(収益認識関係)

(1) 顧客との契約から生じる収益を分解した情報

顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

(2) 顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報

顧客との契約について、当社および連結子会社は以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。

 

ステップ1:顧客との契約を識別する。

ステップ2:契約における履行義務を識別する。

ステップ3:取引価格を算定する。

ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務に配分する。

ステップ5:履行義務を充足した時点で(または充足するに応じて)収益を認識する。

 

当社グループは、家庭用油脂製品および業務用油脂製品ならびに油糧(ミール類)の生産販売を中核とする油脂事業と、当社独自の油脂加工技術やアプリケーション技術を駆使した製品開発および販売を行うスペシャリティフード事業を報告セグメントとしております。スペシャリティフード事業については、マーガリン等の加工販売を行う乳系PBF事業、トウモロコシ等を原料としたスターチ製品の加工販売やトコフェロールおよび大豆イソフラボン等の機能性素材の加工販売を行う食品素材事業から構成されております。

これらの製品販売については、製品出荷後の顧客への引き渡しが合理的に見込まれる時点で製品への支配が顧客に移転し、履行義務が充足されることから、当該引渡予定日時点で収益を認識しております。

製品販売から生じる収益は、販売契約における対価から販売数量または販売金額に応じて支払う奨励金や割戻金、ならびに販売拡大を目的として支払う協賛金等について控除して算定しており、顧客に返金すると見込んでいる対価については返金負債として計上しております。当該返金負債の見積にあたっては、顧客別製品群ごとの契約達成条件上の支払額や割戻率および契約対象期間の販売実績等の主要な仮定に基づき、最頻値法により見積計算を行っております。

製品の販売契約における対価は、顧客へ製品を引き渡した時点から主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。

 

(3) 当連結会計年度及び翌連結会計年度以降の収益の金額を理解するための情報

① 契約資産の残高等

顧客との契約から生じた債権、契約資産の残高は以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

顧客との契約から生じた債権(期首残高)

 

 

受取手形

342

342

電子記録債権

188

200

売掛金

43,776

44,943

 

44,308

45,486

顧客との契約から生じた債権(期末残高)

 

 

受取手形

342

215

電子記録債権

200

4,332

売掛金

44,943

36,268

 

45,486

40,815

契約資産(期首残高)

契約資産(期末残高)

 

 

② 残存履行義務に配分した取引価格

当社および連結子会社では、残存履行義務に配分した取引価格については、当初に予想される契約期間が1年を超える重要な契約がないため、実務上の便法を適用し、記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。

 

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

(1) 報告セグメントの決定方法

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会および経営会議において、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

当社は、油脂事業を中心に複数の事業を営んでおり、各事業で取り扱う製品・サービスについての戦略を立案し、関連する分野において連携しながら事業活動を展開しております。各製品の原料・製造方法・販売する市場、連結財務諸表に占める割合などを総合的に考慮し、当社の報告セグメントは、主に家庭用油脂・業務用油脂・ミールの「油脂事業」、乳系PBF・食品素材の「スペシャリティフード事業」としております。

 

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載とおおむね同一であります。報告セグメントの利益は営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高又は振替高は、主に製造原価に基づいております。

 

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

 

報告セグメント

その他
(注1)

合計

調整額

(注2)

連結財務諸表計上額(注3)

油脂事業

スペシャリティフード事業

 

売上高

 

 

 

 

 

 

 

家庭用油脂

29,092

29,092

29,092

29,092

業務用油脂

116,953

116,953

116,953

116,953

ミール類

73,954

73,954

73,954

73,954

乳系PBF

12,953

12,953

12,953

12,953

食品素材

10,326

10,326

10,326

10,326

その他

1,040

1,040

1,040

顧客との契約から生じる収益

220,000

23,279

243,279

1,040

244,319

244,319

その他の収益

外部顧客への売上高

220,000

23,279

243,279

1,040

244,319

244,319

セグメント間の内部
売上高又は振替高

1,592

173

1,766

1,766

1,766

221,592

23,453

245,045

1,040

246,085

1,766

244,319

セグメント利益

6,952

122

7,075

168

7,243

7,243

セグメント資産

144,965

17,074

162,039

696

162,735

15,357

178,093

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

3,073

511

3,585

6

3,591

1,083

4,675

有形固定資産及び
無形固定資産の増加額

2,985

209

3,195

3,195

786

3,981

 

(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産賃貸等の各種サービス等が含まれております。

2 セグメント資産の調整額に含めた全社資産の金額は15,357百万円であり、その主なものは余資運用資金(現金及び有価証券)、長期投資資金(一部の投資有価証券)および管理部門に関わる資産等であります。

3 セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と一致しております。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

報告セグメント

その他
(注1)

合計

調整額

(注2)

連結財務諸表計上額(注3)

油脂事業

スペシャリティフード事業

 

売上高

 

 

 

 

 

 

 

家庭用油脂

30,002

30,002

30,002

30,002

業務用油脂

110,670

110,670

110,670

110,670

ミール類

68,558

68,558

68,558

68,558

乳系PBF

10,965

10,965

10,965

10,965

食品素材

9,601

9,601

9,601

9,601

その他

985

985

985

顧客との契約から生じる収益

209,231

20,566

229,797

985

230,783

230,783

その他の収益

外部顧客への売上高

209,231

20,566

229,797

985

230,783

230,783

セグメント間の内部
売上高又は振替高

1,261

145

1,407

1,407

1,407

210,492

20,712

231,205

985

232,190

1,407

230,783

セグメント利益

8,243

135

8,379

192

8,572

8,572

セグメント資産

130,557

17,532

148,089

697

148,787

21,377

170,164

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

2,735

385

3,121

7

3,128

929

4,058

有形固定資産及び
無形固定資産の増加額

3,702

261

3,963

3,963

704

4,668

 

(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産賃貸等の各種サービス等が含まれております。

2 セグメント資産の調整額に含めた全社資産の金額は21,377百万円であり、その主なものは余資運用資金(現金及び有価証券)、長期投資資金(一部の投資有価証券)および管理部門に関わる資産等であります。

3 セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と一致しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

1 製品及びサービスごとの情報

報告セグメントと同一区分のため、記載を省略しております。

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

3 主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

味の素株式会社

49,513

油脂およびスペシャリティフード

全国農業協同組合連合会

25,894

油脂およびスペシャリティフード

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

1 製品及びサービスごとの情報

報告セグメントと同一区分のため、記載を省略しております。

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

3 主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

味の素株式会社

48,778

油脂およびスペシャリティフード

全国農業協同組合連合会

23,013

油脂およびスペシャリティフード

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

油脂事業

スペシャリティ

フード事業

減損損失

8

443

59

510

 

(注)「全社・消去」の金額は、セグメントに帰属しない全社資産に係る減損損失であります。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

油脂事業

スペシャリティ

フード事業

減損損失

31

141

172

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

油脂事業

スペシャリティ

フード事業

当期償却額

10

10

当期末残高

8

8

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

全社・消去

合計

油脂事業

スペシャリティ

フード事業

当期償却額

8

8

当期末残高

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。

 

 

【関連当事者情報】

関連当事者との取引

連結財務諸表提出会社と関連当事者の取引

連結財務諸表提出会社の親会社及び主要株主(会社等に限る。)等

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

種類

会社等の名称
又は氏名

所在地

資本金又
は出資金
(百万円)

事業の内容
又は職業

議決権等
の所有
(被所有)
割合(%)

関連当事者
との関係

取引の内容

取引金額
(百万円)

科目

期末残高
(百万円)

その他の関係会社

味の素㈱

東京都
中央区

79,863

食料品等の製造
その他

被所有
直接
27.2

当社製品の販売および
原材料の仕入

役員の兼任1人

油脂製品の販売
(注1,2)

49,513

受取手形、売掛金及び契約資産

9,406

原材料の
仕入
(注2)

9,130

支払手形
及び
買掛金

2,701

主要株主

三井物産㈱

東京都
千代田区

343,062

総合商社

被所有
直接
12.6

当社製品の販売および
原材料の仕入

油脂製品の販売
(注2)

14,434

受取手形、売掛金及び契約資産

2,648

原材料の
仕入
(注2)

46,107

支払手形
及び
買掛金

4,832

 

(取引条件及び取引条件の決定方針等)

(注)1 一部の対象製品の販売については、味の素㈱の再販売価格と同額であります。なお、販売対価として0.8%のコミッションを支払っております。

2 市場価格等を勘案した当社希望価格を提示し、価格交渉の上決定しております。おおむね、市場価格どおりであります。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

種類

会社等の名称
又は氏名

所在地

資本金又
は出資金
(百万円)

事業の内容
又は職業

議決権等
の所有
(被所有)
割合(%)

関連当事者
との関係

取引の内容

取引金額
(百万円)

科目

期末残高
(百万円)

その他の関係会社

味の素㈱

東京都
中央区

79,863

食料品等の製造
その他

被所有
直接
27.2

当社製品の販売および
原材料の仕入

役員の兼任1人

油脂製品の販売
(注1,2)

48,778

受取手形、売掛金及び契約資産

4,549

電子記録債権

4,106

原材料の
仕入
(注2)

9,141

支払手形
及び
買掛金

2,693

主要株主

三井物産㈱

東京都
千代田区

343,441

総合商社

被所有
直接
12.6

当社製品の販売および
原材料の仕入

油脂製品の販売
(注2)

12,983

受取手形、売掛金及び契約資産

2,345

原材料の
仕入
(注2)

41,505

支払手形
及び
買掛金

1,376

 

(取引条件及び取引条件の決定方針等)

(注)1 一部の対象製品の販売については、味の素㈱の再販売価格と同額であります。なお、販売対価として0.8%のコミッションを支払っております。

2 市場価格等を勘案した当社希望価格を提示し、価格交渉の上決定しております。おおむね、市場価格どおりであります。

 

 

(1株当たり情報)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

1株当たり純資産額

3,072.06

3,199.00

1株当たり当期純利益

205.36

211.52

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 1株当たり当期純利益の算定上の基礎

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

6,792

6,996

普通株主に帰属しない金額(百万円)

普通株式に係る親会社株主に帰属する
当期純利益(百万円)

6,792

6,996

普通株式の期中平均株式数(株)

33,075,830

33,075,845

 

3 株主資本において自己株式として計上されている株式給付信託に残存する自社の株式は、1株当たり純資産額および1株当たり当期純利益の算定上、期末株式数および期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。当該信託が保有する当社株式の期末株式数は、前連結会計年度262,214株、当連結会計年度257,588株であり、期中平均株式数は、前連結会計年度263,045株、当連結会計年度259,594株であります。

 

(重要な後発事象)

(重要な設備投資)

当社は、2025年5月8日開催の取締役会において、研究開発拠点の移転統合および研究開発設備等の建設工事の実施について決議いたしました。

 

(1) 設備投資の目的

当社の基盤技術開発や商品開発を担う研究開発機能は、油脂、マーガリンや粉末油脂などの油脂加工品、スターチ(でんぷん)などのテクスチャー素材、健康素材など部門ごとに3拠点に分かれております。研究開発機能の統合により、部門間の連携強化によるイノベーション創出の活性化、プロジェクト対応力や生産性向上などのシナジー効果を生み出すことで、当社の研究開発力をさらに強化し、中長期的な事業成長を目指してまいります。

 

(2) 設備投資の内容

所在地

神奈川県川崎市川崎区鈴木町

敷地面積

3,881㎡

用途

研究開発機能設備

投資予定額

2,650百万円

 

 

(3) 設備の導入時期

本設備については2027年1月の稼働開始を予定しております。