当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、決定または締結等した経営上の重要な契約等は次のとおりであります。
味の素製薬株式会社とエーザイ株式会社の消化器疾患領域事業との統合
エーザイ株式会社(以下、「エーザイ」)と当社は、味の素グループにおいて医薬事業を行っている当社の100%子会社である味の素製薬株式会社(以下、「味の素製薬」)が、エーザイの消化器疾患領域に関する事業の一部を吸収分割等の方法により承継(以下、吸収分割により承継する事業を「本吸収分割対象事業」、吸収分割自体を「本吸収分割」)し、当該事業を平成28年4月1日(以下、「本統合日」)に統合(以下、「本統合」)すること等を定めた統合契約(以下、「統合契約」)を平成27年10月15日付にて締結しました。本統合に伴い、本統合日において味の素製薬は、社名をEAファーマ株式会社(以下、「新統合会社」)に改めることを予定しております。
なお、本吸収分割を実施するため、エーザイおよび味の素製薬は、今後、吸収分割契約(以下、「本吸収分割契約」)を締結することを予定しており、本統合日において本吸収分割契約の効力が生じた場合には、味の素製薬がエーザイに味の素製薬の株式を本吸収分割の対価として発行し、エーザイと当社が新統合会社の株式の60%および40%をそれぞれ保有することとなり、新統合会社は当社の持分法適用会社となる予定です。
(1)本吸収分割の目的
エーザイは、消化器疾患領域において60年以上にわたって創薬活動や情報提供活動を行ってきた歴史を持ち、当該疾患領域に有力な製品や開発パイプライン、ならびに長年の活動に基づく豊富な知識、経験、ネットワークを有しています。一方、味の素製薬は、うま味から出発したアミノ酸技術をベースとしたグローバル健康貢献企業グループを目指す味の素グループのもとで、特に消化器疾患領域において他社にはないユニークな製品、開発パイプラインを保有しています。今回、本統合により、国内最大級の消化器スペシャリティファーマとなる新統合会社が誕生します。
消化器疾患領域は、高齢化による罹患率の増加のみならず、生活様式の変化や社会的ストレスの増加などを背景に、より若い世代を中心にクローン病や潰瘍性大腸炎といった難治性の自己免疫疾患が急増するなど、未だ満たされない医療ニーズの高い領域です。新統合会社では、販売製品の統合により、上部・下部消化管および肝臓、膵臓を網羅的にカバーする品揃えを実現することで、消化器疾患領域においてさらに幅広いソリューションと専門性の高い情報の提供が可能となります。また、研究開発においては、双方の開発品を組み合わせることで今後の継続的な新薬上市に向けた開発パイプラインの拡充が実現するとともに、消化器疾患領域における両社の知見・ノウハウを一体化することでこのような未だ満たされない医療ニーズに応える革新的な新薬の創出を目指します。さらに、将来の開発製品の発売に際しては、その海外展開において、エーザイの海外事業ネットワークを活用して患者様価値の最大化が期待できます。
新統合会社は、本統合による販売シナジーのほか、重複機能の見直し等の効率化の追求により収益性を高め、新薬開発のための十分な資源を確保し、継続的な成長を実現してまいります。また、国内最大級の消化器スペシャリティファーマとして、消化器疾患領域における患者様ニーズをきめ細かく把握し、それに応えていくことで、患者様とそのご家族、医療従事者の皆様へより高質な価値を提供してまいります。
(2)本吸収分割の方法
エーザイを分割会社とし、味の素製薬を承継会社とする吸収分割です。
(3)本吸収分割の日程
本吸収分割契約締結 平成28年2月(予定)
臨時株主総会開催日(味の素製薬) 平成28年3月(予定)
本吸収分割効力発生日 平成28年4月1日(予定)
なお、本吸収分割は、分割会社であるエーザイにおいては会社法第784条第3項に規定する簡易吸収分割の要件に該当するため、エーザイは株主総会の承認を得ずに行う予定です。
(4)本吸収分割に際して発行する株式および割当
味の素製薬は本吸収分割の対価として、味の素製薬の普通株式6,000株をエーザイに割当交付します。その結果、エーザイは新統合会社の発行済株式総数の60%を保有します。
なお、当社は、本吸収分割効力発生日の前日までに、味の素製薬の株式について一部併合を行い、当社の保有する味の素製薬の株式数を4,000株とします。
(5)割当株式数の算定根拠
エーザイおよび当社は、野村證券株式会社およびJPモルガン証券株式会社による算定結果を参考に、それぞれの財務の状況、資産の状況、将来の見通しなどの要因を総合的に勘案して、割当株式数について慎重に協議を重ねた結果、最終的に前述の割当株式数で合意しました。
(6)本吸収分割対象事業の概要
①本吸収分割対象事業の内容
本吸収分割対象事業は、エーザイの消化器疾患領域における国内における販売機能および研究開発機能であり、これらの機能の味の素製薬への移管に伴う、固定資産の移動はありません。味の素製薬への移管を予定している主な製品および開発品は以下のとおりです。なお、下記以外のエーザイがパートナーと提携を行っている日本国内における消化器疾患領域製品および開発品に関しては、承諾が必要なものについては、今後パートナーの承諾を得た上で、味の素製薬への承継を行う予定です。
<主な移管予定製品、開発品(臨床フェーズ以降)>
|
製品/開発品 |
説明 |
段階 |
移管・許諾 |
|
「パリエット®」 |
プロトンポンプ阻害剤 (PPI) |
販売中 |
販売権 |
|
「セルベックス®」 |
胃炎・胃潰瘍治療剤 |
販売中 |
販売権 |
|
E3810 (ラベプラゾール) |
難治性逆流性食道炎維持療法 |
日本フェーズⅢ (2016年度申請予定) |
開発権 |
|
E6011 |
クローン病 (抗フラクタルカイン抗体) |
日本フェーズI/Ⅱ |
開発権 |
また、本吸収分割に伴い、エーザイの国内の営業部門、研究開発部門および管理部門等から180名程度が味の素製薬へ出向することを予定しています。
②本吸収分割対象事業の経営成績
|
|
本吸収分割対象事業の平成27年3月期の実績 |
|
売上高 |
39,968百万円 |
(7)味の素製薬が承継する権利義務
味の素製薬は、本吸収分割により、エーザイの本吸収分割対象事業にかかる資産、契約上の地位その他の権利義務を本吸収分割契約に定める範囲において承継します。なお、エーザイから味の素製薬に対する債務の承継は、免責的債務引受の方法によります。
(8)本吸収分割後の新統合会社の状況
|
商号 |
EAファーマ株式会社 |
|
本店の所在地 |
東京都中央区入船二丁目1番1号 |
|
代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 清水 初 |
|
資本金の額 |
4,650百万円 |
|
事業の内容 |
医薬品の研究開発・製造・販売 |
第1四半期連結会計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、米国では景気が回復し、欧州でも景気の緩やかな回復が続きましたが、中国等の新興国で景気が緩やかに減速していることもあり、全体としては緩やかな回復となりました。
わが国経済は、輸出や生産に弱い動きがみられるものの、雇用環境の改善がすすみ、個人消費の底堅い動きもあり、景気は緩やかな回復が続いています。
このような環境下にありまして、味の素グループは、2014-2016中期経営計画において、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指し、「スペシャリティ」の追求による「成長ドライバーの展開」、「更なる事業構造強化」、その土台となる「経営基盤の進化」に取り組んでまいりました。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、調味料・加工食品(海外)の現地通貨ベースでの売上げの伸長、平成26年11月5日に全持分を取得した米国の冷凍食品の製造・販売会社であるウィンザー・クオリティ・ホールディングス社(現、味の素ウィンザー社。以下、ウィンザー社)及び平成27年4月23日に株式を取得した味の素ゼネラルフーヅ㈱(以下、AGF)の連結子会社化等により、前年同期を1,718億円上回る9,032億円(前年同期比 123.5%)となりました。同営業利益は、調味料・加工食品(海外)が大幅な増益となったことに加え、AGFの連結子会社化等により、前年同期を266億円上回る801億円(前年同期比149.7%)、同経常利益は前年同期を242億円上回る840億円(前年同期比140.5%)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、事業構造強化の一環としてフランスにおける甘味料生産・販売子会社の株式売却に係る関係会社整理損65億円を計上したものの、特別利益として、ブラジルにおける即席麺合弁会社である日清味の素アリメントス社の持分売却に係る関係会社株式売却益248億円や、AGF株式について平成27年4月の追加取得以前から保有する持分を当該追加取得時の時価で再評価したことによる評価差益(段階取得に係る差益) 180億円を計上したこともあり、前年同期を410億円上回る808億円(前年同期比203.0%)となりました。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は、次のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(単位:億円)
|
|
売上高 |
前年同期増減 |
前年同期比 |
営業利益 |
前年同期増減 |
前年同期比 |
||
|
日本食品 |
3,010 |
816 |
137.2 |
% |
275 |
81 |
142.4 |
% |
|
海外食品 |
3,546 |
845 |
131.3 |
% |
352 |
112 |
147.1 |
% |
|
ライフサポート |
1,106 |
21 |
102.0 |
% |
108 |
26 |
132.5 |
% |
|
ヘルスケア |
954 |
105 |
112.5 |
% |
58 |
39 |
305.9 |
% |
|
その他 |
413 |
△70 |
85.4 |
% |
7 |
5 |
407.7 |
% |
|
合計 |
9,032 |
1,718 |
123.5 |
% |
801 |
266 |
149.7 |
% |
(注) 国内外の食品加工業向け「アクティバ®」類及び天然系調味料は、日本食品セグメントに区分されております。また、国内外の食品加工業向け「味の素®」、核酸及び甘味料は、海外食品セグメントに区分されております。
(日本食品セグメント)
日本食品セグメントの売上高は、AGFの連結子会社化に加え、調味料・加工食品(日本)の売上げが伸長したことにより、前年同期を816億円上回る3,010億円(前年同期比137.2%)となりました。営業利益は、AGFの連結子会社化に加え、調味料・加工食品(日本)の増収等により、前年同期を81億円上回る275億円(前年同期比142.4%)となりました。
<調味料・加工食品(日本)>
家庭用は、うま味調味料「味の素®」、中華合わせ調味料「Cook Do®(クックドゥ)」等の売上げが前年同期を下回ったものの、テレビ広告と連動した販促活動を展開した「クノール® カップスープ」やトッピング入りサラダ用粉ドレッシング「Toss Sala®(トスサラ)」が前年同期を上回ったため、全体としては増収となりました。
業務用は、外食用製品の売上げは、米・肉等素材の食感を向上させたり、コクを引き出したりする機能型食品の伸長等により前年同期を上回り、食品用酵素製剤「アクティバ®」や天然系調味料も、国内外の販売が好調に推移したことにより前年同期を上回ったため、全体としては増収となりました。
以上の結果、全体として増収となりました。
<冷凍食品(日本)>
家庭用は、「ギョーザ」や「やわらか若鶏から揚げ」が増収となり、新製品「ザ・チャーハン」が好調に推移しましたが、「エビ寄せフライ」等の弁当用製品が減収となり、前年同期並みとなりました。
業務用は、餃子類や鶏肉類が前年同期を上回り、増収となりました。
以上の結果、全体として増収となりました。
<コーヒー類>
第1四半期連結会計期間より、AGFを連結子会社化したことにより、同社のコーヒー類の売上げが日本食品セグメントに含まれております。
家庭用は、スティックタイプやレギュラータイプコーヒーの売上げが伸長し、インスタントコーヒーも好調に推移しました。
業務用は、大手需要家への販売が大幅に増加しました。
(海外食品セグメント)
海外食品セグメントの売上高は、ウィンザー社の連結子会社化に加え、調味料・加工食品(海外)、加工用うま味調味料・甘味料の売上げが伸長したことにより、前年同期を845億円上回る3,546億円(前年同期比 131.3%)となりました。営業利益は、調味料・加工食品(海外)や加工用うま味調味料・甘味料の増収等により、前年同期を112億円上回る352億円(前年同期比147.1%)となりました。
<調味料・加工食品(海外)>
アジアでは、ベトナム、フィリピン、タイ、及びインドネシアにおけるうま味調味料「味の素®」、タイにおける風味調味料「RosDee®(ロッディー)」や即席麺が増収になったことに加え、インドネシアにおける風味調味料「Masako®(マサコ)」の売上げが前年同期を大幅に上回ったことや、為替の影響もあり、増収となりました。
米州では、ブラジルにおける風味調味料「Sazón®(サゾン)」等の現地通貨ベースでの売上げが前年同期を上回ったものの、為替の影響により、減収となりました。
欧州・アフリカでは、アフリカにおける「味の素®」の現地通貨ベースでの売上げが前年同期を上回ったこと等により、増収となりました。
以上の結果、全体として増収となりました。
<冷凍食品(海外)>
ウィンザー社の連結子会社化に加え、北米における米飯や焼きそば等の麺類が大幅に伸長し、全体として大幅な増収となりました。
<加工用うま味調味料・甘味料>
食品加工業向け「味の素®」は、国内外の販売価格が前年同期を上回ったことに加え、販売数量も国内外ともに増加したことから、増収となりました。
核酸は、国内の販売数量は前年同期並みとなったものの、海外の販売数量が前年同期を大幅に下回ったことから、減収となりました。
甘味料は、南米における粉末ジュース「Refresco MID®(リフレスコ ミッド)」が為替の影響により前年同期を大幅に下回りましたが、加工用アスパルテームの販売数量が大幅に伸長したことにより、前年同期並みとなりました。
以上の結果、全体として増収となりました。
(ライフサポートセグメント)
ライフサポートセグメントの売上高は、動物栄養及び化成品の売上げが伸長したことから、前年同期を21億円上回る1,106億円(前年同期比102.0%)となりました。営業利益は、動物栄養が前年同期を大幅に上回ったことに加え、化成品も増益となったことから、前年同期を26億円上回る108億円(前年同期比132.5%)となりました。
<動物栄養>
リジンは、販売数量が前年同期を下回ったものの、為替の影響により、販売価格が前年同期を上回ったため、前年同期並みの実績となりました。スレオニンは、販売数量は前年同期並みでしたが、為替の影響もあり、販売価格が前年同期を上回ったため、増収となり、トリプトファンは、販売数量が前年同期を上回ったものの、販売価格が大幅に前年同期を下回ったため、大幅な減収となりました。また、バリン等のスペシャリティ製品は増収となりました。
以上の結果、全体として増収となりました。
<化成品>
香粧品素材は、国内外ともに大幅な増収となったものの、コンピュータ用の層間絶縁フィルムの売上げは、前年同期を下回りました。
以上の結果、全体として増収となりました。
(ヘルスケアセグメント)
ヘルスケアセグメントの売上高は、製薬カスタムサービス、医薬用・食品用アミノ酸、医薬の売上げが伸長したことにより、前年同期を105億円上回る954億円(前年同期比112.5%)となりました。営業利益は、製薬カスタムサービス、医薬、医薬用・食品用アミノ酸が増益となり、前年同期を39億円上回る58億円(前年同期比 305.9%)となりました。
<アミノ酸>
医薬用・食品用アミノ酸は、国内は減収となりましたが、海外の売上げが為替の影響もあり大幅に伸長したことにより、全体として増収となりました。製薬カスタムサービスは、欧州、北米、日本の売上が伸長し、大幅な増収となりました。
以上の結果、全体として大幅に増収となりました。
<医薬>
自社販売品は、後発品や競合品等の影響により、分岐鎖アミノ酸製剤「リーバクト®」が減収となったものの、経口腸管洗浄剤「モビプレップ®」の売上げが前年同期を大きく上回り、増収となりました。
提携販売品は、後発品や競合品の影響等により、カルシウム拮抗降圧剤「アテレック®」の売上げが前年同期を大幅に下回ったものの、骨粗鬆症治療剤「アクトネル®」等のリセドロネート類の売上げが前年同期を大きく上回り、増収となりました。
以上の結果、全体として増収となりました。
(その他)
その他の事業の売上高は、前年同期を70億円下回る413億円(前年同期比85.4%)となり、営業利益は前年同期を5億円上回る7億円(前年同期比407.7%)となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前期末の1兆2,550億円に対して361億円増加し、 1兆2,912億円となりました。これは主に、在外子会社の貸借対照表の円貨への換算額が減少した一方、当社が株式を追加取得したAGFを第1四半期連結会計期間より連結し資産が増加したことによるものです。
負債残高は、前期末の5,116億円に対して198億円増加し、5,314億円となりました。なお、有利子負債残高は、前期末に対して231億円増加し、2,347億円となりました。
純資産は、自己株式の取得や為替換算調整勘定が減少した一方、利益剰余金が増加したため、前期末に対して162億円増加しました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、6,863億円となり、自己資本比率は53.2%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、854億円の収入(前年同期は778億円の収入)となりました。税金等調整前四半期純利益が1,172億円、減価償却費が377億円であり、日清味の素アリメントス社等の関係会社株式売却損益242億円と、資金の動きを伴わない段階取得に係る差益180億円の調整があったことに加え、法人税等の支払額が156億円であったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、338億円の支出(前年同期は1,273億円の支出)となりました。日清味の素アリメントス社株式売却による収入があった一方、有形固定資産の取得や、AGF株式の追加取得に伴う支出があったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により339億円の支出(前年同期は507億円の収入)となりました。
以上の結果、当第3四半期末における現金及び現金同等物の残高は、1,720億円(前年同期末残高は 1,469億円)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
<2014-2016 中期経営計画の推進>
2014-2016中期経営計画において、「スペシャリティ」の追求による「成長ドライバーの展開」と「更なる事業構造強化」に取組み、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指してまいります。すなわち、当社独自の技術と、顧客機会を発見し価値を創造する力の融合から生み出す他社や既存のものにはない「スペシャリティ」の追求を計画推進の鍵として、グローバル成長とR&Dのリーダーシップによる「成長ドライバーの展開」と、バルク事業のスペシャリティ化と資本効率の更なる向上を軸とした「更なる事業構造強化」を追求するとともに、土台となる「経営基盤の進化」にも取り組みます。
「成長ドライバーの展開」
① グローバル成長
日本においては、個別化・多様化するお客様向けに価値を創造し続け、安定成長を実現します。
海外においては、既に強い事業基盤があるタイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、ブラジルを中核に据え、中東、アフリカ等の開拓も合わせ、中間所得層の拡大や食生活・流通の近代化を事業機会ととらえ飛躍的な成長を目指します。
平成26年11月に買収したウィンザー社のマーケティング力、全米に広がる生産拠点・流通ネットワーク及び営業力と味の素グループの現地に適合した製品の開発力及び生産技術を融合することで、北米の日本食・アジア食の冷凍食品市場での更なる成長を推進します。また、平成27年4月に株式を取得し連結子会社化したAGFとの協業を進め、粉末加工製品という共通軸を梃に新製品開発や生産面でのシナジーを創出していきます。
② R&Dのリーダーシップ
「世界一の調味料技術」により「おいしさ」の解明と設計をさらに深化させ、より多くの消費者に届けるとともに、「独自の先端バイオ」の技術を活かし、高機能バイオ新素材の開発や低資源利用発酵の推進、再生医療向け培地やアミノインデックス技術による診断事業等につなげ、成長を牽引していきます。
「更なる事業構造強化」
① スペシャリティ化
構造に課題の残る事業について、事業の付加価値を高める「スペシャリティ化」を進めます。具体的には、バルク事業では、動物栄養事業における乳牛用リジン製剤「AjiPro®―L」等の高付加価値素材の割合を高め、加工用うま味調味料事業における呈味物質及び甘味料事業における新規甘味料と複数素材の組合せ等により、リテール製品比率を高めていきます。加えて、バルク事業では低資源利用発酵技術の導入等によるコスト競争力強化を図ります。医薬事業では、エーザイ株式会社の消化器疾患領域事業と味の素製薬株式会社の統合(吸収分割)により国内最大の消化器スペシャリティファーマを目指す「EAファーマ株式会社」(発足日:本年4月1日(予定))を通じ、販売シナジーのほか、重複機能の見直し等の効率化により収益性を高め、新薬開発のための十分な資源を確保し、継続的な成長を実現します。
② 資本効率の更なる向上
事業ごとのバリューチェーンについて、外部委託を柔軟に活用する一方、重要なものを内製化し、付加価値の高いものに注力することで資産効率を高め、また、需要に応じてグローバルに最適な供給体制を構築することで、ROE(株主資本利益率)や株主価値の更なる向上を目指します。
「経営基盤の進化」
海外での飛躍的成長を実現するため、海外地域本部への権限委譲を拡大するとともに適切なモニタリング機能を構築し、機動力と効率性を備えたガバナンス体制を確立します。また、次期経営人材の育成を加速するための制度を整備し、海外法人における現地社員の役員への登用、女性のマネージャーへの登用等により多様性を高め、分厚い人材層を造ってまいります。さらに、既存製品や事業のリソースをもとに隣接領域での新しい事業機会の創造を、柔軟に外部の力を活用し、飛躍的成長のために積極的に進めていきます。
当社は、平成27年6月から上場会社に適用された「コーポレートガバナンス・コード」の各原則の趣旨・精神を踏まえ、主体的にガバナンス上の課題の有無を検討し、課題に対応することで実効的なコーポレートガバナンスの実現を目指します。これにより、グローバル競争に打ち勝つ攻めの経営判断を後押しする仕組みの構築を加速させ、“株主との対話”を通じた持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
<21世紀の人類の課題に対する事業を通じた貢献の推進>
味の素グループは、うま味を通じて粗食をおいしくし、国民の栄養を改善するという創業時の志を受け継ぎ、「地球持続性」、「食資源の確保」、「健康な生活」という21世紀の人類の課題に対して、事業を通じた貢献をASV(Ajinomoto Group Shared Value)として果たしてまいります。地域の食文化に適合したおいしさの実現を通じた健康づくりへの貢献や、開発途上国での栄養改善プロジェクトを進めるほか、バイオサイクル技術による循環型生産モデルの実現と低資源発酵技術で、生産活動における食資源使用量の削減にも取り組んでまいります。また、東日本大震災被災地における食と栄養をサポートする被災地支援を、復興の足どりが確かなものになるまで継続します。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、24,279百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金の流動性について
当第3四半期連結累計期間の短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えています。
② 資金の調達
当第3四半期連結累計期間の資金の調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、主に事業資金、ウィンザー社の全持分取得にかかる短期借入金の長期化、AGFの株式取得及び社債償還資金の借り換えを目的に、金融機関からの借入による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当第3四半期連結累計期間の資金の使途は、主に事業資金、ウィンザー社の全持分取得にかかる短期借入金の長期化、AGFの株式取得及び社債償還資金の借り換えであります。