、オイルコストの上昇につながります。当期において、大豆や菜種、パーム油などの原料コストは引き続き高止まりしており、ドル円為替相場も円安基調が続いていることから、依然として厳しい事業環境にあります。これらの穀物・油糧種子、為替、海上運賃、ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分や価格が高い時点で調達した原料在庫を販売価格に反映できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達においては、安全性や品質の確保だけでなく、環境保全や労働者の人権問題などサステナビリティの問題に積極的に取り組むことも求められており、これらの課題に対応できないとみなされた場合、企業価値を損なう可能性があります。

(対応)

当社グループは海外からの原料や油脂の調達にあたり、原料・為替に関わる環境を精査の上、競争優位な産地の選定・最適な組み合わせに努めております。値決めについては先物原料相場のプライシングと為替予約等により一定のヘッジを行うと同時に、原料購買規程、外国為替予約運用規程の範囲内で、製品の販売価格の確度を見極めながら競争優位と思われるポジションを取っております。また新規の原料産地とサプライヤーの調査・採用も継続的に行っております。一方で、国内搾油産業の長期的な課題についての共有認識の下、油脂と油粕の安定的な供給を継続的に行うために、日清オイリオグループ株式会社と川上領域である搾油工程(原料と油粕の受委託製造とスワップ)までを範囲とした業務提携基本契約を締結し、その取り組みを着実に実行しております。また、製品の価格改定の継続的な取組みや経費削減により収益改善を図ってまいります。

さらに持続可能な原料調達のため、「環境方針」や「人権方針」を基盤に、「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進してまいります。

 

《資金調達に関するリスク》

市中金利の上昇による金利負担の増加

金融市場の混乱による資金調達難

 

(影響)

当社グループは、銀行借入や社債発行、債権流動化等による資金調達を行っております。市場金利が上昇した場合、または金融市場の混乱による取引金融機関の融資方針が変更された場合には、資金調達コストが増加し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。これにより、格付会社による当社グループの信用格付が大幅に低下した場合には、資金調達に制約が課される可能性があります。

(対応)

資金調達に際しては、短中期的な大規模資金需要も踏まえ、財務健全性に配慮した資金調達を行うこととし、資金需要の性質、金融市場環境、長短バランス、資金調達コスト、調達先の分散等を総合的に検討し、資金調達手法を選択しております。金利上昇リスクに対しては、社債や長期借入による固定金利での資金調達を併用することで、金利変動リスクの低減を図っております。定期的に自己資本比率やD/Eレシオ等をモニタリングするとともに、減損懸念資産や繰延税金資産の継続的なモニタリングを通じて自己資本毀損リスク規模を把握しております。また、運転資本管理、政策保有株式縮減等による資産圧縮を徹底し、資本効率の改善を目指しております。

 

《のれんや固定資産の減損損失に関するリスク》

買収・資本参加した子会社等の業績不振、事業計画の大幅未達

有形固定資産・無形固定資産の公正価値の下落

 

(影響)

当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする有形固定資産・無形固定資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、買収・資本参加した子会社等の業績が事業計画に対して大幅に未達となるなどにより、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

投融資委員会や経営会議における買収価格の適切性に関する審議や買収後のシナジー実現に向けたフォローアップ、マクロ経済環境の定期的なモニタリング、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りの実施等により、減損処理の適否を判断しております。

 

自然災害・感染症の蔓延リスク

大規模な地震、台風、集中豪雨などによる従業員等の人的被害、施設・設備等の損壊

新型コロナウイルスをはじめとする感染症の蔓延による操業停止、製品供給の停滞

サプライチェーンの分断や社会インフラの機能停止による事業活動の継続困難

 

(影響)

大規模な地震、台風、集中豪雨などによる災害リスクが年々高まってきており、人的被害、施設・設備等の損壊が生じた際には、安定供給に支障をきたす可能性があります。2020年より顕在化した新型コロナウイルス感染拡大の影響は、一定数の自然感染、さらには多くの人がワクチン接種したことなどによる免疫獲得もあり、収束の兆しが見えてきました。しかしながら今後も病原性の高い新たな変異株や、別の感染症が拡大した場合には、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害・感染症のどちらにおいても、海外輸入品に関しては物流の遅延・変更による供給不安定により、顧客に対する供給責任へ影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループは食品事業などに携わるものとして、従業員の安全を確保した上で、お客様への供給責任と社会的責任を果たすことなどを基本方針としております。昨今の台風や豪雨に伴う水害等の発生頻度の高まりを受けて、危機管理体制の見直しを行い有事平時の危機管理体制を強化するとともに、事業継続計画(BCP)の見直しを通じて、災害に対する対応力強化を図っております。感染症対応については、万一の場合にも事業が継続できるよう、リモートワークの推進等、従業員間の接触頻度を極小化するなどの対応をフレキシブルに行える体制を整え、また、委託先や協力先の確保などにより生産体制の複数化などを実施し、今後も安定供給を実現してまいります。

海外輸入品に関しては適正な在庫確保と顧客への連絡・情報共有のスピード化で影響を最小限にする対応を行ってまいります。

 

《気候変動・環境に関するリスク》

気温上昇や異常気象による収穫量減少や品質変化等による原料の安定確保困難

○CO2排出規制強化による生産コスト増加

環境対策の対応不足や環境関連法令違反による企業価値の低下

 

(影響)

当社グループは各工場でISO14001を取得し、また、国や地方自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、環境対策の取り組みが不十分な場合、当社の企業価値を損ね、資金調達や従業員の確保等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

ESGの取組みは当社グループの事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進しております。環境負荷を極小化するために省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用、バリューチェーンにおけるAIの活用に努め、資源の利用効率の最大化を図るためのゼロエミッションなどに積極的に取り組んでまいります。

 

《人権に関するリスク》

サプライチェーンにおける人権対応不備による企業価値の低下

ハラスメント等の人権侵害

 

(影響)

生活者の環境に対する意識も高まっており、サプライチェーン上で環境や品質、人権等の問題が生じた場合、そのサプライチェーン全体での管理・責任が問われる時代となっております。これらの社会的課題への取り組みが不十分と見なされた場合、企業価値の低下につながる可能性があります。

(対応)

当社グループは、2019年に世界規模で企業とサプライヤーを結ぶ共通のプラットフォームを提供しているSedexにA/B会員として入会し、Sedexのプログラムを有効活用することで、グローバルな視点で「労働基準」「安全衛生」「環境」「ビジネス倫理」の4領域に関するサプライチェーンのサステナブルな課題の把握とその改善に取り組んでおります。また、2021年9月に国連グローバルコンパクト(UNGC)に署名し、会員企業に登録されました。UNGC署名企業として人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗防止の4分野、10原則の順守、実践に取り組んでおります。

さらに、アブラヤシの果実から搾油されるパーム油は、我々の生活に欠かせない油脂で、当社グループの事業活動を支える重要な原材料のひとつであるため、「サステナブル調達方針・調達基準」および「パーム油調達方針」に基づき、原産国の環境保全に配慮し、人権を尊重するとともに食を支える企業として、パーム油の安定供給の社会的責任を果たすために持続可能なパーム油調達を実現いたします。

 

Sedexは、グローバルサプライチェーンにおける倫理的で責任あるビジネス慣行の実現を目指し、サプライチェーンデータを管理・共有する世界最大のプラットフォームであります。顧客とサプライヤーが共通のプラットフォームを活用して情報を共有し、サプライヤーにおける問題点を抽出するとともに、その課題解決への取り組み状況を把握し、サステナブルな事業慣行の拡大に取り組んでおります。A/B会員は、バイヤー機能を持つA会員と、サプライヤーとしてSAQに回答するB会員の両方の資格を保有しております。

 

《物流に関するリスク》

ドライバーや荷役作業員の不足や配送車両を確保できないことによる製品供給の停滞や大幅な配送遅延等、適切な物流コスト管理の未実施による物流破綻

 

(影響)

ドライバーや倉庫作業者の不足などの物流危機に対する対応を講じなかった場合や物流業務に関する料金適正化を怠った場合、物流事業者が当社業務から撤退してしまう可能性があります。

当社製品の供給停滞や大幅な配送遅延は販売機会の損失に繋がり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼします。

(対応)

当社グループは、サステナブルな物流環境を構築するために、物流事業者とともにドライバーや倉庫作業者の労働環境の改善に努めております。配送業務外の付帯作業の改善、長時間待機の削減への取り組み、計画的な車両確保が出来るよう、リードタイムの延長などの物流環境改善や適切な料金設定を進めております。また様々な法規制の変更や追加に対応するため、行政動向も注視し、適切に対応してまいります。

 

《情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク》

不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等による情報の漏洩・改ざん・消失、ICTインフラ・生産ライン等の停止

インシデント発生時の対応不備

 

(影響)

年を追うごとに多様化・巧妙化するサイバーセキュリティリスクは、当社グループにおいても、サプライチェーン機能の安定的維持や個人情報を含む情報資産の適切な保持に対する大きな脅威となっており、コンピュータウイルスの感染や情報漏洩・データ改ざんが発生した場合、経営成績や社会的責任の遂行に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループでは最新のサイバーセキュリティリスクについての動向を協力会社との連携により常に把握し、以下の観点から対策の継続的強化を図っております。

1.社内ネットワークへの不正侵入を防御するシステムの導入、サーバーおよび従業員パソコンへの最新対策ソフトの導入。また、在宅勤務を前提にしたPC対策ソフトを導入

2.添付メールによる情報漏洩防御のためのPPAP対策の導入。

3.全社員を対象としたセキュリティ自己点検、標的型攻撃メール訓練、eラーニング実施による従業員へのセキュリティ意識向上と周知徹底。

4.インシデント発生時の早期解決と被害局限化を実現するCSIRTの設置。

また、今後も引き続き、年々拡大するサイバーセキュリティリスクへの対策を講じるとともに万一インシデントが発生した場合に被害を最小化し迅速な回復を図るための対応手順強化に取り組んでまいります。

 

CSIRT(Computer Security Incident Response Team)とは、コンピュータシステムやネットワークに保安上の問題に繋がる事象が発生した際に対応する組織を意味します。

 

《食品安全に関するリスク》

お客様への健康危害や表示等の法令違反による、自主回収やリコールの発生

意図的な異物混入および食品偽装やデータ改ざんの発生

 

(影響)

お客様への健康危害や表示等の法令違反により、自主回収やリコールが発生した場合、さらには意図的な異物混入および食品偽装やデータ改ざんが行われた場合には、当社ブランドの信頼失墜および、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループはISO9001による品質マネジメントシステムの運用、特に商品の開発設計・工業化段階での品質アセスメントの実施と仕組みの強化による品質リスクの低減に取り組んでおります。また、全ての自社工場においてISO22000認証(食品安全マネジメント)を取得するとともに、品質監査により仕組みの適切な運用について常に確認しています。仕組みの運用だけでなく品質や食品安全に関する従業員教育を継続して行うことで従業員との信頼関係に基づいた風通しの良い組織風土醸成に努めております。さらに、お客様に安心して商品をご利用いただけるよう、お客様相談室を通じていただいたお客様の声を商品開発に活かしてまいります。

 

《人財・労務に関するリスク》

高度な専門性を持つ人財や次世代を担う人財の不足

DE&I(ダイバーシティエクイティ&インクルージョン)の進展不足による企業競争力の低下

労働災害、業務中の事故、労働関連法令や労務トラブル等による企業価値の失墜、損害賠償請求等

 

(影響)

日本全体の社会情勢の変化により、雇用環境や必要となる専門性、人々の労働に対する価値観等が大きく変わりつつある中、当社の成長に必要な、各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財や次世代を担う人財の採用や確保、育成および配置が計画的に推進できない場合には、事業活動の停滞等により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は労働安全を重要な課題と位置づけ、当社で働く従業員の安全と健康に配慮し、事故の予防に努めております。しかし、万一労働災害が発生した場合には、当社グループの経営成績や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループはESG経営やSDGsの推進を通じて企業価値を高めております。また、働きやすい職場環境を維持・改善し、公正な人事・処遇制度の構築とその適正な運用に取り組んでおります。高度な専門性を持つ人財や次世代の経営を担う人財の育成に取り組むとともに、女性活躍やシニア活躍などのダイバーシティの更なる推進、働き方の見直しによるワーク・ライフ・バランスをさらに推進してまいります。

また、当社では毎年労働安全衛生目標を掲げ、当社グループで働く従業員の安全と健康を確保し、労働災害の発生を防止するための取り組みを進めております。例えば、安全衛生教育の実施や安全衛生管理体制の整備、労働環境の改善、さらには事故発生時の迅速な対応などに取り組んでおります。

 

《コンプライアンスに関するリスク》

法規制や社会規範に反した行為や不正・ハラスメントなどの発生

法規制の変更や追加による事業上の制約

 

(影響)

当社グループは食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制の下で事業展開しております。これらに対し、当社グループはESG経営の高度化を図るべく特定したマテリアリティのうち優先すべき課題としてリスクマネジメントの強化とコンプライアンスの推進を掲げております。万一、法規制や社会規範に反した行為や不正、またはハラスメントなどが発生した場合には、当社グループの信用の失墜により財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、予測し得ない法規制の変更や追加による事業上の制約などにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

当社グループは法規制および社会規範を遵守することを目的とした「J-オイルミルズ行動規範」を策定し、継続的な啓発と全社員を対象とした研修やeラーニングなどを実施することで周知しております。加えて、不正やハラスメントなどを早期に見出し、是正していくために社内外に内部通報窓口を設けることで、法規制や社会規範に反した行為等の発生を低減することを進めております。また、法規制の変更や追加に対応するため、法令改正情報を注視し、関連する法令改正に適切に対応してまいります。

 

《知的財産に関するリスク》

競合他社による同様の技術開発に対し、当社の知的財産の権利化が不十分なことによる競争優位性の喪失

第三者の知的財産権の侵害による販売の差し止めや損害賠償請求等

 

(影響)

知的財産の権利化が不十分なことにより、競争優位性が失われ、開発投資を充分に回収できなくなる可能性があります。その結果、次への開発投資ができなくなることにより、お客様に価値の高い製品の提供が難しくなる可能性があります。また、第三者の知的財産権の侵害は、お客様への製品提供の継続が困難になるだけでなく、当社ブランドの信頼失墜につながる恐れがあります。これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応)

知財部門からの開発や生産部門等の定期的な会議への参加や、相互連携による発明等の早期発掘により、迅速かつ適切な知的財産の権利化取得を実施しております。また、製品化の際には、第三者の知的財産権の侵害調査を実施し、侵害による差し止め等を未然に防ぐ仕組みを構築しております。

さらに、知的財産の権利化の重要性や第三者の知的財産権の侵害リスクの認識を向上するために、継続的な研修を実施しております。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

① 事業環境

油脂事業環境につきましては、主原料である大豆相場は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や米国産大豆の需給逼迫予想、植物油相場の高騰などから、1ブッシェル当たり17米ドル台後半まで上昇しましたが、その後、米国産地の良好な天候推移や世界的な景気後退懸念の高まりを受け軟調に推移し、9月には1ブッシェル当たり13米ドル台後半まで下落しました。10月以降は中国の需要回復期待やアルゼンチンの乾燥天候懸念などを材料に再度上昇に転じ、12月に1ブッシェル当たり15米ドル台まで上昇し、その後も15米ドル付近で推移しました。前年同期との比較では1月までは高位、2月以降は低位での推移となりました。菜種相場は、鉱物原油相場や植物油相場の高騰などを受け4月には期近限月で1トン当たり1,200加ドル台まで上昇しましたが、カナダ菜種の生産量回復予想や世界的な景気後退懸念、鉱物原油相場の高値修正を受けて軟調に推移し、7月には1トン当たり800加ドル割れまで下落しました。その後は700加ドル台後半から900加ドル台前半で推移しましたが、3月には鉱物原油価格の下落に伴い、700加ドル台前半まで下落しました。前年同期と比較して第1四半期は高位、第2四半期以降は低位での推移となりました。ドル円相場は、米国のインフレ懸念の高まりを受け利上げペースが加速するとの観測が強まる中で、日米の金融政策の方向性の違いから一時150円/1米ドルを超える円安ドル高が進行したものの、政府日銀の為替介入や米国でのインフレ率上昇の一服と米国経済減速懸念の高まりから12月末には130円/1米ドル付近まで円が買い戻されました。その後も130円台/1米ドルでの値動きが続きましたが、前年同期と比較して円安水準での推移となりました。

 

② 経営成績の状況

連結損益計算書

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

売上高

201,551

260,410

売上原価

175,360

232,640

販売費及び一般管理費

26,212

27,035

営業利益又は営業損失(△)

△21

734

経常利益

596

1,436

親会社株主に帰属する当期純利益

1,953

986

 

(売上高)

当連結会計年度は、原料価格高騰を受けた価格改定とミール価格の上昇により、売上高は2,604億10百万円前年同期比29.2%増)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度は、製造費用のコストダウンを継続的に進めたものの、原料価格高騰に為替相場の円安進行も重なった影響により、売上原価は2,326億40百万円前年同期比32.7%増)となりました。販売費及び一般管理費は、各種経費の抑制に取り組んだものの、物流費の高騰や経済活動の緩やかな正常化に伴い活動費が増加したことで、270億35百万円前年同期比3.1%増)となりました。

(営業利益)

高騰する原料価格に見合った販売価格への改定に努めたことに加え、高付加価値品の拡販、継続的なコストダウンを推進した結果、油脂事業の採算性が改善し、営業利益は7億34百万円前年同期は営業損失21百万円)となりました。

(経常利益)

受取配当金や持分法による投資利益の計上により、経常利益は14億36百万円前年同期比140.7%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

遊休資産の売却による固定資産売却益、委託先倉庫での損害に対する受取損害賠償金を特別利益として計上し、特別損失では台風被害による災害損失を計上しました。また、繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額を計上した影響により法人税等合計は増加しました。以上により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は9億86百万円前年同期比49.5%減)となりました。

 

③ セグメントの概況

 

セグメントの名称

売上高(百万円)

セグメント利益(百万円)

セグメント資産(百万円)

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

前期末比(百万円)

油脂事業

236,513

32.6

1,394

328.4

145,696

16,685

スペシャリティフード事業

22,847

8.1

△815

19,711

3,044

その他

1,049

△49.0

155

△43.3

702

△242

全社

12,510

△2,566

合計

260,410

29.2

734

178,621

16,921

 

 

(油脂事業)

油脂部門につきましては、家庭用汎用油においては、急激な原料コスト上昇に伴う度重なる価格改定による節約志向の高まりや外食の回復等の影響により、販売数量は前年同期を下回ったものの、価格改定により売上高は前年同期を上回りました。家庭用高付加価値品においても、主原料の原料コストが大幅に上昇したため価格改定を実施いたしました。市場価格の上昇に伴い、オリーブオイルは市場が縮小したものの、売上高は前年同期と同程度となりました。環境負荷の低減やお客様の使いやすさが特長である「スマートグリーンパック®」(紙パック製品)のラインナップを拡充し、汎用油から高付加価値油まで幅広いアイテムを展開しました。業務用は、10月以降のインバウンド需要の回復や全国旅行支援など、外食の需要を喚起する動きがあったものの、物価高騰による厳しい経営状況の継続を反映して、油脂価格高騰に伴うお客様の使用日数延長やフライメニュー減少の影響で需要が減退し、販売数量は前年同期をわずかに下回りました。家庭用と同様に、更なる価格改定を実施した結果、売上高は前年同期を大きく上回りました。市場価格の上昇に伴い、「長徳®」シリーズについては、お客様のコスト負担軽減への貢献とCFP(Carbon Footprint of Products)認証を軸にした店頭でのコミュニケーション(BtoBtoC)を強化したことが奏功し、販売数量は前年同期を大きく上回りました。

油糧部門につきましては、大豆ミールは、搾油量が前年同期を大きく上回ったことから、販売数量は前年同期を大きく上回りました。販売価格はシカゴ相場の上昇と為替相場の大幅な円安進行により前年同期を大きく上回りました。菜種ミールは、搾油量が前年同期を大きく下回ったことから、販売数量は前年同期を大きく下回りました。販売価格は大豆ミール価格の上昇に連動して前年同期を大きく上回りました。

以上の結果、当事業は、売上高2,365億13百万円前年同期比32.6%増)、セグメント利益13億94百万円前年同期比328.4%増)、セグメント資産1,456億96百万円前期末比166億85百万円増)となりました。

 


 

 

(スペシャリティフード事業)

乳系PBF部門につきましては、家庭用はマーガリンの主原料であるパーム油や大豆油、菜種油など原料相場の高騰や為替相場の円安進行などを受け、価格改定に注力しましたが、マーガリン市場の縮小の影響や価格改定による反動により販売数量は前年同期を大きく下回り、売上高は前年同期をやや下回りました。プラントベース食品「Violife(ビオライフ)」は2022年3月より全国展開をスタートし、6月にはブランド認知度アップのために関東エリアでテレビCMを実施しました。また秋季新商品としてプラントベースチーズ3商品を発売し、植物性チーズの新たな楽しみ方の創出に努めるとともに、商品ラインナップの見直しを進めました。業務用は行動制限の緩和による人流回復により、土産菓子、外食等の需要に回復傾向が見られましたが、パンの需要は引き続き低迷しており、お客様の油脂使用量の削減や最終製品の容量減もあり販売数量は前年同期を下回りました。家庭用と同様に、価格改定に注力したことにより、売上高は前年同期を上回りました。粉末油脂事業は、販売数量は前年同期を下回りましたが、原料油脂相場の上昇により販売価格が上昇し売上高は前年同期を上回りました。

食品素材部門につきましては、テクスチャーデザインは高付加価値食品用澱粉および工業用澱粉の販売が好調に推移しましたが、鳥インフルエンザの影響で飼料用の出荷は伸びず販売数量は前年同期と同程度となりました。売上高は、原料とうもろこし相場や、為替相場の影響を受けた製品価格の適正化を推進したため、前年同期を大きく上回りました。前年度第2四半期に上市しました業務用スターチ製品の新ブランド「TXdeSIGN ®(テクスデザイン)」シリーズにつきましては、専用ホームページの設置など、拡販に向けて提案を強化することで、ターゲット顧客に採用が進みました。ファインはビタミンK2の価格改定の実施などにより、売上高は前年同期をわずかに上回りました。大豆たん白をベースとした大豆シート食品「まめのりさん®」の販売は、主要販売先である北米において秋頃より景気に陰りが見え始め、現地での流通在庫が増加したため出荷が鈍化し、販売数量は前年同期を大きく下回りました。原料価格などの大幅な上昇に伴い価格改定を進めましたが、売上高は前年同期を下回りました。

以上の結果、当事業は売上高228億47百万円前年同期比8.1%増)、販売価格の改定に努めたものの原料価格の高止まりなどの影響により、セグメント損失8億15百万円前年同期はセグメント損失6億20百万円セグメント資産197億11百万円前期末比30億44百万円増)となりました。

 


 

 

(その他)

その他の事業につきましては、売上高10億49百万円前年同期比49.0%減)、セグメント利益1億55百万円前年同期比43.3%減)、セグメント資産7億2百万円前期末比2億42百万円減)となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

油脂事業

210,540

31.9

スペシャリティフード事業

16,676

9.4

合計

227,216

30.0

 

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 金額は製造原価によっております。

b. 受注実績

当社グループは受注生産を行っておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

油脂事業

236,513

32.6

スペシャリティフード事業

22,847

8.1

その他

1,049

△49.0

合計

260,410

29.2

 

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

味の素株式会社

44,957

22.3

49,128

18.9

全国農業協同組合連合会

19,357

9.6

26,618

10.2

 

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画「Transforming for Growth」を推進しており、その達成・進捗状況は以下のとおりであります。

 

2021年度実績

2022年度実績

2026年度目標

売上高

201,551百万円

260,410百万円

営業利益

△21百万円

734百万円

110億円

営業利益率

△0.0%

0.3%

ROE

2.1%

1.0%

8.0%

ROIC

△0.0%

0.4%

5.0%

EPS

59.24円

29.82円

260円

 

 

(2) 財政状態

連結貸借対照表

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

流動資産

94,196

110,793

固定資産

67,466

67,797

繰延資産

37

30

資産合計

161,700

178,621

流動負債

40,748

51,527

固定負債

26,427

32,829

負債合計

67,176

84,357

純資産

94,523

94,263

負債純資産合計

161,700

178,621

 

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は1,107億93百万円で、前連結会計年度末に比べ165億97百万円増加しました。主な増加は、棚卸資産が99億99百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が91億82百万円であります。主な減少は、流動資産その他14億29百万円であります。

固定資産は677億97百万円で、前連結会計年度末に比べ3億31百万円増加しました。主な増加は、無形固定資産が4億24百万円、投資有価証券が3億81百万円であります。主な減少は、有形固定資産4億49百万円であります。

これにより、総資産は1,786億21百万円前期末比169億21百万円増)となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は515億27百万円で、前連結会計年度末に比べ107億78百万円増加しました。主な増加は、短期借入金が81億円、支払手形及び買掛金が11億87百万円、流動負債その他が10億30百万円であります。

固定負債は328億29百万円で、前連結会計年度末に比べ64億2百万円増加しました。主な増加は、長期借入金が63億90百万円、繰延税金負債が2億32百万円であります。主な減少は、リース債務1億68百万円であります。

これにより、負債は843億57百万円前期末比171億80百万円増)となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は942億63百万円で、前連結会計年度末に比べ2億59百万円減少しております。主な増加は、その他有価証券評価差額金3億13百万円であります。主な減少は、繰延ヘッジ損益が5億6百万円、利益剰余金が1億80百万円であります。

 

(3) キャッシュ・フロー

① キャッシュ・フローの状況

連結キャッシュ・フロー計算書

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

△16,807

△10,022

投資活動によるキャッシュ・フロー

1,917

△3,709

財務活動によるキャッシュ・フロー

10,576

12,628

現金及び現金同等物の増減額

△4,273

△1,081

現金及び現金同等物の期末残高

3,505

2,424

 

当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ10億81百万円減少し、24億24百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ67億84百万円増加し、△100億22百万円となりました。この主な要因は、棚卸資産や売上債権が増加したことによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ56億27百万円減少し、△37億9百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出を計上したことによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ20億52百万円増加し、126億28百万円となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入を計上したことによります。

 

② キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

自己資本比率(%)

58.8

60.6

60.1

58.2

52.5

時価ベースの自己資本比率(%)

45.9

51.0

42.0

32.9

28.2

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

2.0

1.6

5.2

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

127.5

172.7

36.3

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※2021、2022年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

③ 資本の財源

主要な資金需要は、製造および販売活動に必要な運転資金、有利子負債の返済、配当金の支払い、法人税等の支払い、事業基盤整備のための設備投資、新規事業への投資であり、これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび内部留保資金、社債発行、金融機関からの借入により資金調達しております。

 

④ 資金の流動性

当社グループは、現金及び現金同等物において、グループ各社の余剰資金を一元管理することによって資金の効率化と金融費用の極小化を図っております。また、当座貸越契約、コミットメントライン契約、売掛債権の流動化による機動的な資金調達手段を備えており、十分な資金の流動性を確保しております。

 

⑤ 財務政策

当社グループは、資本効率性と格付を考慮した財務健全性の最適バランスを取りながら、営業活動によるキャッシュ・フロー創出力を強化し、持続的な企業価値の向上を追求していく方針であります。これにより、事業活動の維持に必要な手許資金の水準を確保するとともに、安定した株主還元と、企業体質の強化や積極的な事業展開のためへの成長投資など、長期的視野に立った安定的かつ適正な利益配分を行うこととしております。加重平均資本コスト(WACC)等を用いて資産効率向上を進めてROA等の改善を図ることとし、原料相場高騰や為替相場の円安進行等による経営環境の変化を踏まえ、財務政策における目標値を見直すこととしております。

なお、キャッシュ・フローの推移実績は以下のとおりであります

項目(億円)

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

キャッシュ・イン

 

 

 

 

 

 

営業活動キャッシュ・フロー

130

146

42

△168

△100

 

資産売却

22

20

12

74

12

 

借入金残高

215

189

183

306

446

キャッシュ・アウト

 

 

 

 

 

 

成長投資等

48

63

36

55

50

 

株主還元

15

15

16

16

11

 

有利子負債返済または調達

(△は調達)

95

25

7

△120

△139

フリー・キャッシュ・フロー

104

104

18

△148

△137

 

(注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー

※借入金残高は、社債を含みます。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを用いることが必要となりますが、これらの見積りについては過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しております。しかしながら実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

退職給付債務の算定

当社グループは確定給付制度を採用しております。退職給付債務及び勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

なお、投資有価証券の評価、繰延税金資産の回収可能性および棚卸資産(原材料)の評価については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

相手先

相手先の

所在地

契約内容

契約締結日

契約期間

味の素株式会社

日本

食用油脂事業に関する業務提携の下、同社のブランドを使用する、同社の一部販売ルートを利用する等。

2004年7月1日

自動更新

不二製油グループ本社株式会社

日本

食用油脂事業に関する業務提携の下、原料・資材の効率的調達、中間原料油の相互供給等。

2007年9月7日

自動更新

日清オイリオグループ株式会社

日本

搾油工程(原油と油粕の製造)までを範囲とした業務提携の基本契約。

2020年3月31日

自動更新

全国農業協同組合連合会

JA西日本くみあい飼料株式会社

全農サイロ株式会社

日本

当社倉敷工場の運営に関連して、原料大豆の保管設備利用や配合飼料原料の供給等、長期にわたって相互協力を行う。

2015年2月1日

自動更新

Premium Nutrients Private Limited

マレーシア

油脂加工品事業に関する業務提携の下、同社の子会社であるPremium Fats Sdn BhdとPremium Vegetable Oils Sdn Bhdに対して出資することにより、それぞれ当社の連結子会社、持分法適用会社とする。

2019年10月9日

自動更新

UPFIELD EUROPE B.V.

オランダ

同社ブランドのマーガリン事業での使用。

2019年12月16日

自動更新

UPFIELD GEC Limited.

イギリス

同社グループ会社がギリシャおよびドイツで製造する「Violife(ビオライフ)」ブランド製品の日本国内における独占輸入・販売契約。

2021年5月17日

3年

以後

合意更新

 

 

6 【研究開発活動】

当社では、「おいしさデザイン®」による付加価値創造を目指して商品開発・技術開発を進めております。事業ごとに設置した各研究開発グループと中長期および横断的な開発を担う「フードデザインセンター」により、おいしさ・健康・低負荷の課題を解決すべく、研究開発活動を行っております

フードデザインセンター「イノベーション開発部」は、新技術の開発・コア技術の獲得と強化を、「研究開発戦略部」は、研究開発部門の戦略立案を通して、獲得された技術での利益の最大化を推進しております。

アプリケーション開発ではプレゼンテーション機能を併せ持つ「おいしさデザイン工房®」を中心に、当社の持つ製品や技術を掛け合わせて、揚げ物料理や調理、健康、調味、低負荷といった様々な付加価値機能を追求するとともに、お客様や市場との接点を多く持つことで「おいしさデザイン®」による付加価値創造と社会課題解決のためのソリューション提案活動に努めております。主な当社製品の研究開発は次のとおりであります。

①家庭用油脂商品の開発においては、生活者のベネフィットを第一に考え、おいしさ、健康、環境および調理者の負荷低減に寄与する商品開発を行っております。

②業務用油脂商品の開発においては、食のプロに向けて、作業環境の向上、長持ち機能など経済性および環境さらには調理作業の低負荷に繋がる商品の提供を目指し開発を行っております。

③乳系PBF事業においては、家庭用および業務用マーガリン、業務用ショートニング、粉末油脂、乳系植物性食品の開発を行い、油脂加工技術を活用して、一般消費者や食のプロのニーズにお応えしております

④テクスチャーデザイン事業においては、当社独自の加工技術を用いて、畜肉製品、水練り製品、菓子類、製菓など幅広いジャンルの食品に対して、好ましい食感・物性・機能性を付与できる機能性澱粉の商品開発を行っております。

新領域事業においては、主に海外のすしロールに利用される大豆シートや、ビタミンE、ビタミンK2などのファイン素材の開発を行っております。

なお、研究開発費の総額は、1,355百万円であります。

 

セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。

(油脂事業)

家庭用油脂分野では健康意識の高まりを受け、クッキングオリーブオイルの新商品 JOYL「AJINOMOTO やさしいOliveOil」300gスマートグリーンパック®を発売しました。またADMINISTRATION MANAGEMENT CONSULTING SERVICES P.C.,(ギリシャ)のブランド「GOUTIS ESTATE」のエキストラバージンオリーブオイルを輸入し、当社公式オンラインショップ限定で販売を開始しました。さらには健康イメージと使いやすさで市場拡大中のこめ油をブレンドし、あらゆる料理にお使いいただける新製品 JOYL「AJINOMOTO こめ油たっぷりクッキングオイル」を発売いたしました。

当社はプラスチック廃棄物やごみ容積の削減、CO2排出量削減を取り組むべき課題と認識しており、具体的な課題解決として紙パック採用によりプラスチック使用量約60%削減を実現した環境配慮型商品を「スマートグリーンパック®」シリーズとして展開しております。店頭における視認性・識別性を高め、「スマートグリーンパック®」の特長をより分かりやすく伝えるため、パッケージデザインを一新し、9製品に拡大しました。例えば、ごま油では家庭内需要が高まり、風味付けなどの用途が広がったことからJOYL「AJINOMOTO ごま油好きの純正ごま油」300gスマートグリーンパック®を発売いたしました。

業務用油脂分野におきましても、CO2発生量の削減によるサステナブルな社会実現へ貢献すべく、当社独自技術「SUSTEC® (サステック)」を導入した商品である「長徳®」シリーズのCFP認証を「長徳®キャノーラ油」に続き取得し、拡販に取り組みました。加えて、食資源を大切に使用したいというお客様の要望に応えるべく、フライ油廃棄に関する管理基準の提案など、幅広く活動してまいりました。また、調理における技術不足・手間軽減(時短)・安定調達をサポートする商品を提供することで、外食や中食の調理現場がサステナビリティを実現しつつ、生活者のニーズに対応した製品およびサービスを開発しております。

なお、当事業の研究開発費の金額は、830百万円であります。

(スペシャリティフード事業)

乳系PBF分野では、昨年度発売を開始した「Violife(ビオライフ)」シリーズから、「Violife 植物生まれのチーズ ブロック スモークタイプ」と「Violife 植物生まれのチーズ シュレッド モッツァレラタイプ」の2品を新たに発売いたしました。また、販売中の「Violife 植物生まれのチーズ シュレッド チェダータイプ」をお試ししやすい100gサイズにリニューアルいたしました。粉末油脂分野では、生産部門との連携を通して噴霧乾燥工程の生産効率の向上、安定生産へのサポートを継続しております。

テクスチャーデザイン分野では、昨年度より展開している業務用新ブランド「TXdeSIGN ®(テクスデザイン)」シリーズの新商品として、通常のαでん粉と同等以上の吸水が可能な上、ダマになりにくいなどのユーザビリティーを向上させたスターチ素材「クレムス」ならびに、エンドウ豆でん粉を当社の独自技術で加工した、たらこなどの魚卵製品の代替となる「キャビール」の2品を発売いたしました。

新領域分野では、大豆シート食品「まめのりさん®」とファイン分野のビタミンK2は、生産効率改善や販売促進に対応した技術開発に取り組みました。また、プラントベースミートなどの結着用途として、卵白の代替となる「プランコネクト」を発売いたしました。

なお、当事業の研究開発費の金額は、525百万円であります。