第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したもので、その達成を保証するものではありません。

(1) 経営方針

 当社は「飼は食を司る」との使命感のもと、1949年の創業以来、配合飼料の総合メーカーとして歴史を重ねてきました。鶏・豚・牛・魚の飼料製造販売を主力事業に、ごまの成分セサミンが豊富な卵「ごまたまご」などの特性ある畜水産物の販売、環境問題に取り組んだ畜糞発酵堆肥化装置の製作販売や、有機入り配合肥料、ペットフードの製造販売、畜産保険販売など畜産関連事業も手掛けています。

 当社が何より大切にするのは、お客様と共に課題を見つけ出しこれを解決することです。

 独立系メーカーとして、自社一貫生産設備を活かし「特性ある仕事をして社会に貢献する」という社是の理念のもと、お客様と確かな信頼関係を築き、共に成長することが創業以来培ってきた当社のDNAです。

 今後、人口減少による消費の縮小や、関税自由化などにより輸入畜産物が増加し、国内の畜水産物生産への影響が懸念されます。当社としては特性ある飼料でできた安全・安心で美味しい畜水産物を国内外にお届けできるよう日本の畜水産業の発展に寄与し、日本の食の一端を担ってまいります。

 

(2) 経営戦略等

 当社は、主力の飼料事業において、以下の3つのアクションプランに取り組んでおります。

① 課題解決型の提案営業

 課題解決型の提案営業とは、お客様と課題を共有化し一緒に解決する飼料の提案を行うことであります。当社は「営業」と「研究」と「製造」が現地でお客様と一体となって課題解決に取り組み、半世紀以上培ってきたノウハウでスピーディーに対応しております。この課題解決型の提案営業を通じて、特性ある畜水産物づくりとお客様の生産性向上に寄与し、お客様とともに成長してまいります。

② 差別化飼料の提案

 差別化飼料とは、お客様の生産性を向上し、特性ある畜産物の生産を実現するために、お客様と共同開発した高付加価値製品のことであります。お客様の利益に貢献することができ、収益性の高い製品となっております。この差別化飼料を武器に、畜産飼料の拡販と利益率向上を図っております。

③ 釧路工場の活用

 2019年10月に釧路工場が完成し、11月に稼働しました。災害対応・輸送コスト上昇などから既存の北海道工場(苫小牧市)に加えて、道東地区にも製造拠点を構え、飼料を安定的に供給し、飼料の販売拡大を目指しております。

 この釧路工場は、従来の飼料工場とは異なり、AI・IoT・クラウドを活用することで、製造データの自動集計・判断による人手不足への対応、製造ラインのIoT化による更なる製品品質の安定化、トラック受付の混雑状況や予測の見える化による物流クライシスへの対応が可能な工場です。この最先端の工場で更にお客様へ貢献し、飼料の安定供給体制の強化と拡販を図ってまいります。

 

(3) 経営環境

 飼料業界につきましては、畜産配合飼料の市場流通量は2,400万トン前後で推移し、近年はほぼ横ばいの状況であります。一方で、全ての畜種において飼養戸数の減少が飼養頭羽数減少を上回っており、1戸当たりの規模は拡大し寡占化が進んでおります。このような状況のなか、当社を含む配合飼料メーカー間の競争が激化しております。

 また、今後につきましては、TPP11等の発効による畜産物輸入の増加、国内人口減少による畜産物消費の低迷、これに伴う配合飼料需要の減少及び同業他社との競争激化により、厳しい事業環境は継続すると予想されます。

 なお、新型コロナウイルス感染症につきましては、現時点では、需要の大幅な減少や原料調達に支障が出るなどの影響は出ておりません。また当社においても社内で感染が拡がり、工場が操業を停止するなどの事態も起きておらず、業績に与える影響は限定的であります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記の経営環境のなか、当社は、お客様との更なる取組みにより、新製品及び差別化飼料の開発・製造をより一層推進し、特性ある畜産物の生産に貢献することで、顧客価値の創造を図ってまいります。また、2019年11月に稼働した釧路工場及びグループ会社の4工場を加えた飼料製造12工場体制により、更なる拡販を図り、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

 なお、新型コロナウィルス感染症の感染拡大をはじめとする事業継続を脅かす危機の発生時において、「従業員の命と安全を守る」「事業を継続する」ことを優先し、製造不能に陥らない体制及び被害を最小限に止める体制を直ちに構築することで、飼料の安定供給という使命を果たしてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 原料価格の変動について

 当社グループの売上高は、主たる事業である飼料事業が80%以上を占めております。この飼料事業における畜水産用配合飼料の原料は、90%以上を輸入穀物に依存しており、穀物相場、為替、海上運賃等の動きによりその原料コストは大きく変動します。一方、畜産用配合飼料の販売価格は、3ヶ月ごとの見直しが慣例となっております。急激かつ不測の相場変動が発生した場合には、原料コストの変動を畜産用配合飼料の販売価格に転嫁することができず、畜産用配合飼料販売に係る利益率が悪化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 配合飼料価格安定基金負担金について

 原料価格の高騰等により飼料販売価格を改定する際、飼料価格変動による畜産経営への影響を緩和し、畜産経営の安定を図るために配合飼料価格安定制度があります。この制度には、通常補てん基金と異常補てん基金があり、通常補てん基金は畜産家と配合飼料メーカーが基金負担金を拠出し、配合飼料原料の輸入価格が上昇した際、畜産家に補てん金が交付される仕組みです。配合飼料価格安定基金負担金は、原料価格の動向及び基金の財源状況により変動します。一般的には、配合飼料メーカーの負担金額は生産数量に一般社団法人全日本配合飼料価格畜産安定基金(基金の理事会)により決定された負担金(1トン当たりの価格で算定)を乗じて算出されます。

 また、異常補てん基金は公益社団法人配合飼料供給安定機構の定めに基づき、国と配合飼料メーカーが基金負担金を拠出し、通常補てん基金では対処し得ない国際的要因に起因し、原料価格が著しく高騰した場合、理事会の決定により、畜産家に補てん金が交付される仕組みです。

 これらの負担金は販売費及び一般管理費として計上され、その増減が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、直近2連結会計年度においては、前連結会計年度23億59百万円、当連結会計年度10億13百万円の飼料価格安定基金負担金を計上しております。

 

(3) 飼料販売における競争について

 当社グループの主たる事業である飼料事業において、国内市場では飼料メーカー間の競争が激化しております。そのような中、当社グループはお客様の利益に貢献する差別化飼料を武器に、販売量を伸ばしてきております。しかしながら、今後も更に競争が激化する可能性があり、飼料販売量の減少や利益率の低下などが起きる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制について

 当社グループは事業展開において国内の法令により規制を受けております。主要事業である飼料事業においては、「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」等の法律や監督官庁である農林水産省の省令等により、飼料の製造及び販売について規制を受けております。また、使用原料の輸入穀物等の減免税について「関税定率法」に基づき税関より承認工場として承認を受けております。

 更に、飼料販売先である畜産家においては、「畜産経営の安定に関する法律」に基づく各種の畜産経営安定対策事業制度を利用しております。

 今後、新たな立法や改廃、万が一にも法令違反が起こった場合には、事業の運営が困難になること、業務改善に係る諸費用が発生すること、又は取引先の経営悪化による債権回収に問題が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 家畜家禽及び魚類の疾病等について

 鳥インフルエンザ、CSF、PED、口蹄疫及びBSEに代表される家畜伝染病の発生や赤潮等の飼育環境の悪化など、家畜家禽及び魚類を飼育することにおいては常に疾病等の発生リスクを伴っております。万が一、日本国内においてこれらの家畜家禽及び魚類の疾病等が発生し、飼育頭羽数が大きく減少する事態や疾病発生に伴う消費者の買い控えによる畜水産物需要の減少が発生した場合、飼料需要の減少により販売量が減少すること、又は取引先の経営悪化による債権回収に問題が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 貿易政策の変更による影響について

 当社グループの売上高は、主たる事業である飼料事業が80%以上を占めております。政府の農業政策の変更、TPP11、FTA及び日米TAGの発効により、国内における飼料事業を取り巻く環境が変化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 畜水産物相場の変動について

 当社グループの主たる事業である飼料事業において、畜水産物の市場相場が大幅に低下したことにより、飼料販売先の経営状況が悪化した場合、債権回収に問題が発生する可能性があります。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 飼料製造工場の稼働停止について

 当社グループの主たる事業である飼料事業において、飼料製造工場が12工場あります。各工場とも必要とされる防火・防災設備を設置しているほか、定期的に防火・防災訓練を実施するなど、工場災害の未然防止に努めておりますが、大規模地震や想定以上規模の水災害等により、工場設備が稼働停止に陥る可能性があります。このような場合、復旧までの間、飼料の製造を行うことができないこと、又は復旧に係る諸費用が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 飼料の品質について

 当社グループの飼料製造工場において、多種多様な原料を使用し多品種の飼料を製造し、出荷しております。これら原料・製品の品質は、品質保証室が中心となり「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」、その他の法令及び社内規程に則って管理しておりますが、不測の事態により、製品の内容等に問題が生じた場合、製品回収の必要性が生じる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 新型コロナウイルス感染症について

 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症による事業への影響を最小限に抑えるべく、テレワーク、ローテーション勤務等の対策を行っております。今後、感染拡大の長期化により需要や原料調達が急激に悪化した場合や、社内で感染が拡がり飼料製造に支障をきたした場合などには、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の長期化や消費増税などの懸念材料があったものの横ばい圏で推移しておりました。しかしながら、年度末にかけて新型コロナウイルスの感染が拡大すると、消費の大幅な落ち込み、企業収益や資金繰りの悪化、株式相場の急落など経済環境は急速に悪化しました。

 飼料業界におきましては、下落基調で推移していた主原料のとうもろこし価格が秋以降上昇に転じたことから、3四半期連続で値下げをしていた配合飼料価格を第4四半期に値上げしました。第2四半期までは米国の天候不順によるとうもろこし価格の乱高下などで原料ポジションは悪化しましたが、第3四半期以降は比較的安定して推移したため、収益環境の厳しさはやわらぎました。しかしながら、畜産家の寡占化に伴うメーカー間の価格競争は激化しており、また新型コロナウイルス感染症の収束も見通せず、厳しい状況は続くことが予想されます。

 このような状況のなか、当社はお客様の利益に貢献する差別化飼料の拡販やお客様とともにに課題を見つけ出しこれを解決する提案営業の強化、生産性向上活動の継続などにより、業績の向上に努めてまいりました。また北海道内2番目となる釧路工場が11月に本格稼働し、成長市場である道東地区のお客様に対するより強固な安定供給体制を構築しました。

 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,834億28百万円(前期比1.9%減)、営業利益60億20百万円(前期比19.9%増)、経常利益64億62百万円(前期比20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益47億32百万円(前期比24.7%増)となりました。

 売上高は、主力の飼料事業が前期を下回ったことなどにより、1.9%の減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の減少などにより、19.9%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、営業外収益に受取保険金や特別利益に関係会社株式売却益を計上したことにより増益幅が拡大し、24.7%の増益となりました。

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

(飼料)

売上高は、3.2%減の1,516億26百万円となりました。主な要因は、原料価格下落に伴う値下げにより平均販売価格が下落したことと、受託数量減少により畜産飼料の販売量が前期並みにとどまったことであります。セグメント利益は、畜産飼料、水産飼料ともに堅調で、前期比22.4%増の63億15百万円となりましたが、増益の原因は以下の通りです。畜産飼料は釧路工場稼働により減価償却費が増加したものの、販売費及び一般管理費の減少や差別化飼料の拡販による利益率の向上でカバーしたためであります。また、水産飼料においては生臭くなく美味しい魚をつくる飼料がけん引して販売量が増加したためであります。

(コンシューマー・プロダクツ)

売上高は、畜産物や特殊卵の販売量が増加したことなどにより、前期比7.9%増の216億25百万円となりました。セグメント利益は、ペットフード事業において、物流コストの上昇及び価格競争の激化などにより利益率が低下したため、前期比10.6%減の1億64百万円となりました。

(その他)

売上高は、前期比1.9%減の101億76百万円、セグメント利益は、前期比13.7%増の7億78百万円となりました。主な要因は、畜産用機器事業において、販売台数が減少したもののコスト削減により増益を確保したことと、肥料事業において、有機配合肥料の販売量が増加したためであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、77億28百万円となりました。当連結会計年度における資金の増加は31億25百万円でありました。

各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は119億15百万円(前期比84億53百万円増加)となりました。主な資金獲得の要因は税金等調整前当期純利益66億60百万円、減価償却費26億44百万円、売上債権の減少56億4百万円であります。一方、主な資金使用の要因は仕入債務の減少13億88百万円、法人税等の支払額13億41百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は66億19百万円(前期比26億48百万円増加)となりました。これは主に固定資産の取得による支出74億62百万円、有価証券の売却による収入2億85百万円、固定資産の売却による収入3億13百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は21億65百万円(前期比17億97百万円増加)となりました。これは主に借入金の減少が純額で9億14百万円、配当金の支払額7億87百万円、自己株式の取得による支出4億61百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

飼料

148,987

96.9

コンシューマー・プロダクツ

3,853

104.5

合計

152,840

97.0

(注)1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3. 上記以外、その他において肥料の生産がありますが、僅少のため省略しております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前期比(%)

金額(百万円)

前期比(%)

その他

3,692

92.2

1,114

86.4

(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2. 受注生産を行っているのは畜産用機器のみであります。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

飼料

151,626

96.8

コンシューマー・プロダクツ

21,625

107.9

 報告セグメント計

173,251

98.1

その他

10,176

98.1

合計

183,428

98.1

(注)1. セグメント間の取引は、相殺消去しております。

2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

伊藤忠飼料株式会社

34,532

18.5

31,160

17.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、主力の飼料事業が前期を下回ったことなどにより、1.9%の減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の減少などにより、19.9%の増益となりました。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、畜産用配合飼料における原料ポジションがあります。配合飼料は、その飼料原料の90%以上を輸入穀物によって生産しております。穀物相場は、世界的な人口増加や新興国の急速な経済成長による需給バランスの変化や生産国の在庫率、世界経済の動向等により近年大きく変化しております。このように飼料における原料コストは穀物相場によって大きく影響を受けます。また輸入穀物のため為替、船運賃等の動きにも影響を受けます。これらの原料コストの変動に伴う対応として飼料業界では飼料販売価格の改定を四半期毎に行っておりますが、飼料販売価格の変動幅と原料コストの変動幅の乖離によって、原料ポジションが改善したり悪化したりします。また、飼料販売価格の変動による畜産経営への影響を緩和するために、配合飼料価格安定制度があります。同制度により、配合飼料メーカーが負担する飼料価格安定基金負担金の増減が当社の損益に大きく影響を及ぼします。

セグメントごとについては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動の結果得られた資金は119億15百万円投資活動の結果使用した資金は66億19百万円となりました。その結果、フリーキャッシュ・フローは、52億95百万円となりました。

また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備資金を自己資金及び借入により調達することとしております。なお、当連結会計年度において、釧路工場建設、八戸工場の養鶏養豚用製造・出荷設備という大型の設備投資が完了しました。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。なお、現時点では新型コロナウイルス感染症による業績への影響は限定的であると判断しており、新型コロナウイルス感染症は当該見積りに影響を与えておりません。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、畜産、水産及びペットフード並びにその周辺業界の市場の要求に応じた新製品や新技術の開発を、当社大府研究所を中心に行うとともに、必要に応じ他の研究機関(大学・民間企業)と連携し、開発の成果がすぐに顧客に役立つべく、常に積極的にこれらの技術指導を行っております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は728百万円であり、グループ全体の専門研究員は45名であります。

 セグメント別の研究開発活動は次のとおりであります。

(1) 飼料

① 養鶏用飼料の開発

 採卵鶏用において、卵価の変動によって変わる生産者のニーズに合わせて最適な飼料を提案し、生産者の生産性改善に貢献しました。

 ブロイラー用において、最新の鶏種に対応した独自の栄養設計と崩れにくいクランブル加工によって、ヒナの初期発育を改善する「スタートダッシュ飼料」を発売しました。

② 養豚用飼料の開発

 ミニペレット人工乳「トライクリープシリーズ」を開発し、生産現場での飼料要求率及び利便性の改善につなげました。また大手生産者向けに豚の品種や飼育環境等を考慮した肉豚及び種豚用飼料を開発し、生産成績改善につなげました。

③ 養牛用飼料の開発

 搾乳牛用において、消化スピードの異なる原料を最適バランスで組み合わせることによって、高泌乳と高繁殖成績の両立が可能となる商品を開発しました。また、人工乳後期用「スウィーターシリーズ」に改良を加え、澱粉消化性が改善し増体の安定につながりました。

④ 養魚用飼料の開発

 持続可能な水産養殖の流れの中、製品の低魚粉化を更に推し進めました。

以上の結果、飼料に係る研究開発費は637百万円となりました。

 

(2) コンシューマー・プロダクツ

ペットフードの開発

腸内フローラに着目した猫用ドライフード「FLORA CAREシリーズ」を発売しました。これは、穀物不使用のグレインフリーとなっております。また、猫の採食スタイル(少量頻回接種)に合わせた小容量フード「ネコリズム」を発売しました。

 以上の結果、コンシューマー・プロダクツに係る研究開発費は29百万円となりました。

 

(3) その他

畜産用機器の開発

有機性廃棄物処理機の省エネ化と発酵効率が向上する新型機械の開発に取り組んでおります。

 以上の結果、その他に係る研究開発費は61百万円となりました。