第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間のわが国経済は、雇用や所得環境の改善による個人消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大などを背景に緩やかな回復基調で推移しました。一方、不安定な国際情勢によるエネルギーコストの高止まりや円安の長期化の影響による物価上昇など、景気の動向は不透明な状況が続いております。

このような状況下において、当社は油脂汎用品の価格適正化に取り組むとともに、「低負荷」を差別化された強みとして高付加価値品の拡販に努めました。

以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高1,163億6百万円前年同期比6.7%減)、営業利益54億46百万円前年同期比10.3%増)、経常利益55億91百万円前年同期比11.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益35億68百万円前年同期比4.2%増)となりました。

 

セグメントの概況は、次のとおりであります。

 

(油脂事業)

主原料である大豆相場は、4月は南米の豊作や米国の作付面積増加の観測から期近限月で1ブッシェル当たり11米ドル台にて推移しましたが、ブラジル産地で発生した洪水の収穫への影響が懸念されたことなどから、5月中旬には一時12米ドル台半ばまで上昇しました。その後は、米国産地における順調な生育状況を受けて軟調に推移し、8月中旬には9米ドル台まで下落しましたが、9月末にかけては、南米産地の作付け時期の降雨不足の懸念などから上昇傾向に転じ、10米ドル台を回復する値動きとなりました。前年同期との比較では低位での推移となりました。菜種相場は、4月は期近限月で1トン当たり600加ドル台前半にて取引されていましたが、5月には大豆相場に連れ高となり600加ドル台後半まで上昇しました。その後は、カナダ産地における順調な生育状況、大豆相場の下落や収穫の進展を受けて軟調に推移し、9月中旬には500加ドル台前半まで下落しましたが、9月末にかけては、原油高や大豆相場の上昇を受けて600加ドルを回復する値動きとなりました。前年同期との比較では低位での推移となりました。

ドル円相場は、日米の金利差が拡大した状況が継続するとの見方から4月末には一時1米ドル160円台まで円安ドル高が進行しました。5月上旬には円買い為替介入により一時151円台までドルが急落しましたが、その後は、米国の早期利下げ観測の後退が意識される中、円安ドル高傾向が継続し、7月上旬には161円台を付けました。その後は、日銀の政策金利の引き上げや米国経済の減速懸念、米国の政策金利の引き下げを受けて円高方向に推移し、9月末にかけては140円台前半での取引となりました。

油脂部門につきましては、家庭用油脂は、物価高騰による節約志向の高まりや外食への回帰の影響、オリーブオイルの値上げによる需要減少などにより販売数量は前年同期をやや下回りました。一方で、オリーブオイルの販売価格改定の取り組みや、環境負荷の低減やお客様の使いやすさが特長である「スマートグリーンパック®」など注力商品の継続的な拡販に努めたことで、売上高は前年同期をわずかに上回りました。業務用油脂は、物価高騰による節約志向の高まりの影響もある中、インバウンド需要の拡大により外食を中心に市場が回復し、販売数量は堅調に推移しましたが、原材料価格の軟化の影響を受けて販売単価が下落したことにより、売上高は前年同期を下回りました。市場の回復により深刻化する人手不足の課題に対し、長持ち機能が特長の「SUSTEC®(サステック)」シリーズや調理にかかる時間や負荷を軽減する「調味油」「調理油」など、機能性を強化した高付加価値品の拡販に努めました。

油糧部門につきましては、大豆ミールは搾油量が前年同期をわずかに下回ったことから、販売数量は前年同期をやや下回りました。販売価格は為替相場が前年同期より円安となったものの、シカゴ大豆ミール相場の下落により前年同期をやや下回りました。菜種ミールは搾油量が前年同期を上回ったことから、販売数量は前年同期を上回りました。販売価格は大豆ミール価格との連動に加えて、国内供給の増加による需給逼迫感の解消により前年同期を下回りました。

以上の結果、当事業は売上高1,057億85百万円前年同期比6.2%減)、セグメント利益53億31百万円前年同期比7.2%増)となりました。

 

(スペシャリティフード事業)

乳系PBF部門につきましては、業務用油脂加工品は、製パン向けやインバウンド需要は堅調に推移しましたが、夏場の天候不順の影響を受け土産菓子向けの販売は伸び悩みました。さらに原材料価格の高騰による油脂使用量削減の動きが継続した結果、販売数量、売上高ともに前年同期を下回りました。粉末油脂事業は、受注量が安定し効率的な操業を維持しましたが、販売数量は前年同期を下回りました。売上高は原料相場変動の影響を受け、前年同期をわずかに下回りました。

食品素材部門につきましては、テクスチャーデザインは、「TXdeSIGN®(テクスデザイン)」シリーズが製菓製パン用途や畜肉用途への提案を強化することでターゲット顧客での採用が進み、販売数量は前年同期をやや上回りました。売上高は、とうもろこし相場の下落を受け、段ボール用コーンスターチの販売価格が下落したものの、油脂と協働した「おいしさデザイン®」によるソリューション提案の推進により、前年同期実績を確保しました。ファインは、ビタミンK2が国内市場を中心に新規採用や使用量拡大が進んだことに加え、海外への輸出が増加したものの、売上高は前年同期と同程度になりました。大豆たん白をベースとしたシート状大豆食品「まめのりさん®」は、流通在庫が平準化したことや新規顧客の獲得により、販売数量、売上高ともに前年同期を大きく上回りました。

以上の結果、当事業は売上高100億25百万円前年同期比11.5%減)、セグメント利益21百万円(前年同期はセグメント損失1億12百万円)となりました。

 

(その他)

その他の事業につきましては、売上高4億96百万円前年同期比3.0%減)、セグメント利益94百万円前年同期比20.8%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ103億98百万円減少し、1,676億94百万円となりました。主な増加は、現金及び預金が19億47百万円、投資有価証券が1億52百万円であります。主な減少は、受取手形、売掛金及び契約資産が45億33百万円、棚卸資産が69億18百万円、流動資産その他が6億66百万円であります。

負債は、前連結会計年度末と比べ124億35百万円減少し、636億6百万円となりました。主な増加は、繰延税金負債1億3百万円であります。主な減少は、支払手形及び買掛金が41億9百万円、短期借入金が46億円、未払消費税等が14億46百万円であります。

純資産は、前連結会計年度末と比べ20億37百万円増加し、1,040億88百万円となり、自己資本比率は61.8%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ19億47百万円増加し、61億93百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ12億59百万円減少し、107億16百万円となりました。この主な要因は、売上債権や棚卸資産が減少したことによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ2億31百万円減少し、△30億61百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出を計上したことによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ20億82百万円増加し、△57億55百万円となりました。この主な要因は、短期借入金が減少したことによります。

 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は6億4百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。