第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が継続する中、旺盛なインバウンド需要などを背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、米国通商政策をめぐる不確実性や、国際情勢の不安定化を背景としたエネルギー・原材料価格の高止まり、さらには円安の長期化に伴う物価上昇など、景気の先行きには依然として不透明感が残っております。

このような事業環境のもと、当社は2030年の目指すべき姿を見据え、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画「Transforming for Growth」を推進しております。おいしさ×健康×低負荷による、人と社会と環境へのよろこびの創出を基本理念に掲げ、経営基盤の強化および既存事業の収益性向上に取り組むとともに、事業ポートフォリオの高度化、海外展開の推進などの成長戦略の加速を通じて、企業価値のさらなる向上に努めております。

以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高1,122億46百万円前年同期比3.5%減)、営業利益25億16百万円前年同期比53.8%減)、経常利益27億82百万円前年同期比50.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益17億53百万円前年同期比50.9%減)となりました。

(単位:百万円)

 

前中間

連結会計期間

当中間

連結会計期間

増減額

前年同期比

売上高

116,306

112,246

△4,060

△3.5%

営業利益

5,446

2,516

△2,930

△53.8%

経常利益

5,591

2,782

△2,809

△50.2%

親会社株主に帰属する

中間純利益

3,568

1,753

△1,814

△50.9%

 

 

セグメントの概況は、次のとおりであります。

 

(油脂事業)

(単位:百万円)

 

前中間

連結会計期間

当中間

連結会計期間

増減額

前年同期比

売上高

105,785

102,612

△3,172

△3.0%

セグメント利益

5,331

1,954

△3,376

△63.3%

 

 

油脂事業は、インバウンド需要の拡大や外食市場の回復を背景に、業務用油脂の販売は堅調に推移いたしました。一方、家庭用油脂は、物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まりから、需要が減少いたしました。さらに円安の長期化や、物流費、エネルギー価格の高止まりに加え、ミールバリューの歴史的低水準やカナダ産菜種の油分低下など、複数の外部要因により油脂コストが大きく圧迫されました。このような環境下において、価格改定の浸透や高付加価値品の拡販などにより収益性の改善に努めましたが、その効果は短期的にコスト上昇を補うまでには至らず、油脂事業全体では前年同期比で減収減益となりました。

 

 

<主原料・為替相場の動向>

主原料である大豆相場は、南米での豊作期待や米中通商摩擦の激化を背景に、一時1ブッシェル当たり9米ドル台まで下落いたしました。その後、米国における再生可能燃料の混合義務量引き上げや、米中関税協議の進展期待などを受けて上昇に転じ、6月には10米ドル台後半まで上昇いたしました。その後は、米国産地での生育状況が概ね良好であったことから、7月には再び9米ドル台まで下落いたしましたが、8月以降は生育後半における米国産地での乾燥した天候を背景に10米ドル台を回復いたしました。

菜種相場は、米国における再生可能燃料の混合義務量引き上げや、カナダ産地の乾燥懸念などを背景に、7月には1トン当たり700加ドル台中盤まで上昇いたしました。その後、カナダ産地の天候回復による豊作期待の高まりや、中国によるカナダ産菜種へのアンチダンピング課税導入の影響を受けて軟調に推移し、9月には600加ドル付近まで下落いたしました。

為替相場は、米国の関税政策に伴う世界経済減速懸念から、一時1米ドル140円を下回る円高ドル安が進行いたしました。その後は、米国の物価、雇用などの経済指標や日米関税交渉の状況、日銀の利上げ先送り観測などを背景に円売り米ドル買いが進み、1米ドル140円台中盤から後半の水準で推移いたしました。

 

油脂部門

家庭用油脂は、販売数量が前年同期をやや上回ったものの、原料コストの軟化に伴うオリーブオイルの販売価格下落が影響し、売上高は前年同期をわずかに下回りました。環境負荷の低減やお客様の使いやすさを特長とする「スマートグリーンパック®」においては、ラインアップの拡充や各種トライアル施策の展開などを通じ、引き続き拡販に努めました。

業務用油脂は、実質賃金の伸び悩みによる節約志向が見られるものの、インバウンド需要の拡大や国内の人流活性化に伴う外食市場の回復を背景に、販売数量、売上高ともに堅調に推移いたしました。食材コストの上昇や深刻化する人手不足などの課題に対しては、品質劣化を抑えて長く使用できる「SUSTEC®(サステック)」シリーズや、調理時間や作業負荷を軽減する「調味油」「調理油」など、機能性を高めた高付加価値品の拡販に努めました。

 

<油糧部門>

大豆ミールは、搾油量の増加により販売数量は好調に推移いたしましたが、シカゴ大豆ミール相場が下落したことから、販売価格は前年同期を大きく下回りました。

菜種ミールは、搾油量がわずかに減少したものの、ミール歩留りの良化により、販売数量は前年並みとなりました。一方、販売価格は大豆ミール相場に連動して下落し、前年同期を大きく下回りました。

 

以上の結果、当事業は売上高1,026億12百万円前年同期比3.0%減)、セグメント利益19億54百万円前年同期比63.3%減)となりました。

 

 

(スペシャリティフード事業)

 

(単位:百万円)

 

前中間

連結会計期間

当中間

連結会計期間

増減額

前年同期比

売上高

10,025

9,240

△784

△7.8%

セグメント利益

21

467

446

 

 

スペシャリティフード事業は、不採算事業からの撤退や構造改革の推進により売上高は前年同期比で減収となりましたが、粉末油脂の価格改定の浸透に加え、機能性スターチに特化した食品素材の販売強化が奉功し、前年同期比で増益となりました。

 

<乳系PBF部門>

業務用油脂加工品は、好調なインバウンド需要や国内人流の活性化により、土産菓子向けは底堅く推移いたしました。一方で、原材料価格の高騰を背景とした価格改定を進めたことにより、販売数量は低調に推移し、売上高は前年同期をやや下回りました。

粉末油脂は、受注量の変動により販売数量は前年同期をわずかに下回りましたが、原料・為替相場の変動を販売価格に適切に反映した結果、売上高は前年同期を大きく上回りました。

 

<食品素材部門>

テクスチャーデザイン事業は、段ボール用途などの汎用スターチ終売の影響により、販売数量、売上高ともに前年同期を大きく下回りました。一方、食品用澱粉においては、油脂事業との協働による「おいしさデザイン®」によるソリューション提案を推進し、顧客価値の向上に努めました。

ファインは、全体の販売数量は堅調に推移したものの、ビタミンK2の販売数量が前年同期を大きく下回った影響により、売上高は前年同期を下回りました

大豆たん白をベースとした大豆シート食品「まめのりさん®」は、主要販売先である北米向け出荷の伸長に加え、欧州や中東への取組みを強化した結果、販売数量、売上高ともに前年同期を大きく上回りました。

 

以上の結果、当事業は売上高92億40百万円前年同期比7.8%減)、セグメント利益4億67百万円(前年同期はセグメント利益21百万円となりました。

 

(その他)

その他の事業につきましては、売上高3億92百万円前年同期比20.9%減)、セグメント利益93百万円前年同期比0.3%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ3億80百万円増加し、1,705億45百万円となりました。主な増加は、棚卸資産が28億38百万円、現金及び預金が8億30百万円、投資有価証券が3億57百万円、流動資産その他が2億84百万円であります。主な減少は、有価証券が37億円、無形固定資産が2億94百万円であります。

負債は、前連結会計年度末と比べ9億91百万円減少し、628億85百万円となりました。主な増加は、支払手形及び買掛金が28億25百万円、繰延税金負債が5億30百万円であります。主な減少は、流動負債その他が12億96百万円、1年内返済予定の長期借入金が11億90百万円、未払法人税等が8億79百万円、賞与引当金が4億57百万円であります。

純資産は、前連結会計年度末と比べ13億71百万円増加し、1,076億60百万円となり、自己資本比率は62.9%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ28億69百万円減少し、90億80百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ87億18百万円減少し、19億98百万円となりました。この主な要因は、仕入債務が増加したことによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ9億60百万円増加し、△21億1百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出を計上したことによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ29億64百万円増加し、△27億91百万円となりました。この主な要因は、長期借入金の減少および配当金の支払いをしたことによります。

 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は5億37百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【重要な契約等】

当中間連結会計期間において、重要な契約等の決定又は締結等はありません。