第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期連結会計期間において、決定又は締結等した経営上の重要な契約等はありません。

 なお、平成28年10月31日付で以下の契約を締結しました。

 

 重要な資産の取得に関する契約

契約会社名

契約締結先

国名

契約内容

対価

契約締結日

味の素㈱

ジェイコブズ・ダウ・エグバーツ社

及びコーニンクレッカ・ダウ・エグバーツ社

オランダ

「Blendy」、「MAXIM」(日本国内商標のみ)、「TRIPLESSO」、「ちょっと贅沢な珈琲店」、「ティーハート」、「新茶人」等の商標等の取得

225百万

ユーロ

平成28年10月31日締結

 (注)味の素ゼネラルフーヅ㈱とコーニンクレッカ・ダウ・エグバーツ社との日本国内におけるコーヒー等に係る

    独占的商標使用権の許諾に関する契約については、上記契約の締結に伴う変更を行いました。

 

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 第1四半期連結会計期間より、持分法適用会社であるEAファーマ株式会社(以下、「EAファーマ㈱」という。旧、味の素製薬株式会社)の会計方針の変更を行っており、遡及処理後の数値で前期末及び前年同四半期比較を行っております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。

 また、前連結会計年度末において、味の素ゼネラルフーヅ株式会社(以下、「AGF」という)の企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第2四半期連結累計期間については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しを反映しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」をご参照ください。

 

(1)業績の状況

 当第2四半期連結累計期間における世界経済は、米国や欧州では景気の回復基調が続きましたが、中国等の新興国で景気が緩やかに減速していることもあり、全体としては緩やかな回復となりました。

 わが国経済は、企業収益に対する円高の影響の懸念が高まり、設備投資の持ち直しの動きに足踏みがみられたものの、雇用環境の改善がすすみ、景気は緩やかな回復基調が続きました。

 このような環境下にありまして、味の素グループは、2014-2016中期経営計画において、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指し、「スペシャリティ」の追求による「成長ドライバーの展開」、「更なる事業構造強化」、その土台となる「経営基盤の進化」に取り組んでまいりました。

 当第2四半期連結累計期間の売上高は、為替の影響による調味料・加工食品(海外)の減収や、医薬事業の再編により、EAファーマ㈱が当社の連結子会社から持分法適用会社となった影響に加え、動物栄養の大幅な減収等により、前年同期を670億円下回る5,225億円(前年同期比88.6%)となりました。同営業利益は、動物栄養が大幅な減益となったことに加え、為替の影響等もあり、前年同期を80億円下回る391億円(前年同期比   82.9%)、同経常利益は、前年同期を73億円下回る424億円(前年同期比85.3%)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前第1四半期連結会計期間に計上したAGF株式の段階取得に係る差益の影響等がなくなり、前年同期を169億円下回る250億円(前年同期比59.7%)となりました。

 

セグメント別の概況

 セグメント別の業績は、次のとおりです。

 なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分方法を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分方法に組み替えた数値で比較しております。

(単位:億円)

 

売上高

前年同期増減

前年同期比

営業利益

前年同期増減

前年同期比

日本食品

1,889

△21

98.9

152

33

128.6

海外食品

2,027

△316

86.5

192

△39

83.2

ライフサポート

599

△145

80.4

16

△66

20.1

ヘルスケア

421

△25

94.2

33

1

105.1

その他

288

△160

64.2

△4

△10

 

合計

5,225

△670

88.6

391

△80

82.9

 

(注) 国内外の食品加工業向け「アクティバ®」類及び天然系調味料は、日本食品セグメントに区分されております。また、国内外の食品加工業向け「味の素®」、核酸及び甘味料は、海外食品セグメントに区分されております。

 

(日本食品セグメント)

 日本食品セグメントの売上高は、冷凍食品(日本)の売上げが伸長したものの、コーヒー類に加え、子会社売却等の影響により調味料・加工食品(日本)の売上げが前年同期を下回ったことから、前年同期を21億円下回る  1,889億円(前年同期比98.9%)となりました。営業利益は、冷凍食品(日本)の増収等により、前年同期を33億円上回る152億円(前年同期比128.6%)となりました。

 

<調味料・加工食品(日本)>

 家庭用は、中華合わせ調味料「Cook Do®(クックドゥ)」の売上げが前年同期並みの実績となったものの、「クノール® カップスープ」等の売上げが前年同期を上回ったことに加え、チューブタイプのペースト中華調味料「Cook Do®(クックドゥ)」香味ペースト等が大幅な増収となったことから、全体としては増収となりました。

 業務用は、外食用製品の売上げは、米・肉等素材の食感を向上させたり、コクを引き出したりする機能型食品の伸長等により前年同期を上回ったものの、子会社売却の影響に加え、海外での食品用酵素製剤「アクティバ®」の売上げが、為替の影響もあり前年同期を下回ったことから、全体としては減収となりました。

 以上の結果、全体としては減収となりました。

 

<冷凍食品(日本)>

 家庭用は、夏の需要期に向け販促活動を強化した「ギョーザ」の大幅な増収に加え、「ザ・チャーハン」が好調に推移したことから、増収となりました。

 業務用は、鶏肉類やデザート類等が前年同期を上回り、増収となりました。

 以上の結果、全体として増収となりました。

 

<コーヒー類>

 家庭用は、スティックタイプコーヒーやインスタントコーヒーの売上げが前年同期を上回ったものの、ボトルコーヒーやギフト製品等の売上げが前年同期を下回り、減収となりました。

 業務用は、大手需要家への売上げが前年同期を下回り、減収となりました。

 以上の結果、全体として減収となりました。

 

(海外食品セグメント)

 海外食品セグメントの売上高は、為替の影響もあり、調味料・加工食品(海外)や加工用うま味調味料・甘味料、冷凍食品(海外)の円貨ベースでの売上げが減少し、前年同期を316億円下回る2,027億円(前年同期比  86.5%)となりました。営業利益は、為替の影響等により、前年同期を39億円下回る192億円(前年同期比83.2%)となりました。

 

<調味料・加工食品(海外)>

 アジアでは、フィリピン、ベトナムやタイにおけるうま味調味料「味の素®」、タイにおける風味調味料「RosDee®(ロッディー)」や即席麺、インドネシアにおける風味調味料「Masako®(マサコ)」の現地通貨ベースでの売上げが前年同期を上回りましたが、為替の影響により、減収となりました。

 米州では、ブラジルにおける風味調味料「Sazón®(サゾン)」等の現地通貨ベースでの売上げが前年同期を上回りましたが、為替の影響により、減収となりました。

 欧州・アフリカでは、アフリカにおける「味の素®」の売上げが前年同期を大幅に下回ったこと等により、大幅な減収となりました。

 以上の結果、全体として減収となりました。

 

<冷凍食品(海外)>

 為替の影響もあり、味の素ウィンザー社の売上げが前年同期を下回ったため、全体として減収となりました。

 

<加工用うま味調味料・甘味料>

 食品加工業向け「味の素®」は、国内外の販売価格が前年同期を上回りましたが、販売数量が国内外ともに減少し、為替の影響もあり、大幅な減収となりました。

 核酸は、国内外の販売価格が前年同期を下回りましたが、海外の販売数量が大幅に増加したことから、前年同期並みの実績となりました。

 甘味料は、加工用アスパルテームの販売数量が減少したことに加え、為替の影響もあり、大幅な減収となりました。

 以上の結果、全体としては大幅な減収となりました。

(ライフサポートセグメント)

 ライフサポートセグメントの売上高は、化成品が前年同期並みの実績となったものの、動物栄養が大幅な減収となったため、前年同期を145億円下回る599億円(前年同期比80.4%)となりました。営業利益は、動物栄養の大幅な減益に加え、化成品も減益となったことから、前年同期を66億円下回る16億円(前年同期比     20.1%)となりました。

 

<動物栄養>

 リジンは、販売数量、販売価格とも前年同期を下回ったため、大幅な減収となりました。スレオニンの販売数量は前年同期を上回り、トリプトファンの販売数量は前年同期を大幅に上回ったものの、ともに販売価格が前年同期を大幅に下回ったため、大幅な減収となりました。また、バリン等のスペシャリティ製品は減収となりました。

 以上の結果、全体として大幅な減収となりました。

 

<化成品>

 香粧品素材は為替の影響により減収となったものの、半導体パッケージ用層間絶縁材料が増収となったことにより、全体としては前年同期並みの実績となりました。

 

(ヘルスケアセグメント)

 ヘルスケアセグメントの売上高は、医薬用・食品用アミノ酸、製薬カスタムサービスが、為替の影響もあり減収となったため、前年同期を25億円下回る421億円(前年同期比94.2%)となりました。営業利益は、製薬カスタムサービスと医薬用・食品用アミノ酸が増益となり、前年同期を1億円上回る33億円(前年同期比      105.1%)となりました。

 

<アミノ酸>

 医薬用・食品用アミノ酸は、国内は大幅な増収となりましたが、海外の売上げが為替の影響もあり減収となったことにより、全体としては減収となりました。製薬カスタムサービスは、為替の影響により欧州の売上げが減少し、大幅な減収となりました。

 以上の結果、全体として減収となりました。

 

(その他)

 その他の事業の売上高は、医薬事業の再編により、EAファーマ㈱が当社の連結子会社から持分法適用会社となった影響等により、前年同期を160億円下回る288億円(前年同期比64.2%)となりました。また、営業損益は前年同期を10億円下回る4億円の営業損失となりました。

 

 

 

(2)財政状態

 当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前期末の1兆2,621億円に対して1,089億円減少し、

1兆1,531億円となりました。これは主として、在外子会社の貸借対照表の円貨への換算額が減少したことや、自己株式の取得及びEAファーマ㈱が当社の連結子会社から持分法適用会社となったため資産が減少したことによるものです。

 負債残高は、前期末の5,701億円に対して418億円減少し、5,283億円となりました。なお、有利子負債残高は、前期末に対して68億円減少し、2,578億円となりました。

 純資産は、為替換算調整勘定の変動や自己株式の取得・消却等から、前期末に対して671億円減少しました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、5,619億円となり、自己資本比率は48.7%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、350億円の収入(前年同期は604億円の収入)となりました。税金等調整前四半期純利益が413億円、減価償却費が225億円であった一方、法人税等の支払額が157億円であったこと、たな卸資産等の運転資本が支出であったこと等によるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出があったこと等により249億円の支出(前年同期は555億円の支出)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により480億円の支出(前年同期は28億円の収入)となりました。

 以上の結果、当第2四半期末における現金及び現金同等物の残高は、1,514億円(前年同期末残高は    1,603億円)となりました。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

<2014-2016 中期経営計画の推進>

 2014-2016中期経営計画における最終事業年度となる本年度においても、「スペシャリティ」の追求による「成長ドライバーの展開」と「更なる事業構造強化」に取り組み、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指してまいります。すなわち、当社独自の技術と、顧客機会を発見し価値を創造する力の融合から生み出す他社や既存のものにはない「スペシャリティ」の追求を計画推進の鍵として、グローバル成長とR&Dのリーダーシップによる「成長ドライバーの展開」と、バルク事業のスペシャリティ化と資本効率の更なる向上を軸とした「更なる事業構造強化」を追求するとともに、土台となる「経営基盤の進化」にも取り組みます。

 

「成長ドライバーの展開」

① グローバル成長

 日本においては、個別化・多様化するお客様向けに価値を創造し続け、安定成長を実現します。

 海外においては、既に強い事業基盤があるタイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、ブラジルを中核に据え、中東、アフリカ等の開拓も合わせ、中間所得層の拡大や食生活・流通の近代化を事業機会ととらえ飛躍的な成長を目指します。平成26年11月に買収した米国のウィンザー・クオリティ・ホールディングス社(現、味の素ウィンザー社)のマーケティング力、全米に広がる生産拠点・流通ネットワーク及び営業力と味の素グループの現地に適合した製品の開発力及び生産技術を融合することで、北米の日本食・アジア食の冷凍食品市場での更なる成長を推進します。また、平成27年4月に株式を取得し連結子会社化した味の素ゼネラルフーヅ株式会社との協業を進め、粉末加工製品という共通軸を梃に新製品開発や生産面でのシナジーを創出していきます。

 

② R&Dのリーダーシップ

 「世界一の調味料技術」により「おいしさ」の解明と設計をさらに深化させ、より多くの消費者に届けるとともに、「独自の先端バイオ」の技術を活かし、高機能バイオ新素材の開発や低資源利用発酵の推進、再生医療向け培地やアミノインデックス技術による診断事業等につなげ、成長を牽引していきます。

 

 

「更なる事業構造強化」

① スペシャリティ化

 構造に課題の残る事業について、事業の付加価値を高める「スペシャリティ化」を進めます。具体的には、バルク事業では、動物栄養事業における乳牛用リジン製剤「AjiPro®―L」等の高付加価値素材の割合を高め、加工用うま味調味料事業における呈味物質及び甘味素材をベースとした国内外リテール製品の幅広い展開によりリテール製品比率を高めていきます。加えて、バルク事業では低資源利用発酵技術の導入等によるコスト競争力強化を図ります。医薬事業では、エーザイ株式会社の消化器疾患領域事業と味の素製薬株式会社との統合(吸収分割)により国内最大の消化器スペシャリティファーマを目指し平成28年4月に発足した「EAファーマ株式会社」を通じ、販売シナジーのほか、重複機能の見直し等の効率化により収益性を高め、新薬開発のための十分な資源を確保し、継続的な成長を実現します。

 

② 資本効率の更なる向上

 事業ごとのバリューチェーンについて、外部委託を柔軟に活用する一方、重要なものを内製化し、付加価値の高いものに注力することで資産効率を高め、また、需要に応じてグローバルに最適な供給体制を構築することで、ROE(株主資本利益率)や株主価値の更なる向上を目指します。

 

「経営基盤の進化」

 海外での飛躍的成長を実現するため、海外地域本部への権限委譲を拡大するとともに適切なモニタリング機能を構築し、機動力と効率性を備えたガバナンス体制を確立するため、本年4月からグローバル・ガバナンスに関する味の素グループ共通のルール(グローバル・ガバナンス・ポリシー)を導入しました。また、次期経営人財の育成を加速するための制度を整備し、海外法人における現地社員の役員への登用や女性のマネージャーへの登用等の更なる促進により多様性を高め、分厚い人財層を造ってまいります。さらに、既存製品や事業のリソースをもとに隣接領域での新しい事業機会の創造を、柔軟に外部の力を活用し、飛躍的成長のために積極的に進めていきます。

 当社は、平成27年6月から上場会社に適用された「コーポレートガバナンス・コード」の各原則の趣旨・精神を踏まえ、主体的にガバナンス上の課題の有無を検討し、課題に対応することで実効的なコーポレートガバナンスの実現を目指します。これにより、グローバル競争に打ち勝つ攻めの経営判断を後押しする仕組みの構築を加速させ、株主との対話を通じた持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 

<21世紀の人類の課題に対する事業を通じた貢献の推進>

 味の素グループは、うま味を通じて粗食をおいしくし、国民の栄養を改善するという創業時の志を受け継ぎ、「地球持続性」、「食資源の確保」、「健康な生活」という21世紀の人類の課題に対して、事業を通じた社会貢献による社会的価値の創造及び経済価値の創出をASV(Ajinomoto Group Shared Value)として果たしてまいります。地域の食文化に適合したおいしさの実現を通じた健康づくりへの貢献や、開発途上国での栄養改善プロジェクトを進めるほか、バイオサイクル技術による循環型生産モデルの実現と低資源発酵技術で、生産活動における食資源使用量の削減にも取り組んでまいります。また、東日本大震災被災地における食と栄養をサポートする被災地支援を、復興の足どりが確かなものになるまで継続します。

 

(5)研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、14,656百万円であります。

 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資金の流動性について

 当第2四半期連結累計期間は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメント・ライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えています。

② 資金の調達

 当第2四半期連結累計期間の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入等による資金調達活動を行いました。

③ 資金の使途

 当第2四半期連結累計期間の資金の使途は、主として事業資金であります。